JP2015151733A - 継手と鉄筋の連結方法及び連結構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】鉄筋連結用継手2の内周面に内凸部22が形成されている。内凸部22は、好ましくは雌ネジ山にて構成されている。鉄筋3の外周面には、内凸部22と干渉する外凸部12が形成されている。継手2を鉄筋3に対して回転させながら、鉄筋3を継手2内に押し込むことによって、内凸部22と外凸部12とを摩擦圧接する。
【選択図】図1
Description
特許文献4に記載の鉄筋連結用継手は、筒状になっており、その内部に隔壁が設けられている。2本の鉄筋の端部をそれぞれ継手の軸方向の両側から継手の内部に差し入れて隔壁に押し付けながら継手を回転させることによって、これら鉄筋の端部を継手に摩擦圧接にて接合している。
また、本発明構造は、筒状の鉄筋連結用継手と鉄筋との連結構造であって、前記鉄筋連結用継手の内周面に内凸部が形成され、前記鉄筋の外周面に外凸部が形成されており、前記内凸部と前記外凸部とが互いに摩擦圧接にて接合されていることを特徴とする。
これによって、鉄筋連結用継手と鉄筋を簡易に連結できる。
一般に、鉄筋連結用継手の内部には、環状の凸部や雌ネジ山を構成する凸部が形成されているから、これを前記内凸部とすることで、一般的な構造の鉄筋連結用継手を用いて鉄筋と摩擦圧接することができる。そうすることで、材料コストを削減できる。
また、前記外凸部が雄ネジ山であることが好ましい。この場合、前記鉄筋連結用継手と連結される鉄筋として、通常のネジフシ鉄筋を用いることができる。したがって、材料コストを確実に削減できる。
前記連結構造において、前記鉄筋連結用継手の内部には、仕切り状のアプセット受け部が設けられるとともに、前記鉄筋の端部と前記アプセット受け部との間には、これら鉄筋とアプセット受け部とが摩擦圧接にて接合してなるアプセット部が形成され、前記アプセット部の外周部が、前記鉄筋連結用継手の前記内周面よりも径方向外側に膨出して前記鉄筋連結用継手に喰い込む膨出部を構成していることが好ましい。
これによって、鉄筋の被圧接面積を内凸部及び外凸部だけが摩擦圧接されるよりも大きくでき、鉄筋連結用継手と鉄筋との連結強度を高めることができる。アプセット部の外周部を鉄筋連結用継手に喰い込ませることで、連結強度を一層高めることができる。また、前記連結方法においては、1回の摩擦圧接工程によって、鉄筋連結用継手と鉄筋を一体的に接合することができる。
前記連結構造において、前記鉄筋連結用継手の内部には、アプセット受け部として、前記鉄筋連結用継手より短いネジフシ鉄筋端材が螺合されるとともに、前記鉄筋の端部と前記ネジフシ鉄筋端材との間には、これら鉄筋とネジフシ鉄筋端材とが摩擦圧接にて接合してなるアプセット部が形成され、前記アプセット部の外周部が、前記鉄筋連結用継手の前記内周面よりも径方向外側に膨出して前記鉄筋連結用継手に喰い込む膨出部を構成していることが好ましい。
これによって、鉄筋の被圧接面積を内凸部及び外凸部だけが摩擦圧接されるよりも大きくでき、鉄筋連結用継手と鉄筋との連結強度を高めることができる。アプセット部の外周部を鉄筋連結用継手に喰い込ませることで、連結強度を一層高めることができる。また、アプセット受け部としてネジフシ鉄筋の端材を用いることで、アプセット受け部として特別な部材を用意する必要が無い。ひいては、鉄筋連結用継手として、一般的なネジフシ鉄筋用継手を用いることができる。したがって、材料コストが増大するのを回避できる。さらに、前記連結方法においては、1回の摩擦圧接工程によって、鉄筋連結用継手と鉄筋を一体的に接合することができる。
図1は、例えば鉄筋コンクリート構造物の主筋1を示したものである。主筋1は、鉄筋連結用継手2と、鉄筋3,4とを備えている。2本の鉄筋3,4が継手2を介して連結されている。したがって、主筋1は、本発明に規定する鉄筋3と継手2との連結構造1aを含む。
なお、後述するように、第2鉄筋4が、第1鉄筋3とは形状、寸法、材質等が異なる鉄筋にて構成されていてもよい。
図2に示すように、雌ネジ山22の谷径すなわち継手周壁21の内径D21は、雄ネジ山12の外径D12よりも大きいが(D21>D12)、雌ネジ山22の谷径D21が雄ネジ山12の外径D12以下であってもよい(D21≦D12)。
なお、後述するように、ネジフシ鉄筋端材5が、鉄筋3又は4とは形状、寸法、材質等が異なる鉄筋にて構成されていてもよい。
詳述すると、鉄筋主部11における第1収容室23に差し入れられた部分の外周と、継手周壁21の第1収容室23を画成する内周との間には、摩擦圧接凸部91が設けられている。摩擦圧接凸部91は、鉄筋3の外凸部12と、継手2の内凸部22とが摩擦圧接されることによって形成されたものである。この摩擦圧接凸部91において、凸部12,22どうし(すなわち雄ネジ山12及び雌ネジ山22どうし)が接合一体化されている。ひいては、摩擦圧接凸部91を介して鉄筋主部11と継手周壁21とが接合一体化されている。
図2に示すように、継手2の内部にアプセット受け部5を設ける。すなわち、継手2の中間室25にネジフシ鉄筋端材5をねじ込む。
また、図3に示すように、継手2を摩擦圧接装置6の回転部6aに取り付けるとともに、鉄筋3を摩擦圧接装置6の押し付け部6bに取り付ける。
第2収容室24には、止め部材7を挿入する。この止め部材7の端部をアプセット受け部5に突き当て、又は近接させておく。ここで、止め部材7は、鉄筋3,4,5と同種(同一形状、同一寸法、同一材質)のネジフシ鉄筋にて構成されている。この止め部材7を継手2の第2収容室24にねじ込む。好ましくは、この止め部材7のねじ込みによって、ネジフシ鉄筋端材5の雄ネジ山が、継手2の雌ネジ山22に図3において左側から強く当たり、かつ止め部材7の雄ネジ山が、継手2の雌ネジ山22に図3において右側から強く当たるようにする。これによって、アプセット受け部5を継手2に対して固定状態にすることができる。
また、鉄筋3の端部とアプセット受け部5の端部とが摩擦圧接にて接合されることで、これら鉄筋3とアプセット受け部5との間にアプセット部92が形成される。このアプセット部92を介して鉄筋3とアプセット受け部5とが一体的に接合される。
さらに、このアプセット部92が径方向に膨出することで、膨出部93が形成される。この膨出部93を介して継手2と鉄筋3とが直接一体的に接合される。
また、内凸部22を雌ネジ山にて構成することで、継手2として、一般的なネジフシ鉄筋連結用継手を用いることができる。また、鉄筋3として、上記ネジフシ鉄筋連結用継手に螺合可能な一般的なネジフシ鉄筋を用いることもでき、上記ネジフシ鉄筋連結用継手に螺合不能な一般的なネジフシ鉄筋を用いることもできる。さらには、アプセット受け部5として、上記ネジフシ鉄筋連結用継手に螺合する一般的なネジフシ鉄筋の端材を用いることができる。これによって、材料コストを低減できる。
連結構造1aによれば、鉄筋3と継手2を摩擦圧接凸部91にて接合できるのに加えて、鉄筋3とアプセット受け部5とをアプセット部92にて一体的に接合でき、更には該アプセット部92の膨出部93が継手周壁21に喰い込むことで、鉄筋3と継手2とを直接的に一体接合できる。これによって、強固な連結構造を得ることができる。特に鉄筋3が膨出部93を介して継手周壁21に引っ掛かる構造になるため、連結強度を十分に高めることができる。
例えば、第1鉄筋3と第2鉄筋4とが互いに異形状の(サイズやネジピッチ等が異なる)ネジフシ鉄筋にて構成されていてもよい。かつ、継手2の第1収容室23の内面形状(内径D21,D22、雌ネジ山22のピッチ等)と、継手2の第2収容室24の内面形状(内径D21,D22、雌ネジ山22のピッチ等)とが、互いに異なっていてもよい。この場合、第1収容室23の内面形状は第1鉄筋3と対応し、第2収容室24の内面形状は第2鉄筋4と対応することが好ましい。さらに、ネジフシ鉄筋端材5は、第1鉄筋3と同形状かつ第2鉄筋4とは異形状のネジフシ鉄筋であってもよく、第2鉄筋4と同形状かつ第1鉄筋3とは異形状のネジフシ鉄筋であってもよい。ネジフシ鉄筋端材5が第1鉄筋3と同形状かつ第2鉄筋4とは異形状のネジフシ鉄筋である場合、継手2の中間室25の内面形状は第1収容室23の内面形状と連続し、かつ第2収容室24の内面形状と不連続であることが好ましく、ネジフシ鉄筋端材5が第2鉄筋4と同形状かつ第1鉄筋3とは異形状のネジフシ鉄筋である場合、継手2の中間室25の内面形状は第2収容室24の内面形状と連続し、かつ第1収容室23の内面形状と不連続であることが好ましい。
さらには、ネジフシ鉄筋端材5が、第1鉄筋3とも第2鉄筋とも異なる形状であってもよい。例えば、ネジフシ鉄筋端材5の外径が、第1鉄筋3の外径と第2鉄筋4の外径の中間の大きさであってもよい。これに対応して、継手2の中間室25の内面形状が、第1収容室23とも第2収容室24とも異なっていてもよい。例えば、中間室25の内径D21が、第1収容室23室25の内径D21と第2収容室24の内径D21の中間の大きさであってもよい。
第1、収容室23又は第2収容室24と中間室25との間に段差が形成されていてもよい。この段差にアプセット受け部5が押し当てられていてもよい。
継手2の雌ネジ山からなる内凸部22と、上記通常の異形鉄筋の縦リブ及び横フシとを摩擦圧接してもよい。
内凸部22は、必ずしも雌ネジ山すなわち螺旋状の凸部に限られず、継手の周方向に沿う環状、継手2の軸線に沿う直線状、又は点状等であってもよい。
鉄筋3の外凸部12と摩擦圧接される内凸部22は、継手2における少なくとも第1収容室23の内周面にのみ形成されていればよい。
アプセット受け部5が、継手2と一体の隔壁であってもよい。この場合、摩擦圧接に際して止め部材7は不要である。
或いは、内凸部22又は外凸部12を省略したり、内凸部22と外凸部12どうしが干渉しないようにしてもよく、摩擦圧接凸部91を省略してもよい。摩擦圧接部90が、アプセット部92だけを含み、摩擦圧接凸部91を含まなくてもよい。
2 継手
3 鉄筋
5 ネジフシ鉄筋端材(アプセット受け部)
12 外凸部
22 内凸部
90 摩擦圧接部
91 摩擦圧接凸部
92 アプセット部
93 膨出部
Claims (8)
- 筒状の鉄筋連結用継手と鉄筋とを連結する連結方法であって、
前記鉄筋連結用継手の内周面に内凸部が形成され、前記鉄筋の外周面に前記内凸部と干渉する外凸部が形成されており、
前記鉄筋連結用継手を前記鉄筋に対して回転させながら、前記鉄筋を前記鉄筋連結用継手内に押し込むことによって、前記内凸部と前記外凸部とを摩擦圧接することを特徴とする継手と鉄筋の連結方法。 - 前記内凸部が雌ネジ山であることを特徴とする請求項1に記載の連結方法。
- 前記鉄筋連結用継手の内部に仕切り状のアプセット受け部を前記鉄筋に対して前記鉄筋連結用継手と共に相対回転可能に設けておき、
前記鉄筋の端部を前記アプセット受け部に摩擦圧接することによってアプセット部を形成するとともに、前記アプセット部の外周部を前記鉄筋連結用継手の前記内周面よりも径方向外側に膨出させて前記鉄筋連結用継手に喰い込ませることを特徴とする請求項1又は2に記載の連結方法。 - 前記鉄筋連結用継手の内部に、アプセット受け部として、前記鉄筋連結用継手より短いネジフシ鉄筋端材を螺合させておき、
前記鉄筋の端部を前記ネジフシ鉄筋端材に摩擦圧接することによってアプセット部を形成するとともに、前記アプセット部の外周部を前記鉄筋連結用継手の前記内周面よりも径方向外側に膨出させて前記鉄筋連結用継手に喰い込ませることを特徴とする請求項2に記載の連結方法。 - 筒状の鉄筋連結用継手と鉄筋との連結構造であって、
前記鉄筋連結用継手の内周面に内凸部が形成され、前記鉄筋の外周面に外凸部が形成されており、
前記内凸部と前記外凸部とが互いに摩擦圧接にて接合されていることを特徴とする継手と鉄筋の連結構造。 - 前記内凸部が雌ネジ山であることを特徴とする請求項5に記載の連結構造。
- 前記鉄筋連結用継手の内部には、仕切り状のアプセット受け部が設けられるとともに、前記鉄筋の端部と前記アプセット受け部との間には、これら鉄筋とアプセット受け部とが摩擦圧接にて接合してなるアプセット部が形成され、前記アプセット部の外周部が、前記鉄筋連結用継手の前記内周面よりも径方向外側に膨出して前記鉄筋連結用継手に喰い込む膨出部を構成していることを特徴とする請求項5又は6に記載の連結構造。
- 前記鉄筋連結用継手の内部には、アプセット受け部として、前記鉄筋連結用継手より短いネジフシ鉄筋端材が螺合されるとともに、前記鉄筋の端部と前記ネジフシ鉄筋端材との間には、これら鉄筋とネジフシ鉄筋端材とが摩擦圧接にて接合してなるアプセット部が形成され、前記アプセット部の外周部が、前記鉄筋連結用継手の前記内周面よりも径方向外側に膨出して前記鉄筋連結用継手に喰い込む膨出部を構成していることを特徴とする請求項6に記載の連結構造。
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