JP2007070462A - フィルム用ポリエステル樹脂及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【解決手段】
芳香族ジカルボン酸を主成分とするジカルボン酸成分と脂肪族ジオールを主成分とするジオール成分とから、周期表4族化合物を主たる重縮合触媒として溶融重縮合及び固相重縮合を行って製造されるポリエステル樹脂であって、溶融重縮合後のプレポリマーの末端カルボキシル基量が10〜30eq/tであり、かつ固相重縮合後のポリエステル樹脂が以下の(1)〜(4)を満足するフィルム用ポリエステル樹脂。
(1)固有粘度:0.70dl/g以下
(2)環状三量体の含有量:5000ppm以下
(3)色座標b値:3.0以下
(4)体積固有抵抗値:20×107Ω・cm以下
【効果】
異物となる触媒残渣や環状三量体の含有量が少なく、色調に優れ、体積固有抵抗値が十分に低く、かつフィルム成形に適した固有粘度を持つため、フィルム成形に用いた場合、その成形性が優れ、かつ好ましい物性を有するポリエステルフィルムが得られる。

Description

本発明は、フィルム用ポリエステル樹脂及びその製造方法に関する。特に光学用途に用いられるフィルムを生産性よく高速成形するのに適したフィルム用ポリエステル樹脂及びその製造方法に関するものである。
従来、ポリエステル樹脂、例えばポリエチレンテレフタレート樹脂は、機械的強度、化学的安定性、ガスバリア性、保香性、衛生性等に優れ、又、比較的安価であるために、フィルムや繊維、ボトル等として広く用いられている。特にフィルム用途においては、近年、高速成型化に伴い、例えば、フィルム溶融押出時の平面性の悪化や、フィルムの破断による生産性の低下が問題となっている。このような問題の解決のため、フィルム用としては体積固有抵抗値が低く、密着性のよいポリエステル樹脂が要求されている。
さらに、最近ではディスプレイ等の光学用途にポリエステルフィルムが用いられており、ポリエステルフィルム中の異物量を減らすことが急務となっている。これまで、アンチモンを重縮合触媒とするポリエステル樹脂で、上記のような問題解決のために種々の検討があるが、アンチモンそのものが異物となりフィルム表面の性状を粗らすという問題がある。また、触媒による異物以外にポリエステルフィルム成形時におけるオリゴマーの副生により、結果的にフィルムの表面に異物として析出するという問題も発生してきている。
特許文献1では、アンチモン等の異物の問題解消のためにアンチモンの代わりにチタンを重縮合触媒とし、さらに体積固有抵抗値を改善するためにカルシウムとマグネシウムを得られるポリエステル樹脂に対して合計65ppm以上添加する方法が開示されている。
ところが我々の検討で、この方法では重縮合速度が遅いことに問題があることが判明した。また、本文献には、オリゴマーがフィルムの表面に析出して異物となることを改良することについてなんら言及されていない。更に、得られるポリエステル樹脂は溶融重縮合によるもので、該溶融重縮合物の末端カルボキシル基量やそれを固相重縮合することについて開示するものはない。
一方、特許文献2によれば、ポリエステル樹脂として環境安全性に優れるチタン化合物を重縮合触媒とし、かつ、水中加熱処理により触媒が失活する性質を有し、そのため溶融熱安定性が良好となるとともに、成形後の環状三量体の増加を防止した、成形時の金型汚れが少ないポリエステル樹脂が開示されている。
本文献ではチタン化合物を重縮合触媒として使用し、かつ、得られるポリエステル樹脂に含有されるオリゴマー量及び溶融時の副生オリゴマー量を低減させたポリエステル樹脂が開示されているが、われわれの検討の結果、この方法では溶融重縮合性について改善の余地があり、更に、本文献に開示されているポリエステル樹脂では体積固有抵抗値、オリゴマー含有量及び適切な溶融粘度の全てを満足することはできず、さらに改善が望まれるものであった。
また、固相重縮合によって環状三量体やアセトアルデヒドの含有量を低減できるとの一般的開示はあるが、具体的な実施例によれば全て溶融重縮合によるポリエステルプレポリマーであって、固相重縮合後のフィルム異物について開示するものはない。
また、特許文献3では、エステル化工程の特定の段階でエチレングリコールを追加添加することにより、ジエチレングリコール等のエーテル系化合物の副生を抑制しつつ、末端カルボキシル基を低減させることができ、もって、熱安定性に優れると共に、色調に優れ、オリゴマーや環状三量体等の副生成物を低減させたポリエステル樹脂の製造方法が開示されている。
しかしながら、われわれの検討の結果、本文献に開示されている手法を用いた場合、得られるポリエステル樹脂に含有される環状三量体は好ましい範囲に抑えることができても、固有粘度が高すぎる、体積固有抵抗値が高すぎる、あるいは溶融重縮合性に問題があり、さらにはポリエステル樹脂の熱安定性が悪いなど、さらに改善が望まれるものであった。
さらに、特許文献4では、ポリエステル(プレポリマー)の固相重縮合速度を高め、生産性を上げる手法として、チタン系触媒を用いて得られる溶融重縮合ポリエステル(プレポリマー)の末端カルボキシル基が50eq/t(トン)以下のものを固相重縮合する手法が開示されている。
しかしながら、われわれの検討の結果によれば、本文献に開示されている手法を用いた場合、固相重縮合後に得られるポリエステル樹脂に含有される環状三量体は好ましい範囲に抑えることができても、得られるポリエステル樹脂の固有粘度が高すぎるためフィルム用のポリエステル樹脂としては問題があるなど、さらに改善が望まれるものであった。
特開平7−292087号公報 特開2001−114887号公報 特開2002−47340号公報 特開2004−307597号公報
本発明は、前述の従来技術に鑑みてなされたもので、異物となる触媒残渣や環状三量体の含有量が少なく、色調に優れ、体積固有抵抗値が十分に低く、かつフィルム成形に適した固有粘度を有することを特徴とするフィルム用ポリエステル樹脂を提供することにある。
本発明者等は前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、周期表4族化合物を主たる重縮合触媒として製造されたポリエステル樹脂であって、溶融重縮合後に得られる末端カルボキシル基量が10〜30eq/tの範囲にあるポリエステルプレポリマーを固相重縮合して得られたポリエステル樹脂であり、該ポリエステル樹脂の物性が特定の範囲にあるものを用いるとフィルム成形性が良好で、かつ得られるフィルムの異物が少なく物性が非常に優れていることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明の要旨とするところは、芳香族ジカルボン酸を主成分とするジカルボン酸成分と脂肪族ジオールを主成分とするジオール成分とから、周期表4族化合物を主たる重縮合触媒として溶融重縮合及び固相重縮合を行って製造されるポリエステル樹脂であって、溶融重縮合後のプレポリマーの末端カルボキシル基量が10〜30eq/tであり、かつ固相重縮合後のポリエステル樹脂が以下の(1)〜(4)を満足することを特徴とするフィルム用ポリエステル樹脂に存する。
(1)固有粘度:0.70dl/g以下
(2)環状三量体の含有量:5000ppm以下
(3)色座標b値:3.0以下
(4)体積固有抵抗値:20×107Ω・cm以下
また、本発明の他の要旨は、芳香族ジカルボン酸を主成分とするジカルボン酸成分と脂肪族ジオールを主成分とするジオール成分とをエステル化反応させてエステル化率が60%を超えた時点以降で、該エステル化反応生成物に脂肪族ジオールを添加し、引続いて該混合物を250〜300℃に加熱して重縮合反応を行うことにより、固有粘度が0.40dl/g以上、末端カルボキシル基量が10〜30eq/tのプレポリマーとし、該プレポリマーを固相重縮合条件下に処理して以下の(1)〜(4)を満足するポリエステル樹脂を取得することを特徴とするフィルム用ポリエステル樹脂の製造方法に存する。
(1)固有粘度:0.70dl/g以下
(2)環状三量体の含有量:5000ppm以下
(3)色座標b値:3.0以下
(4)体積固有抵抗値:20×107Ω・cm以下
また、本発明の他の要旨は、芳香族ジカルボン酸を主成分とするジカルボン酸成分と脂肪族ジオールを主成分とするジオール成分を、リン化合物の存在下、エステル化反応させてエステル化率が60%を超えた時点以降で、該エステル化反応生成物に周期表4族化合物及び二価の金属化合物を添加し、引続いて該混合物を250〜300℃に加熱して重縮合反応を行うことにより、固有粘度が0.40dl/g以上、末端カルボキシル基量が10〜30eq/tのプレポリマーとし、該プレポリマーを固相重縮合条件下に処理して以下の(1)〜(4)を満足するポリエステル樹脂を取得することを特徴とするフィルム用ポリエステル樹脂の製造方法。
(1)固有粘度:0.70dl/g以下
(2)環状三量体の含有量:5000ppm以下
(3)色座標b値:3.0以下
(4)体積固有抵抗値:20×107Ω・cm以下
本発明のポリエステル樹脂は異物となる触媒残渣や環状三量体の含有量が少なく、色調に優れ、体積固有抵抗値が十分に低く、かつフィルム成形に適した固有粘度を有するので、フィルム成形に用いた場合、その成形性が優れ、かつ好ましいフィルム物性を有するフィルムを得ることができる。
次に本発明を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の代表例であり、これらの内容に限定はされるものではない。
本発明のポリエステル樹脂の製造方法は、基本的には従来公知の製造方法、即ち、原料スラリーの調製、エステル化および溶融重縮合、更に引続く固相重縮合により実施される。その特徴とするところは、溶融重縮合に際して使用する触媒と助剤の組合わせによる特定プレポリマーの製造、及び後続する固相重縮合にある。
原料として使用されるジカルボン酸成分の主成分である芳香族ジカルボン酸としては、具体的には、テレフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、ジブロモイソフタル酸、スルホイソフタル酸、1,4−フェニレンジオキシジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルケトンジカルボン酸、4,4’−ジフェノキシエタンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸が挙げられる。ここで「主成分」であるとは、原料として使用されるジカルボン酸成分に対して95モル%以上であることをいう。
芳香族ジカルボン酸と共に用いられる他のジカルボン酸としては、例えば、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸等の脂環式ジカルボン酸、及び、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカジカルボン酸、ドデカジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸が挙げられる。
これらのジカルボン酸は通常、遊離酸の形態で用いられるが、これらの各アルキル基の炭素数1〜4程度のアルキルエステル、及びハロゲン化物、アルカリ金属塩等の誘導体としても用いることができる。
もう一方の原料として使用されるジオール成分中の主成分である脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、オクタメチレングリコール、デカメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等の脂肪族ジオールが挙げられる。ここで「主成分」であるとは、原料として使用されるジオール成分に対して95モル%以上であることをいう。
脂肪族ジオールと共に用いられる他のジオールとしては、例えば、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,1−シクロヘキサンジメチロール、1,4−シクロヘキサンジメチロール、2,5−ノルボルナンジメチロール等の脂環式ジオール、及び、キシリレングリコール、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4’−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホン酸等の芳香族ジオールが挙げられる。このうち、芳香族ジオール成分は、更にアルキレンオキシドを付加させて使用することもできる。例えば、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパンにエチレンオキシド又はプロピレンオキシドを付加させた、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパンのエチレンオキシド付加物又はプロピレンオキシド付加物、等が挙げられる。
更に、前記ジオール成分及びジカルボン酸成分以外の共重合成分として、例えば、グリコール酸、p−ヒドロキシ安息香酸、p−β−ヒドロキシエトキシ安息香酸等のヒドロキシカルボン酸やアルコキシカルボン酸、及び、ステアリルアルコール、ヘネイコサノール、オクタコサノール、ベンジルアルコール、ステアリン酸、ベヘン酸、安息香酸、t−ブチル安息香酸、ベンゾイル安息香酸等の単官能成分、トリカルバリル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、ナフタレンテトラカルボン酸、没食子酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、シュガーエステル等の三官能以上の多官能成分、等の一種又は二種以上を少量用いることができる。
本発明の方法は、テレフタル酸又は2,6−ナフタレンジカルボン酸を主成分とするジカルボン酸成分と、エチレングリコールを主成分とするジオール成分から製造されるポリエステル樹脂の製造に好ましく適用され、さらに好ましくはテレフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分から製造するポリエステル樹脂に本発明の効果は好適に発揮される。
本発明のポリエステル樹脂の製造法として、テレフタル酸がジカルボン酸成分の95モル%以上、好ましくは98.5モル%以上、更に好ましくは100モル%を占める態様が挙げられる。又、エチレングリコールが、ジオール成分の95モル%以上、好ましくは97モル%以上、更に好ましくは98モル%以上を占める態様が挙げられる。テレフタル酸及びエチレングリコールの占める割合が前記範囲未満では、ポリエステル樹脂としての機械的強度、耐熱性等が劣る傾向となる。
本発明において、上記のジカルボン酸成分とジオール成分は、先ずエステル化工程に供される。エステル化工程は基本的には既知の方法により実施される。その代表的な例を述べると、まず、ジカルボン酸成分とジオール成分をスラリー調製槽に供給し、両者のスラリーを調製する。ジカルボン酸成分とジオール成分の供給量は、通常、後者の成分を過剰に用い、余剰のジオール成分はエステル化反応の進行と共に系外に留去するのが好ましい。前者成分に対する後者成分のモル比は、通常、1.0〜2.0とし、1.05〜1.5とするのが好ましく、1.1〜1.3とするのが更に好ましい。同モル比が前記範囲未満の場合は重縮合反応速度が低下する傾向となり、一方、前記範囲を超える場合は、ジエチレングリコールの生成量が増加し、固相重縮合後に得られるポリエステル樹脂の熱安定性や機械的強度が低下する場合がある。
スラリー調製槽には必要に応じて触媒、助剤、溶媒などを添加することができる。アンチモン化合物などをエステル化触媒として使用することができるが、これらは異物となる場合があり、エステル化反応は無触媒でも進行するので、無触媒で行うのが好ましい。
助剤としては、各種の目的に応じてリン化合物、金属化合物、充填剤、不活性粒子などを用いることができる。特にリン化合物と金属化合物は重要である。本発明ではリン化合物は必須成分ではないが、得られるポリエステル樹脂の熱安定性向上のため、また環状三量体の含有量、固有粘度、色座標b値及び体積固有抵抗値を好ましい範囲にコントロールするため使用することが好ましい。
リン化合物を使用する場合は、これを重縮合反応の開始までの任意の時期に添加することができる。このリン化合物はジカルボン酸成分とジオール成分のスラリー調製時に添加してもよく、エステル化反応槽に添加してもよく、重縮合反応槽に添加してもよく、あるいはこれらの移送配管に添加してもかまわないが、反応の最初の段階、即ち、スラリー調製時に添加することが、重縮合触媒の活性を低下させず、好ましい。
リン化合物としては、具体的には、正リン酸、ポリリン酸、及び、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリ−n−ブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリス(トリエチレングリコール)ホスフェート、メチルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェート、イソプロピルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、モノブチルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、トリエチレングリコールアシッドホスフェート等のリン酸エステル等の5価のリン化合物、並びに、亜リン酸、次亜リン酸、及び、トリメチルホスファイト、ジエチルホスファイト、トリエチルホスファイト、トリスドデシルホスファイト、トリスノニルデシルホスファイト、エチルジエチルホスホノアセテート、トリフェニルホスファイト等の亜リン酸エステル、リチウム、ナトリウム、カリウム等の金属塩等の3価のリン化合物等が挙げられ、中でも、5価のリン化合物のリン酸エステルが好ましく、トリメチルホスフェート、エチルアシッドホスフェートが特に好ましい。
金属化合物としては、周期表4族化合物、二価金属化合物などが挙げられる。周期表4族化合物は、本発明において重縮合触媒として作用するものであり、本発明の必須成分である。二価金属化合物も重縮合触媒としての作用を有するが、最終的に得られるポリエステル樹脂の体積固有抵抗値を制御する作用を併せもっている。
これら金属化合物の添加時期は限定されない。上記のリン化合物と同様にスラリー調製時に添加してもよく、エステル化反応の前半途中(エステル化率0〜50%)で添加してもよく、またエステル化反応の後半(エステル化率50〜100%)に添加してもよい。更には後記するように、エステル化反応の終了後、重縮合反応器において添加することもできる。しかしながら、金属化合物の好ましい添加時期は、エステル化反応の後半,特にエステル化率60%以上、好ましくは80%以上の段階乃至重縮合反応器での添加である。スラリー調製槽やエステル化率の低い段階で金属化合物を添加すると、反応系内の末端カルボキシル基と反応して、触媒や助剤としての機能が損なわれたり、体積固有抵抗を低下させるという効果も発揮し難くなるからである。
かかる周期表4族化合物としては、チタン、ジルコニウム、ハフニウムの化合物が挙げられ、具体的には、これら元素の酸化物、水酸化物、アルコキシド、酢酸塩、炭酸塩、蓚酸塩、及びハロゲン化物等が挙げられる。これら周期表4族化合物の中では、チタン化合物が好ましく、具体的には、例えば、テトラ−n−プロピルチタネート、テトラ−i−プロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネートテトラマー、テトラ−t−ブチルチタネート、テトラシクロヘキシルチタネート、テトラフェニルチタネート、テトラベンジルチタネート等のチタンアルコキシド、チタンアルコキシドの加水分解により得られるチタン酸化物、チタンアルコキシドと珪素アルコキシド若しくはジルコニウムアルコキシドとの混合物の加水分解により得られるチタン−珪素若しくはチタン−ジルコニウム複合酸化物、酢酸チタン、蓚酸チタン、蓚酸チタンカリウム、蓚酸チタンナトリウム、チタン酸カリウム、チタン酸ナトリウム、チタン酸−水酸化アルミニウム混合物、塩化チタン、塩化チタン−塩化アルミニウム混合物、臭化チタン、フッ化チタン、六フッ化チタン酸カリウム、六フッ化チタン酸コバルト、六フッ化チタン酸マンガン、六フッ化チタン酸アンモニウム、チタンアセチルアセトナート等が挙げられ、中でも、テトラ−n−プロピルチタネート、テトラ−i−プロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート等のチタンアルコキシド、蓚酸チタン、蓚酸チタンカリウムが好ましく、テトラ−n−ブチルチタネートが特に好ましい。これらは1種又は2種以上混合して使用することができる。
これら周期表4族化合物の添加量は、得られるポリエステル樹脂に対して、通常0.01〜2モル/トン(t)、好ましくは0.05〜1モル/t、さらに好ましくは0.05〜0.4モル/tである。上記未満では重縮合活性が不充分な場合があり、一方多過ぎると得られるポリエステル樹脂が着色する傾向にあり好ましくない。
二価の金属化合物としては、マンガン、マグネシウムおよびカルシウムの化合物が好ましく、これらの金属の酸化物、水酸化物、アルコキシド、酢酸塩、炭酸塩、蓚酸塩、及びハロゲン化物等、具体的には、例えば、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、マグネシウムアルコキシド、酢酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、酢酸カルシウム、炭酸カルシウム、酸化マンガン、水酸化マンガン、酢酸マンガン等が挙げられる。中でも、マグネシウム化合物、マンガン化合物が好ましく、マグネシウム化合物が特に好ましく、中でも、酢酸マグネシウムが好ましい。これらは1種又は2種以上混合して使用することができる。
これら二価の金属化合物の添加量は、得られるポリエステル樹脂に対して、通常0.4〜1.2モル/t、好ましくは0.4〜1.0モル/t、特に好ましくは0.5〜1.0モル/tである。下限値未満では体積固有抵抗を所定値まで低下させる効果が充分ではなく、一方上限値を超える場合は、固相重縮合において環状三量体の含有量を充分に低下させることができず、フィルムの異物欠陥となったり、熱安定性に不利を招く。
エステル化反応は、例えば、テレフタル酸とエチレングリコールを原料とする場合には、通常240〜280℃で大気圧に対する相対圧力0〜4×105Paの常圧乃至加圧下で攪拌しながら実施することができる。ここで得られたポリエステル樹脂のオリゴマーは、続く重縮合工程へ供される。
本発明のポリエステル樹脂を得るためには、溶融重縮合後のプレポリマーの末端カルボキシル基量を10〜30eq/tとする必要があるが、前記範囲内とするための方法として、エステル化工程の後段でエチレングリコールなどの脂肪族ジオール成分を添加する手法があげられる。この方法は簡便に末端カルボキシル基量を制御でき、かつ重縮合反応に対する影響も少ないので好ましい。
エステル化工程で添加される脂肪族ジオールの量は生成するプレポリマーに対して50〜1200モル/tが好ましい。この上限を超えて多量の脂肪族ジオールを添加すると重縮合反応の留出系への負荷が高くなるので好ましくない。脂肪族ジオールの添加量はより好ましくは100〜1000モル/tである。この追加添加する脂肪族ジオールとしては、エチレングリコールが最も好ましい。
脂肪族ジオールを添加する時期は、エステル化工程の後段であって、エステル化率(オリゴマー反応率)が50%、好ましくは60%、更に好ましくは80%、特に好ましくは90%を超えた時点以降で添加することが好ましい。エステル化率が50%未満のオリゴマーに添加しても末端カルボキシル基量を制御する効果が低くなるからである。
上記で得られたエステル化反応生成物は、次に溶融重縮合工程に移行する。以下、該工程を説明するが、溶融重縮合に当たっては、主たる重縮合触媒として周期表4族化合物を用いる。ここで「主たる重縮合触媒」とは、周期表4族化合物のみを使用して、それ以外の重縮合触媒を全く含まないか、含んだとしても僅かであることを言う。周期表4族化合物以外の化合物の許容される含有量は、化合物の種類によって相違する。例えば、繊維用など一般的にポリエステル樹脂の重縮合触媒として用いられることが多いアンチモン化合物は、得られるポリエステル樹脂に対してアンチモン原子として0.5モル/t以下、好ましくは0.3モル/t以下、特に好ましくは実質的に含まれず、また、ボトル用ポリエステル樹脂の重縮合触媒として用いられることが多いゲルマニウム化合物は、得られるポリエステル樹脂に対してゲルマニウム原子として0.15モル/t以下、好ましくは0.10モル/t以下、特に好ましくは実質的に含まれない。
アンチモン化合物の添加量が上記範囲を超えると、添加された該化合物が還元されアンチモン金属として得られるポリエステル樹脂中に析出し、結果的に当該ポリエステル樹脂を用いて得られるフィルム中に異物として欠陥を生じさせる原因となり、またアンチモン化合物を添加することで固相重縮合性が高くなるため、目標の固有粘度にあわせることが困難になる。
また、一方ゲルマニウム化合物を用いる場合は、該化合物が高価であるのでコストの面で不利となるばかりか、固相重縮合性が高すぎて目標の固有粘度に合わせることが困難となったり、時に色相が悪化したり、さらには溶融熱安定性が悪くなる。
本発明のポリエステル樹脂の製造に当たって、主たる重縮合触媒として周期表4族化合物が用いられる。かかる化合物は、エステル化反応で述べたものと同様であり、スラリー調製槽又はエステル化反応工程において、該化合物を所定量添加した場合は、該化合物が重縮合触媒として作用するのでそのまま重縮合反応を行うことができる。一方、重縮合反応よりも前の工程で、該化合物を添加していない場合又は添加量が不足する場合は、重縮合工程で所定量になるように調整する必要がある。
エステル化反応工程で説明した通り、周期表4族化合物の好ましい添加時期は、エステル化反応の後半,特にエステル化率60%以上、好ましくは80%以上、特に好ましくは90%以上の段階乃至重縮合反応器での添加である。
重縮合工程は、通常250〜300℃、圧力は常圧から漸次減圧され、最終的には通常絶対圧力1333〜13.3Pa(約10〜0.1Torr)で実施される。溶融重縮合で得られるプレポリマーの末端カルボキシル基量は重縮合温度と密接な関係にある。末端カルボキシル基量を調節するためには、前述したように、エステル化反応を制御する方法(反応後段でエチレングリコール等のジオールを添加)が簡便であるが、重縮合温度を制御する方法もある。重縮合温度を上げると末端カルボキシル基量は増加し、逆に重縮合温度を下げると末端カルボキシル基量は減少する。しかし温度を下げると重縮合反応速度も低下するのでこれらのバランスが重要である。末端カルボキシル基量及び次に述べる固有粘度を勘案しながら重縮合温度は好ましくは260〜290℃の範囲から選択される。
上記のような制御法によって、プレポリマー中の末端カルボキシル基量は、10〜30eq/t、好ましくは15〜30eq/t、さらに好ましくは15〜25eq/tの範囲に調整する。
末端カルボキシル基量が上記未満では、プレポリマーの固相重縮合速度が遅くなり、得られるポリエステル樹脂の固有粘度を目標値まで上げることが困難である。逆に、固相重縮合の時間を延長して固有粘度の上昇を図ろうとすると、ポリエステル樹脂の色調が著しく悪くなるため、結果的にそのポリエステル樹脂を用いて得られるフィルムの物性が劣ることになる。
また、末端カルボキシル基量がこの範囲より多い場合は、環状三量体の開環速度が遅くなるために所定の環状三量体含有量に低減することができず、結果的に得られるフィルムの表面に多数の環状三量体が存在する欠陥となる。
溶融重縮合工程で得られるプレポリマーの固有粘度の下限は0.40dl/g、好ましくは0.45dl/g、さらに好ましくは0.48dl/g、上限は0.60dl/gであることが好ましい。固有粘度が0.40dl/g未満では溶融重縮合後に粒状化するチップ化工程が非常に不安定となり、チップ化できない可能性がある。固有粘度が0.60dl/gを超えると固相重縮合後に得られるポリエステル樹脂の固有粘度を目標とする0.70dl/g以下にすることが困難となる。固有粘度を上記のような好ましい範囲に制御すると、固相重縮合工程で得られるポリエステル樹脂の環状三量体含有量の制御も容易となる。
溶融重縮合工程の生成物(プレポリマー)は、溶融状態でダイからストランド状に押出し、冷却固化させたのちカッターで切断して粒状体(チップ)として固相重縮合工程に供給される。
なお、粒状体(チップ)は固相重縮合に供する前に、固相重縮合を行う温度よりも低い温度で予備結晶化を行ってもよい。例えば、粒状体を乾燥状態で120〜200℃、好ましくは130〜190℃で1分間〜4時間程度加熱したり、粒状体を水蒸気を含む雰囲気中で120〜200℃に1分間以上加熱してから、固相重縮合に供するようにしてもよい。また、固相重縮合を経た粒状体を、その中に含まれている重縮合触媒を失活させるため、60℃以上の水蒸気を含む雰囲気中に30分間以上保持する水蒸気処理や、40℃以上の水に10分間以上浸漬する水処理を施してもよい。
固相重縮合は連続式又は回分式で実施することができるが、操作性の面から連続法が好ましく用いられる。例えば、連続式の固相重縮合法として窒素、二酸化炭素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下、大気圧に対する相対圧力として、通常100kPa(1kg/cm2 G)以下、好ましくは20kPa(0.2kg/cm2 G)以下の加圧下で、通常5〜30時間程度、温度の下限は通常190℃、好ましくは195℃、上限は230℃、好ましくは225℃で加熱することにより固相重縮合させる方法がある。
この固相重縮合方法では経済性を考えて不活性ガスの圧力は低い方が好ましいが、低すぎるとでき上がったポリエステル樹脂中の環状三量体の含有量が5000ppmを超える可能性があるので、通常は15kPa(0.15kg/cm2 G)程度の圧力で固相重縮合が実施される。
固相重縮合の反応時間は反応温度にも依るが、一般的に1〜50時間の範囲から選択される。ただし、得られるポリエステル樹脂の色調を悪化させないために固相重縮合の反応時間は25時間以内が好ましく、さらに20時間以内が好ましい。一方、環状三量体の含有量を減らす観点から固相重縮合時間は10時間以上が好ましい。この手法ではより均質のポリエステル樹脂を安定して得ることができる。
また、別の方法として回分式の固相重縮合法も用いられる。絶対圧力として、下限が通常0.013kPa(0.1Torr)、好ましくは0.065kPa(0.5Torr)、上限が通常は6.5kPa(50Torr)となる減圧下で通常1〜25時間程度、好ましくは1〜20時間程度温度の下限は通常190℃、好ましくは195℃、上限は230℃、好ましくは225℃で加熱することにより、目的のポリエステル樹脂を得ることができる。
本発明において環状三量体の含有量は5000ppm以下であることが必須であるが、この範囲を超えると得られるフィルムの表面に多数の環状三量体が存在することとなり、結果的に光学用途においては光を乱反射するあるいは光が透過しないため欠陥となる。従って、好ましくは4000ppm以下、更に好ましくは3000ppm以下に制御される。
色調として、JIS Z8730の参考1に記載されるLab表色系におけるハンターの色差式の色座標b値は3.0以下であることが必要であるが、この範囲を超えるとフィルムの黄色い着色が目立つ結果となり、特に光学用のフィルムに用いる場合にその黄色味がフィルムの性能を落とすこととなる。従って、色座標b値は好ましくは2.5以下に制御される。2価金属の種類、その添加量、脂肪族ジオールの添加などを適宜選択することにより、色座標b値を制御することができる。
体積固有抵抗値が20×107Ω・cmより高い場合は、フィルム成形の際に押出機のダイから押し出されるシートの冷却用ドラムへの静電密着性が劣るため生産性が著しく悪くなる。したがって、20×107Ω・cm以下であることが必須である。より生産性を上げるためには体積固有抵抗値が15×107Ω・cm以下であることが好ましく、12×107Ω・cm以下であることがより好ましく、10×107Ω・cm以下であることがさらに好ましい。
本発明のポリエステル樹脂は体積固有抵抗値をコントロールするため2価の金属化合物を使用して製造されることが好ましい。ここにいう二価の金属化合物は、エステル化工程で記述したものと同様である。
エステル化反応工程で説明した通り、2価の金属化合物の好ましい添加時期は、エステル化反応の後半,特にエステル化率60%以上、好ましくは80%以上の段階乃至重縮合反応器での添加である。
二価の金属化合物とリン化合物を共に添加する場合は、それぞれの添加量が以下の(5)〜(7)式を満足することが好ましい。
(5) 0.4≦ P/M ≦0.7
(6) 0.4≦ M ≦ 1.2
(7) P/T ≦ 4.5
[式中、Pはポリエステル樹脂に対するリン原子の含有量(モル/t)、Mは二価の金属原子の含有量(モル/t)、Tは周期表4族の金属原子の含有量(モル/t)を表す。]
P/Mが0.4未満では体積固有抵抗値は十分に下がるものの、固相重縮合での環状三量体の開環速度が十分でなく、また固有粘度の上昇速度も十分ではない。P/Mが0.7を超えると体積固有抵抗値が20×107Ω・cmを超える可能性があり、また固有粘度の上昇速度が大きすぎるため、環状三量体の含有量と固有粘度のバランスが悪くなり、目標とする環状三量体量にあわせると固有粘度が0.7dl/gを超えてしまう。
Mの量が0.4モル/t未満では同じく体積固有抵抗値を20×107Ω・cm以下とすることは困難であり、また2.0モル/tを越えると、固相重縮合後に得られるポリエステル樹脂に含まれる環状三量体の量が十分に低くならず、フィルムに成形したときに異物としてフィルム上の欠陥となるだけでなく、ポリエステル樹脂の熱安定性が非常に悪くなるためフィルム用のポリエステル樹脂としては不適となる。P/Tが4.5を超えると4族化合物の活性を抑えてしまうため、溶融重合性が著しく劣ることになる。
本発明の製造方法においてはフィルム用ポリエステル樹脂として好適なポリエステル樹脂を得るために、任意の時期に平均粒子径0.05〜5.0μmの不活性粒子を得られるポリエステル樹脂に対して0.05〜5.0重量%となるように添加することができるが、一般的にフィルムの品質を安定化させるため不活性粒子は別途既知の手法にてマスターバッチを製造し、フィルムの成形時に本ポリエステル樹脂と混合して成形することが好ましい。
本発明の製造方法によって得られるポリエステル樹脂は、フィルム、特に、二軸延伸フィルムとして好適であり、その成形法としては、ポリエステル樹脂をフィルム若しくはシート状に溶融押出しし、冷却ドラムにより急冷して未延伸フィルム若しくはシートとなし、次いで、該未延伸フィルム若しくはシートを予熱後、縦方向に延伸し、引き続いて横方向に延伸する逐次二軸延伸法、或いは、縦横方向に同時に二軸延伸する同時二軸延伸法等、従来公知の方法が採られる。その際の延伸倍率は、縦方向及び横方向共、通常2〜6倍の範囲とされ、又、必要に応じて、二軸延伸後、熱固定及び/又は熱弛緩される。尚、二軸延伸フィルムとしての厚みは、通常1〜300μm程度とされる。
本発明の製造方法によって得られるポリエステル樹脂は、例えば、押出成形によってシートに成形した後、該シートを二軸延伸してフィルム等とし、特に光学用途として有用なものとなる。成形に際しては、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤、防曇剤、核剤、可塑剤、着色剤等の、ポリエステル樹脂に通常用いられる添加剤が使用できる。
前記二軸延伸フィルム等のフィルムにおいては、表面のブロッキング防止のために無機質又は有機質粒子からなる滑剤が添加されるのが好ましく、その無機質粒子としては、例えば、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ、シリカ、タルク、チタニア、カオリン、マイカ、ゼオライト等、及びそれらのシランカップリング剤、又はチタネートカップリング剤等による表面処理物が、又、有機質粒子としては、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、架橋樹脂等が、それぞれ挙げられる。又、これら滑剤の粒子径は、平均粒子径が0.05〜5.0μmの範囲にあるのが好ましい。又、それら滑剤の添加量は、下限は通常0.001重量%、好ましくは0.05重量%、上限は通常2.0重量%、好ましくは1.0重量%、更に好ましくは0.5重量%である。
こうして得られたポリエステル樹脂を用いることにより、異物発生が少なく、フィルム平面性、連続製膜性に優れ、且つ、特に光学フィルム用として好ましい色調を有するポリエステルフィルムを得ることができる。
ここで、光学用途フィルムとしては、例えば、透明タッチパネル用、液晶表示装置やブラウン管、LCD、PDP等のいわゆるフラットディスプレイ用などとして、プリズムシート用、拡散版用、保護フィルム用の基材フィルムや、偏光板などの保護用、保護離型用といった工程紙フィルムが挙げられる。
以上の通り、本発明のポリエステル樹脂の製造方法を、エステル化工程、溶融重縮合工程及び固相重縮合工程の順序で説明したが、以下、連続製造法の一例を図面を用いて説明する。
図1は、スラリー調製槽、エステル化反応槽(直列2個)、溶融重縮合反応槽(直列3個)及び固相重縮合反応装置とから構成されるポリエステル樹脂の連続製造装置を示す。
スラリー調製槽1の上部配管1aからテレフタル酸、1bからエチレングリコール、1cからリン化合物がそれぞれ、スラリー調製槽1に導入される。スラリー調製槽1で調製されたスラリーは、第1段エステル化反応槽2に導入され、所定の条件下、所定時間エステル化反応が行われる。所定のエステル化率まで進んだエステル化反応生成物は、次いで第2段エステル化反応槽3に導入され、引き続きエステル化反応が行われる。第2段エステル化反応槽3には別途上部配管4を通してエチレングリコールを供給する。これは溶融重縮合後に得られるポリエステルプレポリマーの末端カルボキシル基を所定値に制御する作用を果たす。
エステル化反応生成物は移送配管7の1、7の2を経由して第1段溶融重縮合反応槽9に導入される。エステル化反応生成物中に存在する異物は第1段溶融重縮合反応槽9の直前に設けられたフィルター8により除去される。第1段溶融重縮合反応槽9において、所定の条件下、所定時間重縮合反応が行われる。引き続き、横型プラグフロー形式の第2段溶融重縮合反応槽10及び第3段溶融重縮合反応槽11に導入され、溶融重縮合反応が行われる。また、導管5から2価金属化合物が、導管6から4族金属化合物が導入される。この間、溶融重縮合反応槽9,10,11からはエチレングリコールが各反応槽外に留去される(図示せず)。第3段溶融重縮合反応槽11からポリエステルプレポリマーが取り出され、後続する予備結晶化装置12及び固相重縮合装置13を経て、最終的に本発明のポリエステル樹脂が取得される。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例によって限定されるものではない。試料(エステル化反応生成物、ポリエステルプレポリマー又はポリエステル樹脂)は、以下の測定方法によって測定、評価を行った。
<エステル化率>
試料1.0gをビーカーに精秤しジメチルホルムアミド40mlを加えて撹拌し、180℃に加熱して完全に溶解させた。室温まで放冷した後、自動滴定装置(三菱化学社製、GT100)を用いて、0.1Nのメタノール性水酸化カリウム溶液で滴定を行った。その結果をもとに、以下の式(1)に従って酸末端量を求めた。更に、得られた酸末端量を用いて、以下の式(2)に従ってエステル化率を計算した。
酸末端量(eq/g)=0.1×A×f×1000/W ・・・(1)
A:中和に要した0.1Nのメタノール性水酸化カリウム溶液量(ml)
f:0.1Nメタノール性水酸化カリウム溶液の力価
W:試料の重量(g)
エステル化率(%)=(1000−酸末端量)/100 ・・・(2)
<金属原子含有量>
試料2.5gを、硫酸存在下に過酸化水素で常法により灰化、完全分解後、蒸留水にて50mlに定容したものについて、プラズマ発光分光分析装置(JOBIN YVON社製ICP−AES「JY46P型」)を用いて定量し、試料中のモル/tに換算した。尚、試料中に滑剤が含有されている場合には、予め試料を溶媒に溶解し、未溶解の滑剤を遠心分離した後、上澄み液の溶媒を蒸発、乾固させたものについて定量した。
<体積固有抵抗値>
試料15gを、内径20mm、長さ180mmの枝付き試験管に入れ、管内を十分に窒素置換した後、250℃のオイルバス中に浸漬し、管内を真空ポンプで1Torr以下として20分間真空乾燥し、次いで、オイルバス温度を285℃に昇温して試料を溶融させた後、窒素復圧と減圧を繰り返して混在する気泡を取り除いた。この溶融体の中に、面積1cm2のステンレス製電極2枚を5mmの間隔で並行に(相対しない裏面を絶縁体で被覆)挿入し、温度が安定した後に、抵抗計(ヒューレット・パッカード社製「MODEL HP4339B」)で直流電圧100Vを印加し、そのときの抵抗値を計算して体積固有抵抗値(Ω・cm)とした。
<色調 色座標b値>
試料を、内径36mm、深さ15mmの円柱状の粉体測色用セルに充填し、測色色差計(日本電色工業社製「ND−300A」)を用いて、JIS Z8730の参考1に記載されるLab表色系におけるハンターの色差式の色座標b値を、反射法により測定セルを90度ずつ回転させて4箇所測定した値の単純平均値として求めた。
<末端カルボキシル基>
試料を粉砕した後、熱風乾燥機にて140℃で15分間乾燥させ、デシケーター内で室温まで冷却した試料から、0.1gを精秤して試験管に採取し、ベンジルアルコール3mlを加えて、乾燥窒素ガスを吹き込みながら195℃、3分間で溶解させ、次いで、クロロホルム5mlを徐々に加えて室温まで冷却した。この溶液にフェノールレッド指示薬を1〜2滴加え、乾燥窒素ガスを吹き込みながら攪拌下に、0.1Nの水酸化ナトリウムのベンジルアルコール溶液で滴定し、黄色から赤色に変じた時点で終了とした。又、ブランクとして試料を使用せずに同様の操作を実施し、以下の式(3)によって末端カルボキシル基(酸価)を算出した。
末端カルボキシル基(eq/t)=(A−B)×0.1×f/W ・・・(3)
A:滴定に要した0.1Nの水酸化ナトリウムのベンジルアルコール溶液の量(μl)
B:ブランクでの滴定に要した0.1Nの水酸化ナトリウムのベンジルアルコール溶液の量(μl)
W:試料の量(g)
f:0.1Nの水酸化ナトリウムのベンジルアルコール溶液の力価
尚、0.1Nの水酸化ナトリウムのベンジルアルコール溶液の力価(f)は、乾燥窒素ガスを吹き込みながら、試験管にメタノール5mlを採取し、フェノールレッドのエタノール溶液を指示薬として1〜2滴加え、0.1Nの水酸化ナトリウムのベンジルアルコール溶液0.4mlで変色点まで滴定し、次いで、力価既知の0.1Nの塩酸水溶液を標準液として0.2ml採取して加え、再度、0.1Nの水酸化ナトリウムのベンジルアルコール溶液で変色点まで滴定し、以下の式(4)によって力価(f)を算出した。
力価(f)=0.1Nの塩酸水溶液の力価×0.1Nの塩酸水溶液の採取量(μl)/0.1Nの水酸化ナトリウムのベンジルアルコール溶液の滴定量(μl) ・・・(4)
<固有粘度>
凍結粉砕した試料0.50gを、フェノール/テトラクロロエタン(重量比1/1)の混合溶媒に、濃度(c)を1.0g/dlとして、110℃で20分間で溶解させた後、ウベローデ型毛細粘度管を用いて、30℃で、原液との相対粘度(ηrel )を測定し、この「相対粘度(ηrel )−1」から求めた比粘度(ηsp)と濃度(c)との比(ηsp/c)を求め、同じく濃度(c)を0.5g/dl、0.2g/dl、0.1g/dlとしたときについてもそれぞれの比(ηsp/c)を求め、これらの値より、濃度(c)を0に外挿したときの比(ηsp/c)を固有粘度(dl/g)として求めた。
<環状三量体>
試料10gを、イナートオーブン(ESPEC社製「IPHH−201型」)中で、50NL/分の窒素ガス気流下160℃で2時間乾燥させた後、4.0mgを精秤し、クロロホルム/ヘキサフルオロイソプロパノール(容量比3/2)の混合溶媒2mlに溶解させた後、更にクロロホルム20mlを加えて希釈し、これにメタノール10mlを加えて析出させ、引き続いて濾過して得た濾液を蒸発乾固後、ジメチルホルムアミド25mlに溶解し、その溶液中の環状三量体(シクロトリエチレンテレフタレート)を、液体クロマトグラフィー(島津製作所製「LC−10A」)で定量した。
<溶融熱安定性>
試料20gを枝管付きの試験管に入れ、5Torr以下の減圧下、160℃のオイルバスに浸漬させて5時間乾燥させた後、窒素ガスで復圧させ窒素ガスでシールしたままオイルバスから引き上げた。オイルバスの温度を290℃にセットして、乾燥させた試料を溶融させた。所定の時間、オイルバスに浸漬したのち試料を取り出し、急冷してアモルファスの状態とし、その試料をニッパーなどで適切な大きさに切りそろえた後、固有粘度および色座標b値の測定を、先に示した方法により実施した。1時間30分間溶融させた後の試料の固有粘度および色座標b値と元々の試料の固有粘度および色座標b値とを比較し、以下の通り判定した。
固有粘度の低下率:(元々の試料の固有粘度−溶融後の試料の固有粘度)/元々の試料の固有粘度
色座標b値の変化:溶融後の試料の色座標b値―元々の試料の色座標b値
判定:◎(非常に優れている)
固有粘度の低下率:30%以下、かつ、色座標b値の変化:12以下
判定:○(優れている)
固有粘度の低下率:40%以下、、かつ、色座標b値の変化:18未満のものの内、判定◎及び判定△のものを除く。
判定:△(使用可能)
固有粘度の低下率:32.5%を超え、40%以下、かつ、色座標b値の変化:15を超え18未満
判定:×(使用不可)
固有粘度の低下率:40%超える、あるいは、色座標b値の変化:18以上
上記の判定基準を表に示すと、下記表1の通りとなる。
Figure 2007070462
<フィルム中の異物量>
試料10kgを、熱風乾燥機中、180℃、2時間で結晶化及び乾燥させて水分量を100ppm以下とした後、40mm径の一軸押出機中に金属繊維焼結フィルター(95%カット濾過精度25μm)を内蔵し、80mm径の4条スパイラル環状ダイを備えたチューブラーフィルム成形機により、樹脂温度285℃、押出速度8kg/時間で溶融押出し、60mm径の冷却リングで冷却してチューブラー成形することにより、厚み210μm、折り幅10±0.5cmのチューブラーフィルムを得た。そのチューブラーフィルムをT.M.Long社の二軸延伸機を用いて温度95℃でX軸方向に3.5倍、Y軸方向に4.0倍同時延伸した。そのフィルムを1枚とし金枠にタワミ無く張り付け、偏光顕微鏡(ニコン社製「OPTIPHOT」、接眼レンズ CFWX10、対物レンズはPLAN−1を使用)で、試料下部から偏光板を通過させた透過光を当ててフィルム中に観察される異物(フィッシュアイ)の数をカウントした。観察面積は8cm2とし、その面積の中でカウントされる異物の数により、以下の通り判定した。
◎(非常に良好) :40個以下
○(良好) :41個以上80個以下
△(使用可能) :81個以上160個以下
▲(使用可能だが光学用としては使用困難):161個以上240個以下
×(使用不可) :241個以上
<実施例1>
図1に示す1個の攪拌槽からなるスラリー調製槽、直列に接続した2個の攪拌槽からなるエステル化反応槽、及び1個の攪拌槽とこれに続く2個の横型プラグフロー形式の反応槽とからなる合計3個の溶融重縮合反応槽及び固相重縮合反応装置とから構成されているポリエステル樹脂の連続重縮合装置を用いた。
スラリー調製槽1に、生成するポリエステル樹脂に対してリン原子として0.48モル/tのエチルアシッドホスフェートのエチレングリコール溶液(濃度0.3重量%)と、テレフタル酸及びエチレングリコールを、テレフタル酸:エチレングリコール=865:485(重量比)となるように供給してスラリーを調製した。このスラリーをエステル化反応槽に連続的に供給した。エステル化の反応条件は、第1段エステル化反応槽2は窒素雰囲気下で270℃、相対圧力10kPa(0.1kg/cm2 G)、平均滞留時間2.5時間であり、第2段エステル化反応槽3は同じく窒素雰囲気下で265℃、相対圧力0kPa(0.0kg/cm2 G)、平均滞留時間1.0時間であった。第2段エステル化反応槽3に設けた上部配管4を通じて、エチレングリコールを生成するプレポリマーに対して113モル/tになる量供給した。この場合、第2段エステル化反応槽3におけるエステル化率は95%であった。
エステル化反応生成物は、移送配管7の1を経て、第1段重縮合反応槽9に連続的に供給した。このとき移送配管7に設けた移送ポンプ(図示せず)の吐出圧は600kpaであり、第1段重縮合反応槽9の入り口手前に設けた制御弁(図示せず)の圧力は150kpaであった。導管5より、エステル化反応生成物に、生成するポリエステル樹脂に対して酢酸マグネシウム4水和物のエチレングリコール溶液(濃度0.6重量%)を、マグネシウム原子として0.82モル/tを、さらに、導管6より、生成するポリエステル樹脂に対してチタン原子として0.11モル/tのテトラブチルチタネートのエチレングリコール溶液(濃度0.2重量%)を、それぞれ連続的に添加した。
溶融重縮合の反応条件は、第1段重縮合反応槽9が266℃、絶対圧力3.25kPa(25Torr)、平均滞留時間0.85時間であり、第2段重縮合反応槽10は270℃、絶対圧力0.31kPa(2.5Torr)、平均滞留時間0.90時間、第3段重縮合反応槽11は272℃、絶対圧力0.26kPa(1.7Torr)、平均滞留時間0.66時間であった。
第3段重縮合反応槽11から取り出した溶融重縮合反応生成物は、ダイからストランド状に押出して冷却固化し、カッターで切断して1個の重さが平均粒重24mgのプレポリマーチップとした。このチップの固有粘度は0.54dl/g、色座標b値は1.0、末端カルボキシル基量は23.0eq/tであった。
このプレポリマーチップを、窒素雰囲気で且つ約160℃に維持されている予備結晶化装置12に連続的に供給し、攪拌下に約60分間保持したのち、予熱器を経て、塔型の固相重縮合装置13に連続的に供給し、窒素雰囲気下、210℃、15時間、固相重縮合反応させた。
得られた固相重縮合チップを評価したところ、固有粘度は0.68dl/g、色座標b値は2.0、環状三量体の含有量は4500ppm、体積固有抵抗値は8.0×107Ω・cmであった。また、溶融熱安定性を確認したところ、固有粘度の低下率が28.2%、色座標b値の変化が13.4であり、判定は○であった。さらにフィルム中の異物量を検定したところ、32個/8cm2であり、判定は◎であった。
製造条件及び評価結果を表2にまとめた。
<実施例2>
添加する触媒等の成分量を表2の通りに変え、第2段エステル化反応槽へのエチレングリコールの添加量を160モル/tに変え、固相重縮合の条件を表2に示すように変更した以外は実施例1と同様にしてポリエステル樹脂を得た。得られたポリエステル樹脂の物性を表2に示す。
この場合、第2段エステル化反応槽におけるエステル化率は96%であった。
<実施例3>
添加する触媒等の成分量を表2の通りに変え、固相重縮合の条件を表2に示すように変更した以外は実施例2と同様にしてポリエステル樹脂を得た。得られたポリエステル樹脂の物性を表2に示す。
<実施例4>
添加する触媒等の成分量を表2の通りに変え、固相重縮合の条件を表2に示すように変更した以外は実施例1と同様にしてポリエステル樹脂を得た。得られたポリエステル樹脂の物性を表2に示す。
<実施例5>
添加する触媒等の成分量を表2の通りに変え、固相重縮合の条件を表2に示すように変更した以外は実施例1と同様にしてポリエステル樹脂を得た。得られたポリエステル樹脂の物性を表2に示す。
<実施例6>
添加する触媒等の成分量を表2の通りに変え、固相重縮合の条件を表2に示すように変更した以外は実施例1と同様にしてポリエステル樹脂を得た。得られたポリエステル樹脂の物性を表2に示す。尚、実施例3〜6において、第2段エステル化反応槽におけるエステル化率はいずれも95〜96%の範囲であった。
<実施例7>
添加する触媒等の成分量を表2の通りに変え、第2段エステル化反応槽へのエチレングリコールの添加量を145モル/tに変えて溶融重縮合反応を実施しプレポリマーを得た。得られたプレポリマーを回分式の固相重縮合装置に入れて固相重縮合反応を以下の条件で実施した。即ち、圧力1.3kPa(10Torr)、温度210℃で15時間の固相重縮合を行った。得られたポリエステル樹脂の物性を表2に示す。この場合、第2段エステル化反応槽におけるエステル化率は96%であった。
<比較例1>
酢酸マグネシウム4水和物を添加せずに、他の成分量を表3に示すように変え、固相重縮合の条件を表3に示すように変更した以外は実施例1と同様にしてポリエステル樹脂を得た。得られたポリエステル樹脂の物性を表3に示す。
この例で得られたポリエステル樹脂は体積固有抵抗値が非常に高く、また固有粘度が高く、さらに色調が悪いためフィルム成形には適さないものであった。
<比較例2>
エチルアシッドホスフェートを添加せず、他の成分量を表3に示すように変え、固相重縮合の条件を表3に示すように変更した以外は実施例1と同様にしてポリエステル樹脂を得た。得られたポリエステル樹脂の物性を表3に示す。
この例で得られたポリエステル樹脂は体積固有抵抗値が高く、また色調が悪く、さらに環状三量体の含有量も高いためフィルム成形には全く適さないものであった。
<比較例3>
添加する触媒等の成分量を表3に示すように変更した以外は実施例1と同様にして溶融重縮合を実施した。この例で得られたプレポリマーの固有粘度は非常に低く、カッティングするのが困難であった。
次いで固相重縮合の条件を表3に示すように変更した以外は実施例1と同様にしてポリエステル樹脂を得た。得られたポリエステル樹脂の物性を表3に示す。
この例で得られたポリエステル樹脂は環状三量体の含有量が多いためフィルム成形には適さないものであった。
<比較例4>
添加する触媒等の成分量を表3に示すように変更した以外は実施例1と同様にして溶融重縮合反応を実施した。得られたプレポリマーの物性を表3に示す。
この例では溶融重縮合後のプレポリマーの固有粘度が極めて低くカッティングすることができなかったため、固相重縮合を実施しなかった。
<比較例5>
添加する触媒等の成分量を表3に示すように変更し、固相重縮合の条件を表3に示すように変更した以外は実施例2と同様にしてポリエステル樹脂を得た。得られたポリエステル樹脂の物性を表3に示す。
この例で得られたポリエステル樹脂は体積固有抵抗値が高く、フィルム成形が困難であり、また色調が悪いため、フィルム成形はできても外観に問題が生じるものであった。
<比較例6>
実施例1において、Ti化合物の代わりに三酸化アンチモンのエチレングリコール溶液(濃度1.9重量%)を用い、添加する触媒等の成分量及び固相重縮合の条件を表3に示すように変更した以外は実施例1と同様にしてポリエステル樹脂を得た。得られたポリエステル樹脂の物性を表3に示す。
この例で得られたポリエステル樹脂は固有粘度が高く、色調が悪く、環状三量体の含有量が高く、さらにこのポリエステル樹脂から得られたフィルム中に多数の異物が観察されたことから、フィルム用の原料としては不適であった。
<比較例7>
表3に示すように重縮合触媒としてTi化合物、Sb化合物を併用した。即ち、テトラブチルチタネートのエチレングリコール溶液(濃度0.2重量%)と、三酸化アンチモンのエチレングリコール溶液(濃度1.9重量%)との混合溶液を、図1の導管6から供給した。以下、固相重縮合の条件を表3に示すように変更した以外は、実施例1と同様にしてポリエステル樹脂を得た。得られたポリエステル樹脂の物性を表3に示す。
この例で得られたポリエステル樹脂は固相重縮合後の固有粘度が高く、また色調も悪く、異物も多いことからフィルムには適さないものであった。
<比較例8>
添加する触媒等の成分量を表3に示すように変更し、第2段エステル化工程において、図1に示す第2段エステル化反応槽3に設けた上部配管4を通じて、エチレングリコールを得られるプレポリマーに対して31モル/tになる量供給した。以下、固相重縮合の条件を表3に示すように変更した以外は、実施例1と同様にしてポリエステル樹脂を得た。得られたポリエステル樹脂の物性を表3に示す。
この例では得られた溶融重縮合後のプレポリマーの末端カルボキシル基量が38eq/tと高いために、結果的に得られるポリエステル樹脂に含有される環状三量体の量が多く、フィルム成形には適さないものであった。
<比較例9>
添加する触媒等の成分量を表3に示すように変更し、第2段エステル化工程において、第2段エステル化反応槽3に設けた上部配管4を通じて、エチレングリコールを得られるプレポリマーに対して1450モル/tになる量供給した。以下、固相重縮合の条件を表3のように変更した以外は、実施例1と同様にしてポリエステル樹脂を得た。得られたポリエステル樹脂の物性を表3に示す。
この例では、第2段エステル化反応槽に大過剰のエチレングリコールが添加されており、溶融重縮合後に得られるプレポリマーの末端カルボキシル基量が9.4eq/tと低いものであった。結果的に得られるポリエステル樹脂の色調が悪く、フィルム成形には適さないものであった。
<比較例10>
スラリー調製槽1に、生成するポリエステル樹脂に対してリン原子として0.81モル/tのエチルアシッドホスフェートのエチレングリコール溶液(濃度0.3重量%)と、テレフタル酸及びエチレングリコールを、テレフタル酸:エチレングリコール=865:485(重量比)となるように供給してスラリーを調製した。このスラリーをエステル化反応槽に連続的に供給した。エステル化反応槽の反応条件は、第1段エステル化反応槽2は窒素雰囲気下で270℃、相対圧力10kPa(0.1kg/cm2 G)、平均滞留時間2.5時間であり、第2段エステル化反応槽3は同じく窒素雰囲気下で265℃、相対圧力0kPa(0.0kg/cm2 G)、平均滞留時間1.0時間であった。
第2段エステル化工程において、第2段エステル化反応槽3に設けた上部配管4を通じて、エチレングリコールを得られるプレポリマーに対して113モル/tになる量供給した。また、上部配管4を通じて、酢酸マグネシウム4水和物のエチレングリコール溶液(濃度 0.6重量%)および酢酸カルシウム1水和物のエチレングリコール溶液(濃度 0.5重量%)を、生成するポリエステル樹脂に対してマグネシウム原子として2.06モル/t、カルシウム原子として1.25モル/tそれぞれ連続的に供給した。尚、第2段エステル化反応槽におけるエステル化率は95%であった。
エステル化反応生成物は、導管7の1、7の2を経て溶融重縮合反応槽に連続的に供給した。導管7の途中で、エステル化反応生成物に、生成するポリエステル樹脂に対してチタン原子として0.08モル/tのテトラブチルチタネートのエチレングリコール溶液(濃度0.2重量%)を導管5を経て連続的に添加した。
溶融重縮合の反応条件を実施例1と同様にし、固相重縮合の反応条件を表3に示すように変更した以外は実施例1と同様にしてポリエステル樹脂を得た。
得られたポリエステル樹脂の物性を表3に示す。
尚、この例では固相重縮合後に得られたポリエステル樹脂の色調が悪いため、溶融熱安定性試験は実施しなかった。この例では得られるポリエステル樹脂の体積固有抵抗値は非常に低いものの、ポリエステル樹脂の色調が極めて悪く、また環状三量体の含有量が多すぎるため、さらには溶融熱安定性が悪いためフィルム成形には適さないものであった。
<比較例11>
添加する触媒等の成分量を表3に示すように変更した以外は、実施例1と同様にしてポリエステル樹脂を得た。
この例では溶融重縮合で得られるプレポリマーの固有粘度が低く、カッティングが困難であった。また固相重縮合後に得られるポリエステル樹脂の固有粘度が低くさらに含有される環状三量体の量も多いためフィルム成形には適さないものであった。この例は、マグネシウムの使用量が多いため、チタン触媒の活性を阻害した結果と考えられる。
<比較例12>
添加する触媒等の成分量を表3に示すように変更したほかは、実施例1と同様にエステル化反応を実施した。エステル化反応生成物は、導管7を経て溶融重縮合反応槽に連続的に供給した。導管7の途中で、エステル化反応生成物に、生成するポリエステル樹脂に対してマグネシウム原子として2.92モル/tの酢酸マグネシウム4水和物のエチレングリコール溶液(濃度 0.6重量%)を図1に示す導管5から供給し、さらに生成するポリエステル樹脂に対してチタン原子として0.15モル/tのテトラブチルチタネートのエチレングリコール溶液(濃度0.2重量%)およびゲルマニウム原子として0.28モル/tの二酸化ゲルマニウムのエチレングリコール溶液(濃度0.5重量%)を導管6から混合して連続的に供給した。
溶融重縮合の反応条件は実施例1と同様にし、固相重縮合の反応条件は表3に示すように変更した以外は実施例1と同様にしてポリエステル樹脂を得た。得られたポリエステル樹脂の物性を表3に示す。
この例では固相重縮合後に得られるポリエステル樹脂の固有粘度が高く、環状三量体の含有量も多く、色調が悪く、さらにポリエステル樹脂の溶融熱安定性が悪いためフィルム成形には適さないものであった。
Figure 2007070462
Figure 2007070462
Figure 2007070462
1個の攪拌槽からなるスラリー調製槽、直列に接続した2個の攪拌槽からなるエステル化反応槽、及び1個の攪拌槽とこれに続く2個の横型プラグフロー形式の反応槽とからなる合計3個の溶融重縮合反応槽、及び固相重縮合反応装置とから構成されているポリエステル樹脂の連続製造装置を示す。
符号の説明
1:スラリー調製槽
1a、1b、1c:上部配管
2:第1段エステル化反応槽
3:第2段エステル化反応槽
4:上部配管
5、6:導管
7の1、7の2:移送配管
8:フィルター
9:第1段溶融重縮合反応槽
10:第2段溶融重縮合反応槽
11:第3段溶融重縮合反応槽
12:予備結晶化装置
13:固相重縮合装置

Claims (8)

  1. 芳香族ジカルボン酸を主成分とするジカルボン酸成分と脂肪族ジオールを主成分とするジオール成分とから、周期表4族化合物を主たる重縮合触媒として溶融重縮合及び固相重縮合を行って製造されるポリエステル樹脂であって、溶融重縮合後のプレポリマーの末端カルボキシル基量が10〜30eq/tであり、かつ固相重縮合後のポリエステル樹脂が以下の(1)〜(4)を満足することを特徴とするフィルム用ポリエステル樹脂。
    (1)固有粘度:0.70dl/g以下
    (2)環状三量体の含有量:5000ppm以下
    (3)色座標b値:3.0以下
    (4)体積固有抵抗値:20×107Ω・cm以下
  2. 二価の金属化合物を使用して製造されることを特徴とする請求項1に記載のフィルム用ポリエステル樹脂。
  3. リン化合物を使用して製造されることを特徴とする請求項1または2に記載のフィルム用ポリエステル樹脂。
  4. 得られるポリエステル樹脂に対するリン原子の含有量(モル/t)をP,二価の金属原子の含有量(モル/t)をM、周期表4族の金属原子の含有量(モル/t)をTとしたとき、以下の(5)〜(7)式を満足することを特徴とする請求項3に記載のフィルム用ポリエステル樹脂。
    (5) 0.4≦ P/M ≦0.7
    (6) 0.4≦ M ≦ 1.2
    (7) P/T ≦ 4.5
  5. 周期表4族化合物がチタン化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のフィルム用ポリエステル樹脂。
  6. 二価の金属化合物がマグネシウム化合物であることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載のフィルム用ポリエステル樹脂。
  7. 芳香族ジカルボン酸を主成分とするジカルボン酸成分と脂肪族ジオールを主成分とするジオール成分とをエステル化反応させてエステル化率が60%を超えた時点以降で、該エステル化反応生成物に脂肪族ジオールを添加し、引続いて該混合物を250〜300℃に加熱して重縮合反応を行うことにより、固有粘度が0.40dl/g以上、末端カルボキシル基量が10〜30eq/tのプレポリマーとし、該プレポリマーを固相重縮合条件下に処理して以下の(1)〜(4)を満足するポリエステル樹脂を取得することを特徴とするフィルム用ポリエステル樹脂の製造方法。
    (1)固有粘度:0.70dl/g以下
    (2)環状三量体の含有量:5000ppm以下
    (3)色座標b値:3.0以下
    (4)体積固有抵抗値:20×107Ω・cm以下
  8. 芳香族ジカルボン酸を主成分とするジカルボン酸成分と脂肪族ジオールを主成分とするジオール成分とを、リン化合物の存在下、エステル化反応させてエステル化率が60%を超えた時点以降で、該エステル化反応生成物に周期表4族化合物及び二価の金属化合物を添加し、引続いて該混合物を250〜300℃に加熱して重縮合反応を行うことにより、固有粘度が0.40dl/g以上、末端カルボキシル基量が10〜30eq/tのプレポリマーとし、該プレポリマーを固相重縮合条件下に処理して以下の(1)〜(4)を満足するポリエステル樹脂を取得することを特徴とするフィルム用ポリエステル樹脂の製造方法。
    (1)固有粘度:0.70dl/g以下
    (2)環状三量体の含有量:5000ppm以下
    (3)色座標b値:3.0以下
    (4)体積固有抵抗値:20×107Ω・cm以下
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