JP2015191739A - 発光素子、発光素子の製造方法、発光装置および電子機器 - Google Patents

発光素子、発光素子の製造方法、発光装置および電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】液相プロセスを用いて製造しても、優れた発光特性を有する発光素子およびその製造方法を提供すること、また、かかる発光素子を備える発光装置および電子機器を提供すること。【解決手段】本発明の発光素子1は、陽極3と、陰極9と、陽極3と陰極9との間に設けられている正孔輸送層5と、陽極3と陰極9との間に正孔輸送層5に接して設けられている発光層6と、を有し、正孔輸送層5の発光層6側の面は、陽極3に沿った基準面との間の距離が連続的または段階的に変化している部分を有する形状をなしており、発光層6の正孔輸送層5とは反対側の面は、正孔輸送層5の発光層6の面と同一形状となるように形成されている。【選択図】図2

Description

本発明は、発光素子、発光素子の製造方法、発光装置および電子機器に関する。
有機エレクトロルミネセンス素子(いわゆる有機EL素子)は、陽極と陰極との間に少なくとも1層の発光性有機層(発光層)を介挿した構造を有する発光素子である。このような発光素子では、陰極と陽極との間に電界を印加することにより、発光層に陰極側から電子が注入されるとともに陽極側から正孔が注入され、発光層中で電子と正孔が再結合することにより励起子が生成し、この励起子が基底状態に戻る際に、そのエネルギー分が光として放出される。
このような有機EL素子の製造方法として、発光層をインクジェット法のような液相プロセスを用いて形成する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。例えば、特許文献1では、基板上に設けられたバンク内に、インクジェット法を用いて正孔注入層を形成した後に、その正孔注入層上にインクジェット法を用いて発光層を形成する。そして、特許文献1では、発光層の平坦性を高めることが行われている。
しかし、発光層の下地層となる正孔注入層の外周部の厚さが中央部よりも厚くなってしまうため、その後に形成される発光層の厚さを単に均一にしても、発光層の実質的な厚さを均一化することができず、その結果、発光輝度分布が不均一になるという問題があった。
特開2011−29666号公報
本発明の目的は、液相プロセスを用いて製造しても、優れた発光特性を有する発光素子およびその製造方法を提供すること、また、かかる発光素子を備える発光装置および電子機器を提供することにある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
本発明の発光素子は、第1電極と、
第2電極と、
前記第1電極と第2電極との間に設けられている第1層と、
前記第1層と前記第2電極との間に前記第1層に接して設けられている第2層と、を有し、
前記第1層の前記第2層側の面は、前記第1電極に沿った基準面との間の距離が連続的または段階的に変化している部分を有する形状をなしており、
前記第2層の前記第1層とは反対側の面は、前記第1層の前記第2層側の面と同一形状となるように形成されていることを特徴とする。
このような発光素子によれば、第1層の外周部の厚さが中央部よりも厚くなっている場合であっても、第2層の実質的な膜厚を均一にすることができる。これにより、液相プロセスを用いて製造しても、優れた発光特性を有する発光素子を提供することができる。
[適用例2]
本発明の発光素子では、前記第2層の幅方向での所定範囲において、前記第1層の前記第2層側の面と前記基準面との間の距離と、前記第2層の前記第1層とは反対側の面と前記基準面との間の距離との差分が一定となるように構成されていることが好ましい。
これにより、第2層の膜厚を実質的に均一化にすることができる。
[適用例3]
本発明の発光素子では、前記第2層の全幅に対して90%以上の幅の範囲内における前記差分がその平均値に対して±10%以下の範囲内にあることが好ましい。
これにより、第2層の膜厚を実質的に均一化にすることができる。
[適用例4]
本発明の発光素子では、前記第1電極および前記第2電極が重なる方向から見たとき、前記第2層は、長手形状をなしており、
前記第2層の長手方向での全幅に対して90%以上の幅の範囲内における前記差分がその平均値に対して±10以下の範囲内にあることが好ましい。
これにより、第2層の膜厚を実質的に均一化にすることができる。
[適用例5]
本発明の発光素子では、前記第1電極は、陽極であり、
前記第2電極は、陰極であり、
前記第1層は、電子注入層または電子輸送層であり、
前記第2層は、発光層であることが好ましい。
これにより、発光層の実質的な膜厚を均一にすることができる。その結果、発光輝度分布を均一化することができる。
[適用例6]
本発明の発光素子の製造方法は、第1電極を形成する工程と、
前記第1電極の一方の面側に、液相プロセスを用いて第1層を形成する工程と、
前記第1層上に、液相プロセスを用いて第2層を形成する工程と、
前記第2層の前記1層とは反対側に、第2電極を形成する工程と、を有し、
前記第2層を形成する工程は、前記第2層の前記第1層とは反対側の面が前記第1層の前記第2層側の面と同一形状となるように行うことを特徴とする。
このような発光素子の製造方法によれば、第2層の実質的な膜厚を均一にすることができる。これにより、発光素子の特性を高めることができる。
[適用例7]
本発明の発光素子の製造方法では、前記第1層および前記第2層は、区画された同一のバンク内に形成されることが好ましい。
この場合、第1層の外周部の厚さが中央部よりも厚くなりやすく、その後に形成される第2層の外周部の厚さも中央部よりも厚くなりやすい。しかも、第2層の実質的な厚さは、第1層の第2層側の面の形状の影響を受けるため、第2層の厚さを単に均一にしても、外周部の厚さが中央部よりも厚くなってしまう。したがって、このような場合に、本発明を適用すると、その効果が顕著に発揮される。
[適用例8]
本発明の発光素子の製造方法では、前記第2層を形成する工程は、前記第2層を構成する材料またはその前駆体を含む液体を前記第1層上に付与した後に固化することにより行い、
前記第2層を形成する工程において、前記第1層に対する前記液体の接触角が前記バンクに対する前記液体の接触角と同じかまたはそれよりも小さいことが好ましい。
これにより、第2層の外周部の厚さが中央部よりも厚くなってしまうのを低減することができる。その結果、第1層の外周部の厚さが中央部よりも厚くなっている場合に、第2層の実質的な膜厚を均一にすることができる。
[適用例9]
本発明の発光素子の製造方法では、前記バンク内の平面視での面積をA[μm]とし、前記第2層を形成する際に前記第1層上に付与される前記液体の量をB[ng]としたとき、B/Aは、0.003ng/μm以上0.006ng/μm以下であることが好ましい。
これにより、第2層の外周部の厚さが中央部よりも厚くなってしまうのを効果的に低減することができる。
[適用例10]
本発明の発光素子の製造方法では、前記第1層上に前記液体を付与した後の5分間以内に常圧から5Paまで減圧して乾燥を行うことが好ましい。
これにより、第2層の外周部の厚さが中央部よりも厚くなってしまうのを効果的に低減することができる。
[適用例11]
本発明の発光装置は、本発明の発光素子を備えることを特徴とする。
これにより、優れた発光特性を有する発光素子を備える発光装置を提供することができる。
[適用例12]
本発明の電子機器は、本発明の発光素子を備えることを特徴とする。
これにより、優れた発光特性を有する発光素子を備える電子機器を提供することができる。
本発明の実施形態に係る発光装置(表示装置)を示す断面図である。 (a)は、図1に示す発光装置が備えるバンクの平面図、(b)は、図1に示す発光装置が備える発光素子の断面図である。 (a)は、従来の発光素子の発光層の断面形状を説明するための模式図、(b)は、図2(b)に示す発光素子の発光層の断面形状を説明するための模式図である。 図2(a)に示す発光素子の製造方法を説明するための図である。 図2(a)に示す発光素子の製造方法を説明するための図である。 図2(a)に示す発光素子の製造方法を説明するための図である。 図2(a)に示す発光素子の製造方法を説明するための図である。 本発明の電子機器の一例であるモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。 本発明の電子機器の一例である携帯電話機(PHSも含む)の構成を示す斜視図である。 本発明の電子機器の一例であるディジタルスチルカメラの構成を示す斜視図である。 (a)は、本発明の実施例1に係る発光素子の発光層の形状を示すグラフ、(b)は、その発光層の膜厚分布を示すグラフである。 バンク内の平面視での状態を示す写真であって、(a)は、正孔注入層形成後、正孔輸送層形成前の状態、(b)は、実施例1の発光層形成用インク滴下後の状態、(c)は、比較例の発光層形成用インク滴下後の状態を示す。 (a)は、比較例に係る発光素子の発光層の形状を示すグラフ、(b)は、その発光層の膜厚分布を示すグラフである。 (a)は、本発明の実施例1に係る発光素子の発光層の発光状態を示す図、(b)は、その発光層の輝度分布を示すグラフである。 (a)は、比較例に係る発光素子の発光層の発光状態を示す図、(b)は、その発光層の輝度分布を示すグラフである。 本発明の実施例および参考例に係る発光素子の発光層の発光状態を示す図である。
以下、本発明の発光素子、発光素子の製造方法、発光装置および電子機器について、図面に示す好適な実施形態に基づいて説明する。なお、各図では、説明の便宜上、各部の縮尺が適宜変更されており、図示の構成は実際の縮尺と必ずしも一致するわけではない。
(発光装置)
まず、本発明の発光装置の一例である表示装置について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る発光装置(表示装置)を示す断面図である。なお、以下では、説明の都合上、図1中の上側を「上」、下側を「下」として説明を行う。
図1に示す表示装置100は、複数の発光素子1R、1G、1Bがサブ画素100R、100G、100Bに対応して設けられ、ボトムエミッション構造のディスプレイパネルを構成している。なお、本実施形態では表示装置の駆動方式としてアクティブマトリックス方式を採用した例に説明するが、パッシブマトリックス方式を採用したものであってもよい。
表示装置100は、回路基板20と、回路基板20上に設けられた複数の発光素子1R、1G、1Bと、封止基板40と、を有している。
回路基板20は、基板21と、基板21上に設けられた層間絶縁膜22、複数のスイッチング素子23および配線24と、を有している。
基板21は、実質的に透明(無色透明、着色透明または半透明)とされる。これにより、各発光素子1R、1G、1Bからの光を基板21側から光を取り出すことができる。基板21の構成材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、シクロオレフィンポリマー、ポリアミド、ポリエーテルサルフォン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリアリレートのような樹脂材料や、石英ガラス、ソーダガラスのようなガラス材料等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、発光素子1R、1G、1Bからの光を基板21とは反対側から取り出すトップエミッション構造とする場合は、基板21は、不透明基板であってもよく、かかる不透明基板としては、例えば、アルミナのようなセラミックス材料で構成された基板、ステンレス鋼のような金属基板の表面に酸化膜(絶縁膜)を形成したもの、樹脂材料で構成された基板等が挙げられる。
このような基板21上には、複数のスイッチング素子23がマトリクス状に配列されている。各スイッチング素子23は、各発光素子1R、1G、1Bに対応して設けられ、各発光素子1R、1G、1Bを駆動するための駆動用トランジスタである。
このような各スイッチング素子23は、シリコンからなる半導体層231と、半導体層231上に形成されたゲート絶縁層232と、ゲート絶縁層232上に形成されたゲート電極233と、ソース電極234と、ドレイン電極235と、を有している。
このような複数のスイッチング素子23を覆うように、絶縁材料で構成された層間絶縁膜22が形成されている。この層間絶縁膜22には、配線24が設けられている。
層間絶縁膜22上には、各スイッチング素子23に対応して発光素子1R、1G、1Bが設けられている。発光素子1Rは、層間絶縁膜22上に、陽極3(第1電極)、積層体10(10R)、11、陰極9(第2電極)がこの順に積層されている。本実施形態では、各発光素子1R、1G、1Bの陽極3は、画素電極を構成し、各スイッチング素子23のドレイン電極235に配線24を介して電気的に接続されている。また、発光素子1Rの陰極9は、発光素子1G、1Bの陰極9と共通電極とされている。また、発光素子1Rの積層体11は、発光素子1G、1Bと共通となっている。
また、発光素子1G、1Bの構成は、それぞれ、発光素子1Rと同様に構成することができる。ここで、発光素子1R、1G、1Bの積層体10R、10G、10B(特に発光層)を互いに異ならせることにより、異なる色を発光させることができる。例えば、発光素子1Rは、赤色発光し、発光素子1Gは、緑色発光し、発光素子1Bは、青色発光する。
隣接する発光素子1R、1G、1B同士の間には、隔壁31(バンク)が設けられている。また、このような発光素子1R、1G、1Bは、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂で構成された樹脂層32を介して、封止基板40が接合されている。
前述したように本実施形態の各発光素子1R、1G、1Bはボトムエミッション型であるため、封止基板40は、透明基板であっても、不透明基板であってもよく、封止基板40の構成材料としては、前述した基板21と同様の材料を用いることができる。
(発光素子)
次に、発光素子1R、1G、1Bを詳細に説明する。
図2(a)は、図1に示す発光装置が備えるバンクの平面図、図2(b)は、図1に示す発光装置が備える発光素子の断面図である。
図2に示す発光素子(エレクトロルミネッセンス素子)1は、前述した発光素子1R、1G、1Bを構成するものであり、前述したように、陽極3(第1電極)と陰極9(第2電極)との間に積層体10、11が介挿されている。この積層体10は、図2に示すように、陽極3側から陰極9側へ、正孔注入層4と正孔輸送層5(第1層)と発光層6(第2層)とがこの順で積層されている。また、積層体11は、陽極3側から陰極9側へ、電子輸送層7と電子注入層8とがこの順に積層されている。
すなわち、発光素子1は、陽極3と陰極9との間に、陽極3側から陰極9側へ、正孔注入層4と正孔輸送層5と発光層6と電子輸送層7と電子注入層8とがこの順に積層されている。
このような発光素子1にあっては、発光層6に対し、陰極9側から電子が供給(注入)されるとともに、陽極3側から正孔が供給(注入)される。そして、発光層6では、正孔と電子とが再結合し、この再結合に際して放出されたエネルギーによりエキシトン(励起子)が生成し、エキシトンが基底状態に戻る際にエネルギー(蛍光やりん光)を放出(発光)する。
以下、発光素子1の各部の構成を簡単に説明する。
(陽極)
陽極3は、正孔注入層4を介して正孔輸送層5に正孔を注入する電極である。この陽極3の構成材料としては、仕事関数が大きく、導電性に優れる材料を用いるのが好ましい。
陽極3の構成材料としては、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、In、SnO、Sb含有SnO、Al含有ZnO等の酸化物、Au、Pt、Ag、Cuまたはこれらを含む合金等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
(陰極)
一方、陰極9は、電子注入層8を介して電子輸送層7に電子を注入する電極である。この陰極9の構成材料としては、仕事関数の小さい材料を用いるのが好ましい。
陰極9の構成材料としては、例えば、Li、Mg、Ca、Sr、La、Ce、Er、Eu、Sc、Y、Yb、Ag、Cu、Al、Cs、Rbまたはこれらを含む合金等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて(例えば、複数層の積層体等)用いることができる。
特に、陰極9の構成材料として合金を用いる場合には、Ag、Al、Cu等の安定な金属元素を含む合金、具体的には、MgAg、AlLi、CuLi等の合金を用いるのが好ましい。かかる合金を陰極9の構成材料として用いることにより、陰極9の電子注入効率および安定性の向上を図ることができる。
また、本実施形態の発光素子1は、ボトムエミッション型であるため、陰極9は、光透過性を有していなくてもよい。
(正孔注入層)
正孔注入層4は、陽極3からの正孔注入効率を向上させる機能を有するものである。
この正孔注入層4の構成材料(正孔注入材料)としては、特に限定されないが、例えば、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリ(スチレンスルホン酸)(PEDOT/PSS)のようなポリチオフォン系正孔注入材料や、ポリアニリン−ポリ(スチレンスルホン酸)(PANI/PSS)のようなポリアニリン系正孔注入材料のような導電性高分子材料や、TAPC((1,1-ビス[4-(ジ-p-トリル)アミ.ノフェニル]シクロヘキサン)) :4,4'-Cyclohexylidenebis[N,N-bis(4-methylphenyl)aniline])、TPD(N,N’-ジフェニル-N,N’-ビス-(3-メチルフェニル)-1,1’ビフェニル-4,4’-ジアミン)、α−NPD(N,N’-ジフェニル-N,N’-ビス-(1-ナフチル)-1,1’ビフェニル-4,4’-ジアミン)、m−MTDATA(4,4’,4”−トリス(N−3−メチルフェニルアミノ)−トリフェニルアミン:4,4’,4”-Tris(N-3-methylphenyl-N-phenylamino)-triphenylamine)、2−TNATA(4,4’,4”−トリス(N, N−(2−ナフチル)フェニルアミノ)トリフェニルアミン)、TCTA(4,4’,4”−トリ(N−カルバゾル基)トリフェニルアミン:Tris-(4-carbazoyl-9-yl-phenyl)-amine)、TDAPB(1,3,5−トリス−(N,N−ビス−(4−メトキシ−フェニル)−アミノフェニル)−ベンゼン:1,3,5-tris[4-(diphenylamino)phenyl]benzene)、スピローTAD、HTM1(Tri-p-tolylamineHTM2,1,1-bis[(di-4-tolylamino) phenyl]cyclohexane)、HTM2(1,1-bis[(di-4-tolylamino) phenyl]cyclohexane)、TPT1(1,3,5-tris(4-pyridyl)-2,4,6-triazin)、TPTE(Triphenylamine-tetramer)等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
このような正孔注入層4の平均厚さは、特に限定されないが、5〜150nm程度であるのが好ましく、10〜100nm程度であるのがより好ましい。
(正孔輸送層)
正孔輸送層5は、陽極3から正孔注入層4を介して注入された正孔を発光層6まで輸送する機能を有するものである。
この正孔輸送層5の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、TFB(poly(9,9-dioctyl-fluorene-co-N-(4- butylphenyl)-diphenylamine))等のアミン系化合物、ポリフルオレン誘導体(PF)やポリパラフェニレンビニレン誘導体(PPV)、ポリパラフェニレン誘導体(PPP)、ポリビニカルバゾール(PVK)、ポリチオフェン誘導体、ポリメチルフェニルシラン(PMPS)を含むポリシラン系などの高分子有機材料が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。また、前述した正孔注入層4の構成材料を正孔輸送層5の構成材料として用いることもできる。
このような正孔輸送層5の平均厚さは、特に限定されないが、10〜150nm程度であるのが好ましく、10〜100nm程度であるのがより好ましい。
なお、正孔輸送層5は、省略することができる。この場合、正孔注入層4が正孔輸送層5の機能も兼ねることとなる。
(発光層)
発光層6は、正孔輸送層5に接して設けられている。この発光層6は、発光材料を含んで構成されている。
この発光材料としては、特に限定されず、各種蛍光材料、燐光材料を1種または2種以上組み合わせて用いることができる。発光素子1を前述した発光素子1Rに用いる場合には、発光材料として赤色蛍光材料または赤色燐光材料が用いられ、発光素子1を前述した発光素子1Gに用いる場合には、発光材料として緑色蛍光材料または緑色燐光材料が用いられ、発光素子1を発光素子1Bとして用いる場合には、発光材料として青色蛍光材料または青色燐光材料が用いられる。
赤色蛍光材料としては、赤色の蛍光を発するものであれば特に限定されず、例えば、ジインデノペリレン誘導体等のペリレン誘導体、ユーロピウム錯体、ベンゾピラン誘導体、ローダミン誘導体、ベンゾチオキサンテン誘導体、ポルフィリン誘導体、ナイルレッド、2−(1,1−ジメチルエチル)−6−(2−(2,3,6,7−テトラヒドロ−1,1,7,7−テトラメチル−1H,5H−ベンゾ(ij)キノリジン−9−イル)エテニル)−4H−ピラン−4H−イリデン)プロパンジニトリル(DCJTB)、4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン(DCM)等を挙げられる。
赤色燐光材料としては、赤色の燐光を発するものであれば特に限定されず、例えば、イリジウム、ルテニウム、白金、オスミウム、レニウム、パラジウム等の金属錯体が挙げられ、これら金属錯体の配位子の内の少なくとも1つがフェニルピリジン骨格、ビピリジル骨格、ポルフィリン骨格等を持つものも挙げられる。より具体的には、トリス(1−フェニルイソキノリン)イリジウム、ビス[2−(2’−ベンゾ[4,5−α]チエニル)ピリジネート−N,C’]イリジウム(アセチルアセトネート)(btp2Ir(acac))、2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−12H,23H−ポルフィリン−白金(II)、ビス[2−(2’−ベンゾ[4,5−α]チエニル)ピリジネート−N,C’]イリジウム、ビス(2−フェニルピリジン)イリジウム(アセチルアセトネート)が挙げられる。
緑色蛍光材料としては、緑色の蛍光を発するものであれば特に限定されず、例えば、クマリン誘導体、キナクリドン誘導体等のキナクリドンおよびその誘導体、9,10−ビス[(9−エチル−3−カルバゾール)−ビニレニル]−アントラセン、ポリ(9,9−ジヘキシル−2,7−ビニレンフルオレニレン)、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−コ−(1,4−ジフェニレン−ビニレン−2−メトキシ−5−{2−エチルヘキシルオキシ}ベンゼン)]、ポリ[(9,9−ジオクチル−2,7−ジビニレンフルオレニレン)−オルト−コ−(2−メトキシ−5−(2−エトキシルヘキシルオキシ)−1,4−フェニレン)]等が挙げられる。
緑色燐光材料としては、緑色の燐光を発するものであれば特に限定されず、例えば、イリジウム、ルテニウム、白金、オスミウム、レニウム、パラジウム等の金属錯体が挙げられ、具体的には、ファク−トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(Ir(ppy)3)、ビス(2−フェニルピリジネート−N,C’)イリジウム(アセチルアセトネート)、ファク−トリス[5−フルオロ−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジン)フェニル−C,N]イリジウム等が挙げられる。
青色蛍光材料としては、青色の蛍光を発するものであれば、特に限定されず、例えば、ジスチリルジアミン系化合物等のジスチリルアミン誘導体、フルオランテン誘導体、ピレン誘導体、ペリレンおよびペリレン誘導体、アントラセン誘導体、ベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、クリセン誘導体、フェナントレン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、テトラフェニルブタジエン、4,4’−ビス(9−エチル−3−カルバゾビニレン)−1,1’−ビフェニル(BCzVBi)、ポリ[(9.9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−コ−(2,5−ジメトキシベンゼン−1,4−ジイル)]、ポリ[(9,9−ジヘキシルオキシフルオレン−2,7−ジイル)−オルト−コ−(2−メトキシ−5−{2−エトキシヘキシルオキシ}フェニレン−1,4−ジイル)]、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−コ−(エチルニルベンゼン)]等が挙げられる。
青色燐光材料としては、青色の燐光を発するものであれば、特に限定されず、例えば、イリジウム、ルテニウム、白金、オスミウム、レニウム、パラジウム等の金属錯体が挙げられ、具体的には、ビス[4,6−ジフルオロフェニルピリジネート−N,C’]−ピコリネート−イリジウム、トリス[2−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジネート−N,C’]イリジウム、ビス[2−(3,5−トリフルオロメチル)ピリジネート−N,C’]−ピコリネート−イリジウム、ビス(4,6−ジフルオロフェニルピリジネート−N,C’)イリジウム(アセチルアセトネート)等が挙げられる。
以上のような発光材料は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、発光層6中には、前述した発光材料の他に、発光材料がゲスト材料として添加されるホスト材料が含まれていてもよい。このホスト材料は、正孔と電子とを再結合して励起子を生成するとともに、その励起子のエネルギーを発光材料に移動(フェルスター移動またはデクスター移動)させて、発光材料を励起する機能を有する。このようなホスト材料を用いる場合、例えば、ゲスト材料である発光材料をドーパントとしてホスト材料にドープして用いることができる。
このようなホスト材料としては、用いる発光材料に対して前述したような機能を発揮するものであれば、特に限定されないが、例えば、ナフタセン誘導体、ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体のようなアセン誘導体(アセン系材料)、ジスチリルアリーレン誘導体、ペリレン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアミン誘導体、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム錯体(Alq)等のキノリノラト系金属錯体、トリフェニルアミンの4量体等のトリアリールアミン誘導体、オキサジアゾール誘導体、シロール誘導体、ジカルバゾール誘導体、オリゴチオフェン誘導体、ベンゾピラン誘導体、トリアゾール誘導体、ベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、キノリン誘導体、4,4’−ビス(2,2’−ジフェニルビニル)ビフェニル(DPVBi)等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることもできる。
前述したような発光材料(ゲスト材料)およびホスト材料を用いる場合、発光層6中における発光材料の含有量(ドープ量)は、0.01〜10wt%であるのが好ましく、0.1〜5wt%であるのがより好ましい。発光材料の含有量をこのような範囲内とすることで、発光効率を最適化することができる。
このような発光層6の平均厚さは、特に限定されないが、10〜150nm程度であるのが好ましく、10〜100nm程度であるのがより好ましい。また、発光層6は、積層された複数の発光層で構成されていてもよく、その場合、任意の発光層間に発光しない中間層が介在していてもよい。
(電子輸送層)
電子輸送層7は、陰極9から電子注入層8を介して注入された電子を発光層6に輸送する機能を有するものである。
電子輸送層7の構成材料(電子輸送材料)としては、例えば、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq)等の8−キノリノールなしいその誘導体を配位子とする有機金属錯体などのキノリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ペリレン誘導体、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、キノキサリン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、ニトロ置換フルオレン誘導体等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
電子輸送層7の平均厚さは、特に限定されないが、0.5〜100nm程度であるのが好ましく、1〜50nm程度であるのがより好ましい。
なお、この電子輸送層7は、省略することができる。
(電子注入層)
電子注入層8は、陰極9からの電子注入効率を向上させる機能を有するものである。
この電子注入層8の構成材料(電子注入材料)としては、例えば、各種の無機絶縁材料、各種の無機半導体材料が挙げられる。
このような無機絶縁材料としては、例えば、アルカリ金属カルコゲナイド(酸化物、硫化物、セレン化物、テルル化物)、アルカリ土類金属カルコゲナイド、アルカリ金属のハロゲン化物およびアルカリ土類金属のハロゲン化物等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらを主材料として電子注入層を構成することにより、電子注入性をより向上させることができる。特にアルカリ金属化合物(アルカリ金属カルコゲナイド、アルカリ金属のハロゲン化物等)は仕事関数が非常に小さく、これを用いて電子注入層8を構成することにより、発光素子1は、高い輝度が得られるものとなる。
アルカリ金属カルコゲナイドとしては、例えば、LiO、LiO、NaS、NaSe、NaO等が挙げられる。アルカリ土類金属カルコゲナイドとしては、例えば、CaO、BaO、SrO、BeO、BaS、MgO、CaSe等が挙げられる。アルカリ金属のハロゲン化物としては、例えば、CsF、LiF、NaF、KF、LiCl、KCl、NaCl等が挙げられる。アルカリ土類金属のハロゲン化物としては、例えば、CaF、BaF、SrF、MgF、BeF等が挙げられる。
また、無機半導体材料としては、例えば、Li、Na、Ba、Ca、Sr、Yb、Al、Ga、In、Cd、Mg、Si、Ta、SbおよびZnのうちの少なくとも1つの元素を含む酸化物、窒化物または酸化窒化物等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
電子注入層8の平均厚さは、特に限定されないが、0.1〜1000nm程度であるのが好ましく、0.2〜100nm程度であるのがより好ましく、0.2〜50nm程度であるのがさらに好ましい。
なお、この電子注入層8は、省略することができる。
以上のように構成されている発光素子1は、積層体10の各層(正孔注入層4、正孔輸送層5および発光層6)が図2(a)に示すような隔壁31内に液相プロセスを用いて形成される。そのため、正孔輸送層5の外周部の厚さが中央部よりも厚くなりやすく、図3に示すように、正孔輸送層5の上側の面51は、基準面Pとの間の距離が連続的または段階的に変化している部分を有する形状をなしている。
従来の発光層6Xの正孔輸送層5とは反対側の面61Xは、正孔輸送層5の発光層6X側の面51と異なっている。そのため、発光層6Xの中央部側の実質的な厚さt1と外周部側の実質的な厚さt2とが異なってしまい、その結果、発光分布が不均一となったり、発光領域が狭くなったりするという問題があった。
そこで、本発明に係る発光素子1では、発光層6の正孔輸送層5とは反対側の面61は、正孔輸送層5の発光層6X側の面51と同一形状となるように形成されている。すなわち、正孔輸送層5の発光層6側の面51と基準面Pとの間の距離と、発光層6の正孔輸送層5とは反対側の面61と基準面Pとの間の距離との差分(すなわち、厚さt1、t2)が一定となるように構成されている。これにより、発光層6の中央部側の実質的な厚さt1と外周部側の実質的な厚さt2とを等しくすることができ、その結果、発光分布を均一化するとともに、発光領域を拡げることができる。ここで、基準面Pは、陽極3に沿った平坦面であり、図3では、正孔輸送層5の上面の中央部を通り、かつ、陽極3に平行な平坦面である。
ここで、上記差分は、発光層6の幅方向での所定範囲において一定となっていればよく、具体的には、発光層6の全幅に対して90%以上の幅の範囲内において一定となっていればよい。また、「前記差分が一定」とは、上記差分がその平均値に対して±10%以下の範囲内にあることをいう。これにより、発光層6の膜厚を実質的に均一化にすることができる。
また、本実施形態では、図2(a)に示すように、陽極3および陰極9が重なる方向から見たとき(すなわち平面視で)、隔壁31内が長手形状をなしていることから、それに応じて、発光層6も長手形状をなしている。そして、発光層6の長手方向での全幅に対して90%以上の幅の範囲内における前記差分がその平均値に対して±10以下の範囲内にあることが好ましい。これにより、発光層6の膜厚を実質的に均一化にすることができる。
また、隔壁31内の平面視での面積(一画素の面積)が小さいほど、前述したように隔壁31内に液相プロセスによって形成された膜(正孔輸送層5等)の中央部よりも厚さが厚い外周部の占める面積が大きくなるため、前述したような問題が顕著となる。一方、近年、ディスプレイの高精細化等に伴って、一画素の面積を小さくすることが求められている。隔壁31内の平面視での長手方向(長軸方向)での長さは、特に限定されないが、10μm以上1000μm以下程度であることが好ましく、30μm以上600μm以下であることがより好ましい。また、隔壁31内の平面視での幅方向(短軸方向)での長さは、3μm以上400μm以下であることが好ましく、10μm以上200μm以下であることが好ましい。
以上説明したような発光素子1によれば、正孔輸送層5の外周部の厚さが中央部よりも厚くなっている場合であっても、発光層6の実質的な膜厚を均一にすることができる。これにより、液相プロセスを用いて製造しても、優れた発光特性を有する発光素子1を提供することができる。
(発光素子の製造方法)
次に、本発明の発光素子の製造方法について、前述した発光素子1を製造する場合を例に説明する。
図4〜図7は、それぞれ、図2(a)に示す発光素子の製造方法を説明するための図である。
発光素子1の製造方法は、[1]陽極3を形成する工程と、[2]正孔注入層4を形成する工程と。[3]正孔輸送層5を形成する工程と、[4]発光層6を形成する工程と、[5]電子輸送層7、電子注入層8および陰極9を形成する工程と、を有する。以下、各工程を順次説明する。
[1]
まず、基板21を用意し、図4(a)に示すように、この基板21上に陽極3を形成した後、隔壁31を形成する。
陽極3は、例えば、基板21上に、蒸着法、CVD法等の気相成膜法を用いて電極材料を成膜した後、これをエッチング等を用いてパターニングすることにより得られる。
また、隔壁31は、陽極3が露出するようにフォトリソグラフィー法等を用いてパターニングすること等により形成することができる。
ここで、隔壁31の構成材料は、耐熱性、撥液性、インク溶剤耐性、基板21等との密着性等を考慮して選択される。具体的には、隔壁31の構成材料としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂のような有機材料や、SiOのような無機材料が挙げられる。
また、陽極3および隔壁31の形成後、必要に応じて、陽極3および隔壁31の表面に酸素プラズマ処理を施してもよい。これにより、陽極3の表面に親液性を付与すること、陽極3および隔壁31の表面に付着する有機物を除去(洗浄)すること、陽極3の表面付近の仕事関数を調整すること等を行うことができる。
ここで、酸素プラズマ処理の条件としては、例えば、プラズマパワー100〜800W程度、酸素ガス流量50〜100mL/min程度、被処理部材(陽極3)の搬送速度0.5〜10mm/sec程度、基板21の温度70〜90℃程度とするのが好ましい。
また、この酸素プラズマ処理の後、CF等のフッ素系ガスを処理ガスとしてプラズマ処理するのが好ましい。これにより、有機材料である感光性樹脂からなる隔壁31の表面のみにフッ素系ガスが反応して撥液化される。これによって、隔壁31内に付与される液体が不本意に濡れ拡がるのを低減することができる。
[2]
次に、図4(b)に示すように、インクジェットヘッド200から正孔注入層形成用のインク4aを隔壁31内の陽極3上に付与する。
インク4aは、正孔注入層4の構成材料またはその前駆体を溶媒に溶解または分散媒に分散させてなるものである。溶媒または分散媒としては、例えば、各種無機溶媒や、各種有機溶媒、または、これらを含む混合溶媒等が挙げられる。
その後、陽極3上のインク4aを乾燥(脱溶媒または脱分散媒)し、必要に応じて加熱処理することにより、図5(a)に示すように、正孔注入層4を形成する。
乾燥は、例えば、大気圧または減圧雰囲気中での放置、加熱処理、不活性ガスの吹付け等により行うことができる。
以上のように、インク4aを用いた液相プロセスにより、正孔注入層4が形成される。なお、正孔注入層4を蒸着法、CVD法等の気相プロセスによって形成してもよい。
[3]
次に、図5(b)に示すように、インクジェットヘッド200Aから正孔輸送層形成用のインク5aを隔壁31内の正孔注入層4上に付与する。
インク5aは、正孔輸送層5の構成材料またはその前駆体を溶媒に溶解または分散媒に分散させてなるものである。溶媒または分散媒としては、例えば、各種無機溶媒や、各種有機溶媒、または、これらを含む混合溶媒等が挙げられる。
その後、正孔注入層4上のインク5aを乾燥(脱溶媒または脱分散媒)し、必要に応じて加熱処理することにより、図6(a)に示すように、正孔輸送層5を形成する。
乾燥は、例えば、大気圧または減圧雰囲気中での放置、加熱処理、不活性ガスの吹付け等により行うことができる。
以上のように、インク5aを用いた液相プロセスにより、正孔輸送層5が形成される。なお、正孔輸送層5を蒸着法、CVD法等の気相プロセスによって形成してもよい。
[4]
次に、図6(b)に示すように、インクジェットヘッド200Bから発光層形成用のインク6a(液体)を隔壁31内の正孔輸送層5上に付与する。
ここで、隔壁31内に形成された正孔輸送層5の外周部の厚さが中央部よりも厚くなりやすく、その後に隔壁31内に形成される発光層6の外周部の厚さも中央部よりも厚くなりやすい。しかも、発光層6の実質的な厚さは、正孔輸送層5の発光層6側の面の形状の影響を受けるため、発光層6の厚さを単に均一にしても、発光層6の外周部が湾曲し、外周部の実質的な厚さが中央部よりも厚くなってしまう。
そこで、本工程は、発光層6の正孔輸送層5とは反対側の面が正孔輸送層5の発光層6側の面と同一形状となるように行う。これにより、発光層6の実質的な膜厚を均一にすることができる。これにより、発光素子1の特性を高めることができる。
具体的には、本工程において、正孔輸送層5に対するインク6aの接触角が隔壁31に対するインク6aの接触角と同じかまたはそれよりも小さくする。これにより、発光層6の外周部の厚さが中央部よりも厚くなってしまうのを低減することができる。その結果、正孔輸送層5の外周部の厚さが中央部よりも厚くなっている場合に、発光層6の実質的な膜厚を均一にすることができる。例えば、正孔輸送層5の構成材料または溶媒(分散媒)の種類を適宜選択することにより、上述したような接触角の関係を得ることができる。
インク6aは、発光層6の構成材料またはその前駆体を溶媒に溶解または分散媒に分散させてなるものである。溶媒または分散媒としては、例えば、各種無機溶媒や、各種有機溶媒、または、これらを含む混合溶媒等が挙げられる。
その後、正孔輸送層5上のインク6aを乾燥(脱溶媒または脱分散媒)し、必要に応じて加熱処理することにより、図7(a)に示すように、発光層6を形成する。
乾燥は、例えば、大気圧または減圧雰囲気中での放置、加熱処理、不活性ガスの吹付け等により行うことができる。
また、隔壁31の平面視での面積をA[μm]とし、発光層6を形成する際に正孔輸送層5上に付与されるインク6aの量をB[ng]としたとき、B/Aは、0.003ng/μm以上0.006ng/μm以下であるであることが好ましく、0.003ng/μm以上0.005ng/μm以下であるであることがより好ましく、0.004ng/μm以上0.005ng/μm以下であるであることがさらに好ましい。これにより、発光層6の外周部の厚さが中央部よりも厚くなってしまうのを効果的に低減することができる。
また、正孔輸送層5上にインク6aを付与した後の5分間以内に常圧から5Paまで減圧して乾燥を行うことが好ましい。これにより、発光層6の外周部の厚さが中央部よりも厚くなってしまうのを低減することができる。
以上のように、インク6aを用いた液相プロセスにより、発光層6が形成される。
[5]
次に、発光層6上に、電子輸送層7、電子注入層8および陰極9をこの順で形成する。これにより、発光素子1が得られる。
電子輸送層7、電子注入層8および陰極9は、それぞれ、例えば、真空蒸着等の乾式メッキ法等を用いた気相プロセスにより形成することができる。なお、電子輸送層7、電子注入層8および陰極9は、それぞれ、液相プロセスを用いて形成してもよい。
以上のような工程を経て、発光素子1が得られる。
(電子機器)
図8は、本発明の電子機器を適用したモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。
この図において、パーソナルコンピュータ1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示部を備える表示ユニット1106とにより構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。
このパーソナルコンピュータ1100において、表示ユニット1106が備える表示部が前述の表示装置100で構成されている。
図9は、本発明の電子機器を適用した携帯電話機(PHSも含む)の構成を示す斜視図である。
この図において、携帯電話機1200は、複数の操作ボタン1202、受話口1204および送話口1206とともに、表示部を備えている。
携帯電話機1200において、この表示部が前述の表示装置100で構成されている。
図10は、本発明の電子機器を適用したディジタルスチルカメラの構成を示す斜視図である。なお、この図には、外部機器との接続についても簡易的に示されている。
ここで、通常のカメラは、被写体の光像により銀塩写真フィルムを感光するのに対し、ディジタルスチルカメラ1300は、被写体の光像をCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子により光電変換して撮像信号(画像信号)を生成する。
ディジタルスチルカメラ1300におけるケース(ボディー)1302の背面には、表示部が設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、被写体を電子画像として表示するファインダとして機能する。
ディジタルスチルカメラ1300において、この表示部が前述の表示装置100で構成されている。
ケースの内部には、回路基板1308が設置されている。この回路基板1308は、撮像信号を格納(記憶)し得るメモリが設置されている。
また、ケース1302の正面側(図示の構成では裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCDなどを含む受光ユニット1304が設けられている。
撮影者が表示部に表示された被写体像を確認し、シャッタボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、回路基板1308のメモリに転送・格納される。
また、このディジタルスチルカメラ1300においては、ケース1302の側面に、ビデオ信号出力端子1312と、データ通信用の入出力端子1314とが設けられている。そして、図示のように、ビデオ信号出力端子1312にはテレビモニタ1430が、デ−タ通信用の入出力端子1314にはパーソナルコンピュータ1440が、それぞれ必要に応じて接続される。さらに、所定の操作により、回路基板1308のメモリに格納された撮像信号が、テレビモニタ1430や、パーソナルコンピュータ1440に出力される構成になっている。
このような本発明の電子機器は、優れた信頼性を有する。
なお、本発明の電子機器は、図8のパーソナルコンピュータ(モバイル型パーソナルコンピュータ)、図9の携帯電話機、図10のディジタルスチルカメラの他にも、例えば、テレビや、ビデオカメラ、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、ラップトップ型パーソナルコンピュータ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニタ、電子双眼鏡、POS端末、タッチパネルを備えた機器(例えば金融機関のキャッシュディスペンサー、自動券売機)、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電表示装置、超音波診断装置、内視鏡用表示装置)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシミュレータ、その他各種モニタ類、プロジェクター等の投射型表示装置等に適用することができる。
以上、本発明の発光素子、発光素子の製造方法、発光装置および電子機器を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものでない。
例えば、前述した実施形態では、発光素子が1層の発光層を有するものについて説明したが、発光層が2層以上であってもよい。また、発光層の発光色としては、前述した実施形態のR、G、Bに限定されない。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
1.発光素子の製造
(実施例1)
<1> まず、平均厚さ0.5mmの透明なガラス基板を用意した。次に、この基板上に、スパッタ法により、平均厚さ100nmのITO電極(陽極)を形成した。その後、アクリル系樹脂で構成される絶縁層を形成した後、この絶縁層をフォトリソグラフィー法を用いてITO電極を露出するようにパターニングすることで隔壁(バンク)を形成した。この隔壁の平面視形状は、長さ300μm、幅100μmの長方形とし、隔壁の高さを2μmとした。
そして、基板をアセトン、2−プロパノールの順に浸漬し、超音波洗浄した後、酸素プラズマ処理およびアルゴンプラズマ処理を施した。これらのプラズマ処理は、それぞれ、基板を70〜90℃に加温した状態で、プラズマパワー100W、ガス流量20sccm、処理時間5secで行った。
<2> 次に、正孔注入層形成用インクを、隔壁内にインクジェット法により充填してITO電極上付与した後に、これを減圧乾燥した後に加熱処理(焼成)することにより、平均厚さ50nmの正孔注入層を形成した。
ここで、正孔注入層形成用インクとして、PEDOT:PSS分散溶液(インク濃度1.0wt%)を用いた。また、焼成は、大気圧下で行い、焼成温度を200℃とし、焼成時間を10分間とした。
<3> 次に、正孔輸送層形成用インクを、隔壁内にインクジェット法により充填して正孔注入層上に付与した後に、これを減圧乾燥した後に加熱処理(焼成)することにより、平均厚さ30nmの正孔輸送層を形成した。
ここで、正孔輸送層形成用インクとして、アリールアミン系ポリマーである化合物Aを0.45gを、100gの3-Phenoxytolueneに溶解した溶液(インク濃度0.45wt%)を用いた。また、焼成は、窒素で満たされたグローブボックス内で行い、焼成温度を180℃とし、焼成時間を30分間とした。
また、正孔輸送層形成後に、触芯式の表面計測器で、正孔輸送層の表面の形状を測定した。その測定結果を図11(a)に示す(図中のHTL)。
<4> 次に、発光層形成用インクを、隔壁内にインクジェット法により充填して正孔輸送層上に付与した後に、これを減圧乾燥した後に加熱処理(焼成)することにより、平均厚さ20nmの発光層を形成した。
ここで、発光層形成用インクとして、CBP(4,4’−ビス(9−ジカルバゾイル)−2,2’−ビフェニル)、Ir(ppy)3(Fac−トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム)を重量比90:10で混合したテトラロン溶液(濃度1wt%)を用いた。また、発光層形成用インクの付与は、1ショットあたり10ngで、16ショット行うことで、充填量を160ngとした。また、乾燥は、発光層形成用インク付与直後に常圧から5Paまで5分間かけて減圧した。また、焼成は、窒素で満たされたグローブボックス内で行い、焼成温度を100℃とし、焼成時間を20分間とした。
また、発光層形成後に、触芯式の表面計測器で、発光層の表面の形状を測定した。その測定結果を図11(a)に示す(図中のEML)。また、正孔輸送層の表面形状と発光層の表面形状との差分の結果を図11(b)に示す。
<5> 次に、発光層上に、Alqを真空蒸着法により成膜し、平均厚さ20nmの電子輸送層を形成した。
<6> 次に、電子輸送層上に、フッ化リチウム(LiF)を真空蒸着法により成膜し、平均厚さ0.5nmの電子注入層を形成した。
<7> 次に、電子注入層上に、Alを真空蒸着法により成膜した。これにより、Alで構成される平均厚さ150nmの陰極を形成した。
以上の工程により、発光素子を製造した。
(比較例)
正孔輸送層形成用インクとして、フルオレンを含有するアミン系ポリマーである化合物Bを用いた以外は、前述した実施例1と同様にして、発光素子を製造した。
ここで、正孔輸送層上に滴下した発光層形成用インクの状態を図12(c)に示す。なお、図12は、バンク内の平面視での状態を示す写真であって、図12(a)は、正孔注入層形成後、正孔輸送層形成前の状態、図12(b)は、実施例1の発光層形成用インク滴下後の状態、図12(c)は、比較例の発光層形成用インク滴下後の状態を示す。
図12に示すように、比較例では、発光層形成用インクの濡れ拡がり方が実施例1とは異なる。具体的には、実施例1では、画素中心付近にもインク残りがみられるのに対し、比較例では、バンクに沿ってインクが拡がっていることがわかる。これは、比較例において、化合物Bを用いて形成された正孔輸送層に対して発光層形成用インクの濡れ性がバンクに比べて低いためであり、一方、実施例1において、化合物Aを用いて形成された正孔輸送層に対して発光層形成用インクの濡れ性がバンクと同等かまたはそれよりも高いためである。
また、正孔輸送層および発光層の表面形状を実施例1と同様にして測定した結果を図13(a)に示す。また、正孔輸送層の表面形状と発光層の表面形状との差分の結果を図13(b)に示す。
(実施例2)
発光層形成用インクの付与を12ショット行うことで充填量を120ngとした以外は、前述した実施例1と同様にして、発光素子を製造した。
(参考例1)
発光層形成用インクの付与を20ショット行うことで充填量を200ngとした以外は、前述した実施例1と同様にして、発光素子を製造した。
(参考例2)
発光層形成用インクの付与を24ショット行うことで充填量を240ngとした以外は、前述した実施例1と同様にして、発光素子を製造した。
(実施例3)
発光層形成用インク付与直後に常圧から5Paまで1分間かけて減圧して乾燥を行った以外は、前述した実施例1と同様にして、発光素子を製造した。
(参考例3)
発光層形成用インク付与直後に常圧から5Paまで12分間かけて減圧して乾燥を行った以外は、前述した実施例1と同様にして、発光素子を製造した。
(実施例4)
発光層形成用インクの付与を12ショット行うことで充填量を120ngとし、発光層形成用インク付与直後に常圧から5Paまで1分間かけて減圧して乾燥を行った以外は、前述した実施例1と同様にして、発光素子を製造した。
(参考例4)
発光層形成用インクの付与を20ショット行うことで充填量を200ngとし、発光層形成用インク付与直後に常圧から5Paまで12分間かけて減圧して乾燥を行った以外は、前述した実施例1と同様にして、発光素子を製造した。
(参考例5)
発光層形成用インクの付与を20ショット行うことで充填量を200ngとし、発光層形成用インク付与直後に常圧から5Paまで1分間かけて減圧して乾燥を行った以外は、前述した実施例1と同様にして、発光素子を製造した。
(参考例6)
発光層形成用インクの付与を24ショット行うことで充填量を240ngとし、発光層形成用インク付与直後に常圧から5Paまで1分間かけて減圧して乾燥を行った以外は、前述した実施例1と同様にして、発光素子を製造した。
2.評価
上述したようにして製造した各発光素子を発光させて、輝度分布を測定したところ、図14〜図16に示す結果を得た。
図14(a)は、本発明の実施例1に係る発光素子の発光層の発光状態を示す図、図14(b)は、その発光層の輝度分布を示すグラフである。また、図15(a)は、比較例に係る発光素子の発光層の発光状態を示す図、図15(b)は、その発光層の輝度分布を示すグラフである。また、図16は、本発明の実施例および参考例に係る発光素子の発光層の発光状態を示す図である。
これらの図からわかるように、各実施例の発光素子は、比較例および各参考例の発光素子に比べて、輝度分布が均一である。これは、各実施例の発光素子は、発光層の実質的な膜厚が均一であるため(図11(b)参照)、輝度分布が均一化されるのに対し、比較例および各参考例の発光素子は、発光層の実質的な膜厚が均一でないため(図13(b)参照)、輝度分布も不均一になるものと推察される。
ここで、各実施例の発光素子は、発光層の形成時に、発光層形成インクに対する正孔輸送層の濡れ性が隔壁と同等以上である上に、インクの充填量が抑えられたりインク付与後の乾燥速度が速かったりすることによって、インクの拡がりが抑えられ、その結果、発光層の実質的な膜厚の均一化が図られると推察される。これに対し、各参考例の発光素子は、発光層の形成時にインクの充填量が多かったりインク付与後に乾燥速度が遅かったりすることによって、インクが拡がりやすく、その結果、発光層の実質的な膜厚の不均一になると推察される。
1‥‥発光素子
1R‥‥発光素子
1G‥‥発光素子
1B‥‥発光素子
3‥‥陽極
4‥‥正孔注入層
4a‥‥インク
5‥‥正孔輸送層
5a‥‥インク
6‥‥発光層
6X‥‥発光層
6a‥‥インク
7‥‥電子輸送層
8‥‥電子注入層
9‥‥陰極
10‥‥積層体
10R‥‥積層体
10G‥‥積層体
10B‥‥積層体
11‥‥積層体
20‥‥回路基板
21‥‥基板
22‥‥層間絶縁膜
23‥‥スイッチング素子
24‥‥配線
31‥‥隔壁
32‥‥樹脂層
40‥‥封止基板
51‥‥面
61‥‥面
61X‥‥面
100‥‥表示装置
100R‥‥サブ画素
100G‥‥サブ画素
100B‥‥サブ画素
200‥‥インクジェットヘッド
200A‥‥インクジェットヘッド
200B‥‥インクジェットヘッド
231‥‥半導体層
232‥‥ゲート絶縁層
233‥‥ゲート電極
234‥‥ソース電極
235‥‥ドレイン電極
1100‥‥パーソナルコンピュータ
1102‥‥キーボード
1104‥‥本体部
1106‥‥表示ユニット
1200‥‥携帯電話機
1202‥‥操作ボタン
1204‥‥受話口
1206‥‥送話口
1300‥‥ディジタルスチルカメラ
1302‥‥ケース
1304‥‥受光ユニット
1306‥‥シャッタボタン
1308‥‥回路基板
1312‥‥ビデオ信号出力端子
1314‥‥入出力端子
1430‥‥テレビモニタ
1440‥‥パーソナルコンピュータ

Claims (12)

  1. 第1電極と、
    第2電極と、
    前記第1電極と第2電極との間に設けられている第1層と、
    前記第1層と前記第2電極との間に前記第1層に接して設けられている第2層と、を有し、
    前記第1層の前記第2層側の面は、前記第1電極に沿った基準面との間の距離が連続的または段階的に変化している部分を有する形状をなしており、
    前記第2層の前記第1層とは反対側の面は、前記第1層の前記第2層側の面と同一形状となるように形成されていることを特徴とする発光素子。
  2. 前記第2層の幅方向での所定範囲において、前記第1層の前記第2層側の面と前記基準面との間の距離と、前記第2層の前記第1層とは反対側の面と前記基準面との間の距離との差分が一定となるように構成されている請求項1に記載の発光素子。
  3. 前記第2層の全幅に対して90%以上の幅の範囲内における前記差分がその平均値に対して±10%以下の範囲内にある請求項2に記載の発光素子。
  4. 前記第1電極および前記第2電極が重なる方向から見たとき、前記第2層は、長手形状をなしており、
    前記第2層の長手方向での全幅に対して90%以上の幅の範囲内における前記差分がその平均値に対して±10以下の範囲内にある請求項3に記載の発光素子。
  5. 前記第1電極は、陽極であり、
    前記第2電極は、陰極であり、
    前記第1層は、電子注入層または電子輸送層であり、
    前記第2層は、発光層である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の発光素子。
  6. 第1電極を形成する工程と、
    前記第1電極の一方の面側に、液相プロセスを用いて第1層を形成する工程と、
    前記第1層上に、液相プロセスを用いて第2層を形成する工程と、
    前記第2層の前記1層とは反対側に、第2電極を形成する工程と、を有し、
    前記第2層を形成する工程は、前記第2層の前記第1層とは反対側の面が前記第1層の前記第2層側の面と同一形状となるように行うことを特徴とする発光素子の製造方法。
  7. 前記第1層および前記第2層は、区画された同一のバンク内に形成される請求項6に記載の発光素子の製造方法。
  8. 前記第2層を形成する工程は、前記第2層を構成する材料またはその前駆体を含む液体を前記第1層上に付与した後に固化することにより行い、
    前記第2層を形成する工程において、前記第1層に対する前記液体の接触角が前記バンクに対する前記液体の接触角と同じかまたはそれよりも小さい請求項7に記載の発光素子の製造方法。
  9. 前記バンク内の平面視での面積をA[μm]とし、前記第2層を形成する際に前記第1層上に付与される前記液体の量をB[ng]としたとき、B/Aは、0.003ng/μm以上0.006ng/μm以下である請求項8に記載の発光素子の製造方法。
  10. 前記第1層上に前記液体を付与した後の5分間以内に常圧から5Paまで減圧して乾燥を行う請求項8または9に記載の発光素子の製造方法。
  11. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の発光素子を備えることを特徴とする発光装置。
  12. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の発光素子を備えることを特徴とする電子機器。
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