JP2015151733A - 継手と鉄筋の連結方法及び連結構造 - Google Patents

継手と鉄筋の連結方法及び連結構造 Download PDF

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Abstract

【課題】継手と鉄筋を摩擦圧接によって簡易に連結する。
【解決手段】鉄筋連結用継手2の内周面に内凸部22が形成されている。内凸部22は、好ましくは雌ネジ山にて構成されている。鉄筋3の外周面には、内凸部22と干渉する外凸部12が形成されている。継手2を鉄筋3に対して回転させながら、鉄筋3を継手2内に押し込むことによって、内凸部22と外凸部12とを摩擦圧接する。
【選択図】図1

Description

本発明は、2つの鉄筋を連結する鉄筋連結用継手と上記2つの鉄筋のうちの1つの鉄筋とを連結する連結方法及び連結構造に関し、特に上記継手と上記1つの鉄筋とを摩擦圧接にて連結する連結方法及び連結構造に関する。
一般に、鉄筋連結用継手は、筒状になっており、その内周面に環状の凸部が形成されている(例えば特許文献1等参照)。上記環状の凸部に代えて螺旋状の雌ネジ山が内周面に形成された継手も知られている(例えば特許文献2等参照)。上記雌ネジ山付きの継手と対応する鉄筋は、外周のフシが螺旋状の雄ネジ山になった所謂ネジフシ鉄筋である。継手の雌ネジ山にネジフシ鉄筋の雄ネジ山が螺合される。
特許文献3に記載の鉄筋連結用継手は、筒状になっており、その一端部が閉塞されている。この閉塞端部の外端面に鉄筋の端面が摩擦圧接にて接合される。
特許文献4に記載の鉄筋連結用継手は、筒状になっており、その内部に隔壁が設けられている。2本の鉄筋の端部をそれぞれ継手の軸方向の両側から継手の内部に差し入れて隔壁に押し付けながら継手を回転させることによって、これら鉄筋の端部を継手に摩擦圧接にて接合している。
特許文献3,4のように、摩擦圧接にて鉄筋と連結される継手は、専用の構造になっており、特許文献1,2等に例示の一般的な継手をそのまま転用するのは困難である。したがって、専用構造の継手を用意する必要があり、材料コストが高かった。
特開平08−218556号公報 特開平10−252223号公報 特開2011−006876号公報 特開平08−240209号公報
上記事情に鑑み、本発明は、鉄筋連結用継手と鉄筋を摩擦圧接によって簡易に連結できる連結方法及び連結構造を提供することを目的とする。好ましくは、鉄筋と摩擦圧接可能な継手として、一般的な構造の継手を転用可能にすることで、材料コストを削減できる連結方法及び連結構造を提供することを更なる目的とする。
上記問題点を解決するために、本発明方法は、筒状の鉄筋連結用継手と鉄筋とを連結する連結方法であって、前記鉄筋連結用継手の内周面に内凸部が形成され、前記鉄筋の外周面に前記内凸部と干渉する外凸部が形成されており、前記鉄筋連結用継手を前記鉄筋に対して回転させながら、前記鉄筋を前記鉄筋連結用継手内に押し込むことによって、前記内凸部と前記外凸部とを摩擦圧接することを特徴とする。
また、本発明構造は、筒状の鉄筋連結用継手と鉄筋との連結構造であって、前記鉄筋連結用継手の内周面に内凸部が形成され、前記鉄筋の外周面に外凸部が形成されており、前記内凸部と前記外凸部とが互いに摩擦圧接にて接合されていることを特徴とする。
これによって、鉄筋連結用継手と鉄筋を簡易に連結できる。
一般に、鉄筋連結用継手の内部には、環状の凸部や雌ネジ山を構成する凸部が形成されているから、これを前記内凸部とすることで、一般的な構造の鉄筋連結用継手を用いて鉄筋と摩擦圧接することができる。そうすることで、材料コストを削減できる。
前記内凸部が雌ネジ山であることが好ましい。この場合、通常のネジフシ鉄筋用継手を前記鉄筋連結用継手として転用可能である。したがって、材料コストを確実に削減できる。
また、前記外凸部が雄ネジ山であることが好ましい。この場合、前記鉄筋連結用継手と連結される鉄筋として、通常のネジフシ鉄筋を用いることができる。したがって、材料コストを確実に削減できる。
前記連結方法において、前記鉄筋連結用継手の内部に仕切り状のアプセット受け部を前記鉄筋に対して前記鉄筋連結用継手と共に相対回転可能に設けておき、前記鉄筋の端部を前記アプセット受け部に摩擦圧接することによってアプセット部を形成するとともに、前記アプセット部の外周部を前記鉄筋連結用継手の前記内周面よりも径方向外側に膨出させて前記鉄筋連結用継手に喰い込ませることが好ましい。
前記連結構造において、前記鉄筋連結用継手の内部には、仕切り状のアプセット受け部が設けられるとともに、前記鉄筋の端部と前記アプセット受け部との間には、これら鉄筋とアプセット受け部とが摩擦圧接にて接合してなるアプセット部が形成され、前記アプセット部の外周部が、前記鉄筋連結用継手の前記内周面よりも径方向外側に膨出して前記鉄筋連結用継手に喰い込む膨出部を構成していることが好ましい。
これによって、鉄筋の被圧接面積を内凸部及び外凸部だけが摩擦圧接されるよりも大きくでき、鉄筋連結用継手と鉄筋との連結強度を高めることができる。アプセット部の外周部を鉄筋連結用継手に喰い込ませることで、連結強度を一層高めることができる。また、前記連結方法においては、1回の摩擦圧接工程によって、鉄筋連結用継手と鉄筋を一体的に接合することができる。
前記連結方法において、前記鉄筋連結用継手の内部に、アプセット受け部として、前記鉄筋連結用継手より短いネジフシ鉄筋端材を螺合させておき、前記鉄筋の端部を前記ネジフシ鉄筋端材に摩擦圧接することによってアプセット部を形成するとともに、前記アプセット部の外周部を前記鉄筋連結用継手の前記内周面よりも径方向外側に膨出させて前記鉄筋連結用継手に喰い込ませることが好ましい。
前記連結構造において、前記鉄筋連結用継手の内部には、アプセット受け部として、前記鉄筋連結用継手より短いネジフシ鉄筋端材が螺合されるとともに、前記鉄筋の端部と前記ネジフシ鉄筋端材との間には、これら鉄筋とネジフシ鉄筋端材とが摩擦圧接にて接合してなるアプセット部が形成され、前記アプセット部の外周部が、前記鉄筋連結用継手の前記内周面よりも径方向外側に膨出して前記鉄筋連結用継手に喰い込む膨出部を構成していることが好ましい。
これによって、鉄筋の被圧接面積を内凸部及び外凸部だけが摩擦圧接されるよりも大きくでき、鉄筋連結用継手と鉄筋との連結強度を高めることができる。アプセット部の外周部を鉄筋連結用継手に喰い込ませることで、連結強度を一層高めることができる。また、アプセット受け部としてネジフシ鉄筋の端材を用いることで、アプセット受け部として特別な部材を用意する必要が無い。ひいては、鉄筋連結用継手として、一般的なネジフシ鉄筋用継手を用いることができる。したがって、材料コストが増大するのを回避できる。さらに、前記連結方法においては、1回の摩擦圧接工程によって、鉄筋連結用継手と鉄筋を一体的に接合することができる。
本発明によれば、鉄筋連結用継手と鉄筋とを摩擦圧接によって簡易に連結できる。
図1は、本発明の第1実施形態を示し、継手−鉄筋連結構造を含む主筋の断面図である。 図2は、上記連結構造を構成する継手と鉄筋を分解して示す断面図である。 図3は、上記継手と鉄筋との連結方法における回転・押し込み工程を示す断面図である。 図4は、上記継手と鉄筋との連結方法におけるアプセット工程を示す断面図である。
以下、本発明の一実施形態を図面にしたがって説明する。
図1は、例えば鉄筋コンクリート構造物の主筋1を示したものである。主筋1は、鉄筋連結用継手2と、鉄筋3,4とを備えている。2本の鉄筋3,4が継手2を介して連結されている。したがって、主筋1は、本発明に規定する鉄筋3と継手2との連結構造1aを含む。
鉄筋3(第1鉄筋)は、ネジフシ鉄筋にて構成されている。詳しくは、鉄筋3は、鉄筋主部11と、外凸部12とを有している。鉄筋主部11の外周面から外凸部12が突出されている。外凸部12は、螺旋状になっており、雄ネジ山を構成している。以下、外凸部12を適宜「雄ネジ山12」とも称す。鉄筋3の周方向の180°離れた2箇所は、平らな平取部13になっている。平取部13には外凸部12が形成されていない。
第2鉄筋4は、第1鉄筋3と同種(同一形状、同一寸法、同一材質)のネジフシ鉄筋にて構成されている。
なお、後述するように、第2鉄筋4が、第1鉄筋3とは形状、寸法、材質等が異なる鉄筋にて構成されていてもよい。
第1鉄筋3と第2鉄筋4とが一直線に配置され、これら鉄筋3,4どうしの間に継手2が跨っている。図2に示すように、継手2は、筒状の周壁21と、この筒状周壁21の内周面に形成された内凸部22とを含む。継手2は、鉄筋3,4と同じ鋼種(材質)にて構成されているが、鉄筋3又は4とは異なる鋼種(材質)にて構成されていてもよい。
ここで、継手2は、ネジフシ鉄筋用継手にて構成されている。すなわち、内凸部22は、継手2の内周面に沿う螺旋状になっており、雌ネジ山を構成している。以下、内凸部22を適宜「雌ネジ山22」とも称す。雌ネジ山22は、上記雄ネジ山12と螺合可能である。ただし、追って詳述する通り、雄ネジ山12及び雌ネジ山22どうしは、螺合ではなく摩擦圧接にて一体化されている。したがって、雄ネジ山12及び雌ネジ山22は、必ずしも互いに螺合可能なネジ山である必要はなく、ピッチやリード角等が互いに異なっていて螺合不能であってもよい。少なくとも雌ネジ山22の内径D22が雄ネジ山12の外径D12より小さければよい(D22<D12)。言い換えると、主筋1の中心軸Lから内凸部22の頂部までの距離が、中心軸Lから外凸部12の頂部までの距離より小さければよい。要するに、図3〜図4に示すように、鉄筋3を継手2に対して回転させずに、又は回転させながら螺合時の進み量とは異なる速度で押し込んでいくと、内凸部22と外凸部12とが干渉するようになっていればよい。
図2に示すように、雌ネジ山22の谷径すなわち継手周壁21の内径D21は、雄ネジ山12の外径D12よりも大きいが(D21>D12)、雌ネジ山22の谷径D21が雄ネジ山12の外径D12以下であってもよい(D21≦D12)。
筒状継手2の内部空間の軸線方向の中間部(中間室25)には、アプセット受け部5が設けられている。アプセット受け部5は仕切り状になっている。アプセット受け部5の厚みないしは軸長(軸Lに沿う寸法)は、継手2の軸長よりも十分に小さい。アプセット受け部5の太さないしは直径(軸Lと直交する寸法)は、継手周壁21の内径D21又は雌ネジ山22の内径D22とほぼ同程度である。このアプセット受け部5によって、継手2の内部空間が中間室25を挟んで軸線方向の一端側の第1収容室23と軸線方向の他端側の第2収容室24とに仕切られている。図1に示すように、第1収容室23には、第1鉄筋3の端部が差し入れられ、継手2と後述するようにして接合一体化されている。第2収容室24には、第2鉄筋4の端部が差し入れられて継手2と螺合されている。
図2に示すように、アプセット受け部5は、継手2における上記一端側に偏って配置されている。そのため、第1収容室23の軸長L23が、第2収容室24の軸長L24よりも短い(L23<L24)。但し、本発明におけるアプセット受け部5の位置は上記に限られるものではない。アプセット受け部5が継手2の中央部に配置されていてもよく、第1、第2収容室23,24の軸長L23,L24が互いにほぼ等しくてもよい(L23≒L24)。逆に、アプセット受け部5が継手2の上記他端部に偏って配置されていてもよく、第1収容室23の軸長L23が、第2収容室24の軸長L24より長くてもよい(L23>L24)。また、図2においては、第1収容室23の軸長L23が、中間室25の軸長L25(後記摩擦圧接前のアプセット受け部5の軸長)より短いが、これら室23,25の軸長L23,L25が互いにほぼ等しくてもよく(L23≒L25)、第1収容室23の軸長L23が中間室25の軸長L25(後記摩擦圧接前のアプセット受け部5の軸長)より長くてもよい。
ここで、アプセット受け部5は、継手2とは別部材にて構成されている。具体的には、アプセット受け部5は、継手2より短く、かつ鉄筋3,4と同種(同一形状、同一寸法、同一材質)のネジフシ鉄筋の端材にて構成されている。以下、アプセット受け部5を適宜「ネジフシ鉄筋端材5」とも称す。このネジフシ鉄筋端材5が継手2の中間室25にねじ込まれている。
なお、後述するように、ネジフシ鉄筋端材5が、鉄筋3又は4とは形状、寸法、材質等が異なる鉄筋にて構成されていてもよい。
鉄筋3と継手2とは、摩擦圧接部90によって一体的に接合されている。摩擦圧接部90は、摩擦圧接凸部91と、アプセット部92とを含む。
詳述すると、鉄筋主部11における第1収容室23に差し入れられた部分の外周と、継手周壁21の第1収容室23を画成する内周との間には、摩擦圧接凸部91が設けられている。摩擦圧接凸部91は、鉄筋3の外凸部12と、継手2の内凸部22とが摩擦圧接されることによって形成されたものである。この摩擦圧接凸部91において、凸部12,22どうし(すなわち雄ネジ山12及び雌ネジ山22どうし)が接合一体化されている。ひいては、摩擦圧接凸部91を介して鉄筋主部11と継手周壁21とが接合一体化されている。
さらに、継手2の内部における、鉄筋3とアプセット受け部5との対向端部どうし間には、アプセット部92が設けられている。アプセット部92は、鉄筋3とアプセット受け部5とが摩擦圧接されることによって形成されたものである。このアプセット部92において、鉄筋3とアプセット受け部5とが互いに軸方向に圧縮されるとともに径方向に膨出されるようにして一体的に接合されている。アプセット部92の外周部は、環状の膨出部93を構成している。膨出部93は、継手2の内周面(周壁21の内周面、雌ネジ山22の谷部)よりも径方向外側に膨出して、継手周壁21に喰い込んでいる。さらに、膨出部93は、アプセット部92の当該膨出部93より内側部における鉄筋3であった部分92aとアプセット受け部5であった部分92bとに跨っている。この膨出部93において、継手2と鉄筋3とアプセット受け部5とが一体的に接合されている。
図1及び図2に示すように、摩擦圧接部90の軸長L90(継手2の第1鉄筋3側の端面からアプセット受け部5におけるアプセットされていない部分5bとアプセット部92との境までの距離)は、摩擦圧接前のアプセット受け部5の軸長L25より短い(L90<L25)。更には、摩擦圧接部90の軸長L90は、非アプセット部分5bの軸長L5bより短い(L90<L5b<L25)。ただし、本発明には上記に限られるものではなく、摩擦圧接部90の軸長L90が、摩擦圧接前のアプセット受け部5の軸長L25より長くてもよく(L90>L25)、ひいては摩擦圧接部90の軸長L90が、非アプセット部分5bの軸長L5bより長くてもよい(L90>L5b)。或いは、摩擦圧接部90の軸長L90が、摩擦圧接前のアプセット受け部5の軸長L25と略等しくてもよく(L90≒L25)、若しくは摩擦圧接部90の軸長L90が、非アプセット部分5bの軸長L5bと略等しくてもよい(L90≒L5b)。
鉄筋3,4どうしを継手2を介して連結する方法を、鉄筋3と継手2の連結方法を中心に説明する。
図2に示すように、継手2の内部にアプセット受け部5を設ける。すなわち、継手2の中間室25にネジフシ鉄筋端材5をねじ込む。
また、図3に示すように、継手2を摩擦圧接装置6の回転部6aに取り付けるとともに、鉄筋3を摩擦圧接装置6の押し付け部6bに取り付ける。
第2収容室24には、止め部材7を挿入する。この止め部材7の端部をアプセット受け部5に突き当て、又は近接させておく。ここで、止め部材7は、鉄筋3,4,5と同種(同一形状、同一寸法、同一材質)のネジフシ鉄筋にて構成されている。この止め部材7を継手2の第2収容室24にねじ込む。好ましくは、この止め部材7のねじ込みによって、ネジフシ鉄筋端材5の雄ネジ山が、継手2の雌ネジ山22に図3において左側から強く当たり、かつ止め部材7の雄ネジ山が、継手2の雌ネジ山22に図3において右側から強く当たるようにする。これによって、アプセット受け部5を継手2に対して固定状態にすることができる。
そして、回転部6aによって継手2を鉄筋3に対して高速回転させるとともに、押し付け部6bによって鉄筋3を継手2の第1収容室23内に低速で押し込む。したがって、継手2の鉄筋3に対する回転速度は、鉄筋3を継手2内に押し込む速度に対応する進み速度で雄ネジ山12と雌ネジ山22とを螺合させたと仮定したときの継手2の仮想の回転速度よりも遥かに大きい。このため、鉄筋3の端部の雄ネジ山12と第1収容室23内の雌ネジ山22とは、互いに螺合することなく干渉して擦れ合う。これらネジ山12,22がそれぞれ発熱して軟化又は溶解される。
図4に示すように、ネジ山12,22の軟化又は溶解によって、鉄筋3を第1収容室23の奥方へ深く押し込むことができる。これに伴なって、ネジ山12,22どうしが変形しながら一体に接合される。
やがて、鉄筋3の端部がアプセット受け部5に達する。ここで、アプセット受け部5は、鉄筋3に対して継手2と一緒に高速回転している。したがって、鉄筋3の端部とアプセット受け部5の端部とが互いに擦れ合い、それぞれ発熱して軟化又は溶解される。このとき、止め部材7によってアプセット受け部5を継手2と確実に共回りさせることができるとともにアプセット受け部5の抜け止めをすることができる。
さらに、継手2及びアプセット受け部5を高速回転させながら、押し付け部6bによって鉄筋3をアプセット受け部5に強く押し付けることで軸方向に圧縮させるとともに径方向に膨出させる。この径方向への膨出が継手周壁21に及ぶことによって、鉄筋3の端部と継手周壁21とが互いに擦れ合い、継手周壁21の内周部における鉄筋3の端部に面する部分が発熱して軟化又は溶解される。
その後、回転部6aによる継手2及びアプセット受け部5の回転を停止する。一方、押し付け部6bによって、引き続き、鉄筋3をアプセット受け部5に強く押し付ける。これによって、鉄筋3の端部が軸方向に更に圧縮されるとともに、径方向に更に膨出される。この結果、鉄筋3とアプセット受け部5と継手2とが互いに摩擦圧接されて一体化される。
詳細には、継手2の第1収容室23の雌ネジ山22と、第1収容室23内の鉄筋3の雄ネジ山12とが摩擦圧接にて接合されることで、摩擦圧接凸部91が形成される。
また、鉄筋3の端部とアプセット受け部5の端部とが摩擦圧接にて接合されることで、これら鉄筋3とアプセット受け部5との間にアプセット部92が形成される。このアプセット部92を介して鉄筋3とアプセット受け部5とが一体的に接合される。
さらに、このアプセット部92が径方向に膨出することで、膨出部93が形成される。この膨出部93を介して継手2と鉄筋3とが直接一体的に接合される。
このようにして、鉄筋3と継手2とアプセット受け部5とを摩擦圧接部90を介して連結した後、これら鉄筋3及び継手2を摩擦圧接装置6から外す。また、止め用鉄筋7を第2収容室24から外す。そして、図1に示すように、第2鉄筋4を第2収容室24にねじ込む。これによって、鉄筋3と第2鉄筋4を継手2を介して連結できる。
連結構造1aによれば、鉄筋3と継手2とを1回の摩擦圧接操作によって簡易に一体的に連結できる。
また、内凸部22を雌ネジ山にて構成することで、継手2として、一般的なネジフシ鉄筋連結用継手を用いることができる。また、鉄筋3として、上記ネジフシ鉄筋連結用継手に螺合可能な一般的なネジフシ鉄筋を用いることもでき、上記ネジフシ鉄筋連結用継手に螺合不能な一般的なネジフシ鉄筋を用いることもできる。さらには、アプセット受け部5として、上記ネジフシ鉄筋連結用継手に螺合する一般的なネジフシ鉄筋の端材を用いることができる。これによって、材料コストを低減できる。
連結構造1aによれば、鉄筋3と継手2を摩擦圧接凸部91にて接合できるのに加えて、鉄筋3とアプセット受け部5とをアプセット部92にて一体的に接合でき、更には該アプセット部92の膨出部93が継手周壁21に喰い込むことで、鉄筋3と継手2とを直接的に一体接合できる。これによって、強固な連結構造を得ることができる。特に鉄筋3が膨出部93を介して継手周壁21に引っ掛かる構造になるため、連結強度を十分に高めることができる。
本発明は、上記実施形態に限定されるもものではなく、その精神に反しない範囲内において種々の改変をなすことができる。
例えば、第1鉄筋3と第2鉄筋4とが互いに異形状の(サイズやネジピッチ等が異なる)ネジフシ鉄筋にて構成されていてもよい。かつ、継手2の第1収容室23の内面形状(内径D21,D22、雌ネジ山22のピッチ等)と、継手2の第2収容室24の内面形状(内径D21,D22、雌ネジ山22のピッチ等)とが、互いに異なっていてもよい。この場合、第1収容室23の内面形状は第1鉄筋3と対応し、第2収容室24の内面形状は第2鉄筋4と対応することが好ましい。さらに、ネジフシ鉄筋端材5は、第1鉄筋3と同形状かつ第2鉄筋4とは異形状のネジフシ鉄筋であってもよく、第2鉄筋4と同形状かつ第1鉄筋3とは異形状のネジフシ鉄筋であってもよい。ネジフシ鉄筋端材5が第1鉄筋3と同形状かつ第2鉄筋4とは異形状のネジフシ鉄筋である場合、継手2の中間室25の内面形状は第1収容室23の内面形状と連続し、かつ第2収容室24の内面形状と不連続であることが好ましく、ネジフシ鉄筋端材5が第2鉄筋4と同形状かつ第1鉄筋3とは異形状のネジフシ鉄筋である場合、継手2の中間室25の内面形状は第2収容室24の内面形状と連続し、かつ第1収容室23の内面形状と不連続であることが好ましい。
さらには、ネジフシ鉄筋端材5が、第1鉄筋3とも第2鉄筋とも異なる形状であってもよい。例えば、ネジフシ鉄筋端材5の外径が、第1鉄筋3の外径と第2鉄筋4の外径の中間の大きさであってもよい。これに対応して、継手2の中間室25の内面形状が、第1収容室23とも第2収容室24とも異なっていてもよい。例えば、中間室25の内径D21が、第1収容室23室25の内径D21と第2収容室24の内径D21の中間の大きさであってもよい。
第1、収容室23又は第2収容室24と中間室25との間に段差が形成されていてもよい。この段差にアプセット受け部5が押し当てられていてもよい。
外凸部12は、必ずしも雄ネジ山すなわち螺旋状の凸部に限られず、鉄筋の周方向に沿う環状、継手2の軸線に沿う直線状、又は点状等であってもよい。鉄筋3が、外凸部として縦リブ及び横フシを有する通常の異形鉄筋にて構成されていてもよい。
継手2の雌ネジ山からなる内凸部22と、上記通常の異形鉄筋の縦リブ及び横フシとを摩擦圧接してもよい。
内凸部22は、必ずしも雌ネジ山すなわち螺旋状の凸部に限られず、継手の周方向に沿う環状、継手2の軸線に沿う直線状、又は点状等であってもよい。
鉄筋3の外凸部12と摩擦圧接される内凸部22は、継手2における少なくとも第1収容室23の内周面にのみ形成されていればよい。
アプセット受け部5としては、必ずしもネジフシ鉄筋の端材を用いる必要はなく、縦リブ及び横フシを有する通常の異形鉄筋の端材を用いてもよく、外周に凸部が無い円盤状部材又は円柱状部材を用いてもよい。この場合、アプセット受け部5の外径が、継手2の内径D22より少し小さいことが好ましい。また、止め部材7としては、縦リブ及び横フシを有する通常の異形鉄筋を用いてもよく、外周に凸部が無い棒状部材又は筒状部材を用いてもよい。この場合、止め部材7の外径が、継手2の内径D22より小さいことが好ましい。さらに、この場合、止め部材7におけるアプセット受け部5側の端部に突起やネジ等の嵌合部を設け、この嵌合部をアプセット受け部5に着脱可能に嵌合させることが好ましい。かつ、摩擦圧接に際して継手2を鉄筋3に対して回転させる際は、止め部材7をも継手2と等速で回転させることで、アプセット受け部5を継手2と等速で回転させることが好ましい。
アプセット受け部5が、継手2と一体の隔壁であってもよい。この場合、摩擦圧接に際して止め部材7は不要である。
アプセット受け部5を省略してもよく、ひいてはアプセット部92を省略してもよい。摩擦圧接部90が、摩擦圧接凸部91だけを含み、アプセット部92を含まなくてもよい。
或いは、内凸部22又は外凸部12を省略したり、内凸部22と外凸部12どうしが干渉しないようにしてもよく、摩擦圧接凸部91を省略してもよい。摩擦圧接部90が、アプセット部92だけを含み、摩擦圧接凸部91を含まなくてもよい。
摩擦圧接の際は、継手2と鉄筋3とを相対回転させればよく、回転部6aを鉄筋3に接続して鉄筋3を回転させてもよい。
本発明は、例えば鉄筋コンクリート構造物の主筋に適用可能である。
1a 連結構造
2 継手
3 鉄筋
5 ネジフシ鉄筋端材(アプセット受け部)
12 外凸部
22 内凸部
90 摩擦圧接部
91 摩擦圧接凸部
92 アプセット部
93 膨出部

Claims (8)

  1. 筒状の鉄筋連結用継手と鉄筋とを連結する連結方法であって、
    前記鉄筋連結用継手の内周面に内凸部が形成され、前記鉄筋の外周面に前記内凸部と干渉する外凸部が形成されており、
    前記鉄筋連結用継手を前記鉄筋に対して回転させながら、前記鉄筋を前記鉄筋連結用継手内に押し込むことによって、前記内凸部と前記外凸部とを摩擦圧接することを特徴とする継手と鉄筋の連結方法。
  2. 前記内凸部が雌ネジ山であることを特徴とする請求項1に記載の連結方法。
  3. 前記鉄筋連結用継手の内部に仕切り状のアプセット受け部を前記鉄筋に対して前記鉄筋連結用継手と共に相対回転可能に設けておき、
    前記鉄筋の端部を前記アプセット受け部に摩擦圧接することによってアプセット部を形成するとともに、前記アプセット部の外周部を前記鉄筋連結用継手の前記内周面よりも径方向外側に膨出させて前記鉄筋連結用継手に喰い込ませることを特徴とする請求項1又は2に記載の連結方法。
  4. 前記鉄筋連結用継手の内部に、アプセット受け部として、前記鉄筋連結用継手より短いネジフシ鉄筋端材を螺合させておき、
    前記鉄筋の端部を前記ネジフシ鉄筋端材に摩擦圧接することによってアプセット部を形成するとともに、前記アプセット部の外周部を前記鉄筋連結用継手の前記内周面よりも径方向外側に膨出させて前記鉄筋連結用継手に喰い込ませることを特徴とする請求項2に記載の連結方法。
  5. 筒状の鉄筋連結用継手と鉄筋との連結構造であって、
    前記鉄筋連結用継手の内周面に内凸部が形成され、前記鉄筋の外周面に外凸部が形成されており、
    前記内凸部と前記外凸部とが互いに摩擦圧接にて接合されていることを特徴とする継手と鉄筋の連結構造。
  6. 前記内凸部が雌ネジ山であることを特徴とする請求項5に記載の連結構造。
  7. 前記鉄筋連結用継手の内部には、仕切り状のアプセット受け部が設けられるとともに、前記鉄筋の端部と前記アプセット受け部との間には、これら鉄筋とアプセット受け部とが摩擦圧接にて接合してなるアプセット部が形成され、前記アプセット部の外周部が、前記鉄筋連結用継手の前記内周面よりも径方向外側に膨出して前記鉄筋連結用継手に喰い込む膨出部を構成していることを特徴とする請求項5又は6に記載の連結構造。
  8. 前記鉄筋連結用継手の内部には、アプセット受け部として、前記鉄筋連結用継手より短いネジフシ鉄筋端材が螺合されるとともに、前記鉄筋の端部と前記ネジフシ鉄筋端材との間には、これら鉄筋とネジフシ鉄筋端材とが摩擦圧接にて接合してなるアプセット部が形成され、前記アプセット部の外周部が、前記鉄筋連結用継手の前記内周面よりも径方向外側に膨出して前記鉄筋連結用継手に喰い込む膨出部を構成していることを特徴とする請求項6に記載の連結構造。
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