JP2015115358A - 半導体素子の製造方法。 - Google Patents

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Abstract

【課題】ヒロックの発生が抑制された5μm以上の膜厚のAlパッド電極を有する、安定的で効率的な半導体素子の製造方法を提供する。【解決手段】本発明の半導体素子の製造方法は、Alパッド電極形成前の半導体基体を逆スパッタした後に、(i)真空中で60℃以下の成膜温度で、スパッタリング法を用いてAl膜を成膜する工程と、(ii)成膜を中断してチャンバー内にガスを導入する工程と、を順に複数回繰り返して、5μm以上の厚みを有するAlパッド電極を形成する。【選択図】図1

Description

本発明は、半導体素子の製造方法に関する。
半導体素子は、有機EL素子や発光ダイオード等の産業上多くの分野で利用されている。例えば、炭化珪素半導体素子は、炭化珪素(SiC)がシリコン(Si)に対して、バンドギャップが約3倍、絶縁破壊電界強度が約10倍、熱伝導度が約3倍という優れた物性を有しており、パワーデバイス、高周波デバイス、高温動作デバイス等への応用が期待されている。特に、ショットキーバリアダイオード(SiC−SBD)は既に実用化されている。
かかるSiCデバイス(炭化珪素半導体素子)は、昇華再結晶法等で成長させたSiCのバルク単結晶から加工して得られたSiC単結晶基板上に、化学的気相成長法(Chemical Vapor Deposition:CVD)等によってデバイスの活性領域となるSiCエピタキシャル膜を成長させたSiCエピタキシャルウェハを用いて作製されるのが一般的である。
さらにこのように形成された半導体基体上に、p型オーミック電極を覆うようにショットキー電極を形成し、その上にパッド電極を形成した後に、このパッド電極に対してワイヤーボンディングを行う。このパッド電極の材料としては、一般にAlが使用されている。
従来、このパッド電極のAl膜は蒸着法を用いて成膜されていた。蒸着法を用いていた理由は、Alパッド電極は5μm程度の厚膜とする必要があるためである。スパッタリング法でこの膜厚のAl膜を成膜するとヒロックと呼ばれる粒状の突起が多数形成されてしまい、平坦なAlパッド電極の形成が難しい。
ヒロックの発生を抑制する手段として、不純物を注入する方法(例えば、特許文献1)や、還元性のガスを添加する方法(例えば、特許文献2)により、Alの一部を別の物質に変化させ、その結晶粒のサイズを変更することが知られている。またAlとAl合金を積層することにより抑制する方法も知られている(例えば、特許文献3及び4)。
またAl合金やAl酸化物等の不純物を含まない純AlからなるAl膜におけるヒロックの発生を抑制する手段としては、Alターゲットへのスパッタ電源と基板へのバイアス電源とをパルスで行い、間欠的なスパッタで成膜する方法(例えば、特許文献5)や、成膜中に圧力を印加する方法(例えば、特許文献6)が記載されている。
特開平5−315330号公報 特開2000−124155号公報 特開2000−200764号公報 特開平4−33341号公報 特開2000−345333号公報 特開2002−367928号公報
Alパッド電極を蒸着法で形成するためには、成膜前に、基板上に所定の素子機能を有する積層膜が形成された、Alパッド電極を形成する前の半導体基体の表面を清浄化する必要がある。この清浄化には、従来、スパッタリング装置を用いた逆スパッタが用いられている。つまり、スパッタリング装置での逆スパッタする工程と蒸着装置でAl膜を成膜する工程との2つの工程を有しており、各装置での真空引きに要する時間が必要となることによる生産工程の長期化や、装置間の移送による不純物の混入等の不安定化等の問題があった。
そこで、清浄化工程と成膜工程をスパッタリング装置で一度に行うことが考えられるが、形成されるAl膜にヒロックが発生してしまい、Al膜の信頼性の低下やステッパーで重ねあわせ露光する際にアライメントマークが検知できないという問題があった。Al膜の信頼性が低下すれば、半導体素子全体の信頼性も低下する。またアライメントマークの検知ができないと、成膜後にエッチングによりAlパッド電極の形状を形成する際に、目的の箇所をエッチングすることができなくなり、所望の形状を得ることができなくなる。
また特許文献1〜4のように、Al膜に不純物や合金層を形成すると、Alパッド電極の特性が変化してしまうという問題もあった。さらに特許文献5のように、パルスでバイアス電源を印加し間欠的に成膜する方法や、特許文献6のように、圧力を印加する方法は特殊な設備が必要となり生産コストが増大してしまう。またこれらの特許文献1〜6の方法は、1μm以下の薄膜のAl膜を形成する際のヒロックを抑制する方法であり、本発明のように5μm以上の厚膜では、十分にヒロックを抑制することができなかった。
本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、ヒロックの発生が抑制された5μm以上の膜厚のAlパッド電極を有する、安定的で効率的な半導体素子の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下の手段を提供する。
(1)スパッタリング法を用いて5μm以上の厚みを有するAlパッド電極を備えた半導体素子を製造する方法であって、Alパッド電極形成前の半導体基体を逆スパッタした後に、(i)真空中で60℃以下の成膜温度で、スパッタリング法を用いてAl膜を成膜する工程と、(ii)成膜を中断してチャンバー内にガスを導入する工程と、を順に複数回繰り返して、5μm以上の厚みを有するAlパッド電極を形成することを特徴とする半導体素子の製造方法。
(2)各々の(i)の工程において、成膜するAl膜の膜厚を2μm以下とすることを特徴とする(1)に記載の半導体素子の製造方法。
(3)(i)の工程において、スパッタリング速度を250〜800Å/minとすることを特徴とする(1)または(2)のいずれかに記載の半導体素子の製造方法。
(4)(ii)の工程において、チャンバー内を大気圧にすることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか一項に記載の半導体素子の製造方法。
(5)各々の(ii)の工程の時間を5分以上60分以下とすることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか一項に記載の半導体素子の製造方法。
(6)2回目以降の(i)の工程前に、最初の(i)の工程でAl膜が形成された半導体基体を逆スパッタすることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか一項に記載の半導体素子の製造方法。
(7)Alパッド電極形成前の前記半導体基体上に金属層が形成されていることを特徴とする(1)〜(6)のいずれか一項に記載の半導体素子の製造方法。
本発明に係る半導体の製造方法は、Alパッド電極形成前の半導体基体を逆スパッタした後に、真空中で60℃以下の成膜温度で、スパッタリング法を用いてAl膜を成膜する工程と、成膜を中断してチャンバー内にガスを導入する工程とを順に複数回繰り返す構成を採用したことにより、5μm以上の厚みのAlパッド電極を形成してもヒロックの発生を抑制することができる。
本発明に係る半導体の製造方法はさらに、ヒロックの発生を抑制することにより、Alパッド電極の成膜方法をスパッタリング装置のみで行うことができ、工程の大幅な短縮を実現することができる。なお、チャンバーを真空引きする工程は、最初の真空引き以外は、チャンバーを解放せずに行うため比較的短時間で所定の真空度まで到達できる。そのため従来の方法のように装置毎で真空引きする場合と比較して、全工程は大幅に短縮される。
(a)は本発明の実施形態に係る半導体素子の製造方法で用いるスパッタリング装置の一例を説明するための断面模式図であり、(b)はその平面模式図である。 図1で示したスパッタリング装置の半導体基体配置部を拡大した断面模式図である。 Al薄膜を所定の温度で1時間真空熱処理した際のヒロックの発生密度を示した図である。 Al膜の表面状態の写真であり、(a)は実施例1の方法を用いて作製したものであり、(b)実施例2の方法を用いて作製したものであり、(c)は、比較例1の方法を用いて作製したものである。 実施例1の工程における経過時間と保持部3の温度およびチャンバー5内の真空度の関係を示したグラフである。 DCパワー出力毎の成膜速度を示したグラフである。 Al膜の表面状態の写真であり、(a)は1000WのDCパワー出力で作製したものであり、(b)2000WのDCパワー出力で作製したものである。
以下、本発明の半導体素子の製造方法について、図面を用いてその構成を説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などは実際と同じであるとは限らない。また、以下の説明において例示される寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
図1(a)は、本発明の一実施形態の半導体素子の製造方法で用いるスパッタリング装置の一例の断面模式図である。また、図1(b)はその平面模式図であって、図1(a)における回転軸8側から見た模式図である。
図1に示すスパッタリング装置10は、チャンバー5内にターゲット1と、ターゲットシャッター4と、半導体基体2を保持するための保持部3及び押さえ板6とを有し、さらにチャンバー5を冷却する冷却部7と、保持部3を公転させるための回転軸8とを有する。
スパッタリング法による成膜の原理についてスパッタリング装置10を用いて説明する。チャンバー5内を真空にした後、Arガスを導入し、高電圧を印加することによりイオン化したガス粒子がターゲット1に高速で衝突する(矢印A1)。イオン化したガス粒子が衝突することで、ターゲット1の金属粒子が叩きだされ半導体基体2の表面に金属膜が成膜される(矢印A2)。そのため、半導体基体2はターゲット1に対向するように配置されている。
ターゲット1は、図1(b)で示すように複数個あってもよく、特にその数に制限はない。またその材料は様々な金属等を種々選択することができるが、本発明においてはAlからなる。また使用しないターゲットはターゲットシャッター4で覆うことで、所定の条件に達する前に金属粒子が飛び出ることを防止できる。
半導体基体2は、保持部3と押さえ板6により保持される。半導体基体2は、図1(b)で示すように複数個あってもよく、特にその数に制限はない。複数ある場合は、保持部3の同心円上に複数個の半導体基体2を配置することが好ましい。また、保持部3は、回転軸8を中心に回転することが好ましい。半導体基体2を保持部3に同心円上に配置し、その保持部3が回転することで、それぞれの半導体基体2に均一なAl膜を形成することができる。
(半導体素子の製造方法)
本発明の一実施形態の半導体素子の製造方法では、Alパッド電極形成前の半導体基体を逆スパッタした後に、(i)真空中で60℃以下の成膜温度で、スパッタリング法を用いてAl膜を成膜する工程(Al膜成膜工程)と、(ii)成膜を中断してチャンバー内にガスを導入する工程(成膜中断工程、ガス導入工程)と、を順に複数回繰り返して、5μm以上の厚みを有するAlパッド電極を形成する。
この方法の一例を図1に示すスパッタリング装置を用いて説明すると、半導体基体2をスパッタリング装置10内に配置し、Alパッド電極形成前の半導体基体を逆スパッタした後に、スパッタリング装置10のチャンバー5を真空引きする工程と、半導体基体2上にスパッタリング法を用いてAl膜を成膜する工程と、チャンバー5内にガスを導入し成膜を中断する工程と、を順に複数回繰り返す。このように、成膜を中断すると共にチャンバー内にガスを導入して工程を挟んで、パッド電極のAl膜の成膜を複数回に分けて行うことで、成膜されるAl膜の温度が60℃以下となるようにし、ヒロックの発生を抑制した5μm以上の厚みのAlパッド電極を形成する。
なお、半導体基体2は、基板上に所定の素子機能を有する積層膜が形成された、Alパッド電極を形成する前のものであり、積層膜中の半導体膜はn型でもp型でもよい。さらに、ショットキーバリアダイオード等の半導体素子の場合、半導体基体の上に金属等が成膜されていてもよい。
(チャンバーを真空引きする工程)
まず、スパッタリング装置10のチャンバー5を真空引きする。真空引きは、回転ポンプ、ターボ分子ポンプ、イオンゲッターポンプ等を適宜組み合わせて真空引きすることができる。真空度は、一般にスパッタリングを行う程度の真空度であればよく、1×10−4Pa以下であることが好ましい。
(半導体基体表面を清浄化させる工程)
チャンバー5を十分真空引きさせた後、半導体基体2の表面を清浄化することが好ましい。清浄化する方法としては、逆スパッタ等が挙げられる。
逆スパッタは、以下のように行うことができる。チャンバー5内にArガスを導入後、通常のスパッタリングと正負逆の電圧を半導体基体2とターゲット1に印加する。この印加電圧により、グロー放電が発生し、グロー放電により発生したプラズマ中のArイオンが電界に沿って、半導体基体2に衝突する。そのエネルギーにより、半導体基体2表面上の自然酸化膜、水分、カーボン等の汚れを除去することができる。
このような方法で半導体基体2表面を清浄化すると、後の工程で成膜されるAl膜の密着が向上する。Al膜の密着が向上することは、半導体素子においてAlパッド電極が剥がれにくくなることを意味し、生産歩留りを向上させることができる。
なお、逆スパッタによる表面の清浄化は、2回目以降のAl膜成膜工程の前に行ってもよい。
((i)Al膜を成膜する工程(Al膜成膜工程))
次に、半導体基体2上にAl膜を成膜する。図2はスパッタリング装置10の半導体基体2周辺を拡大した断面模式図である。図2で示すように、半導体基体2のすぐ近傍の保持部3に熱電対9を配置し、半導体基体2の温度を測定する。成膜時の成膜されるAl膜の温度は60℃以下とする。
Al膜の成膜温度を60℃以下とすることについて説明する。図3は、Al薄膜を所定の温度で1時間真空熱処理した際のヒロックの発生密度を示した図である。横軸が熱処理時のAl膜の温度を示し、縦軸がヒロックの発生密度を示す。
図3で示すように、Al膜の温度が上昇すると、Al膜のヒロック発生密度が増加する。図3から、Al膜の成膜温度を60℃以下とすることにより、ヒロックの発生密度を十分に低いものとすることできる。本発明のAl膜を成膜する工程においては、熱処理は行わないが、Al膜を5μm以上の厚膜を成膜するためには、長時間のスパッタリングを行う必要がある。長時間のスパッタリングを行うと、金属粒子が半導体基体2に衝突するエネルギーにより、半導体基体2の温度が高温になる。そのため、成膜されるAl膜の温度が60℃を超え、ヒロックの発生密度が高くなってしまう。
それぞれのAl膜成膜工程において、一度に成膜するAl膜の膜厚を2μm以下とすることが好ましい。一度に成膜するAl膜の膜厚が2μm以下であれば、スパッタリングにより半導体基体2に与えられるエネルギーが大きくならず、成膜されるAl膜の温度が高温になることが抑えることができる。すなわち、ヒロックの発生を抑制することができる。
Alを成膜する工程において、Al膜のスパッタリング速度が250〜800Å/minであることが好ましい。またAl膜のスパッタリング速度が400〜600Å/minであることがさらに好ましい。スパッタリング速度が250Å/min未満では、規定膜厚のAl膜を成膜するのに時間を要し、スパッタリングに要する時間が長時間となり、成膜されるAl膜の温度上昇を招き、ヒロック発生を十分抑制することができない。また800Å/minを超えると、半導体基体2に衝突する金属粒子が高エネルギーを有しているため、半導体基体2の温度上昇を招き、ヒロック発生を十分抑制することができない。
((ii)成膜を中断する工程(成膜中断工程)、ガス導入工程)
次に、チャンバー5内にガスを導入し、一度成膜を中断する。ガスを導入することにより、チャンバー5内部の断熱状態が解消され、成膜されたAl膜の温度を下げることができる。また、ガスを導入することにより、成膜されたAl膜の表面に気流ができ、成膜されたAl膜の表面をクリーニングすることもできる。
ヒロックは、温度上昇により発生するものが主要因と考えられるが、その他にも被成膜面上に異物が存在する場合、その異物を核としてヒロックが成長することも考えられる。そのため成膜を中断する工程においてガスを導入することにより、成膜されたAl膜の冷却効果に加えて、被成膜面をクリーニングすることによるヒロックの発生を抑制効果も生じる。
導入するガスは、NやArなどの希ガスが好ましい。希ガスは、Alと反応しない為、成膜されたAlが酸化等の変性することを避あけることができる。
また、(ii)の成膜を中断する工程において、ガスの導入により、チャンバー5内を大気圧にすることが好ましい。チャンバー内を大気圧まで戻すことで、熱を伝える媒体であるガスの量が増加するため、より効率的に成膜されたAl膜の温度を下げることができる。
またガスの導入後に、チャンバー5を解放しないことが好ましい。チャンバー5を解放すると、周囲の不純物がチャンバー5内に入り、被成膜面を汚染することが考えられる。またチャンバー5を解放すると、再度真空引きする際に、所定の真空度まで到達するのに長時間を要してしまう。
さらに、(ii)の成膜を中断する工程の一回毎の時間が、5分以上60分以下であることが好ましい。また10分以上20分以下であることがさらに好ましい。被成膜面の汚染防止や生産性の観点から、成膜を中止する一回毎の時間は、短時間の方が好ましいが、5分以下では半導体基体2の温度を十分に下げることができない。60分以上では、Alパッド電極の形成における全体の工程時間が長時間となり、生産効率が下がる。
また、半導体基体2の表面に金属層が形成されていることが好ましい。金属は熱伝導が高いため、冷却をより効率的に行うことができ、全体の生産効率を向上させることができる。例えば、ショットキーバリアダイオードにおいて、半導体上に形成されるショットキー接合層やオーミック接合層等が金属層に相当する。より具体的には、ショットキーバリアダイオードにおいて、半導体としてSiC、ショットキー接合層としてMo等、オーミック接合層としてAlTi合金が挙げられる。
これらの、チャンバーを真空引きする工程と、Al膜を成膜する工程と、成膜を中断する工程と、を順に複数回繰り返すことでAlパッド電極を形成する。各工程は何回繰り返してもよい。なお、半導体基体表面を清浄化させる工程については、最初の1回を行えばよく、2回目以降の成膜前には行う必要はない。チャンバー5を解放しない為、半導体基体2の表面が汚染されることが少ないためである。
本発明の方法でAl膜を形成することで、ヒロックの発生を抑制することができる。ヒロックの発生を抑制することで、Alパッド電極の信頼性を向上させることができ、ステッパー露光時にアライメントマークを容易に検出することができる。
さらに、Alパッド電極の形成をスパッタリング装置のみで行うことができ、工程の短縮化することができ、生産効率を向上させることができる。さらに、装置間の移送時の異物混入を防ぐことができ、信頼性を向上することができる。
(実施例1)
まず、半導体基体2として、ショットキーバリアダイオードを準備した。ショットキーバリアダイオードは、SiC半導体素子の一つの表面にn型領域とp型領域とを並列に配置し、大電流導通時にp型領域から少数キャリアである正孔の注入が起こるようにしたMPS(Merged p−i−n Schottly)構造を用いた。n型半導体領域にショットキー接合する接合層として、Moを用い、p型半導体領域にオーミック接合する接合層として、TiAl合金を用いた。すなわち、半導体基体は、半導体上の一部にTiAl合金が積層され、露出した半導体上とTiAl合金上にMoが順に積層されている。
この半導体基体2上に次に示す方法でAl膜を成膜し、Alパッド電極を形成した。
まず、半導体基体2を保持部3に配置後、チャンバー5を1時間真空引きし、チャンバー内の真空度を1×10−4Paとした。
次に、Arガスをチャンバー5内に60sccmの流量で導入し、200WのDCパワーで逆スパッタを5分間実施した。その後、Alを2000WのDCパワーで、スパッタリングを行った。スパッタリングは37分行い、2μmのAlを成膜した。1回目のAl成膜後、Nパージし、チャンバー5内を大気圧まで3分かけて戻した。そして、再び既定の真空度1×10−4Paまで真空引きを10分かけて行った。すなわち、1回目の成膜から13分間成膜を中断した。この工程を3回繰り返し(但し、逆スパッタは1回目の成膜前のみ)、合計で6μmのAl膜を形成した。
図4(a)は、実施例1の方法を用いて作製したAl膜の表面状態の写真である。図4(a)からもわかるように、実施例1の方法を用いることで、ヒロックの発生が抑制されていることが分かる。その結果、形成されたAl膜でステッパーによってアライメントマークを検出することができた。
尚、この図4(a)の写真は、ショットキーバリアダイオードのMPS構造部分に隣接して配置されたアライメントマーク部分の写真である。この部分は、Alパッド電極と同じAl膜が形成されていて、ヒロック等の表面状態はAlパッド電極部分と同じである。また、以下の図4(b)、図4(c)、図7(a)および図7(b)においても同様であり、それぞれは図4(a)と同じサイズのものである。
(実施例2)
実施例2では、一回の成膜で2.5μmのAl膜を成膜し、それを2回繰り返し、合計5μmのAl膜を形成した。その他の条件は実施例1と同様の条件を用いた。なお、実施例2では、Al膜を2.5μm成膜するため、スパッタリングの時間は46分とした。
図4(b)は、実施例2の方法を用いて作製したAl膜の表面状態の写真である。図4(b)からもわかるように、実施例2の方法を用いることで、ヒロックが僅かに発生している。しかし、ステッパーによってアライメントマークを検出することはできた。
(比較例1)
比較例1では、5μmのAl膜を連続して成膜した。その他の条件は実施例1と同様の条件を用いた。なお、実施例2では、Al膜を5μm成膜するため、スパッタリングの時間は92分とした。
図4(c)は、比較例1の方法を用いて作製したAl膜の表面状態の写真である。図4(c)からもわかるように、比較例1の方法では、ヒロックが多数発生していた。その結果、形成されたAl膜で、ステッパーによってアライメントマークを検出することはできなかった。
実施例1、実施例2および比較例1の結果から、成膜を中断しつつガスを導入する工程を介してパッド電極のAl膜を複数回に分けて成膜することによって、ヒロックの発生を抑制することができることがわかった。また、一度に成膜するAl膜の膜厚を2μm以下とすることで、ヒロックは発生させないことができた。
また、図5は実施例1の工程における経過時間と保持部3の温度およびチャンバー5内の炉内圧力の関係を示したグラフである。菱形でプロットしたものが、成膜時におけるチャンバー5内の炉内圧力の推移を示しており、四角でプロットしたものが、成膜時における保持部3の温度の推移を示している。前述したように、熱電対9は被成膜体である半導体基体2の近傍の保持部3の温度を測定しているため、この温度は成膜されたAl膜の温度とほぼ同一であると見なすことができる。
炉内圧力は、3回の成膜工程全てほぼ同じ推移をしている。スパッタリングにより徐々に炉内圧力は高くなっている。
温度は、徐々に温度が上昇しているものの、成膜中断してガス導入工程を挟んで成膜工程を3回に分割したことにより、各工程における半導体基体2の温度が60℃以下にできたことがわかる。
また、Al膜のスパッタリング速度によるヒロックの発生状態についても検討を行った。Al膜のスパッタリング速度は、DCパワー出力を変えることで変更した。チャンバー5内を規定の真空度1×10−4Paまで真空引きし、その後Arを60sccmの流量でチャンバー5内に導入し、スパッタを行った。スパッタリング時のDCパワー出力としては、1000Wと、2000Wの2種類の出力で検討を行った。なお、成膜は5μmのAl膜を一度に連続でスパッタした。
図6は、DCパワー出力毎の成膜速度を示したグラフである。縦軸は成膜されたAl膜の膜厚を示し、横軸はスパッタリングの経過時間を示す。1000Wの場合は、スパッタリングの速度が235Å/minであり、2000Wの場合は、スパッタリングの速度が500Å/minであった。
図7は、Al膜の表面状態の写真であり、(a)は1000WのDCパワー出力で作製したものであり、(b)2000WのDCパワー出力で作製したものである。(a)は(b)に比べて大きなヒロックは少なく見えるが、小さなヒロックが多数発生しており、どちらの場合も形成されたAl膜で、ステッパーによりアライメントマークを検出することはできなかった。成膜速度を変更しただけでは、ヒロックを十分に抑制することができないことがわかった。
1 ターゲット
2 半導体基体
3 保持部
4 ターゲットシャッター
5 チャンバー
6 押さえ板
7 冷却部
8 回転軸
9 熱電対
10 スパッタリング装置

Claims (7)

  1. スパッタリング法を用いて5μm以上の厚みを有するAlパッド電極を備えた半導体素子を製造する方法であって、
    Alパッド電極形成前の半導体基体を逆スパッタした後に、
    (i)真空中で60℃以下の成膜温度で、スパッタリング法を用いてAl膜を成膜する工程と、
    (ii)成膜を中断してチャンバー内にガスを導入する工程と、
    を順に複数回繰り返して、5μm以上の厚みを有するAlパッド電極を形成することを特徴とする半導体素子の製造方法。
  2. 各々の(i)の工程において、成膜するAl膜の膜厚を2μm以下とすることを特徴とする請求項1に記載の半導体素子の製造方法。
  3. (i)の工程において、スパッタリング速度を250〜800Å/minとすることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の半導体素子の製造方法。
  4. (ii)の工程において、チャンバー内を大気圧にすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の半導体素子の製造方法。
  5. 各々の(ii)の工程の時間を5分以上60分以下とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の半導体素子の製造方法。
  6. 2回目以降の(i)の工程前に、最初の(i)の工程でAl膜が形成された半導体基体を逆スパッタすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の半導体素子の製造方法。
  7. Alパッド電極形成前の前記半導体基体上に金属層が形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の半導体素子の製造方法。
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