JP2015145460A - 二軸配向ポリエステルフィルム - Google Patents
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Abstract
Description
B=0.887x−Ln(τ) …(1)
(上記式中のxは下記式(2)より算出される)
x=(15900/(273.15+T))+113/RH …(2)
(上記式中、τは、引張破断強度保持率が50%となる湿熱時間(hr)であり、Ln(τ)は、τの自然対数を示す)
蛍光X線分析装置(島津製作所社製型式「XRF−1500」)を用いて、下記表1に示す条件下で、単枚測定でフィルム中の元素量を求めた。積層フィルムの場合はフィルムを溶融してディスク状に成型して測定することにより、フィルム全体に対する含有量を測定した。
いわゆる滴定法によって、末端カルボキシル基量の量を測定した。すなわちポリエステルフィルムをベンジルアルコールに溶解し、フェノールレッド指示薬を加え、水酸化ナトリウムの水/メタノール/ベンジルアルコール溶液で滴定することで、末端カルボキシル基量(eq/t)を求めた。
ポリエステルフィルムをフェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒中に溶解し、毛細管粘度計を用いて、1.0(g/dl)の濃度の溶液の流下時間、および、溶媒のみの流下時間を測定し、それらの時間比率から、Hugginsの式を用いて、極限粘度を算出した。その際、Huggins定数を0.33と仮定した。
パ−キンエルマ社製DSC7型で10℃/min.の昇温速度で得られた結晶融解による吸熱ピ−ク温度を融点とした。
無張力状態で150℃雰囲気中30分間、熱処理しその前後のサンプルの長さを測定することにより次式にて計算した。
加熱収縮率(%)=(L1−L0)/L0×100
(上記式中、L1は熱処理前のサンプル長(mm)であり、L0は熱処理後のサンプル長(mm)である)
目的の温度湿度でフィルムを湿熱処理した後、23℃×50%RHで24時間調温・調湿した後、フィルムの機械的特性として、製膜方向(MD)の破断強度を測定した。測定には株式会社島津製作所製 万能試験機AUTOGRAPHを使用し、幅15mmのサンプルで、チャック間50mmとして、引張り速度200mm/分の条件で行った。処理前後での破断強度の保持率(%)を下記の式(3)にて算出し、下記の基準で判断した。
破断強度保持率=処理後の破断強度÷処理前の破断強度×100 …(3)
湿熱処理は下記載のA〜Cの装置の中から、温度湿度条件に応じて適切な装置を選択して実施した。
A:平山製作所製PC−242HS−E
B:平山製作所製PC−422R8
C:日立アプライアンス社製恒温恒湿槽EC−25HHP
湿熱処理時の温度をT、湿度をRHとしたとき、下記式でxが求められる。
x=(15900/(273.15+T))+113/RH
さらに、(7)で求められる、破断強度保持率が50%となる湿熱時間を引張強度半減期τ(hr)と定義する。Ln(τ)は、τの自然対数を示し、このLn(τ)と上で求めたxを下記式に代入することでBを求めることができる。
B=0.887x−Ln(τ)
JIS7219−1986の設置方法に準拠した方法で沖縄県宮古島にて屋外暴露試験を実施した。太陽光と照り返しによる光劣化の影響を防ぐため、ポリエステルフィルムの表裏を適切な保護材で光を遮断し試験を行い目視にてクラックの有無を確認した。評価結果を下記とする。
×:屋外暴露5年後クラックがある
△:屋外暴露8年後クラックがある
○:屋外暴露10年後クラックがある
◎:屋外暴露10年後クラックがない
<ポリエステル原料(1)の製造法>
スラリー調製槽、およびそれに直列に接続された2段のエステル化反応槽、および2段目のエステル化反応槽に直列に接続された3段の溶融重縮合槽からなる連続重合装置を用い、スラリー調製槽に、テレフタル酸とエチレングリコールをそれぞれ毎時865重量部、485重量部で連続的に供給すると共に、エチルアシッドホスフェートの0.3重量%エチレングリコール溶液を、得られるポリエステル樹脂1t当たりの燐原子としての含有量が0.129モル/樹脂tとなる量で連続的に添加して、攪拌、混合することによりスラリーを調製した。このスラリーを、窒素雰囲気下で260℃、相対圧力50kPa(0.5kg/cm2)、平均滞留時間4時間に設定された第1段目のエステル化反応槽、次いで、窒素雰囲気下で260℃、相対圧力5kPa(0.05kg/cm2)、平均滞留時間1.5時間に設定された第2段目のエステル化反応槽に連続的に移送して、エステル化反応させた。また、その際、第2段目のエステル化反応槽に設けた上部配管を通じて、酢酸マグネシウム4水和物の0.6 重量% エチレングリコール溶液を、得られるポリエステル樹脂1t当たりのマグネシウム原子としての含有量が0.165モル/樹脂tとなる量で連続的に添加すると共に、第2段目のエステル化反応槽に設けた別の上部配管を通じてエチレングリコールを毎時60重量部連続的に追加添加した。
ポリエステル原料(1)を出発原料とし、窒素雰囲気下で約160℃に保持された攪拌結晶化機内に滞留時間が約60分となるように連続的に供給して結晶化させた後、塔型の固相重縮合装置に連続的に供給し、窒素雰囲気下215℃で、得られるポリエステル樹脂の極限粘度が0.82dl/gとなるように滞留時間を調整して固相重縮合させ、ポリエステル原料(2)を得た。末端カルボキシル基量は7当量/tであった。
攪拌機付き2リッターステンレス製オートクレーブに高純度テレフタル酸とエチレングリコールを仕込み、常法に従ってエステル化反応を行い、オリゴマー混合物を得た。
このオリゴマー混合物に重縮合触媒として、(1)塩基性酢酸アルミニウムを20g/lのアルミニウム化合物含有量となるように調整したエチレングリコール溶液と、(2)4Lのエチレングリコールに3、5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホン酸ジエチルを200g加えて185℃にて60分間還流下で攪拌後に冷却して得られたリン化合物のエチレングリコール溶液の混合物とを、アルミニウム元素の残存量が20ppm、リン元素の残存量が80ppmとなるように添加した。
次いで、窒素雰囲気下、常圧にて250℃で10分間攪拌した。その後、60分間かけて280℃まで昇温しつつ反応系の圧力を徐々に下げて13.3Pa(0.1Torr)として、さらに280℃、13.3Pa下でポリエステルの極限粘度が0.55dl/gになるまで重縮合反応を行った。反応槽から取り出した溶融重縮合反応生成物は、ダイからストランド状に押出して冷却固化し、カッターで切断して1個の重さが平均粒重24mgのポリエステル樹脂チップ:ポリエステルチップ化した。ポリエステルチップの極限粘度は0.56dl/g、末端カルボキシル基量は13当量/tであった。上記の溶融重合によって得たポリエステルチップを0.5mmHgの減圧下、220℃で固相重合を行い、極限粘度が0.78dl/g、末端カルボキシル基量が7当量/tのポリエステル(3)を得た。
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒としてテトラ−n−ブチルチタネートを得られるポリエステル樹脂1t当たりのチタン原子としての含有量が5g/樹脂tとなる量で加えて反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物を重縮合槽に移し、平均粒子径2 .5μmのシリカ粒子のエチレングリコールスラリーを、粒子のポリエステルに対する含有量が3.0重量%となるように添加し、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.60に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、ポリエステル原料(4)を得た。極限粘度は0.64dl/g、末端カルボキシル基量は21当量/tであった。
ポリエステル原料(4)製造方法において、の平均粒子径2.5μmのシリカ粒子のエチレングリコールスラリーの代わりに、平均粒子径0.8μmの合成炭酸カルシウム粒子のエチレングリコールスラリーを粒子のポリエステルに対する含有量が1重量%となるように添加した以外は、ポリエステル原料(4)の製造方法と同様の方法を用いてポリエステル原料(5)を得た。極限粘度は0.62dl/g、末端カルボキシル基量は23当量/tであった。
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム四水塩を0.02部加えて反応器にとり、反応開始温度を150℃ とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチルアシッドホスフェート0.03部を添加した後、重縮合槽に移し、三酸化アンチモンを0.04部加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.63に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、ポリエステルのチップを得た。この、ポリエステルの極限粘度は0.63dl/g、ポリマーの末端カルボキシル基量は45当量/tであった。上記ポリエステルチップを出発原料とし、真空下220℃にて固相重合を行って、ポリエステル原料(6)を得た。ポリエステル原料(6)の極限粘度は0.85dl/g、ポリマーの末端カルボキシル基量は32当量/tであった。
ポリエステル(1)の製造において、エステル交換反応後に正リン酸0.12部を添加した後、三酸化アンチモン0.04部、エチレングリコールに分散させた平均粒子径2.6μmのシリカ粒子0.08重量部を加えた以外は同様の方法で、ポリエステル原料(7)を得た。得られたポリエステル原料(7)の極限粘度は0.63、ポリマーの末端カルボキシル基量は14当量/トンであった。
ポリエステル原料(2)の製造において、出発原料をポリエステル原料(7)とすること以外は、同様の方法で、ポリエステル原料(8)を得た。得られたポリエステル原料(8)の極限粘度は0.80、ポリマーの末端カルボキシル基量は9当量/トンであった。
表層の原料としてポリエステル原料(1)70重量%と、ポリエステル原料(5)30重量%を混合し、中間層の原料として、ポリエステル原料(1)84重量%とポリエステル原料(5)16重量%を混合し、2台のベント付きニ軸押出機に各々供給し、290℃で溶融押出した後、静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定した冷却ロール上で冷却固化して未延伸シートを得た。次いで、100℃にて縦方向に2.8倍延伸した後、テンター内で予熱工程を経て120℃で5.1倍の横延伸を施した後、220℃で10秒間の熱処理を行い、その後180℃で幅方向に4%の弛緩を加え、全厚みが38μm(層構成:表層4μm/中間層30μm/表層4μm)の幅2000mmのポリエステルフィルムのマスターロールを得た。
上記ポリエステル原料(2)およびポリエステル原料(4)を96.0:4.0の比率で混合したポリエステルを原料とし、口径90mmのベント付き二軸押出機により、吐出量;300kg/hr、シリンダー温度;290℃で溶融押出し、口金から流出した非晶質のポリエステルシートを、静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定したキャスティングドラム上で急冷固化させて未延伸の単層シートを得た。次いで、ロール周速差を利用してフィルム温度85℃で縦方向に3.2倍延伸した後、テンターに導き、クリップで掴まれた縦延伸シートを横方向に120℃で3.8倍延伸し、200℃で熱固定処理を行った後、弛緩し、厚さ125μm、幅2000mmのポリエステルフィルム(A1)のマスターロールを得た。
上記ポリエステル原料(2)、ポリエステル原料(4)、および回収ポリエステル(2)を未乾燥の状態にて、76.8:3.2:20.0の比率で混合したポリエステルを原料とし、口径90mmのベント付き二軸押出機により、吐出量;450kg/hr、シリンダー温度;290℃で溶融押出し、静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定したキャスティングドラム上で急冷固化させて未延伸の単層シートを得た。次いで、ロール周速差を利用してフィルム温度85℃で縦方向に3.2倍延伸した後、テンターに導き、横方向に120℃で3.8倍延伸し、200℃で熱固定処理を行った後、弛緩し、厚さ125μm、幅2000mmのポリエステルフィルム(A2)のマスターロールを得た。
実施例2で得たポリエステルフィルム(A2)について、82℃95%条件で湿熱処理し、その評価結果を表2に示す。
実施例2で得たポリエステルフィルム(A2)について、120℃100%条件で湿熱処理し、その評価結果を表2に示す。
上記ポリエステル原料(2)、ポリエステル原料(4)、および回収ポリエステル(1)を46.0:4.0:50.0の比率で混合したポリエステルを原料とし、口径90mmのベント付き二軸押出機により、吐出量;600kg/hr、シリンダー温度;290℃で溶融押出し、静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定したキャスティングドラム上で急冷固化させて未延伸の単層シートを得た。次いで、ロール周速差を利用してフィルム温度85℃で縦方向に3.2倍延伸した後、テンターに導き、横方向に120℃で3.8倍延伸し、195℃で熱固定処理を行った後、弛緩し、厚さ188μm、幅2000mmのポリエステルフィルム(A3)のマスターロールを得た。
実施例5で得たポリエステルフィルム(A3)について、105℃100%条件で湿熱処理し、その評価結果を表2に示す。
上記ポリエステル原料(3)、ポリエステル原料(4)、および回収ポリエステル(1)を68.0:4.0:28.0の比率で混合したポリエステルを原料とし、口径90mmのベント付き二軸押出機により、吐出量;600kg/hr、シリンダー温度;290℃で溶融押出し、静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定したキャスティングドラム上で急冷固化させて未延伸の単層シートを得た。次いで、ロール周速差を利用してフィルム温度85℃で縦方向に3.2倍延伸した後、テンターに導き、横方向に120℃で3.8倍延伸し、195℃で熱固定処理を行った後、弛緩し、厚さ188μm、幅2000mmのポリエステルフィルム(A4)のマスターロールを得た。
実施例7で得たポリエステルフィルム(A4)について、120℃100%条件で湿熱処理し、その評価結果を表2に示す。
実施例7において、混合物中のポリエステル原料に関して、上記ポリエステル原料(3)をポリエステル原料(6)に変更した以外は、実施例7と同様の方法でポリエステルフィルム(B1)を得た。得られたポリエステルフィルムは85℃85%条件で湿熱処理し、その評価結果を下記表3に示す。
比較例1で得たポリエステルフィルム(B1)について、105℃100%条件で湿熱処理し、その評価結果を表3に示す。
上記ポリエステル原料(1)およびポリエステル原料(4)を96:4の比率で混合したポリエステルを原料とし、口径90mmのベント付き二軸押出機により、吐出量;500kg/hr、シリンダー温度;290℃で溶融押出し、口金から流出した非晶質のポリエステルシートを、静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定したキャスティングドラム上で急冷固化させて未延伸の単層シートを得た。次いで、ロール周速差を利用してフィルム温度85℃で縦方向に3.2倍延伸した後、テンターに導き、クリップで掴まれた縦延伸シートを横方向に120℃で3.8倍延伸し、221℃で熱固定処理を行った後、弛緩し、厚さ125μm、幅2000mmのポリエステルフィルムのマスターロールを得た。
比較例3で得たポリエステルフィルム(B2)について、105℃100%条件で湿熱処理し、その評価結果を表3に示す。
実施例5において、混合物中のポリエステル原料に関して、上記ポリエステル原料(2)、ポリエステル原料(4)、および回収ポリエステル(1)を26.0:4.0:70.0の比率で混合したポリエステルに変更した以外は、実施例5と同様の方法でポリエステルフィルム(B3)を得た。得られたポリエステルフィルムは、82℃95%条件で湿熱処理し、評価結果を表3に示す。
比較例5で得たポリエステルフィルム(B3)について、120℃100%条件で湿熱処理し、その評価結果を表3に示す。
実施例5において、混合物中のポリエステル原料に関して、上記ポリエステル原料(8)、回収ポリエステル(1)を70.0:30.0の比率で混合したポリエステルに変更した以外は、実施例5と同様の方法でポリエステルフィルム(B4)を得た。得られたポリエステルフィルムは、85℃85%条件で湿熱処理し、評価結果を表3に示す。
比較例7で得たポリエステルフィルム(B4)について、120℃100%条件で湿熱処理し、その評価結果を表3に示す。
Claims (1)
- 65〜130℃の温度(T)で、70〜100%の湿度(RH)で湿熱処理を実施したとき、下記式(1)で定義されるBが35.5以下であることを特徴とする二軸配向ポリステルフィルム。
B=0.887x−Ln(τ) …(1)
(上記式中のxは下記式(2)より算出される)
x=(15900/(273.15+T))+113/RH …(2)
(上記式中、τは、引張破断強度保持率が50%となる湿熱時間(hr)であり、Ln(τ)は、τの自然対数を示す)
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