JP2005056614A - 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造装置及びその製造方法 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子の製造装置及びその製造方法 Download PDF

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Kazuyuki Kishimoto
和之 岸本
Mitsuhiro Iwata
充浩 岩田
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Abstract

【課題】均一な膜厚を有し、かつ、平坦化された正孔輸送層や発光層を効率よく、かつ安全に形成し得る有機エレクトロルミネッセンス素子の製造装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造装置は、インクジェット式の記録ヘッドとして、少なくとも、正孔輸送材と溶媒とを含む正孔輸送溶液を吐出する吐出ノズルを備えた吐出用ヘッドと、上記溶媒を気化した溶媒蒸気を噴出するための噴出ノズルを備えた噴出用ヘッドとを有している。この吐出用ヘッドから正孔輸送溶液を基板上に吐出した後、この正孔輸送溶液を、溶媒を気化した溶媒蒸気で暴露する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子の製造装置及びその製造方法に関し、特にインクジェット法を用いて有機エレクトロルミネッセンス素子を製造する製造装置及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子)は、陽極と陰極との間に、発光性の有機分子を含む薄膜(以下、発光層)が挟み込まれた構造を有している。このような構造を有する有機EL素子の陽極及び陰極に電荷が印加されると、陽極から注入された正孔(ホール)と、陰極から注入された電子とが、上記発光層中で再結合する。この正孔と電子との再結合の際に生じるエネルギーは、上記発光層中の有機分子を励起する。そして、励起された有機分子のエネルギー状態が、励起状態から基底状態へと変化する際に、上記有機分子が発光する。
【0003】
このように、有機EL素子は、電荷の印加によって有機分子の発光を得ることができるので、有機EL素子を発光素子として用いた有機ELディスプレイは、薄型軽量化が可能、高速応答、高視野角、高コントラスト等の優れた特性を備えた次世代型のフラットパネルディスプレイの有力候補として、注目を集めている。
【0004】
上記有機EL素子は、一般に、該有機EL素子の発光層中に含まれる有機分子の種類によって、製造方法が異なっている。例えば、有機分子として高分子化合物を用いる場合には、上記発光層は、スピンコート法、ディップコート法、スクリーン印刷法、インクジェット法等の湿式法によって成膜される。また、有機分子として低分子化合物を用いる場合には、真空蒸着法やスパッタリング法等の成膜法によって、上記発光層が作製される。
【0005】
上記の成膜方法のうち、高分子化合物を用いた有機EL素子の発光層の作製に用いられているインクジェット法は、有機ELディスプレイの大面積化に対応が可能、材料(有機分子)の使用効率が非常に高い、マスクを用いることなくパターニングが可能等の優れた利点を有している。そのため、従来より、上記インクジェット法を用いた有機EL素子の作製に関する研究開発が盛んに行われている。
【0006】
例えば、特許文献1には、電極間に、導電性分子を含んでなる正孔注入輸送層や、発光性の有機分子を含んでなる発光層を有する有機EL素子を作製する場合に、インクジェット式記録ヘッドを用いて、正孔注入輸送層や発光層を形成することが開示されている。
【0007】
また、上記特許文献2に記載の有機EL素子の製造方法では、スピンコート法によって、平坦かつ均一な膜厚の発光層を形成する場合に、陽極を形成した基板上に、有機分子を適当な溶媒に溶かしてなる有機溶液を塗布する工程を、該溶媒を気化させた溶媒蒸気中で行うことが開示されている。このように、溶媒蒸気中で、スピンコート法による有機溶液の塗布を行うことにより、塗布工程時における有機溶液からの溶媒の蒸発を抑制して、基板上の中心部及び周辺部での有機溶液の濃度を一定に保って、発光層を均一かつ平坦に形成している。
【0008】
【特許文献1】
特開2000−106278号公報(公開日:2000年4月11日)
【0009】
【特許文献2】
特開2002−313566号公報(公開日:2002年10月25日)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、湿式法を用いて発光層を形成する場合、発光性の有機分子を適当な溶媒に溶かした有機溶液を基板等に塗布した後、該有機溶液中の溶媒を蒸発させることによって、薄膜状の発光層を形成する。
【0011】
従って、上記特許文献1に記載のように、インクジェット方式によって、発光層を形成する場合には、まず、上記陽極上の区画された領域(以下、区画領域)毎に、インクジェット式の記録ヘッドのインク吐出ノズル孔から、上記有機溶液が吐出される。そのため、まず、区画領域のインク吐出ノズル孔に対向する位置に、上記有機溶液が吐出された後、この吐出位置を中心として、その周囲に有機溶液が広がることにより、区画領域内が有機溶液によって充填される。その後、加熱処理等の乾燥処理を行って、有機溶液中の溶媒を蒸発させることにより、発光層が形成される。
【0012】
しかしながら、上記特許文献1に記載の発光層の形成方法では、区画領域の中心付近にある有機溶液の吐出位置から、区画領域の周辺部へと、有機溶液が広がっていくため、有機溶液の吐出中における区画領域内での有機溶液の厚さは、上記吐出位置と周辺部とで異なってしまう。つまり、上記吐出位置には、インク吐出ノズル孔から有機溶液が着弾する。そのため、有機溶液の着弾した吐出位置とその周辺部とでは有機溶液の厚さが異なり、図7に示すように、区画領域内の中心部の吐出位置にある有機溶液の厚さが、区画領域内の周辺部にある有機溶液の厚さに比べて薄くなる。
【0013】
これにより、区画領域内の有機溶液中の溶媒を蒸発させて形成された発光層は、区画領域内における中心部の厚さが、区画領域内における周辺部の厚さに比べて薄くなる。その結果、形成される発光層を平坦かつ均一に得ることが困難となってしまう。
【0014】
また、上記特許文献2に記載の有機EL素子の製造方法では、スピンコート法による有機溶液の基板上への塗布を、有機溶液に含まれる溶媒の蒸気中で行っている。しかしながら、インクジェット法では、インク吐出ノズル孔から有機溶液を基板上へ吐出することによって行うため、溶媒の蒸気中で有機溶液の吐出を行っても、均一な膜厚の発光層を形成することは困難である。つまり、インクジェット法では、上記特許文献2に記載の製造方法を用いても、有機溶液が着弾した基板上の吐出位置と該吐出位置の周辺部とでは、有機溶液の厚さが異なってしまう。それゆえ、有機溶液を乾燥させて形成される発光層の膜厚も、不均一になってしまう。
【0015】
このように、有機EL素子の発光層が不均一な膜厚を有していると、有機EL素子から得られる発光特性が不均一となり、発光むらが生じてしまう。
【0016】
さらに、上記有機溶液の溶媒蒸気は、トルエンやキシレン等の芳香族系の溶媒の蒸気であるため、引火や爆発が危惧される。そのため、このような溶媒蒸気の使用に際して、火災や爆発の発生を回避するための十分な安全対策が必要となる。しかしながら、上記特許文献2に記載の製造方法のように、基板全体を溶媒蒸気に曝すために、基板全体を覆うカバー内を溶媒蒸気で充満させた状態で、スピンコート法による有機溶液の塗布を行う場合、溶媒蒸気の使用量が多く、十分な安全性を確保することが困難となってしまう。
【0017】
本発明は、上記従来の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、均一な膜厚を有し、かつ、平坦化された発光層を効率よく形成し得る有機EL素子を安全に製造するための製造装置及びその製造方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明の有機EL素子の製造方法は、上記課題を解決するために、インクジェット式の記録ヘッドである吐出用ヘッドから機能性材料と溶媒とを含む混合物を基板上に吐出する混合物吐出工程と、該基板上に吐出された混合物から溶媒を除去して機能性材料層を形成する溶媒除去工程とを有する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、上記混合物吐出工程と溶媒除去工程との間に、上記混合物吐出工程にて吐出用ヘッドから吐出された混合物を、上記溶媒を気化した溶媒蒸気で暴露する暴露処理工程を有することを特徴としている。
【0019】
ここで、上記機能性材料とは、有機EL素子の電極間に設けられ、有機EL素子の発光現象や、該発光現象を効率よくかつ良好に得るために設けられる機能性材料層を形成するための物質を少なくとも1種含んでなるものである。また、上記基板上に吐出するとは、基板上に直接、又は、基板上に形成された電極や、他の機能性材料層上に、間接的に吐出することをいうものとする。
【0020】
上記の方法によれば、混合物吐出工程後に、吐出用ヘッドから基板上に吐出された混合物を、溶媒蒸気に曝す暴露処理を行っている。この暴露処理により、基板上に吐出された混合物に対して、混合物に含まれる溶媒の蒸気が供給される。これにより、基板上の混合物から、溶媒が蒸発することを防止することができるので、混合物の流動性の低下を防止することができる。
【0021】
従って、上記吐出用ヘッドから吐出された直後の混合物が、基板上で不均一な厚さを有していても、上記暴露処理によって混合物の流動性が低下することがないので、基板上に混合物が一様に広がることになる。それゆえ、暴露処理工程後に、溶媒除去工程を行うことによって、機能性材料層を、平坦かつ均一な層厚で得ることができる。
【0022】
このように、上記の製造方法によって機能性材料層を形成すれば、均一な膜厚の機能性材料層を形成することができるので、均一でむらのない発光を示す有機EL素子を製造することができる。
【0023】
また、本発明の有機EL素子の製造方法は、上記の有機EL素子の製造方法において、上記暴露処理工程は、インクジェット式の記録ヘッドである噴出用ヘッドから溶媒蒸気を噴出して、上記混合物を暴露することが好ましい。
【0024】
上記の方法によれば、インクジェット式の記録ヘッドである噴出用ヘッドを用いて、基板上に吐出された混合液に、溶媒蒸気を吹き付けることができる。従って、暴露処理が必要とされる基板上の領域に、直接溶媒蒸気を噴射することができるので、溶媒蒸気の使用量を必要最小限に抑えることができる。これにより、溶媒蒸気の引火による火災や爆発の発生を防止し、有機EL素子を安全に製造することができる。
【0025】
また、噴出用ヘッドとして、上記吐出用ヘッドと同様のインクジェット式の記録ヘッドを用いて、暴露処理を実行することができるので、暴露処理のための複雑な装置を必要とすることなく、簡便かつ容易に暴露処理を行うことができる。
【0026】
また、本発明の有機EL素子の製造方法は、上記の有機EL素子の製造方法において、上記混合物吐出工程と上記暴露処理工程とは、連続して実行されることが好ましい。
【0027】
上記の方法によれば、混合物吐出工程を行った後に、暴露処理工程が連続的に行われるので、基板上に吐出された混合物からの溶媒の蒸発を大幅に低減することができる。これにより、混合物の流動性の低下が引き起こされ難くなるので、基板上に効率よく、混合物を均一な厚さで塗布することができる。
【0028】
さらに、上記の方法によれば、特に、上記吐出用ヘッドから、基板上の複数箇所に、混合物を順次吐出する場合に、混合物吐出工程と暴露処理工程とを並行して行うことができるので、タクトタイムを短縮することができる。これにより、有機EL素子の製造を効率よく行うことができる。
【0029】
また、本発明の有機EL素子の製造装置は、インクジェット式の記録ヘッドを備えた有機エレクトロルミネッセンス素子の製造装置であって、上記記録ヘッドは、少なくとも、機能性材料と溶媒とを含む混合物を吐出する吐出ノズルを備えた吐出用ヘッドと、上記溶媒を気化した溶媒蒸気を噴出するための噴出ノズルを備えた噴出用ヘッドとを有していることを特徴としている。
【0030】
上記の構成によれば、吐出用ヘッドの吐出ノズルから吐出された混合物に対して、溶媒蒸気による暴露処理を行うために、噴出ノズルから溶媒蒸気を噴出する噴出用ヘッドを備えている。これにより、吐出用ヘッドから混合物を吐出した後に、該混合物に対して、噴出用ヘッドから噴出する溶媒蒸気を吹き付けることによって、混合物から溶媒が蒸発することを防止して、基板等に吐出された混合物を、平坦かつ一様に基板上に広げることができる。従って、混合物から溶媒を除去して得られる機能性材料層を平坦かつ均一な層厚で形成することができる。
【0031】
このように、上記構成の有機EL素子の製造装置を用いれば、平坦化され、また均一な層厚を有する機能性材料層を形成することができるので、均一でむらのない発光を示す有機EL素子を製造することができる。
【0032】
また、噴出用ヘッドとして、インクジェット式の記録ヘッドを用いているので、暴露処理が必要とされる基板上の領域に、噴出用ヘッドを配置して、直接溶媒蒸気を噴射することができる。従って、上記噴出用ヘッドを用いることにより、目的とする領域に重点的に溶媒蒸気を噴出することができる。さらに、目的とする領域に対して溶媒蒸気を噴射しているので、溶媒蒸気の使用量を必要最小限に抑えることができる。これにより、溶媒蒸気の引火による火災や爆発の発生を防止し、有機EL素子の製造を安全に行うことができる。
【0033】
また、本発明の有機EL素子の製造装置は、上記の有機EL素子の製造装置において、上記噴出用ヘッドは、上記吐出用ヘッドの形状と同じ形状である構成であってもよい。
【0034】
上記の構成によれば、吐出用ヘッドと噴出用ヘッドとで、共通のヘッド及びヘッドホルダを使用することができる。これにより、上記有機EL素子の製造装置に使用するインクジェット式の記録ヘッド用の部品の種類を低減することができる。また、同一種類の部品の使用数量を増加させるので、量産性を向上することができる。これにより、有機EL素子の製造装置にかかる部品コストを低減することができる。
【0035】
なお、上記同じ形状とは、吐出用ヘッドと噴出用ヘッドとが完全に同一の形状であること、及び、吐出用ヘッド及び噴出用ヘッドのヘッドの形状に大きな差がない実質的に同一の形状であることを含むものとする。吐出用ヘッドと噴出用ヘッドとが実質的に同一の形状を有していれば、吐出用ヘッドと噴出用ヘッドとにいる電極や配線等の部品を共通の部品で構成することができる。従って、吐出用ヘッドと噴出用ヘッドとを実質的に同一の形状とすることによっても、部品の種類を低減するとともに同一種類の部品の使用数量を増加させて量産性を向上することができるので、部品コストを削減することができる。
【0036】
また、本発明の有機EL素子の製造装置は、上記の有機EL素子の製造装置において、上記噴出用ヘッドの噴出ノズルが形成された噴出ノズル面は、上記吐出用ヘッドの吐出ノズルが形成された吐出ノズル面よりも大きい面積を有している構成であってもよい。
【0037】
上記の構成によれば、噴出用ヘッドの噴出ノズル面が、吐出用ヘッドの吐出ノズル面よりも広い面積を有している。それゆえ、吐出用ヘッドから吐出された混合物に対して、より広範囲に、溶媒蒸気を効率よく吹き付けることができるので、混合物からの溶媒の蒸発を効率よく抑制することができる。これにより、混合物の流動性の低下をより一層防止することができるので、吐出された混合物の平坦化、及び、吐出された混合物の均一な厚さでの塗布を、効率よく行うことができる。
【0038】
さらに、上記の構成によれば、吐出された混合物全体をまんべんなく溶媒蒸気に曝すことが可能となるので、タクトタイムを短縮することにもつながる。
【0039】
また、本発明の有機EL素子の製造装置は、上記の有機EL素子の製造装置において、上記噴出用ヘッドは、上記吐出用ヘッドに一体的に設けられていることが好ましい。
【0040】
上記の構成によれば、吐出用ヘッドと噴出用ヘッドとが一体化されている。そのため、上記吐出用ヘッド及び噴出用ヘッドを支持する支柱やヘッドホルダを一体化することができるので、有機EL素子の製造装置の部品点数を削減することができる。また、上記吐出用ヘッド及び噴出用ヘッドの走査を制御するための制御機構も一体化することができるので、有機EL素子の製造装置の構成を簡略化することができる。
【0041】
さらに、上記支柱やヘッドホルダを一体化し、制御機構を簡略化することにより、有機EL素子の製造装置内の、上記支柱やヘッドホルダ、制御機構の配置スペースを縮小することができる。これにより、上記吐出用ヘッド及び噴出用ヘッドの走査スペースを広く確保することができるので、有機EL素子の製造装置における吐出用ヘッド及び噴出用ヘッドの操作性を向上することができる。
【0042】
また、噴出用ヘッドが吐出用ヘッドに一体的に設けられているので、混合物を吐出した後に、溶媒蒸気による暴露処理を連続的に行うことができる。これにより、機能性材料層を形成する際のタクトタイムを短縮して、有機EL素子の製造を効率よく行うことができる。
【0043】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態について図1ないし図7に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0044】
本実施の形態の有機EL素子(エレクトロルミネッセンス素子)の製造方法は、インクジェット方式によって、有機EL素子を作製するものである。該有機EL素子の製造工程の断面図を図2(a)〜(c)及び図3(a)(b)に示す。本実施の形態では、図3(b)に示すように、基板111上の陽極112上に形成された、正孔の注入や輸送を行うための正孔輸送材(機能性材料)を含む正孔輸送層(機能性材料層)116と、該正孔輸送層116上に形成された、発光材(機能性材料)を含む発光層(機能性材料層)117とを有する有機EL素子を例に挙げ、該有機EL素子の製造方法を説明する。
【0045】
図4は、有機EL素子の製造工程フローを示すフローチャートであり、以下では、該図4に基づいて、有機EL素子の製造工程について説明する。
【0046】
本実施の形態の有機EL素子の製造にあたっては、まず、スパッタ法等により、ガラス等の基板111(図2(a))上にITO(Indium Tin Oxide)層を形成する。そして、図4のS1にて、ITO膜が形成されてなる基板111を洗浄し(基板洗浄工程)、その後、該ITO膜のパターニングを行って、所望の電極パターンを形成する(図4のS2、ITOパターニング工程)。ここでは、電極がマトリクス状に形成されるように、パターニングを行う。これにより、図2(a)に示すように、基板111上には、ITOからなる透明な複数の陽極112が、所定間隔を隔ててマトリクス状に形成される。
【0047】
次いで、上記陽極112が形成されてなる基板111上に、SiOをスパッタ法によって成膜し、SiO膜を形成する。続いて、バッファードフッ酸をエッチング液として、フォトリソグラフィーによる該SiO膜のパターニングを行う。このとき、図2(b)に示すように、陽極112間にて、隣り合う陽極112間にて、各陽極112の端部を覆うようにSiO膜のパターニングを行うって、陽極112表面の一部を露出させ、格子状のSiO層113を形成する(図4のS3、SiOパターニング工程)。これにより、基板111表面は、陽極112又はSiO層113で覆われた状態となる。このSiO層113は、陽極112間のリーク防止のために設けられている。
【0048】
次に、基板111上の陽極112及びSiO層113上に、2μm〜2.5μm程度の膜厚となるように、スピンコート法によって感光性樹脂を塗布する。そして、陽極112表面と、SiO層113表面の一部とが露出するように、格子状にパターニングを行い、図2(c)に示すように、感光性樹脂が硬化してなる隔壁114を形成する(図4のS4、隔壁パターニング工程)。言い換えれば、上記パターニングは、上記SiOパターニング工程(S3)で形成されたSiO層113の周縁部の表面が露出し、SiO層113の表面の中央付近に隔壁114が形成されるように行えばよい。
【0049】
これにより、マトリクス状に形成された各陽極112の周囲が、SiO層113及び隔壁114で取り囲まれ、図2(c)に示すように、各陽極112毎に区画された開口部115が形成される。詳細は後述するが、この隔壁114によって区画されて形成された開口部115に、上記した正孔輸送層116や発光層117が形成されて、画素領域が形成されることになる。言い換えれば、上記隔壁114は、正孔輸送層116や発光層117の層形成材料を形成するための開口部115を設けるために形成される。
【0050】
続いて、陽極112表面、及び、隔壁114によって覆われずに露出しているSiO層113表面の親液性を向上するために、陽極112表面に、170nm〜175nmの紫外線を30秒〜5分間照射する(図4のS5、親液化/撥液化処理工程)。ここで、上記親液性とは、後段の工程で用いる、正孔輸送層116や発光層117を形成するための層形成材料である機能性材料を、適当な溶媒に分散あるいは溶解してなる混合物である機能性材料溶液に対して、陽極112表面及びSiO層113表面が親和性を示すことをいう。従って、上記親液化処理により、陽極112表面上に形成される正孔輸送層116が、陽極112表面に密着した状態にて形成することが可能になる。なお、この親液化処理は、上記紫外線照射の他、酸素プラズマ処理によって行ってもよい。
【0051】
上記親液化処理工程に続いて、隔壁114表面の撥液性を高めるために、隔壁114表面に対して、CF4プラズマ処理を行う(図4のS5、親液化/撥液化処理工程)。該CF4プラズマ処理の処理条件は、ガス圧1Pa〜10Pa、CF4ガス流量を10sccm〜50sccm、電力5W〜50W、処理時間30秒〜10分間の範囲内で、適宜選択すればよい。ここで、撥液性とは、隔壁114表面が、後段の工程で用いる上記機能性材料溶液をはじく性質をいう。それゆえ、上記撥液化処理を行うにより、陽極112表面上に正孔輸送層116及び発光層117を形成する場合に、機能性材料溶液の着弾位置がずれて、その一部が隔壁114表面に付着した場合にも、付着した機能性材料溶液が隔壁114上にてはじかれて、陽極112又は正孔輸送層116上に移動する。これにより、隔壁114上の所望しない位置に、機能性材料溶液が付着することを防止することができる。
【0052】
上記のように、親液化/撥液化処理が行われた基板111の開口部115に、インクジェット方式で、正孔輸送層116及び発光層117を形成する。具体的には、図4に示すS6の正孔輸送材吐出工程(混合物吐出工程)では、まず、適当な溶媒に、正孔輸送材を分散あるいは溶解して、正孔輸送材溶液(混合物)を調製する。
【0053】
上記正孔輸送材としては、例えば、ポルフィリン系化合物、ポリアニリン、ポリシラン、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)とポリエチレンスルホン酸(PSS)との混合物等の導電性化合物を用いればよい。また、上記正孔輸送材を分散又は溶解する溶媒としては、上記正孔輸送材を分散又は溶解し得る溶媒であればよく、用いる正孔輸送材に応じて適宜選択すればよい。具体的には、水、メタノールやエタノール等のアルコール類、ホルムアミド等のアミド系溶媒等を用いればよい。上記溶媒は、1種を用いてもよく、あるいは、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、上記正孔輸送材溶液には、上記した正孔輸送材及び溶媒の他の物質が含まれていてもよいものとする。
【0054】
次いで、図3(a)に示すように、インクジェット式の記録ヘッドである溶液吐出ヘッド(吐出用ヘッド)101の図示しない吐出ノズルを、基板111上の開口部115の中央に位置するように配置して、該溶液吐出ヘッド101から上記正孔輸送材溶液107を吐出する。なお、上記正孔輸送材溶液は、溶液吐出ヘッド101によって好適に吐出されるように、粘度及び表面張力を調整することが好ましい。具体的な粘度及び表面張力は、用いる溶液吐出ヘッド101によって異なるが、通常、粘度は5cP〜20cPの範囲内、表面張力は25dyn/cm〜40dyn/cmの範囲内とすることが好ましい。また、開口部115内への正孔輸送材溶液の吐出量は、画素の寸法、正孔輸送材溶液中の固形分濃度、正孔輸送層に必要とされる膜厚、使用する溶液吐出ヘッド101の仕様等に基づいて決定すればよい。
【0055】
その後、図4に示すS7の溶媒蒸気暴露処理工程(暴露処理工程)にて、開口部115に吐出された正孔輸送材溶液上に、インクジェット式の記録ヘッドである蒸気噴出ヘッド(噴出用ヘッド)を配置する。そして、この蒸気噴出ヘッドから、正孔輸送材溶液の溶媒を気化した溶媒蒸気を、開口部115内の正孔輸送材溶液上に噴出した状態で、所定時間、蒸気噴出ヘッドを保持する。これにより、開口部115に吐出された正孔輸送材溶液が、溶媒蒸気によって暴露される。
【0056】
上記蒸気噴出ヘッドからの溶媒蒸気の噴出量は、溶媒の液温や、蒸気噴出ヘッド、及び、蒸気噴出ヘッドに溶媒蒸気を供給する溶媒用配管の温度制御によって調節すればよい。これら各部の温度は、正孔輸送材、溶媒の揮発性、形成する正孔輸送層の層厚等に応じて、適切な温度を選択すればよい。また、暴露処理時間は、開口部115内にて、正孔輸送材溶液表面が平坦であり、かつ、陽極112表面から正孔輸送材溶液表面までの高さが一定(以下、正孔輸送材溶液の厚さが均一と記載する)となるように広がった状態となるまでの時間を設定すればよい。ここで、正孔輸送材溶液の開口部115全体に広がるために必要となる時間は、溶媒蒸気の噴出量に依存する。そのため、暴露処理時間は、溶媒蒸気の噴出量を制御することによって、調整することが好ましい。
【0057】
このように、開口部115内の正孔輸送材溶液上に、蒸気噴出ヘッドから溶媒蒸気を噴出させることにより、正孔輸送材溶液からの溶媒の蒸発を抑制することができる。これにより、開口部115内の正孔輸送材溶液は、溶液吐出ヘッド101から吐出された後の、溶媒の蒸発による濃度変化(濃度上昇)を抑制することができるので、流動性が低下することはない。その結果、正孔輸送材溶液は、時間の経過とともに、開口部115内に、平坦かつ一様に、広がって塗布されることになる。
【0058】
すなわち、溶液吐出ヘッド101aを用いて、正孔輸送材溶液を吐出した場合、開口部115内の、溶液吐出ヘッド101から吐出された正孔輸送材溶液が着弾した位置とその周囲とでは、正孔輸送材溶液の厚さが異なってしまう。つまり、開口部115内に吐出された正孔輸送材溶液が着弾することによって、正孔輸送材溶液の着弾した吐出位置が窪んだ状態となる。そのため、正孔輸送材溶液の吐出終了直後の開口部115内では、図7に示すように、開口部115の中心にある正孔輸送材溶液の吐出位置の厚さが、該吐出位置の周辺部の正孔輸送材溶液の厚さよりも薄くなってしまう。
【0059】
一般に、正孔輸送材溶液は、開口部115内に吐出された直後から溶媒が蒸発する。溶媒が蒸発すると、正孔輸送材溶液の流動性が低下し、開口部115内に、正孔輸送材溶液が均一な厚さで一様に広がることが困難となる。それゆえ、開口部115内に吐出された正孔輸送材溶液を乾燥すると、得られる正孔輸送層116(図3(b))の膜厚も不均一になってしまう。
【0060】
正孔輸送層116の膜厚の不均一を防止し、均一な膜厚の正孔輸送層116を得るためには、溶液吐出ヘッド101からの正孔輸送材溶液の吐出後、開口部115内に、均一な厚さとなるように、正孔輸送材溶液を広げる必要がある。そこで、本実施の形態では、開口部115内に正孔輸送材溶液が吐出された後に、蒸気噴出ヘッドから溶媒蒸気を噴出させている。これにより、蒸気噴出ヘッドから溶媒蒸気が吐出されている間は、正孔輸送材溶液からの溶媒の蒸発が抑制される。その結果、溶媒蒸気が吐出されている暴露処理期間は、正孔輸送材溶液の流動性が低下することはないので、図5に示すように、開口部115内に均一な厚さになるように正孔輸送材溶液が広がって、塗布されることになる。
【0061】
また、蒸気噴出ヘッドとしてインクジェット方式の記録ヘッドを用いているので、正孔輸送材溶液が吐出された開口部115内を重点的に溶媒蒸気で満たすことができる。このように、蒸気噴出ヘッドを用いれば、正孔輸送材溶液が吐出された開口部115を溶媒蒸気で充満させることができる。これにより、暴露処理に用いる溶媒蒸気の量を必要最小限にとどめることができるので、溶媒蒸気の引火による火災や爆発の発生を抑制し、有機EL素子の製造工程における安全性を向上することができる。
【0062】
続いて、このように開口部115内に均一な厚さで広がった正孔輸送材溶液から、図4に示すS8の乾燥処理工程(溶媒除去工程)にて、溶媒を乾燥除去して、正孔輸送層116を得る。該乾燥処理における乾燥温度及び乾燥時間は、用いる正孔輸送材、溶媒の揮発性、形成する正孔輸送層116の層厚等に応じて、適宜設定すればよい。これにより、平坦で、層厚が均一な正孔輸送層116を得ることができる。
【0063】
次に、図4に示すS9の発光材吐出工程(混合物吐出工程)にて、上記正孔輸送層116上に、発光層117を形成する。すなわち、該発光材吐出工程では、まず、適当な溶媒に、発光材を分散あるいは溶解して、発光材溶液(混合物)を調製する。上記発光材は、所望する色の発光が得られる色素材料を適宜選択すればよく、例えば、ポリビニルカルバゾール類、ポリフルオレン誘導体、ポリパラフェニレンビニレン誘導体等の有機系の色素材料を用いればよい。また、上記発光材を分散又は溶解するための溶媒としては、クロロホルム等のハロゲン化溶媒、メタノールやエタノール等のアルコール類、ホルムアミド等のアミド系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒、テトラヒドロフラン、水等、用いる発光材に応じて適宜選択すればよい。これらの溶媒は、1種を用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、上記発光材溶液には、上記した発光材及び溶媒の他、例えば正孔輸送材等の物質が含まれていてもよいものとする。
【0064】
上記発光材溶液を用いて、正孔輸送層116を形成する手法と同様の手法で、発光層117を形成すればよい。すなわち、まず、正孔輸送層116を形成するために用いた上記溶液吐出ヘッド101とは別の、図示しないインクジェット式の記録ヘッドである溶液吐出ヘッド用いて、上記開口部115内の正孔輸送層116上に、上記発光材溶液を吐出する(図4のS9、発光材吐出工程(混合物吐出工程))。
【0065】
その後、図4に示すS10の溶媒蒸気暴露処理工程(暴露処理工程)にて、開口部115内の発光材溶液上に、図示しない蒸気噴出ヘッドの噴出ノズルを配置する。そして、この蒸気噴出ヘッドから、発光材溶液の溶媒を気化した溶媒蒸気を、発光材溶液上に噴出して、暴露処理を行う。この暴露処理により、前述したように、発光材溶液を開口部115内に平坦かつ均一な厚さで広げることができる。また、該暴露処理を、必要最小限の溶媒蒸気を用いて行うことができるので、暴露処理工程における安全性を確保することができる。
【0066】
続いて、開口部115内に、発光材溶液が平坦かつ均一な厚さで広がった状態とした後、図4に示すS11の乾燥処理工程(溶媒除去工程)にて、発光材溶液から溶媒を乾燥除去し、発光層117を形成する。これにより、図3(b)に示すように、平坦で、層厚が均一な発光層117を得ることができる。
【0067】
なお、上記発光材溶液の粘度及び表面張力は、用いる溶液吐出ヘッドによって異なるが、前記した正孔輸送材溶液の粘度及び表面張力と同じ程度であればよい。また、開口部115内への発光材溶液の吐出量は、画素の寸法、発光材溶液中の固形分濃度、発光層に必要とされる膜厚、使用する溶液吐出ヘッドの仕様等に基づいて決定すればよい。
【0068】
さらに、発光材溶液に含まれる溶媒を噴出する蒸気噴出ヘッドからの溶媒蒸気の噴出量は、溶媒の液温や、該蒸気噴出ヘッド、及び、該蒸気噴出ヘッドに溶媒蒸気を供給する溶媒用配管の温度制御によって調節すればよい。また、溶媒の液温、蒸気噴出ヘッド、溶媒用配管の温度は、発光材、溶媒の揮発性、形成する発光層の層厚等に応じて、適切な温度を選択すればよい。
【0069】
また、S10における暴露処理時間は、開口部115内に、発光材溶液が平坦に、均一な厚さで広がった状態となるまでの時間を設定すればよい。ここで、発光材溶液の開口部115全体に広がるために必要となる時間は、溶媒蒸気の噴出量に依存する。そのため、暴露処理時間は、溶媒蒸気の噴出量を制御することによって、調整することが好ましい。さらに、乾燥処理における乾燥温度及び乾燥時間は、用いる発光材、溶媒の揮発性、形成する発光層の層厚等に応じて、適宜設定すればよい。
【0070】
上記正孔輸送層116及び発光層117が形成された開口部115が、有機EL素子における画素領域となる。このように形成された画素領域の発光層117上に、図4に示す陰極蒸着工程(S12)にて、Ca,Mg,Al等の金属からなる陰極118を抵抗加熱蒸着法によって形成する(図3(b))。そして、(S13の封止貼り合わせ工程)にて、陰極上に対向ガラス基板を貼り合わせることにより、本実施の形態の有機EL素子が得られる。
【0071】
以上の有機EL素子の製造は、図1に示す有機EL素子の製造装置を用いて行うことができる。なお、以下では、説明の便宜上、有機EL素子の製造装置を用いて、正孔輸送層116を形成する工程(図4のS6・S7)について説明するが、発光層117も、同様の構成の製造装置を用いて形成することができる。
【0072】
上記製造装置は、インクジェット方式の有機EL素子の製造装置であって、図1に示すように、溶液吐出ヘッド101、蒸気噴出ヘッド102、溶液供給容器103、溶媒供給容器104、上記溶液吐出ヘッド101と溶液供給容器103とを接続する溶液用配管105、上記蒸気噴出ヘッド102と溶媒供給容器104とを接続する溶媒用配管106を備えている。
【0073】
上記溶液吐出ヘッド101は、上記正孔輸送材溶液を吐出するためのノズルが形成されたノズル面を有し、該ノズル面の各ノズルから開口部115に、正孔輸送材溶液を吐出する。この溶液吐出ヘッド101は、上記正孔輸送材溶液を収容している溶液供給容器103に、溶液用配管105を介して接続されており、溶液吐出ヘッド101には、溶液供給容器103から正孔輸送材溶液が供給されるようになっている。
【0074】
また、上記蒸気噴出ヘッド102は、上記溶液吐出ヘッド101と同じ形状のヘッド(ノズル及びノズル面)を有している。このように、溶液吐出ヘッド101及び蒸気噴出ヘッド102に対し、同じ形状のヘッドを用いることにより、溶液吐出ヘッド101と蒸気噴出ヘッド102とで、共通のヘッド及びヘッドホルダを使用することができる。これにより、製造装置に使用する部品の種類を低減することができるとともに、同一種類の部品の使用数量を増加させるので、量産性を向上してコストを削減することができる。
【0075】
なお、上記溶液吐出ヘッド101及び蒸気噴出ヘッド102は、完全に同一の形状であってもよいが、ヘッドの形状に大きな差がない実質的に同一の形状であってもよい。すなわち、溶液吐出ヘッド101と蒸気噴出ヘッド102とが実質的に同一の形状を有していれば、溶液吐出ヘッド101及び蒸気噴出ヘッド102に用いる電極や配線等を可能な限り共通の部品で構成することができる。従って、実質的に同一の形状を有する溶液吐出ヘッド101及び蒸気噴出ヘッド102を用いることによっても、同一種類の部品の使用数量を増加させて量産性を向上し、部品コストを削減することができる。
【0076】
上記蒸気噴出ヘッド102に備えられたノズルからは、上記正孔輸送材溶液を調製する際に用いた溶媒が溶媒蒸気108として噴出される。この蒸気噴出ヘッド102は、上記溶媒を収容している溶媒供給容器104に、溶媒用配管106を介して接続されている。上記蒸気噴出ヘッド102、溶媒供給容器104、溶媒用配管106は、いずれも、温度制御が可能な温度制御手段であるヒータを備えている。これにより、溶媒供給容器104に収容されている溶媒が、加熱されることによって気化して溶媒蒸気となり、該溶媒蒸気が蒸気噴出ヘッド102に供給される。
【0077】
上記構成を備えた有機EL素子の製造装置は、開口部115が形成された基板111がセットされると、該基板111が上記溶液吐出ヘッド101に対向した状態となる。そして、溶液吐出ヘッド101から、基板111の開口部115に、正孔輸送材溶液が吐出される。続いて、基板111を、図1中の矢印方向に移動させ、開口部115内に順に正孔輸送材溶液を吐出していく。上記基板111の移動は、図示しない可動式の基板ステージを用いればよい。該基板ステージを用いることにより、製造装置内の任意の場所に、基板111を移動させることができる。
【0078】
また、上記基板111の移動に伴って、開口部115に吐出された正孔輸送材溶液上に、蒸気噴出ヘッド102が配置され、該蒸気噴出ヘッド102から溶媒蒸気が噴出される。これにより、開口部115内の正孔輸送材溶液が、溶媒蒸気に曝されて暴露され、開口部115内にて正孔輸送材溶液が平坦化される。さらに、上記のように、基板ステージを用いて基板111を移動させることができるので、所望する開口部115に対して重点的に、溶媒蒸気による暴露処理を行うことができる。
【0079】
ここで、上記溶液吐出ヘッド101から正孔輸送材溶液を開口部115に吐出した後、基板111を移動することによって、該開口部115上に、蒸気噴出ヘッド102を配置して、溶媒蒸気を噴出することが好ましい。これにより、開口部115に正孔輸送材溶液が吐出された後、連続して、溶媒蒸気による暴露処理が実行されるので、正孔輸送材溶液からの溶媒の蒸発を抑制して、効率よく正孔輸送材溶液を平坦化することができる。
【0080】
また、基板111上の複数の開口部115内に順次、正孔輸送材溶液を吐出する場合には、正孔輸送材溶液107の吐出と、溶媒蒸気108の噴出とを連続して行うことにより、開口部115に吐出された正孔輸送材溶液から蒸発する溶媒の量を大幅に低減することができる。これにより、正孔輸送材溶液の流動性の低下が引き起こされ難くなるので、正孔輸送材溶液の塗布を効率よく行って、上記有機EL素子の製造装置のタクトタイムを短縮することができる。
【0081】
なお、上記製造装置では、基板111を搬送して、各開口部115への正孔輸送材溶液や溶媒蒸気の吐出を行っているが、基板111を固定して、該基板111上を溶液吐出ヘッド101及び蒸気噴出ヘッド102が走査することにより、各開口部115に正孔輸送材溶液や溶媒蒸気を吐出する構成であってもよい。あるいは、基板111、溶液吐出ヘッド101、蒸気噴出ヘッド102のいずれもが移動可能である構成であってもよい。
【0082】
また、上記製造装置に備えられた蒸気噴出ヘッド102は、溶液吐出ヘッド101のヘッドと同じ形状のヘッドを有しているが、溶媒蒸気の効率的な噴出に適した形状のヘッドを用いてもよい。すなわち、例えば、溶液吐出ヘッド101のノズル面(吐出ノズル面)の面積よりも広いノズル面(噴出ノズル面)を有する蒸気噴出ヘッド102を用いてもよい。これにより、蒸気噴出ヘッド102から溶媒蒸気が噴出される範囲を、溶液吐出ヘッド101から正孔輸送材溶液吐出される範囲よりも広くすることができる。なお、溶媒蒸気が噴出される範囲を広くする場合に、例蒸気噴出ヘッド102の噴出ノズルを、溶液吐出ヘッド101の吐出ノズル数より多くしてもよい。
【0083】
これにより、開口部115内に吐出された正孔輸送材溶液全体に対して、まんべんなく溶媒蒸気を吹き付けることができるので、より一層、正孔輸送材溶液からの溶媒の蒸発を抑制して、正孔輸送材溶液の流動性の低下を防止することができる。それゆえ、吐出された正孔輸送材溶液の平坦化や、吐出された正孔輸送材溶液の均一な厚さでの塗布を効率よく行って、平坦かつ均一な層厚の正孔輸送層を形成することができる。さらに、正孔輸送材溶液の塗布を効率よく行うことができるので、タクトタイムを短縮することができる。
【0084】
また、上記溶液吐出ヘッド101と蒸気噴出ヘッド102とは、一体化されていてもよい。これにより、溶液吐出ヘッド101及び蒸気噴出ヘッド102を支持する支柱やヘッドホルダ等の支持部材を一体化することができるので、部品点数を削減することができる。さらに、上記溶液吐出ヘッド101及び蒸気噴出ヘッド102の走査を制御するための制御機構を一体化して簡略化することができる。
【0085】
このように、支持部材や制御機構を一体化することにより、有機EL素子の製造装置内に配置される支持部材及び制御機構の配置スペースを縮小することができる。従って、上記溶液吐出ヘッド101及び蒸気噴出ヘッド102の走査スペースを広く確保することができるので、上記溶液吐出ヘッド101及び蒸気噴出ヘッド102の操作性を向上することができる。
【0086】
さらに、上記溶液吐出ヘッド101及び蒸気噴出ヘッド102が一体化されているので、基板111上にライン状に形成された開口部115に、順次ライン毎に、正孔輸送材溶液を吐出する場合には、正孔輸送材溶液の溶液吐出ヘッド101からの吐出と、溶媒蒸気の、蒸気噴出ヘッド102からの噴出とを並行して行うことができる。すなわち、基板111上の或るライン上に形成された開口部115に対して吐出された正孔輸送材溶液に対して、蒸気噴出ヘッド102が溶媒蒸気108を噴出して暴露処理を実行している間に、溶液吐出ヘッド101は、他のライン上に形成された開口部115に正孔輸送材溶液を吐出することができる。従って、正孔輸送材吐出工程と暴露処理工程とを連続に、かつ並行して行うことができるのでタクトタイムの短縮化を図ることができる。
【0087】
また、上記構成の有機EL素子の製造装置にて、発光層117を形成する場合には、発光材溶液用の溶液吐出ヘッド、溶液供給容器、溶液用配管;発光材溶液に用いている溶媒用の蒸気噴出ヘッド、溶媒供給容器、溶媒用配管をさらに設ければよい。これらの各部材の構成については、正孔輸送層を形成するために用いられた各部材の構成と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0088】
さらに、本実施の形態では、正孔輸送層及び発光層の2層を備えた有機EL素子を製造する場合を例に挙げて説明したが、正孔輸送層を有さず、発光層の1層を備えた有機EL素子を製造する場合には、正孔輸送層を形成するための各部材を備えていない有機EL素子の製造装置を用いてもよい。あるいは、発光層における発光現象を効率よくかつ良好に得るために設けられる正孔輸送層以外の、例えば電子輸送層や励起子(励起した発光材)やキャリア(正孔・電子)の進入を防止するブロック層等の機能性材料層を有する有機EL素子を形成する場合には、該機能性材料層を形成するための各部材をさらに設けてもよい。
【0089】
【実施例】
〔実施例〕
本発明の実施例について、図2及び図3に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0090】
図2(a)に示すように、ガラス製の基板上111に、スパッタリング法によってITO膜を形成し、該ITO膜のパターニングを行って陽極112を形成した。次いで、ITO膜を形成したガラス基板111上に、SiOをスパッタリング法によって150nmの膜厚となるように成膜して、SiO膜を形成した。続いて、バッファードフッ酸をエッチング液として用い、フォトリソグラフィーによってSiO膜をパターニングして、陽極112が露出するように、SiO層113を形成した(図2(b))。次に、パターニングしたSiO層113及び陽極112上に、感光性アクリル樹脂を厚さ2μmとなるように、スピンコート法で塗布し、露光及び現像を行って、SiO層上に隔壁114を形成した(図2(c))。これによって得られた隔壁114に囲まれた開口部115の面積は、約11,000μmであった。
【0091】
次いで、正孔輸送材として、PEDOT/PSS(ポリエチレンジオキシチオフェンとポリエチレンスルホン酸との混合物)を用い、該PEDOT/PSSを分散又は溶解させる溶媒として水を用いて、正孔輸送材溶液であるPEDOT/PSS水溶液を調製した。ここで、PEDOT/PSS水溶液は、粘度が約6cP、表面張力が37dyn/cmとなるように調製した。
【0092】
有機ELの製造装置に備えられたノズル径が55μmの溶液吐出ヘッド101から、室温条件下、80pl〜100plの吐出量で、上記開口部115に、上記PEDOT/PSS水溶液を吐出した。続いて、開口部115に吐出されたPEDOT/PSS水溶液上に、溶媒吐出ヘッドから水蒸気を180秒間噴出させて、暴露処理を行った。その後、開口部115内にPEDOT/PSS水溶液が塗布された基板111をホットプレート上で、200℃にて、5分間乾燥させて、PEDOT/PSS水溶液中の溶媒である水を乾燥除去して、正孔輸送層116を形成した。
【0093】
次に、発光材としてポリフルオレン系緑色材料を用い、該ポリフルオレン系緑色材料を分散又は溶解させる溶媒として芳香族系の混合溶媒を用いて、発光材溶液であるポリフルオレン系溶液を調製した。ここで、ポリフルオレン系溶液は、粘度が約6cP、表面張力が37dyn/cmとなるように調製した。
【0094】
その後、上記正孔輸送層116上に、有機ELの製造装置の、ノズル径が55μmの溶液吐出ヘッドから、室温条件下、80pl〜100plの吐出量でポリフルオレン系溶液を吐出した。続いて、開口部115に吐出されたポリフルオレン系溶液上に、溶媒吐出ヘッドから、ポリフルオレン系溶液の溶媒として用いた芳香族系の混合溶媒を気化した溶媒蒸気を300秒間噴出させて、暴露処理を行った。その後、ポリフルオレン系溶液が塗布された基板111をホットプレート上で、200℃にて、1時間乾燥させて、ポリフルオレン系溶液中の溶媒を乾燥除去して、発光層117を形成して、サンプルを得た。
【0095】
上記サンプルの、正孔輸送層と発光層との合計の層厚を、触針計を用いて測定した結果を図6の(A)の線で示す。なお、図6に示すグラフ中、横軸は、基板111の端部からの距離(μm)を表し、縦軸は、陽極112表面からの高さ(nm)を表している。また、図6に示すグラフ中、(C)の線は、正孔輸送層及び発光層を形成するまえの開口部115の形状を示している。
【0096】
〔比較例〕
開口部115に吐出されたPEDOT/PSS水溶液上に、溶媒吐出ヘッドから水蒸気を噴出させる暴露処理、及び、ポリフルオレン系溶液上に、芳香族系の混合溶媒を気化した溶媒蒸気を噴出させる暴露処理を行わなかった以外は、上記実施例と同様の操作を行って、比較用サンプルを得た。
【0097】
上記比較用サンプルの、正孔輸送層と発光層との合計の層厚を、触針計を用いて測定した結果を図6の(B)の線で示す。
【0098】
図6に示すように、溶媒蒸気による暴露処理を行った場合の開口部115内に形成された層の層厚(図中、(A))は、該暴露処理を行わなかった場合の層厚(図中、(B))に比べて、平坦性が改善されていることがわかる。このことから、溶媒蒸気による暴露処理を行うことにより、より平坦かつ均一な層厚で、正孔輸送層及び発光層を形成することができることがわかる。
【0099】
【発明の効果】
本発明の有機EL素子の製造方法は、以上のように、インクジェット式の記録ヘッドである吐出用ヘッドから機能性材料と溶媒とを含む混合物を基板上に吐出する混合物吐出工程と、該基板上に吐出された混合物から溶媒を除去して機能性材料層を形成する溶媒除去工程との間に、上記混合物吐出工程にて吐出用ヘッドから吐出された混合物を、上記溶媒を気化した溶媒蒸気で暴露する暴露処理工程を有する方法である。
【0100】
それゆえ、上記暴露処理工程により、基板上の混合物から、溶媒が蒸発することを防止することができるので、混合物の流動性の低下を防止することができる。従って、上記吐出用ヘッドから吐出された直後の混合物が、上記暴露処理によって基板上に一様に広がるので、暴露処理工程後に、溶媒除去工程を行って形成される機能性材料層を、平坦かつ均一な層厚で得ることができる。
【0101】
これにより、均一な膜厚の機能性材料層を形成することができるので、均一でむらのない発光を示す有機EL素子を製造することができるという効果を奏する。
【0102】
また、本発明の有機EL素子の製造装置は、以上のように、インクジェット式の記録ヘッドとして、少なくとも、機能性材料と溶媒とを含む混合物を吐出する吐出ノズルを備えた吐出用ヘッドと、上記溶媒を気化した溶媒蒸気を噴出するための噴出ノズルを備えた噴出用ヘッドとを有しているものである。
【0103】
それゆえ、上記吐出用ヘッドと同様のインクジェット式の記録ヘッドを用いて、暴露処理を実行することができるので、上記した暴露処理工程のために、複雑な装置を必要とすることなく、簡便かつ容易に暴露処理を行うことができるという効果を奏する。
【0104】
また、噴出用ヘッドとして、インクジェット式の記録ヘッドを用いているので、暴露処理が必要とされる基板上の領域に、直接溶媒蒸気を噴射することができので、溶媒蒸気の使用量を必要最小限に抑えることができる。これにより、溶媒蒸気の引火、有機EL素子の製造時における火災や爆発の発生を防止し、有機EL素子の製造の安全性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における有機EL素子の製造装置の実施の一形態を示す概略構成図である。
【図2】(a)〜(c)は、有機EL素子の製造工程を示す断面図である。
【図3】(a)(b)は、図2(a)〜(c)に示す有機EL素子の製造工程の続きを示す断面図である。
【図4】有機EL素子の製造工程フローをフローチャートである。
【図5】基板上の開口部に吐出された正孔輸送溶液が平坦かつ均一に塗布された理想的な状態を示す断面図である。
【図6】実施例及び比較例にて作成した、有機EL素子のサンプル及び比較サンプルの、正孔輸送層及び発光層の層厚を示すグラフである。
【図7】基板上の開口部に吐出された正孔輸送溶液が不均一に塗布された状態を示す断面図である。
【符号の説明】
101 溶液吐出ヘッド(吐出用ヘッド)
102 蒸気噴出ヘッド(噴出用ヘッド)
103 溶液供給容器
104 溶媒供給容器
105 溶液用配管
106 溶媒用配管
107 正孔輸送材溶液(混合物)
108 溶媒蒸気
111 基板
112 陽極
113 SiO
114 隔壁
115 開口部
116 正孔輸送層(機能性材料層)
117 発光層(機能性材料層)
118 陰極

Claims (7)

  1. インクジェット式の記録ヘッドである吐出用ヘッドから機能性材料と溶媒とを含む混合物を基板上に吐出する混合物吐出工程と、該基板上に吐出された混合物から溶媒を除去して機能性材料層を形成する溶媒除去工程とを有する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、
    上記混合物吐出工程と溶媒除去工程との間に、上記混合物吐出工程にて吐出用ヘッドから吐出された混合物を、上記溶媒を気化した溶媒蒸気で暴露する暴露処理工程を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  2. 上記暴露処理工程は、インクジェット式の記録ヘッドである噴出用ヘッドから溶媒蒸気を噴出して、上記混合物を暴露することを特徴とする請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  3. 上記混合物吐出工程と上記暴露処理工程とは、連続して実行されることを特徴とする請求項1又は2記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  4. インクジェット式の記録ヘッドを備えた有機エレクトロルミネッセンス素子の製造装置であって、
    上記記録ヘッドは、少なくとも、機能性材料と溶媒とを含む混合物を吐出する吐出ノズルを備えた吐出用ヘッドと、上記溶媒を気化した溶媒蒸気を噴出するための噴出ノズルを備えた噴出用ヘッドとを有していることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造装置。
  5. 上記噴出用ヘッドは、上記吐出用ヘッドの形状と同じ形状であることを特徴とする請求項4記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造装置。
  6. 上記噴出用ヘッドの噴出ノズルが形成された噴出ノズル面は、上記吐出用ヘッドの吐出ノズルが形成された吐出ノズル面よりも大きい面積を有していることを特徴とする請求項4記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造装置。
  7. 上記噴出用ヘッドは、上記吐出用ヘッドに一体的に設けられていることを特徴とする請求項4、5又は6に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造装置。
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