JP2012248709A - 太陽電池裏面保護用ポリエステルフィルム - Google Patents

太陽電池裏面保護用ポリエステルフィルム Download PDF

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Abstract

【課題】 屋外長期暴露時のフィルム結晶化に伴う脆性破壊を防ぐことのできる耐加水分解性を有する、太陽電池裏面保護用として好適なポリエステルフィルムを提供する。
【解決手段】 動的粘弾性評価における損失正接(tanδ)のピークトップ温度(Tdp)が116℃以上であり、末端カルボキシル基量が26当量/t以下であり、極限粘度が0.65dl/g以上であるポリエステルフィルムからなることを特徴とする太陽電池裏面保護用ポリエステルフィルム。
【選択図】 なし

Description

本発明は、屋外長期暴露時のフィルム結晶化に伴う脆性破壊を防ぐことのできる、耐加水分解性を有する太陽電池裏面保護用ポリエステルフィルムに関するものである。
光電変換効果を利用して光エネルギを電気エネルギに変換する太陽光発電は、クリーンエネルギを得る手段として広く行われている。そして、太陽電池セルの光電変換効率の向上に伴って、多くの個人住宅にも太陽光発電システムが設けられるようになってきている。このような太陽光発電システムを実際のエネルギ源として用いるために、複数の太陽電池セルを電気的に直列に接続させた構成をなす太陽電池モジュールが使用されている。
太陽電池モジュールは高温高湿度環境で長期間使用されるので、太陽電池裏面保護用フィルムにも長期耐久性が求められる。例えば、特許文献1には、太陽電池裏面保護用フィルムとしてフッ素系フィルムを用いた技術が開示されている。特許文献1には、フッ素系フィルムに熱処理を施すことで、フッ素系フィルムの熱収縮率をあらかじめ低減させることが可能となり、封止材であるエチレンビニルアセテート(以下、EVAと略記することがある)との真空ラミネート加工時の、耐候性や耐水性を初めとする物性の低下防止や、歩留まりの向上にも効果のあると記載されている。しかし、フッ素系フィルムは高価であるので、太陽電池モジュールも高価なものになってしまうという問題がある。
太陽電池裏面保護用フィルムとして、ポリエステル系フィルムも用いられているが、ポリエステル系フィルムを、高温高湿度環境で使用すると、分子鎖中のエステル結合部位の加水分解が起こり、機械的特性が劣化することが知られている。よって、ポリエステル系フィルムを屋外で長期(例えば、20年)にわたって使用する場合、あるいは高湿度環境で使用する場合を想定して、加水分解を抑制すべく様々な検討が行われている。
ポリエステルの加水分解は、ポリエステル分子鎖の末端カルボキシル基量が高いほど分解が速いことが知られている。特許文献2や特許文献3には、カルボン酸と反応する化合物を添加することで、分子鎖末端のカルボキシル基量を低減させることによる耐加水分解性を向上させる技術が開示されている。しかし、これらの化合物は、製膜プロセスでの溶融押出工程、または、マテリアルリサイクル工程において、ゲル化を誘発し、異物を発生させる可能性が高く、環境的にもコスト的にも好ましくない。
特許文献4や特許文献5には、チタン化合物とリン化合物を用いることでポリエステルの耐久性を向上させていることが述べられている。これによって、ポリエスエル高分子鎖の分解そのものが起因となる破壊は抑制される。ただし、ポリエステル分子の非晶成分の配向制御についての工夫がなされていないため、ポリエステルフィルムを屋外に長期間暴露した際の、ポリエステルの非晶成分中のエステル基と水分子の反応を低下させることができないため、耐加水分解性に満足するフィルムを得られていない。
特開2002−83978公報 特開平9−227767号公報 特開平8−73719号公報 特開2007−204538公報 特開2010−163613公報
本発明は、上記実状に鑑みなされたものであって、屋外長期暴露時のフィルム結晶化に伴う脆性破壊を防ぐことのできる、耐加水分解性を有する太陽電池裏面保護用として好適なポリエステルフィルムを提供することにある。
本発明者らは、上記実状に鑑み鋭意検討した結果、特定の構成からなるポリエステルフィルムを用いることによれば、上述の課題を容易に解決できることを見いだし、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の要旨は、動的粘弾性評価における損失正接(tanδ)のピークトップ温度(Tdp)が116℃以上であり、末端カルボキシル基量が26当量/t以下であり、極限粘度が0.65dl/g以上であるポリエステルフィルムからなることを特徴とする太陽電池裏面保護用ポリエステルフィルムに存する。
本発明によれば、屋外長期暴露時のフィルム結晶化に伴う脆性破壊を防ぐことのできる耐加水分解性を有する、太陽電池裏面保護用として好適なポリエステルフィルムを提供でき、本発明の工業的価値は高い。
本発明で言うポリエステルフィルムとは、押出口金から溶融押出される、いわゆる押出法による押し出した溶融ポリエステルシートを冷却した後、延伸したフィルムである。
本発明において、ポリエステルフィルムに使用するポリエステルは、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られるものを指す。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、2,6―ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4―シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。代表的なポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン―2,6―ナフタレンジカルボキシレート(PEN)等が例示される。その中でも、ポリエチレンテレフタレート(PET)が好ましい。
本発明のポリエステルフィルムに用いるポリエステル原料の製造触媒は、チタン含有化合物、アンチモン含有化合物元素、およびアルミニウム含有化合物から選ばれることが好ましい。特に好ましい触媒はチタン含有化合物からなる触媒である。
本発明のフィルムのチタン元素含有量は20ppm以下であることが好ましく、さらに好ましくは15ppm以下、特に好ましくは9ppm以下である。下限については特にないが、実際には2ppm程度が現在の技術では下限となる。チタン化合物の含有量が多すぎるとポリエステルを溶融押出する工程でオリゴマーが副生成しやすく、オリゴマーが表面に析出したポリエステルフィルムとなりやすい傾向がある。ポリエステルフィルムの表面オリゴマーは、製膜時に用いるロールへオリゴマーが転写されることによってロールが汚染される、またフィルム異物の発生を引き起こす、などの原因物質となる。一方、チタン元素を全く含まない場合、ポリエステル原料製造時の生産性が劣る傾向があり、目的の重合度に達したポリエステル原料を得られないことがある。
本発明のフィルム中のリン元素は、通常はリン酸化合物に由来するものであり、ポリエステル製造時に添加される。本発明においては、ポリエステル成分中のリン元素量は170ppm以下の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは100ppm以下であり、特に好ましくは50ppm以下、最も好ましくは15ppm以下の範囲である。下限については特にないが、実際には3ppm程度が現在の技術では下限となる。リン元素量が多すぎると、フィルム製膜時にゲル化が起こり異物となってフィルムの品質を低下させる原因となることがある。
リン酸化合物の例としては、リン酸、亜リン酸あるいはそのエステルホスホン酸化合物、ホスフィン酸化合物、亜ホスホン酸化合物、亜ホスフィン酸化合物など公知のものが該当し、具体例としては、正リン酸、ジメチルフォスフェート、トリメチルフォスフェート、ジエチルフォスフェート、トリエチルフォスフェート、ジプロピルフォスフェート、トリプロピルフォスフェート、ジブチルフォスフェート、トリブチルフォスフェート、ジアミルフォスフェート、トリアミルフォスフェート、ジヘキシルフォスフェート、トリヘキシルフォスフェート、ジフェニルフォスフェート、トリフェニルフォスフェート、エチルアシッドホスフェートなどが挙げられる。
本発明のポリエステルフィルム中の化合物の量は、後述する蛍光X線分析装置を用いた分析にて検出される、チタン元素、およびリン元素量含有量が特定範囲にあることが好ましい。
本発明のポリエステルフィルムは、フィルムを構成するポリエステル成分の末端カルボキシル基量が26当量/t以下、好ましくは20当量/t以下である。末端カルボキシル基量が26当量/tを超えると、ポリエステル成分の耐加水分解性が劣る。下限については特にないが、重縮合反応の効率、溶融押出工程での熱分解等の点から、通常は5当量/t程度である。
本発明のポリエステルフィルムの極限粘度は、0.65dl/g以上、好ましくは0.68dl/g以上である。ポリエステルフィルムの極限粘度を0.65dl/g以上とすると、長期耐久性や耐加水分解性が良好なフィルムとなる。一方、ポリエステルフィルムの極限粘度の上限はないが、重縮合反応の効率、溶融押出工程での圧力上昇防止の点から0.90dl/g程度である。
ポリエステルフィルムの動的粘弾性評価における損失正接(tanδ)のピークトップ温度(Tdp)は、116℃以上、好ましくは118℃以上である。Tdpが大きいことは、ポリエステルフィルムのガラス転移温度(Tg)も高いことを意味する。ガラス転移温度が高いのは、結晶を強固に結びつける配向非晶ポリエステル分子であるタイ分子の数が多いためである。タイ分子が多い、すなわち非晶分子が配向されていると、ポリエステルのエステル基の運動性が下がる。ポリエステルフィルムを高温高湿環境下に保持すると水分はポリエステルの結晶ではなく非晶に入り込むが、非晶分子が配向していると、エステル基と水分子の反応によるポリエステルの加水分解反応が低減される。本発明のフィルムにおいては、Tdpが116℃以上だと、非晶中のエステル基と水分子の反応性が低下するため、耐加水分解性が向上する。Tdpの上限は特にないが、配向非晶成分の過量に伴う加熱収縮率上昇防止の点から、125℃程度である。
ポリエステルフィルムの動的粘弾性評価における損失正接(tanδ)のピークトップ温度(Tdp)は、後述する動的粘弾性評価法にて得られる、貯蔵弾性率(E‘)と損失弾性率(E“)から計算により求められる。
本発明のポリエステルフィルムには、微粒子を含有させることが、フィルムの巻上げ工程、塗工工程、蒸着工程等での作業性を向上させる上で望ましい。この微粒子としてはシリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、リン酸リチウム、リン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、フッ化リチウム、酸化アルミニウム、カオリン等の無機粒子やアクリル樹脂、グアナミン樹脂等の有機粒子や触媒残差を粒子化させた析出粒子を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これら粒子の中では、一時粒子の凝集粒子である多孔質シリカ粒子が特に好ましい。多孔質シリカ粒子はフィルムの延伸時に粒子周辺にボイドが発生しにくいため、フィルムの透明性を向上させる特長を有する。
この多孔質シリカ粒子を構成する一次粒子の平均粒径は、0.001〜0.1μmの範囲であることが好ましい。一次粒子の平均粒径が0.001μm未満では、スラリー段階で解砕により極微細粒子が生成し、これが凝集体を形成して、ヘーズが高くなる原因となることがある。一方、一次粒子の平均粒径が0.1μmを超えると、粒子の多孔性が失われ、その結果、ボイド発生が少ない特長が失われることがある。
さらに、凝集粒子の細孔容積は0.5〜2.0ml/g、さらには0.6〜1.8ml/gの範囲であることが好ましい。細孔容積が0.5ml/g未満では、粒子の多孔性が失われ、ボイドが発生しやすくなり、フィルムの透明性が低下する傾向がある。細孔容積が2.0ml/gより大きいと、解砕、凝集が起こりやすく、粒径の調整を行うことが困難となる場合がある。
本発明におけるポリエステルフィルムに粒子を添加する方法としては、特に限定されるものではなく、公知の方法を採用し得る。例えば、ポリエステルを製造する任意の段階において添加することができるが、好ましくはエステル化の段階、もしくはエステル交換反応終了後重縮合反応開始前の段階でエチレングリコール等に分散させたスラリーとして添加し重縮合反応を進めてもよい。また、ベント付き混練押出機を用い、エチレングリコールまたは水などに分散させた粒子のスラリーとポリエステル原料とをブレンドする方法、または、混練押出機を用い、乾燥させた粒子とポリエステル原料とをブレンドする方法などによって行われる。
また、熱分解や加水分解を抑制するために触媒として働きうる金属化合物をできる限り含まないことが好ましいが、フィルムの生産性を向上すべく溶融時の体積固有抵抗値を低くするため、マグネシウム、カルシウム、リチウム、マンガン等の金属を、ポリエステル成分中に通常300ppm以下、好ましくは250ppm以下であれば含有させることができる。
なお、本発明のポリエステルフィルム中には、上述の粒子以外に必要に応じて従来公知の酸化防止剤、熱安定剤、潤滑剤、帯電防止剤、染料を添加することができる。
本発明のポリエステルフィルムの厚みは、フィルムとして製膜可能な範囲であれば特に限定されるものではないが、通常10〜500μm、好ましくは15〜400μm、さらに好ましくは20〜300μmの範囲である。
本発明においては、ポリエステルの溶融押出機を2台または3台以上用いて、いわゆる共押出法により2層または3層以上の積層フィルムとすることができる。層の構成としては、A原料とB原料とを用いたA/B構成、またはA/B/A構成、さらにC原料を用いてA/B/C構成またはそれ以外の構成のフィルムとすることができる。
以下、本発明のポリエステルフィルムの製造方法に関して具体的に説明するが、本発明の要旨を満足する限り、本発明は以下の例示に特に限定されるものではない。
すなわち、公知の手法により乾燥したまたは未乾燥のポリエステルチップ(ポリエステル成分)を混練押出機に供給し、ポリエステル成分の融点以上である温度に加熱し溶融する。次いで、溶融したポリエステルをダイから押出し、回転冷却ドラム上でガラス転移温度以下の温度になるように急冷固化し、実質的に非晶状態の未配向シートを得る。この場合、シートの平面性を向上させるため、シートと回転冷却ドラムとの密着性を高めることが好ましく、本発明においては静電印加密着法および/または液体塗布密着法が好ましく採用される。溶融押出工程においても、条件により末端カルボキシル基量が増加するので、本願発明においては、押出工程における押出機内でのポリエステルの滞留時間を短くすること、一軸押出機を使用する場合は、原料をあらかじめ水分量50ppm以下、さらに30ppm以下になるように十分乾燥すること、二軸押出機を使用する場合は、ベント口を設け、40ヘクトパスカル以下、さらには30ヘクトパスカル以下、特に20ヘクトパスカル以下の減圧を維持すること等のそれぞれの方法を採用することが好ましい。
本発明においては、このようにして得られたシートを2軸方向に延伸してフィルム化する。延伸条件について具体的に述べると、前記未延伸シートを好ましくは縦方向に70℃〜145℃で2〜6倍に延伸し、縦1軸延伸フィルムとした後、横方向に90℃〜160℃で2〜6倍延伸を行い、熱固定工程に移る。
熱固定温度はポリエステルフィルムの厚みにより好ましい範囲が異なる。ポリエステルフィルムが50μmの厚みであれば、熱固定温度は通常215〜233℃であり、好ましくは218〜231℃、特に好ましくは220〜227℃である。熱固定温度が215℃未満であると、長手方向の収縮率が高すぎて、実用に供することができないことがある。一方、熱固定温度が233℃より低いと、ポリエステルフィルムの動的粘弾性評価における損失正接(tanδ)のピークトップ温度(Tdp)は、116℃未満となる。Tdpはガラス転移温度とも相関する。Tdpが高いのは、結晶を強固に結びつける配向非晶ポリエステル分子であるタイ分子の数が多いことを意味する。タイ分子が多い、すなわち非晶分子が配向されていると、ポリエステルのエステル基の運動性が下がる。ポリエステルフィルムを高温高湿環境下に保持すると水分子はポリエステルの結晶ではなく非晶に入り込むが、非晶分子が配向していると、分子運動性が低いためポリエステルの加水分解性が低減される。本発明においては、熱固定温度を230℃より低くすることで、ポリエステル非晶中のエステル基と水分子の反応性が低下するため、耐加水分解性が向上する。
ポリエステルフィルムが75μmの厚みであれば、熱固定温度は通常212〜227℃であり、好ましくは215〜226℃であり、さらに好ましくは218〜225℃である。
ポリエステルフィルムが125μmの厚みであれば、熱固定温度は通常210〜226℃であり、好ましくは212〜224℃であり、さらに好ましく215〜222℃である。
ポリエステルフィルムが188μmの厚みであれば、熱固定温度は通常208〜225℃であり、好ましくは210〜224℃であり、さらに好ましくは213〜223℃である。
これらの熱固定温度範囲の設定思想は、上述の50μmでの熱固定温度の範囲の設定思想と同じである。
ポリエステルフィルムのポリエステル分子非晶成分の運動性も含んだ耐加水分解性は、フィルム全体に関連する特性であり、本発明においては、共押出による積層構造を有するフィルムの場合、当該フィルムを構成するポリエステル成分全体として、Tdp、末端カルボキシル基量、極限粘度、リン元素の含有量、チタン元素の含有量が上記の範囲であることが好ましい。
本発明において、ポリエステルフィルム中のポリエステル成分の末端カルボキシル基量を特定範囲とするため、例えば、ポリエステルチップの押出工程における押出機内でのポリエステル成分の滞留時間を短くすることなどによってポリエステルフィルムは得られる。また、低末端カルボキシル基量のポリエステルチップを製膜することで、末端カルボキシル基量が特定範囲のポリエステルフィルムを得てもよい。また、フィルム製造において、溶融工程を経た再生原料を配合するとポリエステル成分の末端カルボキシル基量が特定範囲から外れて増大する傾向があるので、本願発明においてはかかる再生原料を配合しないことが好ましい。また、再生原料を配合するとしても、自ら得られたフィルムを粉砕することで得られたフレークをそのまま用いることが好ましく、量については40重量%以下、より好ましくは20重量%以下である。
本発明においては、前記延伸工程においてまたはその後に、フィルムに接着性、帯電防止性、滑り性、離型性等を付与するために、フィルムの片面または両面に塗布層を形成したり、コロナ処理等の放電処理を施したりすることなどもできる。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り、この実施例に限定されるものではない。なお、フィルムの諸物性の測定および評価方法を以下に示す。
(1)末端カルボキシル基量(当量/t)
粉砕したポリエステルチップ、もしくはポリエステルフィルムに対し、熱風乾燥機にて140℃で15分間乾燥させ、デシケーター内で室温まで冷却した試料から、0.1gを精秤して試験管に採取し、ベンジルアルコール3mlを加えて、乾燥窒素ガスを吹き込みながら195℃、3分間で溶解させ、次いで、クロロホルム5mlを徐々に加えて室温まで冷却した。この溶液にフェノールレッド指示薬を1〜2滴加え、乾燥窒素ガスを吹き込みながら攪拌下に、0.1Nの苛性ソーダのベンジルアルコール溶液で滴定し、黄色から赤色に変じた時点で終了とした。また、ブランクとして、ポリエステル樹脂試料抜きで同様の操作を実施し、以下の式によって酸価を算出した。
酸価(当量/t)=(A−B)×0.1×f/W
〔ここで、A は、滴定に要した0.1Nの苛性ソーダのベンジルアルコール溶液の量(μl)、Bは、ブランクでの滴定に要した0.1Nの苛性ソーダのベンジルアルコール溶液の量(μl)、Wは、ポリエステル樹脂試料の量(g)、fは、0.1Nの苛性ソーダのベンジルアルコール溶液の力価である〕
なお、0.1Nの苛性ソーダのベンジルアルコール溶液の力価(f)は、試験管にメタノール5mlを採取し、フェノールレッドのエタノール溶液を指示薬として1〜2滴加え、0.1Nの苛性ソーダのベンジルアルコール溶液0.4mlで変色点まで滴定し、次いで、力価既知の0.1Nの塩酸水溶液を標準液として0.2ml採取して加え、再度、0.1Nの苛性ソーダのベンジルアルコール溶液で変色点まで滴定した。(以上の操作は、乾燥窒素ガス吹き込み下で行った)。以下の式によって力価(f)を算出した。
力価(f)=0.1Nの塩酸水溶液の力価×0.1Nの塩酸水溶液の採取量(μl)/0.1Nの苛性ソーダのベンジルアルコール溶液の滴定量(μl)
(2)極限粘度(dl/g)
粉砕したポリエステルチップ、もしくはポリエステルフィルムをフェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒中に溶解し、毛細管粘度計を用いて、1.0(g/dl)の濃度の溶液の流下時間、および、溶媒のみの流下時間を測定し、それらの時間比率から、Hugginsの式を用いて、極限粘度を算出した。その際、Huggins定数を0.33と仮定した。
(3)ポリエステルフィルムの動的粘弾性評価により得られる損失正接(tanδ)のピークトップ温度:Tdp
<装置>
アイティー計測制御(株)製 DVA220/L2/HIHT
<測定条件>
変形様式:引張(MDとTD)
サンプル面積:つかみ長×幅=20mm×5mm
測定温度範囲:−100℃から230℃
昇温速度:10℃/分
データ読み込み間隔:1秒
測定周波数:10Hz
歪み:0.1%
<求め方>
貯蔵弾性率(E‘)と損失弾性率(E“)の温度依存性を求められる。貯蔵弾性率(E‘)を分母、損失弾性率(E“)を分子とした商から、損失正接tanδ=E”/E’を計算する。100〜130℃の温度範囲における、tanδカーブのピークトップを探し、その温度を求める。MDで得られたピークトップ温度Tdpmと、TDで得られたピークトップ温度:Tdptを平均化した値をTdpとする(2Tdp=Tdpm+Tdpt)。
(4)耐加水分解性試験
パーソナルプレッシャークッカー装置(平山製作所社製)を用いて、ポリエステルフィルムを120℃−100%RHの雰囲気にてフィルムを処理する。オートグラフAG−I(島津製作所社製)にて、得られたフィルムの製膜方向とは同方向(MD)に対し、200mm/分の速度で、フィルムの機械的特性として引張破断伸度を測定し、引張破断伸度維持率を求める。なお、引張破断伸度維持率は、下記式、すなわちパーソナルプレッシャークッカー処理前後の引張破断伸度の商から得られる。
引張破断伸度維持率[%]=「パーソナルプレッシャークッカー処理後の引張破断伸度」÷「パーソナルプレッシャークッカー処理前の引張破断伸度」×100
引張破断伸度維持率が10%未満に達した時間から、下記の基準で評価した。
◎:引張破断伸度維持率が10%未満に達した時間:96hr以上
○:引張破断伸度維持率が10%未満に達した時間:84hr以上96hr未満
△:引張破断伸度維持率が10%未満に達した時間:72hr以上84hr未満
×:引張破断伸度維持率が10%未満に達した時間:72hr未満
(5)触媒由来元素の定量
蛍光X線分析装置(島津製作所社製型式「XRF−1800」)を用いて、下記表1に示す条件下で、単枚測定でフィルム中の元素量を求めた。なお、積層フィルムの場合は、フィルムを溶融してディスク状に成型して測定することにより、チタン元素(Ti)、リン元素(P)のフィルム全体に対する含有量を測定する。
Figure 2012248709
<ポリエステル(1)の製造法>
1個のスラリー調製槽、およびそれに直列に接続された2段のエステル化反応槽、および2段目のエステル化反応槽に直列に接続された3段の溶融重縮合槽からなる連続式重合装置を用い、スラリー調製槽に、テレフタル酸とエチレングリコールを重量比で100:45の割合で連続的に供給すると共に、エチルアシッドホスフェートのエチレングリコール溶液を、生成ポリエステル樹脂に対してリン原子としての含有量が4重量ppmとなる量で連続的に添加して、攪拌、混合することによりスラリーを調製し、このスラリーを、窒素雰囲気下で267℃、相対圧力100kPa、平均滞留時間4時間に設定され、反応生成物が存在する第1段目のエステル化反応槽に連続的に流量120kg/hrで供給し、次いで、第1段目のエステル化反応生成物を、窒素雰囲気下で265℃、相対圧力5kPa、平均滞留時間2時間に設定された第2段目のエステル化反応槽に連続的に移送して、さらにエステル化反応させた。その際、第2段エステル化反応槽に設けた上部配管を通じて、エチレングリコールを生成するポリエステル樹脂に対して322モル/トンになる量を連続的に供給した。この場合、第2段エステル化反応槽におけるエステル化率は97%であった。
上述のエステル化反応生成物を、移送配管を経由して第1段重縮合反応槽に連続的に供給した。このとき移送配管に設けた移送ポンプの吐出圧は500kPaであった。移送配管中のエステル化反応生成物に、酢酸マグネシウム4水和物のエチレングリコール溶液を、生成ポリエステル樹脂に対してマグネシウム原子としての含有量が11重量ppmとなる量だけ添加配管を経由して連続的に添加した。さらに、別個の添加配管を使用して、テトラブチルチタネートのエチレングリコール溶液を生成ポリエステル樹脂に対してチタン原子としての含有量が4重量ppmとなる量だけ連続的に添加した。
溶融重縮合の反応条件は、第1段重縮合反応槽が269℃、絶対圧力4kPa、平均滞
留時間1時間であり、第2段重縮合反応槽は274℃、絶対圧力0.4kPa、平均滞留時間0.9時間、第3段重縮合反応槽は277℃、絶対圧力0.2kPa、平均滞留時間1時間であった。第3段重縮合反応槽から取り出した溶融重縮合反応生成物は、ダイからストランド状に押出して冷却固化し、カッターで切断して1個の重さが平均粒重24mgのポリエステル樹脂チップ:ポリエステル(1)とした。ポリエステル(1)の極限粘度は0.62dl/g、末端カルボキシル基量は15当量/tであった。
<ポリエステル(2)の製造法>
ポリエステル(1)を出発原料とし、窒素雰囲気下で約160℃に保持された攪拌結晶化機内に滞留時間が約60分となるようにチップが重ならないようにした状態で連続的に供給して結晶化させた後、塔型の固相重縮合装置に連続的に供給し、窒素雰囲気下215℃で、得られるポリエステル樹脂の極限粘度が0.78dl/gとなるように滞留時間を調整して固相重縮合させ、ポリエステル(2)を得た。末端カルボキシル基量は8当量/tであった。
<ポリエステル(3)の製造法>
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒としてテトラ−n−ブチルチタネートを得られるポリエステル樹脂1t当たりのチタン原子としての含有量が5g/樹脂tとなる量で加えて反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物を重縮合槽に移し、平均粒子径2 .5μmのシリカ粒子のエチレングリコールスラリーを、粒子のポリエステルに対する含有量が1.5重量%となるように添加し、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.60に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、ポリエステル(3)を得た。極限粘度は0.60dl/g、末端カルボキシル基量は21当量/tであった。
<ポリエステル(4)の製造法>
テレフタル酸43重量部と、エチレングリコール19重量部のスラリーを、あらかじめビス(ヒドロキシエチル)テレフタレート50重量部が仕込まれ、温度250℃、相対圧力1.2×10Paに保持されたエステル化反応槽に4時間かけて順次供給し、供給終了後もさらに1時間かけてエステル化反応を行った。このエステル化反応生成物を重縮合槽に移送した。エステル交換反応生成物が移送された前記重縮合槽に、引き続いて正リン酸および二酸化ゲルマニウムをエチレングリコール溶液として順次5分間隔で添加した。なお、正リン酸は、リン原子として樹脂1トンあたり32.2モル、二酸化ゲルマニウムについては、ゲルマニウム原子として、樹脂1トンあたり0.6モル含有するように添加した。その後、反応系内を2時間30分かけて225℃から280℃まで昇温すると共に、85分で常圧から400Pa(絶対圧力)に減圧して、同圧を保持しつつ、極限粘度0.63dl/gに相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、ポリエステル(4)を得た。ポリエステル(4)の極限粘度は0.63dl/g、末端カルボキシル基量は51当量/tであった。
<ポリエステル(5)の製造法>
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒としてテトラ−n−ブチルチタネートを得られるポリエステル樹脂1t当たりのチタン原子としての含有量が5g/樹脂tとなる量で加えて反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物を重縮合槽に移し、平均粒子径2 .5μmのシリカ粒子のエチレングリコールスラリーを、粒子のポリエステルに対する含有量が0.06 重量%となるように添加し、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.55dl/gに相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、ポリエステルのチップを得た。上記で、得られたポリエステルチップを真空下220℃で固相重合し、ポリエステル(5)を得た。極限粘度は0.75dl/g、末端カルボキシル基量は25当量/tであった。
<ポリエステル(6)の製造法>
ポリエステル(5)の製造法において、テトラ−n−ブチルチタネートを得られるポリエステル樹脂1t当たりのチタン原子としての含有量が15g/樹脂tとなる量を加えることを除いて、同様の方法でポリエステル(6)を製造した。極限粘度は0.73dl/g、末端カルボキシル基量は25当量/tであった。
<ポリエステル(7)の製造法>
ポリエステル(5)の製造法において、テトラ−n−ブチルチタネートを得られるポリエステル樹脂1t当たりのチタン原子としての含有量が40g/樹脂tとなる量を加えることを除いて、同様の方法でポリエステル(7)を製造した。極限粘度は0.71dl/g、末端カルボキシル基量は27当量/tであった。
<ポリエステル(8)の製造法>
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸カルシウム0.09重量部を反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物に正リン酸0.04部を添加した後、三酸化アンチモン0.04部を加え、エチレングリコールに分散させた平均粒子径2.6μmのシリカ粒子0.08重量部を加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には40パスカルとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.58dl/gに相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、ポリエステルチップを得た。得られたポリエステルチップを真空下220℃にて固相重合し、極限粘度0.78dl/g、末端カルボキシル基量が8当量/tのポリエステル(8)を得た。
<ポリエステル(9)の製造法>
攪拌機付き2リッターステンレス製オートクレーブに高純度テレフタル酸とエチレングリコールを仕込み、常法に従ってエステル化反応を行い、オリゴマー混合物を得た。このオリゴマー混合物に重縮合触媒として、(1)塩基性酢酸アルミニウムを20g/lのアルミニウム化合物含有量となるように調整したエチレングリコール溶液と、(2)4Lのエチレングリコールに3、5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホン酸ジエチルを200g加えて185℃にて60分間還流下で攪拌後に冷却して得られたリン化合物のエチレングリコール溶液の混合物とを、アルミニウム元素の残存量が20ppm、リン元素の残存量が80ppmとなるように添加した。次いで、窒素雰囲気下、常圧にて250℃で10分間攪拌した。その後、60分間かけて280℃まで昇温しつつ反応系の圧力を徐々に下げて13.3Pa(0.1Torr)として、さらに280℃、13.3Pa下でポリエステルの極限粘度が0.55(dl/g)になるまで重縮合反応を行った。反応槽から取り出した溶融重縮合反応生成物は、ダイからストランド状に押出して冷却固化し、カッターで切断して1個の重さが平均粒重24mgのポリエステル樹脂チップ:ポリエステルチップ化した。ポリエステルチップの極限粘度は0.56dl/g、末端カルボキシル基量は13当量/tであった。上記の溶融重合によって得たポリエステルチップを0.5mmHgの減圧下、220℃で固相重合を行い、極限粘度が0.78dl/g、末端カルボキシル基量が7当量/tのポリエステル(9)を得た。
実施例1:
上記ポリエステル(2)およびポリエステル(3)を96:4の比率で混合したポリエステルを原料とし、1つのベント付き二軸押出機により、290℃で溶融押出し、静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定したキャスティングドラム上で急冷固化させて未延伸の単層シートを得た。得られたシートを縦方向に83℃で3.3倍延伸した後、予熱/横延伸/熱固定1/熱固定2/熱固定3/冷却の各ゾーンにおける温度[℃]を95/110/200/221/180/125℃に設定したテンターに導くことでフィルム製膜を行った。得られたフィルムの平均厚さは50μmであった。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表2に示す。
実施例2:
実施例1において、混合物中のポリエステル原料に関して、上記ポリエステル(2)、ポリエステル(3)、およびポリエステル(4)を81:4:15の比率で混合したポリエステルに変更した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表2に示す。
実施例3:
実施例1において、混合物中のポリエステル原料に関して、上記ポリエステル(2)およびポリエステル(6)を50:50の比率で混合したポリエステルに変更した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表2に示す。
実施例4:
実施例1において、熱固定2の温度に関して、226℃に変更した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表2に示す。
実施例5:
実施例1において、熱固定2の温度に関して、231℃に変更した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表2に示す。
実施例6:
実施例1において、混合物中のポリエステル原料に関して、上記ポリエステル(2)、ポリエステル(3)、実施例1において得られたポリエステルフィルムを粉砕して得られたフレークを76.8:3.2:20.0の比率で混合する以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表2に示す。
実施例7:
実施例1において、混合物中のポリエステル原料に関して、上記ポリエステル(2)およびポリエステル(7)を50:50の比率で混合したポリエステルに変更した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。フィルムに異物は観察されたが、耐加水分解性は良好だった。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表2に示す。
実施例8:
実施例1において、混合物中のポリエステル原料に関して、上記ポリエステル(8)を100%用いたポリエステルに変更した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表2に示す。
実施例9:
実施例1において、混合物中のポリエステル原料に関して、上記ポリエステル(9)およびポリエステル(3)を96:4の比率で混合したポリエステルに変更した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表2に示す。
実施例10:
実施例9において、熱固定2の温度に関して、226℃に変更した以外は、実施例9と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表2に示す。
実施例11:
実施例1において、混合物中のポリエステル原料に関して、上記ポリエステル(2)、ポリエステル(3)、およびポリエステル(4)を76:4:20の比率で混合したポリエステルに変更した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。フィルムにゲル異物は観察されたが、耐加水分解性は良好だった。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表2に示す。
実施例12:
実施例1において、熱固定2の温度に関して、210℃に変更した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの加熱収縮率は高いものの、良好な耐加水分解性を有するポリエステルフィルムを得ることができた。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表2に示す。
Figure 2012248709
比較例1:
実施例1において、混合物中のポリエステル原料に関して、上記ポリエステル(1)およびポリエステル(3)を96:4の比率で混合したポリエステルに変更した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表3に示す。下記表3に示す。
比較例2:
実施例1において、混合物中のポリエステル原料に関して、上記ポリエステル(5)のみと変更した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表3に示す。
比較例3:
実施例1において、熱固定2の温度に関して、240℃に変更した以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表3に示す。
比較例4:
実施例8において、熱固定2の温度に関して、240℃に変更した以外は、実施例8と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表3に示す。
比較例5:
実施例9において、熱固定2の温度に関して、240℃に変更した以外は、実施例9と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表3に示す。
比較例6:
実施例6において、熱固定2の温度に関して、236℃に変更した以外は、実施例6と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表3に示す。
Figure 2012248709
本発明のポリエステルフィルムは、例えば、太陽電池裏面保護用ポリエステルフィルムとして好適に利用することができる。

Claims (3)

  1. 動的粘弾性評価における損失正接(tanδ)のピークトップ温度(Tdp)が116℃以上であり、末端カルボキシル基量が26当量/t以下であり、極限粘度が0.65dl/g以上であるポリエステルフィルムからなることを特徴とする太陽電池裏面保護用ポリエステルフィルム。
  2. ポリエステルフィルム中のリン元素含有量が170ppm以下である請求項1に記載の太陽電池裏面保護用ポリエステルフィルム。
  3. ポリエステルフィルム中のチタン元素含有量が20ppm以下である請求項1または2に記載の太陽電池裏面保護用ポリエステルフィルム。
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