JP2012132502A - フランジ付管体構造及び管路構造 - Google Patents

フランジ付管体構造及び管路構造 Download PDF

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新吾 須藤
Hiroshi Moritake
博 森武
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Abstract

【課題】本発明は、簡単な作業にて他の管体に接続することができる新規なフランジ付管体構造、及びこのフランジ付管体が他の管体に接続されてなる管路構造を提供することを目的とする。
【解決手段】 管体2に、短管31の外周面にフランジ部32が設けられたフランジ継手3が接続されてなるフランジ付管体構造1であって、フランジ継手3における短管31の内周面に、一開口端312から他開口端311に向かって拡径するテーパ部313を設け、短管31に挿入された管体2の外周面とテーパ部313との間に存する環状の間隙に、外周面に短管当接部43が設けられた筒状の中子部材4を圧入させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、管体にフランジ継手が接続されてなるフランジ付管体構造、及びこのフランジ付管体構造におけるフランジ部を、別の管体に接合することによって形成された管路構造に関する。
硬質塩化ビニル管の外周面をFRP層で補強し、耐圧性及び耐熱性を高めた複層管は、軽量で、耐薬品性も非常に高いことから、工業用配管等として多岐にわたって使用されている。
この種のFRP層を外装した複層管を管継手に接続するにあたっては、複層管の外周面に存するFRP層と管継手の内周面に存する硬質塩化ビニル層とを十分な強度にて接着することが困難であった。そのため、複層管と管継手の接続に先立ち、複層管における接合箇所のFRP層を剥ぎ取って硬質塩化ビニル層を露出させ、露出させた硬質塩化ビニル層と管継手の内周面との間に充填型接着剤を介在させて接続する手段が行われていた(例えば、下記特許文献1参照)。
特開2003‐207087号公報
しかしながら、複層管からFRP層を剥ぎ取るにあたっては、複層管に外装されたFRP層に対し、硬質塩化ビニル層まで切り込まないように注意しながらノコギリ等で切込みを入れ、剥ぎ取る箇所をバーナー等で加熱した後、ペンチ等を用いてFRP層を剥ぎ取るといった非常に煩雑な作業工程を要する。特に、高圧配管として使用される複層管においては、FRP層が非常に厚く設けられており、剥ぎ取り作業をより困難なものにしていた。
本発明は、前記技術的課題を解決するために開発されたもので、簡単な作業にて他の管体に接続することができる新規なフランジ付管体構造、及びこのフランジ付管体を他の管体に接続してなる管路構造を提供することを目的とする。
本発明のフランジ付管体構造は、フランジ継手が管体に係止されてなるフランジ付管体構造であって、このフランジ付管体構造は、短管の外周面に、別の管体の開口部に接続させるフランジ部が設けられたフランジ継手と、フランジ継手における短管に挿入される管体と、管体に外装される筒状の中子部材とからなり、フランジ継手は、短管の内周面において一開口端側から他開口端側に向かって内径を拡大するテーパ部が設けられてなり、管体は、その一端に別の管体の開口部と対向させる接続開口部を有し、中子部材は、一の筒口から他の筒口にわたって筒壁を切り分ける一条のスリット部が設けられた筒体、若しくは一の筒口から他の筒口にわたって筒壁を切り分ける複数条のスリット部によって分割された複数個の分割体の集合体であり、更に、その外周面において一の筒口側から他の筒口側に向かって外径を拡大する前記テーパ部に沿う形状の短管当接部が設けられてなり、フランジ継手における短管の他開口端が管体の接続開口部に向けられた状態で、管体を短管に挿入させ、一の筒口がフランジ継手における短管の他開口端に向けられた状態で、中子部材を管体に外装させると共に、スリット部に弾性を有する充填材を介在させ、管体に沿ってフランジ継手を中子部材に向けて移動させて、テーパ部と短管当接部とを摺接させながら、管体の外周面とテーパ部との間に存する環状の間隙に中子部材を圧入させることによって、中子部材において管体に向かう締め付け力を生じさせ、もって、管体にフランジ継手を係止させるものであることを特徴とする(以下、本発明管体構造と称する。)。
本発明管体構造においては、管体の外周面と中子部材の内周面に、凹状又は凸状の係合部が各々設けられてなり、凹状の係合部と凸状の係合部とが係合されて管体に中子部材が外装されてなるものが好ましい態様となる。
本発明管体構造においては、管体の外周面と中子部材の内周面とが、接着剤又は粘着剤によって固定されてなるものが好ましい態様となる。
本発明管体構造においては、短管当接部とテーパ部とが、接着剤又は粘着剤によって固定されてなるものが好ましい態様となる。
本発明管体構造においては、短管当接部とテーパ部との間に、弾性を有する第一弾性部材が介在されてなるものが好ましい態様となる。
この際、短管当接部又はテーパ部の少なくとも一方には、凹状の第一凹部が設けられてなり、第一弾性部材が第一凹部に嵌まり込んだ状態で保持されてなるものがより好ましい態様となる。
本発明管体構造においては、管体の外周面と中子部材の内周面との間に、弾性を有する第二弾性部材が介在されてなるものが好ましい態様となる。
この際、管体の外周面又は中子部材の内周面の少なくとも一方には、凹状の第二凹部が設けられてなり、第二弾性部材が第二凹部に嵌まり込んだ状態で保持されてなるものがより好ましい態様となる。
本発明の管路構造は、前記本発明管体構造におけるフランジ部が別の管体の開口部に接続されてなることを特徴とする。
本発明によれば、簡単な作業にて他の管体に接続することができる。
図1は、実施形態1に係る本発明管体構造を一部切り欠いて示す分解斜視図である。 図2(a)〜(c)は、実施形態1に係る本発明管体構造を構築する工程を示す側面図であり、(c)において、一部を断面状態にて示している。 図3は、実施形態1に係る本発明管体構造を他の管体に接合してなる本発明の管路構造を示す側面図であり、一部を断面状態にて示している。 図4(a)〜(c)は、各種形状のフランジ継手を用いて構築した本発明管体構造を他の管体に接合してなる本発明の管路構造を示す側面図であり、一部を断面状態にて示している。 図5(a)〜(d)は、管体の外周面と中子部材の内周面との間に、第二弾性部材を介在させた状態を示す拡大断面図である。 図6(a)〜(d)は、短管当接部とテーパ部との間に、第一弾性部材を介在させた状態を示す拡大断面図である。 図7は、実施形態2に係る本発明管体構造を一部切り欠いて示す分解斜視図である。 図8(a)〜(c)は、実施形態2に係る本発明管体構造を構築する工程を示す側面図であり、(c)において、一部を断面状態にて示している。 図9は、実施形態2に係る本発明管体構造を他の管体に接合してなる本発明の管路構造を示す側面図であり、一部を断面状態にて示している。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明するが、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。
<実施形態1>
図1に実施形態1に係る本発明管体構造1の分解斜視図を示す。本実施形態に係る本発明管体構造1は、管体2と、フランジ継手3と、中子部材4とからなる。
本実施形態において、管体2は、硬質塩化ビニル管の外周面をFRP層で補強してなる円筒状の複層管であり、後述する別の管体Pの開口部と対向させる接続開口部23の近辺において、外周面を周回する溝部21が複数条設けられている。この溝部21は、管体2の外周面において部分的に設けても良く、又、螺旋溝として、管体2の外周面に設けても良い。この溝部21は、後述する中子部材4に設けられた凸状の係合部41と係合する凹状の係合部21となる。なお、管体2の外周面における係合部21を凸状とし、後述する中子部材4における係合部41を凹状としても良い。
本発明において管体2の素材は特に限定されるものではない。管体2は、例えば、硬質塩化ビニルの単層管(VP管(塩ビ厚肉管)やVU管(塩ビ薄肉管))や、コンクリート管、ガラス繊維強化複合管、或いは金属管であっても良い。又、管体2としては円筒形状、即ち軸心に対して垂直となる水平面にて切断された水平断面形状が円形の筒体に限られず、例えば、水平断面形状が、楕円、四角形或いは更なる多角形状となっている筒体を用いても良い。
フランジ継手3は、円筒状の短管31の外周面に環状のフランジ部32が設けられた形状を有する。このフランジ継手3は、ガラス繊維と熱硬化性樹脂からなる複合材を素材とし、短管31とフランジ部32とが一体的に型枠形成されたものである。
前記管体2と同様、本発明においてフランジ継手3を構成する素材は特に限定されるものではない。又、短管31としては、円筒形状の他、例えば、水平断面形状が、楕円、四角形或いは更なる多角形状となっている筒体を用いても良い。更に、短管31は、前記管体2を挿入し得る内径を有するものであれば良く、例えば、前記管体2として円筒形状のものを用いた場合において、必ずしも短管31を円筒形状とする必要はない。フランジ部32の形状についても環状のもの、即ち、外縁形状が円形のものとする必要は無く、外縁形状が楕円、四角形或いは更なる多角形状のものであっても良い。
本実施形態においては、フランジ部32を短管31の他開口端311の周縁に設け、短管31の他開口端311の端面がフランジ部32の接合面321と面一となるようにしている。一方、短管31の一開口端312の端面は、フランジ部32の裏面322から突出させている。
フランジ部32には、接合面321から裏面322にわたって貫通する複数の貫通孔323が設けられている。この貫通孔323は、後述する管体Pとの接続の際に用いられるボルト等の締結部材が挿入される部位となる。
フランジ部32の裏面322と、フランジ部32の裏面322から突出させた短管31の外周面とがなす角部には、複数のリブ33が設けられている。このリブ33における短管31の外周面と接する一片の長さは、フランジ部32の裏面322と接する一片の長さより長くなるように設定されている。又、このリブ33における短管31の外周面と接する一片の長さは、フランジ部32の裏面322から突出させた短管31の突出長さに対し、50%以上の長さを有する。更に、このリブ33は、前記フランジ部32に設けた複数の貫通孔323をそれぞれ挟む位置に設けられている。即ち、フランジ部32の円周方向に沿って複数の貫通孔32とリブ33とが交互に配列されている。
本実施形態において、フランジ継手3における短管31の内周面には、一開口端312側から他開口端311側に向かってその内径をなだらかに拡大するテーパ部313が設けられる。なお、このテーパ部313は、必ずしも短管31の内周面全域にわたって設ける必要は無い。例えば、短管31の他開口端311の近辺にのみテーパ部313を設けても良いし、短管31の一開口端312の近辺にのみテーパ部313を設けても良い。又、短管31内周面の中ほどにおいてテーパ部313を設けても良い。
中子部材4は、筒状の全体形状を有する。本発明において「筒状」とは、一端(一の筒口401)から他端(他の筒口402)にわたって、筒抜けの貫通孔を有する中空体のことを意味する。
本実施形態において、中子部材4には、一の筒口401から他の筒口402にわたって筒壁を切り分ける二条のスリット部44が設けられている。この二条のスリット部44が設けられることによって、中子部材4は、筒体が縦割りされた如き形状の分割体4A、4Bの集合体となる。即ち、中子部材4はスリット部44の数に応じて分割される。但し、スリット部44が一条のみの場合、中子部材4は分割されず、一の筒口401から他の筒口402にわたって筒壁を切り分ける一条のスリット部44が設けられた筒体となる。
前記スリット部には、弾性を有する充填材5が介在される。本実施形態においては、充填材5として、前記スリット部44の長さ方向にわたって充填され得る形状を有するシリコーンゴムを用いた。充填材5は、フッ素ゴムやスチレン‐ブタジエンゴムなどの他の弾性体から形成しても良い。又、充填剤5は、スリット部44の端面に接着やはめ込みなどによって固定しても良い。更に、充填材5は、弾性接着剤などの、硬化した際に弾性を発揮する液状体をスリット部44に注入し、硬化させることによって形成しても良い。
中子部材4の内周面42は、管体2の外周面に沿い得る湾曲形状を有する。本実施形態においては、中子部材4の内周面42の全域を管体2の外周面の曲率半径と同じ曲率半径を有する湾曲面としているが、この湾曲面は、中子部材4の内周面42の全域にわたって設ける必要は無い。要は、中子部材4の内周面42の一部ないし全部が、管体2の外周面に沿い得るようにすれば良い。
又、中子部材4の内周面には、内周面を周回する凸部41が複数条設けられている。この凸部41は、前述した管体2に設けられた凹状の係合部21と係合させる凸状の係合部41となる。
一方、中子部材4の外周面には、一の筒口401側から他の筒口402側に向かって外径を拡大する前記テーパ部313に沿う形状の短管当接部43が設けられている。本実施形態においては、中子部材4の外周面全域を短管31に設けたテーパ部313の曲率半径及びテーパ角と同じ曲率半径及びテーパ角を有する湾曲テーパ面とし、この湾曲テーパ面を短管当接部43としているが、この短管当接部43は、中子部材4の外周面全域にわたって設ける必要は無い。要は、中子部材4の外周面の一部ないし全部が、短管31のテーパ部313に沿い得るように短管当接部43を設ければ良い。
なお、本発明においては、中子部材4を樹脂や金属などの可撓性を有する部材で構成し、本発明管体構造1が構築された際に、中子部材の内周面42及び短管当接部43が、それぞれ管体2の外周面及び短管31のテーパ部313に沿い得る形状に可撓変形するようにしても良い。
前記管体2を前記フランジ継手3に係止して本発明管体構造1を構築するにあたっては、まず、図2(a)に示すように、前記フランジ継手3における短管31に管体2を挿入する。この際、フランジ継手における短管の他開口端311が管体2の接続開口部23に向くようにし、更に、管体2における接続開口部23が、フランジ継手3における短管31の他開口端311から十分に突出するようにする。
次いで、図2(b)に示すように、他開口端311から突出させた管体2の外周面に、中子部材4の分割体4A、4Bを配置することによって、管体2に中子部材4を外装する。この際、中子部材4における一の筒口がフランジ継手4における短管31の他開口端311に向くようにする。
分割体4A、4B間に存する隙間、即ち、中子部材4に設けたスリット部44には、充填材5が介在される。
本実施形態においては、管体2に中子部材4を外装させるにあたり、管体2における凹状の係合部21と中子部材4における凸状の係合部41とを係合させ、管体2に中子部材4を係止させる。なお、本発明において各係合部21、41は必須ではなく、管体2の外周面と中子部材4の内周面42との間に十分な摩擦力が生じ得る場合などにあっては、各係合部21、41を設ける必要はない。又、各係合部21、41と共に、或いは各係合部21、41に替えて、接着剤や粘着剤等を用いて管体2に中子部材4を固定しても良い。接着剤を用いる場合にあっては、硬化した際に弾性を発揮する弾性接着剤を用いることが好ましい。接着剤や粘着剤等を用いて管体2に中子部材4を固定すると、管体2と中子部材4間に存する隙間が埋められて、各部材間のシール性が向上する。
管体2に中子部材4を係止した後、図2(c)に示すように、フランジ継手3を中子部材4に向かって移動させ、テーパ部313と短管当接部43とを摺接させながら、管体2の外周面とテーパ部313との間に存する環状の間隙に中子部材4を圧入させることによって本発明管体構造1を構築する。この際、中子部材4において管体2に向かう締め付け力が生じ、管体2とフランジ継手3は、中子部材4によって係止される。なお、中子部材4は、接着剤や粘着剤等を用いて短管31に固定しても良い。接着剤や粘着剤等を用いて短管31に中子部材4を固定すると、短管31と中子部材4間に存する隙間が埋められて、各部材間のシール性が向上する。接着剤を用いる場合にあっては、硬化した際に弾性を発揮する弾性接着剤を用いることが好ましい。又、接着剤を用いる場合にあっては、塗布された接着剤が乾燥、硬化する前にフランジ継手3を中子部材4に向かって移動させ、テーパ部313と短管当接部43とを摺接させれば、乾燥、硬化する前の接着剤が潤滑剤として作用し、より深く環状の間隙に中子部材4を圧入させることができる。
図3に示すように、本発明管体構造1は、フランジ部32が別の管体Pの開口部に接合されることによって、本発明の管路構造10となる。別の管体Pは、本発明管体構造1におけるフランジ部32と接合することができる開口部を有し、本発明管体構造1と共に管路構造10を形成し得るものであれば特に限定されるものではない。別の管体Pとしては、例えば、直管、曲管、ソケット、スリーブ、チーズ、レジューサ、インクリーザ、ヘッダー及びキャップ等を挙げることができる。勿論、本発明管体構造1同士を接合して管路構造10を形成しても良い。
この管路構造10を、例えば、高圧配管などに利用し、管路内に流体を圧送(図中破線矢印で示す。)すると、管路内の内圧が増加し、係る内圧を受けた管体2が、図中左側に向かって移動(接着剤や粘着剤によって、中子部材4が短管31に固定されている場合は、接着剤層や粘着剤層をひずませながら移動)しようとする。又、別の管体Pが曲管等である場合にあっては、管路内に圧送させた流体が管体Pの曲がり角に衝突することによってスラスト力が生じ、スラスト力を受けた別の管体Pは図中右側に移動しようとする。同時に別の管体Pの開口部に接合されたフランジ継手3も図中右側に移動しようとする。
この際、管体2及びフランジ継手3の間に介在された中子部材4が、いわゆる「くさび」として機能し、管体2を締め付ける。これによって、本発明の管路構造10は、フランジ継手3から管体2が抜け出すことを好適に防止している。
又、この際、中子部材4が管体2に向かって更に押し付けられるため、中子部材4の内周面に設けられた管体当接部42と管体2の外周面との間に存するわずかな空気を押し出し、各部間の距離を縮める(接着剤や粘着剤によって、中子部材4が管体2に固定されている場合は、接着剤層や粘着剤層が押し潰されて、各部間の距離を縮める)。同時に、中子部材4に設けられたスリット部44の幅が狭くなり、スリット部44に介在された充填材5が押し潰される。
押し潰された充填材5は、スリット部44の深さ方向に膨張する。スリット部44の幅が狭くなると共に、充填材5がスリット部44深さ方向に膨張することから、スリット部44は、充填材5によって隅々まで満たされる。
更に、押し潰されたスリット部44は弾性反発し、短管当接部43とテーパ部313との間に存するわずかな空気を押し出して、各部間の距離を縮める(接着剤や粘着剤によって、中子部材4が短管31に固定されている場合は、接着剤層や粘着剤層が押し潰されて、各部間の距離を縮める)。
各部間の距離が縮まり、しかもスリット部44が充填材5によって隅々まで満たされるため、本発明の管路構造10は非常に高いシール性を発揮する。
ところで、本実施形態においては、前述の如く、フランジ継手3における短管31の他開口端311の端面がフランジ部32の接合面321と面一となるようにすると共に、短管31の一開口端312の端面を、フランジ部32の裏面322から突出させている。
この形状のフランジ継手3においては、管体2の外周面とテーパ部313との間に存する環状の間隙に中子部材4が圧入された際、短管31に対し、その管壁を拡張する応力が負荷される。この応力は、フランジ部32の裏面322と裏面322から突出させた短管31の外周面とがなす角部に最も大きく作用する。この点につき、本実施形態においては、係る角部においてリブ33を複数設け、しかも、このリブ33における短管31の外周面と接する一片の長さを、フランジ部32の裏面322と接する一片の長さより長くすることによって、短管31に負荷された応力をフランジ部32において効率よく吸収できるようにしている。又、このリブ33における短管31の外周面と接する一片の長さを、フランジ部32の裏面322から突出させた短管31の突出長さに対し50%以上の長さとすることによって、短管31に負荷された応力が効率よく分散されるようにし、短管31の隔壁が拡張することを好適に防止している。更に、このリブ33を、フランジ部32に設けた複数の貫通孔323を挟む位置に設けることによって、フランジ部32に吸収させた応力によってフランジ部32に変形が生じることを防止している。
なお、本発明においては、必ずしも短管31の他開口端311の端面がフランジ部32の接合面321と面一となされたフランジ継手3を用いる必要は無く、短管31の他開口端311がフランジ部32の接合面321から突出するフランジ継手3を用いても良い。この様なフランジ継手3を用いて構築された本発明管体構造1を別の管体Pに接続するにあたっては、図4(a)に示すように、フランジ部32の接合面321から突出させた短管31を別の管体P内に挿入する。
この際、別の管体Pの内径を、フランジ部32の接合面321から突出させた短管31の外径と同径となるようにすれば、別の管体Pによって、短管31の管壁が拡張することを好適に防止することができる。
又、フランジ継手3における短管31の他開口端312は、必ずしもフランジ部32の裏面322から突出させる必要は無く、図4(b)に示すように、短管31の他開口端312の端面がフランジ部32の裏面322と面一となるようにしても良い。
更に、フランジ継手3としては、図4(c)に示すように、フランジ部32の接合面321及び裏面322のいずれからも短管31の各開口端311、312の端面が突出していないもの(板状のフランジ部32に短管31としての貫通孔が形成されたもの)としても良い。この場合、短管31の外周全体が周囲に設けたフランジ部32によって覆われた状態となるため、短管31の管壁は拡張しない。
本発明管体構造1における管体2の外周面と中子部材4の内周面42との間には、図5(a)に示すように、弾性を有する第二弾性部材6を介在させて、係る部間におけるシール性を更に向上させることが好ましい。
この第二弾性部材6は、接着剤や粘着剤などによって、管体2の外周面又は中子部材4の内周面42に固定しても良いが、本発明においては、図5(b)、(c)に示すように、第二弾性部材6を管体2の外周面又は中子部材4の内周面42の少なくとも一方に設けた凹状の第二凹部22、45に嵌まり込んだ状態で保持するのが好ましい。この第二凹部22は、図5(d)に示すように、管体2の外周面に設けた凹状の係合部21と共通させても良い(中子部材4に凹状の係合部41を設ける場合は、係る凹状の係合部41と共通させても良い。)。
又、本発明管体構造1における短管当接部43とテーパ部313との間には、図6(a)に示すように、弾性を有する第一弾性部材7を介在させて、係る部間におけるシール性を向上させることが好ましい。
この第一弾性部材7は、接着剤や粘着剤などによって、短管当接部43又はテーパ部313に固定しても良いが、図6(a)において矢印で示すように、短管当接部43とテーパ部313との間に介在させた第一弾性部材7には、テーパ面に対し垂直となる方向に反発力が発生する。この反発力は、中子部材4をフランジ継手3から抜け出させる力となる場合がある。
そこで、本発明においては、図6(b)、(c)に示すように、第一弾性部材7を短管当接部43又はテーパ部313の少なくとも一方に設けた凹状の第一凹部46、34に嵌まり込んだ状態で保持されるようにするのが好ましい。このようにすれば、第一凹部46、34が台座となって、第一弾性部材7に発生した反発力を、図中矢印で示す方向に誘導することができ、中子部材4をフランジ継手3から抜け出させる力が減じられる。
特に、図6(d)に示すように、短管当接部43及びテーパ部313の両方に設けた第一凹部46、34が第一弾性部材7を挟むようにして保持すれば、第一弾性部材7に発生した反発力を、図中矢印で示す方向に誘導することができ、より一層、中子部材4をフランジ継手3から抜け出させる力が減じられる。
<実施形態2>
図7に実施形態2に係る本発明管体構造1の分解斜視図を示す。本実施形態に係る本発明管体構造1は、管体2と、フランジ継手3と、中子部材4とからなる。
本実施形態において、管体2は、前記実施形態1と同様のものを用いた。
本実施形態において用いたフランジ継手3は、その短管31における一開口端312側において内径を小さくさせる厚肉部35を設けている。本実施形態においては、厚肉部35には、テーパ部313を設けず、厚肉部35を除く内周面においてテーパ部313を設けている。即ち、本実施形態において用いたフランジ継手3は、前記実施形態1で用いたものとは異なり、短管31の内周全域にわたってテーパ部313を設けていない。
又、本実施形態において用いたフランジ継手3には、テーパ部313において、内周面を周回する環状突起315が設けられている。この環状突起315は、後述する中子部材4に設けた位置決め溝48と係合する位置決め突起315となる。
本実施形態において用いた中子部材4は、他の筒口402側において外径を大きくさせる厚肉部47が設けられている。即ち、この中子部材4は、段階的に外径が大きくなる外周形状を有する。中子部材4は、分割体4A、4Bとで構成される。
本実施形態において用いた中子部材4の内周面42は、管体2の外周面に沿い得る湾曲形状を有する。本実施形態においては、中子部材4の内周面42の全域を管体2の外周面の曲率半径と同じ曲率半径を有する湾曲面としている。
本実施形態において用いた中子部材4の外周面には、短管31の内周面に設けられたテーパ部313に沿う形状の短管当接部43が設けられている。前記実施形態1とは異なり、本実施形態において短管当接部43は、中子部材4の外周面全域に設けていない。本実施形態において短管当接部43は、中子部材4の一端に設けた厚肉部47にのみ設けている。
又、本実施形態において用いた中子部材4には、短管当接部43において、外周面を周回する複数条(本実施形態においては二条)の環状溝48(48a、48b)が設けられている。この環状溝48は、前記フランジ継手3に設けた位置決め突起315と係合する位置決め溝48となる。
充填材5は、前記実施形態1と同様、シリコーンゴムを素材とし、スリット部44の端面形状に合わせて加工したものを用いた。
前記管体2を前記フランジ継手3に接続して本発明管体構造1を構築するにあたっては、前記実施形態1とほぼ同様の手順で行う。
まず、図8(a)に示すように、前記フランジ継手3における短管31に管体2を挿入する。
次いで、図8(b)に示すように、フランジ部32の接合面側321から突出させた管体2の外周面に中子部材4の分割体4A、4Bを配置して、管体2に中子部材4を外装する。
その後、図8(c)に示すように、フランジ継手3を中子部材4に向かって移動させ、テーパ部313と短管当接部43とを摺接させながら、管体2の外周面とテーパ部313との間に存する環状の間隙に中子部材4を圧入させることによって本発明管体構造1を構築する。この際、位置決め突起315と位置決め溝48aとを係止することによって、環状の間隙に圧入された中子部材4がフランジ継手3から抜け出すことを防止する。
図9に示すように、本発明管体構造1は、フランジ部32が別の管体Pに接合されることによって、本発明の管路構造10となる。
この管路構造10の管路内に流体を圧送(図中破線矢印で示す。)すると、管路内において内圧又はスラスト力が生じ、管体2とフランジ継手3との間に介在させた中子部材4が、いわゆる「くさび」として機能し、管体2を締め付ける。又、図9の拡大図に示すように、位置決め溝48aは、溝壁の片側(図中右側)がなだらかな傾斜面となっており、この傾斜面に沿って、位置決め溝48aに係止された位置決め突起315を乗り越えようとする。これによって、中子部材4の締め付け力はより一層強くなる。なお、位置決め溝48aが位置決め突起315を乗り越えた場合、位置決め溝48aに並列する位置決め溝48bに位置決め突起315が改めて係止され、強くなった締め付け力が維持される。
その余は、前記実施形態1で説明した事項と同様であることから、繰り返しを避けるべくここでは説明を省略する。
本発明は、簡単な作業にて管体同士を接合することができ、従来、接続作業が非常に煩雑であった複層管等の接続作業を非常に容易にする。
1 本発明管体構造(フランジ付管体構造)
2 管体
23 接続開口部
3 フランジ継手
31 短管
32 フランジ部
311 他開口端
312 一開口端
313 テーパ部
4 中子部材
42 内周面
43 短管当接部
44 スリット部
401 一の筒口
402 他の筒口
5 充填材
10 管路構造

Claims (9)

  1. フランジ継手が管体に係止されてなるフランジ付管体構造であって、
    このフランジ付管体構造は、
    短管の外周面に、別の管体の開口部に接続させるフランジ部が設けられたフランジ継手と、
    フランジ継手における短管に挿入される管体と、
    管体に外装される筒状の中子部材とからなり、
    フランジ継手は、短管の内周面において一開口端側から他開口端側に向かって内径を拡大するテーパ部が設けられてなり、
    管体は、その一端に別の管体の開口部と対向させる接続開口部を有し、
    中子部材は、一の筒口から他の筒口にわたって筒壁を切り分ける一条のスリット部が設けられた筒体、若しくは一の筒口から他の筒口にわたって筒壁を切り分ける複数条のスリット部によって分割された複数個の分割体の集合体であり、更に、その外周面において一の筒口側から他の筒口側に向かって外径を拡大する前記テーパ部に沿う形状の短管当接部が設けられてなり、
    フランジ継手における短管の他開口端が管体の接続開口部に向けられた状態で、管体を短管に挿入させ、
    一の筒口がフランジ継手における短管の他開口端に向けられた状態で、中子部材を管体に外装させると共に、スリット部に弾性を有する充填材を介在させ、
    管体に沿ってフランジ継手を中子部材に向けて移動させて、テーパ部と短管当接部とを摺接させながら、管体の外周面とテーパ部との間に存する環状の間隙に中子部材を圧入させることによって、中子部材において管体に向かう締め付け力を生じさせ、もって、管体にフランジ継手を係止させるものであることを特徴とするフランジ付管体構造。
  2. 請求項1に記載のフランジ付管体構造において、
    管体の外周面と中子部材の内周面には、凹状又は凸状の係合部が各々設けられてなり、凹状の係合部と凸状の係合部とが係合されて管体に中子部材が外装されてなるフランジ付管体構造。
  3. 請求項1又は2に記載のフランジ付管体構造において、管体の外周面と中子部材の内周面とが、接着剤又は粘着剤によって固定されてなるフランジ付管体構造。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載のフランジ付管体構造において、短管当接部とテーパ部とが、接着剤又は粘着剤によって固定されてなるフランジ付管体構造。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載のフランジ付管体構造において、
    短管当接部とテーパ部との間には、弾性を有する第一弾性部材が介在されてなるフランジ付管体構造。
  6. 請求項5に記載のフランジ付管体構造において、
    短管当接部又はテーパ部の少なくとも一方には、凹状の第一凹部が設けられてなり、第一弾性部材が第一凹部に嵌まり込んだ状態で保持されてなるフランジ付管体構造。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載のフランジ付管体構造において、
    管体の外周面と中子部材の内周面との間には、弾性を有する第二弾性部材が介在されてなるフランジ付管体構造。
  8. 請求項7に記載の管体接続構造において、
    管体の外周面又は中子部材の内周面の少なくとも一方には、凹状の第二凹部が設けられてなり、第二弾性部材が第二凹部に嵌まり込んだ状態で保持されてなるフランジ付管体構造。
  9. 請求項1ないし8のいずれか1項に記載のフランジ付管体構造におけるフランジ部が別の管体における開口部に接続されてなることを特徴とする管路構造。
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