JP2015121579A - トナー - Google Patents
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Abstract
Description
前記結着樹脂が、結晶性ポリエステル樹脂及び非晶質ポリエステル樹脂を含有し、
前記トナーの動的粘弾性測定における120℃の貯蔵弾性率(G’)が、1.0×104[Pa]以下であり、
損失弾性率(G”)/貯蔵弾性率(G’)=損失正接(tanδ)で表わされる損失正接の極大値が、160℃を超える温度領域に存在し、
損失正接の極小値が、120℃以上160℃以下の温度領域に存在し、前記極小値が1.1以上であることを特徴とするトナーに関する。
本発明のトナーは、結晶性ポリエステル樹脂を含有するが、結晶性ポリエステル樹脂は、炭素数2以上22以下の脂肪族ジオールと、炭素数2以上22以下の脂肪族ジカルボン酸とを主成分として含む単量体組成物を重縮合反応させることにより得ることができる。
炭素数2以上22以下(より好ましくは炭素数2以上12以下)の脂肪族ジオールとしては、特に限定されないが、鎖状(より好ましくは直鎖状)の脂肪族ジオールであることが好ましく、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−ブタジエングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、オクタメチレングリコール、ノナメチレングリコール、デカメチレングリコール、ネオペンチルグリコールが挙げられる。これらの中でも、特にエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、及び1,6−ヘキサンジオールの如き直鎖脂肪族、α,ω−ジオールが好ましく例示される。
本発明において、前記非晶質ポリエステルは、多価アルコールユニットと多価カルボン酸ユニットを有している。本発明において多価アルコールユニットというのは、ポリエステルの縮重合の際に使用した多価アルコール成分に由来する構成要素である。また、本発明において多価カルボン酸ユニットというのは、ポリエステルの縮重合の際に使用した多価カルボン酸またはその無水物、低級アルキルエステルに由来する構成要素のことである。
本発明のトナーに用いられるワックスとしては、例えば以下のものが挙げられる。低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、アルキレン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如き炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスの如き炭化水素系ワックスの酸化物又はそれらのブロック共重合物;カルナバワックスの如き脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスの如き脂肪酸エステル類を一部又は全部を脱酸化したもの。さらに、以下のものが挙げられる。パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸の如き飽和直鎖脂肪酸類;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸の如き不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールの如き飽和アルコール類;ソルビトールの如き多価アルコール類;パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸の如き脂肪酸類と、ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールの如きアルコール類とのエステル類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドの如き脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドの如き飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’ジオレイルセバシン酸アミドの如き不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’ジステアリルイソフタル酸アミドの如き芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムの如き脂肪族金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸の如きビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドの如き脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加によって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物。
トナーに含有できる着色剤としては、以下のものが挙げられる。
トナーには、必要に応じて荷電制御剤を含有させることもできる。トナーに含有される荷電制御剤としては、公知のものが利用できるが、特に、無色でトナーの帯電スピードが速く且つ一定の帯電量を安定して保持できる芳香族カルボン酸の金属化合物が好ましい。
本発明のトナーには、必要に応じて無機微粒子を含有させることもできる。無機微粒子は、トナー粒子に内添しても良いし外添剤としてトナー粒子と混合してもよい。外添剤としては、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウムの如き無機微粉体が好ましい。無機微粉体は、シラン化合物、シリコーンオイル又はそれらの混合物の如き疎水化剤で疎水化されていることが好ましい。
本発明のトナーは、一成分系現像剤としても使用できるが、ドット再現性をより向上させるために、磁性キャリアと混合して、二成分系現像剤として用いることが、また長期にわたり安定した画像が得られるという点で好ましい。
トナー粒子を製造する方法としては、結着樹脂と、着色剤と、離型剤を溶融混練する必要があることから、結着樹脂と、着色剤と、離型剤を溶融混練し、混練物を冷却後、粉砕及び分級する粉砕法が好ましい。
ポリエステル樹脂の酸価は以下の方法により測定した。
フェノールフタレイン1.0gをエチルアルコール(95vol%)90mlに溶かし、イオン交換水を加えて100mlとし、フェノールフタレイン溶液を得た。
(A)本試験
粉砕したポリエステル樹脂の試料2.0gを200mlの三角フラスコに精秤し、トルエン:エタノール(2:1)の混合溶液100mlを加え、5時間かけて溶解した。次いで、指示薬として前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液を用いて滴定した。尚、滴定の終点は、指示薬の薄い紅色が約30秒間続いたときとした。 (B)空試験
試料を用いない(すなわちトルエン:エタノール(2:1)の混合溶液のみとする)以外は、上記操作と同様の滴定を行った。
A=[(C−B)×f×5.61]/S
40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに溶媒としてTHFを毎分1mlの流速で流し、THF試料溶液を約100μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント値との関係から算出した。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては例えば、東ソー社製あるいは昭和電工社製の分子量が102乃至107程度のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。また、検出器はRI(屈折率)検出器を用いる。尚、カラムとしては市販のポリスチレンジェルカラムを複数本組み合わせるのが良く、例えば昭和電工社製のshodex GPC KF−801、802、803、804、805、806、807、800Pの組み合せや、東ソー社製のTSKgel G1000H(HXL)、G2000H(HXL)、G3000H(HXL)、G4000H(HXL)、G5000H(HXL)、G6000H(HXL)、G7000H(HXL)、TSKguard columnの組み合せを挙げることができる。
樹脂のTHF可溶分の分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
装置:HLC8120 GPC(検出器:RI)(東ソー社製)
カラム:Shodex KF−801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工社製)
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0ml/min
オーブン温度:40.0℃
試料注入量:0.10ml
樹脂のガラス転移温度は、示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。
本発明におけるトナー等(トナー、結晶性ポリエステル樹脂)の最大吸熱ピークのピーク温度(Tp)は、DSC Q1000(TA Instruments社製)を使用して以下の条件にて測定を行う。
昇温速度:10℃/min
測定開始温度:20℃
測定終了温度:180℃
無機微粒子のBET比表面積の測定は、JIS Z8830(2001年)に準じて行なう。具体的な測定方法は、以下の通りである。
Pr/Va(1−Pr)=1/(Vm×C)+(C−1)×Pr/(Vm×C)
(ここで、CはBETパラメーターであり、測定サンプル種、吸着ガス種、吸着温度により変動する変数である。)
直線の傾き=(C−1)/(Vm×C)
直線の切片=1/(Vm×C)
S=Vm×N×0.162×10-18
(ここで、Nはアボガドロ数(モル-1)である。)
トナー粒子の重量平均粒径(D4)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行い、算出する。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れ、この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)を算出する。尚、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
トナーの平均円形度は、フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」(シスメックス社製)によって、校正作業時の測定及び解析条件で測定する。
円形度C=2×(π×S)1/2/L
測定装置としては、回転平板型レオメーター「ARES」(TA INSTRUMENTS社製)を用いる。
(1)直径25mmのパラレルプレートを用いる。
(2)周波数(Frequency)は6.28rad/sec(1.0Hz)とする。
(3)印加歪初期値(Strain)を1.0%に設定する。
(4)100乃至200℃の間を、昇温速度(Ramp Rate)2.0℃/minで測定を行う。尚、測定においては、以下の自動調整モードの設定条件で行う。自動歪み調整モード(Auto Strain)で測定を行う。
(5)最大歪(Max Applied Strain)を40.0%に設定する。
(6)最大トルク(Max Allowed Torque)150.0g・cmとし、最低トルク(Min Allowed Torque)0.2g・cmと設定する。
(7)歪み調整(Strain Adjustment)を20.0% of Current Strainと設定する。測定においては、自動テンション調整モード(Auto Tension)を採用する。
(8)自動テンションディレクション(Auto Tension Direction)をコンプレッション(Compression)と設定する。
(9)初期スタティックフォース(Initial Static Force)を10.0g、自動テンションセンシティビティ(Auto Tension Sensitivity)を40.0gと設定する。
(10)自動テンション(Auto Tension)の作動条件は、サンプルモデュラス(Sample Modulus)が1.0×103Pa以上である。
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンの部数を56.4質量部、テレフタル酸25.5質量部、及びチタンテトラブトキシド0.5質量部をガラス製4リットルの4つ口フラスコに入れた。そして、該4つ口フラスコに温度計、撹拌棒、コンデンサー及び窒素導入管を取りつけ、マントルヒーター内においた。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、4時間反応させた(第1反応工程)。その後、無水トリメリット酸1.2質量部を添加し、180℃で1時間反応させ(第2反応工程)、非晶質ポリエステル樹脂L1を得た。
表1に示す配合でモノマーを選択し、軟化点90℃にあわせるため反応時間を調整した以外は、非晶質ポリエステル樹脂L製造例1とほぼ同様にしてポリエステル樹脂L2と3を合成した。酸価184mg/KOHであった。非晶質ポリエステル樹脂L2と3の物性を表1に示す。
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン68.2質量部(0.19モル;多価アルコール総モル数に対して97mol%)、テレフタル酸15.0質量部(0.09モル;多価カルボン酸総モル数に対して55mol%)、ノボラック型フェノール樹脂(核体数約5のプロピレンオキシド5mol付加物)4.4質量部(0.01モル;多価アルコール総モル数に対して3mol%)、アジピン酸6.0質量部(0.04モル;多価カルボン酸総モル数に対して25mol%)及びチタンテトラブトキシド0.5質量部をガラス製4リットルの4つ口フラスコに入れた。そして、該4つ口フラスコに温度計、撹拌棒、コンデンサー及び窒素導入管を取りつけマントルヒーター内においた。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、2時間反応させた(第1反応工程)。その後、無水トリメリット酸6.4質量部(0.03モル;多価カルボン酸総モル数に対して20mol%)を添加し、160℃で15時間反応させ(第2反応工程)、非晶質ポリエステル樹脂H1を得た。
非晶質ポリエステル樹脂H1製造例において、表1に記載の各種モノマーの添加部数を変更し、軟化点が130℃となるよう反応時間を調整した以外は、製造例1と同様に反応を行い、ポリエステル樹脂H2乃至9、M1、M2を得た。非晶質ポリエステル樹脂H2乃至8、M1、M2の多価アルコールユニットを構成する多価アルコール成分、多価カルボン酸ユニットを構成する多価カルボン酸成分について表1に示す。非晶質ポリエステル樹脂H2乃至8、M1、M2の物性を表1に示す。
表2に示した組成物3000gとハイドロキノン3gを、冷却管、撹拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に入れ、窒素ガス雰囲気に撹拌しながら徐々に昇温し、150℃で撹拌し、3時間反応させた。反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度200℃に維持したまま、4時間反応させ、結晶性ポリエステル樹脂C1を得た。樹脂軟化点Tmは、84℃であった。
結晶性ポリエステル樹脂製造例1において、表2に示した酸及びアルコールの組合せで製造例1とほぼ同様にして結晶性ポリエステル樹脂C2乃至C8を得た。得られた結晶性ポリエステル樹脂C2乃至C8の物性を表2に示す。
・非晶質ポリエステルL1 25質量部
・非晶質ポリエステルH1 75質量部
・結晶性ポリエステル樹脂C1 10質量部
・フィッシャートロプシュワックス(最大吸熱ピークのピーク温度78℃) 5質量部
・C.I.ピグメントブルー15:3 7質量部
・3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物(ボントロンE88 オリエント化学工業社製) 0.5質量部
なお、3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸の構造式は、以下の式(5)で表される。
表3に示した材料配合に従い各種材料の秤量を行い、表3に示した混練温度に調整した以外は、トナー1の製造例とほぼ同様にしてトナーを製造した。表4にトナーの物性を示した。
(ポリエステル樹脂分散液)
非晶質ポリエステル樹脂L3、H8を、イオン交換水80%、ポリエステル樹脂の濃度が20%の組成比で、アンモニアによりpHを8.5に調整し、加熱140℃の条件でキャビトロンを運転し、ポリエステル樹脂L3分散液、ポリエステル樹脂H8分散液(固形分:20%)を得た。
結晶性ポリエステル樹脂C6を80質量部、イオン交換水720質量部を各々ステンレスビーカーに入れ、98℃に加熱した。結晶性ポリエステル樹脂が溶融した時点で、ホモジナイザーを用いて撹拌した。次いで、アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)、ネオゲンRK、固形分:20%)2.0質量部を滴下しながら、乳化分散を行い、結晶性ポリエステル樹脂C6分散液(固形分:10%)を得た。
・C.I.ピグメントブルー15:3 1000質量部
・アニオン界面活性剤 150質量部
・イオン交換水 9000質量部
以上を混合し、溶解した後、高圧衝撃式分散機を用いて分散した。
・フィッシャートロプシュワックス(最大吸熱ピークのピーク温度90℃)45質量部
・アニオン性界面活性剤 5質量部
・イオン交換水 200質量部
以上を95℃に加熱して、ホモジナイザーを用いて分散した後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理し、体積平均粒径が210nmである離型剤を分散させてなる離型剤分散液(離型剤濃度:20%)を調製した。
・ポリエステル樹脂L3分散液 120質量部
・ポリエステル樹脂H8分散液 120質量部
・結晶性ポリエステル樹脂C6分散液 70質量部
以上を丸型ステンレス製フラスコ中においてホモジナイザーで混合・分散した。これにポリ塩化アルミニウム0.15部を加え、ウルトラタラックスで分散操作を継続した。その後、
・着色剤分散液 21.5質量部
・離型剤分散液 50質量部
以上を追加し、さらにポリ塩化アルミニウム0.05質量部を加え、ウルトラタラックスで分散操作を継続した。
工程1(秤量・混合工程):
Fe2O3 60.2質量%
MnCO3 33.9質量%
Mg(OH)2 4.8質量%
SrCO3 1.1質量%
となるようにフェライト原材料を秤量した。その後、ジルコニア(φ10mm)のボールを用いた乾式ボールミルで2時間粉砕・混合した。
粉砕・混合した後、バーナー式焼成炉を用い大気中で1000℃で3時間焼成し、仮焼フェライトを作製した。フェライトの組成は、下記の通り。
(MnO)a(MgO)b(SrO)c(Fe2O3)d
(上記式において、a=0.39、b=0.11、c=0.01、d=0.50)
クラッシャーで0.5mm程度に粉砕した後に、ジルコニア(φ10mm)のボールを用い、仮焼フェライト100質量部に対し、水を30質量部加え、湿式ボールミルで2時間粉砕した。そのスラリーを、ジルコニアのビーズ(φ1.0mm)を用いた湿式ビーズミルで4時間粉砕し、フェライトスラリーを得た。
フェライトスラリーに、バインダーとして仮焼フェライト100質量部に対してポリビニルアルコール2.0質量部を添加し、スプレードライヤー(製造元:大川原化工機)で、約36μmの球状粒子に造粒した。
焼成雰囲気をコントロールするために、電気炉にて窒素雰囲気下(酸素濃度1.00体積%以下)で、1150℃で4時間焼成した。
凝集した粒子を解砕した後に、目開き250μmの篩で篩分して粗大粒子を除去し、磁性コア粒子1を得た。
シクロヘキシルメタクリレートモノマー 26.8質量部
メチルメタクリレートモノマー 0.2質量部
メチルメタクリレートマクロモノマー 8.4質量部
(片末端にメタクリロイル基を有する重量平均分子量5000のマクロモノマー)
トルエン 31.3質量部
メチルエチルケトン 31.3質量部
上記材料を、還流冷却器、温度計、窒素導入管及び撹拌装置を取り付けた四つ口のセパラブルフラスコに添加し、窒素ガスを導入して充分に窒素雰囲気にした。その後、80℃まで加温し、2.0質量部のアゾビスイソブチロニトリルを添加して5時間還流し重合させた。得られた反応物にヘキサンを注入して共重合体を沈殿析出させ、沈殿物を濾別後、真空乾燥してコート樹脂1を得た。
コート樹脂1 18.0質量%
トルエン 82.0質量%
上記材料をビーズミルで分散混合し、樹脂液1を得た。
前記トナー1と前記磁性キャリア1で、トナー濃度が8質量%になるようにV型混合機(V−10型:株式会社徳寿製作所)で0.5s-1、回転時間5minで混合し、二成分系現像剤1を得た。
二成分系現像剤1と同様にトナー2乃至15、a乃至eと磁性キャリア1を混合して二成分系現像剤2乃至15、a乃至eを得た。
二成分系現像剤1に対して下記の評価を行った。
キヤノン製フルカラー複写機imagePRESS C1+のシアンステーションに上記二成分系現像剤を入れた現像器を搭載し、定着温度を取り外した状態で画像形成できるように改造し、未定着画像を形成した。評価には、カラー複写機・プリンタ用普通紙 GF−C104(A4、104g/cm2)(キヤノンマーケティングジャパン株式会社より販売)を用いた。
A:120℃未満 (優れている)
B:120℃以上130℃未満 (少し優れている)
C:130℃以上140℃未満 (従来技術レベル;本発明において許容レベル)
D:140℃以上 (従来より劣る;本発明において実用不可レベル)
紙は、カラー複写機・プリンタ用普通紙 CS680 A3(A4、68g/m2)(キヤノンマーケティングジャパン株式会社より販売)を用いた。
A:220℃以上 (優れている)
B:180℃以上220℃未満 (少し優れている)
C:160℃以上180℃未満 (従来技術レベル;本発明において許容レベル)
D:160℃未満 (従来より劣る;本発明において実用不可レベル)
100ccのポリカップにトナー10gを入れ、温度及び湿度可変型の恒温槽(50℃/54%Rh)に48時間放置し、放置後にトナーを常温常湿(25℃/50Rh)に24時間以上調湿してから、保存性評価を行った。評価には、ホソカワミクロン社製パウダーテスタPT−Xを用い、1.0mmの振幅にて60秒間、目開き250μmのメッシュで振るった際の、メッシュ上のトナー残存率で保存性レベルを評価した。
A:10%未満 (優れている)
B:10%以上20%未満 (少し優れている)
C:20℃以上60%未満 (従来技術レベル;本発明において許容レベル)
D:60%以上 (従来より劣る;本発明において実用不可レベル)
画像形成装置として、キヤノン製デジタルimageRUNNER iR C3580改造機を用い、シアン位置の現像器に二成分系現像剤1を入れ、高温高湿(30℃、80%RH)環境下で画像形成を行った。現像スリーブには、周波数2.0kHz、Vpp1.3kVの交流電圧と直流電圧VDCを印加した。また、Vback 150Vに固定した条件で、帯電直流電圧VDCを500Vに調整し、カラーレーザーコピーペーパー(A4、81.4g/m2)を用いて、以下の評価項目について評価を行った。ただし、現像性については、画出し試前にのみ評価を行なった。詳細は、後述する。
摩擦帯電量(mC/kg)=Q/(W1−W2)
帯電量低下率は、下式に従い算出した。
帯電量低下率(%)=(Q1−Q2)/Q1×100評価基準を以下に示した。
A:3.0%未満(非常に良好)
B:3.0以上7.0%未満(良好)
C:7.0以上15.0%未満(本発明において許容レベル)(ここまで実用レベル)
D:15.0%以上(本発明において実用不可レベル)
実施例1において、評価に用いる二成分系現像剤を表5に記載の二成分現像剤に変更する以外は同様にして、評価を行った。表5に評価結果を示す。
Claims (7)
- 結着樹脂、離型剤及び着色剤を含有するトナーであって、
前記結着樹脂が、結晶性ポリエステル樹脂及び非晶質ポリエステル樹脂を含有し、
前記トナーの動的粘弾性測定における120℃の貯蔵弾性率(G’)が、1.0×104[Pa]以下であり、
損失弾性率(G”)/貯蔵弾性率(G’)=損失正接(tanδ)で表わされる損失正接の極大値が、160℃を超える温度領域に存在し、
損失正接の極小値が、120℃以上160℃以下の温度領域に存在し、前記極小値が1.1以上であることを特徴とするトナー。 - 前記トナーの動的粘弾性測定における160℃を超える温度領域に存在する損失正接の前記極大値と120℃以上160℃以下の温度領域に存在する損失正接の前記極小値との差(Δtanδ)が、0.15以上0.35以下であることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
- 前記トナーの動的粘弾性測定における160℃における貯蔵弾性率(G’)が、5.0×102[Pa]以上1.1×103[Pa]以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のトナー。
- 前記結晶性ポリエステル樹脂が、炭素数6以上12以下の脂肪族ジオールから選ばれるアルコール成分を主成分として含む単量体と、炭素数6以上12以下の脂肪族ジカルボン酸化合物から選ばれるカルボン酸成分を主成分として含む単量体とを縮重合して得られた結晶性ポリエステル樹脂であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のトナー。
- 前記結晶性ポリエステル樹脂の含有量が、非晶質ポリエステル樹脂100質量部に対し、1質量部以上15質量部以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のトナー。
- 前記非晶質ポリエステル樹脂の多価カルボン酸ユニットが、炭素数4以上16以下の直鎖状炭化水素を主鎖として両末端にカルボキシル基を有する脂肪族ジカルボン酸に由来する多価カルボン酸ユニットを含有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のトナー。
- 前記非晶質ポリエステル樹脂の多価カルボン酸ユニットの総モル数に対して、前記カルボン酸ユニットを5.0mol%以上15.0mol%以下で含有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のトナー。
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