JP2020100864A - 金属皮膜の成膜装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属皮膜が成膜される基材の表面に凹部または凸部があっても、基材の表面に安定して均一な金属皮膜を成膜することができる金属皮膜の成膜装置を提供する。【解決手段】金属皮膜Fの成膜装置1は、陽極11と固体電解質膜13との間に、金属イオンを含む溶液Lが陽極と固体電解質膜13とに接触するように、溶液Lが保持される多孔質体14が、配置されている。多孔質体14は、陽極11に接触し、陽極11の表面に沿った方向に溶液Lが内部に流れる金属多孔質体14Aと、金属多孔質体14Aと固体電解質膜13との間に配置され、金属多孔質体14と固体電解質膜13とに接触し、固体電解質膜13の膜厚方向に圧縮変形自在となる樹脂多孔質体14Aと、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、基材の表面に金属皮膜を成膜する成膜装置に関する。
従来から、基材の表面に金属イオンを析出させて金属皮膜を成膜することがある。たとえば、特許文献1には、陽極と、陽極と基材(陰極)の間に配置される固体電解質膜と、陽極と陰極(基材)との間に電圧を印加する電源部と、を備えた金属皮膜の成膜装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。成膜装置は、陽極と固体電解質膜との間に多孔質体を配置している。
成膜装置では、固体電解質膜を基材に押圧した状態で、陽極と基材との間に電圧を印加して、固体電解質膜の内部に含有された金属イオンを還元することで金属皮膜を基材の表面に成膜する。多孔質体の内部には金属イオンを含む溶液が供給されることにより、固体電解質膜に金属イオンを供給することができる。
特開2016−125089号公報
しかしながら、特許文献1に示す成膜装置では、多孔質体が硬質であるため、基材の成膜領域の表面に凹部または凸部が存在する場合、固体電解質膜を介して押圧する多孔質体が、基材の表面形状に十分に倣わないことがある。この結果、基材の表面の成膜領域に均一に金属皮膜が成膜できないことがある。
そこで、この多孔質体に、固体電解質膜の膜厚方向に圧縮変形自在となる多孔質体を用いることも考えられるが、成膜の押圧により、多孔質体が変形してしまうと、陽極と固体電解質膜との間において、金属イオンを含む溶液が遮断されるおそれがある。この結果、基材の表面に安定して金属イオンを含む溶液を供給できないことがある。
本発明は、このような点を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、金属皮膜が成膜される基材の表面に凹部または凸部があっても、基材の表面に安定して均一な金属皮膜を成膜することができる金属皮膜の成膜装置を提供することにある。
このような点を鑑みて、本発明に係る金属皮膜の成膜装置は、陽極と、前記陽極と陰極となる基材との間に配置される固体電解質膜と、前記陽極と基材との間に電圧を印加する電源部と、を少なくとも備え、前記固体電解質膜を前記基材に押圧した状態で、前記陽極と前記基材との間に電圧を印加して、前記固体電解質膜の内部に含有された金属イオンを還元することで金属皮膜を前記基材の表面に成膜する金属皮膜の成膜装置であって、前記陽極と前記固体電解質膜との間には、前記金属イオンを含む溶液が前記陽極と前記固体電解質膜とに接触するように、前記溶液が保持される多孔質体が、配置されており、前記多孔質体は、前記陽極に接触し、前記陽極の表面に沿った方向に前記溶液が内部に流れる金属多孔質体と、前記金属多孔質体と前記固体電解質膜との間に配置され、前記金属多孔質体と前記固体電解質膜とに接触し、前記固体電解質膜の膜厚方向に圧縮変形自在となる樹脂多孔質体と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、多孔質体の複数の空孔に前記金属イオンを含む溶液(以下金属溶液という)を保持した状態で、電源部により陽極と基材との間に電圧を印加する。固体電解質膜に供給された金属イオンは、固体電解質膜に接触した基材の表面に移動し、基材の表面で還元されて、基材の表面には金属イオンに由来した金属が析出する。これにより、基材の表面に金属皮膜を成膜することができる。なお、陽極が成膜される金属皮膜と同じ金属からなる場合には、陽極の金属が金属イオンとなって金属溶液に溶出し、この金属イオンは、金属溶液に含まれる。
ここで、多孔質体のうち樹脂多孔質体は、固体電解質膜に接触して配置され、固体電解質膜の膜厚方向に圧縮変形自在である。したがって、成膜時に、固体電解質膜を介して、樹脂多孔質体を基材の表面に押圧すると、たとえ、基材の成膜領域またはその近傍に凹凸があっても、固体電解質膜が基材の表面に倣う。この結果、基材の成膜領域に均一に金属皮膜を成膜することができる。
また、さらに、多孔質体のうち金属多孔質体は、陽極と樹脂多孔質体に接触するようにこれらの間に配置され、金属多孔質体の内部において、陽極の表面に沿った方向に金属溶液が流れる。これにより、成膜時の樹脂多孔質体の圧縮変形に拘わらず、陽極と固体電解質膜との間に、すなわち、金属多孔質体の内部に金属溶液を安定して確保することができ、金属皮膜の成膜を安定して行うことができる。
本発明の実施形態に係る金属皮膜の成膜装置の模式的断面図である。 比較例1に係る金属皮膜の成膜装置の模式的断面図である。 (a)および(b)は、実施例1および比較例1に係る基板を説明するための図である。 実施例1に係る成膜装置で成膜した金属皮膜の写真である。 比較例1に係る成膜装置で成膜した金属皮膜の写真である。
以下に本発明の実施形態に係る金属皮膜の成膜装置について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る金属皮膜の成膜装置の模式的断面図である。図1に示すように、本発明に係る成膜装置1は、金属イオンを還元することで金属を析出させて、析出した金属からなる金属皮膜Fを基材Bに成膜する装置である。
基材Bは、絶縁性の基板B1に導体部B2が形成されており、導体部B2には、絶縁層B3が形成されている。本実施形態では、導体部B2の成膜領域Rに金属皮膜Fを成膜する。
ここで、導体部B2の材料が陰極(すなわち導電性を有した表面)として機能するものであれば、特に限定されるものではなく、アルミニウム、鉄等の金属材料からなってもよく、樹脂、セラミックス等の表面に、銅、ニッケル、銀、または鉄などの金属層が被覆さていてもよい。なお、本実施形態では、導体部B2を有した基材Bに対して金属皮膜の成膜を行うが、たとえば、表面に導電性を有した凹部と凸部とを有した基材の表面に金属皮膜の成膜を行ってよい。
成膜装置1は、金属製の陽極11と、陽極11と基材B(陰極)との間に配置される固体電解質膜13と、陽極11と基材Bとの間に電圧を印加する電源部16と、を備えている。
本実施形態では、基材Bを載置する金属製の載置台40が設けられており、載置台40には、電源部16の負極が接続されており、陽極11には、電源部16の正極が接続されている。なお、ここで載置台40と基材Bの成膜される導体部B2の成膜領域Rとは導通している。これにより、基材Bの導体部B2を陰極として機能させることができる。なお、電源部16の負極に基材Bの導体部B2を導通することができるのであれば、載置台40を省略してもよく、載置台40の代わりに非導電性の載置台としてもよい。
陽極11は、金属皮膜の金属と同じ金属からなる非多孔質(たとえば無孔質)の陽極であり、ブロック状または平板状の陽極であり、たとえば、銅、ニッケル、銀、または、鉄などを挙げることができる。本実施形態では、電源部16の印加により、陽極11が溶解するが、たとえば、多孔質体14に保持される金属イオンを含む溶液(以下、金属溶液という)Lのみで、金属イオンを成膜するのであれば、陽極11は、溶解しなくてもよい。
金属溶液Lは、上述したように成膜すべき金属皮膜の金属をイオンの状態で含有している液(電解液)であり、その金属としては、銅、ニッケル、銀、または鉄を挙げることができ、金属溶液Lは、これらの金属を、硝酸、リン酸、コハク酸、硫酸ニッケル、またはピロリン酸などの酸で溶解(イオン化)した水溶液である。たとえば、金属がニッケルの場合には、金属溶液Lとしては、たとえば、硝酸ニッケル、リン酸ニッケル、コハク酸ニッケル、硫酸ニッケル、またはピロリン酸ニッケルなどの水溶液を挙げることができる。
固体電解質膜13は、上述した金属溶液Lに接触させることにより、金属イオンを内部に含浸(含有)することができ、電圧を印加したときに基材Bの表面Baにおいて金属イオンが還元され、金属イオン由来の金属が析出することができるのであれば、特に限定されるものではない。固体電解質膜の材質としては、たとえばデュポン社製のナフィオン(登録商標)などのフッ素系樹脂、炭化水素系樹脂、ポリアミック酸樹脂、旭硝子社製のセレミオン(CMV、CMD、CMFシリーズ)などのイオン交換機能を有した樹脂を挙げることができる。
さらに、本実施形態では、成膜装置1は、多孔質体14を備えている。多孔質体14は、陽極11と固体電解質膜13とに接触するように、陽極11と固体電解質膜13との間に配置されている。
多孔質体14には、陽極11と固体電解質膜13との間を連通し、金属溶液Lが供給される複数の空孔が形成されている。本実施形態では、多孔質体14は、等方性を有した材料であり、任意の方向から金属溶液Lが透過するように複数の空孔が形成された多孔質体である。多孔質体14には、複数の空孔が形成されており、複数の空孔が陽極11と固体電解質膜13との間を連通しているので、多孔質体14に供給された金属溶液Lは、陽極11と固体電解質膜13との双方に接触する。
本実施形態では、成膜装置1は、ハウジング15を備えており、ハウジング15の上部に、加圧部18を備えている。加圧部18としては、油圧式または空気式のシリンダなどを挙げることができ、固体電解質膜13を、基材Bに押圧する機器である。これにより、固体電解質膜13で基材Bを押圧しながら金属皮膜Fを成膜することができる。
ハウジング15には、陽極11および多孔質体14を収容する収容凹部15aが形成されている。収容凹部15aに陽極11および多孔質体14を収容した状態で、収容凹部15aを封止するように、シール材17を介して、固体電解質膜13がハウジング15に取付けられている。
シール材17は、後述する樹脂多孔質体14Bの圧縮変形に伴い、固体電解質膜13の膜厚方向に弾性圧縮変形が自在な部材である。このシール材17の材料として、フッ化ビニリデン系(FKM)、テトラフルオロエチレン−プロピレン系(FEPM)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロビニルエーテル系(FFKM)などのフッ素ゴム、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂など、を挙げることができ、金属溶液Lに対して耐食性を有するものが好ましい。
本実施形態では、多孔質体14は、金属多孔質体14Aと、樹脂多孔質体14Bとを備えている。金属多孔質体14Aは、陽極11に接触し、陽極11の表面に沿った方向に金属溶液Lが内部に流れるようになっている。金属多孔質体14Aは、固体電解質膜13の膜厚方向に圧縮変形しないものである。
より具体的には、ハウジング15には、金属イオンを含む溶液(金属溶液)Lを金属多孔質体14Aに供給する供給口15bと、金属多孔質体14Aから排出する排出口15cとが形成されており、金属多孔質体14Aは、供給口15bと排出口15cとの間の金属溶液Lが流れる流路に配置されている。なお、供給口15bには、金属溶液Lを圧送するポンプ(図示せず)が接続されており、排出口15cには、成膜後の金属溶液Lを回収する回収タンク(図示せず)が接続されている。
金属多孔質体14Aの材料としては、(1)金属溶液Lに対して耐食性を有し、(2)金属溶液Lを透過することができ、(3)加圧部18により固体電解質膜13を基材Bに加圧した際に、変形せずに、金属溶液Lの流路を確保することができるものであれば、特に限定されるものではない。金属多孔質体14Aとしては、たとえば、白金や酸化イリジウムなどの耐食性が高い発泡金属、または、チタン等の耐食性が高い発泡金属などを挙げることができる。なお、本実施形態では、樹脂多孔質体よりも圧縮変形し難く、剛性の高い(縦弾性係数の高い)材料であれば、金属多孔質体14Aの代わりに、樹脂多孔質体、セラミックス多孔質体などであってもよい。
樹脂多孔質体14Bは、金属多孔質体14Aと固体電解質膜13との間に配置され、金属多孔質体14Aと固体電解質膜13とに接触している。これにより、樹脂多孔質体14Bには、金属多孔質体14Aに保持された金属溶液Lが供給され、樹脂多孔質体14Bに保持された金属溶液Lが固体電解質膜に供給される。
ここで、樹脂多孔質体14Bは、金属溶液Lが保持可能な多孔質体であり、固体電解質膜13の膜厚方向に圧縮変形自在である。具体的には、樹脂多孔質体14Bは、固体電解質膜13を介して基材Bの表面の凹凸に倣う(追従する)ようになっている。
樹脂多孔質体14Bの材料としては、(1)金属溶液Lに対して耐食性を有し、(2)金属溶液Lを透過することができ、(3)加圧部18により固体電解質膜13を基材Bに加圧した際に、基材Bの表面に倣うように圧縮変形するものであれば、特に限定されるものではない。たとえば、樹脂を発泡させたスポンジ、または、樹脂繊維からなる不織布などを挙げることができる。
以下に本実施形態に係る成膜装置1を用いた成膜方法を説明する。まず、金属溶液Lを供給口15bから導入し、多孔質体14に金属溶液Lを含浸させる。ここでは、金属溶液Lを用いたが、たとえば、陽極11の金属が溶解する溶媒(たとえば、硝酸、硫酸など上述した酸を含む酸性水溶液)を導入し、成膜装置1内で金属溶液Lを生成してもよい。
次に、固体電解質膜13に対向するように、載置台40に基材Bを配置する。次に、加圧部18を用いて、ハウジング15を載置台40に向かって下降させ、固体電解質膜13を基材Bの導体部B3の成膜領域Rに接触させ、さらに固体電解質膜13で基材Bの成膜領域Rを押圧する。
この押圧状態を維持しつつ、多孔質体14(金属多孔質体14Aおよび樹脂多孔質体14B)の空孔に金属溶液Lを供給した状態で、電源部16を用いて、陽極11と陰極となる基材Bとの間に電圧を印加する。これにより、陽極11の金属が、金属イオンとなって金属溶液Lに溶出する。この金属イオンは、多孔質体14の空孔を介して、固体電解質膜13に供給される。
固体電解質膜13に供給された金属イオンは、さらに固体電解質膜13に接触した基材Bの成膜領域Rに移動し、陰極である基材Bの成膜領域Rで金属イオンを還元し、基材Bの成膜領域Rに金属イオン由来の金属が析出する。これにより、基材Bの導体部B2の成膜領域Rに金属皮膜Fを成膜することができる。
このとき、固体電解質膜13を基材Bの成膜領域Rに押圧する際に、基材Bの成膜領域Rおよびその近傍に凹凸があっても、樹脂多孔質体14Bが膜厚方向に圧縮変形することにより、固体電解質膜13が基材Bの形状に倣う(追従する)ことができる。この結果、基材Bの成膜領域Rに均一に金属皮膜Fを成膜することができる。
特に、基材Bを押圧する際には、図1に示すように、ハウジング15の端面から突出した樹脂多孔質体14Bがシール材17とともに、固体電解質膜13の膜厚方向に圧縮変形するので、固体電解質膜13は基材Bの表面形状に倣いやすい。
さらに、多孔質体14のうち金属多孔質体14Aは、陽極11と樹脂多孔質体14Bに接触するようにこれらの間に配置され、金属多孔質体14Aの内部において、陽極11の表面に沿った方向に金属溶液Lが流れる。これにより、成膜時の樹脂多孔質体14Bの圧縮変形に拘わらず、陽極11と固体電解質膜13との間に、すなわち、金属多孔質体14Aの内部に金属溶液Lを安定して確保することができ、金属皮膜Fの成膜を安定して行うことができる。
本発明を以下の実施例により説明する。
[実施例1]
上述した図1に示す成膜装置を用いて金属皮膜を成膜した。図3(a)に示すランド部と、図3(b)に示すスルーホール部を有した基材Bに対して金属皮膜を成膜した。具体的には、基材として、ガラスエポキシ樹脂からなる基板B1の表面に、銅からなる下地の導体部B2を形成し、その一部をソルダレジストからなる絶縁層B3を被覆したものを準備した。なお、導体部B2の表面(成膜領域R)に、絶縁層B3の一部が被覆されることにより、導体部B2と絶縁層B3との段差Dが35μmとなり、導体部B2の成膜領域Rは、絶縁層B3の表面に対して凹んでいる。
次に、金属溶液として、1.0mol/Lの硫酸銅水溶液を準備した。陽極に非多孔質の溶解性陽極として、無酸素銅板を準備した。金属多孔質体に、気孔率85%、孔径50μmの発泡チタン板(厚さ1.0mm(三菱マテリアル社製))を用いた。また、樹脂多孔質体に、ポリプロピレン不織布(タピルス社製:P250FW−0CF−1(グレード名)、目付:268.3g/m、厚さ:1.0mm)を用い、この表面に酸素プラズマによる親水化処理を実施した。固体電解質膜に、電解質膜(旭硝子社製:CSH50、厚さ:50μm)を用いた。
次に、基材Bの導体部B2を電源部の負極に導通させ、基材Bの温度を46℃に保持しながら、基材Bに通電する電流密度と基材Bを押圧する押圧力が、図4に示す値となるように調整し、基材Bの導体部B2の成膜領域Rに、10μmの膜厚となるように銅皮膜(金属皮膜)を成膜した。成膜した銅皮膜の状態を図4に示す。
[比較例1]
実施例と同じようにして、基材Bの導体部B2の成膜領域Rに銅皮膜(金属皮膜)を成膜した。実施例と相違する点は、多孔質体に、樹脂多孔質体を用いず、金属多孔質体のみを用いた点である。したがって、比較例1の成膜装置は、特許文献1に示す成膜装置に相当する。基材Bに通電する電流密度と基材Bを押圧する押圧力を、図5に示す値となるように調整した点である。成膜した銅皮膜の状態を図5に示す。なお、参考に、図2に、比較例1に係る金属皮膜の成膜装置9の模式的断面図を示した。図2では、比較例1に係る成膜装置9の構成のうち、図1に示す成膜装置1と共通する構成は、同じ符号を付している。
(結果)
図5に示すように、比較例1に係る成膜装置(図2参照)で銅皮膜を成膜した場合には、押圧力に拘わらず、電流密度が25mA/cmとなる条件で、銅皮膜と固体電解質膜との密着異常(固着)が発生した。一方、電流密度が12mA/cmとなる条件では、押圧力を0.5MPaにしたとしても、導体部B2の成膜領域Rの全面に銅皮膜が成膜しなかった。したがって、比較例1に係る成膜装置では、図3(a)、(b)に示すような基材に金属皮膜を成膜することが難しいことがわかった。なお、比較例1の成膜装置では、押圧力を0.5MPa以上にすると、金属多孔質体が圧潰することが分かった。
一方、図4に示すように、実施例1に係る成膜装置で銅皮膜を成膜した場合には、電流密度が15mA/cmとなる条件では、銅皮膜と固体電解質膜との密着異常が発生した。また、電流密度が12mA/cmとなる条件であっても、押圧力が2.6MPaとなる条件で、銅皮膜と固体電解質膜との密着異常が発生した。しかしながら、電流密度が12mA/cmとなる条件で、押圧力を1.8MPaにした場合には、導体部B2の全面に銅皮膜が成膜されていることがわかった。なお、実施例1の成膜装置では、押圧力を2.6MPにしても、比較例1と異なり、金属多孔質体が圧潰しなかった。
このことから、実施例1の如く、固体電解質膜の膜厚方向に圧縮変形自在となる樹脂多孔質体を設けることにより、固体電解質膜で基材の表面を押圧した際に、固体電解質膜が、基材の表面形状に倣うと考えられる。この結果、導体部B2に固体電解質膜が均一に接触し、導体部B2の全面に銅皮膜が成膜されたと考えられる。さらに、実施例1では、樹脂多孔質体がクッション材となり、金属多孔質体が圧潰しなかったと考えられる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。
本実施形態では、成膜装置のハウジングと、固体電解質膜との間にシール材を設けたが、成膜時に樹脂多孔質体の圧縮変形を阻害しないのであれば、固体電解質膜にハウジングを直接貼着してもよい。
1:成膜装置、11:陽極、13:固体電解質膜、14:多孔質体、14A:金属多孔質体、14B:樹脂多孔質体、15:ハウジング、16:電源部、18:加圧部

Claims (1)

  1. 陽極と、前記陽極と陰極となる基材との間に配置される固体電解質膜と、前記陽極と基材との間に電圧を印加する電源部と、を少なくとも備え、前記固体電解質膜を前記基材に押圧した状態で、前記陽極と前記基材との間に電圧を印加して、前記固体電解質膜の内部に含有された金属イオンを還元することで金属皮膜を前記基材の表面に成膜する金属皮膜の成膜装置であって、
    前記陽極と前記固体電解質膜との間には、前記金属イオンを含む溶液が前記陽極と前記固体電解質膜とに接触するように、前記溶液が保持される多孔質体が、配置されており、
    前記多孔質体は、前記陽極に接触し、前記陽極の表面に沿った方向に前記溶液が内部に流れる金属多孔質体と、前記金属多孔質体と前記固体電解質膜との間に配置され、前記金属多孔質体と前記固体電解質膜とに接触し、前記固体電解質膜の膜厚方向に圧縮変形自在となる樹脂多孔質体と、を備えることを特徴とする金属皮膜の成膜装置。
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