JP2015092012A - 成膜用ニッケル溶液およびこれを用いた成膜方法 - Google Patents

成膜用ニッケル溶液およびこれを用いた成膜方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2015092012A
JP2015092012A JP2014148882A JP2014148882A JP2015092012A JP 2015092012 A JP2015092012 A JP 2015092012A JP 2014148882 A JP2014148882 A JP 2014148882A JP 2014148882 A JP2014148882 A JP 2014148882A JP 2015092012 A JP2015092012 A JP 2015092012A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nickel
solution
film
solid electrolyte
film formation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014148882A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6024714B2 (ja
Inventor
平岡 基記
Motoki Hiraoka
基記 平岡
博 柳本
Hiroshi Yanagimoto
博 柳本
祐規 佐藤
Yuki Sato
祐規 佐藤
良崇 新明
Yoshitaka Shinmyo
良崇 新明
謙祐 赤松
Kensuke Akamatsu
謙祐 赤松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2014148882A priority Critical patent/JP6024714B2/ja
Priority to CN201480048322.1A priority patent/CN105492665B/zh
Priority to PCT/JP2014/076378 priority patent/WO2015050192A1/ja
Priority to US15/026,366 priority patent/US10358734B2/en
Priority to EP14850454.1A priority patent/EP3054035B1/en
Publication of JP2015092012A publication Critical patent/JP2015092012A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6024714B2 publication Critical patent/JP6024714B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25DPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
    • C25D5/00Electroplating characterised by the process; Pretreatment or after-treatment of workpieces
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25DPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
    • C25D3/00Electroplating: Baths therefor
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25DPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
    • C25D3/00Electroplating: Baths therefor
    • C25D3/02Electroplating: Baths therefor from solutions
    • C25D3/12Electroplating: Baths therefor from solutions of nickel or cobalt
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25DPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
    • C25D7/00Electroplating characterised by the article coated
    • C25D7/12Semiconductors
    • C25D7/123Semiconductors first coated with a seed layer or a conductive layer
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L21/00Processes or apparatus adapted for the manufacture or treatment of semiconductor or solid state devices or of parts thereof
    • H01L21/02Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof
    • H01L21/04Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof the devices having at least one potential-jump barrier or surface barrier, e.g. PN junction, depletion layer or carrier concentration layer
    • H01L21/18Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof the devices having at least one potential-jump barrier or surface barrier, e.g. PN junction, depletion layer or carrier concentration layer the devices having semiconductor bodies comprising elements of Group IV of the Periodic System or AIIIBV compounds with or without impurities, e.g. doping materials
    • H01L21/28Manufacture of electrodes on semiconductor bodies using processes or apparatus not provided for in groups H01L21/20 - H01L21/268
    • H01L21/283Deposition of conductive or insulating materials for electrodes conducting electric current
    • H01L21/288Deposition of conductive or insulating materials for electrodes conducting electric current from a liquid, e.g. electrolytic deposition
    • H01L21/2885Deposition of conductive or insulating materials for electrodes conducting electric current from a liquid, e.g. electrolytic deposition using an external electrical current, i.e. electro-deposition
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25DPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
    • C25D17/00Constructional parts, or assemblies thereof, of cells for electrolytic coating
    • C25D17/002Cell separation, e.g. membranes, diaphragms

Abstract

【課題】固体電解質膜と基材とを接触させた状態で、これらの間に水素ガスが発生することを抑制することができる成膜用ニッケル溶液を提供する。【解決手段】陽極と、陰極となる基材との間に固体電解質膜を配置し、前記固体電解質膜を基材に接触させると共に、前記陽極と前記基材との間に電圧を印加し、該固体電解質膜の内部に含有されたニッケルイオンからニッケルを前記基材の表面に析出することにより、前記ニッケルからなるニッケル皮膜を前記基材の表面に成膜する際に、前記固体電解質膜に前記ニッケルイオンを供給するための成膜用ニッケル溶液であって、前記ニッケル溶液は、pH4.2〜6.1の範囲にあり、前記ニッケル溶液には、前記成膜時において、前記pHの範囲内で緩衝能を有し、前記ニッケルイオンと不溶性塩および錯体を形成しないpH緩衝液をさらに含む。【選択図】図4

Description

本発明はニッケル皮膜を成膜するための成膜用ニッケル溶液およびこれを用いた成膜方法に係り、特に、固体電解質膜を基材に接触させて該基材の表面にニッケル皮膜を成膜するに好適な成膜用ニッケル溶液およびこれを用いた成膜方法に関する。
従来から、電子回路基材などを製造する際には、ニッケル回路パターンを形成すべく、基材の表面にニッケル皮膜が成膜される。たとえば、このような金属皮膜の成膜技術として、Siなどの半導体基材の表面に、無電解めっき処理などのめっき処理により金属皮膜を成膜したり(例えば、特許文献1参照)、スパッタリングなどのPVD法により金属皮膜を成膜したりする成膜技術が提案されている。
しかしながら、無電解めっき処理などのめっき処理を行なった場合には、めっき処理後の水洗が必要であり、水洗された廃液を処理する必要があった。また、スパッタリングなどのPVD法により基材表面に成膜を行った場合には、被覆された金属皮膜に内部応力が生じるため、膜厚を厚膜化するには制限があり、特に、スパッタリングの場合には、高真空化でしか、成膜できない場合があった。
このような点を鑑みて、例えば、陽極と、陰極と、陽極と陰極との間に配置される固体電解質膜と、陽極と陰極との間に電圧を印加する電源部とを用いた、金属皮膜の成膜方法が提案されている(例えば特許文献2参照)。
ここで、固体電解質膜は、予め基材の表面にその前駆体を含む溶液をスピンコートして硬化させたものであり、この固体電解質膜に被覆すべき金属イオンを含浸させる。そして、陽極に対峙させ、かつ、陰極に電気的に導電するように基材を配置し、陽極と陰極にとの間に電圧を印加することにより、固体電解質の内部に含浸された金属イオンを陰極側に析出させる。これにより、金属イオンの金属からなる金属皮膜を成膜することができる。
特開2010−037622号公報 特開2012−219362号公報
しかしながら、特許文献2に記載の技術を用いた場合、成膜ごとに固体電解質膜を作製しなければならないばかりでなく、金属イオンとしてニッケルイオンが溶解した金属溶液を用いた場合には、固体電解質膜と基材との間に水素ガスが発生することがあった。この水素ガスは、成膜をするに従って発生しやすいこともあり、この発生した水素ガスが固体電解質膜と基材と間に溜り、固体電解質膜と基材との接触が妨げられることがあった。これにより、ニッケル皮膜に未析出部が形成されたり、ヤケ(ニッケル皮膜に金属酸化物、水酸化物などが発生し変色する現象)が発生したりすることがあった。
本発明は、このような点を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、固体電解質膜と基材とを接触させた状態で、これらの間に水素ガスが発生することを抑制することができる成膜用ニッケル溶液およびこれを用いた成膜方法を提供することにある。
このような点を鑑みて、発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、ニッケルの標準電極電位が水素の標準電極電位よりも低いため、成膜時に固体電解質膜と基材との間において水素ガスが発生しやすいと、考えた。そこで、発明者らは、成膜用ニッケル溶液のpHが所定の範囲を満たし、この範囲を維持したときには、たとえ、成膜を行ったとしても、水素ガスの発生よりもニッケルが優先的に析出し、水素ガスの発生を抑えることができるとの新たな知見を得た。
本発明は、このような発明者らの新たな知見に基づくものであり、本発明に係る成膜用ニッケル溶液は、陽極と、陰極となる基材との間に固体電解質膜を配置し、前記固体電解質膜を基材に接触させると共に、前記陽極と前記基材との間に電圧を印加し、該固体電解質膜の内部に含有されたニッケルイオンからニッケルを前記基材の表面に析出することにより、前記ニッケルからなるニッケル皮膜を前記基材の表面に成膜する際に、前記固体電解質膜に前記ニッケルイオンを供給するための成膜用ニッケル溶液であって、前記成膜用ニッケル溶液は、前記ニッケルイオンとしてニッケルイオンを含みかつpH4.2〜6.1の範囲にあり、前記成膜用ニッケル溶液には、前記成膜時において前記pHの範囲内で緩衝能を有し、前記ニッケルイオンと不溶性塩および錯体を形成しない緩衝液をさらに含むことを特徴とする。
本発明によれば、成膜時に、陽極と陰極との間に固体電解質膜を配置した状態で、固体電解質膜を基材に接触させる。この状態で、陽極と陰極となる基材との間に電圧を印加することにより、該固体電解質膜の内部に含有されたニッケルイオンからニッケルを前記基材の表面に析出することができる。この結果、ニッケルイオンのニッケルからなるニッケル皮膜を基材の表面に成膜することができる。
この際に、成膜用ニッケル溶液は、pH4.2〜6.1の範囲にあるので、このpH範囲において、成膜時には、ニッケルが析出する前に水素ガスの発生を抑え、ニッケルを優先的に析出することができる。さらに、成膜に伴い成膜用ニッケル溶液のpHが変化したとしても、pH緩衝液により、成膜時には上述の範囲内で成膜用ニッケル溶液のpHが保持される。このため、成膜時に水素ガスの発生を抑え、基材にニッケルを優先的に析出させ、均一かつ均質なニッケル皮膜を成膜することができる。
ここで、成膜時において前記pHの範囲内で緩衝能を有するpH緩衝液とは、成膜前に成膜用ニッケル溶液のpHを上述した範囲に調整し、その後成膜時にpHが変化したとしても、上述したpHの範囲内に成膜用ニッケル溶液のpHを保持するように作用するpH緩衝液(緩衝液)のことをいう。
また、pH緩衝液は、ニッケルイオンと不溶性塩を形成せずかつ錯体を形成しないため、ニッケルイオンを固体電解質膜に通過させ、固体電解質膜と基材との間に好適にニッケルを析出することができる。前記ニッケルイオンと不溶性塩および錯体を形成しないpH緩衝液とは、成膜用ニッケル溶液中において、ニッケルイオンと不溶性塩を形成せずかつ錯体を形成しない、すなわち、成膜可能なニッケルイオンの状態で成膜用ニッケル溶液中に保持することが可能なpH緩衝液のことをいう。
このようなpH緩衝液としては、無機酸緩衝液、モノカルボン酸緩衝液、またはジカルボン酸緩衝液、トリカルボン酸緩衝液などを挙げることができるが、より好ましい態様としては、前記pH緩衝液は、酢酸−酢酸塩緩衝液、または、コハク酸−コハク酸塩緩衝液である。本発明によれば、これらのpH緩衝液は、後述する発明者らの実験からも明らかなように、成膜の水素ガスの発生を好適に抑制している。
より好ましくは、前記pH緩衝液に含まれるカチオンは、ニッケルイオン、または、ニッケルよりもイオン化傾向が小さい金属のイオンである。
この態様によれば、pH緩衝液に含まれるカチオンがニッケルイオンである場合には、メッキ液中のニッケルイオンおよびpH緩衝液に含まれるニッケルイオンが、固体電解質膜中の陽極側から陰極側へ容易に移動することができる。すなわち、pH緩衝液に含まれるカチオンにより、ニッケルイオンの固体電解質膜中の移動が阻害されることはない。
一方、pH緩衝液に含まれるカチオンが、ニッケルよりもイオン化傾向が小さい金属のイオンである場合、陽極と前記基材との間に電圧を印加した際に、pH緩衝液に含まれるカチオンが、成膜用メッキ液中のニッケルイオンとともに移動する。このため、カチオンが、ニッケルイオンが固体電解質膜中の陽極側から陰極側に移動することを阻害することはない。
これにより、上述した場合と同様に、成膜速度を高めつつ、基材側において水素ガスの発生を抑え、均一かつ均質なニッケル皮膜を得ることができる。また、カチオンに他の金属イオン等を用いることがないので、この金属イオンが由来の不純物が含まれることはない。
ここで、pH緩衝液に含まれるカチオンが、ニッケルよりもイオン化傾向が大きい金属のイオンである場合、成膜中に、固体電解質膜中にこのカチオンが残存し、固体電解質膜中の陽極側から陰極側へのニッケルイオンの移動を阻害する。このため、成膜速度が低下するおそれがある。そして、成膜速度を高めようとして、電流密度を高めた場合には、固体電解質膜の陰極側では、水素ガスが発生しやすくなり、ニッケル皮膜に欠陥が生じ易くなる。
このような点から、より好ましくは、前記pH緩衝液には、ナトリウムイオンまたはカリウムイオンを含まない。この態様では、これらのイオンをpH緩衝液に含まないので、固体電解質膜中の陽極側から陰極側へのニッケルイオンの移動は阻害され難い。
より好ましくは、前記pH緩衝液は、酢酸−酢酸ニッケル緩衝液、または、コハク酸−コハク酸ニッケル緩衝液である。この態様によれば、pH緩衝液に含まれるカチオンがニッケルイオンであるので、上述した如く、成膜速度を高めつつ、基材側において水素ガスの発生を抑え、均一かつ均質な、純度の高いニッケル皮膜を得ることができる。また、pH緩衝液が、酢酸−酢酸塩緩衝液、または、コハク酸−コハク酸塩緩衝液であるため、他のpH緩衝液に比べて、成膜の水素ガスの発生を好適に抑制することができる。
上述した、成膜用ニッケル溶液を用いたニッケル皮膜の成膜方法を以下に開示する。この成膜方法は、陽極と、陰極となる基材との間に固体電解質膜を配置し、該固体電解質膜を基材に接触させると共に、前記陽極と前記基材との間に電圧を印加し、該固体電解質膜の内部に含有されたニッケルイオンからニッケルを前記基材の表面に析出することにより、前記ニッケルからなるニッケル皮膜を前記基材の表面に成膜する。
この際に、前記成膜用ニッケル溶液を前記固体電解質膜に接触させることにより、前記固体電解質膜に前記ニッケルイオンを供給しながら、前記陽極と前記基材との間に電圧を印加して、前記基材の表面に前記ニッケル皮膜を成膜する。
この態様によれば、固体電解質膜と基材とを接触させた状態で、ニッケルイオンからニッケルを析出し、ニッケル皮膜を成膜する際に生じる、特有の課題である水素ガスが発生を抑えつつ、ニッケル皮膜を成膜することができる。
本発明によれば、固体電解質膜と基材とを接触させた状態で、これらの間に水素ガスが発生することを抑制し、これにより、皮膜中の未析出部(ピンホール)の発生およびヤケの発生を抑え、均一かつ均質なニッケル皮膜を成膜することができる。
本発明の本実施形態に係るニッケル皮膜の成膜装置の模式的概念図。 図1に示すニッケル皮膜の成膜装置による成膜方法を説明するための模式的断面図。 Ni−HO系pH−電位線図。 図3のpH−電位線のうち本実施形態に係る1.0mol/LにおけるNi−HO系pH−電位線図。 (a)は、実施例に係る成膜装置の模式的斜視図であり、(b)は(a)の分解斜視図。 実施例4、比較例4、および比較例5に係る電流密度と電流効率との関係を示した図。 固体電解質膜を用いた成膜装置で成膜する際の課題を説明するための図。
以下に本発明の実施形態に係るニッケル皮膜の成膜方法を好適に実施することができる成膜装置について説明する。
図1は、本発明の本実施形態に係るニッケル皮膜Fの成膜装置1Aの模式的概念図である。図2は、図1に示すニッケル皮膜Fの成膜装置1Aによる成膜方法を説明するための模式的断面図である。
図1に示すように、本発明に係る成膜装置1Aは、ニッケルイオンからニッケルを析出させて、該析出したニッケルからなるニッケル皮膜Fを基材Bの表面に成膜する装置である。ここで、基材Bは、アルミニウムなどの金属材料からなる基材、または樹脂またはシリコン基材の処理表面に金属下地層が形成されている基材を用いる。
成膜装置1Aは、金属製の陽極11と、陽極11と陰極となる基材Bとの間において陽極11の表面に配置された固体電解質膜13と、陽極11と陰極となる基材Bとの間に電圧を印加する電源部14と、を少なくとも備えている。
陽極11は、成膜用のニッケルイオンを含む溶液(以下、ニッケル溶液という)Lを陽極11に供給するハウジング(ニッケルイオン供給部)15内に収容されている。ハウジング15には上下方向に貫通した貫通部が形成され、その内部空間に陽極11が収容されている。固体電解質膜13には、陽極11の下面を覆うように凹部が形成されており、固体電解質膜13は、陽極11の下部を収容した状態で、ハウジング15の貫通部の下側開口を覆っている。
さらに、ハウジング15の貫通部において、陽極11の上面に接触し、陽極11を加圧するための接触加圧部(金属パンチ)19が配置されている。接触加圧部19は、陽極11を介して固体電解質膜13で基材Bの表面を加圧するものである。具体的には、接触加圧部19は、基材Bの表面のうちニッケル皮膜Fが成膜される成膜領域を均一に加圧するように、成膜領域に対応した陽極11の表面を加圧する。
本実施形態では、陽極11の下面が基材Bの成膜領域に一致した大きさとなっており、陽極11の上面と下面は同じ大きさである。したがって、後述する加圧手段16の推力により接触加圧部19で陽極11の上面(全面)を加圧すると、陽極11の下面(全面)で固体電解質膜13を介して基材Bの成膜領域(全領域)を均一に加圧することができる。
さらに、ハウジング15の一方側には、ニッケル溶液Lが収納された溶液タンク17が、供給管17aを介して接続されており、その他方側には、使用後の廃液を回収する廃液タンク18が、廃液管18aを介して接続されている。
ここで、供給管17aは、ハウジング15の、ニッケル溶液Lの供給流路15aに接続されており、廃液管18aは、ハウジング15の、ニッケル溶液Lの排出流路15bに接続されている。図2に示すように、ハウジング15の供給流路15aと排出流路15bとを繋ぐ流路には、多孔質からなる陽極11が配置されている。
このように構成することにより、溶液タンク17に収納されたニッケル溶液Lが、供給管17aを介してハウジング15の内部に供給される。ハウジング15内では、ニッケル溶液Lが供給流路15aを通過し、供給流路15aから陽極11内にニッケル溶液Lが流れる。陽極11内を通過したニッケル溶液Lは、排出流路15bを流れ、廃液管18aを介して廃液タンク18に送ることができる。
さらに、接触加圧部19には、加圧手段16が接続されている。加圧手段16は、陽極11を基材Bに向かって移動させることにより、固体電解質膜13を基材Bの成膜領域Eに加圧するものである。例えば、加圧手段16としては、油圧式または空気式のシリンダなどを挙げることができる。成膜装置1Aは、基材Bを固定し、陽極11に対して基材Bのアライメントを調整する基台21を備えている。
陽極11は、ニッケル溶液Lが透過し、かつ固体電解質膜にニッケルイオンを供給する、多孔質体からなる。このような多孔質体としては、(1)ニッケル溶液Lに対して耐食性を有し、(2)陽極として作用可能な導電率を有し、(3)ニッケル溶液Lを透過することができ、(4)後述する接触加圧部19を介して加圧手段16により加圧することができるものであれば、特に限定されるものではなく、たとえば、ニッケルよりも電極活性が低く(あるいは、自然電位が貴で)ある発泡金属、または、チタンなどニッケル溶液との接触により不動態膜を形成する発泡金属など、開気孔の連続気泡体からなる発泡金属体などを挙げることができる。
また、上述した(3)の条件を満たすものであれば、特に限定されるものではないが、発泡金属体を用いる場合には、気孔率50〜95体積%程度、孔径50〜600μm程度、厚さ0.1〜50mm程度のものが好ましい。
ニッケル溶液Lは、としては、たとえば、硫酸ニッケル、ピロリン酸ニッケルなどを含む溶液を挙げることができる。そして、固体電解質膜13は、固体電解質からなる膜、フィルム等を挙げることができる。
固体電解質膜13は、上述したニッケル溶液Lに接触させることにより、ニッケルイオンを内部に含浸することができ、電圧を印加したときに基材Bの表面においてニッケルイオン由来のニッケルが析出するとこができるのであれば、特に限定されるものではない。固体電解質膜の材質としては、たとえばデュポン社製のナフィオン(登録商標)などのフッ素系樹脂、炭化水素系樹脂、ポリアミック酸樹脂、旭硝子社製のセレミオン(CMV、CMD,CMFシリーズ)などのイオン交換機能を有した樹脂を挙げることができる。
ここで本実施形態では、ニッケル皮膜Fを成膜する装置として陽極11を多孔質体としたが、後述するように、固体電解質膜13にニッケルイオンを含浸することができるのであれば、この装置およびこの装置を用いた成膜方法に限定されるものではない。
このような成膜装置1Aを用いたニッケル皮膜の成膜方法を以下に説明する。まず、図1および2に示すように、まず、基台21に基材Bを配置し、陽極11に対して基材Bのアライメントを調整し基材Bの温度調整を行う。次に、多孔質体からなる陽極11の表面に固体電解質膜13を配置し、固体電解質膜13を基材Bに接触させる。
次に、加圧手段16を用いて、陽極11を基材Bに向かって移動させることにより、固体電解質膜13を基材Bの成膜領域に加圧する。これにより、陽極11を介して固体電解質膜13を加圧することができるので、固体電解質膜13を成膜領域の基材Bの表面に均一に倣わせることができる。すなわち、接触加圧部19により加圧された陽極11をバックアップ材として固体電解質膜13を基材に接触(加圧)しながら、より均一な膜厚のニッケル皮膜Fを成膜することができる。
次に、電源部14を用いて、陽極11と陰極となる基材Bとの間に電圧を印加し、固体電解質膜13の内部に含有されたニッケルイオンからニッケルを基材Bの表面に析出させる。陽極11は、金属製の接触加圧部19と直接的に接触しているので、接触加圧部19と導通している。したがって、電源部14により、陽極11と基材Bとの間に電圧を印加することができる。
この際、陽極11内部に、ニッケル溶液Lを流しながらニッケル皮膜の成膜を行う。このような結果、多孔質体からなる陽極11を用いることにより、ニッケル溶液Lをその内部に透過させることができ、ニッケル溶液Lをニッケルイオンとともに、固体電解質膜13に供給することができる。これにより、成膜時において、多孔質体である陽極11内部に、ニッケル溶液Lを随時安定して供給することができる。供給されたニッケル溶液Lは、陽極11内部を透過して、陽極11に隣接する固体電解質膜13に接触し、固体電解質膜13内にニッケルイオンが含浸される。
そして、陽極11と、陰極となる基材Bと、の間に電圧を印加することにより、固体電解質膜13内のニッケルイオンは陽極11側から基材B側に移動し、固体電解質膜13の内部に含有されたニッケルイオンからニッケルが基材Bの表面に析出される。これにより、ニッケル皮膜Fを基材Bの表面に成膜することができる。
これにより、固体電解質膜13で基材Bの成膜領域を均一に加圧することができるので、固体電解質膜13を基材Bの成膜領域に均一に倣わせた状態でニッケル皮膜を基材に成膜することができる。このような結果、バラつきの少ない均一な膜厚かつ均質なニッケル皮膜を基材の成膜領域となる表面に成膜することができる。
ここで、図7(a)の状態でニッケル皮膜Fの成膜を続けると、図7(b)に示すように、ニッケルの標準電極電位が水素の標準電極電位よりも低いため、固体電解質膜13と基材Bとの間で水素が優先的に発生することがある。
固体電解質膜13と基材Bとの間に発生した水素ガスは、図7(c)に示すように、これらの間に溜まり、水素ガスが溜まった部分では、固体電解質膜13と基材Bとの接触が妨げられるため、ニッケルが析出できない。このような結果、図7(d)に示すように、溜まったガスにより、ニッケルの析出面積が減少し、電流過多となることと、析出部−未析出部分(ピンホール形成部分)の界面は電力集中を起こしやすいこととが複合的な要因となり、ヤケが生じることがあった。
ところで、従来の一般的な湿式めっきによりニッケル皮膜Fを成膜する際にも、同様に水素ガスが発生することがあるが、成膜時にはめっき液を攪拌している。この攪拌により、発生した水素ガスは基材から容易に液中に拡散するので、この水素ガスが影響を与えることはない。しかしながら、上述した如く、本実施形態のように固体電解質膜を基材の表面に面接触させた場合には、発生する水素ガスがこれらの間から抜けきることはないため、ニッケル皮膜に、ピンホールおよびヤケが発生することがある。
そこで、本実施形態では、上述した成膜の際に水素ガスの発生を抑制するために、ニッケル溶液のpHと電位に関して着眼した。図3は、Ni−HO系pH−電位線図であり、図4は、図3のpH−電位線のうち本実施形態に係る1.0mol/LにおけるNi−HO系pH−電位線図である。
図3に示すように、ニッケル溶液中のpHとこれに作用する電位により、ニッケルの析出状態が変化する。特に、図4に示すように、ニッケルが水素ガスよりも優先的に析出する範囲は、Ni/Ni2+pH電位線、Ni(OH)/Ni2+pH電位線、H/HpH電位線に囲われた範囲である(図3および図4に示す逆三角形の部分)。この範囲におけるニッケル溶液のpHは、4.2〜6.1であり、成膜中にこのpHの範囲となるように、ニッケル溶液LのpHを維持することにより、水素ガスの発生を抑えつつ、好適にニッケルを析出することができる。
ここで、ニッケル溶液LのpHが4.2未満である場合には、水素ガスが発生するおそれがあるとともにNiが析出し難くなる。一方、pHが6.1を超えた場合には、ニッケル溶液中のニッケルイオン濃度が低下することにより析出ムラが発生するおそれがあり、さらには水酸化ニッケルが発生するおそれがある。
なお、固体電解質膜を用いてニッケルイオンを析出させてニッケル皮膜を成膜する場合、ニッケルイオンの濃度およびその濃度変化において、図3に示すNi/Ni2+pH電位線、Ni(OH)/Ni2+pH電位線は、ほとんど変化しないので、上述したニッケル溶液のpH4.2〜6.1の範囲であれば、上述したニッケルが水素ガスよりも優先的に析出する範囲となる。
ここで、まずニッケル溶液LのpHを、4.2〜6.1とするべく、ニッケル溶液LにpH調整剤を予め添加してもよい。pH調整剤としては、塩基、酸を必要に応じて選択し、これをpH調整剤として添加する。好ましくは、陽イオンがニッケルまたはプロトンとなるようなpH調整剤が好ましく、たとえば、塩基としては、塩基性炭酸ニッケル等を挙げることができ、酸としては硫酸等を挙げることができる。
なお、ニッケル溶液Lの存在する陽極側では2HO→O+4H+4eの反応が生じ、ニッケル溶液中の水素イオンが増加するにつれ、pHは低下していくので、上述したpH範囲からより確実に外れないようにするには、成膜前の段階で、ニッケル溶液のpHは、5.5〜6.1の範囲であることが好ましい。
さらに、ニッケル溶液LのpHを4.2〜6.1の範囲に維持するために、ニッケル溶液Lには、成膜時において、pHの範囲内で緩衝能を有し、ニッケルイオンと不溶性塩および錯体を形成しないpH緩衝液(pH緩衝液)をさらに含んでいる。
具体的には、成膜を続けるとニッケルの析出に伴い、ニッケル溶液中のpHが低下するため、成膜時において、ニッケル溶液のニッケルイオンが減少したとしても、ニッケル溶液のpHを4.2〜6.1の範囲を維持することができるpH緩衝液が添加されている。
具体的には、このような緩衝液としては、(1)リン酸−リン酸ニッケル緩衝液などの無機緩衝液、(2)酢酸−酢酸ニッケル緩衝液または酢酸−酢酸ナトリウム緩衝液などのモノカルボン酸緩衝液、(3)コハク酸−コハク酸ニッケルまたはシュウ酸−シュウ酸ニッケルなどのジカルボン酸緩衝液、(4)クエン酸−クエン酸ニッケルなどのトリカルボン酸緩衝液、(5)アミノカルボン酸などを挙げることができる。これらの緩衝液であれば、成膜時において、ニッケル溶液のpHを4.2〜6.1の範囲に維持することができるとともに、ニッケルイオンと不溶性塩を形成することもなく、錯体を形成することもない。また緩衝液の濃度は、好ましくは、0.1〜2mol/L、より好ましくは、0.4〜0.6mol/Lである。また、緩衝液にニッケルイオンとは異なる陽イオンを含む場合には、ニッケルイオンの濃度よりも少なくなる濃度に緩衝液の濃度を調整することが好ましい。
このように、ニッケルを析出させるとニッケル溶液のpHが低下するところ、このpHの低下を緩衝液により抑えることにより、ニッケル溶液を、上述したpH範囲内に収めつつ、このpHの範囲を持続することができる。これにより、成膜時に、固体電解質膜と基材との間の水素ガスの発生を抑制し、連続した成膜を行うことができる。
なお、ニッケル溶液に添加して溶解するニッケル化合物は、たとえば、塩化物、臭化物などのハロゲン化合物、硫酸塩、硝酸塩などの無機塩、酢酸塩、クエン酸塩などの有機酸塩等から単独または2種以上を組み合わせて使用することができる。ニッケルイオンの濃度は、特に指定しないが、0.1〜2mol/L、より好ましくは、0.8〜1.2mol/Lで良好なニッケル皮膜が形成される。
ところで、ニッケル皮膜を成膜する際には、固体電解質膜中のアニオン性官能基(たとえばスルホン酸基)を、脱離−配位(吸着)を繰り返しながら、ニッケルイオンが、固体電解質膜中の陽極側から陰極側に移動する。ここで、成膜時に、ニッケルイオンが固体電解質膜中の陽極側から陰極側に移動する道筋に、ニッケルよりもイオン化傾向が大きい金属のイオンが存在すると、ニッケルイオンの固体電解質膜中の移動が阻害され、成膜効率が低下してしまうことがある。
このような点を勘案すると、pH緩衝液に含まれるカチオンは、ニッケルイオン、または、ニッケルよりもイオン化傾向が小さい金属のイオンであることが好ましい。
ここで、pH緩衝液に含まれるカチオンが、ニッケルイオンである場合には、上述した、ニッケルイオンが固体電解質膜中の陽極側から陰極側に移動する道筋には、ニッケルイオンが存在する。このため、ニッケルイオンの固体電解質膜中の移動が阻害されることはない。
また、pH緩衝液に含まれるカチオンが、ニッケルよりもイオン化傾向が小さい金属のイオンである場合には、固体電解質膜内のカチオンもニッケルとともに移動する。このため、カチオンが、ニッケルイオンが固体電解質膜中の陽極側から陰極側に移動することを阻害することはない。
この結果、いずれの場合であっても、ニッケル皮膜の成膜速度を高めつつ、基材側において水素ガスの発生を抑え、均一かつ均質なニッケル皮膜を得ることができる。特に、pH緩衝液に含まれるカチオンが、ニッケルイオンである場合には、不純物の少ないニッケル皮膜を成膜することができる。
一方、pH緩衝液に含まれるカチオンが、ニッケルよりもイオン化傾向が大きい金属のイオンである場合、固体電解質膜中において、ニッケルとイオン化傾向が大きい金属(たとえばナトリウム、カリウム)からなるカチオンが存在する。固体電解質膜中において、ニッケルイオンは移動しながら析出により消費されるが、ニッケルよりもイオン化傾向が大きい金属からなるカチオンが、固体電解質膜中に残存することになる。
この結果、ニッケルイオンが移動する道筋にカチオンが存在することになる。成膜速度を高めようとして、電流密度を高めた場合には、固体電解質膜の陰極側では、水素ガスが発生しやすくなり、ニッケル皮膜に欠陥が生じ易くなる。
特に、一般的にpH緩衝液にはカチオンとしてナトリウムイオンまたはカリウムイオンなどが含まれるところ、これらのカチオンとなる金属(ナトリウム、カリウム)は、ニッケルよりもイオン化傾向大きいため、pH緩衝液には、ナトリウムイオンまたはカリウムイオンを含まないことが望ましい。
そして、pH緩衝液が、酢酸−酢酸ニッケル緩衝液、または、コハク酸−コハク酸ニッケル緩衝液であれば、pH緩衝液に含まれるカチオンがニッケルイオンであるので、成膜速度を高めつつ、基材側において水素ガスの発生を抑え、均一かつ均質な、純度の高いニッケル皮膜を得ることができる。また、pH緩衝液が、酢酸−酢酸塩緩衝液、または、コハク酸−コハク酸塩緩衝液であるため、他のpH緩衝液に比べて、成膜の水素ガスの発生を好適に抑制することができる。
本発明を以下の実施例により説明する。
[実施例1]
<ニッケル溶液の作製>
1.71mol/Lの硫酸ニッケルイオン水溶液58.4mLに2.0mol/Lの酢酸−酢酸ナトリウム緩衝液24.9mlを入れて攪拌した。次に、この液に水を15.3mL加えて攪拌した。さらに、10mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を適量滴下して、ニッケル溶液のpHを5.6に調整した。さらに、pHを調整したニッケル溶液に、水を加えて全量を100mLとし、表1に示すニッケル溶液を作製した。
<ニッケル皮膜の成膜>
上述した図5(a),(b)に示す成膜装置を用いてニッケル皮膜を成膜した。なお、図5(a),(b)に示す成膜装置の部材と、図1および図2において既に説明した成膜装置の部材とのうち、同じ符号は、同じ機能を有するものである。
まず、表面に成膜する基材Bとして、純アルミニウム基材(50mm×50mm×厚さ1mm)を準備し、この表面にニッケルめっき皮膜を形成し、さらにニッケルめっき皮膜の表面に、金めっき皮膜を形成し、これを純水で流水洗浄した。
次に、10mm×10mm×1mmの発泡チタンからなる気孔率65体積%の多孔質体(三菱マテリアル製)の表面に、成膜領域に相当する成膜用表面に白金めっきを厚さ3μm被覆した陽極11を用いた。固体電解質膜13に、膜厚173μmの電解質膜(デュポン社製:ナフィオンN117(アニオン性官能基がスルホン酸基である))を用いた。
図5(b)に示すように、金属イオン供給部15であるガラス治具、陽極11、固体電解質膜13、接触加圧部19をセットし、接触加圧部19に5kgf/cmの荷重をかけた。次に供給管17aからニッケル溶液を陽極11に充填することで、固体電解質膜13にニッケルイオンを供給した。
電源部14により、陽極11と陰極となる基材Bとの間に、電流密度が5mA/cmとなるように、電流計20、電圧計30を確認しながら調整しこの状態を10分間維持して、ニッケル皮膜の成膜を行った。なお、この間に2分に1回ニッケル溶液を入れた。
[比較例1]
実施例1と同じように、ニッケル皮膜の成膜を行った。実施例1と相違する点は、ニッケル溶液の作製の際に、1.71mol/Lの硫酸ニッケルイオン水溶液58.4mLに、酢酸−酢酸ナトリウム緩衝液を加えず、水を40.2mL加えて攪拌し、10mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を適量滴下して、ニッケル溶液のpH5.6を調整し後、水を加えて全量を100mLとした点である。
[実施例2]
実施例1と同じように、ニッケル皮膜の成膜を行った。実施例1と相違する点は、ニッケル溶液の作製の際に、1.71mol/Lの硫酸ニッケルイオン水溶液58.4mLの代わりに、1.71mol/Lのスルファミン酸ニッケルイオン水溶液58.4mLを用いた点である。
[比較例2]
実施例1と同じように、ニッケル皮膜の成膜を行った。実施例1と相違する点は、ニッケル溶液の作製の際に、1.71mol/Lのスルファミン酸ニッケルイオン水溶液58.4mLに、酢酸−酢酸ナトリウム緩衝液を加えず、水を40.2mL加えて攪拌し、10mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を適量滴下して、ニッケル溶液のpH5.6を調整し後、水を加えて全量を100mLとした点である。
[実施例3]
実施例1と同じように、ニッケル皮膜の成膜を行った。実施例1と相違する点は、ニッケル溶液の作製の際に、1.71mol/Lの硫酸酸ニッケルイオン水溶液58.4mLに、酢酸−酢酸ナトリウム緩衝液の代わりに、2.49molのコハク酸水溶液40.2ml投入し、コハク酸−コハク酸ニッケル緩衝液をニッケル溶液の緩衝液とした点である。なお、この溶液に対して、実施例1と同じように、10mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を適量滴下して、ニッケル溶液のpH5.6を調整し後、水を加えて全量を100mLとした。
[比較例3]
実施例1と同じように、ニッケル皮膜の成膜を行った。実施例1と相違する点は、ニッケル溶液の作製の際に、1.71mol/Lの硫酸酸ニッケルイオン水溶液58.4mLに、酢酸−酢酸ナトリウム緩衝液の代わりに、1.25mol/Lのホウ酸水溶液40.2ml投入した点である。なお、この溶液に対して、実施例1と同じように、10mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を適量滴下して、ニッケル溶液のpH5.6を調整し後、水を加えて全量を100mLとした。
<評価方法>
実施例1〜3および比較例1〜3で成膜されたニッケル皮膜の表面の未析出部(ピンホール)の数、ヤケ数、これらの面積率を測定した。また、成膜後のニッケル溶液のpHを測定して、pHの変動率を求めた。この結果を表1に示す。また、表1に示す、各mol濃度は、pH調整後の水を加えた後のmol濃度である。
Figure 2015092012
<結果および考察>
実施例1〜3と比較例1〜3とを比較すると、実施例1〜3のニッケル皮膜にはピンホールおよびヤケがなかったが、比較例1〜3のニッケル皮膜にはピンホールおよびヤケが発生していた。また、実施例1〜3および比較例3のニッケル溶液の成膜後pHは、比較例1および2のものよりも、変動が少なかった。
実施例1および比較例1の結果から、実施例1の如く緩衝液をニッケル溶液に含むことにより、成膜時の水素ガスの発生を抑えることができ、均一かつ均質なニッケル皮膜が形成されると考えられる。
実施例2および比較例2の結果から、異なるニッケル化合物を溶解したニッケル溶液においても、実施例1と同様に、成膜時の水素ガスの発生を抑えることができ、均一かつ均質なニッケル皮膜が形成されると考えられる。
実施例3および比較例3の結果から、たとえ、ニッケル溶液に緩衝液を含んでいたとしても、比較例3の如くホウ酸−ニッケル錯体を形成するような緩衝液の場合には、成膜時に水素が発生してしまい、ピンホールおよびヤケが発生すると考えられる。
すなわち、ニッケル溶液中にホウ酸−ニッケル錯体が形成されてしまうと、固体電解質膜によってホウ酸イオン自体が陰極(基材)の表面に移動できないため、固体電解質膜と基材との間で水素ガスが発生してしまい、ピンホール、ヤケが発生したと考えられる。また、クエン酸−クエン酸ニッケル緩衝剤の場合も、ホウ酸−ホウ酸ニッケル緩衝剤と同様のことが生じると考えられる。
[実施例4]
実施例1と同じように、ニッケル皮膜の成膜を行った。実施例1と相違する点は、ニッケルイオンが1mol/L、酢酸イオンが0.5mol/L、ニッケル溶液のpHが6となるように、1Mの塩化ニッケル水溶液に、酢酸、酢酸ニッケルを添加し、酢酸−酢酸ニッケル緩衝液を含むニッケル溶液を作製した点である。さらに、この成膜用ニッケル溶液を用いて、電流密度、60mA/cm,80mA/cm,100mA/cmのときに、得られたニッケル皮膜のニッケル析出量をICP発光分析で定量化し、この析出量と積算電流量から、下記に示す電流効率を算出した。この結果を表2および図6に示す。
電流効率=ニッケル析出量[原子数]/(積算電流量/2/ファラデー定数)×100
ここで、積算電流はマイナス電子の量であり、2個のマイナス電子と1個のニッケルイオンが合わせることで、ニッケルが還元されてニッケルが析出する。ニッケルの析出に使用されないマイナス電子は水素イオンの還元に使用される。つまり、電流効率が低いということは、無駄な電気(ニッケルの析出以外)を使うことになり、電力消費の観点から好ましくないということになる。
[比較例4]
実施例1と同じように、ニッケル皮膜の成膜を行った。実施例4と相違する点は、酢酸ニッケルの代わりに酢酸ナトリウムを添加し、ニッケル溶液に、酢酸−酢酸ナトリウム緩衝液を含有させた点である。なお、ニッケルイオン濃度、酢酸イオン濃度、及び、ニッケル溶液のpHは、実施例4と同じである。
この成膜用ニッケル溶液を用いて、電流密度、20mA/cm,40mA/cm,60mA/cm,80mA/cmのときの電流効率を実施例4と同様の方法で算出した。この結果を表2および図6に示す。
[比較例5]
実施例1と同じように、ニッケル皮膜の成膜を行った。実施例4と相違する点は、酢酸ニッケルの代わりに酢酸カリウムを添加し、ニッケル溶液に、酢酸−酢酸カリウム緩衝液を含有させた点である。なお、ニッケルイオン濃度、酢酸イオン濃度、及び、ニッケル溶液のpHは、実施例4と同じである。
この成膜用ニッケル溶液を用いて、電流密度、20mA/cm,40mA/cm,60mA/cm,80mA/cmのときの電流効率を実施例4と同様の方法で算出した。この結果を表2および図6に示す。
[参考例]
通常の一般的な電気ニッケルめっきを行い、電流効率を算出した。液種は市販液(奥野製薬製)を用いた。なお、めっき液中にはpH緩衝剤として酢酸‐酢酸ナトリウムが使用されている。電流密度、20mA/cm,40mA/cm,60mA/cm,80mA/cm,100mA/cmのときの電流効率を実施例4と同様の方法で算出した。この結果を表2に示す。
Figure 2015092012
<結果および考察>
実施例5の場合には、電流密度を増加させたとしても、電流効率の低下がほとんどみられなかったが、比較例4および比較例5の場合には、電流効率の低下がみられた。比較例4および比較例5の固体電解質膜中の金属イオン濃度をIPC発光分析で測定したところ、ニッケルイオン(9.2μmol)の他に、比較例4の場合には、ナトリウムイオン(9.6μmol)、比較例5の場合にはカリウムイオン(10.0μmol)が検出された。
比較例4の場合には、固体電解質膜中において、ニッケルイオンとナトリウムイオンが存在するところ、ニッケルイオンは析出により消費されるが、ニッケルよりもイオン化傾向が大きいナトリウムは、固体電解質膜中にイオンの状態で残存することになる。この結果、ニッケルイオンが移動する道筋にナトリウムイオンが存在し、ニッケルイオンの移動が阻害される結果、電流効率が大幅に低下したと考えられる。
また、比較例5の場合には、カリウムもニッケルよりもイオン化傾向が大きいため、上述したナトリウムイオンの如く、カリウムイオンが固体電解質膜内に残存することになる。このような結果、ニッケルイオンの移動が阻害され、電流効率が大幅に低下したと考えられる。
なお、参考例の場合には、固体電解質膜を用いず、電気メッキにより成膜したので、pH緩衝液にナトリウムイオンが含まれていたとしても、電流効率はほとんど変化しない。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。
本実施形態では、陽極に多孔質体からなる陽極を用いたが、固体電解質膜にニッケルイオンを好適に供給することができるのであれば、陽極に多孔質体を用いなくてもよく、たとえば、陽極と固体電解質膜との間にニッケル溶液を供給してもよい。
1A:成膜装置、11:陽極、13:固体電解質膜、14:電源部、15:ハウジング(金属イオン供給部)、15a:供給流路、15b:排出流路、16:加圧手段、17溶液タンク、17a:供給管、18:廃液タンク、18a:廃液管、19:接触加圧部、21:基台、B:基材(陰極)、E:成膜領域、F:ニッケル皮膜、L:ニッケル溶液

Claims (6)

  1. 陽極と、陰極となる基材との間に固体電解質膜を配置し、該固体電解質膜を基材に接触させると共に、前記陽極と前記基材との間に電圧を印加し、該固体電解質膜の内部に含有されたニッケルイオンからニッケルを前記基材の表面に析出することにより、前記ニッケルからなるニッケル皮膜を前記基材の表面に成膜する際に、前記固体電解質膜に前記ニッケルイオンを供給するための成膜用ニッケル溶液であって、
    前記成膜用ニッケル溶液は、pH4.2〜6.1の範囲にあり、
    前記成膜用ニッケル溶液には、前記成膜時において、前記pHの範囲内で緩衝能を有し、前記ニッケルイオンと不溶性塩および錯体を形成しないpH緩衝液をさらに含むことを特徴とする成膜用ニッケル溶液。
  2. 前記pH緩衝液は、酢酸−酢酸塩緩衝液、または、コハク酸−コハク酸塩緩衝液であることを特徴とする請求項1に記載の成膜用ニッケル溶液。
  3. 前記pH緩衝液に含まれるカチオンは、ニッケルイオン、または、ニッケルよりもイオン化傾向が小さい金属のイオンであることを特徴とする請求項1または2に記載の成膜用ニッケル溶液。
  4. 前記pH緩衝液には、ナトリウムイオンまたはカリウムイオンを含まないことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の成膜用ニッケル溶液。
  5. 前記pH緩衝液は、酢酸−酢酸ニッケル緩衝液、または、コハク酸−コハク酸ニッケル緩衝液であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の成膜用ニッケル溶液。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の成膜用ニッケル溶液を用いたニッケル皮膜の成膜方法であって、
    前記成膜用ニッケル溶液を前記固体電解質膜に接触させることにより、前記固体電解質膜に前記ニッケルイオンを供給しながら、
    前記陽極と前記基材との間に電圧を印加して、前記基材の表面に前記ニッケル皮膜を成膜することを特徴とするニッケル皮膜の成膜方法。
JP2014148882A 2013-10-03 2014-07-22 成膜用ニッケル溶液およびこれを用いた成膜方法 Active JP6024714B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014148882A JP6024714B2 (ja) 2013-10-03 2014-07-22 成膜用ニッケル溶液およびこれを用いた成膜方法
CN201480048322.1A CN105492665B (zh) 2013-10-03 2014-10-02 成膜用镍溶液和使用该溶液的成膜方法
PCT/JP2014/076378 WO2015050192A1 (ja) 2013-10-03 2014-10-02 成膜用ニッケル溶液およびこれを用いた成膜方法
US15/026,366 US10358734B2 (en) 2013-10-03 2014-10-02 Nickel solution for forming film and film-forming method using same
EP14850454.1A EP3054035B1 (en) 2013-10-03 2014-10-02 Method for forming a nickel film

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013208418 2013-10-03
JP2013208418 2013-10-03
JP2014148882A JP6024714B2 (ja) 2013-10-03 2014-07-22 成膜用ニッケル溶液およびこれを用いた成膜方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015092012A true JP2015092012A (ja) 2015-05-14
JP6024714B2 JP6024714B2 (ja) 2016-11-16

Family

ID=52778777

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014148882A Active JP6024714B2 (ja) 2013-10-03 2014-07-22 成膜用ニッケル溶液およびこれを用いた成膜方法

Country Status (5)

Country Link
US (1) US10358734B2 (ja)
EP (1) EP3054035B1 (ja)
JP (1) JP6024714B2 (ja)
CN (1) CN105492665B (ja)
WO (1) WO2015050192A1 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3378974A1 (en) 2017-03-23 2018-09-26 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Method of forming nickel film and nickel solution used for the method
JP2019099873A (ja) * 2017-12-04 2019-06-24 トヨタ自動車株式会社 ニッケル皮膜の製造方法
JP2019127604A (ja) * 2018-01-22 2019-08-01 トヨタ自動車株式会社 金属皮膜の成膜装置
JP2020100864A (ja) * 2018-12-21 2020-07-02 トヨタ自動車株式会社 金属皮膜の成膜装置
JP2020132948A (ja) * 2019-02-20 2020-08-31 トヨタ自動車株式会社 金属皮膜の成膜装置

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6819531B2 (ja) * 2017-09-28 2021-01-27 トヨタ自動車株式会社 金属皮膜の成膜方法および金属皮膜の成膜装置
JP7035821B2 (ja) * 2018-06-05 2022-03-15 トヨタ自動車株式会社 成膜用金属溶液及び金属被膜の成膜方法
CN108998817B (zh) * 2018-07-06 2021-04-16 鹤山市精工制版有限公司 一种打底镀镍液用添加剂及其应用

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01165786A (ja) * 1987-12-22 1989-06-29 Hitachi Cable Ltd 固相めっき方法
JPH11209898A (ja) * 1998-01-23 1999-08-03 Ebara Corp メッキ用アノード電極
JP2005133187A (ja) * 2003-10-31 2005-05-26 Ebara Corp めっき装置及びめっき方法
WO2006060520A2 (en) * 2004-11-30 2006-06-08 E.I. Dupont De Nemours And Company Membrane-limited selective electroplating of a conductive surface
JP2012219362A (ja) * 2011-04-13 2012-11-12 Toyota Motor Corp 固体電解質膜を用いた金属膜形成方法
JP5605517B2 (ja) * 2012-02-23 2014-10-15 トヨタ自動車株式会社 金属被膜の成膜装置および成膜方法

Family Cites Families (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2351966A (en) * 1940-10-12 1944-06-20 Hanson Van Winkle Munning Co Nickel depositing bath and method
US2721814A (en) * 1954-01-26 1955-10-25 Gen Motors Corp Nickel plating by chemical reduction
GB963335A (en) 1960-08-19 1964-07-08 Udylite Res Corp Improvements in or relating to nickel plating baths and the electrodeposition of nickel therefrom
US3075898A (en) * 1961-05-29 1963-01-29 Udylite Res Corp Electrodeposition of nickel
US3336324A (en) * 1966-06-24 1967-08-15 Cilag Chemie N-allyl-pyridine-3-sulfonic acid betaine
JP3223829B2 (ja) * 1997-01-29 2001-10-29 新光電気工業株式会社 電気ニッケルめっき浴又は電気ニッケル合金めっき浴及びそれを用いためっき方法
EP1025287A1 (en) * 1997-08-22 2000-08-09 Henkel Corporation Faster two-step sealing of anodized aluminum surfaces
US6143155A (en) * 1998-06-11 2000-11-07 Speedfam Ipec Corp. Method for simultaneous non-contact electrochemical plating and planarizing of semiconductor wafers using a bipiolar electrode assembly
CN1197997C (zh) * 1998-08-03 2005-04-20 西铁城钟表股份有限公司 具有有色涂层的装饰物及其制备方法
JP2000232078A (ja) * 1999-02-10 2000-08-22 Toshiba Corp メッキ方法及びメッキ装置
JP2002194600A (ja) * 2000-12-27 2002-07-10 Tdk Corp アゾジスルホン酸の除去方法、めっき膜の形成方法および積層セラミック電子部品の製造方法
CN1263894C (zh) * 2002-06-21 2006-07-12 北京科技大学 一种镀渗复合多元共渗高合金镍基耐蚀合金的方法
US20060096868A1 (en) * 2004-11-10 2006-05-11 Siona Bunce Nickel electroplating bath designed to replace monovalent copper strike solutions
US20080217182A1 (en) * 2007-03-08 2008-09-11 E. I. Dupont De Nemours And Company Electroplating process
EP2103712B1 (en) * 2008-03-20 2019-02-13 ATOTECH Deutschland GmbH Ni-P layer system and process for its preparation
DE602008000878D1 (de) * 2008-07-15 2010-05-06 Atotech Deutschland Gmbh Lösung und Verfahren zur elektrochemischen Abscheidung eines Metalls auf ein Substrat
JP2010037622A (ja) 2008-08-07 2010-02-18 Nippon Mining & Metals Co Ltd 無電解置換めっきにより銅薄膜を形成しためっき物
JP2012162786A (ja) * 2011-02-09 2012-08-30 Kanto Gakuin 電気ニッケルめっき浴、電気ニッケルめっき方法及び電気ニッケルめっき製品
US9890464B2 (en) * 2012-01-12 2018-02-13 Oceanit Laboratories, Inc. Solid electrolyte/electrode assembly for electrochemical surface finishing applications
CN103088375B (zh) 2012-12-13 2016-04-06 苏州赛斯德工程设备有限公司 水电解极板镀镍添加剂

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01165786A (ja) * 1987-12-22 1989-06-29 Hitachi Cable Ltd 固相めっき方法
JPH11209898A (ja) * 1998-01-23 1999-08-03 Ebara Corp メッキ用アノード電極
JP2005133187A (ja) * 2003-10-31 2005-05-26 Ebara Corp めっき装置及びめっき方法
WO2006060520A2 (en) * 2004-11-30 2006-06-08 E.I. Dupont De Nemours And Company Membrane-limited selective electroplating of a conductive surface
JP2012219362A (ja) * 2011-04-13 2012-11-12 Toyota Motor Corp 固体電解質膜を用いた金属膜形成方法
JP5605517B2 (ja) * 2012-02-23 2014-10-15 トヨタ自動車株式会社 金属被膜の成膜装置および成膜方法

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3378974A1 (en) 2017-03-23 2018-09-26 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Method of forming nickel film and nickel solution used for the method
JP2018159120A (ja) * 2017-03-23 2018-10-11 トヨタ自動車株式会社 ニッケル皮膜の形成方法及び当該方法に使用するためのニッケル溶液
RU2694305C1 (ru) * 2017-03-23 2019-07-11 Тойота Дзидося Кабусики Кайся Способ формирования никелевой пленки и используемый для него никелевый раствор
KR20200012001A (ko) 2017-03-23 2020-02-04 도요타 지도샤(주) 니켈 피막의 형성 방법 및 당해 방법에 사용하기 위한 니켈 용액
KR20200067242A (ko) 2017-03-23 2020-06-12 도요타 지도샤(주) 니켈 피막의 형성 방법 및 당해 방법에 사용하기 위한 니켈 용액
US11168405B2 (en) 2017-03-23 2021-11-09 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Method of forming nickel film and nickel solution used for the method
JP2019099873A (ja) * 2017-12-04 2019-06-24 トヨタ自動車株式会社 ニッケル皮膜の製造方法
JP2019127604A (ja) * 2018-01-22 2019-08-01 トヨタ自動車株式会社 金属皮膜の成膜装置
JP6996312B2 (ja) 2018-01-22 2022-02-04 トヨタ自動車株式会社 金属皮膜の成膜装置
JP2020100864A (ja) * 2018-12-21 2020-07-02 トヨタ自動車株式会社 金属皮膜の成膜装置
JP2020132948A (ja) * 2019-02-20 2020-08-31 トヨタ自動車株式会社 金属皮膜の成膜装置

Also Published As

Publication number Publication date
EP3054035B1 (en) 2019-05-08
EP3054035A4 (en) 2016-11-30
EP3054035A1 (en) 2016-08-10
WO2015050192A1 (ja) 2015-04-09
US20160237582A1 (en) 2016-08-18
CN105492665A (zh) 2016-04-13
US10358734B2 (en) 2019-07-23
CN105492665B (zh) 2018-06-29
JP6024714B2 (ja) 2016-11-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6024714B2 (ja) 成膜用ニッケル溶液およびこれを用いた成膜方法
Pérez-Alonso et al. Ni–Co electrodes prepared by electroless-plating deposition. A study of their electrocatalytic activity for the hydrogen and oxygen evolution reactions
Solmaz et al. Hydrogen evolution and corrosion performance of NiZn coatings
JP5692268B2 (ja) 金属被膜の成膜装置および成膜方法
US20160024683A1 (en) Apparatus and method for electrolytic deposition of metal layers on workpieces
US9909226B2 (en) Film formation system and film formation method for forming metal film
JP6065886B2 (ja) 金属皮膜の成膜方法
JP2019206755A (ja) 水電解用複合電極一体型分離板及び水電解スタック
CN101710620A (zh) 质子交换膜燃料电池不锈钢双极板及改性方法
CN110284167A (zh) 一种制备泡沫镍钼合金的电沉积方法
JP2016125089A (ja) 金属皮膜の成膜装置およびその成膜方法
JP6197813B2 (ja) 金属皮膜の成膜装置およびその成膜方法
JP2016132788A (ja) 電気めっきセル及び金属皮膜の製造方法
JP3458843B2 (ja) Ni−W−P合金の連続めっき方法
JP2010265519A (ja) 錫イオンの供給装置
Grill et al. Cobalt–nickel material libraries obtained from electrodeposition using citrate or glycine as additives
JP6254942B2 (ja) 燃料電池用セパレータ、燃料電池セル、燃料電池スタック、および燃料電池用セパレータの製造方法
CN103088376A (zh) 一种陶瓷封装外壳镍钴电镀工艺
Low et al. Normal and anomalous electrodeposition of tin–copper alloys from methanesulphonic acid bath containing perfluorinated cationic surfactant
JP5949696B2 (ja) 金属皮膜の成膜装置および成膜方法
JP2006118023A (ja) 水素発生用電極の製造方法
CN110284168A (zh) 一种制备泡沫镍钼合金的电沉积溶液配方
JP2006213956A (ja) カチオン交換膜を用いたFe−W合金の電気めっき装置と前記装置による連続めっき方法及び皮膜
KR20200012207A (ko) 연속 도금 장치
CN104419953A (zh) 铁基体表面电镀锌镍合金工艺

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160119

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160913

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160926

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6024714

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151