JP6107799B2 - 表面処理方法および表面処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、基板の表面を部分的に粗化する表面処理方法および表面処理装置に関する。
従来から、基板などの表面に金属被膜を形成する際には、金属被膜の密着性を高めるため、基板の表面に対して前処理として行なうことが一般的である。たとえば、特許文献1には、基板の成膜領域以外の表面をマスキング後、成膜領域にアルカリ脱脂を行い、その後、高圧水流をアルカリ脱脂された表面に噴射して、基板の酸化膜(不動態膜)の除去をおこなっている。このように、特許文献1に記載の技術では、物理的に高圧水流で成膜領域の表面に形成された酸化膜を除去することにより、成膜領域に密着性の高い金属被膜を成膜することができる。
また、別の技術として、特許文献2には、陽極である基板と陰極の間に溶解液を含有した固体電解質膜を配置し、固体電解質膜を基板の金属表面に接触させると共に、基板と陰極との間に電圧を印加することにより、基板の金属表面の金属を金属イオンにイオン化させて、基板の金属表面をエッチングする表面処理方法が提案されている。
特開2001−073174号公報 特開2014−114474号公報
しかしながら、特許文献1および2等の表面処理技術を用いて、基板を部分的に粗化処理しようとした場合、基板ごとに、表面処理をすべき表面領域以外をマスキングする必要があった。さらに、粗化処理後には、基板の表面にマスキングされたマスキング材を除去する必要があった。さらに、特許文献1の表面処理技術では、高圧水流を基板に吹き付けるため、基板の表面をより粗く粗化しようとした場合には、マスキング材が剥がれるおそれがあった。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、基板の表面のうち所望の表面領域に対して、基板の表面を溶解する溶解液を用いて、簡単に部分的な粗化を行うことができる表面処理方法および表面処理装置を提供することにある。
このような点に鑑みて、本発明に係る表面処理方法は、基板の表面を溶解する溶解液を用いて、前記基板の表面を部分的に粗化する表面処理方法であって、前記表面処理方法において、前記溶解液が浸透可能な固体電解質膜の一方側の表面が、前記基板の表面に接触するように、前記固体電解質膜を前記基板に配置し、前記基板の表面のうち粗化する表面領域に応じた貫通孔が形成されたマスキング板の一方側の表面が、前記固体電解質膜の他方側の表面に接触するように、前記マスキング板を前記固体電解質膜に配置し、前記マスキング板の他方側の表面から、前記貫通孔を介して前記溶解液を前記固体電解質膜に供給することにより、前記固体電解質膜に前記溶解液を浸透させ、浸透した前記溶解液で前記基板の表面を溶解することにより、前記基板の前記表面領域を粗化することを特徴とする。
本発明によれば、マスキング板の他方側の表面から、貫通孔を介して溶解液を固体電解質膜に供給することにより、貫通孔の形状の応じた固体電解質膜の部分に溶解液が浸透する。この溶解液が浸透した固体電解質膜の部分は、基板の表面に接触しているので、基板の表面のうち、マスキング板の貫通孔の形状に応じた表面領域の材料が溶解液と反応することにより、溶解液(具体的には、水素イオン、水酸化物イオン、錯化剤、または、その他酸化剤で)で溶解し、基板の表面領域を簡単に粗化することができる。
このように、本発明では、基板に直接的にマスキングを行わずに、基板の表面のうち所望の表面領域に対して溶解液を用いて粗化することができる。また、固体電解質膜を介して、基板の表面領域が粗化されるので、基板の表面に溶解液が過多に付着することを抑えることができる。
ここで、本発明でいう「基板」とは、部分的に粗化する表面(の材料)が、溶解液により溶解して粗化することができる表面を有した基板であればよく、基板そのものが溶解する、または溶解液により溶解する表層が形成された基板であってもよい。
より好ましい態様としては、前記基板の表面は、金属からなる表面であり、前記マスキング板の他方側に導電部材を配置し、前記導電部材を陰極とし、前記基板を陽極として、前記基板と前記導電部材との間に、電圧を印加することにより、前記表面領域の粗化を行う。
この態様によれば、マスキング板の他方側の表面から、貫通孔を介して溶解液を固体電解質膜に供給した状態で、導電部材を陰極とし、基板を陽極として、これらの間に電圧が印加される。基板の表面(金属表面)のうち、マスキング板の貫通孔の形状に応じた表面領域の金属が電気分解によりイオン化する。これにより、上述した酸化還元反応が促進され、基板の表面のうち、貫通孔の形状に応じた表面領域に対して、より迅速かつ簡単に部分的に粗化することができる。特に、基板と導電部材との間を印加する際の印加時間、基板の温度、溶解液の温度、印加電圧等を調整することにより、基板の表面領域のみを所望の表面粗さに粗化することができる。
本発明として、前記表面処理方法と共に、金属皮膜を成膜する方法を開示する。本発明に係る金属皮膜の成膜方法は、前記表面処理方法で、前記基板の表面領域を粗化した後、前記表面領域に金属皮膜を成膜する方法であって、前記溶解液を、前記金属皮膜の金属イオンを含有した金属溶液に切り替えて、前記金属溶液を前記貫通孔を介して前記固体電解質膜に供給することにより、前記固体電解質膜に前記金属イオンを浸透させ、前記導電部材を陽極とし、前記基板を陰極として、前記基板と前記導電部材との間に電圧を印加することにより、前記固体電解質膜に浸透した金属溶液の金属イオンを、前記粗化した前記表面領域に析出させ、前記表面領域に金属皮膜を成膜する。
この態様によれば、表面処理後、溶解液を金属溶液に切り替えて、導電部材と基板の極性を反転させ、これらの間に電圧を印加するだけで、基板の表面領域に金属皮膜を簡単に成膜することができる。金属皮膜は、粗化処理された基板の表面領域に成膜されるので、基板に対して密着性の高い金属皮膜を部分的に成膜することができる。
本願では、本発明として、基板を好適に表面処理することができる表面処理装置をも開示する。本発明に係る表面処理装置は、基板の表面を溶解する溶解液を用いて、前記基板の表面を部分的に粗化する表面処理装置であって、前記表面処理装置は、前記基板の表面に接触し、前記溶解液が浸透可能な固体電解質膜と、前記基板の表面に接触する表面を前記固体電解質膜の一方側の表面としたときに、前記固体電解質膜の他方側の表面に接触し、前記基板の表面のうち粗化する表面領域に応じた貫通孔が形成されたマスキング板と、前記貫通孔を介して前記固体電解質膜に前記溶解液を供給する液供給部と、を少なくとも備えることを特徴とする。
本発明によれば、固体電解質膜の一方側の表面が基板の表面に接触するように、固体電解質膜を基板に配置し、マスキング板が、固体電解質膜の他方側の表面に接触するように、マスキング板を配置することができる。この状態でマスキング板の貫通孔を介して溶解液を固体電解質膜に供給することにより、固体電解質膜に溶解液を浸透させ、浸透した溶解液で基板の表面(の材料)を溶解し、基板に直接的にマスキングを行わずに、簡単に基板の表面を部分的に粗化することができる。また、固体電解質膜を介して溶解液で基板の表面領域に粗化されるので、基板の表面に溶解液が過多に付着することを抑えることができ、基板の表面に対して、より好適に部分的な粗化処理を行うことができる。
より好ましい態様としては、前記表面処理装置は、前記基板の表面として、金属からなる表面を部分的に粗化するものであり、前記固体電解質膜と接触する側を前記マスキング板の一方側としたときに、前記マスキング板の他方側に配置される導電部材と、前記導電部材を陰極とし、前記基板を陽極として、前記基板と前記導電部材との間に、電圧を印加する電源部と、さらに備える。
この態様によれば、マスキング板の他方側の表面から、貫通孔を介して溶解液を固体電解質膜に供給した状態で、導電部材である陰極と、基板である陽極との間に、電源部により電圧を印加することができる。これにより、基板の表面(金属表面)のうち、マスキング板の貫通孔の形状に応じた表面領域の金属が電気分解によりイオン化する。このようにして、基板の表面のうち貫通孔の形状に応じた表面領域に対して溶解液を用いて、より迅速かつ簡単に部分的に粗化することができる。特に、基板と導電部材との間を印加する時間等を調整することにより、基板の表面領域のみを所望の表面粗さに粗化することができる。
さらに、溶解液を金属皮膜の金属イオンを含有した金属溶液に切り替えて、電源部の極性を反転させれば、金属溶液の金属イオンを、粗化した表面領域に析出させ、表面領域に金属皮膜を成膜することができる。
本発明によれば、基板の表面のうち所望の表面領域に対して、基材の表面を溶解する溶解液を用いて、簡単に部分的な粗化を行うことができる。
本発明の第1実施形態に係る表面処理装置の模式的分解斜視図。 図1に示す表面処理装置を用いた基板の表面処理を説明するための模式的断面図であり、(a)は、基板の表面処理前の状態を示した図、(b)は、基板の表面処理時の状態を示した図、(c)は、(b)に示す基板の表面近傍の部分的拡大図。 本発明の第2実施形態に係る表面処理装置の模式的分解斜視図。 図3に示す表面処理装置を用いた基板の表面処理を説明するための模式的断面図であり、(a)は、基板の表面処理前の状態を示した図、(b)は、基板の表面処理時の状態を示した図、(c)は、(b)に示す基板の表面処理後の成膜状態を示した図。 第3実施形態に係る表面処理装置を用いた基板の表面処理を説明するための模式的断面図であり、(a)は、基板の表面処理前の状態を示した図、(b)は、基板の表面処理時の状態を示した図、(c)は、(b)に示す基板の表面処理後の成膜状態を示した図。 (a)〜(d)は実施例1〜4に係る基板の表面粗さを測定した結果を示した図。
以下に本発明の3つの実施形態に係る表面処理方法を好適に実施することができる表面処理装置について、図1〜図5を参照しながら説明する。
〔第1実施形態〕
1−1.表面処理装置1Aについて
図1は、本発明の第1実施形態に係る表面処理装置1Aの模式的分解斜視図である。図1に示すように、本実施形態に係る表面処理装置1Aは、基板Wの表面wfの材料を溶解する溶解液Laを用いて、基板Wの表面wfのうち、部分的な表面(表面領域wa)を粗化する装置である。
基板Wの表面wfが金属である場合には、基板Wに、アルミニウム系(アルミニウムまたはその合金)材料、銅系(銅またはその合金)材料、亜鉛系(亜鉛またはその合金)材料、または、すず系(すずまたはその合金)材料、などの金属材料からなる基板、あるいは樹脂基板またはシリコン基板または樹脂基板等の非導電性基板の表面に上述した金属の表面層が形成されている基板を挙げることができる。基板Wの表面wfの金属は、酸、アルカリ、錯化剤等の溶解液で溶解が可能な金属材料からなる。たとえば、基材Wの表面wfの金属に上述した金属が選択された場合、溶解液Laは、選択された金属を溶解する液であれば特に限定されるものではない。たとえば、溶解液Laとしては、水酸化カリウム水溶液、塩化第二鉄水溶液、硝酸水溶液、または硫酸水溶液などを挙げることができる。
表面処理装置1Aは、固体電解質膜13と、マスキング板14と、開気孔を有した多孔質体11と、液供給部15とを備え、付帯的な装置として、溶解液供給装置21および加圧装置18をさらに備えている。
固体電解質膜13は、基板Wの表面wfに接触し、溶解液Laが浸透可能な材料、すなわち、表面wfを溶解する水素イオン、水酸化物イオンまたは錯体が浸透可能な材料からなる。固体電解質膜13は、上述した溶解液Laに接触させることにより、溶解液Laを内部に浸透させることができるものであれば、特に限定されるものではない。
たとえば、溶解液Laが、酸溶液である場合等、溶解に必要な成分が陽イオン性である場合には、固体電解質膜の材質としては、デュポン社製のナフィオン(登録商標)などのフッ素系樹脂、炭化水素系樹脂、ポリアミック酸樹脂、旭硝子社製のセレミオン(登録商標)(CMV、CMD,CMFシリーズ)などの、陽イオンを伝導する陽イオン交換機能を有した樹脂を挙げることができる。
溶解液Laがアルカリ溶液である場合、または、溶解に必要な成分が陰イオン性である場合等には、アストム社製のネオセプタ(登録商標)(AMX、AHA、ACS)、旭硝子社製のセレミオン(AMV、AMT,AHOシリーズ)などの陰イオン交換機能を有した樹脂を挙げることができる。
なお、本実施形態では、基板Wの表面wfが金属からなる表面を例示したが、第1実施形態の場合には、基材Wの表面wfが、高分子樹脂、または非導電性の無機材料であってもよい。たとえば、基材Wの表面wfが、ポリウレタン樹脂、ABS樹脂、エポキシ樹脂などからなる場合には、溶解液に、塩酸水溶液、クロム酸水溶液、フッ化水素酸水溶液などを挙げることができる。
基材Wの表面wfが窒化ケイ素(非導電性の無機材料)からなる場合には、溶解液にリン酸水溶液を挙げることができる。基材Wの表面wfがアルミナ(非導電性の無機材料)からなる場合には、溶解液に水酸化ナトリウム水溶液を挙げることができる。基材Wの表面wfが酸化ケイ素(非導電性の無機材料)からなる場合には、溶解液にフッ酸水溶液を挙げることができる。
マスキング板14は、基板Wの表面wfに接触する表面を固体電解質膜13の一方側の表面13aとしたときに、固体電解質膜13の他方側の表面13bに固定され、これに接触している。マスキング板14には、基板Wの表面wfのうち粗化する表面領域waに応じた複数の貫通孔14c,14c,…が形成されている。ここで、マスキング板14は、上述した溶解液Laに対して不溶性の材料からなることが好ましく、金属製および樹脂製のいずれであってもよい。
多孔質体11は、固体電解質膜13に接触する表面をマスキング板14の一方側の表面14aとしたときに、マスキング板14の他方側の表面14bに固定され、これに接触している。多孔質体11の内部に浸透した溶解液Laが、マスキング板14の各貫通孔14cに流れ、多孔質体11の周囲から漏れないように、その周囲には封止材(図示せず)が被覆されている。
さらに、本実施形態では、多孔質体11は、(1)溶解液Laに対して耐食性を有し、(2)溶解液Laを透過することができ、(3)加圧装置18によりマスキング板14を介して固体電解質膜13を基板Wの表面に加圧することができるものであれば、特に限定されるものではない。したがって、多孔質体11は、第2実施形態に示す金属製であってもよいが、本実施形態では、多孔質体11は通電されないので、樹脂製であってもよい。
このような多孔質体11を設けることにより、後述する加圧装置18で、固体電解質膜13を基板Wの表面wfに均一に加圧しながら、その内部に溶解液Laを通過させ、基板Wの表面処理を安定的に行うことができる。なお、固体電解質膜13を基板Wの表面wfに均一に加圧することができるのであれば、多孔質体11を省略してもよい。
液供給部15は、多孔質体11に溶解液Laを供給し、これを多孔質体11からマスキング板14の貫通孔14c,14c,…を介して固体電解質膜13に供給するための部材である。液供給部15は、マスキング板14に接触する表面を多孔質体11の一方側の表面11aとしたときに、多孔質体11の他方側の表面11bに固定され、これに接触している。液供給部15は、上述した溶解液Laに対して不溶性の材料からなることが好ましく、金属製および樹脂製のいずれであってもよい。
液供給部15には、溶解液Laを供給する供給通路15aと、これを排出する排出通路15bと、が形成されている。供給通路15aおよび排出通路15bの一方側の開口は、多孔質体11の他方側の表面11bに面した位置に形成されている。これにより、液供給部15から、マスキング板14の貫通孔14c,14c,…に向かって、好適に溶解液Laを流し、効率良く溶解液Laを固体電解質膜13に供給することができる。
溶解液供給装置21は、溶解液Laを収容する収容槽(図示せず)と、収容槽から溶解液Laを圧送する圧送ポンプ(図示せず)と、を備えており、液供給部15の供給通路15aに、溶解液Laを圧送して供給するように接続されている。溶解液供給装置21は、液供給部15の排出通路15bからの溶解液Laを回収するように、排出通路15bに接続されている。このようにして、溶解液供給装置21により装置内で溶解液Laを循環させることができる。
さらに、液供給部15の上部には、油圧式または空圧式のシリンダーからなる加圧装置18が接続されている。この加圧装置18を設けることにより、表面処理時に基板Wの表面wfに固体電解質膜13を均一に加圧することができる。
1−2.表面処理装置1Aを用いた表面処理方法について
図2は、図1に示す表面処理装置1Aを用いた基板Wの表面処理を説明するための模式的断面図であり、(a)は、基板Wの表面処理前の状態を示した図、(b)は、基板Wの表面処理時の状態を示した図、(c)は、(b)に示す基板Wの表面近傍の部分的拡大図である。
まず、図2(a)に示すように、表面処理装置1Aの固体電解質膜13に対向する位置に、基板Wを配置する。ここで、図2(a)では、基板Wの表面wfのうち、粗化される表面領域waを太線で示しているが、この時点では、表面領域waは、他の表面と同じ表面粗さである。
次に、図2(b)に示すように、加圧装置18を稼働させ、固体電解質膜13の一方側の表面13aが、基板Wの表面wfに接触しこれを加圧するように、固体電解質膜13を基板Wに配置する。この配置状態では、貫通孔14cが形成されたマスキング板14の一方側の表面14aが、固体電解質膜13の他方側の表面13bに接触するように、マスキング板14が固体電解質膜13に配置されている。
このような配置状態で、溶解液供給装置21を稼働させて、液供給部15の供給通路15aに溶解液Laを供給する。供給通路15aに流れる溶解液Laは、図2(b)に示すように、多孔質体11を介して、マスキング板14に向かって流れ、マスキング板14の他方側の表面14bから、貫通孔14c,14c,…を介して固体電解質膜13に供給される。
これにより、貫通孔14c,14c,…の形状の応じた固体電解質膜13の部分13cに溶解液Laが浸透する。この溶解液Laが浸透した固体電解質膜13の部分13cは、基板Wの表面wfに接触しているので、基板Wの表面wfのうち、マスキング板14の貫通孔14c,14c,…の形状に応じた表面領域waの金属が酸化還元反応により、溶解液Laで溶解し、基板Wの表面領域waを簡単に粗化することができる(図2(c))。
たとえば、基板Wの表面wfがすず系材料であり、溶解液Laに硫酸溶液などの酸溶液を用いた場合には、固体電解質膜13内のHが基板Wの表面領域waに向かって伝導する。そして基板Wの表面領域waで、Sn→Sn2++2eの反応が起こるとともに、2H+2e→H↑の反応が起こる。これにより、基板Wの表面領域waを簡単に粗化することができる。
このようにして、基板Wに直接的にマスキング材やフォトレジストなどでマスキングを行わずに、基板Wの表面領域waのうち所望の表面領域waに対して溶解液Laを用いて粗化することができる。また、固体電解質膜13を介して溶解液Laで基板Wの表面領域waが粗化されるので、基板Wの表面wfに溶解液Laが過多に付着することを抑えることができる。
特に、本実施形態では、液供給部15からの溶解液Laは、多孔質体11を介して、マスキング板14の複数の貫通孔14c,14c,…に供給されるので、より均一に溶解液Laを複数の貫通孔14c,14c,…に供給することがきる。これにより、基板Wの表面領域waを均一に粗化することができる。
〔第2実施形態〕
2−1.表面処理装置1Bについて
図3は、本発明の第2実施形態に係る表面処理装置1Bの模式的分解斜視図である。本実施形態に係る表面処理装置1Bが、第1実施形態のものと相違する点は、多孔質体11を導電性を有した導電部材11Aで特定した点と、導電部材11Aと基板Wを印加する電源部16を設けた点と、成膜用の金属溶液Lbを液供給部15に供給する金属溶液供給装置22とその供給・排出ルート等を設けた点である。したがって、第1実施形態の表面処理装置1Aと同じ構成となる部材は、同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。なお、第2実施形態では、基材Wの表面wfは、金属からなる表面に限定された実施形態である。
図3に示すように、本実施形態では、表面処理装置1Bは、マスキング板14の他方側の表面14bに配置される導電部材11Aと、導電部材11Aを陰極とし、基板Wを陽極として、基板Wと導電部材11Aとの間に、電圧を印加する電源部16と、を備えている。なお、本実施形態では、基板Wそのものが金属製の基板であるが、樹脂基板またはシリコン基板または樹脂基板等の非導電性基板の表面に上述した金属の表面層が形成されている場合には、基板Wの表面層を電源部16に導通させる。
導電部材11Aは、溶解液Laおよび後述する金属溶液Lbが透過し、かつ、マスキング板14の貫通孔14c,14c,…を介して、固体電解質膜13に溶解液Laおよび金属溶液Lbを供給する、多孔質体からなる。また、導電部材11Aの周縁は、溶解液Laおよび金属溶液Lbが漏れないようにシール材(図示せず)が配置されている。
このような多孔質体としては、(1)溶解液Laおよび金属溶液Lbに対して耐食性を有し、(2)陽極または陰極として作用可能な導電率を有し、(3)溶解液Laおよび金属溶液Lbを透過することができ、(4)加圧装置18によりマスキング板14を介して固体電解質膜13を基板Wの表面に加圧することができるものであれば、特に限定されるものではない。導電部材11Aとしては、たとえば、白金や酸化イリジウムなどの酸素過電圧が小さい材料による発泡金属、または、チタン等の耐食性が高い発泡金属に白金や酸化イリジウムなどで被覆したものが好ましい。
電源部16は、導電部材11Aと基板Wに電気的に接続されており、固体電解質膜13を基板Wの金属からなる表面wfに接触した状態で、導電部材11Aと基板Wとの間に電圧を1〜20V程度印加することが可能なように構成されている。さらに、電源部16は、電源の極性を反転する(極性を切り替える)切り替え回路(図示せず)を備えている。
これにより、表面処理時には、図3に示すように導電部材11Aを陰極とし、基板Wを陽極として、電源部16により導電部材11Aと基板Wの間に電圧を印加することができる。一方、後述する成膜時には、図4(c)に示すように、切り替え回路により電源の極性を反転させて、導電部材11Aを陽極とし、基板Wを陰極として、電源部16により導電部材11Aと基板Wの間に電圧を印加することができる。
金属溶液供給装置22は、金属溶液Lbを収容する収容槽(図示せず)と、収容槽から金属溶液Lbを圧送する圧送ポンプ(図示せず)と、を備えており、液供給部15の供給通路15aに、金属溶液Lbを圧送して供給するように接続されている。金属溶液供給装置22は、液供給部15の排出通路15bからの金属溶液Lbを回収するように、排出通路15bに接続されている。このようにして、金属溶液供給装置22により装置内で金属溶液Lbを循環させることができる。
本実施形態では、表面処理装置1Bには、液供給部15の供給通路15aに、上述した溶解液供給装置21からの溶解液Laと、金属溶液供給装置22からの金属溶液Lbとを選択的に供給できるように、これらの液を切り替える切り替え弁23が設けられている。さらに、液供給部15の排出通路15bから排出される液を、溶解液供給装置21と、金属溶液供給装置22とに選択的に回収することができるように、これらの液を切り替える切り替え弁24が設けられている。
ここで、金属溶液Lbは、成膜される金属皮膜の金属イオンを含有した液であり、たとえば、銅、ニッケル、銀などをイオンの状態で含む水溶液などを挙げることができる。たとえば、金属溶液の金属が銅の場合には、硝酸銅、硫酸銅、ピロリン酸銅などを含む溶液を挙げることができ、ニッケルの場合には、硝酸ニッケル、硫酸ニッケル、ピロリン酸ニッケルなどを含む溶液を挙げることができる。
さらに、図5(c)を参照して後述するように、基板Wの表面領域waに、金属溶液Lbを用いて金属皮膜MFをさらに成膜する際には、固体電解質膜13は、上述した金属をイオンの状態で含有することができるものであり、たとえば、固体電解質膜の材質としては、デュポン社製のナフィオンなどのフッ素系樹脂、炭化水素系樹脂、ポリアミック酸樹脂、旭硝子社製のセレミオン(CMV、CMD,CMFシリーズ)などのイオン交換機能を有した樹脂を挙げることができる。
2−2.表面処理装置1Bを用いた表面処理方法および成膜方法について
図4は、図3に示す表面処理装置を用いた基板の表面処理を説明するための模式的断面図であり、(a)は、基板の表面処理前の状態を示した図、(b)は、基板の表面処理時の状態を示した図、(c)は、(b)に示す基板の表面処理後の成膜状態を示した図である。
まず、図4(a)に示すように、表面処理装置1Bの固体電解質膜13に対向する位置に、基板Wを配置する。この時、導電部材11Aを陰極とし、基板Wを陽極として、電源部16により導電部材11Aと基板Wの間に電圧を印加することができるように、電源部16は電気的に接続されている。また、図4(a)では、基板Wの金属からなる表面wfのうち、粗化される表面領域waを太線で示しているが、この時点では、表面領域waは、他の表面と同じ表面粗さである。
次に、図4(b)に示すように、加圧装置18を稼働させ、固体電解質膜13の一方側の表面13aが、基板Wの表面wfに接触しこれを加圧するように、固体電解質膜13を基板Wに配置する。この配置状態で、貫通孔14cが形成されたマスキング板14の一方側の表面14aが、固体電解質膜13の他方側の表面13bに接触するように、マスキング板14が固体電解質膜13に配置されている。
このような配置状態で、溶解液供給装置21を稼働させて、液供給部15の供給通路15aに溶解液Laを供給する。供給通路15aに流れる溶解液Laは、図4(b)に示すように、多孔質の導電部材11Aを介して、マスキング板14に向かって流れ、マスキング板14の他方側の表面14bから、複数の貫通孔14c,14c,…を介して固体電解質膜13に供給される。
マスキング板14の他方側の表面14bから、複数の貫通孔14c,14c,…を介して溶解液Laを固体電解質膜13に供給した状態で、導電部材11Aを陰極とし、基板Wを陽極とし、これらの間に、電源部16により電圧を印加する。
ここで、基板Wの表面wfのうち、マスキング板14の各貫通孔14cの形状に応じた表面領域waの金属が電気分解によりイオン化する。これにより、第1実施形態に比べて酸化還元反応が促進され、基板Wの表面wfのうち、貫通孔14cの形状に応じた表面領域waに対して、より迅速かつ簡単に部分的に粗化することができる。特に、基板Wと導電部材11Aとの間を印加する際の印加時間、印加電圧、基板Wの温度等を調整することにより、基板Wの表面領域のみを所望の表面粗さに制御することができる。
たとえば、基板Wの表面wfがすず系材料であり、溶解液Laに硫酸溶液などの酸溶液を用いた場合には、固体電解質膜13内のHが基板Wの表面領域waに向かって伝導する。そして基板Wの表面領域waで、Sn→Sn2++2eの反応が起こるとともに、2H+2e→H↑の反応が起こる。これにより、基板Wの表面領域waを簡単に粗化することができる。
また、本実施形態の場合も同様に、基板Wに直接的にマスキング材やフォトレジストなどでマスキングを行わずに、基板Wの表面wfのうち所望の表面領域waに対して溶解液Laを用いて粗化することができる。また、固体電解質膜13を介して溶解液Laで基板Wの表面領域waが粗化されるので、基板Wの表面wfに溶解液Laが過多に付着することを抑えることができる。
次に、基板Wへの表面処理が終了後、粗化された表面領域waに、金属皮膜MFを成膜する。具体的には、加圧装置18による加圧状態を維持し、電源部16による電圧の印加を一旦終了する。
次に、溶解液供給装置21の稼働を停止し、金属溶液供給装置22を稼働し、図3に示す切り替え弁23,24を切り替える。これにより、液供給部15に供給する液を、溶解液Laから金属溶液Lbに切り替えて、これを装置内に循環させるとともに、金属溶液Lbを貫通孔14cを介して固体電解質膜13に供給する。これにより、固体電解質膜13に金属イオンを浸透させることができる。
この状態で、図4(c)に示すように、導電部材11Aを陽極とし、基板Wが陰極となるように、電源部16の電源の極性を反転させ、電源部16により、基板Wと導電部材11Aとの間に電圧を印加する。これにより、固体電解質膜13に浸透した金属溶液Lbの金属イオンを、粗化した表面領域waに析出させ、表面領域waに金属皮膜MFを成膜する。
このようにして、溶解液Laを金属溶液Lbに切り替えて、導電部材11Aと基板Wの極性を反転させ(具体的には電源部16の電源の極性を反転させ)、これらの間に電圧を印加するだけで、基板Wの表面領域waに金属皮膜MFを簡単に成膜することができる。金属皮膜MFは、粗化処理された基板Wの表面領域に成膜されるので、基板Wに対して密着性の高い金属皮膜MFを部分的に成膜することができる。
また、本実施形態では、加圧装置18を用いて、導電部材11Aでマスキング板14を介して固体電解質膜13を基板Wの表面wfに均一に押圧することができるので、より均一な厚みの均質な金属皮膜MFを成膜することができる。
なお、上述したごとく、表面処理時には、マスキング板14の貫通孔14c,14c,…の形状に応じた固体電解質膜13の部分に溶解液Laが浸透し、成膜時には金属溶液Lbが浸透する。したがって、マスキング板14の材料は、導電性を有した材料または非導電性を有した材料のいずれであってもよい。ここで、マスキング板14の材質に樹脂などの非導電性を有した材料を用いた場合には、表面領域waとそれ以外の領域の粗化範囲を明確にすることができるとともに、エッジが際立った金属皮膜MFを成膜することができる。
〔第3実施形態〕
図5は、第3実施形態に係る表面処理装置を用いた基板の表面処理を説明するための模式的断面図であり、(a)は、基板の表面処理前の状態を示した図、(b)は、基板の表面処理時の状態を示した図、(c)は、(b)に示す基板の表面処理後の成膜状態を示した図である。
本実施形態に係る表面処理装置1Cが、第2実施形態のものと相違する点は、液供給部15Aの構造と、導電部材11Bの位置および構造である。したがって、第2実施形態の表面処理装置1Bと同じ構成となる部材は、同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図5(a)に示すように、本実施形態では、液供給部15Aには、溶解液Laおよび金属溶液Lbを収容するための液収容室15cが形成されており、導電部材11Bは、マスキング板14の他方側に対して離間して配置されている。導電部材11Bは、導電性を有した無孔質体であり、溶解液Laおよび金属溶液Lbに対して不溶性の材料からなる。
表面処理時には、図5(b)に示すように、溶解液Laを液供給部15Aの液収容室15cに供給しながら、第2実施形態と同じように、加圧装置18で基板Wの表面wfに固体電解質膜13を押圧する。次に、導電部材11Bを陰極とし、基板Wを陽極とし、これらの間に、電源部16で電圧を印加する。これにより、基板Wの表面wfのうち、貫通孔14cの形状に応じた表面領域waを、迅速かつ簡単に粗化することができる。
さらに、成膜時には、第2実施形態と同じように、図5(c)に示すように、液供給部15Aに供給する液を、溶解液Laから金属溶液Lbに切り替える。次に、導電部材11Bが陽極となり、基板Wが陰極となるように、電源部16の電源の極性を反転させ、電源部16により、基板Wと導電部材11Aとの間に電圧を印加する。これにより、固体電解質膜13に浸透した金属溶液Lbの金属イオンを、粗化した前記表面領域waに析出させ、表面領域waに金属皮膜MFを成膜することができる。
以下に本発明を実施例に基づいて説明する。
<実施例1>
上述した第2実施形態に係る表面処理装置を用いて無酸素銅からなる基板(50mm×50mm×厚さ1mm)の表面を部分的に粗化した。導電部材として、発泡チタン(10mm×10mm×1mmの発泡チタンからなる気孔率85体積%の多孔質体(三菱マテリアル製))を用いた。10mm×10mmの貫通孔が開いた厚さ0.5mmのマスキング板を用いた。固体電解質膜にデュポン社製のナフィオンNR211を用い、溶解液に30%硫酸水溶液を用いた。基板の表面のうち貫通孔の形状に相当する表面(10mm×10mm)を粗化すべき表面領域とした。
基材を粗化する際には、加圧装置で、固体電解質膜を基板の表面に、1.0MPaで押圧しながら、基板を陽極とし、導電部材を陰極とし、基板温度を25℃にして、電源部でこれらの間に印加電圧3.0V、印加時間1分の条件で印加した。
<実施例2>
実施例1と同じように、基板の表面を部分的に粗化した。実施例1と相違する点は、電圧の印加時間を5分にした点である。
<実施例3>
実施例1と同じように、基板の表面を部分的に粗化した。実施例1と相違する点は、電圧の印加時間を10分にした点である。
<実施例4>
実施例1と同じように、基板の表面を部分的に粗化した。実施例1と相違する点は、表面処理を行う基板温度を60℃にした点である。
(表面粗さの測定)
実施例1〜4に係る基板の表面のうち、粗化された表面の表面粗さを測定した。この結果を表1および図6(a)〜(d)に示す。図6(a)〜(d)は、実施例1〜4に係る基板の表面粗さを測定した結果を示した図であり、具体的には各基板の表面プロフィールを示した図である。
Figure 0006107799
〔結果〕
図6(a)〜(d)に示すように、実施例1〜4に係る基板の表面のうち、マスキング板の貫通孔の形状に応じた表面領域が粗化された。さらに、表1に示すように、電圧の印加時間、基板の温度により、表面粗さを制御することができることがわかった。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。
1A,1B,1C:表面処理装置、11:多孔質体、11A,11B:導電部材、13:固体電解質膜、14:マスキング板、14c:貫通孔、15,15A:液供給部、15a:供給通路、15b:排出通路、16:電源部、18:加圧装置、21:溶解液供給装置、22:金属溶液供給装置、23,24:切り替え弁、La:溶解液、Lb:金属溶液、W:基板、wa:表面領域、wf:表面

Claims (3)

  1. 基板の表面を溶解する溶解液を用いて、前記基板の表面を部分的に粗化する表面処理方法であって、
    前記表面処理方法において、
    前記溶解液が浸透可能な固体電解質膜の一方側の表面が、前記基板の表面に接触するように、前記固体電解質膜を前記基板に配置し、
    前記基板の表面のうち粗化する表面領域に応じた貫通孔が形成されたマスキング板の一方側の表面が、前記固体電解質膜の他方側の表面に接触するように、前記マスキング板を前記固体電解質膜に配置し、
    前記マスキング板の他方側の表面から、前記貫通孔を介して前記溶解液を前記固体電解質膜に供給することにより、前記固体電解質膜に前記溶解液を浸透させ、
    浸透した前記溶解液で前記基板の表面を溶解することにより、前記基板の前記表面領域を粗化し、
    前記基板の表面は、金属からなる表面であり、
    前記マスキング板に、非導電性を有した材料を用い、
    前記マスキング板の他方側に導電部材を配置し、前記導電部材を陰極とし、前記基板を陽極として、前記基板と前記導電部材との間に電圧を印加することにより、前記表面領域の粗化を行うことを特徴とする表面処理方法。
  2. 請求項に記載の表面処理方法で、前記基板の表面領域を粗化した後、前記表面領域に金属皮膜を成膜する方法であって、
    前記溶解液を、前記金属皮膜の金属イオンを含有した金属溶液に切り替えて、前記金属溶液を前記貫通孔を介して前記固体電解質膜に供給することにより、前記固体電解質膜に前記金属イオンを浸透させ、
    前記導電部材を陽極とし、前記基板を陰極として、前記基板と前記導電部材との間に電圧を印加することにより、前記固体電解質膜に浸透した金属溶液の金属イオンを、前記粗化した前記表面領域に析出させ、前記表面領域に金属皮膜を成膜することを特徴とする金属皮膜の成膜方法。
  3. 基板の表面を溶解する溶解液を用いて、前記基板の表面を部分的に粗化する表面処理装置であって、
    前記表面処理装置は、前記基板の表面に接触し、前記溶解液が浸透可能な固体電解質膜と、
    前記基板の表面に接触する表面を前記固体電解質膜の一方側の表面としたときに、前記固体電解質膜の他方側の表面に接触し、前記基板の表面のうち粗化する表面領域に応じた貫通孔が形成されたマスキング板と、
    前記貫通孔を介して前記固体電解質膜に前記溶解液を供給する液供給部と、を少なくとも備え
    前記表面処理装置は、前記基板の表面として、金属からなる表面を部分的に粗化するものであり、
    前記マスキング板は、非導電性を有した材料からなり、
    前記表面処理装置は、前記固体電解質膜と接触する側を前記マスキング板の一方側としたときに、前記マスキング板の他方側に配置される導電部材と、
    前記導電部材を陰極とし、前記基板を陽極として、前記基板と前記導電部材との間に、電圧を印加する電源部と、さらに備えることを特徴とする表面処理装置。
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