JP2010189558A - 太陽電池裏面封止用ポリエステルフィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 リン元素の含有量が0〜170ppmであるポリエステルフィルムであり、当該フィルム中に白色顔料を0.5重量%以上含有し、下記式(1)で示されるIV_Pが0.57以上であり、末端カルボキシル基量が26当量/トン以下であることを特徴とする太陽電池裏面封止用ポリエステルフィルム。
IV_P=IV_L÷(1−X/100) …(1)
(上記式中、IV_Lはポリエステルフィルムの極限粘度、Xは白色顔料の含有量(重量%)を意味する)
【選択図】 なし
Description
IV_P=IV_L÷(1−X/100) …(1)
(上記式中、IV_Lはポリエステルフィルムの極限粘度、Xは白色顔料の含有量(重量%)を意味する)
本発明において、ポリエステルフィルムに使用するポリエステルは、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られるものを指す。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、2,6―ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4―シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。代表的なポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン―2,6―ナフタレンジカルボキシレート(PEN)等が例示される。
リン元素量が多すぎると、加水分解が促進することになるため好ましくない。
IV_P=IV_L÷(1−X/100) …(1)
(上記式中、IV_Lはポリエステルフィルムの極限粘度、Xは白色顔料の含有量(重量%)を意味する)
いわゆる滴定法によって、末端カルボキシル基量の量を測定した。すなわちポリエステルフィルムをベンジルアルコールに溶解し、フェノールレッド指示薬を加え、水酸化ナトリウムの水/メタノール/ベンジルアルコール溶液で滴定した。尚、ポリエステルフィルム中に二酸化チタンや硫酸バリウムのような白色顔料が含まれている場合は、ベンジルアルコールに対する不溶成分である白色顔料を、遠心沈降法により取り除いたものに対し適定することで、ポリエステル成分に対する末端カルボキシル基量(当量/トン)を求めた。
蛍光X線分析装置(島津製作所社製型式「XRF−1500」)を用いて、下記表1に示す条件下で、単枚測定でフィルム中の元素量を求めた。積層フィルムの場合はフィルムを溶融してディスク状に成型して測定することにより、フィルム全体に対する含有量を測定した。なお、ポリエステルフィルム中に二酸化チタンや硫酸バリウムのような白色顔料が含まれている場合、チタン元素ならびにバリウム元素由来のピークが検出されるので、全体から白色顔料分の量を除いて、ポリエステル成分の触媒由来元素の定量を行う。
ポリエステルフィルム1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量部)の溶媒に溶解させて濃度c=0.01g/cm3の溶液を調製し、30℃にて溶媒との相対粘度ηrを測定し、ポリエステルフィルムの極限粘度(IV_L)を求めた。含有されている白色顔料の重量%(X)から、以下の式からIV_Pを求める。
IV_P=IV_L÷(1−X/100)
パーソナルプレッシャークッカー装置(平山製作所社製)を用いて、ポリエステルフィルムを120℃−100%RHの雰囲気にてフィルムを35時間処理する。以下の引張破断伸度の経時変化を観測することで耐加水分解性の指標とした。
オートグラフAG-I(島津製作所社製)にて、得られたフィルムの製膜方向(MD方向)に対し、200mm/分の速度で、フィルムの機械的特性として破断伸度を測定した。処理前後での破断伸度の維持率(%)を下記の式にて算出し、下記の基準で判断した。
破断伸度維持率[%]=処理後の破断伸度÷処理前の破断伸度×100
◎:維持率が80%以上
○:維持率が60〜80%
△:維持率が30〜60%
×:維持率が30%未満
島津製作所社製UV−3100を用いて、反射法により、光線波長500nmの反射率測定を行った。得られた物性値を下記の基準で判断した。
○:反射率が87%以上
×:反射率が87%未満
JIS−K−7105に準じて日本電色工業社製積分球式濁度計「NDH−2000」により、全光線透過率を測定した。得られた物性値を下記の基準で判断した。
○:全光線透過率が14%未満
△:全光線透過率が14〜15%
×:全光線透過率が15%以上
マクベス濃度計TD−904型を用いて、フィルムを単枚で測定した。(この値が大き
いほど、高い隠蔽性を表す。)表示値が安定後、読み取りを行った。得られた物性値を下記の基準で判断した。
○:透過濃度が0.82以上
△:透過濃度が0.80〜0.82
×:透過濃度が0.80未満
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸カルシウム0.09重量部を反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。
4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物に三酸化アンチモン0.04部、エチレングリコールに分散させた平均粒子径2.6μmのシリカ粒子0.08重量部を加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には40パスカルとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.60に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリエステルを吐出させた。得られたポリエステル(1)の極限粘度は0.60、ポリマーの末端カルボキシル基量は35当量/トンであった。
ポリエステル(1)を出発原料とし、真空下220℃にて固相重合を行ってポリエステル(2)を得た。ポリエステル(2)の極限粘度は0.74、ポリマーの末端カルボキシル基量は9当量/トンであった。
ポリエステル(1)の製造において、エステル交換反応後に正リン酸0.03部を添加した後、三酸化アンチモン0.04部、エチレングリコールに分散させた平均粒子径2.6μmのシリカ粒子0.08重量部を加えた以外は同様の方法で、ポリエステル(3)を得た。得られたポリエステル(3)の極限粘度は0.63、ポリマーの末端カルボキシル基量は14当量/トンであった。
ポリエステル(3)を出発原料とし、真空下220℃にて固相重合を行ってポリエステル(4)を得た。ポリエステル(4)の極限粘度は0.69、ポリマーの末端カルボキシル基量は12当量/トンであった。
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム四水塩を0.02部加えて反応器にとり、反応開始温度を150℃ とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチルアシッドホスフェート0.03部を添加した後、重縮合槽に移し、三酸化アンチモンを0.04部加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.63に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、ポリエステルのチップ(5) を得た。この、ポリエステルの極限粘度は0.63、ポリマーの末端カルボキシル基量は51当量/トンであった。
ポリエステル(5)を出発原料とし、真空下220℃にて固相重合を行って、ポリエステル(6)を得た。ポリエステル(6)の極限粘度は0.85、ポリマーの末端カルボキシル基量は45当量/トンであった。
上記ポリエステル(2)60重量部と平均粒径0.45μmの二酸化チタン粒子40重量部を、常法に従い押出機中290℃で溶融混合しマスターバッチ(T-MB1)を得た。
上記ポリエステル(5)60重量部と平均粒径0.45μmの二酸化チタン粒子40重量部を、常法に従い押出機中290℃で溶融混合しマスターバッチ(T-MB2)を得た。
上記ポリエステル(2)およびポリエステル(3)を80:20の比率で混合したポリエステルを原料とし、さらに上記二酸化チタンマスターバッチ(T-MB1)を60重量部添加した混合物を、ベント付き二軸押出機により、290℃で溶融押出し、静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定したキャスティングドラム上で急冷固化させて未延伸シートを得た。得られたシートを縦方向に83℃で3.7倍延伸した後、テンターに導き、110℃で横方向に3.9倍延伸し、さらに220℃で熱処理を行った。得られたフィルムの平均厚さは50μmであった。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表2に示す。
実施例1において、混合物中のポリエステル原料に関して、上記ポリエステル(2)に変更した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表2に示す。
実施例1において、混合物中のポリエステル原料に関して、上記ポリエステル(2)およびポリエステル(4)を40:60の比率で混合したポリエステルに変更した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表2に示す。
実施例1において、混合物中のポリエステル原料に関して、上記ポリエステル(1)およびポリエステル(3)を40:60の比率で混合したポリエステルに変更し、かつ混合物中の二酸化チタンマスターバッチ(T−MB1)を二酸化チタンマスターバッチ(T−MB2)に変更した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表2に示す。
実施例1において、混合物中のポリエステル原料に関して、上記ポリエステル(6)に変更した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表2に示す。
実施例1において、混合物中のポリエステル原料に関して、上記ポリエステル(3)に変更した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表2に示す。
実施例1において、混合物中のポリエステル原料に関して、上記ポリエステル(2)に変更し、かつ混合物中の二酸化チタンマスターバッチ(T−MB1)の量を1重量部と変更した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表2に示す。
Claims (1)
- リン元素の含有量が0〜170ppmであるポリエステルフィルムであり、当該フィルム中に白色顔料を0.5重量%以上含有し、下記式(1)で示されるIV_Pが0.57以上であり、末端カルボキシル基量が26当量/トン以下であることを特徴とする太陽電池裏面封止用ポリエステルフィルム。
IV_P=IV_L÷(1−X/100) …(1)
(上記式中、IV_Lはポリエステルフィルムの極限粘度、Xは白色顔料の含有量(重量%)を意味する)
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