JP2011171399A - 太陽電池裏面封止用二軸配向ポリエステルフィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 結晶化度が60.5%以下であり、アンチモン元素の含有量が10ppm以下であり、チタン元素含有量が20ppm以下であり、リン元素含有量が170ppm以下であり、末端カルボキシル基量が26当量/t以下であり、極限粘度が0.65dl/g以上であるポリエステルフィルムからなることを特徴とする太陽電池裏面封止用二軸配向ポリエステルフィルム。
【選択図】 なし
Description
本発明で言うポリエステルフィルムとは、押出口金から溶融押出される、いわゆる押出法による押し出した溶融ポリエステルシートを冷却した後、必要に応じ、延伸したフィルムである。
蛍光X線分析装置(島津製作所社製型式「XRF−1800」)を用いて、下記表1に示す条件下で、単枚測定でフィルム中の元素量を求めた。積層フィルムの場合はフィルムを溶融してディスク状に成型して測定することにより、アンチモン元素(Sb)、チタン元素(Ti)、リン元素(P)のフィルム全体に対する含有量を測定した。
ポリエステルチップを粉砕した後、熱風乾燥機にて140℃で15分間乾燥させ、デシケーター内で室温まで冷却した試料から、0.1gを精秤して試験管に採取し、ベンジルアルコール3mlを加えて、乾燥窒素ガスを吹き込みながら195℃、3分間で溶解させ、次いで、クロロホルム5mlを徐々に加えて室温まで冷却した。この溶液にフェノールレッド指示薬を1〜2滴加え、乾燥窒素ガスを吹き込みながら攪拌下に、0.1(N)の苛性ソーダのベンジルアルコール溶液で滴定し、黄色から赤色に変じた時点で終了とした。また、ブランクとして、ポリエステル樹脂試料抜きで同様の操作を実施し、以下の式によって酸価を算出した。
酸価当量/t=(A−B)×0.1×f/W
(ここで、Aは、滴定に要した0.1Nの苛性ソーダのベンジルアルコール溶液の量(μμl)、Bは、ブランクでの滴定に要した0.1Nの苛性ソーダのベンジルアルコール溶液の量(μl)、Wは、ポリエステル樹脂試料の量(g)、fは、0.1Nの苛性ソーダのベンジルアルコール溶液の力価である)
力価(f)=0.1Nの塩酸水溶液の力価×0.1Nの塩酸水溶液の採取量(μl)/0.1Nの苛性ソーダのベンジルアルコール溶液の滴定量(μl)
ポリエステルフィルムをフェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒中に溶解し、毛細管粘度計を用いて、1.0(g/dl)の濃度の溶液の流下時間、および、溶媒のみの流下時間を測定し、それらの時間比率から、Hugginsの式を用いて、極限粘度を算出した。その際、Huggins定数を0.33と仮定した。
得られたフィルムの中央より重量が6gとなるようにサンプルを採取し、島津製作所製アキュピック1330を用いて、密度:d(g/cm3)を求める。得られた密度:d(g/cm3)から、下記式により、結晶化度:χc%を求める。
評価は、下記の基準で行った。
○:χc≦59.5%
△:59.5%<χc≦60.5%
×:χc>60.5%
パーソナルプレッシャークッカー装置(平山製作所社製)を用いて、ポリエステルフィルムを120℃−100%RHの雰囲気にてフィルムを72時間処理する。オートグラフAG−I(島津製作所社製)にて、得られたフィルムの製膜方向とは垂直方向(TD方向)に対し、200mm/分の速度で、フィルムの機械的特性として破断伸度を測定した。処理前後での破断伸度の維持率%を下記の式にて算出し、下記の基準で評価した。
破断伸度維持率[%]=処理後の破断伸度÷処理前の破断伸度×100
○:維持率が50%以上
△:維持率が5〜50%
×:維持率が5%未満
ヘーズメータ(日本電色製 NDH−300A)により、50μm厚みのフィルムのヘーズ:Hを測定した。下記の基準で評価した。
○:H≦0.004φ
×:H>0.004φ
(φは含有シリカの重量分率ppmとする)
結晶化度、耐加水分解性、ヘーズの評価を比較して、低い評価で判定する(例えば、耐加水分解性で○、結晶化度○、ヘーズ×であったら、総合評価を×とする)。
スラリー調製槽、およびそれに直列に接続された2段のエステル化反応槽、および2段目のエステル化反応槽に直列に接続された3段の溶融重縮合槽からなる連続重合装置を用い、スラリー調製槽に、テレフタル酸とエチレングリコールをそれぞれ毎時865重量部、485重量部で連続的に供給すると共に、エチルアシッドホスフェートの0.3重量%エチレングリコール溶液を、得られるポリエステル樹脂1t当たりの燐原子としての含有量が0.129モル/樹脂tとなる量で連続的に添加して、攪拌、混合することによりスラリーを調製した。このスラリーを、窒素雰囲気下で260℃、相対圧力50kPa(0.5kg/cm2)、平均滞留時間4時間に設定された第1段目のエステル化反応槽、次いで、窒素雰囲気下で260℃、相対圧力5kPa(0.05kg/cm2)、平均滞留時間1.5時間に設定された第2段目のエステル化反応槽に連続的に移送して、エステル化反応させた。また、その際、第2段目のエステル化反応槽に設けた上部配管を通じて、酢酸マグネシウム4水和物の0.6 重量% エチレングリコール溶液を、得られるポリエステル樹脂1t当たりのマグネシウム原子としての含有量が0.165モル/樹脂tとなる量で連続的に添加すると共に、第2段目のエステル化反応槽に設けた別の上部配管を通じてエチレングリコールを毎時60重量部連続的に追加添加した。
ポリエステル(1)を出発原料とし、窒素雰囲気下で約160℃に保持された攪拌結晶化機内に滞留時間が約60分となるように連続的に供給して結晶化させた後、塔型の固相重縮合装置に連続的に供給し、窒素雰囲気下215℃で、得られるポリエステル樹脂の極限粘度が0.75dl/gとなるように滞留時間を調整して固相重縮合させ、ポリエステル(2)を得た。末端カルボキシル基量は8当量/tであった。
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸カルシウム0.09重量部を反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。
4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物に三酸化アンチモン0.04部、エチレングリコールに分散させた平均粒子径2.5μmのシリカ粒子のポリエステルに対する含有量が0.06重量%となるように添加し、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には40パスカルとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.60dl/gに相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリエステルを吐出させた。引き続き、得られたポリエスエルを、真空下220℃にて固相重合を行ってポリエステル(3)を得た。ポリエステル(3)の極限粘度は0.75dl/g、末端カルボキシル基量は9当量/tであった。
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒としてテトラ−n−ブチルチタネートを得られるポリエステル樹脂1t当たりのチタン原子としての含有量が5g/樹脂tとなる量で加えて反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物を重縮合槽に移し、平均粒子径2 .5μmのシリカ粒子のエチレングリコールスラリーを、粒子のポリエステルに対する含有量が1.5重量%となるように添加し、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.60に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、ポリエステル(4)を得た。極限粘度は0.60dl/g、末端カルボキシル基量は21当量/tであった。
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム・四水塩を加えて反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物を重縮合槽に移し、正リン酸をリン量が1000ppmとなるように添加した後、二酸化ゲルマニウム加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.63に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、ポリエステル(5)を得た。ポリエステル(5)の極限粘度は0.63dl/g、末端カルボキシル基量は51当量/tであった。であった。
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒としてテトラ−n−ブチルチタネートを得られるポリエステル樹脂1t当たりのチタン原子としての含有量が5g/樹脂tとなる量で加えて反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物を重縮合槽に移し、平均粒子径2.5μmのシリカ粒子のエチレングリコールスラリーを、粒子のポリエステルに対する含有量が0.06 重量%となるように添加し、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.55dl/gに相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、ポリエステルのチップを得た。
引き続き、得られたポリエステルチップを真空下220℃で固相重合し、ポリエステル(6)を得た。極限粘度は0.75dl/g、末端カルボキシル基量は25当量/tであった。
ポリエステル(6)の製造法において、テトラ−n−ブチルチタネートを得られるポリエステル樹脂1t当たりのチタン原子としての含有量が15g/樹脂tとなる量を加えることを除いて、同様の方法でポリエステル(7)を製造した。極限粘度は0.73dl/g、末端カルボキシル基量は25当量/tであった。
ポリエステル(6)の製造法において、テトラ−n−ブチルチタネートを得られるポリエステル樹脂1t当たりのチタン原子としての含有量が40g/樹脂tとなる量を加えることを除いて、同様の方法でポリエステル(8)を製造した。極限粘度は0.71dl/g、末端カルボキシル基量は27当量/tであった。
ポリエステル(6)の製造法において、シリカ粒子を加えないことを除いて、同様の方法でポリエステル(9)を製造した。極限粘度は0.77dl/g、末端カルボキシル基量は23当量/tであった。
上記ポリエステル(2)およびポリエステル(4)を96:4の比率で混合したポリエステルを原料とし、1つのベント付き二軸押出機により、290℃で溶融押出し、静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定したキャスティングドラム上で急冷固化させて未延伸の単層シートを得た。得られたシートを縦方向に83℃で3.3倍延伸した後、テンターに導き、110℃で横方向に3.7倍延伸し、さらに220℃で熱固定を行った。得られたフィルムの平均厚さは50μmであった。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表2に示す。
実施例1において、混合物中のポリエステル原料に関して、上記ポリエステル(2)、ポリエステル(4)、およびポリエステル(5)を81:4:15の比率で混合したポリエステルに変更した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表2に示す。
実施例1において、混合物中のポリエステル原料に関して、上記ポリエステル(2)、ポリエステル(4)、およびポリエステル(9)を31:4:65の比率で混合したポリエステルに変更した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表2に示す。
実施例1において、混合物中のポリエステル原料に関して、上記ポリエステル(2)およびポリエステル(7)を50:50の比率で混合したポリエステルに変更した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表2に示す。
実施例1において、混合物中のポリエステル原料に関して、上記ポリエステル(2)、ポリエステル(3)、およびポリエステル(4)を95:1:4の比率で混合したポリエステルに変更した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表2に示す。
実施例1において、熱固定温度に関して、230℃に変更した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表2に示す。
実施例1において、熱固定温度に関して、240℃に変更した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表2に示す。
実施例1において、熱固定温度に関して、200℃に変更した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表2に示す。
実施例1において、混合物中のポリエステル原料に関して、上記ポリエステル(1)およびポリエステル(4)を96:4の比率で混合したポリエステルに変更した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表3に示す。下記表2に示す。
実施例1において、混合物中のポリエステル原料に関して、上記ポリエステル(6)のみと変更した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表3に示す。
実施例1において、混合物中のポリエステル原料に関して、上記ポリエステル(3)およびポリエステル(5)を96:4の比率で混合したポリエステルに変更した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表3に示す。
実施例1において、混合物中のポリエステル原料に関して、上記ポリエステル(2)、ポリエステル(4)、およびポリエステル(5)を76:4:20の比率で混合したポリエステルに変更した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表3に示す。
実施例1において、混合物中のポリエステル原料に関して、上記ポリエステル(2)およびポリエステル(8)を50:50の比率で混合したポリエステルに変更した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表3に示す。
実施例1において、混合物中のポリエステル原料に関して、上記ポリエステル(2)、ポリエステル(3)、およびポリエステル(4)を86:10:4の比率で混合したポリエステルに変更した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表3に示す。
Claims (1)
- 結晶化度が60.5%以下であり、アンチモン元素の含有量が10ppm以下であり、チタン元素含有量が20ppm以下であり、リン元素含有量が170ppm以下であり、末端カルボキシル基量が26当量/t以下であり、極限粘度が0.65dl/g以上であるポリエステルフィルムからなることを特徴とする太陽電池裏面封止用二軸配向ポリエステルフィルム。
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