JP2012052105A - 電子ペーパー用ポリエステルフィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 少なくとも一つの最外層が、リン元素の含有量が170ppm以下であり、末端カルボキシル基量が26当量/トン以下であるポリエステルからなる積層ポリエステルフィルムであり、波長380nmの光線透過率が5.0%以下であり、波長400nmの光線透過率が80%以上であることを特徴とする電子ペーパー用ポリエステルフィルム。
【選択図】 なし
Description
さらにこの際、熱処理の最高温度ゾーンおよび/または熱処理出口のクーリングゾーンにおいて、縦方向および/または横方向に0.1〜20%弛緩する方法が好ましい。また、必要に応じて再縦延伸、再横延伸を付加することも可能である。
いわゆる滴定法によって、末端カルボキシル基量の量を測定した。すなわちポリエステルフィルムの最外層をベンジルアルコールに溶解し、フェノールレッド指示薬を加え、水酸化ナトリウムの水/メタノール/ベンジルアルコール溶液で滴定した。なお、ポリエステルフィルム中に二酸化チタンや硫酸バリウムのような白色顔料が含まれている場合は、ベンジルアルコールに対する不溶成分である白色顔料を、遠心沈降法により取り除いたものに対し適定することで、ポリエステル成分に対する末端カルボキシル基量(当量/トン)を求めた。
蛍光X線分析装置(島津製作所社製型式「XRF−1500」)を用いて、下記表1に示す条件下で、フィルム最外層を削りだし溶融してディスク状に成型して元素量を求めた。
温度120℃、相対湿度100%の雰囲気にてフィルムを35時間放置し、フィルムの表面にニチバン(株)製18mm幅のセロテープ(登録商標)を気泡が入らないように7cmの長さに貼り、この上を3kgの手動式荷重ロールで一定の荷重を与える。フィルムを固定し、テープの一端を500gの錘に接続し、錘が45cmの距離を自然落下後に、180°方向の剥離試験が開始する方法で評価する。耐加水分解性は次の5段階の基準で評価した。
評価5:セロハンテープ面にポリエステルが全く剥離しない
評価4:10%未満しかポリエステルがセロハンテープ面に剥離しない
実用的には、評価4以上であれば問題なく使用できる。
評価3:10〜50%の部分のポリエステルがセロハンテープ側に剥離する
評価2:50%以上の部分のポリエステルがセロハンテープ側に剥離する
評価1:完全にポリエステルがセロハンテープ側に剥離する
測定試料1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量部)の溶媒に溶解させて濃度c=0.01g/cm3の溶液を調製し、30℃にて溶媒との相対粘度ηrを測定し、極限粘度[η]を求めた。
(A)耐候性試験
JIS−B−7753(2007)規格をベースに以下条件にて耐候性試験を行った。
装置:サンシャインウェザーメータ(型式:WEL−SUN−HCH−B メーカ:スガ試験機株式会社)
放電電圧・電流:50V、60A
フィルター:ガラスフィルターAタイプ
ブラックパネル温度:63℃
処理時間:1000時間
スプレーサイクル(120分):102分間の照射、続いて18分間の照射および噴霧
耐候性試験前後のフィルム最外層の極限粘度測定を行い、極限粘度維持率にて耐候性の評価を行った。
極限粘度維持率(%)=耐候性試験後の極限粘度÷耐候性試験前の極限粘度×100
○:極限粘度維持率が70%以上
×:極限粘度維持率が70%未満
<ポリエステル(1)の製造法>
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸カルシウム0.09重量部を反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。
4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物に三酸化アンチモン0.03重量部を加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には40パスカルとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.60に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリエステルを吐出させた。得られたポリエステル(1)の極限粘度は0.60、ポリマーの末端カルボキシル基量は43当量/トンであった。
ポリエステル(1)を出発原料とし、真空下220℃にて固相重合を行ってポリエステル(2)を得た。ポリエステル(2)の極限粘度は0.68、ポリマーの末端カルボキシル基量は30当量/トンであった。
ポリエステル(1)の製造において、三酸化アンチモン0.038重量部を加えた以外は同様の方法でポリエステルを得た。このポリエステルを出発原料とし、真空下220℃にて固相重合を行ってポリエステル(3)を得た。ポリエステル(3)の極限粘度は0.72、ポリマーの末端カルボキシル基量は28当量/トンであった。
ポリエステル(1)の製造において、三酸化アンチモン0.037重量部を加えた以外は同様の方法で得た。このポリエステルを出発原料とし、真空下220℃にて固相重合を行ってポリエステル(4)を得た。ポリエステル(4)の極限粘度は0.75、ポリマーの末端カルボキシル基量は14当量/トンであった。
ポリエステル(1)の製造において、エステル交換反応後にリン元素としての含有量が0.03重量ppmとなるように正リン酸を添加した後、三酸化アンチモン0.035重量部、エチレングリコールに分散させた平均粒子径2.6μmのシリカ粒子0.08重量部を加えた以外は同様の方法で、ポリエステル(5)を得た。得られたポリエステル(5)の極限粘度は0.58、ポリマーの末端カルボキシル基量は40当量/トンであった。
ポリエステル(1)の製造において、エステル交換反応後にリン元素としての含有量が0.03重量ppmとなるように正リン酸を添加した後、三酸化アンチモン0.025重量部、エチレングリコールに分散させた平均粒子径2.6μmのシリカ粒子0.08重量部を加え、極限粘度を0.60に相当する時点で反応を停止した以外は同様の方法でポリエステルを得た。このポリエステルを出発原料とし、真空下220℃にて固相重合を行ってポリエステル(6)を得た。ポリエステル(6)の極限粘度は0.74、ポリマーの末端カルボキシル基量は14当量/トンであった。
ポリエステル(6)の製造において、出発原料のリン元素としての含有量が0.02重量ppmとなるように正リン酸を添加した後、三酸化アンチモン0.026重量部を加えた以外は同様の方法で固相重合まで行いポリエステル(7)を得た。ポリエステル(7)の極限粘度は0.84、ポリマーの末端カルボキシル基量は9当量/トンであった。
ポリエステル(7)の製造において、出発原料のリン元素としての含有量が0.004重量ppmとなるように正リン酸を添加した後、三酸化アンチモン0.027重量部を加えた以外は同様の方法で固相重合まで行いポリエステル(8)を得た。ポリエステル(8)の極限粘度は0.85、ポリマーの末端カルボキシル基量は9当量/トンであった。
ポリエステル(1)の製造において、エステル交換反応後にリン元素としての含有量が0.033重量ppmとなるように正リン酸を添加した後、三酸化アンチモン0.029重量部を加えた以外は同様の方法で、ポリエステル(9)を得た。得られたポリエステル(9)の極限粘度は0.54、ポリマーの末端カルボキシル基量は87当量/トンであった。
上記ポリエステル(4)をベント付き二軸押出機に供して、紫外線吸収剤として2,2−(1,4−フェニレン)ビス[4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン](CYTEC社製CYASORBUV−3638 分子量369 ベンゾオキサジン系)が5重量%となるように供給してチップ化を行い、紫外線吸収剤マスターバッチ(MB1)を得た。
実施例1〜6のポリエステルフィルムの製造方法は、上記ポリエステル(1)〜(9)、および紫外線吸収剤マスターバッチ(MB)を下記表1に示す配合比でA層、B層の混合原料とし、2台の二軸押出機に各々を供給し、各々285℃で溶融した後、2種3層(A層/B層/A層)の構成で各層の比率がA層/B層/A層=10/105/10(%)として、20℃に冷却したキャスティングドラム上に共押出し、冷却固化させて無配向シートを得た。次いで、100℃にて縦方向に3.1倍延伸した。この後、テンター内で予熱工程を経て120℃で4.3倍の横延伸を施した後、225℃で熱処理を行い、その後180℃で幅方向に10%の弛緩を加え、125μm厚さのポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムの結果をまとめて下記表2に示すが、表2中の末端カルボン酸量と触媒量は、一方の最外層を構成するポリエステル成分中の値を示す。
比較例1〜6のポリエステルフィルムの製造方法は、上記ポリエステル(1)〜(9)、および紫外線吸収剤マスターバッチ(MB)を下記表2に示す配合比でA層、B層の混合原料とし、2台の二軸押出機に各々を供給し、各々285℃で溶融した後、2種3層(A層/B層/A層)の構成で各層の比率がA層/B層/A層=10/105/10(%)として、20℃に冷却したキャスティングドラム上に共押出し、冷却固化させて無配向シートを得た。次いで、100℃にて縦方向に3.1倍延伸した。この後、テンター内で予熱工程を経て120℃で4.3倍の横延伸を施した後、225℃で熱処理を行い、その後180℃で幅方向に10%の弛緩を加え、125μm厚さのポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムの結果をまとめて下記表4に示すが、表4中の末端カルボン酸量と触媒量は、一方の最外層を構成するポリエステル成分中の値を示す。
Claims (1)
- 少なくとも一つの最外層が、リン元素の含有量が170ppm以下であり、末端カルボキシル基量が26当量/トン以下であるポリエステルからなる積層ポリエステルフィルムであり、波長380nmの光線透過率が5.0%以下であり、波長400nmの光線透過率が80%以上であることを特徴とする電子ペーパー用ポリエステルフィルム。
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