JP2015134722A - ダイヤモンド材料の処理方法及び得られた製品 - Google Patents
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Abstract
【課題】あるタイプの窒素含有ダイヤモンド材料の、当該ダイヤモンド材料を特定条件にさらすと起こり得る吸収特性の変化を最小限にするためのダイヤモンド材料の制御された照射を提供すること。【解決手段】少なくとも5.5eVのエネルギーを有する放射線(典型的にUV線)への曝露及び525℃(798K)での熱処理後にその吸収特性に差異を示すダイヤモンド材料から出発し、ダイヤモンド材料内に欠陥を導入するように制御された照射を施す。制御された照射後、少なくとも5.5eVのエネルギーを有する放射線への曝露及び525℃(798K)での熱処理後の吸収特性の差異が減少する。孤立空孔の特性を示す吸収特徴を有するダイヤモンド材料をも開示する。【選択図】図6
Description
この発明は、あるタイプの窒素含有ダイヤモンド材料の、当該ダイヤモンド材料が特定条件にさらされると起こり得る吸収特性の変化に関する。特に本発明は、この変化を最小限にするための当該ダイヤモンド材料の制御された照射を含む方法に関する。本発明の好ましい方法は、化学蒸着によって作製されたダイヤモンド材料(いわゆるCVD合成ダイヤモンド材料)の制御された照射に関する。本発明は、ダイヤモンド材料自体にも関する。本発明のダイヤモンド材料の好ましい実施形態は、制御された照射にさらされたCVD合成ダイヤモンド材料に関する。
特定タイプの珍しいファンシーな色の(fancy-coloured)天然に存在するダイヤモンド(カメレオンダイヤモンドとして知られる)が知られており、これは特定条件下でその吸収特性に変化を示す。珍しく、価値があるとみなされるが、これらのダイヤモンドに関する非可逆的処理の如何なる報告も知られていない。
用語「ファンシーな色のダイヤモンド」は、ダイヤモンド材料においてより強烈かつ独特な色の確立した宝石取引分類である。
ピンクのIIa型天然ダイヤモンドも、色の変化を示すダイヤモンドの別の重要な分類を形成する。これらは、de Weerdt and van Royen (Diamond and Related Materials, 10 (2001), 474-479)によって記載されているように、紫外線(UV)照明によってピンクから褐色に変色することが示されている。ピンク色は、紫外線によって退色され、また冷却しても弱められる550nmにおけるブロードな光吸収特徴の結果である。
合成ダイヤモンド材料、特にCVD合成ダイヤモンド材料の製造においては、CVDプロセス中に合成チャンバーに供給されるガスに低濃度の窒素を添加してダイヤモンド材料をドープすることが知られている。これは窒素がCVD合成ダイヤモンド材料の成長速度を増すので有利であることは技術上周知である。CVD成長環境における低濃度の窒素の存在が、材料が成長するにつれて取り込まれる欠陥の性質と濃度に影響を与え得ることも知られている。
用語「ファンシーな色のダイヤモンド」は、ダイヤモンド材料においてより強烈かつ独特な色の確立した宝石取引分類である。
ピンクのIIa型天然ダイヤモンドも、色の変化を示すダイヤモンドの別の重要な分類を形成する。これらは、de Weerdt and van Royen (Diamond and Related Materials, 10 (2001), 474-479)によって記載されているように、紫外線(UV)照明によってピンクから褐色に変色することが示されている。ピンク色は、紫外線によって退色され、また冷却しても弱められる550nmにおけるブロードな光吸収特徴の結果である。
合成ダイヤモンド材料、特にCVD合成ダイヤモンド材料の製造においては、CVDプロセス中に合成チャンバーに供給されるガスに低濃度の窒素を添加してダイヤモンド材料をドープすることが知られている。これは窒素がCVD合成ダイヤモンド材料の成長速度を増すので有利であることは技術上周知である。CVD成長環境における低濃度の窒素の存在が、材料が成長するにつれて取り込まれる欠陥の性質と濃度に影響を与え得ることも知られている。
上述したように、この発明は、あるタイプの窒素含有ダイヤモンド材料の、当該ダイヤモンド材料を特定条件にさらすと起こり得る吸収特性の変化を最小限にするためのダイヤモンド材料の制御された照射に関する。ダイヤモンド材料の照射は技術上周知である。例えば、EP0615954及びEP0316856は、結晶に格子欠陥を形成するための電子ビーム又は中性子ビームによる合成ダイヤモンド材料の照射について記載している。その後、所定の温度範囲でダイヤモンド材料をアニールするので、窒素原子が格子欠陥と結合して、空孔に隣接した置換型窒素原子を含む色中心([N-V]色中心又は単に「N-V」と呼ばれる)のような色中心を形成する。この色中心はダイヤモンド材料に例えば紫又は赤/ピンク等の所望の色を与え得る。すなわちそれらがダイヤモンド材料に所望のファンシーな色を導入する。
同様にJohn Walkerによる“Optical Absorption and Luminescence”(“Reports on Progress in Physics”, Volume 42, 1979)は、電子ビーム照射によって結晶に格子欠陥を形成する工程、及び必要に応じた格子欠陥を結晶に含まれる窒素原子と結合させる工程を記述している。先行技術では、照射及びアニーリング工程の全目的がいわゆる色中心を生成すること、すなわちダイヤモンド材料に色を導入することである。EP0615954A及びEP0316856Aの照射及びアニールされたダイヤモンド材料は、約570nmの有意な吸収によって同定されるいわゆるN-V欠陥を含む。
同様に、www. gia.edu/research-resourcesで2009年4月30日に公表されたGIA LaboratoriesのWuyi Wangによる「CVD成長ピンクダイヤモンド(CVD Grown Pink Diamonds)」は、存在する窒素のいくらかの有意量が、黄色及び橙色の光を強く吸収するので、ピンク〜赤色を生じさせるN-V中心の形である、CVD合成ダイヤモンド材料について述べている。これらのダイヤモンド材料は、2つのEP公報(EP0615954及びEP0316856)に記載のダイヤモンド材料と同様に、とりわけ約570nmにおける強い吸収によって証明されるようにN-V中心を含む。
同様にJohn Walkerによる“Optical Absorption and Luminescence”(“Reports on Progress in Physics”, Volume 42, 1979)は、電子ビーム照射によって結晶に格子欠陥を形成する工程、及び必要に応じた格子欠陥を結晶に含まれる窒素原子と結合させる工程を記述している。先行技術では、照射及びアニーリング工程の全目的がいわゆる色中心を生成すること、すなわちダイヤモンド材料に色を導入することである。EP0615954A及びEP0316856Aの照射及びアニールされたダイヤモンド材料は、約570nmの有意な吸収によって同定されるいわゆるN-V欠陥を含む。
同様に、www. gia.edu/research-resourcesで2009年4月30日に公表されたGIA LaboratoriesのWuyi Wangによる「CVD成長ピンクダイヤモンド(CVD Grown Pink Diamonds)」は、存在する窒素のいくらかの有意量が、黄色及び橙色の光を強く吸収するので、ピンク〜赤色を生じさせるN-V中心の形である、CVD合成ダイヤモンド材料について述べている。これらのダイヤモンド材料は、2つのEP公報(EP0615954及びEP0316856)に記載のダイヤモンド材料と同様に、とりわけ約570nmにおける強い吸収によって証明されるようにN-V中心を含む。
我々は、一部の窒素ドープ合成ダイヤモンド材料、特に化学蒸着によって作製された場合の一部の窒素ドープ合成ダイヤモンド材料(CVD合成ダイヤモンド材料)も、特定条件下で色変化として観察され得る、それらの吸収特性に変化を示すことを観察した。従って、カメレオンダイヤモンドのように、我々は、該合成ダイヤモンド材料の色が色範囲によって変わり得ること、色はこの色範囲にわたって不安定であること、及びいずれの特定の時点でも観察される色はダイヤモンド材料の最近の経歴によって決まることに気付いた。例えば放射線、特に2.0eVより高いエネルギーの放射線への曝露、例えば紫外線への曝露は、一般的にあまり望ましくないとみなされる低い等級の色にダイヤモンド材料を変える傾向があるが、高温での熱処理は、一般的により望ましいとみなされる高い等級の色にダイヤモンド材料を変える傾向がある。高低の等級の色については後に本明細書で定義する。多くの用途では、ダイヤモンド材料の普通の状態が光の形の放射線にさらされる状態なので、ダイヤモンド材料の普通の色は、それらの不安定な色範囲のより低く、より望ましくない色等級に向かう傾向がある。この明細書では、ダイヤモンド材料のこの普通の色、すなわちダイヤモンド材料が放射線にさらされているか、又は最近、放射線、特に2.0eVより高いエネルギーの放射線にさらされた場合のダイヤモンド材料の色を「平衡色」と呼び、かつダイヤモンド材料の普通の状態、すなわち放射線にさらされているか、又は最近放射線にさらされた状態を「平衡状態」又は「平衡条件」と呼ぶものとする。
上述したように、CVD成長環境における低濃度の窒素の存在は、ダイヤモンド材料が成長するにつれてCVD合成ダイヤモンド材料に取り込まれる欠陥の性質と濃度に影響を及ぼし得る。
上述したように、CVD成長環境における低濃度の窒素の存在は、ダイヤモンド材料が成長するにつれてCVD合成ダイヤモンド材料に取り込まれる欠陥の性質と濃度に影響を及ぼし得る。
電子常磁性共鳴(EPR)及び光吸収分光法を用いて、低濃度の窒素が導入されるCVD成長プロセスの直接の結果としてダイヤモンド材料中に導入された欠陥の性質を研究した。成長したCVD合成ダイヤモンド材料中の窒素の存在は、成長したダイヤモンド材料の吸収スペクトルを調べることによって証明することができ、このダイヤモンド材料中の全ての欠陥の正確な性質は完全には分らないが、これらのスペクトルの解析は、成長プロセス中の低濃度の窒素の存在の結果として、成長したCVD合成ダイヤモンド材料中に存在する異なるタイプの欠陥の相対的比率の何らかの指標を与える。合成環境に添加された窒素と共に成長したCVD合成ダイヤモンド材料の典型的スペクトルは約270nmにピークを示し、このピークはダイヤモンド格子内の中性単置換型窒素(SSN)原子の存在により生じる。さらに、他の欠陥特性に対応し、かつCVD合成ダイヤモンド材料に特有のピークが約350nm及び約510nmで観察され、さらに形c×λ-3(ここで、cは定数であり、λは波長である)の上昇性背景である、いわゆる「勾配(ramp)」が観察された。これらの特徴(SNN、350nmのピーク、510nmのピーク及び勾配)の組合せが、電磁スペクトルの可視部(一般的に波長範囲380nm〜750nmにわたるとみなされる)の色に影響を及ぼし、窒素ドープCVD合成ダイヤモンド材料で普通に見られる褐色の原因であると考えられる。
実際にはこれらの特徴的吸収バンドのスペクトルの正確な幅及び位置は変化し得ることが分かった。ピーク最大値の位置は、スペクトルの二階微分を利用することによって最も簡単に確かめられる。通常は吸収スペクトルをいくつかの近似成分に分解(deconstruct)できることを見い出した。またよく分かっている成分をいずれかの記録スペクトルから差し引く(subtract)と、あまりよく分かっていない他の成分の寄与がより容易に分かるので、この分解(deconstruction)を行なうことは有用である。例えば、いずれの観察スペクトルからも標準的な合成ダイヤモンド材料のスペクトル成分を差し引くことが知られている。本ケースでは、本発明で言及するダイヤモンド材料のため、我々は以下に番号を付したパラグラフで提示し、かつ図1に示すスペクトル分解を使用した。比較の容易さのため、個々のスペクトル成分について0cm-1から以下の限界を測定する。スペクトルは800nmで0になる。
1) 270nmに通常0.05cm-1〜20cm-1の範囲内である吸収係数と、425nmに通常0.04cm-1〜1cm-1である吸収係数とがある単置換型窒素成分。
2) 3.54eV(350nm)±0.2eVに中心があり、半値全幅(FWHM)が約1eVであり、その中心における吸収スペクトルへの最大寄与が通常0.05cm-1〜8cm-1である吸収バンド。
3) 2.43eV(510nm)±0.4eVに中心があり、半値全幅(FWHM)が約1eVであり、その中心における吸収スペクトルへの最大寄与が通常0.02cm-1〜4cm-1である吸収バンド。
4) 以下の近似形:c×(波長、λ、μmで)-3(510nmにおけるこの成分の寄与が通常1.5cm-1未満であるようにc<0.2)の波長依存性を有することが分かっている、測定された吸収係数(cm-1)の小さい残存波長依存成分。
1) 270nmに通常0.05cm-1〜20cm-1の範囲内である吸収係数と、425nmに通常0.04cm-1〜1cm-1である吸収係数とがある単置換型窒素成分。
2) 3.54eV(350nm)±0.2eVに中心があり、半値全幅(FWHM)が約1eVであり、その中心における吸収スペクトルへの最大寄与が通常0.05cm-1〜8cm-1である吸収バンド。
3) 2.43eV(510nm)±0.4eVに中心があり、半値全幅(FWHM)が約1eVであり、その中心における吸収スペクトルへの最大寄与が通常0.02cm-1〜4cm-1である吸収バンド。
4) 以下の近似形:c×(波長、λ、μmで)-3(510nmにおけるこの成分の寄与が通常1.5cm-1未満であるようにc<0.2)の波長依存性を有することが分かっている、測定された吸収係数(cm-1)の小さい残存波長依存成分。
図1は、その成長基体から除去された典型的CVD合成ダイヤモンド層の吸収スペクトル(曲線B)、及びその絡まりを解いて形成され得る成分を示す。スペクトル分解の第1工程は、残存スペクトルが270nmに特徴を示さないように減じられる(scaled)、Ib型高圧高温(HPHT)合成ダイヤモンド材料のスペクトル(曲線A)のサブトラクション(subtraction)である。次に残存スペクトルの絡まりを解いてc×λ-3成分(曲線C)及び上記番号付きパラグラフ(2)及び(3)で述べた種類の2つの重なりバンド(一方は350nmに中心があり、他方は510nmに中心がある)とする。この2つの重なりバンドは図1の曲線Dとして示される。
様々な異なるプロセスを用いて成長させたCVD合成ダイヤモンド材料のUV/可視光吸収スペクトルの形は、状況により成分に合わせた異なる重み付けファクターを用いて、上記成分の合計によって特定され得ることが知られている。スペクトルの形状を特定するという目的のため、異なる成分の寄与は以下のように与えられる。
270nm:Ib型成分のピーク270nmの吸収係数は、隣接範囲235nm〜325nmに及ぶ270nmの特徴(fearure)のIb型スペクトルの両側をつなぐ傾斜基線から測定される。
350nmバンド:このバンドのピーク吸収係数寄与。
510nmバンド:このバンドのピーク吸収係数寄与。
勾配:510nmにおける吸収係数へのc×λ-3成分の寄与。
本明細書では、引用する全ての吸収係数について、スペクトルが800nmにて0cm-1で始まるようにスペクトルを正規化することによって吸収係数を測定した。
様々な異なるプロセスを用いて成長させたCVD合成ダイヤモンド材料のUV/可視光吸収スペクトルの形は、状況により成分に合わせた異なる重み付けファクターを用いて、上記成分の合計によって特定され得ることが知られている。スペクトルの形状を特定するという目的のため、異なる成分の寄与は以下のように与えられる。
270nm:Ib型成分のピーク270nmの吸収係数は、隣接範囲235nm〜325nmに及ぶ270nmの特徴(fearure)のIb型スペクトルの両側をつなぐ傾斜基線から測定される。
350nmバンド:このバンドのピーク吸収係数寄与。
510nmバンド:このバンドのピーク吸収係数寄与。
勾配:510nmにおける吸収係数へのc×λ-3成分の寄与。
本明細書では、引用する全ての吸収係数について、スペクトルが800nmにて0cm-1で始まるようにスペクトルを正規化することによって吸収係数を測定した。
本発明の方法は、特に合成ダイヤモンド材料、さらに特にCVD合成ダイヤモンド材料に適用可能である。
上述したように、明確な量の色を示すダイヤモンドは、当該分野では「ファンシー」な色のダイヤモンドとして知られる。このような明確な色を示さない他のダイヤモンド材料は、米国宝石学会(Gemological Institute of America (GIA))スケールを用いて等級付けされ得る。当該スケールは、ダイヤモンド材料をアルファベット順にD〜Zに等級付けする。GIAスケールは周知である。Dは、GIAスケールで最高等級かつ最も無色のダイヤモンド材料を表し、Zは、GIAスケールで最低等級を表す。等級Zのダイヤモンド材料は裸眼には明るい黄色に見える。より高い等級のダイヤモンド材料(GIAスケールで等級Dに近い材料)は、宝石取引でも工業用途でも一般的により低い等級のダイヤモンド材料(等級Zに近い材料)より望ましいとみなされる。ダイヤモンド材料の色がZ等級より強烈な場合、それは「ファンシー」ダイヤモンドの領域に入り、カメレオンダイヤモンドはその部分集合である。
上述したように、明確な量の色を示すダイヤモンドは、当該分野では「ファンシー」な色のダイヤモンドとして知られる。このような明確な色を示さない他のダイヤモンド材料は、米国宝石学会(Gemological Institute of America (GIA))スケールを用いて等級付けされ得る。当該スケールは、ダイヤモンド材料をアルファベット順にD〜Zに等級付けする。GIAスケールは周知である。Dは、GIAスケールで最高等級かつ最も無色のダイヤモンド材料を表し、Zは、GIAスケールで最低等級を表す。等級Zのダイヤモンド材料は裸眼には明るい黄色に見える。より高い等級のダイヤモンド材料(GIAスケールで等級Dに近い材料)は、宝石取引でも工業用途でも一般的により低い等級のダイヤモンド材料(等級Zに近い材料)より望ましいとみなされる。ダイヤモンド材料の色がZ等級より強烈な場合、それは「ファンシー」ダイヤモンドの領域に入り、カメレオンダイヤモンドはその部分集合である。
色には3つの視覚属性があり、これらは色相、明度及び彩度である。当業者はこれらの用語をよく理解している。簡潔に言えば、色相は、赤、緑、青、黄、黒若しくは白、又はそれらの中間として分類し得る色属性であり;明度は、白から始まって灰色を経て黒に進む無彩色スケールとの類似度によって定義される色属性であり;彩度は、同一明度の無彩色との差異度によって定義される色属性である。彩度は、色の強度に相当する記述用語でもある。「CIE L*a*b*色度空間」又はより簡単に「CIELAB」として知られる色の定量化システムが存在し、これはC*として知られるパラメーターで彩度を定義する。ダイヤモンド材料の色がGIAスケールに入る場合、C*値とGIA等級との関係は、ラウンド・ブリリアント・カット(round brilliant cut)(RBC)ダイヤモンドについて、該材料の全深を通じて石の軸に沿って測定された吸光度スペクトルから彩度(C*)を決定する場合はそれぞれ0=D、0.5=E、1.0=F、1.5=G、2.0=H等である。実際には、この文書でGIAスケールに基づく全ての測定は、0.5ct相当(equivalent 0.5ct)のラウンド・ブリリアント・カット宝石用原石(gemstone)についてである。C*値はファンシーな色のダイヤモンドにも適用可能である。
我々の発明は、その色がD〜ZのGIAスケール内のみに入るダイヤモンド材料、及びその色がD〜ZのGIAスケール外であり得るファンシーダイヤモンドを含め、全ての色のダイヤモンド材料に適用可能である。
物体の知覚色は、物体の透過率/吸光度スペクトル、照明光源のスペクトルパワー分布及び観察者の目の応答曲線によって決まる。以下に述べるように、この特許出願で引用するCIELAB色度座標を導いた。標準的なD65照明スペクトル並びに目の標準的な(赤、緑及び青)応答曲線を用いて(G. Wyszecki and W. S. Stiles, John Wiley, New York-London-Sydney, 1967)、平行面のある平板ダイヤモンドのCIELAB色度座標を、その透過率スペクトルから、1nmのデータ間隔で350nm〜800nmの下記関係を利用して導いた。
Sλ=波長λでの透過率
Lλ=照明のスペクトルパワー分布
xλ=目の赤応答関数
yλ=目の緑応答関数
zλ=目の青応答関数
X=Σλ[SλxλLλ]/Y0
Y=Σλ[SλyλLλ]/Y0
Z=Σλ[SλzλLλ]/Y0
ここで、Y0=ΣλyλLλ
L*=116(Y/Y0)1/3-16=明度 (Y/Y0>0.008856について)
a*=500[(X/X0)1/3-(Y/Y0)1/3] (X/X0>0.008856、Y/Y0>0.008856について)
b*=200[(Y/Y0)1/3-(Z/Z0)1/3] (Z/Z0>0.008856について)
C*=(a*2+b*2)1/2=彩度
hab=逆正接(b*/a*)=色相角
物体の知覚色は、物体の透過率/吸光度スペクトル、照明光源のスペクトルパワー分布及び観察者の目の応答曲線によって決まる。以下に述べるように、この特許出願で引用するCIELAB色度座標を導いた。標準的なD65照明スペクトル並びに目の標準的な(赤、緑及び青)応答曲線を用いて(G. Wyszecki and W. S. Stiles, John Wiley, New York-London-Sydney, 1967)、平行面のある平板ダイヤモンドのCIELAB色度座標を、その透過率スペクトルから、1nmのデータ間隔で350nm〜800nmの下記関係を利用して導いた。
Sλ=波長λでの透過率
Lλ=照明のスペクトルパワー分布
xλ=目の赤応答関数
yλ=目の緑応答関数
zλ=目の青応答関数
X=Σλ[SλxλLλ]/Y0
Y=Σλ[SλyλLλ]/Y0
Z=Σλ[SλzλLλ]/Y0
ここで、Y0=ΣλyλLλ
L*=116(Y/Y0)1/3-16=明度 (Y/Y0>0.008856について)
a*=500[(X/X0)1/3-(Y/Y0)1/3] (X/X0>0.008856、Y/Y0>0.008856について)
b*=200[(Y/Y0)1/3-(Z/Z0)1/3] (Z/Z0>0.008856について)
C*=(a*2+b*2)1/2=彩度
hab=逆正接(b*/a*)=色相角
Y/Y0、X/X0及びZ/Z0の限界外では、これらの式の修正バージョンを使用しなければならない。修正バージョンはCommission Internationale de L'Eclairage (Colorimetry (1986))によって作成された技術報告に与えられている。
光路長が異なるにつれて、所定の吸収係数スペクトルを有するダイヤモンドのa*b*座標がどのように変化するかを予測することができる。これを行なうためには、測定された吸光度スペクトルからまず反射損を差し引かなければならない。次に異なる光路長を斟酌するため吸光度を率に合わせて決め(scaled)、除外していた反射損を加え戻す。次に吸光度スペクトルを透過率スペクトルに変換し、これを用いて新たな厚さについてCIELAB座標を導く。このようにして光路長に対する色相、彩度及び明度の依存性をモデル化して、単位厚当たり所定の吸収特性を有するダイヤモンドの色が、どのように光路長に依存するかを理解することができる。
光路長が異なるにつれて、所定の吸収係数スペクトルを有するダイヤモンドのa*b*座標がどのように変化するかを予測することができる。これを行なうためには、測定された吸光度スペクトルからまず反射損を差し引かなければならない。次に異なる光路長を斟酌するため吸光度を率に合わせて決め(scaled)、除外していた反射損を加え戻す。次に吸光度スペクトルを透過率スペクトルに変換し、これを用いて新たな厚さについてCIELAB座標を導く。このようにして光路長に対する色相、彩度及び明度の依存性をモデル化して、単位厚当たり所定の吸収特性を有するダイヤモンドの色が、どのように光路長に依存するかを理解することができる。
C*(彩度)数を10のC*単位の彩度範囲に分割し、以下のように記述用語を割り当てることができる。
0-10 弱い
10-20 弱い〜中程度
20-30 中程度
30-40 中程度〜強い
40-50 強い
50-60 強い〜非常に強い
60-70 非常に強い
70-80+ 非常に非常に強い
0-10 弱い
10-20 弱い〜中程度
20-30 中程度
30-40 中程度〜強い
40-50 強い
50-60 強い〜非常に強い
60-70 非常に強い
70-80+ 非常に非常に強い
上述したように、我々は、あるCVDダイヤモンド材料の色が色範囲によって異なることがあり、色はこの色範囲にわたって不安定であることを観察し、かついずれの特定時点で観察された色もダイヤモンド材料の最近の経歴に左右されることを観察した。
驚くべきことに、我々は、照射(制御様式で行なわれる)を利用して、上記先行技術で利用されているように色を導入するのはなく、ダイヤモンド材料が存在し得る色範囲を減少させる得ることを見い出した。これは、制御された照射は、その環境条件又はその最近の熱的/照明経歴に関係なく、ダイヤモンド材料の色を安定化する傾向があることを意味する。好ましい実施形態において、我々は色を安定化できるのみならず、平衡色(前記定義どおり)をも改善できることを見い出した。この改善するとは、制御された照射処理にさらされたダイヤモンド材料の平衡色がより高い色等級である(GIAスケールのDに近い及び/又はより低いC*値を有する)、すなわち制御された照射前の同ダイヤモンド材料の平衡色より一般的に望ましい色とみなされる色を有する(又は色が無い)ことを意味する。
驚くべきことに、我々は、照射(制御様式で行なわれる)を利用して、上記先行技術で利用されているように色を導入するのはなく、ダイヤモンド材料が存在し得る色範囲を減少させる得ることを見い出した。これは、制御された照射は、その環境条件又はその最近の熱的/照明経歴に関係なく、ダイヤモンド材料の色を安定化する傾向があることを意味する。好ましい実施形態において、我々は色を安定化できるのみならず、平衡色(前記定義どおり)をも改善できることを見い出した。この改善するとは、制御された照射処理にさらされたダイヤモンド材料の平衡色がより高い色等級である(GIAスケールのDに近い及び/又はより低いC*値を有する)、すなわち制御された照射前の同ダイヤモンド材料の平衡色より一般的に望ましい色とみなされる色を有する(又は色が無い)ことを意味する。
我々の観察は、GIAスケールに基づく色等級の窒素含有CVD合成ダイヤモンド材料ラウンド・ブリリアント、特に範囲F〜Zの出発色等級(C*スケールの1〜11に相当する)を有する窒素含有CVD合成ダイヤモンドラウンド・ブリリアント、特にGIAスケールの範囲I〜Kの出発色等級(C*スケールの2.5〜3.99に相当する)を有する窒素含有CVD合成ダイヤモンド材料では、放射線、特にUV線への曝露は、ダイヤモンド材料のより低い(すなわちGIA色スケールのD等級から離れる)色等級への色変化をもたらすが、例えば525℃の温度で1時間の熱処理は、ダイヤモンド材料の色を反対方向のより高い、通常は望ましい(すなわちGIA色スケールのD等級に向かう)色等級に変えることを示した。例えば出発色等級K(C* 3.5〜3.99)のCVD合成ダイヤモンドラウンド・ブリリアントでは、20分間のUV線への曝露は、より低い色等級L(C* 4〜4.49)への色変化をもたらすが、引き続き1時間の525℃への加熱は、より高い等級I(C* 2.5〜2.99)への色変化をもたらし、すなわち全体の色等級差はLからI(すなわちGIAスケールでは3色等級差、1.5のC*変化に相当する)である。全体として、いずれの所定のCVD合成ダイヤモンドサンプルでも、放射線にさらしてから熱処理すると、全体的な色等級の変化は、GIAスケールに基づいて測定した場合、1まで、2まで、3まで、4まで、5まで、6までさえ色等級が変化し得る(0.5、1、1.5、2、2.5まで又は3までさえのC*変化に相当する)ことを観察した。
同様にファンシーダイヤモンド(C*>11)については、少なくとも0.5の変化、又は一部の実施形態では、放射線への曝露、次いで熱処理の結果、C*値の少なくとも1又は1.5又は2の変化、4、5まで又は6までさえの変化が起こり得る。
同様にファンシーダイヤモンド(C*>11)については、少なくとも0.5の変化、又は一部の実施形態では、放射線への曝露、次いで熱処理の結果、C*値の少なくとも1又は1.5又は2の変化、4、5まで又は6までさえの変化が起こり得る。
一部の用途では、放射線(例えば光)への曝露及び加熱による合成ダイヤモンド材料のこの色の変化、及び電磁気スペクトルの吸収特性の随伴変化が望ましくない。さらに明らかになるように、合成ダイヤモンド材料の観察された色は、ダイヤモンド材料内の吸収を生じさせる特有の欠陥(特有の電子配置を有する)と関係があるが、色の不安定性は、結晶格子内のこれらの同欠陥間の電荷移動と関係があり得、これらの電荷移動効果が吸収スペクトルを変更する。実際には、2.0eVより高いエネルギーのいずれの放射線へのダイヤモンド材料の曝露もスペクトルの可視部内の吸収の増加につながり、ダイヤモンド材料の色をより低い(一般的に望ましくないとみなされる)色等級(妥当な場合はGIAスケールのZにより近い、及び/又はより高いC*値)に変えることとなる。単純な低温(約500℃)熱処理によってこの増加を排除できるが、ほとんどの普通の用途では一般的にダイヤモンド材料は2.0eVより高いエネルギーの放射線(例えば太陽光、蛍光室内光など)にさらされるであろう。これは、これらの普通の用途ではダイヤモンド材料は常に、スペクトルの可視部内におけるダイヤモンド材料の吸収を増やし、より低い、一般的により望ましくないとみなされる色等級(GIAスケールが適用可能な場合はZにより近く、及び/又はより高いC*値)をもたらす当該特有の欠陥及び関連する特有の電子配置を含む状態に追いやられていることを意味する。上述したように、放射線、特に2.0eVより高いエネルギーの放射線にダイヤモンド材料がさらされているか、又は最近さらされた場合のダイヤモンド材料のこの「普通」の状態を「平衡状態」又は「平衡条件」と呼び、この状態のダイヤモンド材料の色を「平衡色」と呼ぶ。
ダイヤモンド材料が色の不安定性を示す場合、これは用途によっては望ましくないことがある。同様に「平衡条件」は、ダイヤモンド材料が不安定である色範囲にわたって最も高い吸収に対応するという事実もいくつかの用途では望ましくない。
ダイヤモンド材料が色の不安定性を示す場合も、以前に説明したように、これは材料のキャリア特性(例えばキャリア移動度)にも影響を与え、ひいては材料がダイヤモンド材料の経歴に左右される不定のキャリア移動度を示す可能性がある。用途によってはキャリア移動度の不安定性、例えば、ダイヤモンド材料の他の電子特性における関連する不安定性が望ましくないことがある。
色の不安定性及び/又はキャリア特性の不安定性、及び/又はダイヤモンド材料の平衡条件が、ダイヤモンド材料が不安定である色範囲にわたって最も高い吸収に対応する傾向が望ましくない用途の例としては以下のものが挙げられる。
(i)ラマンレーザーのような特定の光学用途で使用されるか又は吸収が最小限であり、かつ安定していることが望ましい225nm〜1600nmの範囲を作動する高出力レーザーの受動光学素子として使用されるダイヤモンド材料用。
(ii)ダイヤモンド材料製の電子デバイスでは、重要な性能指標はキャリア移動度に関連する。高濃度のイオン化(荷電した)不純物を含む材料ではキャリア散乱によって移動度が減少する。これらのイオン化不純物の数とタイプを変えることとなり得るいずれのプロセスも、不安定な電子デバイスをもたらし得るので望ましくない。
(iii)天然のファンシーダイヤモンドの分野では、いくつかの例外はあるが、装飾目的で使用するダイヤモンドでは、色の不安定性を示すため、特にこのようなダイヤモンドの等級付けに伴う困難さに関連して望ましくない。
放射線への曝露及び/又は熱処理によってCVD合成ダイヤモンド材料で観察される色変化は、ダイヤモンド材料内の1つ以上の欠陥の電荷状態の変化に起因すると考えられる。
この電荷状態の変化は、ダイヤモンド格子内で起こる電子その他の電荷移動効果から生じると考えられる。従って、我々が観察する色の不安定性は、これらの電子その他の電荷移動に起因すると考えられる。
ダイヤモンド材料が色の不安定性を示す場合も、以前に説明したように、これは材料のキャリア特性(例えばキャリア移動度)にも影響を与え、ひいては材料がダイヤモンド材料の経歴に左右される不定のキャリア移動度を示す可能性がある。用途によってはキャリア移動度の不安定性、例えば、ダイヤモンド材料の他の電子特性における関連する不安定性が望ましくないことがある。
色の不安定性及び/又はキャリア特性の不安定性、及び/又はダイヤモンド材料の平衡条件が、ダイヤモンド材料が不安定である色範囲にわたって最も高い吸収に対応する傾向が望ましくない用途の例としては以下のものが挙げられる。
(i)ラマンレーザーのような特定の光学用途で使用されるか又は吸収が最小限であり、かつ安定していることが望ましい225nm〜1600nmの範囲を作動する高出力レーザーの受動光学素子として使用されるダイヤモンド材料用。
(ii)ダイヤモンド材料製の電子デバイスでは、重要な性能指標はキャリア移動度に関連する。高濃度のイオン化(荷電した)不純物を含む材料ではキャリア散乱によって移動度が減少する。これらのイオン化不純物の数とタイプを変えることとなり得るいずれのプロセスも、不安定な電子デバイスをもたらし得るので望ましくない。
(iii)天然のファンシーダイヤモンドの分野では、いくつかの例外はあるが、装飾目的で使用するダイヤモンドでは、色の不安定性を示すため、特にこのようなダイヤモンドの等級付けに伴う困難さに関連して望ましくない。
放射線への曝露及び/又は熱処理によってCVD合成ダイヤモンド材料で観察される色変化は、ダイヤモンド材料内の1つ以上の欠陥の電荷状態の変化に起因すると考えられる。
この電荷状態の変化は、ダイヤモンド格子内で起こる電子その他の電荷移動効果から生じると考えられる。従って、我々が観察する色の不安定性は、これらの電子その他の電荷移動に起因すると考えられる。
本発明を決して限定するものではないが、放射線への曝露及び加熱によって色を変える電荷移動効果について考えられる説明は以下のとおりである。中性の単置換型窒素原子(Ns 0)は電子供与体として作用する。Ns 0サイトからの電子の熱的又は光学的励起は、それぞれ加熱又は放射線曝露の結果として起こり、励起された電子はダイヤモンド構造の何らかの他種類の欠陥に捕捉される。この欠陥サイトを「X」と呼ぶものとする。この電荷移動効果を以下のように書くことができる。
我々は、放射線、特に2.0eVより高いエネルギーの放射線、さらに詳しくはUV線へのダイヤモンドの曝露が、上式を左に移動させ、結果としてダイヤモンド材料の吸収スペクトルに、より低い色等級となる(例えばGIAスケールのZにより近く、より高いC*値に相当する)変化をもたらし;一方でダイヤモンド材料の熱処理は、上式を右に移動させ、結果としてダイヤモンド材料の吸収スペクトルに、より高い色等級となる(例えばGIAスケールのDにより近く、より低いC*値に相当する)変化をもたらすと考える。ダイヤモンド材料で観察される色は、ダイヤモンド格子内の欠陥Xの存在と関係があり、荷電した欠陥X-は、無色の状態、又は少なくともより無色の状態と関係があると考えられる。
詳細には、本明細書ではXを用いて、電荷移動プロセスで発生する、窒素ドープCVD合成ダイヤモンド材料中の未知の欠陥を網羅する。これらの欠陥は、350nm、510nm及び勾配成分の1つ又はいくつかの組合せによって特徴づけられる可視吸収特徴の原因であると考えられる。
詳細には、本明細書ではXを用いて、電荷移動プロセスで発生する、窒素ドープCVD合成ダイヤモンド材料中の未知の欠陥を網羅する。これらの欠陥は、350nm、510nm及び勾配成分の1つ又はいくつかの組合せによって特徴づけられる可視吸収特徴の原因であると考えられる。
本発明の第1の態様は、下記工程:
a) 窒素含有ダイヤモンド材料であって、その吸収特性の少なくとも1つに、第1の状態と第2の状態で測定可能な差異を示し、前記第1の状態は少なくとも5.5eVのエネルギーを有する放射線への曝露後の状態であり、前記第2の状態は525℃(798K)での熱処理後の状態である、前記窒素含有ダイヤモンド材料を用意する工程、
b) 前記窒素含有ダイヤモンド材料の制御された照射によって前記窒素含有ダイヤモンド材料を処理して、下記吸収係数:
(i) 741nmの波長で少なくとも0.01cm-1、多くても1cm-1の、-196℃(77K)で測定された吸収係数;及び
(ii) 394nmの波長で少なくとも0.01cm-1、多くても0.5cm-1の、-196℃(77K)で測定された吸収係数
の一方又は両方を生じさせるのに十分な欠陥を前記ダイヤモンド材料に導入する工程
を含む方法であって、
これによって、前記用意されたダイヤモンドと同じ放射線及び熱処理にさらされた、前記照射処理されたダイヤモンド材料の前記吸収特性における前記第1の状態と第2の状態で測定可能な差異が、前記用意されたダイヤモンド材料の前記吸収特性における前記第1の状態と第2の状態で測定可能な差異と比べて減少する、
前記方法を提供する。
a) 窒素含有ダイヤモンド材料であって、その吸収特性の少なくとも1つに、第1の状態と第2の状態で測定可能な差異を示し、前記第1の状態は少なくとも5.5eVのエネルギーを有する放射線への曝露後の状態であり、前記第2の状態は525℃(798K)での熱処理後の状態である、前記窒素含有ダイヤモンド材料を用意する工程、
b) 前記窒素含有ダイヤモンド材料の制御された照射によって前記窒素含有ダイヤモンド材料を処理して、下記吸収係数:
(i) 741nmの波長で少なくとも0.01cm-1、多くても1cm-1の、-196℃(77K)で測定された吸収係数;及び
(ii) 394nmの波長で少なくとも0.01cm-1、多くても0.5cm-1の、-196℃(77K)で測定された吸収係数
の一方又は両方を生じさせるのに十分な欠陥を前記ダイヤモンド材料に導入する工程
を含む方法であって、
これによって、前記用意されたダイヤモンドと同じ放射線及び熱処理にさらされた、前記照射処理されたダイヤモンド材料の前記吸収特性における前記第1の状態と第2の状態で測定可能な差異が、前記用意されたダイヤモンド材料の前記吸収特性における前記第1の状態と第2の状態で測定可能な差異と比べて減少する、
前記方法を提供する。
ダイヤモンド材料がその吸収特性に測定可能な差異を示すと言う場合、記録できるいずれの差異をも包含する。これには、例えば種々の波長でのダイヤモンド材料の数値的吸収係数、及び目に見える変化、例えば裸眼、又は拡大機器の助けを借りて観察し得る色の変化が含まれる。
CVDダイヤモンド材料を実際に成長させる工程は、本発明の実施形態の方法の一部を形成しても形成しなくてもよい。CVDダイヤモンド材料を用意する工程は、CVDダイヤモンド材料を成長させる工程を意味することもあり、或いは単に予め成長したCVDダイヤモンド材料を選択する工程を意味することもある。
「制御された照射」とは、下記吸収係数:
(i) 741nmの波長で少なくとも0.01cm-1、多くても1cm-1の、-196℃(77K)で測定された吸収係数;及び
(ii) 394nmの波長で少なくとも0.01cm-1、多くても0.5cm-1の、-196℃(77K)で測定された吸収係数
の一方又は両方を生じさせるようにダイヤモンド材料に前記十分な欠陥を導入するような量の照射を施すことを意味する。
CVDダイヤモンド材料を実際に成長させる工程は、本発明の実施形態の方法の一部を形成しても形成しなくてもよい。CVDダイヤモンド材料を用意する工程は、CVDダイヤモンド材料を成長させる工程を意味することもあり、或いは単に予め成長したCVDダイヤモンド材料を選択する工程を意味することもある。
「制御された照射」とは、下記吸収係数:
(i) 741nmの波長で少なくとも0.01cm-1、多くても1cm-1の、-196℃(77K)で測定された吸収係数;及び
(ii) 394nmの波長で少なくとも0.01cm-1、多くても0.5cm-1の、-196℃(77K)で測定された吸収係数
の一方又は両方を生じさせるようにダイヤモンド材料に前記十分な欠陥を導入するような量の照射を施すことを意味する。
我々は、本明細書にとって興味のあるダイヤモンド材料では、放射線への曝露がダイヤモンド材料の吸収特性の少なくとも1つを変え、その変化は曝露時間が増加するにつれて増加してから、一定時間の曝露後に横ばいになる(levelling)ことを観察した。この「横ばい状態(levelling off)」が生じる時点は、放射線の強度とそのエネルギーによって決まる。好ましくは、本発明の方法で処理したダイヤモンド材料の価値のある比較をするため、前記放射線への曝露時間は、前記吸収特性に実質的にさらなる測定可能な変化が起こらないことが分かるまでである。例えば、その色がGIAスケールの1つであるダイヤモンド材料では、曝露時間は好ましくは、例えば連続測定がGIAスケールに基づく色のさらなる変化を示さないように、ダイヤモンド材料がGIAスケールの色等級にさらなる変化を示さなくなるまでである。別の尺度として、曝露時間は好ましくは、例えばダイヤモンド材料についての連続測定が0.5未満、好ましくは0.4未満、さらに好ましくは0.3未満、0.2若しくは0.1未満でさえのC*の変化を示すように、そのC*値のさらなる変化を実質的に示さなくなるまでである。例えば、毎時、又は20分毎、又は2分毎、又は毎分又は30秒毎に連続測定を行なってよい。
使用時には、ダイヤモンド材料を5.5eV未満、例えば4.5eV未満又は3.5eV未満又は2.5eV未満でさえの放射線にさらしてよく、一部のダイヤモンド材料では、このより低波長曝露が、安定化することが望ましいその吸収特性に変化をもたらすこともあろう。このようなダイヤモンド材料は、5.5eVより高いエネルギーを有する放射線にさらされた時にもその吸収特性に変化を示すであろう。この明細書では、放射線にさらされた時にその吸収特性に変化を示すダイヤモンド材料の最も広い範囲を包含するために5.5eVという値を規定する。
当業者は、電磁線の光子以外の荷電粒子は、エネルギーが>5.5eVの電子正孔対をダイヤモンド格子内に導入することもでき、ひいては吸収特性に影響を与え得ることを認めるであろう。例としてβ及びα粒子を挙げることができる。この考察の残りは光子の使用に焦点を絞るが、この励起源が本発明を限定するものと考えるべきでなく、本発明における少なくとも5.5eVのエネルギーの放射線への言及は、その最も広い範囲に5.5eVより高いエネルギーの光子以外の電磁線の荷電粒子を含める。
当業者は、電磁線の光子以外の荷電粒子は、エネルギーが>5.5eVの電子正孔対をダイヤモンド格子内に導入することもでき、ひいては吸収特性に影響を与え得ることを認めるであろう。例としてβ及びα粒子を挙げることができる。この考察の残りは光子の使用に焦点を絞るが、この励起源が本発明を限定するものと考えるべきでなく、本発明における少なくとも5.5eVのエネルギーの放射線への言及は、その最も広い範囲に5.5eVより高いエネルギーの光子以外の電磁線の荷電粒子を含める。
同様に我々は、本明細書にとって興味があるダイヤモンド材料では、熱処理が吸収特性の少なくともいくつかを変え、この変化は熱処理時間が増加するにつれて増加し、一定時間の熱処理後に横ばいになることを観察した。この「横ばい状態」が生じる時点は、とりわけ熱処理の温度、及びダイヤモンド材料の性質によって決まる。好ましくは、熱処理時間は、前記吸収特性に実質的にさらなる測定可能な変化が起こらないことが分かるまでである。例えば、測定されたC*=3の合成ダイヤモンド0.5ctのラウンド・ブリリアントでは、熱処理時間は好ましくは、例えば連続測定がGIAスケールに基づく色のさらなる変化を示さないように、ダイヤモンド材料がGIAスケールの色等級にさらなる変化を示さなくなるまでである。別の尺度として、熱処理時間は好ましくは、例えばダイヤモンド材料についての連続測定が0.5未満、好ましくは0.4未満、さらに好ましくは0.3未満、0.2若しくは0.1未満でさえのC*の変化を示すように、そのC*値のさらなる変化を実質的に示さなくなるまでである。前述同様に、例えば、毎時、又は30分毎、又は10分毎、又は2分毎、又は毎分又は30秒毎に連続測定を行なってよい。
使用時には、ダイヤモンド材料を様々な長さの時間高温にさらしてよく、これらの高温は525℃未満であってよいが、それでもなおダイヤモンド材料に吸収特性の変化をもたらす。例えば少なくとも150℃、少なくとも200℃、少なくとも250℃、少なくとも400℃、又は少なくとも450℃の高温への30分間、1時間、5時間、10時間又は24時間、又は1週間でさえさらすと、一部のダイヤモンド材料では、安定化することが望ましいその吸収特性に変化をもたらすことがある。このようなダイヤモンド材料は、525℃で熱処理した時にもその吸収特性に変化を示すであろう。この明細書では、高温にさらされた時にその吸収特性に変化を示す合成ダイヤモンド材料の最も広い範囲を包含するために525℃での熱処理という記述を規定する。
従って、ダイヤモンド材料が少なくとも5.5eVのエネルギーの放射線及び525℃での熱処理にさらされた時に少なくとも1つの吸収特性に変化を示すことが明らかになれば、それは、たとえ使用時にこのような高い温度又はこのような高いエネルギーの光その他の電磁線にさらされないとしても、本発明の方法に従う制御された照射の利益を享受するであろうダイヤモンド材料である。
従って、ダイヤモンド材料が少なくとも5.5eVのエネルギーの放射線及び525℃での熱処理にさらされた時に少なくとも1つの吸収特性に変化を示すことが明らかになれば、それは、たとえ使用時にこのような高い温度又はこのような高いエネルギーの光その他の電磁線にさらされないとしても、本発明の方法に従う制御された照射の利益を享受するであろうダイヤモンド材料である。
ダイヤモンド材料の第1の状態と第2の状態におけるその吸収特性の差異を照射工程がなぜ減少させる(例えば色を安定化する)かは完全には分からないが、制御された照射は、ダイヤモンドの結晶格子内に、引き続きUV線又は熱処理によって励起される電子/正孔の代替供与体/受容体(X欠陥に代わるもの)として作用し、これによって、制御された照射によるダイヤモンド材料の処理前のダイヤモンド材料内で活性があった光学サイトへの電荷移動を実質的に阻止するか、或いは少なくとも減少させるか又は最小限にするためであると考えられる。
本発明によれば、用意された窒素含有ダイヤモンド材料は、第1の状態と第2の状態におけるその吸収特性の少なくとも1つに測定可能な差異を示す。好ましくはダイヤモンド材料の大部分の体積がこの測定可能な差異を示す。ダイヤモンド材料の大部分の体積とは、ダイヤモンド材料の体積全体の少なくとも55%、好ましくは少なくとも80%、最も好ましくは少なくとも95%を意味する。
ダイヤモンド格子内に侵入型及び空孔の生成をもたらすいずれの手段によっても欠陥を導入することができる。当業者は、これを達成するためのいくつかの異なる経路を知っているであろう。最も一般的な経路は、電子、中性子又はγ光子の1つ又はいくつかの組合せを使用することである。従って本発明の好ましい方法では、電子、中性子又はγ光子の1つ以上によって制御された照射を行なう。
本発明によれば、用意された窒素含有ダイヤモンド材料は、第1の状態と第2の状態におけるその吸収特性の少なくとも1つに測定可能な差異を示す。好ましくはダイヤモンド材料の大部分の体積がこの測定可能な差異を示す。ダイヤモンド材料の大部分の体積とは、ダイヤモンド材料の体積全体の少なくとも55%、好ましくは少なくとも80%、最も好ましくは少なくとも95%を意味する。
ダイヤモンド格子内に侵入型及び空孔の生成をもたらすいずれの手段によっても欠陥を導入することができる。当業者は、これを達成するためのいくつかの異なる経路を知っているであろう。最も一般的な経路は、電子、中性子又はγ光子の1つ又はいくつかの組合せを使用することである。従って本発明の好ましい方法では、電子、中性子又はγ光子の1つ以上によって制御された照射を行なう。
ダイヤモンド格子にエネルギーが付与されると、起こり得る結果が4つある。第1に、格子は損傷を受けず、移動したエネルギーが光子の形で消散され得る。第2に、炭素原子は一時的にその格子位置から移動し得るが、その元の位置から遊離したままであるのに十分なエネルギーがなければ、再結合が起こり得る。第3に、炭素原子が新しい侵入サイトに移動し、こうして空孔を作り出し得る。この空孔-侵入型対はフレンケル(Frenkel)欠陥として知られる。第4に、炭素原子がその格子位置から移動するのに十分なエネルギーを受け、他の炭素原子をそれらの格子位置から退かせ、損傷のカスケードを生じさせて多数の侵入型及び空孔をもたらし得る。当該分野では、中性空孔をV0と呼び、負に荷電した空孔をV-と呼ぶ。
損傷のタイプ、濃度及び深さに影響を与える因子には、(a)生成される欠陥の濃度に主影響を与える照射/注入線量、(b)損傷の深さ及び点損傷又は広範なカスケード損傷があるかに影響を与える損傷粒子のエネルギー、(c)サンプルの型(例えばIb型ダイヤモンド材料の損傷生成速度はIIa型ダイヤモンド材料より約7倍速い)、(d)照射を行なう温度(これは形成される欠陥の型(例えばサンプル温度が227℃(500K)を超える場合)と欠陥の濃度の両方に影響を与える)が含まれる。サンプル温度を慎重に制御しなければ、照射プロセス自体がin-situアニーリングプロセスにつながる可能性がある。これは、大きなビーム電流/流量を使用する場合に特に問題である。
照射中、サンプル温度を好ましくは400℃未満の温度で維持する。いくつかの好ましい実施形態では、サンプル温度を好ましくは300℃未満、又は250℃未満、200℃未満、150℃未満、100℃未満、80℃未満、50℃未満、30℃未満の温度で維持する。いくつかの好ましい実施形態では、サンプル温度を好ましくは-200℃(すなわちマイナス200℃)以上、好ましくは-150℃(すなわちマイナス150℃)以上の温度で維持する。
ダイヤモンド材料では、741nm及び/又は394nmにおける吸収特性が照射によって導入された欠陥の特性であり、本明細書ではさらに詳細に後述する。一般に、ダイヤモンド材料を照射すると、照射線量が高いほど741nm及び/又は394nmにおける吸収係数が高い。
損傷のタイプ、濃度及び深さに影響を与える因子には、(a)生成される欠陥の濃度に主影響を与える照射/注入線量、(b)損傷の深さ及び点損傷又は広範なカスケード損傷があるかに影響を与える損傷粒子のエネルギー、(c)サンプルの型(例えばIb型ダイヤモンド材料の損傷生成速度はIIa型ダイヤモンド材料より約7倍速い)、(d)照射を行なう温度(これは形成される欠陥の型(例えばサンプル温度が227℃(500K)を超える場合)と欠陥の濃度の両方に影響を与える)が含まれる。サンプル温度を慎重に制御しなければ、照射プロセス自体がin-situアニーリングプロセスにつながる可能性がある。これは、大きなビーム電流/流量を使用する場合に特に問題である。
照射中、サンプル温度を好ましくは400℃未満の温度で維持する。いくつかの好ましい実施形態では、サンプル温度を好ましくは300℃未満、又は250℃未満、200℃未満、150℃未満、100℃未満、80℃未満、50℃未満、30℃未満の温度で維持する。いくつかの好ましい実施形態では、サンプル温度を好ましくは-200℃(すなわちマイナス200℃)以上、好ましくは-150℃(すなわちマイナス150℃)以上の温度で維持する。
ダイヤモンド材料では、741nm及び/又は394nmにおける吸収特性が照射によって導入された欠陥の特性であり、本明細書ではさらに詳細に後述する。一般に、ダイヤモンド材料を照射すると、照射線量が高いほど741nm及び/又は394nmにおける吸収係数が高い。
我々は、所要の制御量の照射は、741nmの波長(これは当該分野ではGR1固有波長として知られる)で少なくとも0.01cm-1、多くても1cm-1の、-196℃(77K)で測定された吸収係数、及び/又は394nmの波長(これは当該分野ではND1固有波長として知られる)で少なくとも0.01cm-1、多くても0.5cm-1の、-196℃(77K)で測定された吸収係数を生じさせるのに十分な侵入型欠陥をダイヤモンド材料に導入する照射であることを見い出した。
この明細書で列挙するこれらの係数の最大値は、それら自体が測定可能な吸収を強めてダイヤモンド体の色を歪めるポイントを規定し、最小値は、照射によって式1の電荷移動プロセスと競合するのに十分な追加欠陥が生成され、かつその第1の状態と第2の状態におけるその吸収特性の測定可能な差異が減少するダイヤモンド材料を生じさせるポイントである。
この明細書で列挙するこれらの係数の最大値は、それら自体が測定可能な吸収を強めてダイヤモンド体の色を歪めるポイントを規定し、最小値は、照射によって式1の電荷移動プロセスと競合するのに十分な追加欠陥が生成され、かつその第1の状態と第2の状態におけるその吸収特性の測定可能な差異が減少するダイヤモンド材料を生じさせるポイントである。
741nmの波長(いわゆるGR1固有波長)における少なくとも0.01cm-1、多くても1cm-1の吸収係数は、少なくとも4十億分率(ppb)、多くても0.15百万分率(ppm)の、V0の濃度に相当する。394nmの波長(いわゆるND1固有波長)における少なくとも0.01cm-1、多くても0.5cm-1の吸収係数は、少なくとも1ppb、多くても0.2ppmの、V-の濃度に相当する。ダイヤモンド材料の吸収スペクトルからピーク面積を積分し、かつ濃度を計算するための比較用に公表されている係数を用いて周知の標準的方法で空孔濃度(ppm)を計算する。本明細書で空孔濃度の計算のために使用する係数は、下表Aに詳細を示すように、G. DaviesによってPhysica B, 273-274 (1999)に示されている当該係数である。
表A
表A中、「A」は、-196℃(77K)で測定された、cm-1での吸収係数及びmeVでの光子エネルギーを有する遷移のゼロフォノンラインの積分吸収(meV cm-1)である。欠陥の濃度は、cm-3の濃度である。
電子の好ましい照射線量は、少なくとも1×1015電子/cm2、及び/又は好ましくは多くても2×1017電子/cm2、さらに好ましくは少なくとも5×1015の電子フルエンス(fluence)及び/又は好ましくは多くても4×1016電子/cm2(ここで、「電子/cm2」を「e/cm2」と略記することがある)に相当する。当業者は、所要の最小及び最大線量がダイヤモンド材料の出発特性に左右されることを認めるであろう。簡単な例として、より高い濃度のN及びXを含むダイヤモンドサンプルは、より低い濃度を含むサンプルより高い線量を要するであろう。典型的に、4.5MeVの電子ビームを用いて照射を行なうことができる。それは0.5mA〜400mAの範囲、例えば20mAの電流をもたらし得る。照射は10秒〜100時間、例えば約2分間施してよい。例として、2分間流した20mAの電流による4.5MeVの電子ビームは3.2×1016電子/cm2の線量をもたらす。ダイヤモンド材料の厚さ全体に実質的に均一な損傷分布を付与するのに十分にエネルギーが高いことが好ましい。この明細書で引用する全ての線量/エネルギーは、この推定に基づいているが、原則としてより低いエネルギー、特により低いエネルギーの分布を用いて本発明を成立させることができる。
我々は、所望の電子フルエンスを達成するための照射時間が好ましくは10秒〜10時間、さらに一般的には10秒〜2又は3時間の範囲であることを見い出した。
いずれの適切な圧力でも照射処理を行なってよく、大気圧又はその近傍の圧力で行なうのが便利である。
電子の好ましい照射線量は、少なくとも1×1015電子/cm2、及び/又は好ましくは多くても2×1017電子/cm2、さらに好ましくは少なくとも5×1015の電子フルエンス(fluence)及び/又は好ましくは多くても4×1016電子/cm2(ここで、「電子/cm2」を「e/cm2」と略記することがある)に相当する。当業者は、所要の最小及び最大線量がダイヤモンド材料の出発特性に左右されることを認めるであろう。簡単な例として、より高い濃度のN及びXを含むダイヤモンドサンプルは、より低い濃度を含むサンプルより高い線量を要するであろう。典型的に、4.5MeVの電子ビームを用いて照射を行なうことができる。それは0.5mA〜400mAの範囲、例えば20mAの電流をもたらし得る。照射は10秒〜100時間、例えば約2分間施してよい。例として、2分間流した20mAの電流による4.5MeVの電子ビームは3.2×1016電子/cm2の線量をもたらす。ダイヤモンド材料の厚さ全体に実質的に均一な損傷分布を付与するのに十分にエネルギーが高いことが好ましい。この明細書で引用する全ての線量/エネルギーは、この推定に基づいているが、原則としてより低いエネルギー、特により低いエネルギーの分布を用いて本発明を成立させることができる。
我々は、所望の電子フルエンスを達成するための照射時間が好ましくは10秒〜10時間、さらに一般的には10秒〜2又は3時間の範囲であることを見い出した。
いずれの適切な圧力でも照射処理を行なってよく、大気圧又はその近傍の圧力で行なうのが便利である。
上述したように、処理(照射)されたダイヤモンド材料の吸収特性の少なくともいくつかにおける前記第1の状態と第2の状態で測定可能な差異は、本発明によって用意されたダイヤモンド材料の前記第1の状態と第2の状態で測定可能な差異と比べて減少する。典型的に望ましいことは、第1の状態と第2の状態の色に変動をもたらす吸収特性の変動が、制御された照射処理によって減少することである。吸収スペクトルの他の特徴、例えば741nm又は394nmでの吸収係数は、該照射によって上昇すると予想されるであろう。
本発明の好ましい実施形態では、(i)用意されたダイヤモンド材料の第1の状態と第2の状態の一方又は両方の吸収スペクトルが、(a)270nmにおける少なくとも0.1cm-1の吸収係数、並びに(b)350nmにおける少なくとも0.05cm-1の吸収係数と、(c)510nmにおける少なくとも0.02cm-1の吸収係数の一方又は両方を有し;(ii)用意されたダイヤモンド材料の吸収特性における第1の状態と第2の状態で測定可能な差異が、少なくとも0.15cm-1である、350nmと510nmの一方又は両方における吸収係数の差異であり;かつ(iii)制御された照射処理工程が、前記第1の状態と第2の状態の、350nmと510nmの一方又は両方における吸収係数間の前記差異を少なくとも0.05cm-1、好ましくは少なくとも0.1cm-1、好ましくは少なくとも0.15cm1だけ減少させる。従って、これらの実施形態では、制御された照射によって達成された色の安定化を判定するための尺度として吸収係数の正確な測定を利用できる。
本発明の好ましい実施形態では、(i)用意されたダイヤモンド材料の第1の状態と第2の状態の一方又は両方の吸収スペクトルが、(a)270nmにおける少なくとも0.1cm-1の吸収係数、並びに(b)350nmにおける少なくとも0.05cm-1の吸収係数と、(c)510nmにおける少なくとも0.02cm-1の吸収係数の一方又は両方を有し;(ii)用意されたダイヤモンド材料の吸収特性における第1の状態と第2の状態で測定可能な差異が、少なくとも0.15cm-1である、350nmと510nmの一方又は両方における吸収係数の差異であり;かつ(iii)制御された照射処理工程が、前記第1の状態と第2の状態の、350nmと510nmの一方又は両方における吸収係数間の前記差異を少なくとも0.05cm-1、好ましくは少なくとも0.1cm-1、好ましくは少なくとも0.15cm1だけ減少させる。従って、これらの実施形態では、制御された照射によって達成された色の安定化を判定するための尺度として吸収係数の正確な測定を利用できる。
本発明の他の実施形態では、用意されたダイヤモンド材料の吸収特性におけるその第1の状態と第2の状態で測定可能な差異が、用意されたダイヤモンド材料の色等級彩度値C*の、その第1の状態と第2の状態の差異であり、いくつかのケースでは、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、5、6、7又は8までであってよい。
C*は、ダイヤモンド材料を通る経路長に左右されるので、ダイヤモンド材料の大きさ及びジオメトリによって決まる。本明細書でC*値を与える場合、それらは0.5カラット(ct)のラウンド・ブリリアント・カット(RBC)石であるダイヤモンド材料のサイズとジオメトリに基づいている。使用するダイヤモンド材料が実際には0.5ctのRBC石とサイズ及びジオメトリが異なる場合、測定されたC*値を調整する。従って、この明細書全体を通して引用されるC*値は、0.5ct相当のRBC石についてのものである。
色の彩度値C*の差異は、制御された照射工程によって好ましくは0.25、さらに好ましくは0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、5、6、7さえ、又は8さえ減少する。好ましくは、処理されたダイヤモンド材料はその第1及び第2の状態間に多くても0.5、又は多くても1、1.5、2、又は3の絶対C*範囲を有する。
従って、これらの実施形態では、吸収特性の安定化、例えば制御された照射によって達成された色の安定化を判定するための尺度としてC*の測定を使用する。
C*は、ダイヤモンド材料を通る経路長に左右されるので、ダイヤモンド材料の大きさ及びジオメトリによって決まる。本明細書でC*値を与える場合、それらは0.5カラット(ct)のラウンド・ブリリアント・カット(RBC)石であるダイヤモンド材料のサイズとジオメトリに基づいている。使用するダイヤモンド材料が実際には0.5ctのRBC石とサイズ及びジオメトリが異なる場合、測定されたC*値を調整する。従って、この明細書全体を通して引用されるC*値は、0.5ct相当のRBC石についてのものである。
色の彩度値C*の差異は、制御された照射工程によって好ましくは0.25、さらに好ましくは0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、5、6、7さえ、又は8さえ減少する。好ましくは、処理されたダイヤモンド材料はその第1及び第2の状態間に多くても0.5、又は多くても1、1.5、2、又は3の絶対C*範囲を有する。
従って、これらの実施形態では、吸収特性の安定化、例えば制御された照射によって達成された色の安定化を判定するための尺度としてC*の測定を使用する。
本発明の他の実施形態では、用意されたダイヤモンド材料の吸収特性におけるその第1の状態と第2の状態で測定可能な差異が、ダイヤモンド材料のGIAスケールに基づいて測定した場合、少なくとも2の色等級、又は3、4、5、6、7、若しくは8でさえの色等級の差異である。
C*と同様に、GIAスケールの測定値は経路長に左右され、この明細書で引用する全てのGIA等級は、0.5ct相当のラウンド・ブリリアント・カット石にしたダイヤモンド材料についてのものである。
GIA色等級で規定された差異は、GIAスケールに基づいて測定した場合、好ましくは制御された照射によって少なくとも1等級減少し、場合によっては、好ましくは少なくとも2等級、3等級、4等級、5等級、6等級、7等級、又は8等級でさえ減少する。好ましくは、ダイヤモンド材料がその第1の状態と第2の状態で同じ色等級を有するか、或いはその第1の状態と第2の状態の色等級の差異が1等級、2等級、又は3等級以下だけであるように、第1の状態と第2の状態のダイヤモンド材料間の色等級の差異が減少する。
従って、これらの実施形態では、制御された照射によって達成された色の安定化を判定するための尺度として、GIAスケールに基づいた色及び等級付けの光学的解析を利用できる。
C*と同様に、GIAスケールの測定値は経路長に左右され、この明細書で引用する全てのGIA等級は、0.5ct相当のラウンド・ブリリアント・カット石にしたダイヤモンド材料についてのものである。
GIA色等級で規定された差異は、GIAスケールに基づいて測定した場合、好ましくは制御された照射によって少なくとも1等級減少し、場合によっては、好ましくは少なくとも2等級、3等級、4等級、5等級、6等級、7等級、又は8等級でさえ減少する。好ましくは、ダイヤモンド材料がその第1の状態と第2の状態で同じ色等級を有するか、或いはその第1の状態と第2の状態の色等級の差異が1等級、2等級、又は3等級以下だけであるように、第1の状態と第2の状態のダイヤモンド材料間の色等級の差異が減少する。
従って、これらの実施形態では、制御された照射によって達成された色の安定化を判定するための尺度として、GIAスケールに基づいた色及び等級付けの光学的解析を利用できる。
好ましくは、照射されたダイヤモンド材料の、その平衡条件(前記定義どおり)におけるGIAスケールによる色等級は、用意されたダイヤモンド材料の、その平衡条件における色等級と同じ又はより高い(すなわちDにより近い)色等級である。より高い等級は一般的にほとんどの用途で好ましいとみなされる。従って、これらの場合、制御された照射は、放射線及び温度への曝露による変化に対して色を安定化するのみならず、ダイヤモンド材料の絶対色をも改善すると考えられる。このことは、先行技術に対して有意な差異であり、照射は、色の安定化効果に加えて、平衡条件において、より高い色等級(より低いC*)をもたらす。対照的に、先行技術の照射(本発明の制限された制御様式ではない)は、色味を増やすこととなる(より高いC*)。さらに好ましくは、照射されたダイヤモンド材料のその平衡条件における色等級は、用意されたダイヤモンド材料のその平衡条件における色等級より少なくとも1好ましくは少なくとも2、又は少なくとも3若しくは4等級でさえ高い。
照射によって達成されたこの好ましい色の改善をダイヤモンド材料のC*値の変化に関して定義することもできる。照射されたダイヤモンドのその平衡条件におけるC*値に関して(0.5ct相当のRBC石の値に調整された)、照射によって達成された好ましい色の改善は、用意されたダイヤモンド材料のその平衡条件におけるC*値と同じであるか、好ましくはそれより少なくとも0.5、1、1.5又は2さえ低い。
照射によって達成されたこの好ましい色の改善をダイヤモンド材料のC*値の変化に関して定義することもできる。照射されたダイヤモンドのその平衡条件におけるC*値に関して(0.5ct相当のRBC石の値に調整された)、照射によって達成された好ましい色の改善は、用意されたダイヤモンド材料のその平衡条件におけるC*値と同じであるか、好ましくはそれより少なくとも0.5、1、1.5又は2さえ低い。
我々の発明の好ましい実施形態では、照射されたダイヤモンド材料は、570nmにおける吸収係数が0.04cm-1である。好ましくは照射されたダイヤモンド材料は、570nmにおける吸収係数が0.02cm-1未満、さらに好ましくは0.01cm-1未満、特に好ましくは0.05cm-1である。一般にスペクトル中のノイズの測定可能レベルは0.05cm-1のオーダーなので、0.05cm-1未満のピーク吸収係数の測定は困難である。570nmにおける低い吸収係数は、照射されたダイヤモンド材料がNV欠陥を持たないか又は有限数のNV欠陥を有することの証拠であり、ダイヤモンド材料を照射及びアニールして色を導入し、かつ相当な数のNV欠陥を有する前述した先行技術とは区別される。
本発明の方法は、ダイヤモンド材料中の窒素濃度が、用意されたダイヤモンド材料の吸収スペクトルにおけるUV曝露と熱処理後に測定可能な差異があるような濃度である場合、すなわち典型的に安定化するための色の変化がある状況で特定の用途を見い出す。実際には、これは、>0.01ppm、好ましくは>0.03ppm、好ましくは>0.05ppm、好ましくは>0.08ppm、好ましくは>0.10ppm、好ましくは>0.15ppm、好ましくは>0.20ppm、好ましくは>0.30ppm、好ましくは>0.40ppm、好ましくは>0.50ppm、好ましくは>0.8ppm、好ましくは>1ppm、好ましくは>1.5ppm、好ましくは>2.0ppm、好ましくは>3.0ppm、好ましくは>4.0ppm、好ましくは>5.0ppm、好ましくは>8.0ppm、好ましくは>10ppm、又は好ましくは>20ppmのSSN濃度を含むダイヤモンドサンプルで見られる。本発明の方法は、好ましくは高いSSNに支配されないダイヤモンド材料に適用される。本方法は、好ましくはSSN濃度が<150ppm、好ましくは<100ppm、好ましくは<75ppm、好ましくは<50ppmのダイヤモンドに適用される。
本発明の方法は、ダイヤモンド材料中の窒素濃度が、用意されたダイヤモンド材料の吸収スペクトルにおけるUV曝露と熱処理後に測定可能な差異があるような濃度である場合、すなわち典型的に安定化するための色の変化がある状況で特定の用途を見い出す。実際には、これは、>0.01ppm、好ましくは>0.03ppm、好ましくは>0.05ppm、好ましくは>0.08ppm、好ましくは>0.10ppm、好ましくは>0.15ppm、好ましくは>0.20ppm、好ましくは>0.30ppm、好ましくは>0.40ppm、好ましくは>0.50ppm、好ましくは>0.8ppm、好ましくは>1ppm、好ましくは>1.5ppm、好ましくは>2.0ppm、好ましくは>3.0ppm、好ましくは>4.0ppm、好ましくは>5.0ppm、好ましくは>8.0ppm、好ましくは>10ppm、又は好ましくは>20ppmのSSN濃度を含むダイヤモンドサンプルで見られる。本発明の方法は、好ましくは高いSSNに支配されないダイヤモンド材料に適用される。本方法は、好ましくはSSN濃度が<150ppm、好ましくは<100ppm、好ましくは<75ppm、好ましくは<50ppmのダイヤモンドに適用される。
本発明の第2の態様は、以下の特性の一方又は両方がある吸収スペクトルを有するダイヤモンド材料を提供する。
これらの特徴は、本発明の第1の態様の方法に関連して前述したように、ダイヤモンド材料の制御された照射を行なったことの指標である。
ダイヤモンド材料は、好ましくは上記V0及びV-と命名した特徴を両方とも有する。
好ましくはダイヤモンド材料は合成ダイヤモンド材料である。
好ましくは合成ダイヤモンド材料はCVDダイヤモンド材料であり、かつ以下のさらなる特徴がある吸収スペクトルを有する。
ダイヤモンド材料は、好ましくは上記V0及びV-と命名した特徴を両方とも有する。
好ましくはダイヤモンド材料は合成ダイヤモンド材料である。
好ましくは合成ダイヤモンド材料はCVDダイヤモンド材料であり、かつ以下のさらなる特徴がある吸収スペクトルを有する。
(i)
及び
(ii)以下の特徴の1つ以上
(ii)以下の特徴の1つ以上
好ましくはCVD合成ダイヤモンド材料は上記(ii)の特徴のいずれか2つ、さらに好ましくは3つ全てを有する。
吸収特性の好ましい値を下表に示す。
吸収特性の好ましい値を下表に示す。
本発明のダイヤモンド材料は、好ましい吸収係数特性の1つ以上をいずれかの組合せで有し得る。
好ましい吸収係数の範囲を与えてある場合、これらは別々の上限と下限を表すものと解釈する。例えば270nmという名称のバンドでは、好ましい吸収係数範囲0.15cm-1〜8cm-1は、好ましい最小係数が0.15cm-1で、好ましい最大係数が8cm-1であることを表す。
本発明の第1の態様の方法で用意されたダイヤモンド材料、及び本発明の第2の態様のダイヤモンド材料は、好ましくは単結晶である。本発明の第1及び第2の態様の特定実施形態では、ダイヤモンド材料が単結晶の場合、該単結晶は宝石用原石の形である。代わりに、ダイヤモンド材料が多結晶であってよい。多結晶ダイヤモンド材料はスペクトルの可視部に光散乱をもたらす。従って、本発明は、必要とされる安定化が光吸収以外の特性、例えば誘電損失及びキャリア移動度に関連する場合に多結晶ダイヤモンド材料のほとんどの用途を見い出す可能性がある。
ここで、例として、以下の図面を参照しながら本発明の実施形態及び実施例について述べる。
好ましい吸収係数の範囲を与えてある場合、これらは別々の上限と下限を表すものと解釈する。例えば270nmという名称のバンドでは、好ましい吸収係数範囲0.15cm-1〜8cm-1は、好ましい最小係数が0.15cm-1で、好ましい最大係数が8cm-1であることを表す。
本発明の第1の態様の方法で用意されたダイヤモンド材料、及び本発明の第2の態様のダイヤモンド材料は、好ましくは単結晶である。本発明の第1及び第2の態様の特定実施形態では、ダイヤモンド材料が単結晶の場合、該単結晶は宝石用原石の形である。代わりに、ダイヤモンド材料が多結晶であってよい。多結晶ダイヤモンド材料はスペクトルの可視部に光散乱をもたらす。従って、本発明は、必要とされる安定化が光吸収以外の特性、例えば誘電損失及びキャリア移動度に関連する場合に多結晶ダイヤモンド材料のほとんどの用途を見い出す可能性がある。
ここで、例として、以下の図面を参照しながら本発明の実施形態及び実施例について述べる。
(実施例1)
WO2003/052177に記載の方法で以下の示すようにCVDダイヤモンド材料サンプルをHPHT基体上で成長させた。
本発明の単結晶CVD合成ダイヤモンド材料の合成に適したHPHTダイヤモンド基体をレーザーソーで切断し、粗研磨(lapped)して基体とし、研磨加工して欠陥濃度が5×103/mm2未満、通常102/mm2未満になるように表面下の欠陥を最小限にした。水平方向3.6mm×3.6mm、厚さ500μm、全面が実質的に{100}であり、引き続きホモエピタキシャルダイヤモンド成長が起こるであろう表面上の表面粗さRQ(二乗平均平方根粗さとしても知られる)が1nm未満である、研磨加工されたHPHTプレートをモリブデンディスク上にマウントし、CVD合成ダイヤモンド成長反応器に導入した。実質的に{100}の面とは、正確に{100}の面及びこれから10°までだけ外れる面をも意味する。
WO2003/052177に記載の方法で以下の示すようにCVDダイヤモンド材料サンプルをHPHT基体上で成長させた。
本発明の単結晶CVD合成ダイヤモンド材料の合成に適したHPHTダイヤモンド基体をレーザーソーで切断し、粗研磨(lapped)して基体とし、研磨加工して欠陥濃度が5×103/mm2未満、通常102/mm2未満になるように表面下の欠陥を最小限にした。水平方向3.6mm×3.6mm、厚さ500μm、全面が実質的に{100}であり、引き続きホモエピタキシャルダイヤモンド成長が起こるであろう表面上の表面粗さRQ(二乗平均平方根粗さとしても知られる)が1nm未満である、研磨加工されたHPHTプレートをモリブデンディスク上にマウントし、CVD合成ダイヤモンド成長反応器に導入した。実質的に{100}の面とは、正確に{100}の面及びこれから10°までだけ外れる面をも意味する。
(成長段階)
1) CVDダイヤモンド反応器を使用清浄器の先端に予め適合させて、入ってくるガス流中の意図しない混入種を80ppb未満に減らした。
2) 50/40/3000sccm(毎秒標準立方センチメートル)のO2/Ar/H2及び760℃の基体温度を用いてin situ酸素プラズマエッチングを行なった。
3) これを中断せずにガス流からO2を除去して水素エッチングに移行した。
4) 適切な圧力で、炭素源(この場合CH4)及びドーパントガスを添加して、これを成長プロセスに移行した。この場合、165sccmでCH4が流れ、0.7ppmのN2がプロセスガス混合物中に存在した。この段階の温度は875℃だった。
5) 成長時間が完了したら、基体を反応器から取り出し、レーザーソーによる切断及び機械的研磨加工術によって基体からCVD合成ダイヤモンド層を除去した。
この成長したCVD合成ダイヤモンド材料が、本出願の請求項によって規定される「用意されたダイヤモンド材料」である。
1) CVDダイヤモンド反応器を使用清浄器の先端に予め適合させて、入ってくるガス流中の意図しない混入種を80ppb未満に減らした。
2) 50/40/3000sccm(毎秒標準立方センチメートル)のO2/Ar/H2及び760℃の基体温度を用いてin situ酸素プラズマエッチングを行なった。
3) これを中断せずにガス流からO2を除去して水素エッチングに移行した。
4) 適切な圧力で、炭素源(この場合CH4)及びドーパントガスを添加して、これを成長プロセスに移行した。この場合、165sccmでCH4が流れ、0.7ppmのN2がプロセスガス混合物中に存在した。この段階の温度は875℃だった。
5) 成長時間が完了したら、基体を反応器から取り出し、レーザーソーによる切断及び機械的研磨加工術によって基体からCVD合成ダイヤモンド層を除去した。
この成長したCVD合成ダイヤモンド材料が、本出願の請求項によって規定される「用意されたダイヤモンド材料」である。
成長したサンプルの室温吸収スペクトルを次にPerkin Elmer Lamda-19分光計を用いて測定した。記録されたスペクトルを図2aにトレースAとして示す。サンプルを引き続き230mA及び76Vでセットした重水素ランプ源からのUV線に20分さらしてから室温吸収スペクトルを再測定した。重水素ランプ源は、EEO plcランプ源、カタログ番号37-4702、シリアル番号246/031だった。再測定された室温吸収スペクトルは、図2aのトレースBである。次にサンプルを分光計から取り出し、真空下暗所でElite Thermal Systemチューブ炉内で525℃(798K)にて1時間加熱し、室温光吸収スペクトルを再び取った。これを図2aにトレースCとして示す。
図2aから、スペクトルが350nm及び510nmに典型的CVD特性である特徴を示すのみならず、270nmにブロードバンドを示すことが分かり、後者は単置換型窒素と関係がある。スペクトルから計算されるこれらの各波長における吸収係数を下表1に示す。
図2aから、スペクトルが350nm及び510nmに典型的CVD特性である特徴を示すのみならず、270nmにブロードバンドを示すことが分かり、後者は単置換型窒素と関係がある。スペクトルから計算されるこれらの各波長における吸収係数を下表1に示す。
表1
270nmのピークから取った測定値から、サンプルが名目上0.1ppmの中性単置換型窒素を有することが分かった。
成長したままの(又は「用意された」)CVD合成ダイヤモンド材料、UV曝露されたダイヤモンド材料、及び熱処理されたダイヤモンド材料のCIELAB C*値を図2の吸収スペクトルのそれぞれトレースA、B及びCから導いた。これらを得る方法は周知であり、例えば米国特許出願2004/0194690に記載されている。導かれたC*値を下表2に、等価なGIAスケール色等級文字と共に示す。
成長したままの(又は「用意された」)CVD合成ダイヤモンド材料、UV曝露されたダイヤモンド材料、及び熱処理されたダイヤモンド材料のCIELAB C*値を図2の吸収スペクトルのそれぞれトレースA、B及びCから導いた。これらを得る方法は周知であり、例えば米国特許出願2004/0194690に記載されている。導かれたC*値を下表2に、等価なGIAスケール色等級文字と共に示す。
表2
図2a及び表2に示したデータから、成長したCVD合成ダイヤモンド材料の吸収スペクトルは、これらの異なる条件(UV曝露、次に熱処理)への曝露に対して不安定であることが分かる。C*の変化は1.4であり、GIA色等級付けシステムに関しては、このC*の変化(表2)は4色等級の範囲に相当する。CVD合成ダイヤモンド材料のGIA等級は、成長後はK、UV曝露後はL、熱処理後はIである(I、J、K、Lの色範囲、すなわち4色等級)。
次に既知方法で吸収スペクトルを-196℃(77K)で記録して(図示せず)、ダイヤモンド材料中の空孔(V0及びV-)及び窒素空孔欠陥([N-V]0及び[N-V]-)の濃度の上限を決定した。これらの欠陥に特徴的であることが分かっている波長における吸収スペクトルのピーク面積を積分することによって既知の方法でこれらの濃度を決定した。60nm/分のスキャン速度、0.2nmのデータ間隔でUV-可視スペクトルを取り、ピーク面積を積分する前にベースラインを差し引いた。これらの上限を下表3に示す。知られているように、空孔及び窒素-空孔欠陥と関係がある欠陥濃度のこの解析は低温、例えば-196℃(77K)で行なうのが一般的である。より高温では、それらの欠陥と関係がある吸収スペクトルのピークが平らになるので見えにくいからである。
次に既知方法で吸収スペクトルを-196℃(77K)で記録して(図示せず)、ダイヤモンド材料中の空孔(V0及びV-)及び窒素空孔欠陥([N-V]0及び[N-V]-)の濃度の上限を決定した。これらの欠陥に特徴的であることが分かっている波長における吸収スペクトルのピーク面積を積分することによって既知の方法でこれらの濃度を決定した。60nm/分のスキャン速度、0.2nmのデータ間隔でUV-可視スペクトルを取り、ピーク面積を積分する前にベースラインを差し引いた。これらの上限を下表3に示す。知られているように、空孔及び窒素-空孔欠陥と関係がある欠陥濃度のこの解析は低温、例えば-196℃(77K)で行なうのが一般的である。より高温では、それらの欠陥と関係がある吸収スペクトルのピークが平らになるので見えにくいからである。
表3
次にサンプルを昼光に6時間さらした。昼光は、2.0eVより高いエネルギーの放射線にダイヤモンド材料をさらす。吸収スペクトルを再測定し、GIA色等級のKに相当する3.50のC*値で特徴づけた。昼光へのさらなる曝露はダイヤモンドの特性を有意に変えないことが分かった。1回目と同様の2回目のUV処理後、吸収スペクトルは図2a(曲線B)に示される吸収スペクトルに戻った。24時間後にスペクトルを再測定すると、図2a(曲線B)に示されるスペクトルと変わらなかった。525℃(798K)での2回目の熱処理後、スペクトルを再測定すると、図2a(曲線C)のスペクトルと同一であることが分かった。熱処理/UV線手順後の極端な色等級間のこのサイクルをさらに3回繰り返した。各時、吸収特性は最初の時と同じ特性によって特徴づけられた。これは、UV曝露と熱処理の反復サイクル後でさえ、各状態のサンプルの吸収特性は、安定していないということ以外は一貫していることを示している。
次に、被覆されず、マウントされず、かつクリーンなサンプルを本発明の方法に従う制御された照射処理に供した。これを行なうため、4.5MeVの電子を20mAのビーム電流で2分間用いて(約3.2×1016電子/cm2の線量に相当する)サンプルを処理した。
この処理の後に、照射された形のサンプルのUV/可視スペクトルを、引き続くUV線への曝露後及び引き続く加熱後にプロットし(図示せず)、吸収スペクトルからCIELAB C*値を導いた。導かれたC*値を表4.1に示す。
次に、被覆されず、マウントされず、かつクリーンなサンプルを本発明の方法に従う制御された照射処理に供した。これを行なうため、4.5MeVの電子を20mAのビーム電流で2分間用いて(約3.2×1016電子/cm2の線量に相当する)サンプルを処理した。
この処理の後に、照射された形のサンプルのUV/可視スペクトルを、引き続くUV線への曝露後及び引き続く加熱後にプロットし(図示せず)、吸収スペクトルからCIELAB C*値を導いた。導かれたC*値を表4.1に示す。
表4.1
表2と表4のデータを比較すると、電子照射の影響が、前処理されたサンプルと比べてサンプルの吸収特性の変動に有意な減少をもたらしたことが明白である。
下表4.2は、短い照射の追加後の2つの状態間の吸収の変化の減少を示す。スペクトルのいくつかの部分では、吸収が増加し得るが、差異が減少し、スペクトルの平坦化のためC*及びGIAの観点から色が改善される。表4.2には電子照射後に測定された吸収係数を示す。
これらを表1の吸収係数と比較すると、UV曝露及び熱処理後に測定された吸収係数間の差異が照射後は、以下のように:350nmでは0.25cm-1から0.13cm-1に、510nmでは0.16cm-1から0.01cm-1に減少することが分かる。
下表4.2は、短い照射の追加後の2つの状態間の吸収の変化の減少を示す。スペクトルのいくつかの部分では、吸収が増加し得るが、差異が減少し、スペクトルの平坦化のためC*及びGIAの観点から色が改善される。表4.2には電子照射後に測定された吸収係数を示す。
これらを表1の吸収係数と比較すると、UV曝露及び熱処理後に測定された吸収係数間の差異が照射後は、以下のように:350nmでは0.25cm-1から0.13cm-1に、510nmでは0.16cm-1から0.01cm-1に減少することが分かる。
表4.2
このように、表4.2と表1の結果の比較から、紫外線への曝露と、次に熱処理にさらされた後の吸収係数の差異が、ダイヤモンド材料に制御された照射を施す工程によって減少することが分かる。この減少は図2bに同様に示されている。図2bは、任意の所定波長における、UV線への曝露後の吸収係数から熱処理後の吸収係数を差し引くことによって計算された吸収係数の差異をプロットする吸収差スペクトルである。図2b中、曲線Bは、制御された照射処理後のダイヤモンド材料の吸収差スペクトルを示し、曲線Aは、成長したまま用意されたダイヤモンド材料の吸収差スペクトルを示す。
前述したように、既知の方法で、UV/可視スペクトルを照射サンプルについて-196℃(77K)で取ってサンプル内の欠陥濃度を調べた。そのスペクトルを図3に示す。このスペクトルは、サンプルの吸収安定性の改善に加えて、電子照射処理の特性を示すいくつかの特徴が存在することを示している。詳細には、これらの特徴には、394nm(ND1)及び741nm(GR1)における空孔関連吸収が含まれ、それぞれダイヤモンド材料中の単空孔の負電荷状態及び中性電荷状態に相当する。これらの吸収から、特徴的な照射損傷欠陥の濃度を誘導し、これらを表5に示す。これらの誘導手法は技術上周知であり、例えばG. Davies, Physica B, 273-274 (1999), 15-23に記載されている。
前述したように、既知の方法で、UV/可視スペクトルを照射サンプルについて-196℃(77K)で取ってサンプル内の欠陥濃度を調べた。そのスペクトルを図3に示す。このスペクトルは、サンプルの吸収安定性の改善に加えて、電子照射処理の特性を示すいくつかの特徴が存在することを示している。詳細には、これらの特徴には、394nm(ND1)及び741nm(GR1)における空孔関連吸収が含まれ、それぞれダイヤモンド材料中の単空孔の負電荷状態及び中性電荷状態に相当する。これらの吸収から、特徴的な照射損傷欠陥の濃度を誘導し、これらを表5に示す。これらの誘導手法は技術上周知であり、例えばG. Davies, Physica B, 273-274 (1999), 15-23に記載されている。
表5
458nmの励起を用いて-196℃(77K)で記録されたさらなるフォトルミネセンスは533nm及び467nmに特徴を示し、これらはCVD合成ダイヤモンド材料にユニークかつ特徴的であると考えられる。より一般的な照射損傷特徴(例えば471.2nmにおけるTR12)に加えて、電子照射後には512.6nm、526.4nm及び486.2nmに、それぞれ0.095、0.001及び0.01のラマン正規化強度の特徴も存在するが、照射前には存在しなかった。
(実施例2及び3)
気相中の窒素濃度(N2当量として測定)をそれぞれ7ppm及び11ppmに増やすことを除き、実施例1の方法を利用して実施例2及び3を成長させた。これらのサンプルを加工して、寸法が3.4mm×3.5mm×2.2mm(実施例2)及び3.7mm×3.6mm×1.1mm(実施例3)の研磨された単結晶CVDプレートとした。
実施例3のその最初の成長した用意された状態(A、実線)、525℃(798K)までの加熱後(B、破線)及び紫外線への40分間の曝露後(C、点線)の200nm〜800nmの室温UV/可視光吸収データを図4に示す。
成長した(「用意された」)ダイヤモンドであるが、実施例3の未照射サンプルの光吸収スペクトルを利用して、紫外線照明後及び加熱後に、270nmの吸収ピークを用いてNS 0中心の濃度を導き、350nm及び510nmの吸収バンドの吸収係数を書き留めた。これらを表6に示す。
気相中の窒素濃度(N2当量として測定)をそれぞれ7ppm及び11ppmに増やすことを除き、実施例1の方法を利用して実施例2及び3を成長させた。これらのサンプルを加工して、寸法が3.4mm×3.5mm×2.2mm(実施例2)及び3.7mm×3.6mm×1.1mm(実施例3)の研磨された単結晶CVDプレートとした。
実施例3のその最初の成長した用意された状態(A、実線)、525℃(798K)までの加熱後(B、破線)及び紫外線への40分間の曝露後(C、点線)の200nm〜800nmの室温UV/可視光吸収データを図4に示す。
成長した(「用意された」)ダイヤモンドであるが、実施例3の未照射サンプルの光吸収スペクトルを利用して、紫外線照明後及び加熱後に、270nmの吸収ピークを用いてNS 0中心の濃度を導き、350nm及び510nmの吸収バンドの吸収係数を書き留めた。これらを表6に示す。
表6
次いで実施例2及び実施例3についてUV/可視/NIR(近赤外)吸収差スペクトルを誘導した。これらを図5に示す。図5は、紫外線照明(40分の持続時間)後に測定された吸収係数値を波長の関数として加熱(525℃(798K)へ)後に測定された当該値で減算することによって推定される。よりプラスの値は、紫外線照明後に特徴の強度が増したことを示唆し、よりマイナスの値は、加熱後に特徴の強度が増したことを示唆している。これらから270nm、350nm及び510nmにおけるUV曝露/熱処理後の吸収係数の変化が明白である。図5中、「サンプル1」曲線が実施例2に相当し、「サンプル2」曲線が実施例3に相当する。
実施例2の光学顕微鏡写真を撮り、図6a及び6bに示す。図6aは、525℃(798K)への加熱後の実施例を示し、図6bは40分の紫外線照射後の実施例を示し、図6cは550℃(823K)への加熱後の実施例3を示し、図6dは40分の紫外線照射後の実施例3を示す。透過型顕微鏡を用いて室温で全ての顕微鏡写真を撮った。顕微鏡写真から、UV曝露はサンプルの色を強める傾向があるが、熱処理はサンプルの色を弱める傾向があることが分かる。この明細書では、顕微鏡写真をグレースケールで示してある。実際には、真の色はクリア(図6a)、明るいピンク(図6b)、明るい褐色(図6c)及び暗い褐色(図6d)である。
実施例3について図5に示す吸収スペクトルからC*(0.5ctのラウンド・ブリリアント・カット石の深さに等しい厚さに合わせた値を決めた)値を計算し、下表7に示す。
実施例2の光学顕微鏡写真を撮り、図6a及び6bに示す。図6aは、525℃(798K)への加熱後の実施例を示し、図6bは40分の紫外線照射後の実施例を示し、図6cは550℃(823K)への加熱後の実施例3を示し、図6dは40分の紫外線照射後の実施例3を示す。透過型顕微鏡を用いて室温で全ての顕微鏡写真を撮った。顕微鏡写真から、UV曝露はサンプルの色を強める傾向があるが、熱処理はサンプルの色を弱める傾向があることが分かる。この明細書では、顕微鏡写真をグレースケールで示してある。実際には、真の色はクリア(図6a)、明るいピンク(図6b)、明るい褐色(図6c)及び暗い褐色(図6d)である。
実施例3について図5に示す吸収スペクトルからC*(0.5ctのラウンド・ブリリアント・カット石の深さに等しい厚さに合わせた値を決めた)値を計算し、下表7に示す。
表7
実施例1と同様に、この実施例はUVにさらしてから熱処理すると、C*に明らかな変化を示す。実施例1と同様に、UV曝露/熱処理による2つの極端な状態間を吸収スペクトルが反復走行できることが分かり、無制限にはっきりと色の不安定性を示唆している。
実施例1についての我々の実験的試験から推定すると、実施例2及び3のダイヤモンド材料は、実施例1と同様の条件を用いて総線量4×1016cm-2まで電子照射されると、それらの第1の状態と第2の状態で測定した場合にダイヤモンド材料のC*値の変化に少なくとも20%の減少をもたらすであろうと考えられる。すなわち、我々は、その第1の状態と第2の状態におけるC*値の変化が照射後に約0.5だけ減少するであろうと予測する。
実施例1についての我々の実験的試験から推定すると、実施例2及び3のダイヤモンド材料は、実施例1と同様の条件を用いて総線量4×1016cm-2まで電子照射されると、それらの第1の状態と第2の状態で測定した場合にダイヤモンド材料のC*値の変化に少なくとも20%の減少をもたらすであろうと考えられる。すなわち、我々は、その第1の状態と第2の状態におけるC*値の変化が照射後に約0.5だけ減少するであろうと予測する。
(実施例4〜7)
本発明の方法の再現性を確認するため、実施例1と同じ窒素含量を有し、実施例1と同一の様式で成長させてプレートに調製した4つのさらなるCVD合成ダイヤモンドサンプルを実施例1と同じ方法でUV線/熱処理に供した。4つすべての実施例では、この場合もやはり、UV線への曝露後、次いで熱処理後に測定したときに色等級が3〜4色等級だけ変わることが分かった。これらのCVD合成ダイヤモンドサンプルを実施例1のサンプルと同様に引き続き電子照射した。電子照射後の結果を表8に要約する。測定された吸収スペクトルから上記方法に従ってC*値及び色等級を誘導する。
本発明の方法の再現性を確認するため、実施例1と同じ窒素含量を有し、実施例1と同一の様式で成長させてプレートに調製した4つのさらなるCVD合成ダイヤモンドサンプルを実施例1と同じ方法でUV線/熱処理に供した。4つすべての実施例では、この場合もやはり、UV線への曝露後、次いで熱処理後に測定したときに色等級が3〜4色等級だけ変わることが分かった。これらのCVD合成ダイヤモンドサンプルを実施例1のサンプルと同様に引き続き電子照射した。電子照射後の結果を表8に要約する。測定された吸収スペクトルから上記方法に従ってC*値及び色等級を誘導する。
表8
表8から、照射が、2つの極端な状態間(UV曝露及び熱処理後)の色変動を、0.8未満のC*の変化に相当する1等級(GIAスケールに基づく)未満に減少させることが分かる。従ってこれらの実施例は、実施例1について説明した照射と同様の照射後の色の安定化を示す。前記方法を用いて吸収スペクトルからC*値及び色等級を誘導する。
(実施例8(比較))
実施例1について説明したのと同様の方法で、低い窒素濃度を有するが、名目上92ppbである気相内の窒素濃度が固体内では0.01ppmの濃度を生じさせるCVDサンプルを調製した。
サンプルからUV曝露及び熱処理後に生成された、0.5ctのラウンド・ブリリアントに合わせてモデル化されたC*及びGIA等級を下表9に示す。
実施例1について説明したのと同様の方法で、低い窒素濃度を有するが、名目上92ppbである気相内の窒素濃度が固体内では0.01ppmの濃度を生じさせるCVDサンプルを調製した。
サンプルからUV曝露及び熱処理後に生成された、0.5ctのラウンド・ブリリアントに合わせてモデル化されたC*及びGIA等級を下表9に示す。
表9
比較例8の結果は、Ns 0及びXの濃度が十分低い場合にはUV照射/熱処理にさらしても色変化効果が見られないことを示す。第1の状態及び第2の状態(UV曝露後及び熱処理後)の吸収特性に測定可能な差異がないので、これは比較例である。C*値にわずかな差異があるが、これらが有意であるためには小さ過ぎる。第1の状態と第2の状態でGIA色等級に変化がない。
この例は比較例なので照射せず、色変化を安定化しなかった。
この例は比較例なので照射せず、色変化を安定化しなかった。
(実施例9〜15)
実施例1のサンプルと同じ組成及び同じ方法で成長させたCVD成長合成ダイヤモンドサンプルを下表10に示すように異なる線量で照射した。図7は、各実施例の吸収スペクトルを示し、曲線A、B、C、D、Eがそれぞれ実施例10、11、12、13、14、15に相当する。
実施例1のサンプルと同じ組成及び同じ方法で成長させたCVD成長合成ダイヤモンドサンプルを下表10に示すように異なる線量で照射した。図7は、各実施例の吸収スペクトルを示し、曲線A、B、C、D、Eがそれぞれ実施例10、11、12、13、14、15に相当する。
表10
表10及び図7から、1.3×1015電子/cm2ほどの少ない線量は、色を安定化するのに十分であるが、線量が高過ぎると(例えば線量が2.6×1017電子/cm2の場合)、照射損傷欠陥の濃度がそれ自体の追加吸収特徴を導入するのに十分である。これらの吸収特徴は青色として(表10参照)、並びに吸収スペクトル上のND1及びGR1ピーク(図7)として明白であり、宝石用のほぼ無色のファセット石又は低い吸収係数を必要とする高出力レーザー用途に合わせた材料では望ましくない。
比較の容易さのため、異なる組成を有するか又は異なる量照射された実施例(1、3、8(比較)、及び9〜15)の特徴を下表11に示す。
比較の容易さのため、異なる組成を有するか又は異なる量照射された実施例(1、3、8(比較)、及び9〜15)の特徴を下表11に示す。
本発明は、さらに、以下の態様であり得る。
〔1〕下記工程:
a) 窒素含有ダイヤモンド材料であって、その吸収特性の少なくとも1つに、第1の状態と第2の状態で測定可能な差異を示し、前記第1の状態は少なくとも5.5eVのエネルギーを有する放射線への曝露後の状態であり、前記第2の状態は525℃(798K)での熱処理後の状態である、前記窒素含有ダイヤモンド材料を用意する工程、
b)前記窒素含有ダイヤモンド材料の制御された照射によって前記窒素含有ダイヤモンド材料を処理して、下記吸収係数:
(i) 741nmの波長で少なくとも0.01cm-1、多くても1cm-1の、-196℃(77K)で測定された吸収係数;及び
(ii) 394nmの波長で少なくとも0.01cm-1、多くても0.5cm-1の、-196℃(77K)で測定された吸収係数
の一方又は両方を生じさせるのに十分な欠陥を前記ダイヤモンド材料に導入する工程
を含む方法であって、
これによって、前記用意されたダイヤモンドと同じ放射線及び熱処理にさらされた、前記照射処理されたダイヤモンド材料の前記吸収特性における前記第1の状態と第2の状態で測定可能な差異が、前記用意されたダイヤモンド材料の前記吸収特性における前記第1の状態と第2の状態で測定可能な差異と比べて減少する、
前記方法。
〔2〕前記処理されたダイヤモンド材料の第1の状態と第2の状態の前記吸収特性の測定可能な差異、及び照射処理後の前記測定可能な差異の減少が、目に見える色の変化である、前記〔1〕に記載の方法。
〔3〕(a)前記用意されたダイヤモンド材料の第1の状態と第2の状態の一方又は両方の吸収スペクトルが、(i)207nmで少なくとも0.05cm-1の吸収係数、並びに(ii)350nmで少なくとも0.05cm-1の吸収係数及び(iii)510nmで少なくとも0.02cm-1の吸収係数の一方又は両方を有し;
(b)前記用意されたダイヤモンド材料の第1の状態と第2の状態の吸収特性の測定可能な差異が、少なくとも0.15cm-1である、350nmと510nmの一方又は両方における吸収係数の差異である;かつ
(c)前記制御された照射処理工程が、前記第1の状態と第2の状態の350nmと510nmの一方又は両方における吸収係数の前記差異を少なくとも0.05cm-1だけ減少させる、
前記〔1〕又は〔2〕に記載の方法。
〔4〕前記用意されたダイヤモンド材料の第1の状態と第2の状態の吸収特性の測定可能な差異が、前記用意されたダイヤモンド材料の第1の状態と第2の状態の色等級彩度値C*の少なくとも1の差異であり、この彩度値C*の差異は、前記制御された照射工程によって少なくとも0.5だけ減少する、前記〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の方法。
〔5〕前記用意されたダイヤモンド材料の第1の状態と第2の状態の吸収特性の測定可能な差異が、0.5ct相当のRBC石の形でGIAスケールに基づいて測定した場合に少なくとも2色等級の差異であり、この色等級の差異は、前記制御された照射工程によって、GIAスケールに基づいて測定した場合に少なくとも1等級だけ減少する、前記〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載の方法。
〔6〕前記照射されたダイヤモンド材料の平衡条件における色等級が、前記用意されたダイヤモンド材料の平衡条件における色等級と同じか又はそれより高い色等級である、前記〔5〕に記載の方法。
〔7〕前記照射されたダイヤモンド材料の平衡条件におけるC*値が、前記用意されたダイヤモンド材料の平衡条件におけるC*値より数値的に低い、前記〔4〕に記載の方法。
〔8〕前記照射されたダイヤモンド材料が、570nmに0.01cm-1未満の吸収係数を有する、前記〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載の方法。
〔9〕前記照射が、電子、中性子又はγ光子の1種以上によってもたらされる、前記〔1〕〜〔8〕のいずれか1項に記載の方法。
〔10〕前記照射が、1×1015〜2×1017電子/cm2の範囲の電子フルエンスをもたらす、前記〔8〕に記載の方法。
〔11〕前記用意されたダイヤモンド材料が、CVD合成プロセスによって作製された、前記〔1〕〜〔10〕のいずれか1項に記載の方法。
〔12〕前記ダイヤモンド材料が単結晶である、前記〔1〕〜〔11〕のいずれか1項に記載の方法。
〔13〕前記単結晶が宝石用原石の形である、前記〔12〕に記載の方法。
〔14〕下記特性の一方又は両方がある吸収スペクトルを有するダイヤモンド材料。
〔15〕合成ダイヤモンドである、前記〔14〕に記載のダイヤモンド材料。
〔16〕CVDダイヤモンド材料であり、かつ以下のさらなる特性がある吸収スペクトルを有する、前記〔15〕に記載のダイヤモンド材料。
(i)
及び
(ii)以下の特性の1つ以上
〔17〕570nmに0.04cm-1未満の吸収係数を有する、前記〔14〕〜〔16〕のいずれか1項に記載のダイヤモンド材料。
〔18〕その平衡状態において以下の特徴を1つ以上示すフォトルミネセンススペクトルを有する、前記〔14〕〜〔17〕のいずれか1項に記載のダイヤモンド材料。
〔19〕単結晶である、前記〔14〕〜〔18〕のいずれか1項に記載のダイヤモンド材料。
〔20〕前記単結晶が宝石用原石の形である、前記〔19〕に記載のダイヤモンド材料。
〔21〕前記〔1〕〜〔13〕のいずれか1項に記載の方法によって作製されたダイヤモンド材料。
〔1〕下記工程:
a) 窒素含有ダイヤモンド材料であって、その吸収特性の少なくとも1つに、第1の状態と第2の状態で測定可能な差異を示し、前記第1の状態は少なくとも5.5eVのエネルギーを有する放射線への曝露後の状態であり、前記第2の状態は525℃(798K)での熱処理後の状態である、前記窒素含有ダイヤモンド材料を用意する工程、
b)前記窒素含有ダイヤモンド材料の制御された照射によって前記窒素含有ダイヤモンド材料を処理して、下記吸収係数:
(i) 741nmの波長で少なくとも0.01cm-1、多くても1cm-1の、-196℃(77K)で測定された吸収係数;及び
(ii) 394nmの波長で少なくとも0.01cm-1、多くても0.5cm-1の、-196℃(77K)で測定された吸収係数
の一方又は両方を生じさせるのに十分な欠陥を前記ダイヤモンド材料に導入する工程
を含む方法であって、
これによって、前記用意されたダイヤモンドと同じ放射線及び熱処理にさらされた、前記照射処理されたダイヤモンド材料の前記吸収特性における前記第1の状態と第2の状態で測定可能な差異が、前記用意されたダイヤモンド材料の前記吸収特性における前記第1の状態と第2の状態で測定可能な差異と比べて減少する、
前記方法。
〔2〕前記処理されたダイヤモンド材料の第1の状態と第2の状態の前記吸収特性の測定可能な差異、及び照射処理後の前記測定可能な差異の減少が、目に見える色の変化である、前記〔1〕に記載の方法。
〔3〕(a)前記用意されたダイヤモンド材料の第1の状態と第2の状態の一方又は両方の吸収スペクトルが、(i)207nmで少なくとも0.05cm-1の吸収係数、並びに(ii)350nmで少なくとも0.05cm-1の吸収係数及び(iii)510nmで少なくとも0.02cm-1の吸収係数の一方又は両方を有し;
(b)前記用意されたダイヤモンド材料の第1の状態と第2の状態の吸収特性の測定可能な差異が、少なくとも0.15cm-1である、350nmと510nmの一方又は両方における吸収係数の差異である;かつ
(c)前記制御された照射処理工程が、前記第1の状態と第2の状態の350nmと510nmの一方又は両方における吸収係数の前記差異を少なくとも0.05cm-1だけ減少させる、
前記〔1〕又は〔2〕に記載の方法。
〔4〕前記用意されたダイヤモンド材料の第1の状態と第2の状態の吸収特性の測定可能な差異が、前記用意されたダイヤモンド材料の第1の状態と第2の状態の色等級彩度値C*の少なくとも1の差異であり、この彩度値C*の差異は、前記制御された照射工程によって少なくとも0.5だけ減少する、前記〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の方法。
〔5〕前記用意されたダイヤモンド材料の第1の状態と第2の状態の吸収特性の測定可能な差異が、0.5ct相当のRBC石の形でGIAスケールに基づいて測定した場合に少なくとも2色等級の差異であり、この色等級の差異は、前記制御された照射工程によって、GIAスケールに基づいて測定した場合に少なくとも1等級だけ減少する、前記〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載の方法。
〔6〕前記照射されたダイヤモンド材料の平衡条件における色等級が、前記用意されたダイヤモンド材料の平衡条件における色等級と同じか又はそれより高い色等級である、前記〔5〕に記載の方法。
〔7〕前記照射されたダイヤモンド材料の平衡条件におけるC*値が、前記用意されたダイヤモンド材料の平衡条件におけるC*値より数値的に低い、前記〔4〕に記載の方法。
〔8〕前記照射されたダイヤモンド材料が、570nmに0.01cm-1未満の吸収係数を有する、前記〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載の方法。
〔9〕前記照射が、電子、中性子又はγ光子の1種以上によってもたらされる、前記〔1〕〜〔8〕のいずれか1項に記載の方法。
〔10〕前記照射が、1×1015〜2×1017電子/cm2の範囲の電子フルエンスをもたらす、前記〔8〕に記載の方法。
〔11〕前記用意されたダイヤモンド材料が、CVD合成プロセスによって作製された、前記〔1〕〜〔10〕のいずれか1項に記載の方法。
〔12〕前記ダイヤモンド材料が単結晶である、前記〔1〕〜〔11〕のいずれか1項に記載の方法。
〔13〕前記単結晶が宝石用原石の形である、前記〔12〕に記載の方法。
〔14〕下記特性の一方又は両方がある吸収スペクトルを有するダイヤモンド材料。
〔15〕合成ダイヤモンドである、前記〔14〕に記載のダイヤモンド材料。
〔16〕CVDダイヤモンド材料であり、かつ以下のさらなる特性がある吸収スペクトルを有する、前記〔15〕に記載のダイヤモンド材料。
(i)
及び
(ii)以下の特性の1つ以上
〔17〕570nmに0.04cm-1未満の吸収係数を有する、前記〔14〕〜〔16〕のいずれか1項に記載のダイヤモンド材料。
〔18〕その平衡状態において以下の特徴を1つ以上示すフォトルミネセンススペクトルを有する、前記〔14〕〜〔17〕のいずれか1項に記載のダイヤモンド材料。
〔19〕単結晶である、前記〔14〕〜〔18〕のいずれか1項に記載のダイヤモンド材料。
〔20〕前記単結晶が宝石用原石の形である、前記〔19〕に記載のダイヤモンド材料。
〔21〕前記〔1〕〜〔13〕のいずれか1項に記載の方法によって作製されたダイヤモンド材料。
Claims (13)
- 下記工程:
a) 窒素含有ダイヤモンド材料であって、その吸収特性の少なくとも1つに、第1の状態と第2の状態で測定可能な差異を示し、前記第1の状態は少なくとも5.5eVのエネルギーを有する放射線への曝露後の状態であり、前記第2の状態は525℃(798K)での熱処理後の状態である、前記窒素含有ダイヤモンド材料を用意する工程、
b)前記窒素含有ダイヤモンド材料の制御された照射によって前記窒素含有ダイヤモンド材料を処理して、下記吸収係数:
(i) 741nmの波長で少なくとも0.01cm-1、多くても1cm-1の、-196℃(77K)で測定された吸収係数;及び
(ii) 394nmの波長で少なくとも0.01cm-1、多くても0.5cm-1の、-196℃(77K)で測定された吸収係数
の一方又は両方を生じさせるのに十分な欠陥を前記ダイヤモンド材料に導入する工程
を含む方法であって、
これによって、前記用意されたダイヤモンドと同じ放射線及び熱処理にさらされた、前記照射処理されたダイヤモンド材料の前記吸収特性における前記第1の状態と第2の状態で測定可能な差異が、前記用意されたダイヤモンド材料の前記吸収特性における前記第1の状態と第2の状態で測定可能な差異と比べて減少し、
前記照射されたダイヤモンド材料の平衡条件における色等級が、前記用意されたダイヤモンド材料の平衡条件における色等級と同じか又はそれより高い色等級である、
前記方法。 - 前記処理されたダイヤモンド材料の第1の状態と第2の状態の前記吸収特性の測定可能な差異、及び照射処理後の前記測定可能な差異の減少が、目に見える色の変化である、請求項1に記載の方法。
- (a)前記用意されたダイヤモンド材料の第1の状態と第2の状態の一方又は両方の吸収スペクトルが、(i)270nmで少なくとも0.05cm-1の吸収係数、並びに(ii)350nmで少なくとも0.05cm-1の吸収係数及び(iii)510nmで少なくとも0.02cm-1の吸収係数の一方又は両方を有し;
(b)前記用意されたダイヤモンド材料の第1の状態と第2の状態の吸収特性の測定可能な差異が、少なくとも0.15cm-1である、350nmと510nmの一方又は両方における吸収係数の差異である;かつ
(c)前記制御された照射処理工程が、前記第1の状態と第2の状態の350nmと510nmの一方又は両方における吸収係数の前記差異を少なくとも0.05cm-1だけ減少させる、
請求項1又は2に記載の方法。 - 前記用意されたダイヤモンド材料の第1の状態と第2の状態の吸収特性の測定可能な差異が、前記用意されたダイヤモンド材料の第1の状態と第2の状態の色等級彩度値C*の少なくとも1の差異であり、この彩度値C*の差異は、前記制御された照射工程によって少なくとも0.5だけ減少する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
- 前記用意されたダイヤモンド材料の第1の状態と第2の状態の吸収特性の測定可能な差異が、0.5ct相当のRBC石の形でGIAスケールに基づいて測定した場合に少なくとも2色等級の差異であり、この色等級の差異は、前記制御された照射工程によって、GIAスケールに基づいて測定した場合に少なくとも1等級だけ減少する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
- 前記照射されたダイヤモンド材料の平衡条件におけるC*値が、前記用意されたダイヤモンド材料の平衡条件におけるC*値より数値的に低い、請求項4に記載の方法。
- 前記照射されたダイヤモンド材料が、570nmに0.01cm-1未満の吸収係数を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
- 前記用意されたダイヤモンド材料が、CVD合成プロセスによって作製された、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
- 前記ダイヤモンド材料が単結晶である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
- 下記特性の一方又は両方がある吸収スペクトルを有するダイヤモンド材料であって、
前記ダイヤモンド材料が、以下のさらなる特性がある吸収スペクトルを有するCVDダイヤモンド材料である、ダイヤモンド材料。
(i)
及び
(ii)以下の特性の1つ以上
- 570nmに0.04cm-1未満の吸収係数を有する、請求項10に記載のダイヤモンド材料。
- その平衡状態において以下の特徴を1つ以上示すフォトルミネセンススペクトルを有する、請求項10又は11に記載のダイヤモンド材料。
- 単結晶である、請求項10〜12のいずれか1項に記載のダイヤモンド材料。
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