JP2015048404A - 二軸配向ポリエステルフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 ポリエステル分子と反応することのできる反応性官能基を有する紫外線吸収剤を用いることにより、紫外線吸収剤がポリエステルフィルムからブリードアウトするのを防止することができるポリエステルフィルムを提供する。
【解決手段】 反応性官能基を有する紫外線吸収剤を含有する二軸配向ポリステルフィルムであり、当該ポリエステルフィルムの単位厚みあたりの引裂強度が5.0mgf/μm以上であることを特徴とする二軸配向ポリエステルフィルム。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ポリエステル分子と反応する紫外線吸収剤を用いることにより、紫外線吸収剤のブリードアウトを防止することのできる二軸配向ポリエステルフィルムに関するものである。
光電変換効果を利用して光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽光発電は、クリーンエネルギーを得る手段として広く行われている。そして、太陽電池セルの光電変換効率の向上に伴って、多くの個人住宅にも太陽光発電システムが設けられるようになってきている。このような太陽光発電システムを実際のエネルギー源として用いるために、複数の太陽電池セルを電気的に直列に接続させた構成をなす太陽電池モジュールが使用されている。
太陽電池モジュールは、太陽電池フロントシート(主にガラス)/封止材(主にEVA)/光電変換層(セル部と呼ばれる)/封止材(主にEVA)/太陽電池裏面封止材、が代表的な構成例である。太陽電池裏面封止材には、例えば特許文献1に記載されているような、フッ素系フィルムを用いた技術が開示されている。しかし、フッ素系フィルムは高価であるという問題がある。
特許文献2には、安価なポリエステルフィルムと金属酸化物被着樹脂フィルムと白色樹脂フィルムからなる太陽電池裏面封止材に関する発明が記載されている。太陽電池裏面封止材には、太陽光の屋根からの照り返しによる反射光が照射されるが、当該発明の最外層のポリエステルフィルムには、耐紫外線性は考慮されていない。そのため、経時で太陽光による最外層のポリエステルフィルムの劣化が起こるという問題がある。
特許文献3には、ポリエステル分子と反応しない紫外線吸収剤を用いたポリエステルフィルムに関する発明が記載されている。当発明の紫外線吸収剤はポリエステルと反応しないため、長時間生産を行うと、紫外線吸収剤がポリエステルの非晶部分を移動してフィルム表面からロールに転写する恐れがあり、問題がある。
特開平11-186575号公報 特開2002−100788号公報 特開2012−256766号公報
本発明は、上記実情の鑑みなされたものであり、その解決課題は、ポリエステル分子と反応する紫外線吸収剤を用いることにより、紫外線吸収剤ブリードアウトを防止できるポリエステルフィルムを提供することにある。
本発明者らは、上記実状に鑑み鋭意検討した結果、特定の構成からなるポリエステルフィルムを用いることにより、上述の課題を解決できることを見いだし、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の要旨は、反応性官能基を有する紫外線吸収剤を含有する二軸配向ポリステルフィルムであり、当該ポリエステルフィルムの単位厚みあたりの引裂強度が5.0mgf/μm以上であることを特徴とする二軸配向ポリエステルフィルムに存する。
本発明によれば、紫外線吸収剤のブリードアウトを防止でき、引裂強度の良好なポリエステルフィルムを提供することができ、本発明の工業的価値は高い。
本発明のフィルムを加熱処理した後のフィルム表面写真の一例 本発明のフィルムを加熱処理した後のフィルム表面写真の二値化処理画像の一例
本発明で言うポリエステルフィルムとは、押出口金から溶融押出される、いわゆる押出法による押し出した溶融ポリエステルシートを冷却した後、延伸したフィルムである。
本発明において、ポリエステルフィルムに使用するポリエステルは、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られるものを指す。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、2,6―ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4―シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。代表的なポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン―2,6―ナフタレンジカルボキシレート(PEN)等が例示される。その中でも、ポリエチレンテレフタレート(PET)が好ましい。
原料で使用するポリエステルの極限粘度は、通常0.64dl/g以上、好ましくは0.66dl/g以上である。ポリエステルの極限粘度が0.64dl/g以上であれば、湿熱処理後において長期耐久性や耐加水分解性が良好なポリエステルフィルムが得られる。一方、ポリエステルの極限粘度の上限はないが、重縮合反応の効率、溶融押出工程での圧力上昇防止の点から0.90程度である。
本発明におけるポリエステルフィルムには、微粒子を含有させることが、フィルムの巻上げ工程、塗工工程、蒸着工程等での作業性を向上させる上で望ましい。この微粒子としてはシリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、リン酸リチウム、リン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、フッ化リチウム、酸化アルミニウム、カオリン等の無機粒子やアクリル樹脂、グアナミン樹脂等の有機粒子や触媒残差を粒子化させた析出粒子を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これら粒子の中では、一時粒子の凝集粒子である多孔質シリカ粒子が特に好ましい。多孔質シリカ粒子はフィルムの延伸時に粒子周辺にボイドが発生しにくいため、フィルムの透明性を向上させる特長を有する。
この多孔質シリカ粒子を構成する一次粒子の平均粒径は、0.001〜0.1μmの範囲のあることが好ましい。一次粒子の平均粒径が0.001μm未満では、スラリー段階で解砕により極微細粒子が生成し、これが凝集体を形成して、異物が多くなる原因となることがある。一方、一次粒子の平均粒径が 0.1μmを超えると、粒子の多孔性が失われ、その結果、ボイド発生が少ない特長が失われることがある。
さらに、凝集粒子の細孔容積は、通常0.5〜2.0ml/g、好ましくは0.6〜1.8ml/gの範囲である。細孔容積が0.5ml/g未満では、粒子の多孔性が失われ、ボイドが発生しやすくなり、フィルムの透明性が低下する傾向がある。細孔容積が2.0ml/gより大きいと、解砕、凝集が起こりやすく、粒径の調整を行うことが困難となる場合がある。
なお、本発明のポリエステルフィルム中には、上述の粒子以外に必要に応じて従来公知の酸化防止剤、熱安定剤、潤滑剤、帯電防止剤を添加することができる。
本発明におけるポリエステルフィルムに粒子を添加する方法としては、特に限定されるものではなく、公知の方法を採用し得る。例えば、ポリエステルを製造する任意の段階において添加することができるが、好ましくはエステル化の段階、もしくはエステル交換反応終了後重縮合反応開始前の段階でエチレングリコール等に分散させたスラリーとして添加し重縮合反応を進めてもよい。また、ベント付き混練押出機を用い、エチレングリコールまたは水などに分散させた粒子のスラリーとポリエステル原料とをブレンドする方法、または、混練押出機を用い、乾燥させた粒子とポリエステル原料とをブレンドする方法などによって行われる。
本発明のポリエステルフィルムは、可視光領域の光線透過率、例えば、波長500nmにおける光線透過率が70%以上であることが好ましい。すなわち、硫酸バリウムや、二酸化チタンのような白色顔料、カーボンブラックや酸化鉄のような黒色顔料、そして染料などはできる限り含有させないことが好ましい。
本発明で使用する紫外線吸収剤は、ポリエステルフィルムからのブリードを防止する観点から、押出機内でのポリエステル分子とのエステル交換により、ポリエステル分子内に組み込まれるように、ポリエステル分子と反応する官能基を有する。官能基の代表的なものとしては、アミン基、ヒドロキシル基、チオール基などが考えられるが、作業性と環境の観点から、ヒドロキシル基が望ましい。官能基の種類については、特に限定されるものではなく、単独で使用、場合によっては2種以上の併用であってもよい。
基本骨格としては、例えば、ベンゾオキサジン系、トリアジン系、ベンゾトリアゾール系等の各種の適応が可能であるが、反応性の紫外線吸収剤の代表タイプとしては、たとえば、下記の2,2’−Methylenebis[6−(2H−benzotriazol−2−yl)−4−(2−hydroxyethyl)phenol] CAS 196516−61−7を用いることができる。
紫外線吸収剤は、特に限定されるものではなく、単独で使用、場合によっては2種以上の併用であってもよい。また、ヒンダードアミン系の光安定剤との併用であってもよい。
ポリエステル中の紫外線吸収剤の含有量については、好ましくは0.3重量%以上、さらに好ましくは0.6重量%以上、特に好ましくは0.9重量%以上である。紫外線吸収剤含有量が0.3重量%を下回ると、耐紫外線性を満足しないことがある。上限に関しては、好ましくは3.0重量%、さらに好ましくは2.5重量%、特に好ましくは2.3重量%である。紫外線吸収剤含有量が3.0重量%を上回ると、ポリエステルの分子量が低下し、ポリエステルフィルムの製膜も困難となることがあり、また得られるポリエステルフィルムの引裂強度が低下する傾向がある。
本発明のポリエステルフィルムは、反応性紫外線吸収剤に加え、架橋剤を原料に添加して製膜することが、高い極限粘度を達成させる点で好ましい。架橋剤の構造について特に限定しないが、例えばエポキシ系化合物、またはカルボジイミド系化合物を使用することが好ましい。例えばエポキシ系としてはBASF社製の“ADR 4368C”、カルボジイミド系としては日清紡ケミカル社製の“HMV−8CA”、“HMV−15CA”、および“HMV−8CA”をポリエステルにあらかじめ練り込んでマスターバッチ(MB)化した“Eペレット”などが挙げられる。
本発明における架橋剤含有量は、押出機に投入する原料中の重量比で定義される。架橋剤ごとに効果の大小が異なるため、添加量を一概に限定することはできないが、架橋剤添加量が少なすぎる場合、極限粘度上昇の効果が不十分なことがあり、製膜安定化の効果が乏しい傾向がある。一方、含有量が過剰である場合、極限粘度過多により生産性が低下したりするだけでなく、ポリエステルのゲル化により、フィルム表面の平面性や透明性が損なわれ、フィルムの外観が劣る恐れがある。
本発明では、ポリエステルフィルムを製造する際に、架橋剤をポリエステルフィルム製造系に添加する方法については特に限定されないが、ポリエステルフィルム製造時に架橋剤を直接添加する方法が好ましい。
ポリエステルフィルム原料中に添加される架橋剤の形態としては、フレークや粉末など架橋剤単体の状態や、あらかじめ押出機を用いてポリエステルに練り込みペレット化したマスターバッチの状態などが挙げられるが、特に限定しない。というのも、添加する架橋剤の最適な形態は、化合物ごとに異なる可能性があるためである。架橋剤をマスターバッチ化することで、原料として取り扱い易くなるものの、マスターバッチ化の過程で反応を起こすなどして失活してしまう可能性がある。また、マスターバッチ化の条件によっても架橋剤としての活性がどれほど低下するかが変わると考えられる。そのため、架橋剤として用いる化合物各々に対し、最適な添加方法を検討することが望ましい。
本発明におけるポリエステルフィルムの極限粘度は0.55dl/g以上が好ましく、さらに好ましくは0.60dl/g、特に好ましくは0.65dl/g、最も好ましくは0.69dl/gである。極限粘度が0.55dl/gを下回ると、ポリエステルフィルム製膜時に破断が起こりやすくなり、また得られたポリエステルフィルムの引裂強度も低下しやすい傾向がある。上限については特に設けないが、0.80dl/gが現実的である。
本発明における、ポリエステルフィルムの単位厚みあたりの引裂強度の測定方法は後述する。ポリエステルフィルムの単位厚みあたりの引裂強度の下限は5.0mgf/μmであり、好ましくは7.5mgf/μmであり、さらに好ましくは10.0mgf/μmである。ポリエステルフィルムの単位厚みあたりの引裂強度が5.0mgf/μmを下回ると、ポリエステルフィルムを打ち抜き加工したときに、破れやすくなり歩留りが低下する。上限は特に設けないが、20.0mgf/μmが現実的である。
本発明のポリエステルフィルムは、ポリエステルの溶融押出機を1台用いて単層フィルムとしてもよく、2台または3台以上用いて、いわゆる共押出法により2層以上の積層フィルムとしてもよい。
以下、本発明のポリエステルフィルムの製造方法に関して具体的に説明するが、本発明の要旨を満足する限り、本発明は以下の例示に特に限定されるものではない。
すなわち、公知の手法により乾燥したまたは未乾燥のポリエステルチップ(ポリエステル成分)を混練押出機に供給し、ポリエステル成分の融点以上である温度に加熱し溶融する。次いで、溶融したポリエステルをダイから押出し、回転冷却ドラム上でガラス転移温度以下の温度になるように急冷固化し、実質的に非晶状態の未配向シートを得る。この場合、シートの平面性を向上させるため、シートと回転冷却ドラムとの密着性を高めることが好ましく、本発明においては静電印加密着法および/または液体塗布密着法が好ましく採用される。溶融押出工程においても、条件により末端カルボキシル基量が増加するので、本願発明においては、押出工程における押出機内でのポリエステルの滞留時間を短くすること、一軸押出機を使用する場合は原料をあらかじめ水分量が50(ppm)以下、好ましくは30(ppm)以下になるように十分乾燥すること、二軸押出機を使用する場合はベント口を設け、40ヘクトパスカル以下、好ましくは30ヘクトパスカル以下、さらに好ましくは20ヘクトパスカル以下の減圧を維持すること等の方法を採用する。
本発明においては、このようにして得られたシートを2軸方向に延伸してフィルム化する。延伸条件について具体的に述べると、前記未延伸シートを好ましくは縦方向に70℃〜145℃で2〜6倍に延伸し、縦1軸延伸フィルムとした後、横方向に90℃〜160℃で2〜6倍延伸を行い、180〜245℃にて熱固定工程に移る。
本発明においては、前記延伸工程においてまたはその後に、フィルムに接着性、帯電防止性、滑り性、離型性等を付与するために、フィルムの片面または両面に塗布層を形成したり、コロナ処理等の放電処理を施したりすることなどもできる。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り、この実施例に限定されるものではない。なお、フィルムの諸物性の測定および評価方法を以下に示す。
(1)単位厚みあたりの引裂強度(mgf/μm)
東洋精機製作所(株)のエルメンドルフ引裂試験装置を使用する。打ち抜き機にて、幅=76mm 長さ=63mm R=43mmのサンプル試験片を作成する。試験条件は下記とする。評価は、ポリエステルフィルム製造時の垂直方向(TD)に対して検討した。N=3回測定し、その平均値(gf)を求めた。
持ち上げ角:70
空振り角:70
引裂係数:2880
枚数:10
得られたデータを1枚当たりの引裂強度に換算する(試験時に重ねる枚数:10で除する)。得られた値をさらに、ポリエステルフィルムの厚み(μm)で除し、単位厚みあたりの引裂強度(mgf/μm)に換算する。
(2)極限粘度(dl/g)
ポリエステルチップをサンプリングする場合は粉砕する。得られたサンプルを、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の中に1.0(g/dl)となるよう精秤して添加する。120℃で10分間かけて溶解させた後、徐々に室温まで冷却させた。毛細管粘度計を用いて、溶液の流下時間、および、溶媒のみの流下時間を測定し、それらの時間比率から、Hugginsの式を用いて、極限粘度を算出した。その際、Huggins定数を0.33と仮定した。
(3)380nmにおける光線透過率評価
分光光度計(島津製作所製UV3100PC)により、ポリエステルフィルムに対し、ハロゲンランプ光源を用いてスキャン速度を低速、サンプリングピッチを1nm、光線波長300〜800nm領域で連続的に光線透過率を測定した。その測定結果より、光線波長380nmにおける光線透過率(Tuv)を読み取った。下記のように評価した。
◎:Tuv≦15%
○:15%<Tuv≦35%
△:35%<Tuv≦50%
×:50%<Tuv
(4)500nmにおける光線透過率評価
分光光度計(島津製作所製UV3100PC)により、ポリエステルフィルムに対し、ハロゲンランプ光源を用いてスキャン速度を低速、サンプリングピッチを1nm、光線波長300〜800nm領域で連続的に光線透過率を測定した。その測定結果より、光線波長500nmにおける光線透過率(Tvis)を読み取った。下記のように評価した。
○:70%<Tvis
×:70%≧Tvis
(5)耐ブリード性(BR:Bread Resistance)
ポリエステルフィルムを、ギアーオーブン(エスペック社製 GHPS−222)で150℃24時間加熱後、顕微鏡(キーエンス社製 VH−Z250R)にて300倍で観察して、ビットマップ形式で写真を保存する。得られた写真を、画像処理ソフト“Scion Image”により二値化。ソフトのThreshold値を190に設定し、写真面内の黒色部の占有率(%)を求めた。任意に選定した熱処理後ポリエステルフィルムの表面観察写真を図1に、図1を二値化処理した画像を図2に示す。下記式から算出されるBR値を耐ブリード性の評価基準として使用する。
BR(%)=(加熱処理後の黒色部面積占有率)−(加熱処理前の黒色部面積占有率) ○:0.2%>BR
△:0.5%>BR≧0.2%
×:BR>0.5%
次に以下の例で使用したポリエステル原料について説明する。
<ポリエステル(1)の製造法>
1個のスラリー調製槽、およびそれに直列に接続された2段のエステル化反応槽、および2段目のエステル化反応槽に直列に接続された3段の溶融重縮合槽からなる連続式重合装置を用い、スラリー調製槽に、テレフタル酸とエチレングリコールを重量比で100:45の割合で連続的に供給すると共に、エチルアシッドホスフェートのエチレングリコール溶液を、生成ポリエステル樹脂に対してリン原子としての含有量が4重量ppmとなる量で連続的に添加して、攪拌、混合することによりスラリーを調製し、このスラリーを、窒素雰囲気下で267℃、相対圧力100kPa、平均滞留時間4時間に設定され、反応生成物が存在する第1段目のエステル化反応槽に連続的に流量120kg/hrで供給し、次いで、第1段目のエステル化反応生成物を、窒素雰囲気下で265℃、相対圧力5kPa、平均滞留時間2時間に設定された第2段目のエステル化反応槽に連続的に移送して、さらにエステル化反応させた。その際、第2段エステル化反応槽に設けた上部配管を通じて、エチレングリコールを生成するポリエステル樹脂に対して322モル/トンになる量を連続的に供給した。この場合、第2段エステル化反応槽におけるエステル化率は97%であった。
上述のエステル化反応生成物を、移送配管を経由して第1段重縮合反応槽に連続的に供給した。このとき移送配管に設けた移送ポンプの吐出圧は500kPaであった。移送配管中のエステル化反応生成物に、酢酸マグネシウム4水和物のエチレングリコール0.6 重量%溶液を、生成ポリエステル樹脂に対してマグネシウム原子としての含有量が7重量ppmとなる量で連続的に添加した。添加配管を使用して、テトラ−n−ブチルチタネートのエチレングリコール溶液を生成ポリエステル樹脂に対してチタン原子としての含有量が4重量ppmとなる量だけ連続的に添加した。
溶融重縮合の反応条件は、第1段重縮合反応槽が269℃、絶対圧力4kPa、平均滞留時間1時間であり、第2段重縮合反応槽は274℃、絶対圧力0.4kPa、平均滞留時間0.9時間、第3段重縮合反応槽は277℃、絶対圧力0.2kPa、平均滞留時間1時間であった。第3段重縮合反応槽から取り出した溶融重縮合反応生成物は、ダイからストランド状に押出して冷却固化し、カッターで切断して1個の重さが平均粒重24mgのポリエステル樹脂チップ:ポリエステル(1)とした。ポリエステル(1)の極限粘度は0.64dl/gであった。
<ポリエステル(2)の製造法>
ポリエステル(1)を出発原料とし、窒素雰囲気下で約160℃に保持された攪拌結晶化機内に滞留時間が約60分となるようにチップが重ならないようにした状態で連続的に供給して結晶化させた後、塔型の固相重縮合装置に連続的に供給し、窒素雰囲気下215℃で、得られるポリエステル樹脂の極限粘度が0.83dl/gとなるように滞留時間を調整して固相重縮合させ、ポリエステル(2)を得た。
<ポリエステル(3)の製造法>
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール200重量部とを出発原料とし、エステル交換触媒として、酢酸マグネシウム・4水和物を得られるポリエステル樹脂1tあたりのマグネシウム含有量が46g/樹脂tとなる量で、加えて反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物を重縮合槽に移し、平均粒子径2 .5μmのシリカ粒子、エチルアシッドホスフェート、酢酸マグネシウム・4水和物、そしてテトラ−n−ブチルチタネートとの混合物からなるエチレングリコールスラリー溶液を添加し、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。なお、エチレングリコールスラリー溶液中の各化合物の量は、得られるポリエステルに対する含有量について、シリカ粒子は3.0重量%となるように、エチルアシッドホスフェートについてはリン元素量として74g/樹脂tとなるように、酢酸マグネシウム・4水和物については、マグネシウム元素量とし46g/樹脂tとなるように(エステル交換時に添加したマグネシウムも含めて、マグネシウム元素量として合計92g/樹脂tとなる)、テトラ−n−ブチルチタネートについてはチタン元素量として5g/樹脂tとなるように、調整してある。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.60に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、ポリエステル(3)を得た。極限粘度は0.60dl/gであった。
<ポリエステル原料(4)の製造法>
上記ポリエステル(2)をベント付き二軸押出機に供して、カーボンブラック(オイルファーネスブラック 平均一次粒径70nm)を20重量%となるように供給してチップ化を行い、ポリエステル(4):カーボンブラックマスターバッチペレットを得た。極限粘度は0.58dl/gであった。
実施例1:
上記ポリエステル(2)、ポリエステル(3)、反応性紫外線吸収剤として2,2’−Methylenebis[6−(2H−benzotriazol−2−yl)−4−(2−hydroxyethyl)phenol]、架橋剤として日清紡ケミカル社製カルボジイミド化合物であるHMV−15CAを、95.0:4.0:0.6:0.4の比率で混合したポリエステル混合物を、ベント付き二軸押出機に投入した。原料を二軸押出機中、290℃で溶融混練し、得られた溶融体をスリット状に押出しする。静電印加密着法を用いて表面温度を30℃に設定したキャスティングドラム上で急冷固化させて未延伸の単層シートを得た。得られたシートを縦方向に83℃で3.3倍延伸した後、予熱/横延伸/熱固定1/熱固定2/熱固定3/冷却の各ゾーンにおける温度[℃]を115/135/180/215/180/125℃に設定したテンターに導き、横方向に4.0倍延伸することで、二軸配向ポリエステルフィルムの製膜を行った。製膜速度を調整することで、フィルム厚みを50μmとした。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表1に示す。
比較例1:
実施例1において、混合物中の原料について、上記ポリエステル(2)、ポリエステル(3)、紫外線吸収剤として2−(4,6−diphenyl−1,3,5−triaziンー2−yl)−5−[(hexyl)oxy]−phenol、架橋剤として日清紡ケミカル社製カルボジイミド化合物であるHMV−15CAを、95.0:4.0:0.6:0.4の比率とすることを除いて、実施例1と同様の方法でフィルムを得た。製膜速度を調整することで、フィルム厚みを50μmとした。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表2に示す。
実施例2〜7:
実施例1において、表1に示す原料配合とすることを除き、実施例1と同様な方法でフィルムを得た。得られたフィルムの特性および評価結果を表1に示す。
比較例2〜5:
実施例1において、表2に示す原料配合とすることを除き、実施例1と同様な方法でフィルムを得た。得られたフィルムの特性および評価結果を表2に示す。
比較例6:
実施例1において、表2に示す原料配合とすることを除き、実施例1と同様な方法でフィルムを得た。尚、得られたフィルムは黒色を呈していたため、耐ブリード性の評価はできなかった。
本発明のポリエステルフィルムは、例えば、太陽電池裏面封止シート用の基材として好適に利用することができる。

Claims (1)

  1. 反応性官能基を有する紫外線吸収剤を含有する二軸配向ポリステルフィルムであり、当該ポリエステルフィルムの単位厚みあたりの引裂強度が5.0mgf/μm以上であることを特徴とする二軸配向ポリエステルフィルム。
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