JP2016195181A - 発光装置、発光装置の製造方法および電子機器 - Google Patents

発光装置、発光装置の製造方法および電子機器 Download PDF

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絋平 石田
Kouhei Ishida
絋平 石田
佐合 拓己
Takumi Sago
拓己 佐合
内田 昌宏
Masahiro Uchida
昌宏 内田
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Abstract

【課題】低コスト化を図りつつ、優れた特性を有する発光装置およびその製造方法を提供すること、また、かかる発光装置を備える電子機器を提供すること。
【解決手段】本発明の発光装置100は、正孔注入層4R、4G、4Bおよび正孔輸送層5R、5G、5Bは、互いに同一のホスト材料およびドーパント材料を含んで構成され、正孔注入層4R、4G、4Bにおけるドーパント材料のドープ率が正孔輸送層5R、5G、5Bにおける前記ドーパント材料のドープ率よりも高い。
【選択図】図1

Description

本発明は、発光装置、発光装置の製造方法および電子機器に関する。
有機エレクトロルミネッセンス素子(いわゆる有機EL素子)は、陽極と陰極との間に少なくとも1層の発光性有機層(発光層)を介挿した構造を有する発光素子である。このような発光素子では、陰極と陽極との間に電界を印加することにより、発光層に陰極側から電子が注入されるとともに陽極側から正孔が注入され、発光層中で電子と正孔が再結合することにより励起子が生成し、この励起子が基底状態に戻る際に、そのエネルギー分が光として放出される。
例えば、このような発光素子を用いてディスプレイ装置を構成する場合、赤色発光、緑色発光および青色発光の各発光素子を組み合わせて用いる(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の発光装置は、赤色発光層を有する発光素子と、緑色発光層を有する発光素子と、青色発光層を有する発光素子と、を備え、青色発光層が共通層として赤色発光層および緑色発光層上にも形成されている。このような発光装置では、赤色発光層および緑色発光層をインクジェット法のような液相プロセスで形成し、青色発光層およびそれよりも陰極側の層を共通層として蒸着法等の気相プロセスにより形成することで、効率的な生産が可能となる。
一般に、各発光素子における発光層と陽極との間には、正孔注入層および正孔輸送層が介挿されているが、従来では、正孔注入層および正孔輸送層を互いに異なる材料で構成している。そのため、従来では、正孔注入層と正孔輸送層との間の界面において、正孔の注入性および輸送性が低下しやすいという問題がある。また、かかる問題を解決できたとしても、正孔注入層および正孔輸送層を互いに異なる材料で構成すると、前述したような特許文献1に記載の発光装置では、正孔注入層および正孔輸送層の数の分だけ材料が必要となり、低コスト化を図ることができないという問題がある。
特開2011−29666号公報
本発明の目的は、低コスト化を図りつつ、優れた特性を有する発光装置およびその製造方法を提供すること、また、かかる発光装置を備える電子機器を提供することにある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
本発明の発光装置は、第1画素領域に設けられている第1陽極と、
前記第1画素領域とは異なる第2画素領域に設けられている第2陽極と、
前記第1画素領域および前記第2画素領域に共通して設けられている共通陰極と、
前記第1画素領域および前記第2画素領域に共通して前記第1陽極および前記第2陽極と前記共通陰極との間に設けられ、第1色で発光する機能を有する第1発光機能層と、
前記第1発光機能層と前記第2陽極との間に設けられ、前記第1色と異なる第2色で発光する機能を有する第2発光機能層と、
前記第1発光機能層と前記第1陽極との間に設けられている第1正孔注入層と、
前記第1正孔注入層と前記第1発光機能層との間に設けられている第1正孔輸送層と、
前記第2発光機能層と前記第2陽極との間に設けられている第2正孔注入層と、
前記第2正孔注入層と前記第2発光機能層との間に設けられている第2正孔輸送層と、を有し、
前記第1正孔注入層、前記第1正孔輸送層、前記第2正孔注入層および前記第2正孔輸送層は、互いに同一のホスト材料およびドーパント材料を含んで構成され、
前記第1正孔注入層における前記ドーパント材料のドープ率が前記第1正孔輸送層における前記ドーパント材料のドープ率よりも高く、
前記第2正孔注入層における前記ドーパント材料のドープ率が前記第2正孔輸送層における前記ドーパント材料のドープ率よりも高いことを特徴とする。
このような発光装置によれば、第1正孔注入層、第1正孔輸送層、第2正孔注入層および第2正孔輸送層を互いに同一のホスト材料およびドーパント材料を含んで構成することにより、正孔注入層と正孔輸送層との間の正孔注入性および正孔輸送性を優れたものとすることができる。しかも、正孔注入層におけるドーパント材料のドープ率を正孔輸送層におけるドーパント材料のドープ率よりも高くすることにより、正孔注入層の正孔注入性および正孔輸送層の正孔輸送性をそれぞれ優れたものとすることができる。このようなことから、発光装置の特性を優れたものとすることができる。
また、正孔注入層および正孔輸送層を形成する際に用いる材料の数を、各画素領域の層ごとに異なる材料を用いる場合に比べて少なくすることができ、その結果、低コスト化を図ることができる。
[適用例2]
本発明の発光装置では、前記第1正孔輸送層の膜厚が前記第1正孔注入層の膜厚よりも厚く、
前記第2正孔輸送層の膜厚が前記第2正孔輸送層の膜厚よりも厚いことが好ましい。
これにより、正孔輸送層の電子に対する耐性を優れたものとすることができる。また、正孔注入層に到達する電子の数を低減し、正孔注入層の劣化を低減することができる。
[適用例3]
本発明の発光装置では、前記第1正孔輸送層の膜厚が前記第2正孔輸送層の膜厚と異なることが好ましい。
これにより、画素領域ごとに正孔輸送層の膜厚を最適化することができる。
[適用例4]
本発明の発光装置では、前記第1正孔注入層の膜厚が前記第2正孔注入層の膜厚と異なることが好ましい。
これにより、画素領域ごとに正孔注入層の膜厚を最適化することができる。
[適用例5]
本発明の発光装置では、前記第1正孔輸送層における前記ドーパントのドープ率が前記第2正孔輸送層における前記ドーパントのドープ率と異なることが好ましい。
これにより、画素領域ごとに正孔輸送層の特性を最適化することができる。
[適用例6]
本発明の発光装置では、前記第1正孔注入層における前記ドーパントのドープ率が前記第2正孔注入層における前記ドーパントのドープ率と異なることが好ましい。
これにより、画素領域ごとに正孔注入層の特性を最適化することができる。
[適用例7]
本発明の発光装置では、前記第1画素領域および前記第2画素領域と異なる第3画素領域に設けられている第3陽極と、
前記第1画素領域、前記第2画素領域および前記第3画素領域に共通して設けられている前記共通陰極と、
前記第1画素領域、前記第2画素領域および前記第3画素領域に共通して前記第1陽極、前記第2陽極および前記第3陽極と前記共通陰極との間に設けられている前記第1発光機能層と、
前記第1発光機能層と前記第3陽極との間に設けられ、前記第1色および前記第2色と異なる第3色で発光する機能を有する第3発光機能層と、
前記第3発光機能層と前記第3陽極との間に設けられている第3正孔注入層と、
前記第3正孔注入層と前記第3発光機能層との間に設けられている第3正孔輸送層と、を有し、
前記第3正孔注入層および前記第3正孔輸送層は、互いに同一の前記ホスト材料および前記ドーパント材料を含んで構成され、
前記第3正孔注入層における前記ドーパント材料のドープ率が前記第3正孔輸送層における前記ドーパント材料のドープ率よりも高いことが好ましい。
これにより、低コスト化を図りつつ、第1〜第3の画素領域を有する発光装置の特性を優れたものとすることができる。
[適用例8]
本発明の発光装置では、前記第1色が青色、前記第2色が赤色、前記第3色が緑色であることが好ましい。
これにより、フルカラー表示が可能な表示装置を実現することができる。
[適用例9]
本発明の発光装置では、前記ホスト材料が高分子材料であり、前記ゲスト材料が低分子材料であることが好ましい。
これにより、正孔輸送層および正孔注入層のゲスト材料のドープ量に応じて、正孔輸送層の正孔輸送性および正孔注入層の正孔注入性を容易に調整することができる。
[適用例10]
本発明の発光装置の製造方法は、本発明の発光装置を製造する方法であって、
前記ホスト材料を含むホストインクと、前記ドーパント材料を含むドーパントインクとを準備する準備工程と、
前記ホストインクおよび前記ドーパントインクを用いて、前記第1正孔注入層および前記第2正孔注入層を形成する正孔注入層形成工程と、
前記ホストインクおよび前記ドーパントインクを用いて、前記第1正孔輸送層および前記第2正孔輸送層を形成する正孔輸送層形成工程と、を有することを特徴とする。
このような発光装置の製造方法によれば、低コスト化を図りつつ、優れた特性を有する発光装置を製造することができる。
[適用例11]
本発明の発光装置の製造方法では、前記正孔注入層形成工程および前記正孔輸送層形成工程のそれぞれの工程において、前記ホストインクおよび前記ドーパントインクを前記第1画素領域および前記第2画素領域に付与して混合した後に乾燥させることが好ましい。
これにより、比較的簡単に、それぞれ所望のドープ率でドーパント材料を含有する正孔注入層および正孔輸送層を形成することができる。
[適用例12]
本発明の電子機器は、本発明の発光装置を備えることを特徴とする。
このような電子機器によれば、発光装置の低コスト化を図りつつ特性を優れたものとすることができる。
本発明の実施形態に係る発光装置(表示装置)を示す断面図である。 図1に示す発光装置の製造方法を説明するための図である。 図1に示す発光装置の製造方法を説明するための図である。 図1に示す発光装置の製造方法を説明するための図である。 本発明の電子機器の一例であるモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。 本発明の電子機器の一例である携帯電話機(PHSも含む)の構成を示す斜視図である。 本発明の電子機器の一例であるディジタルスチルカメラの構成を示す斜視図である。
以下、本発明の発光装置、発光装置の製造方法および電子機器について、図面に示す好適な実施形態に基づいて説明する。なお、各図では、説明の便宜上、各部の縮尺が適宜変更されており、図示の構成は実際の縮尺と必ずしも一致するわけではない。
(発光装置)
まず、本発明の発光装置の一例である表示装置について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る発光装置(表示装置)を示す断面図である。なお、以下では、説明の都合上、図1中の上側を「上」、下側を「下」として説明を行う。
図1に示す発光装置100は、複数の発光素子1R、1G、1Bがサブ画素100R(R画素)、100G(G画素)、100B(B画素)に対応して設けられ、ボトムエミッション構造のディスプレイパネルを構成している。ここで、サブ画素100Bが「第1画素領域」、サブ画素100Rが「第2画素領域」、サブ画素100Gが「第3画素領域」を構成している。なお、本実施形態では表示装置の駆動方式としてアクティブマトリックス方式を採用した例に説明するが、パッシブマトリックス方式を採用したものであってもよい。
発光装置100は、回路基板20と、回路基板20上に設けられた複数の発光素子1R、1G、1Bと、封止基板40と、を有している。
回路基板20は、基板21と、基板21上に設けられた層間絶縁膜22、複数のスイッチング素子23および配線24と、を有している。
基板21は、実質的に透明(無色透明、着色透明または半透明)とされる。これにより、各発光素子1R、1G、1Bからの光を基板21側から光を取り出すことができる。基板21の構成材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、シクロオレフィンポリマー、ポリアミド、ポリエーテルサルフォン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリアリレートのような樹脂材料や、石英ガラス、ソーダガラスのようなガラス材料等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、発光素子1R、1G、1Bからの光を基板21とは反対側から取り出すトップエミッション構造とする場合は、基板21は、不透明基板であってもよく、かかる不透明基板としては、例えば、アルミナのようなセラミックス材料で構成された基板、ステンレス鋼のような金属基板の表面に酸化膜(絶縁膜)を形成したもの、樹脂材料で構成された基板等が挙げられる。
このような基板21上には、複数のスイッチング素子23がマトリクス状に配列されている。各スイッチング素子23は、各発光素子1R、1G、1Bに対応して設けられ、各発光素子1R、1G、1Bを駆動するための駆動用トランジスタである。
このような各スイッチング素子23は、シリコンからなる半導体層231と、半導体層231上に形成されたゲート絶縁層232と、ゲート絶縁層232上に形成されたゲート電極233と、ソース電極234と、ドレイン電極235と、を有している。
このような複数のスイッチング素子23を覆うように、絶縁材料で構成された層間絶縁膜22が形成されている。この層間絶縁膜22には、配線24が設けられている。
層間絶縁膜22上には、各スイッチング素子23に対応して発光素子1R、1G、1Bが設けられている。本実施形態では、発光素子1Rは、赤色(第2色)の光を出射するよう構成され、発光素子1Gは、緑色(第3色)の光を出射するよう構成され、発光素子1Bは、青色(第1色)の光を出射するように構成されている。これにより、フルカラー表示の発光装置100(表示装置)を実現することができる。
具体的には、発光素子1R(第2発光素子)は、層間絶縁膜22上に、陽極3R(第2陽極)、正孔注入層4R(第2正孔注入層)、正孔輸送層5R(第2正孔輸送層)、発光機能層6R(第2発光機能層)、正孔輸送層7、発光機能層6B(第1発光機能層:共通発光機能層)、電子輸送層8、電子注入層9および陰極10(第2陰極:共通陰極)がこの順で積層されて構成されている。
同様に、発光素子1G(第3発光素子)は、層間絶縁膜22上に、陽極3G(第3陽極)、正孔注入層4G(第3正孔注入層)、正孔輸送層5G(第3正孔輸送層)、発光機能層6G(第3発光機能層)、正孔輸送層7、発光機能層6B(第1発光機能層:共通発光機能層)、電子輸送層8、電子注入層9および陰極10(第3陰極:共通陰極)がこの順で積層されて構成されている。
一方、発光素子1B(第1発光素子)は、層間絶縁膜22上に、陽極3B(第1陽極)、正孔注入層4B(第1正孔注入層)、正孔輸送層5B(第1正孔輸送層)、正孔輸送層7、発光機能層6B(第1発光機能層:共通発光機能層)、電子輸送層8、電子注入層9および陰極10(第1陰極:共通陰極)がこの順で積層されている。
ここで、陽極3R、3G、3Bは、対応する発光素子1R、1G、1Bごと(サブ画素ごと)に個別に設けられた画素電極を構成し、スイッチング素子23のドレイン電極に配線24を介して電気的に接続されている。また、正孔注入層4R、4G、4B、正孔輸送層5R、5G、5B、発光機能層6Rおよび発光機能層6Gも、対応する発光素子1R、1G、1Bごとに個別に設けられている。なお、以下では、発光素子1R、1G、1Bを総括して「発光素子1」、陽極3R、3G、3Bを総括して「陽極3」、正孔注入層4R、4G、4Bを総括して「正孔注入層4」、正孔輸送層5R、5G、5Bを総括して「正孔輸送層5」ともいう。
一方、陰極10は、発光素子1R、1G、1Bに共通して一体化されて設けられた共通電極を構成している。また、正孔輸送層7、発光機能層6B、電子輸送層8および電子注入層9も、発光素子1R、1G、1Bに共通して設けられている。
このようなハイブリット型の発光装置100によれば、液相プロセスを用いて正孔輸送層5R、5G、5Bおよび発光機能層6R、6G等をそれぞれ素子ごとに個別に形成するとともに、気相プロセスを用いて正孔輸送層7および発光機能層6B等をそれぞれ3つの素子に共通に形成することができる。そのため、発光素子1R、1G、1Bを効率的に製造することができる。
隣接する発光素子1R、1G、1B同士の間には、樹脂材料で構成された隔壁31(バンク)が設けられている。また、このような発光素子1R、1G、1Bは、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂で構成された樹脂層32を介して、封止基板40が接合されている。
前述したように本実施形態の各発光素子1R、1G、1Bはボトムエミッション型であるため、封止基板40は、透明基板であっても、不透明基板であってもよく、封止基板40の構成材料としては、前述した基板21と同様の材料を用いることができる。
以下、発光素子1R、1G、1Bについて詳述する。
発光素子1R、1G、1Bでは、発光機能層6R、6G、6Bに対し、陰極10側から電子が供給(注入)されるとともに、陽極3R、3G、3B側から正孔が供給(注入)される。そして、発光機能層6R、6G、6Bでは、それぞれ、正孔と電子とが再結合し、この再結合に際して放出されたエネルギーによりエキシトン(励起子)が生成し、エキシトンが基底状態に戻る際にエネルギー(蛍光やりん光)を放出(発光)する。
ここで、発光素子1R、1Gでは、発光機能層6Bが設けられているが、発光機能層6Bを発光させずに、発光機能層6R、6Gを選択的に発光させる。これにより、発光素子1R、1G、1Bがそれぞれ赤色、緑色、青色に発光する。
以下、発光素子1R、1G、1Bの各部の構成を簡単に説明する。
(陽極)
陽極3(3R、3G、3B)は、正孔注入層4(4R、4G、4B)に正孔を注入する電極である。この陽極3R、3G、3Bの構成材料としては、それぞれ、仕事関数が大きく、導電性に優れる材料を用いるのが好ましい。
具体的には、陽極3R、3G、3Bの構成材料としては、それぞれ、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、In、SnO、Sb含有SnO、Al含有ZnO等の酸化物、Au、Pt、Ag、Cuまたはこれらを含む合金等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、陽極3R、3G、3Bの構成材料は、互いに同じであっても異なっていてもよいが、互いに同じ材料を用いることにより、一括して陽極3R、3G、3Bを形成することができ、生産性を高めることができる。
(正孔注入層)
正孔注入層4(4R、4G、4B)は、陽極3(3R、3G、3B)からの正孔注入効率を向上させる機能を有するものである。
正孔注入層4R、4G、4Bは、互いに同一のホスト材料およびドーパント材料を含んで構成されている。すなわち、正孔注入層4R、4G、4Bにおいて、用いるホスト材料およびドーパント材料の組み合わせが同じであるが、ドーパントの含有量を互いに異ならせることにより、構成材料の導電率を互いに異ならせる。これにより、正孔注入層4R、4G、4Bのそれぞれの導電率を容易に調整することができる。また、正孔注入層4R、4G、4Bを互いに異なる材料で構成する場合に比べて、用いる材料の数を少なくすることができる。
このような正孔注入層4R、4G、4Bに含まれるホスト材料およびドーパント材料としては、それぞれ、特に限定されないが、正孔注入材料を用いることができ、例えば、TAPC((1,1-ビス[4-(ジ-p-トリル)アミ.ノフェニル]シクロヘキサン)) :4,4'-Cyclohexylidenebis[N,N-bis(4-methylphenyl)aniline])、TPD(N,N’-ジフェニル-N,N’-ビス-(3-メチルフェニル)-1,1’ビフェニル-4,4’-ジアミン)、α−NPD(N,N’-ジフェニル-N,N’-ビス-(1-ナフチル)-1,1’ビフェニル-4,4’-ジアミン)、m−MTDATA(4,4’,4”−トリス(N−3−メチルフェニルアミノ)−トリフェニルアミン:4,4’,4”-Tris(N-3-methylphenyl-N-phenylamino)-triphenylamine)、2−TNATA(4,4’,4”−トリス(N, N−(2−ナフチル)フェニルアミノ)トリフェニルアミン)、TCTA(4,4’,4”−トリ(N−カルバゾル基)トリフェニルアミン:Tris-(4-carbazoyl-9-yl-phenyl)-amine)、TDAPB(1,3,5−トリス−(N,N−ビス−(4−メトキシ−フェニル)−アミノフェニル)−ベンゼン:1,3,5-tris[4-(diphenylamino)phenyl]benzene)、スピローTAD、HTM1(Tri-p-tolylamineHTM2,1,1-bis[(di-4-tolylamino) phenyl]cyclohexane)、HTM2(1,1-bis[(di-4-tolylamino) phenyl]cyclohexane)、TPT1(1,3,5-tris(4-pyridyl)-2,4,6-triazin)、TPTE(Triphenylamine-tetramer)、TFB(poly(9,9-dioctyl-fluorene-co-N-(4- butylphenyl)-diphenylamine))等のトリフェニルアミン系ポリマー等のアミン系化合物、ポリフルオレン誘導体(PF)、ポリパラフェニレンビニレン誘導体(PPV)、ポリパラフェニレン誘導体(PPP)、ポリビニカルバゾール(PVK)、ポリチオフェン誘導体、ポリメチルフェニルシラン(PMPS)を含むポリシラン系等の高分子材料、また、NOVALED社製NDP-9、ポリスチレンスルホン酸(PSS)等の低分子材料が挙げられ、これらのうちの少なくとも2種を選択して用いることができる。これらのうちの1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、かかるホスト材料としては、前述した正孔注入材料のうち、高分子材料を用いることが好ましく、一方、かかるドーパント材料としては、前述した正孔注入材料のうち、低分子材料を用いることが好ましい。これにより、正孔注入層4R、4G、4Bのゲスト材料のドープ量に応じて、正孔注入層4R、4G、4Bの正孔注入性を容易に調整することができる。
また、正孔注入層4Bにおけるドーパントのドープ率は、正孔注入層4R、4Gにおけるドーパントのドープ率と異なることが好ましい。これにより、正孔注入層4Bが正孔注入層4Rおよび正孔注入層4Gと異なる導電率の材料で構成されることとなり、画素領域ごとに正孔注入層4R、4G、4Bの特性を最適化することができる。
ここで、正孔注入層4Bの構成材料の導電率が正孔注入層4R、4Gの構成材料の導電率よりも高いことが好ましい。これにより、正孔注入層4Bの構成材料の正孔輸送性を正孔注入層4R、4Gの構成材料の正孔輸送性よりも高くし、青色の画素を効率的に発光させることができる。これは、発光機能層6Bに含まれる青色発光材料が、発光機能層6R、6Gに含まれる赤色発光材料や緑色発光材料に比べて、バンドギャップが大きく、発光させるのにより大きなエネルギー(キャリア量)が必要なためである。
また、本実施形態のようなハイブリット型の発光装置100においては、後述するように発光機能層6Bを気相成膜法により形成するため、通常、発光機能層6Bの電子輸送性が、液相プロセスで形成された発光機能層6R、6Gに比べて高くなる。そのため、正孔注入層4Bの正孔輸送性が低いと、サブ画素100Bにおいて、発光機能層6Bにバランスよく電子および正孔を注入することができなかったり、電子が正孔注入層4Bやそれよりも陽極3B側に侵入して正孔注入層4Bの劣化の原因となったりする。そこで、正孔注入層4Bの構成材料の導電率を正孔注入層4R、4Gの構成材料の導電率よりも高くすることで、これらの問題を解決することができる。
また、正孔注入層4R、4Gのそれぞれの厚さを最適化するとともに、サブ画素100R、100Gのキャリアバランスをそれぞれ最適化する観点から、正孔注入層4R、4Gが互いに導電率の異なる材料で構成されていること、言い換えると、正孔注入層4R、4Gにおけるドーパント材料のドープ率が互いに異なることが好ましい。
ここで、正孔注入層4Rの構成材料の導電率が正孔注入層4Gの構成材料の導電率よりも高い場合、すなわち、正孔注入層4Rにおけるドーパント材料のドープ率が正孔注入層4Gにおけるドーパント材料のドープ率よりも高い場合、発光機能層6Rに発光機能層6Gよりも多くのキャリアを注入し、赤色および緑色の画素の発光バランスを優れたものとすることができる。これは、一般に、緑色発光が赤色発光に比べて効率的に行えるため、すなわち、赤色発光が緑色発光に比べて効率が低いためである。
一方、正孔注入層4Rの構成材料の導電率が正孔注入層4Gの構成材料の導電率よりも低い場合、すなわち、正孔注入層4Rにおけるドーパント材料のドープ率が正孔注入層4Gにおけるドーパント材料のドープ率よりも低い場合、発光機能層6Gに発光機能層6Bよりも多くのキャリアを注入し、赤色および緑色の画素を効率的に発光させることができる。これは、発光機能層6Gに含まれる緑色発光材料が、発光機能層6Rに含まれる赤色発光材料に比べて、バンドギャップが大きく、発光させるのにより大きなエネルギー(キャリア量)が必要なためである。
また、このようにホスト材料およびドーパント材料を用いる場合、正孔注入層4R、4G、4B中におけるドーパント材料の含有量は、特に限定されないが、0.1wt%以上20wt%以下であることが好ましく、1wt%以上15wt%以下であることがより好ましく、5wt%以上10wt%以下であることがさらに好ましい。
このような正孔注入層4R、4G、4Bの厚さは、それぞれ、特に限定されないが、10nm以上150nm以下の範囲内にあることが好ましく、10nm以上100nm以下の範囲内にあることがより好ましい。また、正孔注入層4R、4G、4Bの厚さは、互いに同じであっても異なっていてもよいが、上述した観点から、正孔注入層4Bの膜厚が正孔注入層4R、4Gの膜厚と異なることが好ましい。これにより、画素領域ごとに正孔注入層4R、4G、4Bの膜厚を最適化することができる。
(正孔輸送層)
正孔輸送層5R(第2正孔輸送層)は、陽極3Rから正孔注入層4Rを介して注入された正孔を発光機能層6Rまで輸送する機能を有する。同様に、正孔輸送層5G(第3正孔輸送層)は、陽極3Gから正孔注入層4Gを介して注入された正孔を発光機能層6Gまで輸送する機能を有する。
また、正孔輸送層5Rは、電子ブロック性を有し、電子が正孔注入層4Rに侵入することによる正孔注入層4Rの機能低下を防止する機能をも有する。同様に、正孔輸送層5Gは、電子ブロック性を有し、電子が正孔注入層4Gに侵入することによる正孔注入層4Gの機能低下を防止する機能をも有する。
正孔輸送層5B(第1正孔輸送層)および正孔輸送層7は、陽極3Bから正孔注入層4Bを介して注入された正孔を発光機能層6Bまで輸送する機能を有する。
また、正孔輸送層5B、7は、電子ブロック性を有し、電子が正孔注入層4Bに侵入することによる正孔注入層4Bの機能低下を防止する機能をも有する。なお、正孔輸送層7は、後述するように極めて薄いため、正孔輸送層7単独の電子ブロック性は極めて低く、発光素子1R、1Gにおいて、電子の移動を阻害しないようになっている。
正孔輸送層5R、5G、5Bは、それぞれ、前述した正孔注入層4R、4G、4Bと同一のホスト材料およびドーパント材料を用いて構成されている。すなわち、正孔注入層4R、4G、4Bおよび正孔輸送層5R、5G、5Bは、互いに同一のホスト材料およびドーパント材料を含んで構成されている。これにより、正孔注入層4R、4G、4Bと正孔輸送層5R、5G、5Bとの界面でのエネルギー的な障壁を低減し、これらの間の正孔注入性および正孔輸送性を優れたものとすることができる。また、正孔注入層4R、4G、4Bおよび正孔輸送層5R、5G、5Bを形成する際に用いる材料の数を、各画素領域の層ごとに異なる材料を用いる場合に比べて少なくすることができ、その結果、低コスト化を図ることができる。
また、正孔輸送層5R、5G、5Bにおけるドーパント材料のドープ率は、前述した正孔注入層4R、4G、4Bにおけるドーパント材料のドープ率よりも低い。すなわち、正孔注入層4Rにおけるドーパント材料のドープ率が正孔輸送層5Rにおけるドーパント材料のドープ率よりも高く、正孔注入層4Gにおけるドーパント材料のドープ率が正孔輸送層5Gにおけるドーパント材料のドープ率よりも高く、正孔注入層4Bにおけるドーパント材料のドープ率が正孔輸送層5Bにおけるドーパント材料のドープ率よりも高い。これにより、正孔注入層4R、4G、4Bの正孔注入性および正孔輸送層5R、5G、5Bの正孔輸送性をそれぞれ優れたものとすることができる。このようなことから、発光装置100の特性を優れたものとすることができる。
また、正孔輸送層5R、5G、5Bに含まれるホスト材料としては、前述した正孔注入材料のうち、高分子材料を用いることが好ましく、一方、正孔輸送層5R、5G、5Bに含まれるドーパント材料としては、前述した正孔注入材料のうち、低分子材料を用いることが好ましい。これにより、正孔輸送層5R、5G、5Bのゲスト材料のドープ量に応じて、正孔輸送層5R、5G、5Bの正孔輸送性を容易に調整することができる。
また、正孔輸送層5Bにおけるドーパントのドープ率は、正孔輸送層5R、5Gおけるドーパントのドープ率と異なることが好ましい。これにより、画素領域ごとに正孔輸送層5R、5G、5Bの特性を最適化することができる。また、このような観点から、正孔輸送層5R、5Gおけるドーパントのドープ率が互いに異なることが好ましい。
ここで、正孔輸送層5Rにおけるドーパント材料のドープ率が正孔輸送層5Gにおけるドーパント材料のドープ率よりも高い場合、発光機能層6Rに発光機能層6Gよりも多くのキャリアを注入し、赤色および緑色の画素の発光バランスを優れたものとすることができる。
一方、正孔輸送層5Rにおけるドーパント材料のドープ率が正孔輸送層5Gにおけるドーパント材料のドープ率よりも低い場合、発光機能層6Gに発光機能層6Bよりも多くのキャリアを注入し、赤色および緑色の画素を効率的に発光させることができる。
また、このようにホスト材料およびドーパント材料を用いる場合、正孔輸送層5R、5G、5B中におけるドーパント材料の含有量は、特に限定されないが、0.2wt%以上30wt%以下であることが好ましく、2wt%以上20wt%以下であることがより好ましく、7wt%以上15wt%以下であることがさらに好ましい。
また、正孔輸送層5R、5G、5Bの膜厚がそれぞれ正孔注入層4R、4G、4Bの膜厚よりも厚いことが好ましい。これにより、正孔輸送層5R、5G、5Bの電子に対する耐性を優れたものとすることができる。また、正孔注入層4R、4G、4Bに到達する電子の数を低減し、正孔注入層4R、4G、4Bの劣化を低減することができる。特に、前述したように、ハイブリット型の発光装置100においては、発光機能層6Bの電子輸送性が発光機能層4R、4Gに比べて高くなるため、正孔注入層4Bおよび正孔輸送層5Bの劣化を低減する観点から、正孔輸送層5Bの膜厚を正孔注入層4Bの膜厚よりも厚くすることが好ましい。
また、正孔輸送層5Bの膜厚が正孔輸送層5R、5Gの膜厚と異なることが好ましい。これにより、画素領域ごとに正孔輸送層5R、5G、5Bの膜厚を最適化することができる。
このような正孔輸送層5R、5G、5Bの厚さは、それぞれ、特に限定されないが、正孔注入層4Bおよび正孔輸送層5Bの劣化を低減する観点から、20nm以上200nm以下の範囲内にあることが好ましく、30nm以上100nm以下の範囲内にあることがより好ましい。
一方、正孔輸送層7の構成材料としては、例えば、m−MTDATA(4,4’,4”−トリス(N−3−メチルフェニルアミノ)−トリフェニルアミン)、TCTA(4,4’,4”−トリ(N−カルバゾル基)トリフェニルアミン)、α−NPD(ビス(N−(1−ナフチル)−N−フェニル)ベンジジン)等の低分子の正孔輸送材料が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。また、正孔輸送層7(共通正孔輸送層)の構成材料は、正孔輸送層5R、5G、5Bと同じであっても異なっていてもよいが、正孔輸送層5B(第1正孔輸送層)の構成材料と同一または近似した材料を含んでいることにより、正孔輸送層5Bから正孔輸送層7を介して発光機能層6Bへキャリア(正孔)をスムーズに輸送させることができる。
また、正孔輸送層7の厚さtは、2nm以下であることが好ましく、0.1nm以上1.5nm以下であることがより好ましく、0.1nm以上1nm以下であることがさらに好ましく、0.1nm以上0.9nm以下であることが最も好ましい。これにより、発光素子1R、1Gにおいて、発光機能層6R、6Gと発光機能層6Bとの間に設けられている正孔輸送層7の厚さが極めて薄いため、発光機能層6Bから発光機能層6R、6Gへキャリア(電子)を受け渡すことができる。したがって、発光素子1R、1Gにおいて発光機能層6Bを発光させずに発光機能層6R、6Gを選択的に発光させることができる。正孔輸送層7の厚さが極めて薄いため、正孔輸送層7を設けることによる発光素子1R、1G、1Bの駆動電圧の上昇を抑えることができる。
ここで、正孔輸送層7の構成材料が前述したように電子ブロック性を有するため、発光素子1Bにおいて正孔輸送層7の電子ブロック性を利用して発光機能層6Bを効率的に発光させることができる。一方、発光素子1R、1Gにおいて、正孔輸送層7の電子ブロック性が高すぎると、発光機能層6R、6Gによる発光が生じなかったり、発光効率が著しく低下したりする。したがって、正孔輸送層7の厚さを極めて薄くして発光素子1R、1Gにおける正孔輸送層7の電子ブロック性を低くすることは極めて有用である。
これに対し、正孔輸送層7の厚さtが薄すぎると、正孔輸送層7を設けることによる前述した効果が極端に小さくなる傾向を示す。一方、正孔輸送層7の厚さtが厚すぎると、発光素子1R、1Gの駆動電圧が急激に大きく(発光効率が急激に低く)なるか、または、発光素子1R、1Gにおいて発光機能層6Bが発光してしまい、所望の色の発光が得られなくなってしまう。
なお、正孔輸送層7は、省略してもよい。
(発光機能層)
発光機能層6Rは、正孔輸送層5Rに接して設けられ、赤色で発光する機能を有する。また、発光機能層6Gは、正孔輸送層5Gに接して設けられ、緑色で発光する機能を有する。また、発光機能層6Bは、正孔輸送層7に接して設けられ、青色で発光する機能を有する。
発光機能層6R、6G、6Bは、それぞれ、発光材料を含んで構成されている。この発光材料としては、特に限定されず、各種蛍光材料、燐光材料を1種または2種以上組み合わせて用いることができ、発光機能層6Rは、発光材料として赤色蛍光材料または赤色燐光材料が用いられ、発光機能層6Gは、発光材料として緑色蛍光材料または緑色燐光材料が用いられ、発光機能層6Bは、発光材料として青色蛍光材料または青色燐光材料が用いられる。
赤色蛍光材料としては、赤色の蛍光を発するものであれば特に限定されず、例えば、ジインデノペリレン誘導体等のペリレン誘導体、ユーロピウム錯体、ベンゾピラン誘導体、ローダミン誘導体、ベンゾチオキサンテン誘導体、ポルフィリン誘導体、ナイルレッド、2−(1,1−ジメチルエチル)−6−(2−(2,3,6,7−テトラヒドロ−1,1,7,7−テトラメチル−1H,5H−ベンゾ(ij)キノリジン−9−イル)エテニル)−4H−ピラン−4H−イリデン)プロパンジニトリル(DCJTB)、4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン(DCM)、ADS111RE(アメリカンダイソース社製)等を挙げられる。
赤色燐光材料としては、赤色の燐光を発するものであれば特に限定されず、例えば、Bt2Ir(acac)(Bis(2−phenylbenxothiozolato−N,C2’)Iridium(III)(acetylacetonate))、Btp2Ir(acac)(Bis(2,2’−benzothienyl)−pyridinato−N,C3)Iridium(acetylacetonate))などのイリジウム錯体、PtOEP(2,3,7,8,12,13,17,18−Octaethyl−21H,23H−porphine,platinum(II))などの白金錯体等が挙げられる。
緑色蛍光材料としては、緑色の蛍光を発するものであれば特に限定されず、例えば、クマリン誘導体、キナクリドン誘導体等のキナクリドンおよびその誘導体、9,10−ビス[(9−エチル−3−カルバゾール)−ビニレニル]−アントラセン、ポリ(9,9−ジヘキシル−2,7−ビニレンフルオレニレン)、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−コ−(1,4−ジフェニレン−ビニレン−2−メトキシ−5−{2−エチルヘキシルオキシ}ベンゼン)]、ポリ[(9,9−ジオクチル−2,7−ジビニレンフルオレニレン)−オルト−コ−(2−メトキシ−5−(2−エトキシルヘキシルオキシ)−1,4−フェニレン)]、ADS109GE(アメリカンダイソース社製)等が挙げられる。
緑色燐光材料としては、緑色の燐光を発するものであれば特に限定されず、例えば、Ir(ppy)3(Fac−tris(2−phenypyridine)iridium)、Ppy2Ir(acac)(Bis(2−phenyl−pyridinato−N,C2)Iridium(acetylacetone))などのイリジウム錯体等が挙げられる。
青色蛍光材料としては、青色の蛍光を発するものであれば、特に限定されず、例えば、ジスチリルジアミン系化合物等のジスチリルアミン誘導体、フルオランテン誘導体、ピレン誘導体、ペリレンおよびペリレン誘導体、アントラセン誘導体、ベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、クリセン誘導体、フェナントレン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、テトラフェニルブタジエン、4,4’−ビス(9−エチル−3−カルバゾビニレン)−1,1’−ビフェニル(BCzVBi)、ポリ[(9.9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−コ−(2,5−ジメトキシベンゼン−1,4−ジイル)]、ポリ[(9,9−ジヘキシルオキシフルオレン−2,7−ジイル)−オルト−コ−(2−メトキシ−5−{2−エトキシヘキシルオキシ}フェニレン−1,4−ジイル)]、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−コ−(エチルニルベンゼン)]、ADS136BE(アメリカンダイソース社製)等が挙げられる。
青色燐光材料としては、青色の燐光を発するものであれば、特に限定されず、例えば、FIrpic(Iridium−bis(4,6−difluorophenyl−pyridinato−N,C2)−picolinate)、Ir(pmb)3(Iridium−tris(1−phenyl−3−methylbenzimidazolin−2−ylidene−C,C(2)’)、FIrN4(Iridium (III)bis(4,6−difluorophenylpyridinato)(5−(pyridin−2−yl)−tetrazolate))、FIrtaz(Iridium(III)bis(4,6−difluorophenylpyridinato)(5−(pyridine−2−yl)−1,2,4−triazolate))などのイリジウム錯体等が挙げられる。
また、発光機能層6R、6G、6B中には、前述した発光材料の他に、発光材料がゲスト材料として添加されるホスト材料が含まれていてもよい。このホスト材料は、正孔と電子とを再結合して励起子を生成するとともに、その励起子のエネルギーを発光材料に移動(フェルスター移動またはデクスター移動)させて、発光材料を励起する機能を有する。このようなホスト材料を用いる場合、例えば、ゲスト材料である発光材料をドーパントとしてホスト材料にドープして用いることができる。
このようなホスト材料としては、用いる発光材料に対して前述したような機能を発揮するものであれば、特に限定されないが、例えば、TDAPB(1,3,5−トリス−(N,N−ビス−(4−メトキシ−フェニル)−アミノフェニル)−ベンゼン)、CBP(4,4’−bis(9−dicarbazolyl)−2,2’−biphenyl)、BAlq(Bis−(2−methyl−8−quinolinolate)−4−(phenylphenolate)aluminium)、mCP(N,N−dicarbazolyl−3,5−benzene:CBP誘導体)、CDBP(4,4’−bis(9−carbazolyl)−2,2’−dimethyl−biphenyl)、DCB(N,N’−Dicarbazolyl−1,4−dimethene−benzene)、P06(2,7−bis(diphenylphosphineoxide)9,9−dimethylfluorene)、SimCP(3,5−bis(9−carbazolyl)tetraphenylsilane)、UGH3(W−bis(triphenylsilyl)benzene)等の低分子のホスト材料が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることもできる。
発光機能層6R、6Gの構成材料は、前述した正孔輸送層5R、5Gの構成材料を溶解可能な溶媒に可溶であることが好ましい。これにより、同じ溶媒を用いて発光機能層6R、6Gおよび正孔輸送層5R、5Gを液相プロセスにより形成することができる。すなわち、発光機能層6R、6Gを液相プロセスにより形成する際、正孔輸送層5R、5Gを液相プロセスにより形成した際に用いた溶媒と同じ溶媒を用いることができる。その結果、発光機能層6R、6Gと正孔輸送層5R、5Gとの間の界面の密着性または親和性を高め、正孔輸送層5R、5Gから発光機能層6R、6Gへのキャリア(正孔)の輸送性を高めることができる。
また、発光機能層6R、6Gの構成材料は、低分子材料を主材料として構成されていることが好ましく、低分子のゲスト材料および低分子のホスト材料を主材料として構成されていることがより好ましい。これにより、発光機能層6R、6Gの発光効率を高めて、正孔輸送層7を設けることによる発光素子1R、1Gの発光効率の低下分を補うことができる。その結果、発光素子1R、1Gと発光素子1Bの発光バランスを優れたものとすることができる。このような観点から、発光機能層6R、6G中の低分子材料の含有量は、60wt%以上であることが好ましく、80wt%以上であることがより好ましく、90wt%以上であることがさらに好ましい。
このような発光機能層6R、6G、6Bの厚さは、それぞれ、特に限定されないが、5nm以上100nm以下の範囲内にあることが好ましく、10nm以上50nm以下の範囲内にあることがより好ましい。
(電子輸送層)
電子輸送層8は、陰極10から電子注入層9を介して注入された電子を発光機能層6Bに輸送する機能を有するものである。
電子輸送層8の構成材料(電子輸送材料)としては、例えば、BALq、OXD−1(1,3,5−トリ(5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール))、BCP(Bathocuproine)、PBD(2−(4−ビフェニル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール)、TAZ(3−(4−ビフェニル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール)、DPVBi(4,4’−ビス(1,1−ビスージフェニルエテニル)ビフェニル)、BND(2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール)、DTVBi(4,4’−ビス(1,1−ビス(4−メチルフェニル)エテニル)ビフェニル)、BBD(2,5−ビス(4−ビフェニリル)−1,3,4−オキサジアゾール)、また、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq3)、オキサジアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、フェナンソロリン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、ベンゾキノン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタン誘導体、フルオレン誘導体、ジフェニルジシアノエチレン誘導体、ジフェノキノン誘導体、ヒドロキシキノリン誘導体等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
電子輸送層8の厚さは、特に限定されないが、1nm以上100nm以下の範囲内にあることが好ましく、5nm以上50nm以下の範囲内にあることがより好ましい。
なお、この電子輸送層8は、他の層の構成材料や厚さ等によっては、省略することができる。
(電子注入層)
電子注入層9は、陰極10からの電子注入効率を向上させる機能を有するものである。
この電子注入層9の構成材料(電子注入材料)としては、例えば、各種の無機絶縁材料、各種の無機半導体材料が挙げられる。
このような無機絶縁材料としては、例えば、アルカリ金属カルコゲナイド(酸化物、硫化物、セレン化物、テルル化物)、アルカリ土類金属カルコゲナイド、アルカリ金属のハロゲン化物およびアルカリ土類金属のハロゲン化物等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらを主材料として電子注入層を構成することにより、電子注入性をより向上させることができる。特にアルカリ金属化合物(アルカリ金属カルコゲナイド、アルカリ金属のハロゲン化物等)は仕事関数が非常に小さく、これを用いて電子注入層9を構成することにより、発光素子1は、高い輝度が得られるものとなる。
アルカリ金属カルコゲナイドとしては、例えば、LiO、LiO、NaS、NaSe、NaO等が挙げられる。アルカリ土類金属カルコゲナイドとしては、例えば、CaO、BaO、SrO、BeO、BaS、MgO、CaSe等が挙げられる。アルカリ金属のハロゲン化物としては、例えば、CsF、LiF、NaF、KF、LiCl、KCl、NaCl等が挙げられる。アルカリ土類金属のハロゲン化物としては、例えば、CaF、BaF、SrF、MgF、BeF等が挙げられる。
また、無機半導体材料としては、例えば、Li、Na、Ba、Ca、Sr、Yb、Al、Ga、In、Cd、Mg、Si、Ta、SbおよびZnのうちの少なくとも1つの元素を含む酸化物、窒化物または酸化窒化物等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
電子注入層9の厚さは、特に限定されないが、0.01nm以上10nm以下の範囲内にあることが好ましく、0.1nm以上10nm以下の範囲内にあることがより好ましい。
なお、この電子注入層9は、他の層の構成材料や厚さ等によっては、省略することができる。
(陰極)
陰極10は、電子注入層9を介して電子輸送層8に電子を注入する電極である。この陰極10の構成材料としては、仕事関数の小さい材料を用いるのが好ましい。
陰極10の構成材料としては、例えば、Li、Mg、Ca、Sr、La、Ce、Er、Eu、Sc、Y、Yb、Ag、Cu、Al、Cs、Rbまたはこれらを含む合金等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて(例えば、複数層の積層体等)用いることができる。
特に、陰極10の構成材料として合金を用いる場合には、Ag、Al、Cu等の安定な金属元素を含む合金、具体的には、MgAg、AlLi、CuLi等の合金を用いるのが好ましい。かかる合金を陰極10の構成材料として用いることにより、陰極10の電子注入効率および安定性の向上を図ることができる。
また、本実施形態の発光素子1は、ボトムエミッション型であるため、陰極10は、光透過性を有していなくてもよい。ボトムエミッション型である場合、陰極10の構成材料としては、例えば、Al、Ag、AlAg、AlNd等の金属または合金が好ましく用いられる。このような金属または合金を陰極10の構成材料として用いることにより、陰極10の電子注入効率および安定性の向上を図ることができる。
ボトムエミッション型である場合の陰極10の厚さは、特に限定されないが、50nm以上1000nm以下の範囲内にあることが好ましく、100nm以上500nm以下の範囲内にあることがより好ましい。
なお、発光素子1がトップエミッション型である場合、陰極10の構成材料としては、MgAg、MgAl、MgAu、AlAg等の金属または合金を用いるのが好ましい。このような金属または合金を陰極10の構成材料として用いることにより、陰極10の光透過性を確保しつつ、陰極10の電子注入効率および安定性の向上を図ることができる。
トップエミッション型である場合における陰極10の厚さは、特に限定されないが、1nm以上50nm以下の範囲内にあることが好ましく、5nm以上20nm以下の範囲内にあることがより好ましい。
以上説明したように構成された発光装置100によれば、後に詳述するように、液相プロセスを用いて正孔注入層4R、4G、4R、正孔輸送層5R、5G、5Bおよび発光機能層6R、6Gをそれぞれ素子ごとに個別に形成するとともに、気相プロセスを用いて正孔輸送層7および発光機能層6Bをそれぞれ発光素子1R、1G、1Bに共通に形成することができる。そのため、発光素子1R、1G、1Bを効率的に製造することができる。
特に、以下のように、正孔注入層4R、4G、4Bおよび正孔輸送層5R、5G、5Bを同一のホストインクおよびドーパントインクを用いて形成することにより、これらの層を形成する材料の数を減らし、低コスト化を図りつつ、優れた特性を有する発光装置100を製造することができる。
(発光装置の製造方法)
以下、前述した発光装置100の製造方法の一例を説明する。
図2〜図4は、図1に示す発光装置の製造方法を説明するための図である。以下、各工程を順次説明する。
[1]
まず、回路基板20を用意し、図2(a)に示すように、この回路基板20上に陽極3R、3G、3Bを形成した後、隔壁31を形成する。
陽極3R、3G、3Bは、例えば、回路基板20上に、蒸着法、CVD法等の気相成膜法を用いて電極材料を成膜した後、これをエッチング等を用いてパターニングすることにより得られる。
また、隔壁31は、陽極3R、3G、3Bが露出するようにフォトリソグラフィー法等を用いてパターニングすること等により形成することができる。
ここで、隔壁31の構成材料は、耐熱性、撥液性、インク溶剤耐性、回路基板20等との密着性等を考慮して選択される。具体的には、隔壁31の構成材料としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂のような有機材料や、SiOのような無機材料が挙げられる。
また、陽極3R、3G、3Bおよび隔壁31の形成後、必要に応じて、陽極3R、3G、3Bおよび隔壁31の表面に酸素プラズマ処理を施してもよい。これにより、陽極3R、3G、3Bの表面に親液性を付与すること、陽極3R、3G、3Bおよび隔壁31の表面に付着する有機物を除去(洗浄)すること、陽極3R、3G、3Bの表面付近の仕事関数を調整すること等を行うことができる。
ここで、酸素プラズマ処理の条件としては、例えば、プラズマパワー100〜800W程度、酸素ガス流量50〜100mL/min程度、被処理部材(陽極3R、3G、3B)の搬送速度0.5〜10mm/sec程度、回路基板20の温度70〜90℃程度とするのが好ましい。
また、この酸素プラズマ処理の後、CF等のフッ素系ガスを処理ガスとしてプラズマ処理するのが好ましい。これにより、有機材料である感光性樹脂からなる隔壁31の表面のみにフッ素系ガスが反応して撥液化される。これによって、隔壁31内に付与される液体が不本意に濡れ拡がるのを低減することができる。
[2]
次に、図2(b)および図2(c)に示すように、インクジェットヘッド200からインク4a、4bを隔壁31内の陽極3R、3G、3B上にそれぞれ付与する。
インク4aは、前述した正孔注入層4および正孔輸送層5のホスト材料またはその前駆体(成膜材料)を溶媒に溶解または分散媒に分散させてなるもの(ホストインク)である。また、インク4bは、前述した正孔注入層4および正孔輸送層5のドーパント材料またはその前駆体を溶媒に溶解または分散媒に分散させてなるもの(ドーパントインク)である。溶媒または分散媒としては、例えば、各種無機溶媒や、各種有機溶媒、または、これらを含む混合溶媒等が挙げられる。
このような2種のインク4a、4bを隔壁31内に付与するに際しては、例えば、まず、図2(b)に示すように、インクジェットヘッド200からインク4aを隔壁31内の陽極3R、3G、3B上にそれぞれ付与する。
その後、図2(c)に示すように、インクジェットヘッド200からインク4bを隔壁31内の陽極3R、3G、3B上にそれぞれ付与する。これにより、陽極3R上に、インク4aとインク4bとが混合したインク4cR、陽極3G上に、インク4aとインク4bとが混合したインク4cG、陽極3B上に、インク4aとインク4bとが混合したインク4cBがそれぞれ付与されることとなる。
ここで、インク4aおよびインク4bのうちの少なくとも一方の付与量を画素ごとに異ならせることにより、インク4cR、4cG、4cB中におけるドーパント材料の濃度(含有量)を異ならせることができる。
その後、陽極3上のインク4cR、4cG、4cBを乾燥(脱溶媒または脱分散媒)し、必要に応じて加熱処理することにより、図2(d)に示すように、正孔注入層4R、4G、4Bを形成する。これにより、ドーパント材料の含有率の異なる正孔注入層4R、4G、4Bが形成される。
乾燥は、例えば、大気圧または減圧雰囲気中での放置、加熱処理、不活性ガスの吹付け等により行うことができるが、5Pa以下の真空状態で10分間〜1時間程度減圧乾燥を行った後に、大気圧のオーブン内またはホットプレートにて100℃〜250℃で5分間〜30分間程度加熱乾燥することが好ましい。これにより、平坦で優れた特性を有する正孔注入層4R、4G、4Bを形成することができる。
以上のように、インク4a、4bを用いた液相プロセスにより、正孔注入層4R、4G、4Bが形成される。
[3]
次に、図3(a)および図3(b)に示すように、インクジェットヘッド200から前述した工程[2]と同様のインク4a、4bを隔壁31内の陽極3R、3G、3B上にそれぞれ付与する。
このような2種のインク4a、4bを隔壁31内に付与するに際しては、例えば、まず、図3(a)に示すように、インクジェットヘッド200からインク4aを隔壁31内の正孔注入層4R、4G、4B上にそれぞれ付与する。
その後、図3(b)に示すように、インクジェットヘッド200からインク4bを隔壁31内の正孔注入層4R、4G、4B上にそれぞれ付与する。これにより、正孔注入層4R上に、インク4aとインク4bとが混合したインク5cR、正孔注入層4G上に、インク4aとインク4bとが混合したインク5cG、正孔注入層4B上に、インク4aとインク4bとが混合したインク5cBがそれぞれ付与されることとなる。
ここで、インク5cR、5cG、5cB中のドーパント材料の濃度が、前述したインク4cR、4cG、4cB中のドーパント材料の濃度よりも低くする。また、インク4aおよびインク4bのうちの少なくとも一方の付与量を画素ごとに異ならせることにより、インク5cR、5cG、5cB中におけるドーパント材料の濃度(含有量)を異ならせることができる。
その後、正孔注入層4上のインク5cR、5cG、5cBを乾燥(脱溶媒または脱分散媒)し、必要に応じて加熱処理することにより、図3(c)に示すように、正孔輸送層5R、5G、5Bを形成する。これにより、ドーパント材料の含有率が正孔注入層4R、4G、4Bよりも低い正孔輸送層5R、5G、5Bが形成される。
乾燥は、例えば、大気圧または減圧雰囲気中での放置、加熱処理、不活性ガスの吹付け等により行うことができるが、5Pa以下の真空状態で10分間〜1時間程度減圧乾燥を行った後に、窒素雰囲気のオーブン内またはホットプレートにて100℃〜250℃で5分間〜30分間程度加熱乾燥することが好ましい。これにより、平坦で優れた特性を有する正孔輸送層5R、5Gを形成することができる。
以上のように、液相プロセスにより、正孔輸送層5R、5Gが形成される。
[4]
次に、図3(d)に示すように、発光機能層6R、6Gを形成する。
より具体的に説明すると、インクジェットヘッドから発光機能層形成用のインクを隔壁31内の正孔輸送層5R、5G上にそれぞれ付与する。
かかるインクは、発光機能層6R、6Gの構成材料またはその前駆体を溶媒に溶解または分散媒に分散させてなるものである。溶媒または分散媒としては、例えば、各種無機溶媒や、各種有機溶媒、または、これらを含む混合溶媒等が挙げられる。
その後、正孔輸送層5R、5G上のインクを乾燥(脱溶媒または脱分散媒)し、必要に応じて加熱処理することにより、図3(d)に示すように、発光機能層6R、6Gを形成する。
乾燥は、例えば、大気圧または減圧雰囲気中での放置、加熱処理、不活性ガスの吹付け等により行うことができるが、5Pa以下の真空状態で10分間〜1時間程度減圧乾燥を行った後に、窒素雰囲気のオーブン内またはホットプレートにて100℃〜250℃で5分間〜30分間程度加熱乾燥することが好ましい。これにより、平坦で優れた特性を有する発光機能層6R、6Gを形成することができる。
以上のように、液相プロセスにより、発光機能層6R、6Gが形成される。
[5]
次に、図4(a)に示すように、発光機能層6R、6Gおよび正孔輸送層5B上に、隔壁31を跨ってこれらを覆うようにして、正孔輸送層7、発光機能層6B、電子輸送層8、電子注入層9および陰極10をこの順で形成する。
正孔輸送層7、発光機能層6B、電子輸送層8、電子注入層9および陰極10は、それぞれ、例えば、真空蒸着等の乾式メッキ法等を用いた気相プロセスにより形成することができる。
[6]
最後に、図4(b)に示すように、陰極10を樹脂層32(封止層)を介して封止基板40を接着する。これにより、発光装置100が得られる。
以上説明したように、液相プロセスを用いて正孔輸送層5R、5G、5Bおよび発光機能層6R、6Gをそれぞれ素子ごとに個別に形成するとともに、気相プロセスを用いて正孔輸送層7および発光機能層6Bをそれぞれ発光素子1R、1G、1Bに共通に形成し、発光素子1R、1G、1Bを効率的に製造することができる。
特に、前述した発光装置100の製造方法は、インク4a、4bを準備する準備工程と、インク4a、4bを用いて正孔注入層4R、4G、4Bを形成する正孔注入層形成工程と、インク4a、4bを用いて正孔輸送層5R、5G、5Bを形成する正孔輸送層形成工程と、を有するため、低コスト化を図りつつ、優れた特性を有する発光装置100を製造することができる。
また、正孔注入層形成工程および正孔輸送層形成工程のそれぞれの工程において、インク4a、4bを各サブ画素100R、100G、100Bに付与して混合した後に乾燥させることにより、比較的簡単に、それぞれ所望のドープ率でドーパント材料を含有する正孔注入層4R、4G、4Bおよび正孔輸送層5R、5G、5Bを形成することができる。
(電子機器)
図5は、本発明の電子機器を適用したモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。
この図において、パーソナルコンピュータ1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示部を備える表示ユニット1106とにより構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。
このパーソナルコンピュータ1100において、表示ユニット1106が備える表示部が前述の発光装置100で構成されている。
図6は、本発明の電子機器を適用した携帯電話機(PHSも含む)の構成を示す斜視図である。
この図において、携帯電話機1200は、複数の操作ボタン1202、受話口1204および送話口1206とともに、表示部を備えている。
携帯電話機1200において、この表示部が前述の発光装置100で構成されている。
図7は、本発明の電子機器を適用したディジタルスチルカメラの構成を示す斜視図である。なお、この図には、外部機器との接続についても簡易的に示されている。
ここで、通常のカメラは、被写体の光像により銀塩写真フィルムを感光するのに対し、ディジタルスチルカメラ1300は、被写体の光像をCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子により光電変換して撮像信号(画像信号)を生成する。
ディジタルスチルカメラ1300におけるケース(ボディー)1302の背面には、表示部が設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、被写体を電子画像として表示するファインダとして機能する。
ディジタルスチルカメラ1300において、この表示部が前述の発光装置100で構成されている。
ケースの内部には、回路基板1308が設置されている。この回路基板1308は、撮像信号を格納(記憶)し得るメモリが設置されている。
また、ケース1302の正面側(図示の構成では裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCDなどを含む受光ユニット1304が設けられている。
撮影者が表示部に表示された被写体像を確認し、シャッタボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、回路基板1308のメモリに転送・格納される。
また、このディジタルスチルカメラ1300においては、ケース1302の側面に、ビデオ信号出力端子1312と、データ通信用の入出力端子1314とが設けられている。そして、図示のように、ビデオ信号出力端子1312にはテレビモニタ1430が、デ−タ通信用の入出力端子1314にはパーソナルコンピュータ1440が、それぞれ必要に応じて接続される。さらに、所定の操作により、回路基板1308のメモリに格納された撮像信号が、テレビモニタ1430や、パーソナルコンピュータ1440に出力される構成になっている。
このような本発明の電子機器は、優れた信頼性を有する。
なお、本発明の電子機器は、図5のパーソナルコンピュータ(モバイル型パーソナルコンピュータ)、図6の携帯電話機、図7のディジタルスチルカメラの他にも、例えば、テレビや、ビデオカメラ、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、ラップトップ型パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末、時計、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニタ、電子双眼鏡、POS端末、タッチパネルを備えた機器(例えば金融機関のキャッシュディスペンサー、自動券売機)、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電表示装置、超音波診断装置、内視鏡用表示装置)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシミュレータ、その他各種モニタ類、プロジェクター等の投射型表示装置等に適用することができる。
以上、本発明の発光装置および電子機器を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものでない。
例えば、本発明の発光装置は、前述した実施形態のものに限定されず、例えば、各画素の発光機能層が独立して設けられた発光装置にも適用可能である。
次に、本発明の具体的な実施例について説明する。
1.発光素子の製造
(実施例)
<1> まず、厚さ0.5mmの透明なガラス基板を用意した。次に、この基板上に、スパッタ法により、RGB画素のそれぞれの画素電極として厚さ100nmのITO電極(第1陽極、第2陽極および第3陽極)を形成した。その後、アクリル系樹脂で構成される絶縁層を形成した後、この絶縁層をフォトリソグラフィー法を用いて各ITO電極を露出するようにパターニングすることで隔壁(撥液性を有するバンク)を形成した。
そして、基板をアセトン、2−プロパノールの順に浸漬し、超音波洗浄した。
<2> 次に、正孔注入層形成用インクを、RGB画素のそれぞれの隔壁内にインクジェット法により充填してITO電極上付与した後に、これを減圧乾燥した後に加熱処理(焼成)することにより、正孔注入層(第1、2、3正孔注入層)を形成した。R画素の正注入層の厚さは20nm、G画素の正孔注入層の厚さは50nm、B画素の正孔注入層の厚さは50nmであった。
ここで、R画素用およびG画素用の正孔注入層形成用インクとして、ホスト材料であるTFBトリフェニルアミン系ポリマー等のアミン系化合物であるTFB(poly(9,9-dioctyl-fluorene-co-N-(4- butylphenyl)-diphenylamine))を1.0g、ドーパント材料あるNDP-9を0.10g秤量し、これらを、65gの3-Phenoxytolueneと35gのTriethyleneglycol dimethyl etherとの混合溶液に溶解したものを用いた。
また、B画素用の正孔注入層形成用インクとして、ホスト材料であるTFBトリフェニルアミン系ポリマー等のアミン系化合物であるTFB(poly(9,9-dioctyl-fluorene-co-N-(4- butylphenyl)-diphenylamine))を1.0g、ドーパント材料あるNDP-9を0.15g秤量し、これらを、65gの3-Phenoxytolueneと35gのTriethyleneglycol dimethyl etherとの混合溶液に溶解したものを用いた。
また、焼成は、減圧乾燥後、窒素雰囲気下で行い、焼成温度を180℃とし、焼成時間を30分間とした。
このようなインクを用いて、ドーパント材料の含有率10%のR画素およびG画素の正孔注入層、ドーパント材料の含有率15%のB画素の正孔注入層を形成した。
<3> 次に、正孔輸送層形成用インクを、RGB画素のそれぞれの隔壁内にインクジェット法により充填して正孔注入層上に付与した後に、これを減圧乾燥した後に加熱処理(焼成)することにより、正孔輸送層(第1、2、3正孔輸送層)を形成した。R画素の正輸送層の厚さは40nm、G画素の正孔輸送層の厚さは100nm、B画素の正孔輸送層の厚さは80nmであった。
ここで、R画素用およびG画素用の正孔輸送層形成用インクとして、ホスト材料であるTFBトリフェニルアミン系ポリマー等のアミン系化合物であるTFB(poly(9,9-dioctyl-fluorene-co-N-(4- butylphenyl)-diphenylamine))を1.0g、ドーパント材料あるNDP-9を0.01g秤量し、これらを、65gの3-Phenoxytolueneと35gのTriethyleneglycol dimethyl etherとの混合溶液に溶解したものを用いた。
また、B画素用の正孔輸送層形成用インクとして、ホスト材料であるTFBトリフェニルアミン系ポリマー等のアミン系化合物であるTFB(poly(9,9-dioctyl-fluorene-co-N-(4- butylphenyl)-diphenylamine))を1.0g、ドーパント材料あるNDP-9を0.03g秤量し、これらを、65gの3-Phenoxytolueneと35gのTriethyleneglycol dimethyl etherとの混合溶液に溶解したものを用いた。
また、焼成は、減圧乾燥後、窒素雰囲気下で行い、焼成温度を180℃とし、焼成時間を30分間とした。
<4> 次に、発光機能層形成用インクを、RG画素のそれぞれの隔壁内にインクジェット法により充填して正孔輸送層上に付与した後に、これを減圧乾燥した後に加熱処理(焼成)することにより、厚さ20nmの発光機能層(第2、第3発光機能層)を形成した。
ここで、G画素用の発光機能層形成用インクは、成膜材料としてCBP(4,4’−ビス(9−ジカルバゾイル)−2,2’−ビフェニル)、Ir(ppy)3(Fac−トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム)を重量比90:10で混合したもの、添加材料としてポリフェニレンビニレン(重量平均分子量M:100000)、液性媒体(溶媒)とし3−フェノキシトルエン溶液(濃度1.2wt%)を用いた。また、R画素の発光機能層形成用インクとして、CBP(4,4’−ビス(9−ジカルバゾイル)−2,2’−ビフェニル)、Bt2Ir(acac)(Bis(2−phenylbenxothiozolato−N,C2’)Iridium(III)(acetylacetonate))を重量比90:10で混合した3−フェノキシトルエン溶液(濃度1.2wt%)を用いた。また、乾燥は、5Pa以下の真空度で10分間減圧乾燥することにより行った。また、焼成は、窒素で満たされたグローブボックス内で行い、焼成温度を220℃とし、焼成時間を10分間とした。
<5> 次に、蒸着により正孔輸送層形成用材料を、RGB画素に跨って成膜することにより、厚さ1nmの正孔輸送層(共通正孔輸送層(中間層))を形成した。
ここで、正孔輸送層形成用材料(中間層形成用材料)として、低分子の正孔輸送材料であるα−NPDを用いた。
<6> 次に、蒸着により発光機能層形成用材料を、RGBの画素に跨って成膜することにより、厚さ20nmの発光機能層(第1発光機能層)を形成した。
ここで、発光機能層形成用材料は、CBP(4,4’−ビス(9−ジカルバゾイル)−2,2’−ビフェニル)90質量部に、FIrpicを10質量部ドープしたものである。
<7> 次に、第2発光機能層上に、Alqを真空蒸着法により成膜し、厚さ20nmの電子輸送層を形成した。
<8> 次に、電子輸送層上に、フッ化リチウム(LiF)を真空蒸着法により成膜し、厚さ1nmの電子注入層を形成した。
<9> 次に、電子注入層上に、Alを真空蒸着法により成膜した。これにより、Alで構成される厚さ200nmの陰極を形成した。
以上の工程により、RGB画素(第1〜3発光素子)を有する発光装置を製造した。
(比較例)
各正孔注入層および各正孔輸送層におけるドーパントのドープ率が表1に示すよなドープ率となるようにインクを調整した以外は、前述した実施例と同様に発光装置を製造した。
2.評価
2−1.発光寿命の評価
実施例および比較例について、初期の輝度が所定の設定値となるような電流密度で直流電源を用いて各画素の発光素子に定電流を流しつづけ、その間、輝度計を用いて輝度を測定し、その輝度が初期の輝度の95%となる時間(LT95)を測定した。そして、比較例における各画素の発光素子のLT95の時間を1.00として規格化し、実施例の対応する各画素の発光素子のLT95の時間を相対的に評価した。
2−2.発光効率の評価
実施例および比較例について、輝度計を用いて輝度を測定しながら、初期の輝度が所定の設定値となるように、直流電源を用いて発光素子に電流を流し、そのときの電流を測定した。また、このときの発光素子に印加された駆動電圧も同様にして測定した。なお、発光効率および駆動電圧は、比較例の各画素の発光素子を1として規格化し、実施例の対応する各画素の発光素子を相対的に評価した。
上記の評価結果を表1に示す。
Figure 2016195181
表1からわかるように、実施例の発光装置は、比較例の発光装置に比べて、R画素およびB画素の発光素子について、駆動電圧を小さくしながら、長寿命化を図ることができる。
1‥‥発光素子
1B‥‥発光素子
1G‥‥発光素子
1R‥‥発光素子
3‥‥陽極
3B‥‥陽極
3G‥‥陽極
3R‥‥陽極
4B‥‥正孔注入層
4G‥‥正孔注入層
4R‥‥正孔注入層
4a‥‥インク
5B‥‥正孔輸送層
5G‥‥正孔輸送層
5R‥‥正孔輸送層
5a‥‥インク
5b‥‥インク
6B‥‥発光機能層
6G‥‥発光機能層
6R‥‥発光機能層
6a‥‥インク
6b‥‥インク
7‥‥正孔輸送層
8‥‥電子輸送層
9‥‥電子注入層
10‥‥陰極
20‥‥回路基板
21‥‥基板
22‥‥層間絶縁膜
23‥‥スイッチング素子
24‥‥配線
31‥‥隔壁
32‥‥樹脂層
40‥‥封止基板
100‥‥発光装置
100R‥‥サブ画素
100G‥‥サブ画素
100B‥‥サブ画素
200‥‥インクジェットヘッド
231‥‥半導体層
232‥‥ゲート絶縁層
233‥‥ゲート電極
234‥‥ソース電極
235‥‥ドレイン電極
1100‥‥パーソナルコンピュータ
1102‥‥キーボード
1104‥‥本体部
1106‥‥表示ユニット
1200‥‥携帯電話機
1202‥‥操作ボタン
1204‥‥受話口
1206‥‥送話口
1300‥‥ディジタルスチルカメラ
1302‥‥ケース
1304‥‥受光ユニット
1306‥‥シャッタボタン
1308‥‥回路基板
1312‥‥ビデオ信号出力端子
1314‥‥入出力端子
1430‥‥テレビモニタ
1440‥‥パーソナルコンピュータ

Claims (12)

  1. 第1画素領域に設けられている第1陽極と、
    前記第1画素領域とは異なる第2画素領域に設けられている第2陽極と、
    前記第1画素領域および前記第2画素領域に共通して設けられている共通陰極と、
    前記第1画素領域および前記第2画素領域に共通して前記第1陽極および前記第2陽極と前記共通陰極との間に設けられ、第1色で発光する機能を有する第1発光機能層と、
    前記第1発光機能層と前記第2陽極との間に設けられ、前記第1色と異なる第2色で発光する機能を有する第2発光機能層と、
    前記第1発光機能層と前記第1陽極との間に設けられている第1正孔注入層と、
    前記第1正孔注入層と前記第1発光機能層との間に設けられている第1正孔輸送層と、
    前記第2発光機能層と前記第2陽極との間に設けられている第2正孔注入層と、
    前記第2正孔注入層と前記第2発光機能層との間に設けられている第2正孔輸送層と、を有し、
    前記第1正孔注入層、前記第1正孔輸送層、前記第2正孔注入層および前記第2正孔輸送層は、互いに同一のホスト材料およびドーパント材料を含んで構成され、
    前記第1正孔注入層における前記ドーパント材料のドープ率が前記第1正孔輸送層における前記ドーパント材料のドープ率よりも高く、
    前記第2正孔注入層における前記ドーパント材料のドープ率が前記第2正孔輸送層における前記ドーパント材料のドープ率よりも高いことを特徴とする発光装置。
  2. 前記第1正孔輸送層の膜厚が前記第1正孔注入層の膜厚よりも厚く、
    前記第2正孔輸送層の膜厚が前記第2正孔輸送層の膜厚よりも厚い請求項1に記載の発光装置。
  3. 前記第1正孔輸送層の膜厚が前記第2正孔輸送層の膜厚と異なる請求項1または2に記載の発光装置。
  4. 前記第1正孔注入層の膜厚が前記第2正孔注入層の膜厚と異なる請求項1ないし3のいずれか1項に記載の発光装置。
  5. 前記第1正孔輸送層における前記ドーパントのドープ率が前記第2正孔輸送層における前記ドーパントのドープ率と異なる請求項1ないし4のいずれか1項に記載の発光装置。
  6. 前記第1正孔注入層における前記ドーパントのドープ率が前記第2正孔注入層における前記ドーパントのドープ率と異なる請求項1ないし5のいずれか1項に記載の発光装置。
  7. 前記第1画素領域および前記第2画素領域と異なる第3画素領域に設けられている第3陽極と、
    前記第1画素領域、前記第2画素領域および前記第3画素領域に共通して設けられている前記共通陰極と、
    前記第1画素領域、前記第2画素領域および前記第3画素領域に共通して前記第1陽極、前記第2陽極および前記第3陽極と前記共通陰極との間に設けられている前記第1発光機能層と、
    前記第1発光機能層と前記第3陽極との間に設けられ、前記第1色および前記第2色と異なる第3色で発光する機能を有する第3発光機能層と、
    前記第3発光機能層と前記第3陽極との間に設けられている第3正孔注入層と、
    前記第3正孔注入層と前記第3発光機能層との間に設けられている第3正孔輸送層と、を有し、
    前記第3正孔注入層および前記第3正孔輸送層は、互いに同一の前記ホスト材料および前記ドーパント材料を含んで構成され、
    前記第3正孔注入層における前記ドーパント材料のドープ率が前記第3正孔輸送層における前記ドーパント材料のドープ率よりも高い請求項1ないし6のいずれか1項に記載の発光装置。
  8. 前記第1色が青色、前記第2色が赤色、前記第3色が緑色である請求項7に記載の発光装置。
  9. 前記ホスト材料が高分子材料であり、前記ゲスト材料が低分子材料である請求項1ないし8のいずれか1項に記載の発光装置。
  10. 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の発光装置を製造する方法であって、
    前記ホスト材料を含むホストインクと、前記ドーパント材料を含むドーパントインクとを準備する準備工程と、
    前記ホストインクおよび前記ドーパントインクを用いて、前記第1正孔注入層および前記第2正孔注入層を形成する正孔注入層形成工程と、
    前記ホストインクおよび前記ドーパントインクを用いて、前記第1正孔輸送層および前記第2正孔輸送層を形成する正孔輸送層形成工程と、を有することを特徴とする発光装置の製造方法。
  11. 前記正孔注入層形成工程および前記正孔輸送層形成工程のそれぞれの工程において、前記ホストインクおよび前記ドーパントインクを前記第1画素領域および前記第2画素領域に付与して混合した後に乾燥させる請求項10に記載の発光装置の製造方法。
  12. 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の発光装置を備えることを特徴とする電子機器。
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