JP5484116B2 - 太陽電池裏面封止用二軸配向ポリエステルフィルム - Google Patents

太陽電池裏面封止用二軸配向ポリエステルフィルム Download PDF

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Description

本発明は、耐加水分解性を有し、屋外長期暴露時のフィルム硬化に伴う脆性破壊することのない、ヘーズの低い太陽電池裏面封止用二軸配向ポリエステルフィルムに関するものである。
光電変換効果を利用して光エネルギを電気エネルギに変換する太陽光発電は、クリーンエネルギを得る手段として広く行われている。そして、太陽電池セルの光電変換効率の向上に伴って、多くの個人住宅にも太陽光発電システムが設けられるようになってきている。このような太陽光発電システムを実際のエネルギ源として用いるために、複数の太陽電池セルを電気的に直列に接続させた構成をなす太陽電池モジュールが使用されている。
太陽電池モジュールは高温高湿度環境で長期間使用されるので、太陽電池裏面封止用フィルムにも長期耐久性が求められる。例えば、特許文献1に、太陽電池裏面封止用フィルムとしてフッ素系フィルムを用いた技術が開示されている。この文献にはフッ素系フィルムに予め熱処理を施すことで、フッ素系フィルムの熱収縮率を予め低減させることが可能となり、封止材であるエチレンビニルアセテート(以下、EVA略記する)との真空ラミネート加工時の、耐候性や耐水性を始めとする物性の低下防止や、歩留まりの向上にも効果のあると記載されている。しかし、フッ素系フィルムは高価であるので、太陽電池モジュールも高価なものになってしまうという問題がある。
太陽電池裏面封止用フィルムとして、ポリエステル系フィルムを用いることが知られているが、ポリエステル系フィルムを高温高湿度環境で使用すると、分子鎖中のエステル結合部位の加水分解が起こり、機械的特性が劣化する。よって、ポリエステル系フィルムを屋外で長期(20年)にわたって使用する場合、あるいは高湿度環境で使用する場合を想定して、加水分解を抑制すべく様々な検討が行われている。
ポリエステルの加水分解は、ポリエステル分子鎖の末端カルボキシル基量が高いほど分解が速いことが知られている。このことから、特許文献2や特許文献3には、カルボン酸と反応する化合物を添加することで、分子鎖末端のカルボキシル基量を低減させることによる耐加水分解性を向上させる技術が開示されている。しかし、これらの化合物は、製膜プロセスでの溶融押出工程、または、マテリアルリサイクル工程において、ゲル化を誘発し、異物を発生させる可能性が高く、環境的にもコスト的にも好ましくない。
さらに、当該用途のポリエステルフィルムは屋外に長期間暴露するため、ポリエスエル高分子鎖の分解による破壊以外に、結晶化促進によるフィルムの脆性破壊も起きる。すなわち、ポリエステルフィルムの屋外長期暴露後の脆性破壊緩和のために、ポリエステルフィルムの結晶構造を制御する必要がある。
また、従来は屋根の上に設置するという思想で太陽電池が設置されていたが、窓ガラスをイメージした「シースルータイプ太陽電池」の需要も伸び始めている。これは、窓の内側から外の景色を見つつ、発電するという太陽電池である。この太陽電池タイプの太陽電池裏面封止用フィルムには、長期耐久性以外にも、ヘーズが低いことが求められる。
ポリエステルフィルムの原料である、ポリエステルの重縮合時の触媒としては、安価で優れた触媒活性を有することから三酸化アンチモンが広く用いられているが、これが重縮合触媒の主成分、すなわち、実用的な重合触媒が発揮される程度の添加量にて使用すると、重縮合時に三酸化アンチモンが還元されて、金属アンチモン粒子が生成する。そしてフィルム製造時の溶融押し出し工程で金属アンチモン粒子が凝集し、20〜50μmの黒色異物としてフィルム中に存在するようになる。すなわち、これらの金属アンチモン粒子の凝集体は光線の透過を遮蔽し、ヘーズを増大させるという問題が残っている。
これらの金属アンチモン粒子の凝集体を除去するために、溶融押出時にフィルターを使用しても、金属アンチモン粒子の凝集体が変形しながらフィルターを通り抜け、完全に除去することは困難である。
また、基材ポリエステルフィルムの原料であるポリエステルの重縮合時の重合触媒として、ゲルマニウム化合物が知られているが、ゲルマニウム化合物は非常に高価であり汎用的に用いることは難しい。
上記問題を解決するために、チタン元素とリン元素の含有量を特定することでフィルムの内部異物を減少させる提案がなされているが(特許文献4)、ポリエステルを溶融重合する工程で発生するオリゴマーを考慮に入れた設計になっていない。すなわち、フィルム内部もしくは表面にオリゴマーが生成し、ヘーズの低いフィルムを得ることは困難である。
特開2002−83978公報 特開平9−227767号公報 特開平8−73719号公報 特開平6−170911号公報
本発明は、上記実状に鑑みなされたものであって、耐加水分解性を有し、屋外長期暴露時のフィルム硬化に伴う脆性破壊を防ぐことのできる、ヘーズの低い太陽電池裏面封止用二軸配向ポリエステルフィルムを提供することにある。
本発明者は、上記実状に鑑み鋭意検討した結果、特定の構成からなるポリエステルフィルムを用いることにより、上述の課題を解決できることを見いだし、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の要旨は、結晶化度が60.5%以下であり、アンチモン元素の含有量が10ppm以下であり、チタン元素含有量が10ppm以下であり、リン元素含有量が170ppm以下であり、末端カルボキシルキ量が26当量/t以下であり、フィルムのヘーズ:Hとフィルム中のシリカの重量分率:φ(ppm)の関係が、H≦0.004φであり、極限粘度が0.65dl/g以上であるポリエステルフィルムからなることを特徴とする太陽電池裏面封止用二軸配向ポリエステルフィルムに存する。
本発明によれば、耐加水分解性を有し、フィルム硬化に伴う脆性破壊を防げ、ヘーズの低い太陽電池裏面封止用二軸配向ポリエステルフィルムを提供できる。本発明の工業的価値は高い。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明で言うポリエステルフィルムとは、押出口金から溶融押出される、いわゆる押出法による押し出した溶融ポリエステルシートを冷却した後、必要に応じ、延伸したフィルムである。
本発明において、ポリエステルフィルムに使用するポリエステルは、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られるものを指す。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、2,6―ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4―シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。代表的なポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン―2,6―ナフタレンジカルボキシレート(PEN)等が例示される。その中でも、ポリエチレンテレフタレート(PET)が好ましい。
本発明のポリエステルフィルム中の化合物の量は、後述する蛍光X線分析装置を用いた分析にて検出される、アンチモン元素、チタン元素、およびリン元素量含有量が特定範囲にある必要がある。
本発明のフィルムのチタン元素含有量は20ppm以下である必要があり、好ましくは15ppm以下、さらに好ましくは9ppm以下である。下限については特に設けないが、実際には2ppm程度が現在の技術では下限となる。チタン化合物の含有量が多すぎるとポリエステルを溶融押出する工程でオリゴマーが副生成し、オリゴマーによるヘーズの増大したフィルムとなるため、シースルー太陽電池向け裏面封止用ポリエステルフィルムとして弊害が生じる。また、チタン元素を全く含まない場合、ポリエステル原料製造時の生産性が劣り、目的の重合度に達したポリエステル原料を得られない。
本発明のフィルムのリン元素は、通常はリン酸化合物に由来するものであり、ポリエステル製造時に添加される。本発明においては、ポリエステル成分中のリン元素量は170ppm以下の範囲である必要があり、好ましくは160ppm以下の範囲であり、さらに好ましくは150ppm以下の範囲である。下限については特に設けないが、実際には3ppm程度が現在の技術では下限となる。リン元素量が多すぎると、フィルム製膜時にゲル化が起こり異物となってフィルムの品質を低下させる原因となることがあり、また製膜後のフィルムの加水分解が促進することになるため好ましくない。また、上記したチタン化合物を特定量含有するとともに、リン化合物を含有させることにより、含有オリゴマーの低減に対して著しい効果を発揮できる。
リン酸化合物の例としては、リン酸、亜リン酸あるいはそのエステルホスホン酸化合物、ホスフィン酸化合物、亜ホスホン酸化合物、亜ホスフィン酸化合物など公知のものが該当し、具体例としては、正リン酸、ジメチルフォスフェート、トリメチルフォスフェート、ジエチルフォスフェート、トリエチルフォスフェート、ジプロピルフォスフェート、トリプロピルフォスフェート、ジブチルフォスフェート、トリブチルフォスフェート、ジアミルフォスフェート、トリアミルフォスフェート、ジヘキシルフォスフェート、トリヘキシルフォスフェート、ジフェニルフォスフェート、トリフェニルフォスフェート、エチルアシッドホスフェートなどが挙げられる。
本発明により得られるポリエステルフィルムは、フィルムを構成するポリエステル成分の末端カルボキシル基量が26当量/t以下、好ましくは24当量/t以下である。末端カルボキシル基量が26当量/tを超えると、ポリエステル成分の耐加水分解性が劣る。下限については特に設けないが、重縮合反応の効率、溶融押出工程での熱分解等の点から通常は5当量/t程度である。
本発明により得られるポリエステルフィルムの極限粘度は、0.65dl/g以上、好ましくは0.68dl/g以上である。ポリエステルフィルムの極限粘度を0.65dl/g以上とすると、長期耐久性や耐加水分解性が良好なフィルムが得られる。一方、ポリエステルフィルムの極限粘度の上限はないが、重縮合反応の効率、溶融押出工程での圧力上昇防止の点から0.90dl/g程度である。
本発明により得られるポリエステルフィルムの結晶化度は、60.5%以下、好ましくは59.5%以下である。ポリエステルフィルムの結晶化度を60.5%より大きいと、耐加水分解性を初めとする長期耐久試験時において、結晶化促進によるフィルムの硬化由来の脆性破壊が起こりやすい。一方、ポリエステルフィルムの結晶化度の下限はないが、加熱収縮率上昇防止の点から52.0%程度である。
本発明におけるポリエステルフィルムには、微粒子を含有させることが、フィルムの巻上げ工程、塗工工程、蒸着工程等での作業性を向上させる上で望ましい。この微粒子としてはシリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、リン酸リチウム、リン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、フッ化リチウム、酸化アルミニウム、カオリン等の無機粒子やアクリル樹脂、グアナミン樹脂等の有機粒子や触媒残差を粒子化させた析出粒子を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これら粒子の中では、一時粒子の凝集粒子である多孔質シリカ粒子が特に好ましい。多孔質シリカ粒子はフィルムの延伸時に粒子周辺にボイドが発生しにくいため、フィルムの透明性を向上させる特長を有する。
この多孔質シリカ粒子を構成する一次粒子の平均粒径は0.001〜0.1μmの範囲が好ましい。一次粒子の平均粒径が0.001μm未満では、スラリー段階で解砕により極微細粒子が生成し、これが凝集体を形成して、ヘーズが高くなる原因となることがある。一方、一次粒子の平均粒径が0.1μmを超えると、粒子の多孔性が失われ、その結果、ボイド発生が少ない特長が失われることがある。
さらに、凝集粒子の細孔容積は0.5〜2.0ml/g、さらには0.6〜1.8ml/gの範囲であることが好ましい。細孔容積が0.5ml/g未満では、粒子の多孔性が失われ、ボイドが発生しやすくなり、フィルムの透明性が低下する傾向がある。細孔容積が2.0ml/gより大きいと、解砕、凝集が起こりやすく、粒径の調整を行うことが困難となる場合がある。
本発明におけるポリエステルフィルムに粒子を添加する方法としては、特に限定されるものではなく、公知の方法を採用し得る。例えば、ポリエステルを製造する任意の段階において添加することができるが、好ましくはエステル化の段階、もしくはエステル交換反応終了後重縮合反応開始前の段階でエチレングリコール等に分散させたスラリーとして添加し重縮合反応を進めてもよい。また、ベント付き混練押出機を用い、エチレングリコールまたは水などに分散させた粒子のスラリーとポリエステル原料とをブレンドする方法、または、混練押出機を用い、乾燥させた粒子とポリエステル原料とをブレンドする方法などによって行われる。
また、熱分解や加水分解を抑制するために触媒として働きうる金属化合物をできる限り含まないことが好ましいが、フィルムの生産性を向上すべく溶融時の体積固有抵抗値を低くするため、マグネシウム、カルシウム、リチウム、マンガン等の金属を、通常ポリエステル成分中に300ppm以下、好ましくは250ppm以下であれば含有させることができる。
なお、本発明のポリエステルフィルム中には、上述の粒子以外に必要に応じて従来公知の酸化防止剤、熱安定剤、潤滑剤、帯電防止剤、染料を添加することができる。
本発明のポリエステルフィルムの厚みは、フィルムとして製膜可能な範囲であれば特に限定されるものではないが、通常10〜500μm、好ましくは15〜400μm、さらに好ましくは20〜300μmの範囲である。
本発明においては、ポリエステルの溶融押出機を2台または3台以上用いて、いわゆる共押出法により2層または3層以上の積層フィルムとすることができる。層の構成としては、A原料とB原料とを用いたA/B構成、またはA/B/A構成、さらにC原料を用いてA/B/C構成またはそれ以外の構成のフィルムとすることができる。
以下、本発明のポリエステルフィルムの製造方法に関して具体的に説明するが、本発明の要旨を満足する限り、本発明は以下の例示に特に限定されるものではない。
すなわち、公知の手法により乾燥したまたは未乾燥のポリエステルチップ(ポリエステル成分)を混練押出機に供給し、ポリエステル成分の融点以上である温度に加熱し溶融する。次いで、溶融したポリエステルをダイから押出し、回転冷却ドラム上でガラス転移温度以下の温度になるように急冷固化し、実質的に非晶状態の未配向シートを得る。この場合、シートの平面性を向上させるため、シートと回転冷却ドラムとの密着性を高めることが好ましく、本発明においては静電印加密着法および/または液体塗布密着法が好ましく採用される。溶融押出工程においても、条件により末端カルボキシル基量が増加するので、本願発明においては、押出工程における押出機内でのポリエステルの滞留時間を短くすること、一軸押出機を使用する場合は原料をあらかじめ水分量が50ppm以下、好ましくは30ppm以下になるように十分乾燥すること、二軸押出機を使用する場合はベント口を設け、40ヘクトパスカル以下、好ましくは30ヘクトパスカル以下、さらに好ましくは20ヘクトパスカル以下の減圧を維持すること等の方法を採用する。
本発明においては、このようにして得られたシートを2軸方向に延伸してフィルム化する。延伸条件について具体的に述べると、前記未延伸シートを好ましくは縦方向に70℃〜145℃で2〜6倍に延伸し、縦1軸延伸フィルムとした後、横方向に90℃〜160℃で2〜6倍延伸を行い、熱固定工程に移る。
熱固定温度はポリエステルフィルムの厚みにより好ましい範囲が異なる。すなわち、フィルムが50μmの厚みであれば、200〜245℃で1秒〜600秒間の熱処理を行うことが好ましく、さらに好ましくは、210〜240℃であり、特に好ましくは、215〜235℃である。熱固定温度が200℃未満であると、長手方向の収縮率が高すぎて、実用に供することができないことがある。一方、熱固定温度が245℃より高いと、結晶性が高くなり、耐加水分解性を初めとする長期耐久性の良好なポリエステルフィルムを得ることができないおそれがある。
ポリエステルフィルムの厚みが75μmであれば、195〜245℃で1〜600秒間の熱処理を行うことが好ましく、さらに好ましくは、205〜240℃であり、特に好ましくは、210〜235℃である。熱固定温度が195℃未満であると、長手方向の収縮率が高すぎて、実用に供することができないことがある。一方、熱固定温度が245℃より高いと、結晶性が高くなり、耐加水分解性を初めとする長期耐久性の良好なポリエステルフィルムを得ることができないことがある。
ポリエステルフィルムの厚みが125μmであれば、190〜235℃で1〜600秒間の熱処理を行うことが好ましく、さらに好ましくは、195〜230℃であり、特に好ましくは、205〜225℃である。熱固定温度が190℃未満であると、長手方向の収縮率が高すぎて、実用に供することができないことがある。一方、熱固定温度が230℃より高いと、結晶性が高くなり、耐加水分解性を初めとする長期耐久性の良好なポリエステルフィルムを得ることができないことある。
ポリエステルフィルムが188μmの厚みであれば、190〜230℃で1〜600秒間の熱処理を行うことが好ましく、さらに好ましくは、195〜227℃であり、特に好ましくは、200〜227℃である。熱固定温度が190℃未満であると、長手方向の収縮率が高すぎて、実用に供することができないことある。一方、熱固定温度が230℃より高いと、結晶性が高くなり、耐加水分解性を初めとする長期耐久性の良好なポリエステルフィルムを得ることができないことがある。
ポリエステルフィルムの脆性破壊性による破壊も含んだ耐加水分解性は、フィルム全体に関連する特性であり、本願発明においては、共押出による積層構造を有するフィルムの場合、当該フィルムを構成するポリエステル成分全体として、結晶化度、アンチモン元素、チタン元素、リン元素の含有量、末端カルボキシル基量、極限粘度が上記の範囲であることが必要である。
本発明において、ポリエステルフィルム中のポリエステル成分の末端カルボキシル基量を特定範囲とするため、例えば、ポリエステルチップの押出工程における押出機内でのポリエステル成分の滞留時間を短くすることなどによってポリエステルフィルムは得られる。また、低末端カルボキシル基量のポリエステルチップを製膜することで、末端カルボキシル基量が特定範囲のポリエステルフィルムを得てもよい。また、フィルム製造において、溶融工程を経た再生原料を配合するとポリエステル成分の末端カルボキシル基量が特定範囲から外れて増大する傾向があるので、本願発明においてはかかる再生原料を配合しないことが好ましく、配合するとしても40重量%以下、より好ましくは20重量%以下である。
本発明においては、前記延伸工程においてまたはその後に、フィルムに接着性、帯電防止性、滑り性、離型性等を付与するために、フィルムの片面または両面に塗布層を形成したり、コロナ処理等の放電処理を施したりすることなどもできる。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り、この実施例に限定されるものではない。なお、フィルムの諸物性の測定および評価方法を以下に示す。
(1)触媒由来元素の定量
蛍光X線分析装置(島津製作所社製型式「XRF−1800」)を用いて、下記表1に示す条件下で、単枚測定でフィルム中の元素量を求めた。積層フィルムの場合はフィルムを溶融してディスク状に成型して測定することにより、アンチモン元素(Sb)、チタン元素(Ti)、リン元素(P)のフィルム全体に対する含有量を測定した。
Figure 0005484116
(2)末端カルボキシル基量当量/t
ポリエステルチップを粉砕した後、熱風乾燥機にて140℃で15分間乾燥させ、デシケーター内で室温まで冷却した試料から、0.1gを精秤して試験管に採取し、ベンジルアルコール3mlを加えて、乾燥窒素ガスを吹き込みながら195℃、3分間で溶解させ、次いで、クロロホルム5mlを徐々に加えて室温まで冷却した。この溶液にフェノールレッド指示薬を1〜2滴加え、乾燥窒素ガスを吹き込みながら攪拌下に、0.1(N)の苛性ソーダのベンジルアルコール溶液で滴定し、黄色から赤色に変じた時点で終了とした。また、ブランクとして、ポリエステル樹脂試料抜きで同様の操作を実施し、以下の式によって酸価を算出した。
酸価当量/t=(A−B)×0.1×f/W
(ここで、Aは、滴定に要した0.1Nの苛性ソーダのベンジルアルコール溶液の量(μμl)、Bは、ブランクでの滴定に要した0.1Nの苛性ソーダのベンジルアルコール溶液の量(μl)、Wは、ポリエステル樹脂試料の量(g)、fは、0.1Nの苛性ソーダのベンジルアルコール溶液の力価である)
なお、0.1Nの苛性ソーダのベンジルアルコール溶液の力価(f)は、試験管にメタノール5mlを採取し、フェノールレッドのエタノール溶液を指示薬として1〜2滴加え、0.1Nの苛性ソーダのベンジルアルコール溶液0.4mlで変色点まで滴定し、次いで、力価既知の0.1(N)の塩酸水溶液を標準液として0.2ml採取して加え、再度、0.1(N)の苛性ソーダのベンジルアルコール溶液で変色点まで滴定した。(以上の操作は、乾燥窒素ガス吹き込み下で行った。) 以下の式によって力価(f)を算出した。
力価(f)=0.1Nの塩酸水溶液の力価×0.1Nの塩酸水溶液の採取量(μl)/0.1Nの苛性ソーダのベンジルアルコール溶液の滴定量(μl)
(3)極限粘度dl/g
ポリエステルフィルムをフェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒中に溶解し、毛細管粘度計を用いて、1.0(g/dl)の濃度の溶液の流下時間、および、溶媒のみの流下時間を測定し、それらの時間比率から、Hugginsの式を用いて、極限粘度を算出した。その際、Huggins定数を0.33と仮定した。
(4)結晶化度(%)
得られたフィルムの中央より重量が6gとなるようにサンプルを採取し、島津製作所製アキュピック1330を用いて、密度:d(g/cm)を求める。得られた密度:d(g/cm)から、下記式により、結晶化度:χ%を求める。
Figure 0005484116
上記式中、dは完全結晶相の密度(1.455g/cm)であり、dは非晶度の密度(1.355g/cm)である。
評価は、下記の基準で行った。
○:χc≦59.5%
△:59.5%<χc≦60.5%
×:χc>60.5%
(5)耐加水分解性試験
パーソナルプレッシャークッカー装置(平山製作所社製)を用いて、ポリエステルフィルムを120℃−100%RHの雰囲気にてフィルムを72時間処理する。オートグラフAG−I(島津製作所社製)にて、得られたフィルムの製膜方向とは垂直方向(TD方向)に対し、200mm/分の速度で、フィルムの機械的特性として破断伸度を測定した。処理前後での破断伸度の維持率%を下記の式にて算出し、下記の基準で評価した。
破断伸度維持率[%]=処理後の破断伸度÷処理前の破断伸度×100
○:維持率が50%以上
△:維持率が5〜50%
×:維持率が5%未満
(6)フィルムヘーズ
ヘーズメータ(日本電色製 NDH−300A)により、50μm厚みのフィルムのヘーズ:Hを測定した。下記の基準で評価した。
○:H≦0.004φ
×:H>0.004φ
(φは含有シリカの重量分率ppmとする)
(7)総合評価
結晶化度、耐加水分解性、ヘーズの評価を比較して、低い評価で判定する(例えば、耐加水分解性で○、結晶化度○、ヘーズ×であったら、総合評価を×とする)。
<ポリエステル(1)の製造法>
スラリー調製槽、およびそれに直列に接続された2段のエステル化反応槽、および2段目のエステル化反応槽に直列に接続された3段の溶融重縮合槽からなる連続重合装置を用い、スラリー調製槽に、テレフタル酸とエチレングリコールをそれぞれ毎時865重量部、485重量部で連続的に供給すると共に、エチルアシッドホスフェートの0.3重量%エチレングリコール溶液を、得られるポリエステル樹脂1t当たりの燐原子としての含有量が0.129モル/樹脂tとなる量で連続的に添加して、攪拌、混合することによりスラリーを調製した。このスラリーを、窒素雰囲気下で260℃、相対圧力50kPa(0.5kg/cm)、平均滞留時間4時間に設定された第1段目のエステル化反応槽、次いで、窒素雰囲気下で260℃、相対圧力5kPa(0.05kg/cm)、平均滞留時間1.5時間に設定された第2段目のエステル化反応槽に連続的に移送して、エステル化反応させた。また、その際、第2段目のエステル化反応槽に設けた上部配管を通じて、酢酸マグネシウム4水和物の0.6 重量% エチレングリコール溶液を、得られるポリエステル樹脂1t当たりのマグネシウム原子としての含有量が0.165モル/樹脂tとなる量で連続的に添加すると共に、第2段目のエステル化反応槽に設けた別の上部配管を通じてエチレングリコールを毎時60重量部連続的に追加添加した。
引き続いて、前記で得られたエステル化反応生成物を連続的に溶融重縮合槽に移送する際、その移送配管中のエステル化反応生成物に、テトラ−n−ブチルチタネートを、チタン原子の濃度0.15重量%、水分濃度を0.5重量%としたエチレングリコール溶液として、得られるポリエステル樹脂1t当たりのチタン原子としての含有量が0.084モル/樹脂tとなる量で連続的に添加しつつ、270℃、絶対圧力2.6kPaに設定された第1段目の溶融重縮合槽、次いで、278℃、絶対圧力0.5kPaに設定された第2段目の溶融重縮合槽、次いで、280℃、絶対圧力0.3kPaに設定された第3段目の溶融重縮合槽に連続的に移送して、得られるポリエステル樹脂の極限粘度が0.65dl/gとなるように各重縮合槽における滞留時間を調整して溶融重縮合させ、重縮合槽の底部に設けられた抜き出し口から連続的にストランド状に抜き出して、水冷後、カッターで切断してチップ状粒状体としたポリエステル(1)を製造した。末端カルボキシル基量は12当量/tであった。
<ポリエステル(2)の製造法>
ポリエステル(1)を出発原料とし、窒素雰囲気下で約160℃に保持された攪拌結晶化機内に滞留時間が約60分となるように連続的に供給して結晶化させた後、塔型の固相重縮合装置に連続的に供給し、窒素雰囲気下215℃で、得られるポリエステル樹脂の極限粘度が0.75dl/gとなるように滞留時間を調整して固相重縮合させ、ポリエステル(2)を得た。末端カルボキシル基量は8当量/tであった。
<ポリエステル(3)の製造法>
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸カルシウム0.09重量部を反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。
4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物に三酸化アンチモン0.04部、エチレングリコールに分散させた平均粒子径2.5μmのシリカ粒子のポリエステルに対する含有量が0.06重量%となるように添加し、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には40パスカルとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.60dl/gに相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリエステルを吐出させた。引き続き、得られたポリエスエルを、真空下220℃にて固相重合を行ってポリエステル(3)を得た。ポリエステル(3)の極限粘度は0.75dl/g、末端カルボキシル基量は9当量/tであった。
<ポリエステル(4)の製造法>
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒としてテトラ−n−ブチルチタネートを得られるポリエステル樹脂1t当たりのチタン原子としての含有量が5g/樹脂tとなる量で加えて反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物を重縮合槽に移し、平均粒子径2 .5μmのシリカ粒子のエチレングリコールスラリーを、粒子のポリエステルに対する含有量が1.5重量%となるように添加し、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.60に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、ポリエステル(4)を得た。極限粘度は0.60dl/g、末端カルボキシル基量は21当量/tであった。
<ポリエステル(5)の製造法>
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム・四水塩を加えて反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物を重縮合槽に移し、正リン酸をリン量が1000ppmとなるように添加した後、二酸化ゲルマニウム加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.63に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、ポリエステル(5)を得た。ポリエステル(5)の極限粘度は0.63dl/g、末端カルボキシル基量は51当量/tであった。であった。
<ポリエステル(6)の製造法>
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒としてテトラ−n−ブチルチタネートを得られるポリエステル樹脂1t当たりのチタン原子としての含有量が5g/樹脂tとなる量で加えて反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物を重縮合槽に移し、平均粒子径2.5μmのシリカ粒子のエチレングリコールスラリーを、粒子のポリエステルに対する含有量が0.06 重量%となるように添加し、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.55dl/gに相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、ポリエステルのチップを得た。
引き続き、得られたポリエステルチップを真空下220℃で固相重合し、ポリエステル(6)を得た。極限粘度は0.75dl/g、末端カルボキシル基量は25当量/tであった。
<ポリエステル(7)の製造法>
ポリエステル(6)の製造法において、テトラ−n−ブチルチタネートを得られるポリエステル樹脂1t当たりのチタン原子としての含有量が15g/樹脂tとなる量を加えることを除いて、同様の方法でポリエステル(7)を製造した。極限粘度は0.73dl/g、末端カルボキシル基量は25当量/tであった。
<ポリエステル(8)の製造法>
ポリエステル(6)の製造法において、テトラ−n−ブチルチタネートを得られるポリエステル樹脂1t当たりのチタン原子としての含有量が40g/樹脂tとなる量を加えることを除いて、同様の方法でポリエステル(8)を製造した。極限粘度は0.71dl/g、末端カルボキシル基量は27当量/tであった。
<ポリエステル(9)の製造法>
ポリエステル(6)の製造法において、シリカ粒子を加えないことを除いて、同様の方法でポリエステル(9)を製造した。極限粘度は0.77dl/g、末端カルボキシル基量は23当量/tであった。
実施例1:
上記ポリエステル(2)およびポリエステル(4)を96:4の比率で混合したポリエステルを原料とし、1つのベント付き二軸押出機により、290℃で溶融押出し、静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定したキャスティングドラム上で急冷固化させて未延伸の単層シートを得た。得られたシートを縦方向に83℃で3.3倍延伸した後、テンターに導き、110℃で横方向に3.7倍延伸し、さらに220℃で熱固定を行った。得られたフィルムの平均厚さは50μmであった。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表2に示す。
実施例2:
実施例1において、混合物中のポリエステル原料に関して、上記ポリエステル(2)、ポリエステル(4)、およびポリエステル(5)を81:4:15の比率で混合したポリエステルに変更した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表2に示す。
実施例3:
実施例1において、混合物中のポリエステル原料に関して、上記ポリエステル(2)、ポリエステル(4)、およびポリエステル(9)を31:4:65の比率で混合したポリエステルに変更した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表2に示す。
実施例4:
実施例1において、混合物中のポリエステル原料に関して、上記ポリエステル(2)およびポリエステル(7)を50:50の比率で混合したポリエステルに変更した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表2に示す。
実施例5:
実施例1において、混合物中のポリエステル原料に関して、上記ポリエステル(2)、ポリエステル(3)、およびポリエステル(4)を95:1:4の比率で混合したポリエステルに変更した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表2に示す。
実施例6:
実施例1において、熱固定温度に関して、230℃に変更した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表2に示す。
実施例7:
実施例1において、熱固定温度に関して、240℃に変更した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表2に示す。
実施例8:
実施例1において、熱固定温度に関して、200℃に変更した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表2に示す。
比較例1:
実施例1において、混合物中のポリエステル原料に関して、上記ポリエステル(1)およびポリエステル(4)を96:4の比率で混合したポリエステルに変更した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表3に示す。下記表2に示す。
比較例2
実施例1において、混合物中のポリエステル原料に関して、上記ポリエステル(6)のみと変更した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表3に示す。
比較例3:
実施例1において、混合物中のポリエステル原料に関して、上記ポリエステル(3)およびポリエステル(5)を96:4の比率で混合したポリエステルに変更した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表3に示す。
比較例4:
実施例1において、混合物中のポリエステル原料に関して、上記ポリエステル(2)、ポリエステル(4)、およびポリエステル(5)を76:4:20の比率で混合したポリエステルに変更した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表3に示す。
比較例5:
実施例1において、混合物中のポリエステル原料に関して、上記ポリエステル(2)およびポリエステル(8)を50:50の比率で混合したポリエステルに変更した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表3に示す。
比較例6:
実施例1において、混合物中のポリエステル原料に関して、上記ポリエステル(2)、ポリエステル(3)、およびポリエステル(4)を86:10:4の比率で混合したポリエステルに変更した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表3に示す。
実施例1において、熱固定温度に関して、247℃に変更した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表2に示す。
Figure 0005484116
Figure 0005484116
本発明により得られる二軸配向ポリエステルフィルムは、耐加水分解性を有し、屋外長期暴露時のフィルム硬化に伴う脆性破壊を防げ、ヘーズが低いため、シースルータイプ太陽電池向け裏面封止用二軸配向ポリエステルフィルムとして有用である。

Claims (2)

  1. 結晶化度が60.5%以下であり、アンチモン元素の含有量が10ppm以下であり、チタン元素含有量が10ppm以下であり、リン元素含有量が170ppm以下であり、末端カルボキシルキ量が26当量/t以下であり、フィルムのヘーズ:Hとフィルム中のシリカの重量分率:φ(ppm)の関係が、H≦0.004φであり、極限粘度が0.65dl/g以上であるポリエステルフィルムからなることを特徴とする太陽電池裏面封止用二軸配向ポリエステルフィルム。
  2. チタン元素含有量が5ppm以下である請求項1に記載の太陽電池裏面封止用二軸配向ポリエステルフィルムフィルム。
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