JP2017146338A - トナー - Google Patents

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【課題】低温定着性と耐ホットオフセット性を両立した上で、長期間の画像出力においても、高転写性を満足することのできるトナーを提供する。【解決手段】非晶性樹脂、着色剤、及び結晶性樹脂を含有するトナー粒子を有するトナーであって、非晶性樹脂は、ポリエステルを主成分とする樹脂A、ポリエステルを主成分とする樹脂B、ポリエステルを主成分とする樹脂Cを含有し、結晶性樹脂は、ポリエステルを主成分とする樹脂であり、樹脂Aは、特定の多価ユニットを有し、軟化点が130℃以上150℃以下、相溶性パラメーターSP(A)が、12.55≦SP(A)≦13.00であり、樹脂Bは、特定の多価ユニットを有し、軟化点が80℃以上95℃以下、SP(B)が、11.80≦SP(B)≦12.40であり、樹脂Cは、特定の多価ユニットを有し、軟化点が100℃以上120℃以下、SP(C)が、12.40≦SP(C)≦12.55である。【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真方式、静電記録方式、静電印刷方式、トナージェット方式に用いられるトナーに関する。
近年、電子写真方式のフルカラー複写機が広く普及するに従い、更なる高速化、高画質化、省エネルギー化などが要求されている。具体的な省エネルギー対応策としては、定着工程での消費電力を低下させるために、より低い定着温度で定着できるトナーが求められる。高画質化を達成するためには、静電潜像担持体上のトナー画像の中間転写体への転写効率や、中間転写体上のトナー画像の紙への転写効率を高めることが求められる。
そこで、低温定着を達成するために、非晶性ポリエステル樹脂の可塑剤として結晶性ポリエステル樹脂を用いたトナーが提案されている(特許文献1参照)。結晶性ポリエステル樹脂を用いることで、低温定着性に対し、ある一定の効果は得られた。
しかし、非晶性ポリエステル樹脂は、ワックスと非晶性ポリエステル樹脂が互いに非相溶状態となるモノマー構成にしていることから、非晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂の相溶性も低くなっている。そのため、結晶性ポリエステル樹脂が非晶性ポリエステル樹脂と相溶することなく、結晶ドメインとして存在し、可塑剤としての効果を十分に活かし切れていない側面があった。
そこで、非晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂との相溶性を高める観点から、非晶性ポリエステル樹脂の相溶性パラメーターSP(以下、SP)と結晶性ポリエステル樹脂のSPとの関係を規定したトナーが提案されている(特許文献2参照)。それぞれのSP値を近づけることで、低温定着性に対し、さらなる効果は得られた。
一方、転写効率を向上させるため、スペーサーとなる大粒径の無機微粒子をトナー粒子の表面に固着させた提案がなされている(特許文献3参照)。トナーと静電潜像担持体との界面、及びトナーと中間転写体との界面に、無機微粒子がスペーサーとなることで、潜像担持体及び中間転写体に対するトナーの接触面積が小さくなり、付着力を低減できることから、転写効率を高めることができる。
特開2004−046095号公報 特開2012−053196号公報 特開2013−47754号公報
特許文献2のトナーでは、すべての非晶性ポリエステル樹脂が可塑化しているため、小サイズの記録材を通紙した後、大サイズの記録材を通紙する厳しい環境下において、ホットオフセットが発生しやすくなる場合があった。
特許文献3の結晶性ポリエステル樹脂を用い、大粒径の無機微粒子を固着させたトナーを、高温高湿環境下において、長期間画像出力を行うと、複写機本体内の温度が上昇することで、可塑化している非晶性ポリエステル樹脂部分がさらに柔らかい状態となる。そして、スペーサーとなっていた大粒径の無機微粒子がトナー内部に埋め込まれ、転写効率が低減する場合があった。
さらに、近年は、普通紙に限らず、厚紙や薄紙などの各種メディアに対応できるマルチメディア対応性も要求されている。厚紙としては、単に表面が平坦な厚紙のみではなく、表面や表裏両面に凹凸を有するエンボス紙やラフ紙などの表面平滑度が相対的に低い用紙なども用いられる。それらの紙に対しては、十分な転写圧がかからないため、中間転写体上のトナー画像の一部が転写されず、白斑点と呼ばれる画質欠陥が生じる場合がある。よって、さらに転写効率を高めたトナーが求められている。
本発明の目的は、上記のような問題点を解決したトナーを提供することにある。具体的には、低温定着性と耐ホットオフセット性を両立した上で、長期間の画像出力においても、高転写性を満足することのできるトナーを提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、低温定着性と耐ホットオフセット性を両立した上で、長期間の画像出力においても、高転写性を満足することのできるトナーを得ることができることを見出した。
本発明によるトナーは、非晶性樹脂、着色剤、及び結晶性樹脂を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
該非晶性樹脂は、ポリエステルを主成分とする樹脂A、ポリエステルを主成分とする樹脂B、ポリエステルを主成分とする樹脂Cを含有し、
該結晶性樹脂は、ポリエステルを主成分とする樹脂であり、
該樹脂Aは、多価アルコールユニットと多価カルボン酸ユニットを有し、軟化点が130℃以上150℃以下であり、
Fedorsの式に求められる相溶性パラメーターSP(A)が、12.55≦SP(A)≦13.00であり、
該樹脂Bは、多価アルコールユニットと多価カルボン酸ユニットを有し、軟化点が80℃以上95℃以下であり、
Fedorsの式に求められる相溶性パラメーターSP(B)が、11.80≦SP(B)≦12.40であり、
該樹脂Cは、多価アルコールユニットと多価カルボン酸ユニットを有し、軟化点が100℃以上120℃以下であり、
Fedorsの式に求められる相溶性パラメーターSP(C)が、12.40≦SP(C)≦12.55であることを特徴とする。
本発明のトナーを用いることにより、低温定着性と耐ホットオフセット性を両立した上で、長期間の画像出力においても、高転写性を満足することのできるトナーを提供することができる。
本発明に用いられる熱球形化処理装置の図である。
本発明のトナーは、非晶性樹脂、着色剤、及び結晶性樹脂を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
該非晶性樹脂は、ポリエステルを主成分とする樹脂A、ポリエステルを主成分とする樹脂B、ポリエステルを主成分とする樹脂Cを含有し、
該結晶性樹脂は、ポリエステルを主成分とする樹脂であり、
該樹脂Aは、多価アルコールユニットと多価カルボン酸ユニットを有し、軟化点が130℃以上150℃以下であり、
Fedorsの式に求められる相溶性パラメーターSP(A)が、12.55≦SP(A)≦13.00であり、
該樹脂Bは、多価アルコールユニットと多価カルボン酸ユニットを有し、軟化点が80℃以上95℃以下であり、
Fedorsの式に求められる相溶性パラメーターSP(B)が、11.80≦SP(B)≦12.40であり、
該樹脂Cは、多価アルコールユニットと多価カルボン酸ユニットを有し、軟化点が100℃以上120℃以下であり、
Fedorsの式に求められる相溶性パラメーターSP(C)が、12.40≦SP(C)≦12.55であることを特徴とする。
上述のように、非晶性樹脂と結晶性樹脂との相溶性パラメーターを近づけることで、低温定着性は良化するものの、非晶性樹脂の可塑化により、ホットオフセットが発生する場合があった。
そこで、本発明者等は、低温定着性と耐ホットオフセット性を両立させるためには、
結晶性樹脂と相溶し、可塑化することで低温定着性の良化に寄与する非晶性樹脂と、
結晶性樹脂と相分離し、可塑化しないことで耐ホットオフセットの良化に寄与する非晶性樹脂との、
2種類の非晶性樹脂が必要であると考え検討を試みた。
しかし、結晶性樹脂とSP値の近しい低軟化点の非晶性樹脂と、結晶性樹脂とSP値の遠い高軟化点の非晶性樹脂を用いてトナー化を行い評価したところ、低温定着性も耐ホットオフセット性もどちらも損なわれる結果となった。さらに、長期間の画像出力において、転写性も低下する結果となった。
本発明者らは、この原因として、2種類の非晶性樹脂のSP値がかけ離れているため、樹脂同士の混合性が悪く、海島状の相分離構造が形成されてしまったため、低温定着性に関しては、ドメインとして存在している高軟化点の非晶性樹脂が悪影響したと考えた。また、耐ホットオフセット性に関しては、ドメインとして存在している低軟化点の非晶性樹脂が悪影響したと考えた。また、結晶性樹脂の作用により可塑化した低軟化点の非晶性樹脂と高軟化点の非晶性樹脂が独立して存在している。このことから、スペーサーである大粒径の無機微粒子のトナー内部の埋め囲みが、可塑化した低軟化点の非晶性樹脂の部分において選択的に低下したためと考えた。
そこで、本発明者等は、さらに検討を重ね、以下のようにしてSP値のかけ離れている2種類の非晶性樹脂の混合性を改善できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、結晶性樹脂との相溶性、相分離性を制御するSP値のかけ離れている2種類の非晶性樹脂に対し、この2種類の非晶性樹脂の中位のSP値である第3の非晶性樹脂を添加する、というものである。
そして、本発明のトナーを評価したところ、結晶性樹脂が積極的に低軟化点の非結晶性樹脂に作用するため、さらに低温定着性を向上させると共に、高軟化点の非晶性樹脂の特性を維持することができる。このため、結晶性樹脂添加の課題であった耐ホットオフセット性の向上を両立できることが可能となった。
さらに、結晶性樹脂の作用により可塑化した低軟化点の非晶性樹脂の近傍には、高軟化点の非晶性樹脂が存在しているため、スペーサーである大粒径の無機微粒子がトナー内部に埋め込まれにくくなる。このため、長期間の画像出力においても、高転写性を満足することが可能となった。
<樹脂A>
本発明の高軟化点の樹脂Aは、軟化点が130℃以上150℃以下であり、Fedorsの式に求められる相溶性パラメーターSP(A)が、12.55≦SP(A)≦13.00であることが必要である。
軟化点が上記範囲である場合、トナーはある一定の粘度を担保できるため、耐ホットオフセット性が良好となる。さらに、軟化点が上記範囲であると、製造時における混練温度に対しても樹脂Aの粘度が適正な範囲となり、低軟化点の樹脂Bとの混合性が良化するため、高転写性が得られる。
軟化点が130℃未満である場合、トナーの軟化点が低くなり、トナーはある一定の粘度を担保できないため、耐ホットオフセット性が低下する。また、軟化点が150℃より大きい場合、混練温度に対して軟化点が高いため、樹脂Aの粘度が高くなり、低軟化点の樹脂Bとの混合性が低下し、低温定着性、耐ホットオフセット性、及び転写性が低下する。
またSP(A)が上記範囲である場合、結晶性樹脂に対して、十分SP値がかけ離れているため、高軟化点の樹脂Aが可塑化されることがなくなるため、耐ホットオフセット性が良好となる。
SP(A)が12.55未満である場合、結晶性樹脂に対して、SP値が近しくなり、樹脂Aも可塑化されるため、耐ホットオフセット性が低下する。また、SP(A)が13.00より大きい場合、樹脂BとのSP値の差が大きくなり、樹脂Bとの混合性が低下し、低温定着性、耐ホットオフセット性、及び転写性が低下する。
<樹脂B>
本発明の低軟化点の樹脂Bは、軟化点が80℃以上95℃以下であり、Fedorsの式に求められる相溶性パラメーターSP(B)が、11.80≦SP(B)≦12.40であることが必要である。
軟化点が上記範囲である場合、トナーはある一定の粘度を担保できるため、低温定着性が良好となる。
軟化点が80℃未満である場合、トナーの軟化点が低くなるため、低温定着性は良化するものの、トナーはある一定の粘度を担保できないため、耐ホットオフセット性及び転写性が低下する。また、軟化点が95℃より大きい場合、トナーの軟化点が高くなるため、耐ホットオフセット性及び転写性は良化するものの、低温定着性が低下する。
またSP(B)が上記範囲である場合、結晶性樹脂に対して、十分SP値が近しいため、低軟化点の樹脂Bは可塑化されるため、低温定着性が良好となる。
SP(B)が11.80未満である場合、樹脂AとのSP値の差が大きくなり、樹脂Aとの混合性が低下し、低温定着性、耐ホットオフセット性、及び転写性が低下する。また、SP(B)が12.40より大きい場合、結晶性樹脂に対して、SP値が遠くなるため、低軟化点の樹脂Bの可塑化が軽減されるため、低温定着性が低下する。
<樹脂C>
本発明の低軟化点の樹脂Cは、軟化点が100℃以上120℃以下であり、Fedorsの式に求められる相溶性パラメーターSP(C)が、12.40≦SP(C)≦12.55であることが必要である。
軟化点が上記範囲である場合、樹脂Cの軟化点は、高軟化点の樹脂Aと低軟化点の樹脂Bの中位の軟化点になり、2種類の樹脂の混合性が最良になる。
軟化点が100℃未満である場合、樹脂Aとの軟化点の差が大きくなるため、2種類の樹脂の混合性が低下し、低温定着性、耐ホットオフセット性、及び転写性が低下する。また、軟化点が120℃より大きい場合、樹脂Bとの軟化点の差が大きくなるため、2種類の樹脂の混合性が低下し、低温定着性、耐ホットオフセット性、及び転写性が低下する。
またSP(C)が上記範囲である場合、樹脂CのSP値は、高SP値の樹脂Aと低SP値の樹脂Bの中位のSP値になり、2種類の樹脂の混合性が最良になる。SP(C)が12.40未満である場合、樹脂AとのSP値の差が大きくなるため、2種類の樹脂の混合性が低下し、低温定着性、耐ホットオフセット性、及び転写性が低下する。また、SP(C)が12.55より大きい場合、樹脂BとのSP値の差が大きくなるため、2種類の樹脂の混合性が低下し、低温定着性、耐ホットオフセット性、及び転写性が低下する。
さらに、樹脂Aは、多価アルコールユニットの総モル数に対し、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物に由来する多価アルコールユニットを70.0mol%以上含有していることが、耐ホットオフセット性の観点から好ましい。その理由は、結晶性樹脂との相溶性に由来する。本発明者等は、検討を進める中で、ポリエステル樹脂の代表的なアルコールモノマーであるビスフェノールAと結晶性樹脂との相溶性の関係を明らかにした。その結果、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物は、結晶性樹脂との相溶性が低いことを明らかにし、高軟化点の樹脂Aのアルコールモノマーに使用することで、樹脂Aはさらに可塑化されにくいため、耐ホットオフセット性を良化させることができる。
さらに、樹脂Bは、多価アルコールユニットの総モル数に対し、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物に由来する多価アルコールユニットを70.0mol%以上含有していることが、低温定着性の観点から好ましい。その理由も、結晶性樹脂との相溶性に由来し、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物は、結晶性樹脂との相溶性が高く、低軟化点の樹脂Bのアルコールモノマーに使用することで、樹脂Bはさらに可塑化されるため、低温定着性を良化させることができる。
さらに、樹脂Cは、
多価アルコールユニットの総モル数に対し、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物に由来する多価アルコールユニットを40.0mol%以上60.0mol%以下含有し、
多価アルコールユニットの総モル数に対し、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物に由来する多価アルコールユニットを40.0mol%以上60.0mol%以下含有していることが、低温定着性、耐ホットオフセット性、及び転写性の観点から好ましい。
樹脂Cのモノマー比率が上記範囲である場合、樹脂A及び樹脂Bとの中位的なモノマー比率であるため、2種類の樹脂の混合性を良化させることができる。
また、樹脂BのビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物に由来する多価アルコールユニットの該プロピレンオキサイド付加物の平均付加モル数が、2.5以上3.0以下であることが、低温定着性の観点から好ましい。その理由も、結晶性樹脂との相溶性に由来する。本発明者等は、検討を進める中で、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物の中でも、プロピレンオキサイド付加物の平均付加モル数が高くなると、結晶性樹脂との相溶性が高まることを明らかにした。その結果、樹脂Bはさらに可塑化されるため、低温定着性を良化させることができる。
また、SP(A)とSP(B)が、下記(式1)の関係を満足することが、低温定着性、耐ホットオフセット性の観点から好ましい。SP(A)とSP(B)が下記(式1)の関係を満足することは、結晶性樹脂の可塑化に対する樹脂Aと樹脂Bの機能分離が最適な関係で行わるため、低温定着性と耐ホットオフセット性が最良となる。その上で、2種類の樹脂の混合性も良好な状態を担保できるため、転写性も良好な範囲となる。
0.65≦SP(A)−SP(B)≦1.00 (式1)
さらに、本発明のトナーは、結晶性樹脂を微分散させるスチレン系樹脂を含有していることが、低温定着性の観点から好ましい。結晶性樹脂の主成分である結晶性ポリエステル樹脂は、長鎖の炭化水素のジオールとジカルボン酸のエステル化合物であるため、トナーの構成物質の中では、離型剤と結着樹脂の中位の極性に位置している。さらに、長鎖の炭化水素のジオールとジカルボン酸で構成されているため、脂肪族系炭化水素化合物と親和性しやすい傾向にある。これらを考慮することにより、本発明者等は、樹脂組成物として脂肪族系炭化水素化合物をグラフト変性したスチレン系樹脂を用いることで、結晶性ポリエステル樹脂を微分散させることができ、低温定着性を向上させることに成功した。また、脂肪族系炭化水素化合物をグラフト変性したスチレン系樹脂を用いることで、離型剤の分散も向上し、耐ホットオフセット性も良化する。
さらに、本発明のトナーは、例えば、図1で表される表面処理装置を用いて、熱風により表面処理を行うことが、転写効率及び低温定着性の観点から好ましい。図1で表される表面処理装置の熱風により、トナーは瞬間的に溶融し、その後、急冷される。それにより、結晶性ポリエステル樹脂が再結晶化することなく、結着樹脂と相溶した状態を維持できるため、最大限の可塑効果を引き出し、低温定着性を良化させることができる共に、ドメインとして存在する結晶性ポリエステル樹脂をなくすことができる。このため、スペーサーとなっていた大粒径の無機微粒子がトナー内部に埋め込まれてしまうことを軽減することができる。
[非晶性樹脂]
本発明のトナーに用いられる非晶性樹脂は、ポリエステル樹脂を主成分とすることが必要である。ポリエステル樹脂のポリエステルユニットに用いられるモノマーとしては、多価アルコール(2価もしくは3価以上のアルコール)と、多価カルボン酸(2価もしくは3価以上のカルボン酸)、その酸無水物又はその低級アルキルエステルとが用いられる。ここで、分岐ポリマーを作製する場合には、非晶性樹脂の分子内において部分架橋することが有効であり、そのためには、3価以上の多官能化合物を使用することが好ましい。従って、ポリエステルユニットの原料モノマーとして、3価以上のカルボン酸、その酸無水物又はその低級アルキルエステル、及び/又は3価以上のアルコールを含むことが好ましい。
ポリエステル樹脂のポリエステルユニットに用いられる多価アルコールモノマーとしては、以下の多価アルコールモノマーを使用することができる。
2価のアルコール成分としては、以下のものが挙げられる。
エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、また式(A)で表されるビスフェノール及びその誘導体;
Figure 2017146338
(式中、Rはエチレンまたはプロピレン基であり、x及びyはそれぞれ0以上の整数であり、かつ、x+yの平均値は0以上10以下である。)
式(B)で示されるジオール類;
Figure 2017146338
3価以上のアルコール成分としては、例えば、以下のものが挙げられる。
ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン。
これらのうち、好ましくはグリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが用いられる。これらの2価のアルコール及び3価以上のアルコールは、単独であるいは複数を併用して用いることができる。
ポリエステル樹脂のポリエステルユニットに用いられる多価カルボン酸モノマーとしては、以下の多価カルボン酸モノマーを使用することができる。
2価のカルボン酸成分としては、例えば、以下のものが挙げられる。
マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、イソドデシルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、イソオクテニルコハク酸、イソオクチルコハク酸、これらの酸の無水物及びこれらの低級アルキルエステルが挙げられる。これらのうち、マレイン酸、フマル酸、テレフタル酸、n−ドデセニルコハク酸が好ましく用いられる。
3価以上のカルボン酸、その酸無水物又はその低級アルキルエステルとしては、例えば、以下のものが挙げられる。
1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸、これらの酸無水物又はこれらの低級アルキルエステル。
これらのうち、特に1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、すなわちトリメリット酸又はその誘導体が安価で、反応制御が容易であるため、好ましく用いられる。これらの2価のカルボン酸など及び3価以上のカルボン酸は、単独であるいは複数を併用して用いることができる。
本発明のポリエステルユニットの製造方法については、特に制限されるものではなく、公知の方法を用いることができる。
例えば、前述のアルコールモノマー及びカルボン酸モノマーを混合し、エステル化反応またはエステル交換反応、及び縮合反応を経て重合し、ポリエステル樹脂を製造する。また、重合温度は、特に制限されないが、180℃以上290℃以下の範囲が好ましい。ポリエステルユニットの重合に際しては、例えば、チタン系触媒、スズ系触媒、酢酸亜鉛、三酸化アンチモン、二酸化ゲルマニウムなどの重合触媒を用いることができる。特に、本発明の非晶性樹脂は、スズ系触媒を使用して重合されたポリエステルユニットがより好ましい。
本発明のトナーに用いられる非晶性樹脂は、ポリエステル樹脂を主成分とするならば他の樹脂成分を含有するハイブリッド樹脂であっても良い。例えば、ポリエステル樹脂とビニル系樹脂とのハイブリッド樹脂が挙げられる。ハイブリッド樹脂のような、ビニル系樹脂やビニル系共重合ユニットとポリエステル樹脂の反応生成物を得る方法としては、以下のような方法が好ましい。
ビニル系樹脂やビニル系共重合ユニット及びポリエステル樹脂のそれぞれと反応しうるモノマー成分を含むポリマーが存在しているところで、どちらか一方もしくは両方の樹脂の重合反応を行う方法。
ポリエステル樹脂成分を構成するモノマーのうちビニル系共重合体と反応し得るものとしては、例えば、フタル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸などの不飽和ジカルボン酸又はその無水物などが挙げられる。ビニル系共重合体成分を構成するモノマーのうちポリエステル樹脂成分と反応し得るものとしては、カルボキシル基又はヒドロキシ基を有するものや、アクリル酸もしくはメタクリル酸エステル類が挙げられる。
また、本発明では結着樹脂として、ポリエステル樹脂を主成分とするならば、上記のビニル系樹脂以外にも、従来より結着樹脂として知られている種々の樹脂化合物を併用することができる。このような樹脂化合物としては、例えば以下のものが挙げられる。
フェノール樹脂、天然樹脂変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロインデン樹脂、石油系樹脂。
また、本発明の非晶性樹脂は、低軟化点の樹脂A、高軟化点の樹脂B、及び中軟化点の樹脂Cを混ぜ合わせて使用する。樹脂Aと樹脂Bの含有比率(A/B)は質量基準で10/90以上60/40以下であることが、低温定着性と耐ホットオフセット性の観点から好ましい。さらに、樹脂Aと樹脂Bの混合性の観点から、樹脂Cは非晶性樹脂中に質量基準で5質量%以上20質量%以下であることが好ましい。
高軟化点の樹脂Aのピーク分子量は9000以上12000以下であることが、耐ホットオフセット性の観点から好ましい。また、樹脂Aの酸価は15mgKOH/g以上30mgKOH/g以下であることが、高温高湿環境下における帯電安定性の観点から好ましい。さらに、樹脂Aの水酸基価は15mgKOH/g以上30mgKOH/g以下であることが、保存性の観点から好ましい。
低軟化点の樹脂Bのピーク分子量は4000以上8000以下であることが、低温定着性の観点から好ましい。また、樹脂Bの酸価は1mgKOH/g以上10mgKOH/g以下であることが、高温高湿環境下における帯電安定性の観点から好ましい。さらに、樹脂Bの水酸基価は15mgKOH/g以上30mgKOH/g以下であることが、保存性の観点から好ましい。
中軟化点の樹脂Cのピーク分子量は5000以上9000以下であることが、2種類の樹脂の混合性の観点から好ましい。また、樹脂Cの酸価は1mgKOH/g以上15mgKOH/g以下であることが、高温高湿環境下における帯電安定性の観点から好ましい。さらに、樹脂Cの水酸基価は15mgKOH/g以上30mgKOH/g以下であることが、保存性の観点から好ましい。
[結晶性樹脂]
本発明における結晶性樹脂とは、示差走査熱量測定(DSC)において吸熱ピークが
観測される樹脂である。
本発明のトナーに用いられる結晶性樹脂は、ポリエステル樹脂を主成分とすることが必要である。
本発明のトナーにおいて、トナー粒子に含まれる結晶性ポリエステルは、炭素数2〜22の脂肪族ジオールと、炭素数2〜22の脂肪族ジカルボン酸とを主成分として含む単量体組成物を重縮合反応させることにより得られる。
その中でも、本発明者等が鋭意検討した結果、炭素数6〜12の脂肪族ジオールと、炭素数6〜12の脂肪族ジカルボン酸が、低温定着性と保存性の観点から好ましい。
結晶性ポリエステルを使用することにより、トナーの低温定着性が良化する。その理由は、結着樹脂と結晶性ポリエステルが相溶し、結着樹脂の分子鎖の間隔を広げ、分子間力を弱めることで、ガラス転移温度(Tg)を大幅に低下し、溶融粘度を低い状態にすることに由来する。
よって、結着樹脂と結晶性ポリエステルとの相溶性を高めることにより、低温定着性は良化していく傾向にある。
そして、結着樹脂と結晶性ポリエステルとの相溶性を高めるためには、結晶性ポリエステルを構成するモノマーの脂肪族ジオール及び/または脂肪族ジカルボン酸の炭素数を短くし、エステル基濃度を高め、極性を高めていくことになる。
一方で、Tgが大幅に低下したトナーにおいても、高温高湿環境下での使用や輸送などにおける保存性を確保する必要がある。そのためには、そのような環境下にトナーがさらされた場合には、相溶していたトナー中の結晶性ポリエステルを再結晶化させ、トナーのTgを結着樹脂のTgまで戻す必要がある。
ここで、結晶性ポリエステルのエステル基濃度が高く、結着樹脂と結晶性ポリエステルとの相溶性があまりにも高いと、結晶性ポリエステルを再結晶化させることが難しくなり、トナーの保存性が低下することになる。
以上のことから、低温定着性と保存性を両立できる結晶性ポリエステルのモノマー構成として、炭素数6〜12の脂肪族ジオールと、炭素数6〜12の脂肪族ジカルボン酸を用いることが好ましいことを見出した。
炭素数2〜22(より好ましくは炭素数6〜12)の脂肪族ジオールとしては、特に限定されないが、鎖状(より好ましくは直鎖状)の脂肪族ジオールであることが好ましく、例えば、以下のものが好ましく例示される。
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−ブタジエングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、オクタメチレングリコール、ノナメチレングリコール、デカメチレングリコール、ネオペンチルグリコールが挙げられる。これらの中でも、特にエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、及び1,6−ヘキサンジオールなどの直鎖脂肪族、α,ω−ジオール。
上記アルコール成分のうち、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以
上が、炭素数2〜22の脂肪族ジオールから選ばれるアルコールである。
本発明において、上記脂肪族ジオール以外の多価アルコール単量体を用いることもできる。該多価アルコール単量体のうち2価アルコール単量体としては、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールAなどの芳香族アルコール;1,4−シクロヘキサンジメタノールなどが挙げられる。また、該多価アルコール単量体のうち3価以上の多価アルコール単量体としては、以下のものが挙げられる。
1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンなどの芳香族アルコール;ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセリン、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンなどの脂肪族アルコール。
さらに、本発明において、結晶性ポリエステルの特性を損なわない程度に1価のアルコ−ルを用いてもよい。該1価のアルコールとしては、例えばn−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、n−ヘキサノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコールなどのモノアルコールなどが挙げられる。
一方、炭素数2〜22(より好ましくは炭素数6〜12)の脂肪族ジカルボン酸としては、特に限定されないが、鎖状(より好ましくは直鎖状)の脂肪族ジカルボン酸であることが好ましい。具体例として以下のものが挙げられる。
シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スペリン酸、グルタコン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ノナンジカルボン酸、デカンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、メサコン酸、シトラコン酸、イタコン酸、これらの酸無水物又は低級アルキルエステルを加水分解したもの。
本発明において、上記カルボン酸成分のうち、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上が、炭素数2〜22の脂肪族ジカルボン酸から選ばれるカルボン酸である。
本発明において、上記炭素数2〜22の脂肪族ジカルボン酸以外の多価カルボン酸を用いることもできる。その他の多価カルボン酸単量体のうち、2価のカルボン酸としては、以下のものが挙げられる。
イソフタル酸、テレフタル酸などの芳香族カルボン酸;n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸の脂肪族カルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式カルボン酸、これらの酸無水物又は低級アルキルエステル。
また、その他のカルボン酸単量体のうち、3価以上の多価カルボン酸としては、以下のものが挙げられる。
1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸などの芳香族カルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパンなどの脂肪族カルボン酸、これらの酸無水物又は低級アルキルエステルなどの誘導体。
さらに、本発明において、結晶性ポリエステルの特性を損なわない程度に1価のカルボン酸を含有していてもよい。1価のカルボン酸としては、例えば安息香酸、ナフタレンカルボン酸、サリチル酸、4−メチル安息香酸、3−メチル安息香酸、フェノキシ酢酸、ビフェニルカルボン酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、オクタン酸などのモノカルボン酸が挙げられる。
また、本発明の結晶性ポリエステル樹脂は、炭素数10以上20以下の脂肪族モノカルボン酸及び脂肪族モノアルコールからなる群より選ばれた一種以上の脂肪族化合物が分子鎖の末端に縮合した結晶性ポリエステル樹脂であることが好ましい。一般的に、結晶性ポリエステルの再結晶化は、結晶核を起点として、結晶が成長していく。そこで、分子鎖の末端に炭素数10以上20以下の脂肪族モノカルボン酸及び脂肪族モノアルコールからなる群より選ばれた一種以上の脂肪族化合物を付与することで、そこが結晶核となり再結晶化を促進することができるため、保存性が良化する。
さらに、炭素数が上記の範囲であると、分子鎖の末端に縮合させることも容易であり、遊離モノマーとして存在することはなくなるため、保存性の観点から好ましい。さらに、炭素数が上記の範囲であると、結晶性ポリエステルと結着樹脂との相溶性を損なうことがないため、低温定着性の観点から好ましい。
さらに、かかる脂肪族化合物の含有量は、結晶性ポリエステル樹脂の原料モノマーに対して、1.0mol%以上10.0mol%以下であることが好ましく、4.0mol%以上8.0mol%以下であることが更に好ましい。脂肪族化合物の含有量が上記範囲の量であると、低温定着性を阻害することなく、適量の結晶核を存在させることができるため好ましい。
炭素数10以上20以下の脂肪族モノカルボン酸としては、以下のものが挙げられる。
カプリン酸(デカン酸)、ウンデシル酸、ラウリン酸(ドデカン酸)、トリデシル酸、ミリスチル酸(テトラデカン酸)、ペンタデシル酸、パルミチン酸(ヘキサデカン酸)、マルガリン酸(ヘプタデカン酸)、ステアリン酸(オクタデカン酸)、ノナデシル酸、アラキジン酸(イコサン酸)。
炭素数10以上20以下の脂肪族モノアルコールとしては、以下のものが挙げられる。
カプリルアルコール(デカノール)、ウンデカノール、ラウリルアルコール(ドデカノール)、トリデカノール、ミリスチルアルコール(テトラデカノール)、ペンタデカノール、パルミチルアルコール(ヘキサデカノール)、マルガリルアルコール(ヘプタデカノール)、ステアリルアルコール(オクタデカノール)、ノナデカノール、アラキジルアルコール(イコサノール)。
本発明では、結晶性ポリエステル樹脂の使用量は、非晶性樹脂100質量部あたり3質量部以上20質量部以下であることが、低温定着性や高温高湿環境下における帯電性の観点から好ましい。
本発明における結晶性ポリエステルは、通常のポリエステル合成法に従って製造することができる。例えば、前記したカルボン酸単量体とアルコ−ル単量体とをエステル化反応、又はエステル交換反応させた後、減圧下又は窒素ガスを導入して常法に従って重縮合反応させることで結晶性ポリエステルを得ることができる。その後、さらに、上記の脂肪族化合物を加え、エステル化反応を行うことで、所望の結晶性ポリエステルを得られることができる。
上記エステル化又はエステル交換反応は、必要に応じて硫酸、チタンブトキサイド、ジブチルスズオキサイド、酢酸マンガン、酢酸マグネシウムなどの通常のエステル化触媒又はエステル交換触媒を用いて行うことができる。
また、上記重縮合反応は、通常の重合触媒、例えばチタンブトキサイド、ジブチルスズオキサイド、酢酸スズ、酢酸亜鉛、二硫化スズ、三酸化アンチモン、二酸化ゲルマニウムなど公知の触媒を使用して行うことができる。重合温度、触媒量は特に限定されるものではなく、適宜に決めればよい。
エステル化もしくはエステル交換反応又は重縮合反応において、
得られる結晶性ポリエステルの強度を上げるために全単量体を一括混合したり、
低分子量成分を少なくするために2価の単量体を先ず反応させた後、3価以上の単量体を添加して反応させたりするなどの方法を用いてもよい。
[脂肪族系炭化水素化合物でグラフト変性したスチレン系樹脂]
本発明におけるトナーは、脂肪族系炭化水素化合物でグラフト変性したスチレン系樹脂を含有していることが、低温定着性の観点からより好ましい。
脂肪族系炭化水素化合物でグラフト変性したスチレン系樹脂の含有量は、非晶性樹脂100質量部に対して、1.0質量部以上15質量部以下であることが好ましい。含有量がこの範囲にあるとき、脂肪族系炭化水素化合物でグラフト変性したスチレン系樹脂による非晶性樹脂中への結晶性ポリエステルの微分散が効率的に行われると考えられる。
また、スチレン系樹脂の構成モノマーユニットとして、アクリロニトリル又はメタアクリロニトリルのごとく、窒素原子を含む官能機を有するモノマーユニットを含有することが好ましい。構成モノマーユニットとして窒素原子を含む官能機を有するモノマーユニットを含有することにより、結晶性ポリエステル樹脂との親和性が増し、結晶性ポリエステル樹脂の微分散効果が高まると考えられる。
脂肪族系炭化水素化合物でグラフト変性したスチレン系樹脂に関して、ポリオレフィンは二重結合を一つ有する不飽和炭化水素の重合体又は共重合体であれば特に限定されず、様々なポリオレフィンを用いることができる。特にポリエチレン系、ポリプロピレン系が好ましく用いられる。
ビニル系基を有するモノマーとしては、例えば以下のものが挙げられる。
スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンなどのスチレン及びその誘導体などのスチレン系単位。
メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルなどのアミノ基含有α−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、アクリルアミドなどのアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体などのN原子を含むビニル系単位。
マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸などの不飽和二塩基酸;マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物などの不飽和二塩基酸無水物;マレイン酸メチルハーフエステル、マレイン酸エチルハーフエステル、マレイン酸ブチルハーフエステル、シトラコン酸メチルハーフエステル、シトラコン酸エチルハーフエステル、シトラコン酸ブチルハーフエステル、イタコン酸メチルハーフエステル、アルケニルコハク酸メチルハーフエステル、フマル酸メチルハーフエステル、メサコン酸メチルハーフエステルなどの不飽和二塩基酸のハーフエステル;ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸などの不飽和二塩基酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイヒ酸などのα,β−不飽和酸;クロトン酸無水物、ケイヒ酸無水物などのα,β−不飽和酸無水物、前記α,β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物;アルケニルマロン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、これらの酸無水物、及びこれらのモノエステルなどのカルボキシル基を含むビニル系単位。
2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートなどのアクリル酸又はメタクリル酸エステル類、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルヘキシル)スチレンなどのヒドロキシ基を含むビニル系単位。
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸−n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸−2−クロルエチル、アクリル酸フェニルなどのアクリル酸エステル類などのアクリル酸エステルからなるエステル単位。
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルなどのα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類などのメタクリル酸エステルからなるエステル単位。
本発明に用いられるポリオレフィンにビニル系モノマーがグラフト重合したグラフト重合体は、前述したこれらの重合体同士の反応や、一方の重合体のモノマーと他方の重合体との反応など、公知の方法によって得ることができる。
[離型剤]
本発明のトナーに用いられるワックスとしては、例えば以下のものが挙げられる。
低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、アルキレン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスなどの炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスなどの炭化水素系ワックスの酸化物又はそれらのブロック共重合物;カルナバワックスなどの脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスなどの脂肪酸エステル類を一部又は全部を脱酸化したもの。
さらに、以下のものが挙げられる。
パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸などの飽和直鎖脂肪酸類;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、パリナリン酸などの不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールなどの飽和アルコール類;ソルビトールなどの多価アルコール類;パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸などの脂肪酸類と、ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールなどのアルコール類とのエステル類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドなどの脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドなどの飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’ジオレイルセバシン酸アミドなどの不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’ジステアリルイソフタル酸アミドなどの芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪族金属塩(一般的に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸などのビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドなどの脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加によって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物。
これらのワックスの中でも、低温定着性、耐ホットオフセット性を向上させるという観点で、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスなどの炭化水素系ワックス、もしくはカルナバワックスなどの脂肪酸エステル系ワックスが好ましい。本発明においては、耐ホットオフセット性がより向上する点で、炭化水素系ワックスがより好ましい。
本発明では、ワックスは、結着樹脂100質量部あたり1質量部以上20質量部以下で使用されることが好ましい。
また、示差走査熱量測定(DSC)装置で測定される昇温時の吸熱曲線において、ワックスの最大吸熱ピークのピーク温度としては45℃以上140℃以下であることが好ましい。ワックスの最大吸熱ピークのピーク温度が上記範囲内であるとトナーの保存性と耐ホットオフセット性を両立できるため好ましい。
[着色剤]
トナーに含有できる着色剤としては、以下のものが挙げられる。
黒色着色剤としては、カーボンブラック;イエロー着色剤とマゼンタ着色剤及びシアン着色剤とを用いて黒色に調色したものが挙げられる。着色剤には、顔料を単独で使用してもかまわないが、染料と顔料とを併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点からより好ましい。
マゼンタトナー用顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48:2、48:3,48:4、49、50、51、52、53、54、55、57:1、58、60、63、64、68、81:1、83、87、88、89、90、112、114、122、123、146、147、150、163、184、202、206、207、209、238、269、282;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35。
マゼンタトナー用染料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、81、82、83、84、100、109、121;C.I.ディスパースレッド9;C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21、27;C.I.ディスパーバイオレット1などの油溶染料、C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39、40;C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27、28などの塩基性染料。
シアントナー用顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントブルー2、3、15:2、15:3、15:4、16、17;C.I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45、フタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料。
シアントナー用染料としては、C.I.ソルベントブルー70がある。
イエロートナー用顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、62、65、73、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、185;C.I.バットイエロー1、3、20。
イエロートナー用染料としては、C.I.ソルベントイエロー162がある。
着色剤の使用量は、結着樹脂100質量部に対して0.1質量部以上30質量部以下で使用されることが好ましい。
[荷電制御剤]
トナーには、必要に応じて荷電制御剤を含有させることもできる。トナーに含有される荷電制御剤としては、公知のものが利用できるが、特に、無色でトナーの帯電スピードが速くかつ一定の帯電量を安定して保持できる芳香族カルボン酸の金属化合物が好ましい。
ネガ系荷電制御剤としては、以下のものが挙げられる。
サリチル酸金属化合物、ナフトエ酸金属化合物、ジカルボン酸金属化合物、
スルホン酸又はカルボン酸を側鎖に持つ高分子型化合物、スルホン酸塩あるいはスルホン酸エステル化物を側鎖に持つ高分子型化合物、カルボン酸塩あるいはカルボン酸エステル化物を側鎖に持つ高分子型化合物、
ホウ素化合物、尿素化合物、ケイ素化合物、カリックスアレーン。
ポジ系荷電制御剤としては、四級アンモニウム塩、前記四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物が挙げられる。
荷電制御剤はトナー粒子に対して内添しても良いし外添しても良い。荷電制御剤の添加量は、結着樹脂100質量部に対し0.2質量部以上10質量部以下が好ましい。
[無機粒子]
本発明のトナーには、必要に応じて無機微粒子を含有させることもできる。無機微粒子は、トナー粒子に内添しても良いし外添剤としてトナー粒子と混合してもよい。外添剤としては、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウムなどの無機微粉体が好ましい。無機微粉体は、シラン化合物、シリコーンオイル又はそれらの混合物などの疎水化剤で疎水化されていることが好ましい。
流動性を向上させるための外添剤としては、比表面積が50m/g以上400m/g以下の無機微粉体が好ましく、耐久性を安定化させるためには、比表面積が10m/g以上50m/g以下の無機微粉体であることが好ましい。流動性向上や耐久性安定化を両立させるためには、比表面積が上記範囲の無機微粉体を併用してもよい。
外添剤は、トナー粒子100質量部に対して0.1質量部以上10.0質量部以下使用されることが好ましい。トナー粒子と外添剤との混合は、ヘンシェルミキサーなどの公知の混合機を用いることができる。
[現像剤]
本発明のトナーは、一成分系現像剤としても使用できるが、ドット再現性をより向上させるために、磁性キャリアと混合して、二成分系現像剤として用いることが、また長期にわたり安定した画像が得られるという点で好ましい。
磁性キャリアとしては、例えば、以下のものが挙げられる。
磁性体や、磁性体と、この磁性体を分散した状態で保持する結着樹脂とを含有する磁性体分散樹脂キャリア(いわゆる樹脂キャリア)。
磁性体としては、以下のものが挙げられる。
表面を酸化した鉄粉、あるいは、未酸化の鉄粉や、鉄、リチウム、カルシウム、マグネシウム、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、クロム、希土類などの金属粒子、それらの合金粒子、酸化物粒子、フェライトなど。
本発明のトナーを磁性キャリアと混合して二成分系現像剤として使用する場合、その際のキャリア混合比率は、二成分系現像剤中のトナー濃度として、2質量%以上15質量%以下、好ましくは4質量%以上13質量%以下にすると通常良好な結果が得られる。
[製造方法]
トナー粒子を製造する方法としては、結着樹脂、離型剤、着色剤、結晶性ポリエステルを溶融混練する必要があることから、上記材料を溶融混練し、混練物を冷却後、粉砕及び分級する粉砕法が好ましい。
以下、粉砕法でのトナー製造手順について説明する。
原料混合工程では、トナー粒子を構成する材料として、例えば、結着樹脂、離型剤、着色剤、結晶性ポリエステル、必要に応じて荷電制御剤などの他の成分を所定量秤量して配合し、混合する。混合装置の一例としては、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウタミキサ、メカノハイブリッド(日本コークス工業(株)製)などが挙げられる。
次に、混合した材料を溶融混練して、結着樹脂中にワックスなどを分散させる。その溶融混練工程では、加圧ニーダー、バンバリィミキサーなどのバッチ式練り機や、連続式の練り機を用いることができ、連続生産できる優位性から、1軸又は2軸押出機が主流となっている。例えば、KTK型2軸押出機((株)神戸製鋼所製)、TEM型2軸押出機(東芝機械(株)製)、PCM混練機((株)池貝製)、2軸押出機(ケイ・シー・ケイ社製)、コ・ニーダー(ブス社製)、ニーデックス(日本コークス工業(株)製)などが挙げられる。更に、溶融混練することによって得られる樹脂組成物は、2本ロールなどで圧延され、冷却工程で水などによって冷却してもよい。
ついで、樹脂組成物の冷却物は、粉砕工程で所望の粒径にまで粉砕される。粉砕工程では、例えば、クラッシャー、ハンマーミル、フェザーミルなどの粉砕機で粗粉砕した後、更に、例えば、クリプトロンシステム(川崎重工業(株)製)、スーパーローター(日清エンジニアリング(株)製)、ターボ・ミル(フロイント・ターボ(株)製)やエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕する。
その後、必要に応じて慣性分級方式のエルボージェット(日鉄鉱業(株)製)、遠心力分級方式のターボプレックス(ホソカワミクロン(株)製)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン(株)製)、ファカルティ(ホソカワミクロン(株)製)などの分級機や篩分機を用いて分級する。
その後、加熱によるトナー粒子の表面処理を行い、トナーの円形度を増加させる。
例えば、図1で表される表面処理装置を用いて、熱風により表面処理を行うこともできる。
原料定量供給手段101により定量供給された混合物は、圧縮気体調整手段102により調整された圧縮気体によって、原料供給手段の鉛直線上に設置された導入管103に導かれる。導入管を通過した混合物は、原料供給手段の中央部に設けられた円錐状の突起状部材104により均一に分散され、放射状に広がる8方向の供給管105に導かれ熱処理が行われる処理室106に導かれる。
このとき、処理室に供給された混合物は、処理室内に設けられた混合物の流れを規制するための規制手段109によって、その流れが規制される。このため処理室に供給された混合物は、処理室内を旋回しながら熱処理された後、冷却される。
供給された混合物を熱処理するための熱風は、熱風供給手段107から供給され、熱風を旋回させるための旋回部材113により、処理室内に熱風を螺旋状に旋回させて導入される。その構成としては、熱風を旋回させるための旋回部材113が、複数のブレードを有しており、その枚数や角度により、熱風の旋回を制御することができる。処理室内に供給される熱風は、熱風供給手段107の出口部における温度が100℃〜300℃であることが好ましい。熱風供給手段の出口部における温度が上記の範囲内であれば、混合物を加熱しすぎることによるトナー粒子の融着や合一を抑制しつつ、トナー粒子を均一に球形化処理することが可能となる。
更に熱処理された熱処理トナー粒子は冷風供給手段108から供給される冷風によって冷却され、冷風供給手段108から供給される温度は−20℃〜30℃であることが好ましい。冷風の温度が上記の範囲内であれば、熱処理トナー粒子を効率的に冷却することができ、混合物の均一な球形化処理を阻害することなく、熱処理トナー粒子の融着や合一を抑制することができる。冷風の絶対水分量は、0.5g/m以上15.0g/m以下であることが好ましい。
次に、冷却された熱処理トナー粒子は、処理室の下端にある回収手段110によって回収される。なお、回収手段の先にはブロワー(不図示)が設けられ、それにより吸引搬送される構成となっている。
また、粉体粒子供給口114は、供給された混合物の旋回方向と熱風の旋回方向が同方向になるように設けられており、表面処理装置の回収手段110は、旋回された粉体粒子の旋回方向を維持するように、処理室の外周部に設けられている。さらに、冷風供給手段108から供給される冷風は、装置外周部から処理室内周面に、水平かつ接線方向から供給されるよう構成されている。粉体供給口から供給されるトナーの旋回方向、冷風供給手段から供給された冷風の旋回方向、熱風供給手段から供給された熱風の旋回方向がすべて同方向である。そのため、処理室内で乱流が起こらず、装置内の旋回流が強化され、トナーに強力な遠心力がかかり、トナーの分散性が更に向上するため、合一粒子の少ない、形状の揃ったトナーを得ることができる。
トナーの平均円形度は、0.950以上0.980以下であると、転写性が向上し、かつクリーニング性を両立できるため好ましい。
更に必要に応じて、トナー粒子の表面に外添剤が外添処理される。外添剤を外添処理する方法としては、分級されたトナーと公知の各種外添剤を所定量配合し、下記の混合装置を外添機として用いて、撹拌・混合する方法が挙げられる。
ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウタミキサ、メカノハイブリッド(日本コークス工業(株)製)、ノビルタ(ホソカワミクロン(株)製)。
トナー及び原材料の各種物性の測定法について以下に説明する。
[GPCによる結晶性樹脂の分子量測定]
まず、室温で24時間かけて、結晶性ポリエステル樹脂をo−ジクロロベンゼンに溶解する。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マエショリディスク」(東ソー(株)製)で濾過してサンプル溶液を得る。なお、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が約0.8質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置:HLC−8121GPC/HT(東ソー(株)製)
カラム:TSKgel GMHHR−H HT 7.8cmI.D×30cm2連(東ソー(株)製)
検出器:高温用RI
温度:135℃
溶媒:o−ジクロロベンゼン(0.05%アイオノール添加)
流速:1.0mL/分
試料:0.1%の試料を0.4mL注入
以上の条件で測定し、試料の分子量算出にあたっては単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量較正曲線を使用する。さらに、Mark−Houwink粘度式から導き出される換算式でポリエチレン換算をすることによって算出される。
[GPCによる非晶性樹脂の分子量測定]
樹脂のTHF可溶分の分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
まず、室温で24時間かけて、トナーをテトラヒドロフラン(THF)に溶解する。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マエショリディスク」(東ソー(株)製)で濾過してサンプル溶液を得る。なお、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が約0.8質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置:HLC8120 GPC(検出器:RI)(東ソー(株)製)
カラム:Shodex KF−801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工(株)製)
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/分
オーブン温度:40.0℃
試料注入量:0.10mL
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(例えば、商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500」、東ソー(株)製)を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。
[非晶性樹脂のFedorsの式によるSP値の算出方法]
非晶性樹脂のSP値は、Fedorsの式によって求めたものである。SP値は、(式2)のように凝集エネルギー密度の平方根で定義される。
SP=(ΔE/V)1/2=[Δei/Δvi]1/2 (式2)
ΔE:凝集エネルギー(蒸発エネルギー)
V:溶媒のモル分子容
Δei:i成分の原子又は原子団の蒸発エネルギー
Δvi:i成分の原子又は原子団のモル体積
本発明の非晶性樹脂のSP値を算出するに当たって用いたV及びΔEの値を表1に示す。
Figure 2017146338
例えば、ヘキサンジオールは、原子団{(−OH)×2+(−CH2)×6}から構成され、計算SP値は下記式で求められる。
δi=[Δei/Δvi]1/2=[{(5220)×2+(1180)×6}/{(13)×2+(16.1)×6}]1/2
SP値(δi)は11.95となる。
実施例1に用いられる樹脂A1の各モノマーのSP値、及び樹脂A1のSP値などを表2に示す。
Figure 2017146338
[非晶性樹脂、樹脂組成物、トナーの軟化点の測定方法]
樹脂の軟化点の測定は、定荷重押し出し方式の細管式レオメータ「流動特性評価装置 フローテスターCFT−500D」((株)島津製作所製)を用い、装置付属のマニュアルに従って行う。本装置では、測定試料の上部からピストンによって一定荷重を加えつつ、シリンダに充填した測定試料を昇温させて溶融し、シリンダ底部のダイから溶融された測定試料を押し出し、この際のピストン降下量と温度との関係を示す流動曲線を得ることができる。
本発明においては、「流動特性評価装置 フローテスターCFT−500D」に付属のマニュアルに記載の「1/2法における溶融温度」を軟化点とする。なお、1/2法における溶融温度とは、次のようにして算出されたものである。まず、流出が終了した時点におけるピストンの降下量Smaxと、流出が開始した時点におけるピストンの降下量Sminとの差の1/2を求める(これをXとする。X=(Smax−Smin)/2)。そして、流動曲線においてピストンの降下量がXとなるときの流動曲線の温度が、1/2法における溶融温度である。
測定試料は、約1.0gの樹脂を、25℃の環境下で、錠剤成型圧縮機(例えば、NT−100H、エヌピーエーシステム(株)製)を用いて約10MPaで、約60秒間圧縮成型し、直径約8mmの円柱状としたものを用いる。
CFT−500Dの測定条件は、以下のとおりである。
試験モード:昇温法
開始温度:50℃
到達温度:200℃
測定間隔:1.0℃
昇温速度:4.0℃/分
ピストン断面積:1.000cm
試験荷重(ピストン荷重):10.0kgf(0.9807MPa)
予熱時間:300秒
ダイの穴の直径:1.0mm
ダイの長さ:1.0mm
[非晶性樹脂及びトナーのガラス転移温度(Tg)の測定]
[結晶性樹脂の融解ピーク温度(Tp)の測定]
樹脂のガラス転移温度は、示差走査熱量分析装置「Q2000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。
装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
具体的には、樹脂又はトナー約3mgを精秤し、アルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用いて、以下の条件で測定する。
昇温速度:10℃/分
測定開始温度:30℃
測定終了温度:180℃
測定範囲30〜180℃の間で、昇温速度10℃/分で測定を行う。180℃まで一度昇温させ10分間保持し、続いて30℃まで降温し、その後に再度昇温を行う。この2度目の昇温過程で、温度30〜100℃の範囲において比熱変化が得られる。このときの比熱変化が出る前と出た後のベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を、樹脂のガラス転移温度(Tg)とする。さらに、温度60〜90℃の範囲における温度―吸熱量曲線の最大吸熱ピークになる温度を融解ピーク温度(Tp)とする。
[DSCによるトナーからの結晶性樹脂に由来する吸熱ピークの測定]
トナーからの結晶性樹脂に由来する吸熱ピークの測定は、示差走査熱量分析装置「Q2000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。
装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
具体的には、トナー約3mgを精秤し、アルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用いて、以下の条件で測定する。
昇温速度:10℃/分
測定開始温度:30℃
測定終了温度:180℃
保持温度:50℃
測定範囲30〜180℃の間で、昇温速度10℃/分で測定を行う。50℃まで一度昇温させ3日間保持し、続いて30℃まで降温し、その後に再度昇温を行う。この2度目の昇温過程で、温度30〜100℃の範囲においてベースラインに対して吸熱ピークが得られる。このときの吸熱ピークが、エンタルピー緩和や離型剤に由来する吸熱ピークと分離できている場合は、その吸熱ピークを結晶性樹脂に由来する吸熱ピークとする。
また、得られた吸熱ピークがエンタルピー緩和や離型剤に由来する吸熱ピークと分離できない場合や、非晶性樹脂と結晶性樹脂との相溶性が高く、吸熱ピークとして現れない場合は、溶剤への溶解度の差を利用してトナーから結晶性樹脂を分離してから測定を行う。
トナーからの結晶性樹脂の分離は以下の手順で行う。
第一分離:温度23℃のメチルエチルケトン(以下、「MEK」とも記載する。)にトナーを溶解させ、可溶分(非晶性樹脂)と不溶分(結晶性樹脂、離型剤、着色剤、無機粒子)を分離する。
第二分離:温度100℃のMEKに、第一分離で得られた不溶分(結晶性樹脂、離型剤、着色剤、無機粒子)を溶解させ、可溶分(結晶性樹脂、離型剤)と不溶分(着色剤、無機粒子)を分離する。
第三分離:温度23℃のクロロホルムに、第二分離で得られた可溶分(結晶性樹脂、離型剤)を溶解させ、可溶分(結晶性樹脂)と不溶分(離型剤)を分離する。
得られた可溶分(結晶性樹脂)のDSC測定を行うことで、結晶性樹脂に由来する吸熱ピークを測定することができる。
[トナー粒子の重量平均粒径(D4)の測定方法]
トナー粒子の重量平均粒径(D4)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター(株)製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター(株)製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行い、算出する。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター(株)製)が使用できる。
なお、測定、解析を行う前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行う。
前記専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター(株)製)を用いて得られた値を設定する。閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μm以上60μm以下に設定する。
具体的な測定法は以下のとおりである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250mL丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mLを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100mL平底ビーカーに前記電解水溶液約30mLを入れ、この中に分散剤をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3mL加える。
分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業(株)製)を使用する。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2mL添加する。
超音波分散器として「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス(株)製)を使用する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。なお、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)を算出する。なお、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
[トナーの平均円形度の測定方法]
トナーの平均円形度は、フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」(シスメックス(株)製)によって、校正作業時の測定及び解析条件で測定する。
フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」(シスメックス(株)製)の測定原理は、流れている粒子を静止画像として撮像し、画像解析を行うというものである。試料チャンバーへ加えられた試料は、試料吸引シリンジによって、フラットシースフローセルに送り込まれる。フラットシースフローに送り込まれた試料は、シース液に挟まれて扁平な流れを形成する。フラットシースフローセル内を通過する試料に対しては、1/60秒間隔でストロボ光が照射されており、流れている粒子を静止画像として撮影することが可能である。また、扁平な流れであるため、焦点の合った状態で撮像される。粒子像はCCDカメラで撮像され、撮像された画像は512×512画素の画像処理解像度(一画素あたり0.37×0.37μm)で画像処理され、各粒子像の輪郭抽出を行い、粒子像の投影面積Sや周囲長Lなどが計測される。
次に、上記投影面積Sと周囲長Lを用いて円相当径と円形度を求める。円相当径とは、粒子像の投影面積と同じ面積を持つ円の直径のことであり、円形度Cは、円相当径から求めた円の周囲長を粒子投影像の周囲長で割った値として定義され、次式で算出される。
円形度C={2×(π×S)1/2}/L
粒子像が円形の時に円形度は1.000になり、粒子像外周の凹凸の程度が大きくなればなるほど円形度は小さい値になる。各粒子の円形度を算出後、円形度0.200〜1.000の範囲を800分割し、得られた円形度の相加平均値を算出し、その値を平均円形度とする。
具体的な測定方法は、以下のとおりである。まず、ガラス製の容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水約20mLを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業(株)製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.2mL加える。更に測定試料を約0.02g加え、超音波分散器を用いて2分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、分散液の温度が10℃以上40℃以下となる様に適宜冷却する。超音波分散器としては、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓上型の超音波洗浄器分散器(例えば「VS−150」((株)ヴェルヴォクリーア製))を用い、水槽内には所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に該コンタミノンNを約2mL添加する。
測定には、標準対物レンズ(10倍)を搭載した該フロー式粒子像分析装置を用い、シース液にはパーティクルシース「PSE−900A」(シスメックス(株)製)を使用した。該手順に従い調整した分散液を該フロー式粒子像分析装置に導入し、HPF測定モードで、トータルカウントモードにて3000個のトナー粒子を計測する。そして、粒子解析時の2値化閾値を85%とし、解析粒子径を指定することにより、その範囲の粒子の個数割合(%)、平均円形度を算出することができる。トナーの平均円形度は、円相当径1.98μm以上39.96μm以下とし、トナーの平均円形度を求めた。
測定にあたっては、測定開始前に標準ラテックス粒子(例えば、Duke Scientific社製の「RESEARCH AND TEST PARTICLES Latex Microsphere Suspensions 5200A」をイオン交換水で希釈)を用いて自動焦点調整を行う。その後、測定開始から2時間毎に焦点調整を実施することが好ましい。
なお、本願実施例では、シスメックス(株)による校正作業が行われた、シスメックス(株)が発行する校正証明書の発行を受けたフロー式粒子像分析装置を使用した。解析粒子径を円相当径1.98μm以上39.69μm未満に限定した以外は、校正証明を受けた時の測定及び解析条件で測定を行った。
<高軟化点の樹脂A1の製造例>
・ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:72.2質量部(0.20モル;多価アルコール総モル数に対して100.0mol%)
・テレフタル酸:
13.2質量部(0.08モル;多価カルボン酸総モル数に対して48.0mol%)
・アジピン酸:
8.2質量部(0.06モル;多価カルボン酸総モル数に対して34.0mol%)
・チタンテトラブトキシド(エステル化触媒):0.5質量部
冷却管、攪拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、2時間反応させた。
さらに、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、1時間維持した後、160℃まで冷却し、大気圧に戻した(第1反応工程)。
・トリメリット酸:
6.3質量部(0.03モル;多価カルボン酸総モル数に対して18.0mol%)
・tert−ブチルカテコール(重合禁止剤):0.1質量部
その後、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度160℃に維持したまま、15時間反応させ、ASTM D36−86に従って測定した軟化点が140℃の温度に達したのを確認してから温度を下げて反応を止めた(第2反応工程)。このようにして、樹脂A1を得た。
得られた樹脂A1は、ピーク分子量Mp10000、軟化点Tm140℃、ガラス転移温度Tg60℃、SP(A)12.74であった。
<高軟化点の樹脂A2〜A11の製造例>
樹脂A1の製造例において、第1反応工程の多価アルコール成分及び/又は多価カルボン酸成分のそれぞれのモノマー及び質量部数、反応時間を表3に示すように変更し、第2反応工程のモノマー及び質量部数を表3に示すように変更した。これら以外は樹脂A1の製造例と同様にして反応を行い、樹脂A2〜A11を得た。樹脂A2〜A11の物性を表3に示す。
Figure 2017146338
<低軟化点の樹脂B1の製造例>
・ポリオキシプロピレン(2.8)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:76.6質量部(0.17モル;多価アルコール総モル数に対して100.0mol%)
・テレフタル酸:
17.4質量部(0.10モル;多価カルボン酸総モル数に対して72.0mol%)
・アジピン酸:
6.0質量部(0.04モル;多価カルボン酸総モル数に対して28.0mol%)
・チタンテトラブトキシド(エステル化触媒):0.5質量部
冷却管、攪拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、4時間反応させた。
さらに、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、1時間維持した後、180℃まで冷却し、大気圧に戻した(第1反応工程)。
・tert−ブチルカテコール(重合禁止剤):0.1質量部
その後、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度180℃に維持したまま、1時間反応させ、ASTM D36−86に従って測定した軟化点が90℃の温度に達したのを確認してから温度を下げて反応を止めた(第2反応工程)。このようにして、樹脂B1を得た。
得られた樹脂B1は、ピーク分子量Mp7000、軟化点Tm90℃、ガラス転移温度Tg54℃、SP(B)12.05であった。
<低軟化点の樹脂B2〜B14の製造例>
樹脂B1の製造例において、第1反応工程の多価アルコール成分及び/又は多価カルボン酸成分のそれぞれのモノマー及び質量部数、反応時間を表4に示すように変更し、第2反応工程の温度及び時間を表4に示すように変更した。これら以外は樹脂B1の製造例と同様にして反応を行い、樹脂B2〜B14を得た。樹脂B2〜B14の物性を表4に示す。
Figure 2017146338
<中軟化点の樹脂C1の製造例>
・ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:38.2質量部(0.10モル;多価アルコール総モル数に対して50.0mol%)
・ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:35.2質量部(0.10モル;多価アルコール総モル数に対して50.0mol%)
・テレフタル酸:
16.1質量部(0.10モル;多価カルボン酸総モル数に対して60.0mol%)
・アジピン酸:
7.1質量部(0.05モル;多価カルボン酸総モル数に対して30.0mol%)
・チタンテトラブトキシド(エステル化触媒):0.5質量部
冷却管、攪拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、3時間反応させた。
さらに、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、1時間維持した後、170℃まで冷却し、大気圧に戻した(第1反応工程)。
・無水トリメリット酸:3.4質量部(0.02モル;多価カルボン酸総モル数に対して10.0mol%)
・tert−ブチルカテコール(重合禁止剤):0.1質量部
その後、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度170℃に維持したまま、10時間反応させ、ASTM D36−86に従って測定した軟化点が110℃の温度に達したのを確認してから温度を下げて反応を止めた(第2反応工程)。このようにして、樹脂C1を得た。
得られた樹脂C1は、ピーク分子量Mp8000、軟化点Tm110℃、ガラス転移温度Tg57℃、SP(C)12.47であった。
<中軟化点の樹脂C2〜C5の製造例>
樹脂C1の製造例において、第1反応工程の多価アルコール成分及び/又は多価カルボン酸成分のそれぞれのモノマー及び質量部数、反応時間を表5に示すように変更し、第2反応工程のモノマー及び質量部数を表5に示すように変更した。これら以外は樹脂C1の製造例と同様にして反応を行い、樹脂C2〜C5を得た。樹脂C2〜C5の物性を表5に示す。
Figure 2017146338
<結晶性樹脂D1の製造例>
・ヘキサンジオール:
34.5質量部(0.29モル;多価アルコール総モル数に対して100.0mol%)
・ドデカン二酸:
65.5質量部(0.28モル;多価カルボン酸総モル数に対して100.0mol%)
冷却管、攪拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、140℃の温度で撹拌しつつ、3時間反応させた。
・2−エチルヘキサン酸錫:0.5質量部
その後、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度200℃に維持したまま、4時間反応させることにより結晶性樹脂D1を得た(第1反応工程)。得られた結晶性樹脂D1は、ピーク分子量Mp10000、融解ピーク温度67℃であった。
<結晶性樹脂D2及びD3の製造例>
結晶性樹脂D1の製造例において、第1反応工程の多価アルコール成分及び/又は多価カルボン酸成分のそれぞれのモノマー及び質量部数を表6に示すように変更し、結晶性樹脂D2及びD3を得た。結晶性樹脂D2及びD3の物性を表6に示す。
Figure 2017146338
<樹脂組成物E1の製造例>
・低分子量ポリプロピレン(三洋化成工業(株)製ビスコール660P):
51.6質量部(0.11モル;樹脂組成物モノマーの総モル数に対して15.0mol%)
・キシレン:25.0質量部
冷却管、攪拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に175℃の温度まで昇温した。
・スチレン:
30.7質量部(0.29モル;樹脂組成物モノマーの総モル数に対して42.0mol%)
・アクリロニトリル:
14.5質量部(0.27モル;樹脂組成物モノマーの総モル数に対して39.0mol%)
・アクリル酸:
0.5質量部(0.01モル;樹脂組成物モノマーの総モル数に対して1.0mol%)
・アクリル酸ブチル:
2.7質量部(0.02モル;樹脂組成物モノマーの総モル数に対して3.0mol%)
・キシレン:10.0質量部
・ジーt−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート:0.5質量部
その後、上記材料を3時間かけて滴下し、さらに30分間撹拌した。次いで、溶剤を留去して、樹脂組成物E1を得た。得られた樹脂組成物E1は、ピーク分子量Mp6000、軟化点125℃であった。
<トナー1の製造例>
・樹脂A1 30質量部
・樹脂B1 50質量部
・樹脂C1 10質量部
・結晶性樹脂D1 10質量部
・樹脂組成物E1 5質量部
・フィッシャートロプシュワックス(最大吸熱ピークのピーク温度90℃)5質量部
・C.I.ピグメントブルー15:3 7質量部
・3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物(ボントロンE88 オリエント化学工業(株)製) 0.3質量部
上記材料をヘンシェルミキサー(FM−75型、日本コークス工業(株)製)を用いて、回転数20s−1、回転時間5分で混合した後、温度130℃に設定した二軸混練機(PCM−30型、株式会社池貝製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて直径1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。得られた粗砕物を、機械式粉砕機(T−250、フロイント・ターボ(株)製)にて微粉砕した。さらにファカルティF−300(ホソカワミクロン(株)製)を用い、分級を行い、トナー粒子を得た。運転条件は、分級ローター回転数を130s−1、分散ローター回転数を120s−1とした。
得られたトナー粒子を用い、図1で示す表面処理装置によって熱処理を行い熱処理トナー粒子を得た。運転条件はフィード量=5kg/時とし、また、熱風温度C=160℃、熱風流量=6m/分、冷風温度E=−5℃、冷風流量=4m/分、ブロワー風量=20m/分、インジェクションエア流量=1m/分とした。
得られた熱処理トナー粒子を100質量部に、疎水性シリカ(BET:200m2/g)1.0質量部、イソブチルトリメトキシシランで表面処理した酸化チタン微粒子(BET:80m2/g)を1.0質量部、ヘンシェルミキサー(FM−75型、日本コークス工業(株)製)で回転数30s−1、回転時間10分で混合して、トナー1を得た。トナー1の重量平均粒径(D4)は6.5μmであり、平均円形度は0.968であった。トナー1の物性を表7に示す。
<トナー2〜24の製造例>
トナー1の製造例において、樹脂A1、樹脂B1、樹脂C1、結晶性樹脂D1、樹脂組成物E1を表7に示すように変更し、表面処理装置の工程を省いた以外は同様の操作を行い、トナー2〜トナー24を得た。トナー2〜トナー24の物性を表7に示す。
Figure 2017146338

Figure 2017146338
<磁性コア粒子1の製造例>
・工程1(秤量・混合工程):
Fe 62.7質量部
MnCO 29.5質量部
Mg(OH) 6.8質量部
SrCO 1.0質量部
上記材料を上記組成比となるようにフェライト原材料を秤量した。その後、直径1/8インチのステンレスビーズを用いた乾式振動ミルで5時間粉砕・混合した。
・工程2(仮焼成工程):
得られた粉砕物をローラーコンパクターにて、約1mm角のペレットにした。このペレットを目開き3mmの振動篩にて粗粉を除去し、次いで目開き0.5mmの振動篩にて微粉を除去した後、バーナー式焼成炉を用いて、窒素雰囲気下(酸素濃度0.01体積%)で、温度1000℃で4時間焼成し、仮焼フェライトを作製した。得られた仮焼フェライトの組成は、下記のとおりである。
(MnO)(MgO)(SrO)(Fe
上記式において、a=0.257、b=0.117、c=0.007、d=0.393
・工程3(粉砕工程):
クラッシャーで0.3mm程度に粉砕した後に、直径1/8インチのジルコニアビーズを用い、仮焼フェライト100質量部に対し、水を30質量部加え、湿式ボールミルで1時間粉砕した。そのスラリーを、直径1/16インチのアルミナビーズを用いた湿式ボールミルで4時間粉砕し、フェライトスラリー(仮焼フェライトの微粉砕品)を得た。
・工程4(造粒工程):
フェライトスラリーに、仮焼フェライト100質量部に対して分散剤としてポリカルボン酸アンモニウム1.0質量部、結着樹脂としてポリビニルアルコール2.0質量部を添加し、スプレードライヤー(製造元:大川原化工機)で、球状粒子に造粒した。得られた粒子を粒度調整した後、ロータリーキルンを用いて、温度650℃で2時間加熱し、分散剤や結着樹脂の有機成分を除去した。
・工程5(焼成工程):
焼成雰囲気をコントロールするために、電気炉にて窒素雰囲気下(酸素濃度1.00体積%)で、室温から温度1300℃まで2時間で昇温し、その後、温度1150℃で4時間焼成した。その後、4時間をかけて、温度60℃まで降温し、窒素雰囲気から大気に戻し、温度40℃以下で取り出した。
・工程6(選別工程):
凝集した粒子を解砕した後に、磁力選鉱により低磁力品をカットし、目開き250μmの篩で篩分して粗大粒子を除去し、体積分布基準の50%粒径(D50)37.0μmの磁性コア粒子1を得た。
<被覆樹脂1の調製>
シクロヘキシルメタクリレートモノマー 26.8質量%
メチルメタクリレートモノマー 0.2質量%
メチルメタクリレートマクロモノマー 8.4質量%
(片末端にメタクリロイル基を有する重量平均分子量5000のマクロモノマー)
トルエン 31.3質量%
メチルエチルケトン(MEK) 31.3質量%
アゾビスイソブチロニトリル 2.0質量%
上記材料のうち、下記の材料を、還流冷却器、温度計、窒素導入管及び攪拌装置を取り付けた四つ口のセパラブルフラスコに添加し、窒素ガスを導入して充分に窒素雰囲気にした。
シクロヘキシルメタクリレート、メチルメタクリレート、メチルメタクリレートマクロモノマー、トルエン、メチルエチルケトン。
その後、80℃まで加温し、アゾビスイソブチロニトリルを添加して5時間還流し重合させた。得られた反応物にヘキサンを注入して共重合体を沈殿析出させ、沈殿物を濾別後、真空乾燥して被覆樹脂1を得た。得られた被覆樹脂1を30質量部、トルエン40質量部、メチルエチルケトン30質量部に溶解させて、重合体溶液1(固形分30質量%)を得た。
<被覆樹脂溶液1の調製>
重合体溶液1(樹脂固形分濃度30%) 33.3質量%
トルエン 66.4質量%
カーボンブラック(Regal330;キャボット社製) 0.3質量%
(一次粒径25nm、窒素吸着比表面積94m2/g、DBP(フタル酸ジブチル)吸油量75mL/100g)
上記の材料を、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、ペイントシェーカーで1時間分散を行った。得られた分散液を、5.0μmのメンブランフィルターで濾過を行い、被覆樹脂溶液1を得た。
<磁性キャリア1の製造例>
(樹脂被覆工程):
常温で維持されている真空脱気型ニーダーに被覆樹脂溶液1を充填コア粒子1の100質量部に対して樹脂成分として2.5質量部になるように投入した。投入後、回転速度30rpmで15分間撹拌し、溶媒が一定以上(80質量%)揮発した後、減圧混合しながら80℃まで昇温し、2時間かけてトルエンを留去した後に冷却した。得られた磁性キャリアを、磁力選鉱により低磁力品を分別し、開口70μmの篩を通した後、風力分級器で分級し、体積分布基準の50%粒径(D50)38.2μmの磁性キャリア1を得た。
<二成分系現像剤1の製造例>
磁性キャリア1を92.0質量部に対し、トナー1を8.0質量部加え、V型混合機(V−20、セイシン企業製)により混合し、二成分系現像剤1を得た。
<二成分系現像剤2〜24の製造例>
二成分系現像剤1の製造例において、表4に示すように変更する以外は同様の操作を行い、二成分系現像剤2〜24を得た。
Figure 2017146338
<実施例1>
画像形成装置として、キヤノン(株)製デジタル商業印刷用プリンターimageRUNNER ADVANCE C9075 PRO改造機を用い、シアン位置及び/又はマゼンタ位置の現像器に二成分系現像剤1を入れた。そして、紙上のトナーの載り量が所望になる画像を形成し、後述の評価を行った。改造点としては、定着温度、プロセススピード、現像剤担持体の直流電圧VDC、静電潜像担持体の帯電電圧V、及びレーザーパワーを自由に設定できるように変更した。画像出力評価は、所望の画像比率のFFh画像(ベタ画像)を出力した。FFhとは、256階調を16進数で表示した値であり、00hが256階調の1階調目(白地部)であり、FFhが256階調の256階調目(ベタ部)である。
以下の評価方法に基づいて評価し、その結果を表9に示す。
[耐久性]
紙 : CS−680(68.0g/m
(キヤノンマーケティングジャパン株式会社より販売)
紙上のトナーの載り量:0.35mg/cm(FFh画像)
(現像剤担持体の直流電圧VDC、静電潜像担持体の帯電電圧V、及びレーザーパワーにより調整)
評価画像 : 上記A4用紙画像比率100%のチャート
定着試験環境 : 高温高湿環境:温度30℃/相対湿度85%
定着温度 : 170℃
プロセススピード: 450mm/秒
耐久画像出力試験として、画像比率0.1%のFFh出力の帯チャートを用いて、A4用紙に10,000枚出力を行った。その後、上記評価画像を出力し、画像中の白斑点の個数を目視で確認した。
(評価基準)
A:白斑点が5個未満 (非常に優れている)
B:白斑点が5個以上、10個未満 (優れている)
C:白斑点が10個以上、15個未満 (良好である)
D:白斑点が15個以上、20個未満 (普通)
E:白斑点が20個以上 (悪い)
[低温定着性]
紙 : CS−680(68.0g/m
(キヤノンマーケティングジャパン株式会社より販売)
紙上のトナーの載り量: 1.20mg/cm
(現像剤担持体の直流電圧VDC、静電潜像担持体の帯電電圧V、及びレーザーパワーにより調整)
評価画像 : 上記A4用紙の中心に10cmの画像を配置
定着試験環境 : 低温低湿環境:温度15℃/相対湿度10%
定着温度 : 170℃
プロセススピード: 450mm/秒
上記評価画像を出力し、低温定着性を評価した。画像濃度低下率の値を低温定着性の評価指標とした。画像濃度低下率は、X−Riteカラー反射濃度計(500シリーズ:X−Rite社製)を用い、まず、中心部の画像濃度を測定する。次に、画像濃度を測定した部分に対し、4.9kPa(50g/cm)の荷重をかけてシルボン紙により定着画像を摺擦(5往復)し、画像濃度を再度測定する。そして、下記式を用いて摺擦前後での画像濃度の低下率を算出した。得られた画像濃度の低下率を下記の評価基準に従って評価した。
画像濃度の低下率=(摩擦後の画像濃度−摩擦前の画像濃度)/摩擦前の画像濃度
(評価基準)
A:画像濃度の低下率2.0%未満 (非常に優れている)
B:画像濃度の低下率2.0%以上、5.0%未満 (優れている)
C:画像濃度の低下率5.0%以上、10.0%未満 (良好である)
D:画像濃度の低下率10.0%以上、15.0%未満 (普通)
E:画像濃度の低下率15.0%以上 (悪い)
[耐ホットオフセット性]
紙 : CS−680(68.0g/m
(キヤノンマーケティングジャパン株式会社より販売)
紙上のトナーの載り量: 0.08mg/cm
(現像剤担持体の直流電圧VDC、静電潜像担持体の帯電電圧V、及びレーザーパワーにより調整)
評価画像 : 上記A4用紙の両末端に10cm2の画像を配置
定着試験環境 : 常温低湿環境:温度23℃/相対湿度5%
定着温度 : 210℃
プロセススピード: 450mm/秒
上記評価画像を出力し、耐ホットオフセット性を評価した。まず、定着ベルトの中心位置に無地のはがきを10枚通紙した後に、上記未定着画像を通紙した。カブリの値をホットオフセットの評価指標とした。カブリは、リフレクトメータ((有)東京電色製の「REFLECTOMETER MODEL TC−6DS」)によって画出し前(定着試験前)の評価紙の平均反射率Dr(%)と定着試験後の白地部の反射率Ds(%)を測定する。そして、下記式を用いてカブリの値を算出した。得られたカブリを下記の評価基準に従って評価した。
カブリ = Dr(%)−Ds(%)
(評価基準)
A:カブリ0.2%未満 (非常に優れている)
B:カブリ0.2%以上、0.5%未満 (優れている)
C:カブリ0.5%以上、0.8%未満 (良好である)
D:カブリ0.8%以上、1.0%未満 (普通)
E:カブリ1.0%以上 (悪い)
<実施例2〜21、及び比較例1〜3>
二成分系現像剤2〜24を用いた以外は、実施例1と同様にして評価を行った。評価結果を表9に示す。
実施例2は、表面改質工程がなくなり、結晶性樹脂の相溶性が低下するため、実施例1に対して低温定着性が劣る。
実施例3は、脂肪族系炭化水素化合物をグラフト変性したスチレン系樹脂がなくなり、結晶性樹脂の分散性が低下するため、実施例2に対して低温定着性が劣る。
実施例4は、樹脂AのSP値と樹脂BのSP値との差が大きく、樹脂の混合性が低下するため、実施例3に対して低温定着性及び白斑点(耐久性)が劣る。
実施例5は、樹脂AのSP値と樹脂BのSP値との差が小さく、機能分離性が低下するため、実施例3に対して低温定着性が劣る。
実施例6は、樹脂AのSP値と樹脂BのSP値との差が小さく、機能分離性が低下するため、実施例5に対して低温定着性及び耐ホットオフセット性が劣る。
実施例7は、樹脂BのビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物の付加モル数の増加に伴い分子量が増加し、樹脂Bの可塑化が低下するため、実施例6に対して低温定着性が劣る。
実施例8は、樹脂BのビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物の付加モル数の減少に伴いSP(B)が増加し、樹脂Bの可塑化が低下するため、実施例6に対して低温定着性が劣る。
実施例9は、樹脂BのビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物の付加モル数の減少に伴いSP(B)が増加し、樹脂Bの可塑化が低下するため、実施例8に対して低温定着性が劣る。
実施例10及び11は、樹脂CのSP値が変わり(中位のSP値がずれて)、樹脂Aと樹脂Bの混合性が低下するため、実施例9に対して低温定着性、耐ホットオフセット性、及び白斑点(耐久性)が劣る。
「中位のSP値がずれて」とは、下記のように、実施例9では樹脂CのSP値が、樹脂AのSP値と樹脂BのSP値とのほぼ中間であってが、実施例10又は実施例11では樹脂CのSP値が、樹脂AのSP値又は樹脂BのSP値に近づくことを意味する。
実施例9
樹脂C1のSP値と樹脂B7のSP値との差=12.47−12.22=0.25
樹脂A4のSP値と樹脂C1のSP値との差=12.69−12.47=0.22
実施例10
樹脂C2のSP値と樹脂B7のSP値との差=12.52−12.22=0.30
樹脂A4のSP値と樹脂C2のSP値との差=12.69−12.52=0.17
実施例11
樹脂C3のSP値と樹脂B7のSP値との差=12.42−12.22=0.20
樹脂A4のSP値と樹脂C3のSP値との差=12.69−12.42=0.27
実施例12は、樹脂C2が樹脂C4に変わり、中位のSP値がずれて、樹脂Aと樹脂Bの混合性が低下するため、実施例10に対して低温定着性、耐ホットオフセット性、及び白斑点(耐久性)が劣る。
実施例12
樹脂C4のSP値と樹脂B7のSP値との差=12.53−12.22=0.31
樹脂A4のSP値と樹脂C4のSP値との差=12.69−12.53=0.16
実施例13は、樹脂C3が樹脂C5に変わり、中位のSP値がずれて、樹脂Aと樹脂Bの混合性が低下するため、実施例11に対して低温定着性、耐ホットオフセット性、及び白斑点(耐久性)が劣る。
実施例13
樹脂C5のSP値と樹脂B7のSP値との差=12.41−12.22=0.19
樹脂A4のSP値と樹脂C5のSP値との差=12.69−12.41=0.28
実施例14は、樹脂AのSP値と樹脂BのSP値との差が小さく、機能分離性が低下するため、実施例9に対して低温定着性、耐ホットオフセット性及び白斑点(耐久性)が劣る。
実施例15は、樹脂AのSP値と樹脂BのSP値との差が小さく、機能分離性が低下するため、実施例14に対して低温定着性、耐ホットオフセット性及び白斑点(耐久性)が劣る。
実施例16は、樹脂AのSP値と樹脂BのSP値との差が小さく、機能分離性が低下するため、実施例15に対して低温定着性、耐ホットオフセット性及び白斑点(耐久性)が劣る。
実施例17は、樹脂AのSP値と樹脂BのSP値との差が小さく、機能分離性が低下するため、実施例16に対して低温定着性、耐ホットオフセット性及び白斑点(耐久性)が劣る。
実施例18は、樹脂Aの軟化点が低下するため、実施例17に対して耐ホットオフセット性及び白斑点(耐久性)が劣る。
実施例17 樹脂A8 軟化点145℃
実施例18 樹脂A9 軟化点130℃
実施例19は、樹脂Bの軟化点が高くなるため、実施例17に対して低温定着性が劣る。
実施例17 樹脂B11 軟化点86℃
実施例19 樹脂B13 軟化点95℃
実施例20は、結着樹脂と結晶性ポリエステルとの相溶性が低下するため、実施例17に対して低温定着性が劣る。
脂肪族ジオール
実施例17 結晶性樹脂D1 ヘキサンジオール HO−(CH−OH
実施例20 結晶性樹脂D2 デカンジオール HO−(CH10−OH
脂肪族ジカルボン酸
実施例17 結晶性樹脂D1 ドデカン二酸 HOOC−(CH10−COOH
実施例20 結晶性樹脂D2 セバシン酸 HOOC−(CH−COOH
実施例21は、結着樹脂と結晶性ポリエステルとの相溶性が低下するため、実施例20に対して白斑点(耐久性)が劣る。
実施例21は、実施例20に対して、結晶性ポリエステルを構成するモノマーである脂肪族ジオールの炭素数が、以下のように、「多く(長く)」なり、エステル基濃度が「低く」なり、「相溶性が低下」したためである。
脂肪族ジオール
実施例20 結晶性樹脂D2 デカンジオール HO−(CH10−OH
実施例21 結晶性樹脂D3 ドデカンジオール HO−(CH12−OH
比較例1は、樹脂Cがないため、樹脂Aと樹脂Bの混合性が非常に悪く、実施例9に対して低温定着性、耐ホットオフセット性、及び白斑点(耐久性)が非常に劣る。
比較例2は、樹脂AのSP値と樹脂BのSP値との差が小さく、どちらの樹脂も結晶性樹脂による可塑化が作用してしまう。つまり、可塑化しないことで耐ホットオフセット性の良化に寄与する非晶性樹脂が可塑化してしまうため、実施例9に対して耐ホットオフセット性及び白斑点(耐久性)が非常に劣る。
比較例3は、樹脂AのSP値と樹脂BのSP値との差が小さく、どちらの樹脂も結晶性樹脂による可塑化が作用しない。つまり、可塑化することで低温定着性の良化に寄与する非晶性樹脂が可塑化しないため、実施例9に対して低温定着性が非常に劣る。
Figure 2017146338
101 原料定量供給手段、 102 圧縮気体流量調整手段
103 導入管、 104 突起状部材
105 供給管、 106 処理室
107 熱風供給手段、 108 冷風供給手段
109 規制手段、 110 回収手段
111 熱風供給手段出口、 112 分配部材
113 旋回部材、 114 粉体粒子供給口

Claims (4)

  1. 非晶性樹脂、着色剤、及び結晶性樹脂を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
    該非晶性樹脂は、ポリエステルを主成分とする樹脂A、ポリエステルを主成分とする樹脂B、ポリエステルを主成分とする樹脂Cを含有し、
    該結晶性樹脂は、ポリエステルを主成分とする樹脂であり、
    該樹脂Aは、多価アルコールユニットと多価カルボン酸ユニットを有し、軟化点が130℃以上150℃以下であり、
    Fedorsの式に求められる相溶性パラメーターSP(A)が、12.55≦SP(A)≦13.00であり、
    該樹脂Bは、多価アルコールユニットと多価カルボン酸ユニットを有し、軟化点が80℃以上95℃以下であり、
    Fedorsの式に求められる相溶性パラメーターSP(B)が、11.80≦SP(B)≦12.40であり、
    該樹脂Cは、多価アルコールユニットと多価カルボン酸ユニットを有し、軟化点が100℃以上120℃以下であり、
    Fedorsの式に求められる相溶性パラメーターSP(C)が、12.40≦SP(C)≦12.55である
    ことを特徴とするトナー。
  2. 該樹脂Aは、多価アルコールユニットの総モル数に対し、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物に由来する多価アルコールユニットを70.0mol%以上含有し、
    該樹脂Bは、多価アルコールユニットの総モル数に対し、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物に由来する多価アルコールユニットを70.0mol%以上含有し、
    該樹脂Cは、多価アルコールユニットの総モル数に対し、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物に由来する多価アルコールユニットを40.0mol%以上60.0mol%以下含有し、
    多価アルコールユニットの総モル数に対し、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物に由来する多価アルコールユニットを40.0mol%以上60.0mol%以下含有している請求項1に記載のトナー。
  3. 該樹脂BのビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物に由来する多価アルコールユニットの該プロピレンオキサイド付加物の平均付加モル数が、2.5以上3.0以下である請求項1又は2に記載のトナー。
  4. 該樹脂Aの相溶性パラメーターSP(A)、該樹脂Bの相溶性パラメーターSP(B)が、下記(式1)の関係を満足する請求項1〜3のいずれか一項に記載のトナー。
    0.65≦SP(A)−SP(B)≦1.00 (式1)
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