JP6648574B2 - 炭化珪素半導体装置の製造方法 - Google Patents

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この発明は、炭化珪素半導体装置の製造方法に関する。
従来、高周波、大電力の制御を目的として、シリコン(Si)基板を用いたパワーデバイス(以下、シリコンパワーデバイス)の高性能化が進められてきた。しかし、シリコンパワーデバイスは高温の下で使用することができないことなどから、更に高性能のパワーデバイスを求める声に対して新しい材料の適用が検討されている。
炭化珪素(SiC)は、シリコンの約3倍という広い禁制帯幅をもつことから高温での電気伝導度の制御性に優れ、またシリコンより約一桁大きい絶縁破壊電圧をもつことから高耐圧素子用基板材料として適用可能である。さらに炭化珪素は、シリコンの約2倍の電子飽和ドリフト速度をもつことから高周波かつ大電力の制御にも適用可能である。
炭化珪素基板を用いたパワーデバイスのオーミック電極を形成する技術において、基板の裏面(第二の主面)にニッケル(Ni)の薄膜を形成した後に高温の熱処理を行い、ニッケルシリサイド層を形成することで、基板とニッケル膜とのオーミック特性を得る方法が知られている。
しかし、この方法により形成されたオーミック電極には、ニッケルシリサイド層の形成により発生した遊離炭素(C)を含む副生成物がオーミック電極表面に偏析することによって、オーミック電極上に形成される配線金属層との密着性が低下し、配線金属層が剥離しやすくなるという問題がある。この問題を解決するために、以下の手法が提案されている。
例えば、炭化珪素基板の裏面に第一の金属膜としてニッケル膜を形成した上に、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、タングステン(W)のなどの炭化物生成金属からなる第二の金属膜を形成し、熱処理を行う炭化珪素半導体装置の製造方法がある(例えば、特許文献1参照)。
また、炭化珪素基板の裏面にニッケルおよびチタンを含む金属層を堆積し、金属層に熱処理を施してニッケルシリサイド層を形成し、形成されたニッケルシリサイド層の表面に生成した炭素層を逆スパッタリング(以下、逆スパッタと略する)により取り除く炭化珪素半導体装置の製造方法がある(例えば、特許文献2参照)。
特開2006−344688号公報 特開2012−248729号公報
特許文献1によると、ニッケルシリサイドの生成により遊離した炭素が第二の金属膜と反応して炭化物を生成するため、オーミック電極表面に遊離炭素を含む副生成物が偏析することを防ぐことができ、オーミック電極と配線金属層との剥離を防ぐことができるとされている。また、特許文献2によると、ニッケルシリサイド層表面に生成した炭素層を逆スパッタにより取り除いているので、後で形成される金属層の電極との剥離を抑制でき、ダイシング時の剥離の歩留まりを向上させることができるとされている。
しかしながら、ニッケルシリサイド形成により発生した遊離炭素を含む副生成物はオーミック電極の表面のみならず内部でも偏析することがあり、これがオーミック電極の膜質の脆化および剥離の原因となる場合がある。
また、炭化珪素半導体装置の製造工程において、ニッケルシリサイド形成までの工程に、炭素もしくは炭素を含む副生成物が形成される工程があるため、炭化珪素基板の第二の主面の表面に、炭素もしくは炭素を含む副生成物が存在してしまう。このため、ニッケルシリサイド形成時のオーミック電極の表面および内部に偏析される遊離炭素を含む副生成物を増加させてしまい、オーミック電極の膜質の脆化および剥離の原因となる場合がある。
なお、ニッケルシリサイド形成までの工程において、第二の主面の表面に炭素もしくは炭素を含む副生成物が形成される工程は、例えば、導電型やキャリア濃度を制御するために注入されたイオンを活性化するための熱処理工程がこれにあたる。イオン注入後にイオンを活性化させるために、例えば1700℃前後の温度で活性化熱処理する必要があり、この際、炭化珪素基板のおもて面に形成されたエピタキシャル層と対向する第二の主面の表面近傍のシリコン原子が昇華され面荒れが起こる。このように、シリコン原子が昇華されるため、第二の主面の表面には炭素を含む副生成物が存在するようになり、ニッケルシリサイド形成時のオーミック電極の表面および内部に偏析される遊離炭素を含む副生成物の量を増加させてしまう。
これに対して、特許文献1の炭化珪素半導体装置の製造方法では、オーミック電極表面の副生成物を金属炭化して配線電極層との密着性を向上させることはできるが、オーミック電極内部の副生成物の偏析を防止する方法は述べられていないため、オーミック電極の膜質の脆化および剥離を完全に防ぐことはできない。同様に、特許文献2の炭化珪素半導体装置の製造方法においても、オーミック電極表面に存在する炭素層を逆スパッタにより取り除き、配線電極層との密着性を向上させることはできるが、オーミック電極内部の副生成物の偏析を防止する方法は述べられていないため、オーミック電極の膜質の脆化および剥離を完全に防ぐことはできない。
この発明は、オーミック電極内部における副生成物の偏析、および、オーミック電極表面の副生成物の生成を抑制し、オーミック電極の膜質の脆化および剥離を防ぐ炭化珪素半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、本発明の目的を達成するため、この発明にかかる炭化珪素半導体装置の製造方法は、次の特徴を有する。まず、第1導電型の炭化珪素半導体基板のおもて面に、第1導電型の半導体領域を形成する。次に、前記炭化珪素半導体基板の裏面を酸素またはアルゴンのプラズマに晒して清浄化する。次に、前記炭化珪素半導体基板の裏面にニッケルからなる金属層を堆積し、前記金属層を熱処理することで、オーミック電極を形成する。この際、前記炭化珪素半導体基板の裏面の清浄化は、前記金属層を堆積することより前に行われる。前記炭化珪素半導体基板の裏面の清浄化は、前記炭化珪素半導体基板の裏面から、前記金属層を堆積することより前に生成された炭素または炭素を含む副生成物を逆スパッタにより取り除く。
また、この発明にかかる炭化珪素半導体装置の製造方法は、上述した発明において、前記オーミック電極を形成した後に、前記オーミック電極の表面を酸素またはアルゴンのプラズマに晒して清浄化し、前記オーミック電極上に配線層を形成することをさらに含むことを特徴とする。
また、この発明にかかる炭化珪素半導体装置の製造方法は、上述した発明において、前記炭化珪素半導体基板の裏面の清浄化は、前記金属層を堆積することより前に生成された炭素または炭素を含む副生成物の前記炭化珪素半導体基板の裏面におけるばらつきを3〜6%にすることを特徴とする。
また、この発明にかかる炭化珪素半導体装置の製造方法は、上述した発明において、前記金属層を堆積することは、ニッケルからなる第一の金属膜を形成し、前記第一の金属膜上にモリブデン、タンタル、チタン、クロムの内の1種類以上からなる第二の金属膜を形成することを特徴とする。
上述した発明によれば、炭化珪素基板の裏面にニッケルからなる金属層を堆積する前に、炭化珪素基板の裏面を酸素(O2)またはアルゴン(Ar)のプラズマに晒して清浄化する。この清浄化により、金属層を堆積する工程より前に生成された炭素または炭素を含む副生成物の炭化珪素基板の裏面におけるばらつきを3〜6%にできる。これにより、オーミック電極上の金属層熱処理中の副生成物の生成を抑制し、オーミック電極内部における副生成物の偏析を防ぐことができる。このため、オーミック電極の膜質の脆化および剥離を防ぐことができる。
また、炭化珪素基板の裏面に形成されたオーミック電極の表面を酸素またはアルゴンのプラズマに晒して清浄化することで、オーミック電極表面の副生成物の生成を抑制し、より確実にオーミック電極の膜質の脆化および剥離を防ぐことができる。
本発明にかかる半導体装置の製造方法によれば、オーミック電極内部における副生成物の偏析、および、オーミック電極表面の副生成物の生成を抑制し、オーミック電極の膜質の脆化および剥離を防ぐことができるという効果を奏する。
実施の形態にかかるショットキーバリアダイオードの製造途中の状態を示す断面図である(その1)。 実施の形態にかかるショットキーバリアダイオードの製造途中の状態を示す断面図である(その2)。 実施の形態にかかるショットキーバリアダイオードの製造途中の状態を示す断面図である(その3)。 実施の形態にかかるショットキーバリアダイオードの製造途中の状態を示す断面図である(その4)。 実施の形態にかかるショットキーバリアダイオードの製造途中の状態を示す断面図である(その5)。 実施の形態にかかるショットキーバリアダイオードの製造途中の状態を示す断面図である(その6)。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる炭化珪素半導体装置および炭化珪素半導体装置の製造方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。本明細書および添付図面においては、nまたはpを冠記した層や領域では、それぞれ電子または正孔が多数キャリアであることを意味する。また、nやpに付す+および−は、それぞれそれが付されていない層や領域よりも高不純物濃度および低不純物濃度であることを意味する。+および−を含めたnやpの表記が同じ場合は近い濃度であることを示し濃度が同等とは限らない。なお、以下の実施の形態の説明および添付図面において、同様の構成には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、本明細書では、ミラー指数の表記において、“−”はその直後の指数につくバーを意味しており、指数の前に“−”を付けることで負の指数をあらわしている。
(実施の形態にかかる炭化珪素半導体装置の製造方法)
実施の形態にかかる炭化珪素半導体装置の製造方法について、ショットキーバリアダイオード(SBD:Schottky Barrier Diode)を作製(製造)する場合を例に説明する。図1〜図6は、実施の形態にかかるショットキーバリアダイオードの製造途中の状態を示す断面図である。
本発明は、ショットキーバリアダイオードに限らず、主面上に他の装置、例えばMOS(Metal Oxied Semiconductor)等の構造を製造することが可能である。また、主面として(000−1)面を例に述べるが、主面として(0001)面を用いてもよい。また、実施の形態において、製膜方法、条件等は、本発明の効果を得られるための一例であり、すべての条件を表すものではない。
まず、例えば、1×1018/cm3の不純物濃度で窒素(N)がドーピングされた厚さ350μmの高濃度のn型炭化珪素基板(第1導電型の炭化珪素半導体基板)1を用意する。そして、このn型炭化珪素基板1の(000−1)面上に、n型の不純物、例えば窒素原子をドーピングしながら炭化珪素でできた低濃度のn-型ドリフト層(第1導電型の半導体領域)2を堆積させる。n-型ドリフト層2は、例えば、不純物濃度が1.8×1016/cm3であり、厚さが6μmである。ここまでの状態が図1に記載されている。
次に、n-型ドリフト層2の表面上に、フォトリソグラフィ技術によって所望の開口部を有する図示しないマスクを、例えば酸化膜で形成する。そして、この酸化膜をマスクとしてイオン注入法によってn型の不純物、例えばリン(P)原子をイオン注入する。それによって、n-型ドリフト層2の表面領域の一部に、n-型ドリフト層2より不純物濃度が高いチャンネルストッパー用のn型領域3が形成される。ここまでの状態が図2に記載されている。
次に、n型領域3を形成するためのイオン注入時に用いたマスクを除去する。次に、n-型ドリフト層2の表面上に、フォトリソグラフィ技術によって、n型領域3とは異なる領域に所望の開口部を有する図示しないマスクを、例えば酸化膜で形成する。そして、この酸化膜をマスクとしてイオン注入法によってp型の不純物、例えばアルミニウム(Al)原子をイオン注入する。それによって、n-型ドリフト層2の表面領域の一部に、終端構造用のp型領域4とフィールドリミッティングリング(FLR:Field Limiting Ring)構造用のp型領域5が形成される。
次に、熱処理(アニール)を行って、チャンネルストッパー用のn型領域3を形成するために注入されたリンおよび、終端構造用のp型領域4とFLR構造用のp型領域5を形成するために注入されたアルミニウムを活性化させる。熱処理の温度は、例えば1650℃程度であってもよい。熱処理の時間は、例えば240秒程度であってもよい。なお、1回の熱処理によって各イオン注入領域をまとめて活性化させてもよいし、イオン注入を行うたびに熱処理を行って活性化させてもよい。ここまでの状態が図3に記載されている。
次に、n型炭化珪素基板1のおもて面側を熱酸化し、フィールド絶縁膜7を形成する。この熱酸化は、1100℃程度の温度の熱処理によって行ってもよい。次に、オーミック電極6の形成前に、炭化珪素基板1の(0001)面(裏面)を酸素またはアルゴンのプラズマに晒して清浄化する。具体的には、オーミック電極6の形成前に、RFパワー200W、アルゴン雰囲気の圧力0.3Paにて炭化珪素基板1の(0001)面上に5分間逆スパッタを行う。
これにより、炭化珪素基板1の(0001)面の表面近傍のシリコン原子が昇華され、面荒れが起こることにより生成された炭素および炭素を含む副生成物を取り除くことができる。この逆スパッタにより、炭素および炭素を含む副生成物を取り除くことにより、生成された炭素または炭素を含む副生成物の炭化珪素基板1の(0001)面におけるばらつきを従来の10〜20%から3〜6%にすることができる。ここで、炭化珪素基板1の(0001)面におけるばらつきが3〜6%とは、炭素または炭素を含む副生成物の(0001)面での最大値と最小値との差が3〜6%のことである。例えば、炭化珪素基板1の(0001)面を等面積の小領域に分割して、分割された小領域における炭素または炭素を含む副生成物の最大値をA、分割された小領域における炭素または炭素を含む副生成物の最小値をaとすると、0.03≦(A−a)/A≦0.06となることである。
次に、炭化珪素基板1の(0001)面上に、アルゴン雰囲気の圧力0.2Pa、基板温度250℃のマグネトロンスパッタリングでニッケル層を堆積させる。その後、急速加熱処理(RTA:Rapid Thermal Anneal)装置を用いて1℃/秒の昇温速度で昇温し、1100℃に到達後2分間保持する。これによりニッケル層がシリサイド化され、炭化珪素基板1の(0001)面との間に低抵抗のオーミック電極6が形成される。
また、ニッケル層を堆積させた後、モリブデン(Mo)、タンタル、チタン、クロム(Cr)の内の1種類以上を、ニッケル層上に積層することで積層膜とした後に、熱処理することで、ニッケル層をシリサイド化してオーミック電極6を形成することもできる。
次に、オーミック電極6の表面を酸素またはアルゴンのプラズマに晒して清浄化する。具体的には、オーミック電極6の表面をRFパワー200W、アルゴン雰囲気の圧力0.3Paにて5分間逆スパッタを行う。
次に、フィールド絶縁膜7をパターニングして選択的に除去する。例えば、p型領域4の挟まれた部分とp型領域4の一部を覆うフィールド絶縁膜7を除去することによって、n型炭化珪素基板1のおもて面にショットキー電極8を形成する部分を形成する。次に、ショットキー電極8を形成する部分に、蒸着によりチタン層を堆積させた後、急速加熱処理装置を用いて、8℃/秒の昇温時間で昇温し、500℃に到達後5分間保持してショットキー電極8を形成する。ショットキー電極8の終端部分は、ショットキーバリアダイオードを高耐圧素子として動作させるためにショットキー電極8の端とp型領域4が重なるようにする。ここまでの状態が図4に記載されている。
次に、n型炭化珪素基板1のおもて面上にボンディング用電極パッドとしてアルミニウム−シリコン層9を5μmの厚さで形成した後、アルミニウム−シリコン層9の上にパッシベーション膜としてポリイミド膜10を形成する。ここまでの状態が図5に記載されている。
次に、オーミック電極6の表面側にチタン70nm、ニッケル400nm、金(Au)200nmの順に堆積させることで、剥離がなく抵抗の少ない外部装置と接続するための配線金属層11を形成する。これにより、図6に示すショットキーバリアダイオードが完成する。
実施の形態により作成したショットキーバリアダイオードを評価するために比較例のショットキーバリアダイオードを作成した。比較例では、オーミック電極6を形成する前のアルゴン雰囲気の逆スパッタを実施することを除き、実施の形態と同様に炭化珪素ショットキーバリアダイオードを作成した。
(評価)
それぞれ作成した炭化珪素ショットキーバリアダイオードを有するウェハをダイシング後、ピックアップを行い、配線金属層の剥がれた面積と個数を100チップずつ比較した。比較例においてもピックアップ時に裏面電極全面が剥離することはなかったが、ダイシングライン周辺の配線金属層が2〜10%の面積で23個剥離が確認された。実施の形態においてはダイシングライン周辺の配線金属層が2%の面積で3個剥離が確認された。
次に、それぞれ剥離の起こったチップを光学顕微鏡により観察した。比較例において剥離したチップはオーミック電極と配線電極の界面で剥離7個、オーミック電極内での剥離12個、ダイシング時の基板欠け(チッピング)が4個であった。実施の形態においては3個ともダイシング時の基板欠け(チッピング)があった。
このように、実施の形態の炭化珪素ショットキーバリアダイオードでは、オーミック電極内部における炭素または炭素を含む副生成物の偏析が抑えられているため、オーミック電極内での剥離を防ぐことができたと考えられる。また、実施の形態の炭化珪素ショットキーバリアダイオードでは、オーミック電極表面の副生成物の生成が抑えられているため、オーミック電極と配線電極の界面で剥離を防ぐことができたと考えられる。
以上、説明したように、実施の形態にかかる炭化珪素半導体装置の製造方法によれば、炭化珪素基板の裏面にニッケルからなる金属層を堆積する前に、炭化珪素基板の裏面を酸素またはアルゴンのプラズマに晒して清浄化する。この清浄化により、金属層を堆積する工程より前に生成された炭素または炭素を含む副生成物の炭化珪素基板の裏面におけるばらつきを3〜6%にできる。これにより、オーミック電極上の金属層熱処理中の副生成物の生成を抑制し、オーミック電極内部における副生成物の偏析を防ぐことができる。このため、オーミック電極の膜質の脆化および剥離を防ぐことができる。
また、炭化珪素基板の裏面に形成されたオーミック電極の表面を酸素またはアルゴンのプラズマに晒して清浄化することで、オーミック電極表面の副生成物の生成を抑制し、より確実にオーミック電極の膜質の脆化および剥離を防ぐことができる。
上述したように、ニッケルシリサイド形成時にオーミック電極の表面および内部に遊離炭素を含む副生成物が偏析されて生成される。オーミック電極を形成する前の第二の主面の炭素を含む副生成物の量により、ウェハ面内およびウェハ間においてオーミック電極の表面の遊離炭素を含む副生成物の存在量にばらつきがでる。これはオーミック電極形成前の第二の主面の表面近傍のシリコン原子が昇華され生成される炭素を含む副生成物は、熱処理時副次的に生成されてしまうため、炭素を含む副生成物の生成量はばらつきが大きく、この生成量がオーミック電極表面の遊離炭素量を変動させるためである。
このため、オーミック電極形成後、オーミック電極の表面をアルゴン雰囲気下で圧力0.3Paにて5分間逆スパッタを行うだけでは、オーミック電極上の配線層に局所的に発生する剥離を抑制することはできない。剥離を抑制するためには、例えば、3〜5倍以上逆スパッタを行う時間を長くする必要があった。しかし、逆スパッタでのプラズマ処理を長くすることは、半導体装置へのプラズマによるダメージを助長するため、ショットキーバリアダイオードのリーク電流の増加や、ゲート酸化膜のQBD(破壊電荷量)評価など信頼性試験の劣化を引き起こす。
従って、金属層を堆積する前に、炭化珪素基板の裏面を酸素またはアルゴンのプラズマに晒して清浄化し、熱処理で発生した遊離炭素の増加を抑制するとともに、オーミック電極の表面を酸素またはアルゴンのプラズマに晒して清浄化する工程とすることで、オーミック電極上の配線層の剥離がなく、信頼性の高い半導体装置を得ることができる。
また、金属層をニッケルおよびモリブデン、タンタル、チタン、クロムで構成することで、オーミック電極中に拡散した遊離炭素とモリブデン、タンタル、チタン、クロム等の金属とを、ニッケルシリサイドとの密着性を損なわない金属炭化物とすることができ、より確実にオーミック電極の膜質の脆化および剥離を防ぐことができる。
また、本発明の実施の形態では、ショットキーバリアダイオードを例に説明したが、これに限らず、IGBTなどのMOS型半導体装置など様々な構成の半導体装置に適用可能である。また、各実施の形態では第1導電型をn型とし、第2導電型をp型としたが、本発明は第1導電型をp型とし、第2導電型をn型としても同様に成り立つ。
以上のように、本発明にかかる炭化珪素半導体装置および炭化珪素半導体装置の製造方法は、電力変換装置や種々の産業用機械などの電源装置などに使用される高耐圧半導体装置に有用である。
1 n型炭化珪素基板
2 n-型ドリフト層
3 n型領域
4 終端構造用のp型領域
5 FLR構造用のp型領域
6 オーミック電極
7 フィールド絶縁膜
8 ショットキー電極
9 アルミニウム−シリコン層
10 ポリイミド膜
11 配線金属層

Claims (4)

  1. 第1導電型の炭化珪素半導体基板のおもて面に、第1導電型の半導体領域を形成する工程と、
    前記炭化珪素半導体基板の裏面を酸素またはアルゴンのプラズマに晒して清浄化する工程と、
    前記炭化珪素半導体基板の裏面にニッケルからなる金属層を堆積する工程と、
    前記金属層を熱処理することで、オーミック電極を形成する工程と、
    を含み、前記清浄化する工程は、前記金属層を堆積する工程より前に行われ
    前記炭化珪素半導体基板の裏面を清浄化する工程は、前記炭化珪素半導体基板の裏面から、前記金属層を堆積する工程より前に生成された炭素または炭素を含む副生成物を逆スパッタにより取り除くことを特徴とする炭化珪素半導体装置の製造方法。
  2. 前記オーミック電極を形成する工程の後に、
    前記オーミック電極の表面を酸素またはアルゴンのプラズマに晒して清浄化する工程と、
    前記オーミック電極上に配線層を形成する工程と、
    をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  3. 前記炭化珪素半導体基板の裏面を清浄化する工程は、前記金属層を堆積する工程より前に生成された炭素または炭素を含む副生成物の前記炭化珪素半導体基板の裏面におけるばらつきを3〜6%にすることを特徴とする請求項1または2に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  4. 前記金属層を堆積する工程は、ニッケルからなる第一の金属膜を形成し、前記第一の金属膜上にモリブデン、タンタル、チタン、クロムの内の1種類以上からなる第二の金属膜を形成する工程であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
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