JP2006161090A - 電解エッチング方法及び電解エッチング装置 - Google Patents

電解エッチング方法及び電解エッチング装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 従来の方法では、対向電極面と被エッチング物面とを平行にとることが難しい為、安定的に一定距離をとることができず、パターンエッチング不良を起こすことがあった。
【解決手段】 対向電極と被エッチング物の間にマスキング部材を挟み込んで、電解エッチングを行う。マスキング部材を挟み込むことで、対向電極面と被エッチング物面との距離を安定的に設定することができ、エッチングラインの製造安定性を得ることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電解液中で被エッチング物をパターンエッチングする為の電解エッチング方法及び電解エッチング装置に関する。
従来、金属や透明導電膜をパターンエッチングする方法としては、電解エッチング方法がよく知られた方法である。
例えば特開昭62−290900では、被エッチング物である導電膜の表面にマスクとなるレジストパターンを設け、塩酸水溶液中で対向電極との間に定電流を流すことにより、レジストが形成されていない部分をパターンエッチングする方法が開示されている。
また、特開平9−115877や特開平10−158900では、非エッチング物にレジストパターンを設けずに電解エッチングする方法として、パターンとなる電極を被エッチング物に非常に近い距離にまで近づけて通電することで、電界の及ぶ範囲を制限してパターンエッチングする方法が開示されている。
特開昭62−290900号公報 特開平9−115877号公報 特開平10−158900号公報
しかしながら、上記の従来の方法では、対向電極面と被エッチング物面とを平行にとることが難しい為、安定的に一定距離をとることができず、パターンエッチング不良を起こすことがあった。
即ち、電極と被エッチング物との距離が近くなってしまった領域では、必要の無いところまでエッチングされてしまうオーバーエッチングや、レジスト膜の下部にエッチングが進行してしまうアンダーエッチングが発生しやすいという課題があった。また、逆に電極と被エッチング物との距離が遠くなってしまった領域では、所望のエッチングパターンが形成されないままエッチングが終了してしまう等の課題が生じていた。これらの課題は、特に近年、被エッチング物である基板が大面積化してきたことによって、対向電極面と被エッチング物面との平行出し及び繰り返し精度出しが非常に難しくなってきていることが背景の一つとしてある。さらに作成するパターンの方も微細化することによって、平行度に対する余裕度が非常に少なくなってきており、製造安定性の点から重要な課題に変わってきている。
さらに、特開昭62−290900の方法に関して言えば、エッチングの前後でレジスト塗布やレジスト剥離の工程が必要であり、これらの工程が多くかかるが故に生産歩留まりが低下したり、製造コストが削減できないという問題点もあった。
本発明者は上記課題を解決するために鋭意研究開発を重ねた結果、以下のような電解エッチング方法及び電解エッチング装置が最適であることを見出した。
すなわち、本発明の電解エッチング方法は、
電極と被エッチング物の間にパターニングされたマスキング部材を挟み込み、電解液中で前記電極と前記被エッチング物の間に通電することにより、前記被エッチング物をパターニングすることを特徴とする。
また、前記マスキング部材が前記電極上に設けられていることを特徴とする。
また、前記マスキング部材が2mm以上の厚みを有していることを特徴とする。
また、前記マスキング部材がシリコーン系もしくはフッ素系の材料から形成されていることを特徴とする。
また、前記被エッチング物は透明導電膜及び/または金属層を有する光起電力素子であることを特徴とする。
さらに、本発明の電解エッチング装置は、電解槽中で被エッチング物を保持する保持手段と、
前記被エッチング物に対してマスキング部材を挟みつつ相対的に接近離反可能に設けられた電極と、
前記被エッチング物と前記電極との間に通電する為の通電手段と、
を少なくとも有することを特徴とする。
また、前記マスキング部材が前記電極上に設けられていることを特徴とする。
本発明の電解エッチング方法及び装置においては、対向側の電極面と被エッチング物面との距離を安定的に設定することができる為、エッチングライン幅の製造安定性を優れたものとすることができる。また、製造工程や装置機構においても、非常に簡易な構造とすることができ、歩留まりや稼働率の向上に優れたものとすることが可能である。
以下、図面を用いて本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の電解エッチング方法及び装置の一例を示す模式的な概略図であり、(a)は電解エッチング前の状態、(b)は電解エッチング中の状態を示している。
図1中、101は電解槽、102は電解槽中に入れられた電解液を示している。また、この電解液102中には、対向となる電極103、マスキング部材104、被エッチング物105、被エッチング物側の電極106が配置されており、107はこれらに印加して電解エッチングを行う為の通電手段を示している。
電解液102は電気化学反応を起こさせるための媒体となるものであり、導電性を有している。電解液102としては、それ自身が液体である酸や塩基、あるいは電解質溶液、例えば酸や塩基の水溶液あるいはこれらの塩の水溶液を用いることができる。好ましくは、ルイス酸、ルイス塩基あるいはその水溶液を用いることができる。具体的には、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アルミニウム、塩化亜鉛、塩化錫、塩化第二鉄、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム等の水溶液、塩酸、硝酸、硫酸或いはこれらを水で希釈したもの、等を、被エッチング物105に応じて適宜用いることができる。
電解液102に酸などを用いることから、電解槽101としては腐食性の少ない材質のものが好適に用いられる。電解槽101の具体的な材料としては、塩化ビニル樹脂やアクリル樹脂といった、耐腐食性があり、錆の発生がなく、軽量かつ加工の容易な材料が好適に用いられる。
図1(a)では、まずマスキング部材104を挟むような位置に電極103と被エッチング物105が載置されている。このような状態から図1(b)の如く電極103を被エッチング物105の方向に相対的に押し下げることにより、マスキング部材104をサンドイッチ状に挟んだ状態が形成される。完全に挟み込みが完了した後に、通電手段107により電極103と被エッチング物側の電極106との間に通電することによって、被エッチング物105のマスキング部材104で被覆されていない部分をパターンエッチングすることが可能である。電流のオン、オフと電流印加時間とは、不図示のスイッチング機構やタイマー等によってコントロールされ、その際、印加する電流を、直流、パルス電流、交番電流、等にコントロールしたり、電流量を調節したりすることによって、パターニングの選択性や精度を制御することができる。
この場合、図1(b)のようにエッチングが実施されている最中に必ずマスキング部材を挟むようにしたので、電極103と被エッチング物105との距離を必ず一定距離にすることができる。
即ち、被エッチング物が大面積になればなるほど、基板自体に歪や変形が生じていたり、あるいは被エッチング物側の電極106との接触において一部浮きが生じたりする。更には、仮に上記歪や変形が生じていなかったとしても、電極103と被エッチング物105との距離を一定に保ちつつ完全に平行に固定する機械精度を維持するためには、大掛かりな装置が必要となる為、実施が非常に困難である。しかるに本発明によれば、電極103をマスキング部材を介して被エッチング部材に押し付けることになる。そうすることによって、被エッチング物の歪や変形は押圧によって補正される。更に、マスキング部材がスペーサーの役割を果たすため、大掛かりな装置を必要とせず、電極103と被エッチング物との距離を一定に保ちつつ完全に平行に固定する機械精度を維持することができる。
ここで電極103は、被エッチング物側とは異なる極性を有し、電解エッチングを行なう為の対向電極として働く電極である。また、被エッチング物側の電極106は、被エッチング物と同じ極性を有し、エッチング範囲を制御する補助極として働く電極である。
電極103としては、金属材料などの導電性の材料を用いることができる。具体的には、白金、カーボン、金、ステンレス鋼、ニッケル、銅、鉛或いはこれらの合金等を用いることができる。特に、金(Au)、白金(Pt)、カーボン(C)が、化学的に安定であり、所望のパターンに加工しやすいため、好適に用いられる。
また、被エッチング物側の電極106は、被エッチング物と導通してエッチングの際の一方の電極と成り得ると同時に、場合によっては被エッチング物の支持部材として機能するものであり、具体的には電極103と同様の材料を用いることができる。しかしながら、被エッチング物105に直接接続して電極103との通電が可能な場合には特に設ける必要はない。
本発明における被エッチング物105としては、透明導電膜、あるいは金属層を有する基板を好適に用いることができる。それにより、本発明は、太陽電池、センサー等の光起電力素子、感光装置、EL素子等の自発光型の素子(光放出素子)、液晶素子、エレクトロクロミック素子等の透過型あるいは反射型の素子といった各種素子及び装置の製造に適用することができる。特に、大面積タイプの薄膜系の光起電力素子の製造においては、外観、特性、信頼性の高い光起電力素子を製造することが可能となる。
本発明のおけるマスキング部材104は、前述のように、電極103と被エッチング物105との間の距離を一定に保つ機能があると同時に、エッチングパターンを形成する為のネガ機能を有するものである。距離安定性を達成する為には、より厚みの精度が出ていながら、かつ変形の少ないマスキング部材であることが好適である。また、電解液の吸収及び変形を生じない材質のものが好適である。
より具体的な材料としては、例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等が好適に用いられる。特に耐酸性の観点からシリコーン樹脂もしくはフッ素樹脂等が好適である。
また、図2にはマスキング部材204が電極203上に予め設置されている例を示している。このようにマスキング部材を電極側に設けている場合には、マスキング部材を被エッチング物につけたりはずしたりする従来のレジスト膜のような工程が不必要であるのは勿論のこと、電極203とマスキング部材204が一体化されていることにより、電極とマスキング部材を駆動するべき装置が一体物ひとつですむ為、装置を簡略化することもできる。よって、製造歩留まり向上にとどまらず、稼働率を向上することができる為、製造コストを大きく削減できる。
距離を一定にする為のマスキング部材の厚みとしては特に限定は無い。しかしながら、電解反応が水素や酸素などのガスの発生を伴う場合には、ガス発生による気泡がマスキング部材近傍に滞留し、エッチングパターンが得られなかったり、細くなったりする現象が生じることもある。その現象の模式図を図3に示している。図3(a)は、比較的マスキング部材が薄い場合、(b)は比較的マスキング部材が厚い場合を示している。図3(a)では、電解反応により発生した気泡308が、電極303と被エッチング物305との間に接触して挟まった様子を示しており、このような場合には、気泡308が存在している部分に電界が通らない為、エッチングができない現象が生じる場合がある。従って、気泡の影響をなくす為に、図3(b)で示すようにマスキング部材の厚みを気泡の直径よりも厚くしておくことが望ましい。より具体的には、マスキング部材の厚みを2mm以上とすることで、気泡が挟まってエッチング不良を起こすことがなくなってくるので好適である。マスキング部材を厚くすることで、電極と被エッチング物との間の距離が大きくなり、一度のエッチングで発生する気泡によってその間に充填されたエッチング液を押しのける程の気泡がたまることがなく、電界がまわりこんでくれるのでエッチングをすることが可能である。また、さらには毎回マスキング部材が液面から出されることで気泡がマスキング部材からクリーニングされ、気泡がマスキング部材周辺に溜まり続けることもないので、何度処理しても気泡によるエッチング阻害が起こることは無い。
以下、実施例に基づき本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
まず、本実施例で使用する被エッチング物として、ロール・ツー・ロール型プラズマCVD法を用いてアモルファスシリコン太陽電池スラブを約3000枚作製した。以下にその作製手順について説明する。
(1)オーカイト及び純水で十分に脱脂、洗浄したステンレス帯状基板(幅355.6mm、長さ800m)をロール・ツー・ロール型DCマグネトロンスパッタ装置に入れ、裏面反射層としてAgを0.2μmと、ZnOを1.2μm堆積した。
(2)基板を取り出し、複数の半導体層をそれぞれ堆積する放電箱を備えた堆積室がガスゲートにより接続されたロール・ツー・ロール型プラズマCVD装置に入れ、ZnO上に、ボトム層としてμC−Si層、ミドル層としてμC−Si層、トップ層としてa−Siという積層構成の半導体層を形成した。
(3)基板を取り出し、ロール・ツー・ロール型DCマグネトロンスパッタ装置に入れ、上記半導体層上にシート抵抗100Ω/□を有するITO膜を750Å堆積し透明電極層を形成した。以上で、トリプル構成のアモルファスシリコン太陽電池がロール状で作成された。
(4)ステンレス帯状基板上に作成したトリプル型太陽電池を355.6mm×240.0mm(幅355.6mmはそのままで基板搬送方向に240.0mm)のサイズに切断した。このようにして、355.6mm×240.0mmの太陽電池スラブが約3000枚作製された。
上記作製した太陽電池スラブの透明電極層部分を被エッチング物として、図1に示す電解エッチング装置を用いて、透明電極層のエッチングパターニングを100枚行った。
エッチングのパターニング形状としては図4に示すように、355.6mm×240.0mmの外形大きさに対して、同じ外形であって線幅1.0mmの日の字(図中斜線パターン401)のパターニングを行った。以下にその手順と装置について詳細に記述する。
まずエッチングに使用する電解液を準備した。電解液としては、pH値が1.2の硫酸と水酸化カリウムの混合水溶液(硫酸2.0%、水酸化カリウム0.7%、純水97.3%)を作成した。この時、この電解質溶液の電動度は25mS/cmであった。電解層内に移し替えた後、層内に設置した不図示のヒーターにて25℃の温度に保持しておいた。また、さらには層内に設置した不図示の攪拌機にて層内の電解液が一様に対流させ、液の組成分布が一様になるようにしておいた。
次に対向電極としてSUS304の平板を準備した。対向側の電極としては、被エッチング物である太陽電池スラブの大きさよりも、ひとまわり大きいサイズである400mm×300mmのものを用意し、また厚みとしては歪が生じない厚さである10mmのものを準備した。平板の表面については、局所的に電解が印加するのを防止する為に、予め研磨により両面を平滑化した。
次に、被エッチング物側の電極として、上記対向電極と全く同じサイズであって、両面を平滑化したSUS304の平板を用意した。被エッチング物側の電極には、被エッチング物である太陽電池スラブを取り付ける必要がある為、SUS304の平板の片面の一部に直径10mm程度の円形の彫り込みを10箇所程度作成し、そこに表面が面いちとなるように磁石を埋め込んだ。そうすることで、太陽電池スラブを磁力によって機械的に保持することができると同時に、太陽電池スラブのステンレス基板と、平板のステンレスが密着して電気的な接続も確保することができた。
また、次にはマスキング部材を準備した。マスキング部材としては、厚みが1.0mmのテフロン(登録商標)部材を準備した。特に厚みの精度は重要である為、10mm±0.02mmの精度のものを準備した。マスキング部材の形状は、線幅1.0mmの日の字のエッチングパターンを作成するのにマスクする必要がある部分を完全に覆うことができるようなネガ形状とした。
上記準備ができたところで、各部材を電解層内にセットした。本実施例では、まず電解層内の底に近い位置に、太陽電池スラブを中央に磁石固定した被エッチング物側の電極を、太陽電池スラブが上方に向く方向で、不図示の固定冶具にて動かないように固定した。また、電極103を図1のようにちょうど被エッチング物側の電極の直上位置(上から見ると重なる位置)に取り付けた。電極103は、不図示のエアシリンダで上下駆動する冶具固定され、電極103自体が電極106に対して接近離反の動作をするようにした。その動作ストロークとしては、上方向は液面から大気中に飛び出し、下方向は電極106に接触する位置までストロークを有するエアシリンダを使用した。
また、その電極103と被エッチング物側の電極106とのちょうど中間位置には、不図示のスライダ駆動により電極106に対して接近離反可能に駆動するマスキング部材を設置しておいた。
さらにここで、定電流電源を用意し、そのプラス側を電極103に、マイナス側を被エッチング物側の電極106に電気的配線を行った。
電解エッチングは、まず太陽電池スラブをITO膜を上向きにして被エッチング物側の電極106の中央部に載置して磁石固定した。次に、マスキング部材を動かすためのスライダと、電極103を動かす為のエアシリンダを駆動して、太陽電池スラブの方向に動かし、図1(b)のような密着状態とした。ここで、密着した状態を確認した後、30Aの一定電流を3秒間流した。こうして、太陽電池スラブ上に日の字のエッチングパターンが形成された。エッチングをしている最中においては、その電解反応によって生じる1mm前後の気泡の発生の様子が観察された。
エッチングが終了したスラブは、電解液の中からすぐに取り出し、純水で表面の電解液を十分に洗い流した後、温風オーブンで150℃の温度で30分乾燥を行った。
次にこれらのエッチングパターンを作成した太陽電池スラブのエッチング状態を把握する為に、第1の評価としては、図4中に図示したA〜Fの矢印部分の寸法を顕微鏡にて全数測定した。また、第2の評価としては、上記代表的な位置だけではなくエッチングラインが極端に細くなっている箇所や、極端に太くなっている箇所が本当にないかどうかを100枚全数目視検査した。
まず第1の評価に関しては、その測定結果である平均値±3σを表1に示している。
Figure 2006161090
表1から明らかなように、エッチング幅の平均値はどの部位においてもほぼ1.00mmの値を実現できており、大面積の基板であってもエッチングが精度よくできていることが明らかとなった。本測定においては、A〜Fの測定位置がたまたま後述の気泡痕とは一致しなかった為に、気泡痕以外の部分でエッチング寸法を測定することができた。このことからは、本発明のエッチング方式が、大面積の基板であっても基板と対向電極の距離を一定に保つことのできる安定した方式であることを示している。また、寸法のばらつきにおいても3σで±0.05mm以内を達成できており、繰り返し精度も非常に良好な結果が得られた。
また第2の評価としては、マスキング部材の厚みが1.0mmという薄さの為に、発生する気泡の影響を受けて、エッチングパターンに気泡の痕が残って細くなったりエッチングができておらずにパターン切れが発生している箇所が発現した。このような場合には、気泡痕が発現した箇所をカウントして評価を行ったところ100枚中4箇所に気泡痕が発生していることが分かった(表1)。すなわち、マスキング部材が気泡と同程度に薄い場合には発生した気泡の影響を受けやすく、エッチングパターンに細くなったりする可能性があることも知見として得られた。
実施例2では、マスキング部材と対向電極とを一体構造にして図2で示すような装置を使用した点が実施例1とは異なっており、その他は実施例1と全く同様に電解エッチングを行って、エッチング幅の評価を行った。太陽電池スラブとしては、実施例1にて作製した太陽電池スラブ3000枚のうち、任意の100枚をランダムに選んで使用した。
まず電解エッチング装置としては、対向電極203とマスキング部材204とを予めライニング処理により一体化したものを製作した。このことにより、実施例1では対向電極を駆動する為のシリンダーと、マスキング部材を駆動するためのスライダが必要であったが、実施例2においては、シリンダーだけでマスキング部材付き対向電極を駆動することができるので、スライダを省略することができ、装置を非常に簡素化することができた。
これらの装置により電解エッチングを行い、実施例1と同様に幅寸法と気泡痕の評価を実施した結果を表2に示している。
Figure 2006161090
測定結果の平均値±3σの値は表2のようになり、実施例1とほぼ同様の結果が得られた。このことから、本実施例で用いた方式はエッチング精度を維持したままで装置を簡素化することができることが明らかとなった。
実施例3ではマスキング部材の厚みを1.5mmとした点が実施例2とは異なっており、その他は実施例2と全く同様に電解エッチングを行って、エッチング幅と気泡痕の評価を行った(表3)。太陽電池スラブとしては、実施例1にて作製した太陽電池スラブ3000枚のうち、任意の100枚をランダムに選んで使用した。
エッチング幅の評価としては実施例1や実施例2と同様に非常に精度の良好な結果が得られた。一方、気泡痕の評価においては、マスキング部材の厚みを少し厚くしたことによって、気泡の挟まりが少なくなった。その結果、気泡痕が発現した箇所は100枚中1箇所に減少していることが分かった(表3)。すなわち、マスキング部材が厚くすると、発生した気泡の影響を受けにくくなり、所望のエッチングパターンが得られる可能性があることが明らかとなった。
実施例4ではマスキング部材の厚みを2.0mmとした点が実施例2とは異なっており、その他は実施例2と全く同様に電解エッチングを行って、エッチング幅と気泡痕の評価を行った(表3)。太陽電池スラブとしては、実施例1にて作製した太陽電池スラブ3000枚のうち、任意の100枚をランダムに選んで使用した。
エッチング幅の評価としては実施例1〜3と同様に非常に精度の良好な結果が得られた。一方、気泡痕の評価においては、マスキング部材の厚みを実施例3よりもさらに少し厚くしたことによって、気泡の挟まりがさらに減少した。その結果、気泡痕が発現した箇所は100枚中0箇所に減少していることが分かった(表3)。すなわち、マスキング部材が厚くすると、発生した気泡の影響を受けにくくなり、所望のエッチングパターンが得られた。
実施例5ではマスキング部材の厚みを5.0mmとした点が実施例2とは異なっており、その他は実施例2と全く同様に電解エッチングを行って、エッチング幅と気泡痕の評価を行った(表3)。太陽電池スラブとしては、実施例1にて作製した太陽電池スラブ3000枚のうち、任意の100枚をランダムに選んで使用した。
エッチング幅の評価としては実施例1〜4と同様に非常に精度の良好な結果が得られた。一方、気泡痕の評価においては、マスキング部材の厚みを実施例4よりもさらに厚くしたことによって、気泡の挟まりがほとんど観察されなかった。その結果、気泡痕が発現した箇所は100枚中0箇所であった(表3)。すなわち、マスキング部材が厚くすると、発生した気泡の影響を受けにくくなり、所望のエッチングパターンが得られた。
実施例6ではマスキング部材の厚みを10.0mmとした点が実施例2とは異なっており、その他は実施例2と全く同様に電解エッチングを行って、エッチング幅と気泡痕の評価を行った(表3)。太陽電池スラブとしては、実施例1にて作製した太陽電池スラブ3000枚のうち、任意の100枚をランダムに選んで使用した。
エッチング幅の評価としては実施例1〜5と同様に非常に精度の良好な結果が得られた。一方、気泡痕の評価においては、マスキング部材の厚みを実施例5よりもさらに厚くしたことによって、気泡の挟まりがほとんど観察されなかった。その結果、気泡痕が発現した箇所は100枚中0箇所であった(表3)。すなわち、マスキング部材が厚くすると、発生した気泡の影響を受けにくくなり、所望のエッチングパターンが得られた。
Figure 2006161090
(比較例1)
比較例1では、本発明の有効性を証明する為の実験として、従来の方法であるエッチングパターンと同じ形状を有する対向電極を被エッチング物に接近させて電解エッチングを行う方法を試してみた。その後、各実施例と同様にエッチング幅の評価を行った。
図5に比較例1で製作した対向電極の概略図、図6に比較例1で用いた電界エッチング装置の概略図を示している。
図5中501は、白金からなる第1電極部である。第1電極501は、「日の字」の形状をしていて、線幅は1.0mm、外寸は355.6mm×240.0mmで形成されている。即ち、各実施例で示したエッチングパターン形状と同等の形状を有しており、この電極パターンがそのまま被エッチング物のエッチングパターンとなるべきものである。
第1電極501の両側には、線幅0.2mmの絶縁部材504が第1電極を挟み込むような形で全領域にわたって載置され、さらにその両側には0.5mm線幅の第2電極502、503が全領域にわたって載置されている。これらの電極は、組み上げた後、電極面(電界エッチング時に被エッチング物にもっとも近くなる面)を研磨することによって表面を平滑化して、対向電極500とした。
図6は電解エッチング装置であり、図中601は電解槽、602は電解槽中に入れられた電解液、603は図5中での電極500に相当する対向電極、604は被エッチング物、605は被エッチング物側の電極であり、606はこれらに印加してエッチングを行う為の通電手段を示している。また、607は図5中501で示した日の字型の第1電極、608は図5中502及び504で示した第2電極を表している。
電解エッチングの際には、対向電極603と被エッチング物604とは、お互いを0.05mmの距離に接近させた状態で通電を行った。この時の通電手段としては、第1電極607にプラス側、第2電極608と被エッチング物側の電極605とをマイナス側の電位となるように通電した。第2電極をマイナス側として通電したのは、被エッチング物側に流れる電界を制限してエッチングパターンをシャープにする為である。
こうして、被エッチング物604には、第1電極607の形状に相当するエッチングパターンが形成することができた。
太陽電池スラブとしては、実施例1にて作製した太陽電池スラブ3000枚のうち、任意の100枚をランダムに選んで使用した。
ここで各実施例と同様にエッチング幅と気泡痕の評価結果を表4に示している。
Figure 2006161090
本比較例においては他の実施例よりも線幅の精度が低く、またばらつきも大きい傾向が見られた。まず、線幅については、AとかFの位置の線幅が細く形成され、DとかFの線幅が太く形成されていた為、対向電極と被エッチング物の距離が一定でないことに起因していることが考えられた。特に装置上で傾きを形成したわけではないが、本比較例で用いた被エッチング物程度の大きさになると、精度調整が非常に難しいと考えられた。
太陽電池の場合には、エッチングパターンが太くなった場合には、その太くなった量に応じて発電出力が減少してしまう為、エッチングパターンを精度よく形成することは非常に重要なことであるが、本比較例においては太いエッチングパターンが形成されてしまった。
また、エッチング幅のばらつきにおいても、本比較例においては他の実施例よりもばらつきが大きくなっており、繰り返し精度が得られていない結果となった。
また、気泡痕についても、各実施例よりも数が増加してしまった。これは、対抗電極と被エッチング物との距離が0.05mmとかなり小さい為に発生確率が増えたものと考えられた。
本発明の電解エッチング方法及び装置の一例を示す概略図である。 本発明の電解エッチング方法及び装置の一例を示す概略図である。 電極近傍に気泡が発生した場合の示す概略図である。 実施例1のエッチングパターンを示す概略図である 比較例1の対向電極を示す概略図である。 比較例1の電解エッチング装置を示す概略図である。
符号の説明
101、201、301、601 電解層
102、202、302、602 電解液
103、203、303、500、603 電極(対向電極)
104、204、304 マスキング部材
105、205、305、604 被エッチング物
106、206、306、605 被エッチング物側の電極
107、207、307、606 通電手段
308 気泡
401 エッチングパターン
501、607 第1電極
502、503、608 第2電極
504 絶縁部材

Claims (7)

  1. 電極と被エッチング物の間にパターニングされたマスキング部材を挟み込み、
    電解液中で前記電極と前記被エッチング物の間に通電することにより、前記被エッチング物をパターニングすることを特徴とする電解エッチング方法。
  2. 前記マスキング部材が前記電極上に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電解エッチング方法。
  3. 前記マスキング部材が2mm以上の厚みを有していることを特徴とする請求項1乃至2いずれか一項に記載の電解エッチング方法。
  4. 前記マスキング部材がシリコーン系もしくはフッ素系の材料から形成されていることを特徴とする請求項1乃至3いずれか一項に記載の電解エッチング方法。
  5. 前記被エッチング物は透明導電膜及び/または金属層を有する光起電力素子であることを特徴とする請求項1乃至4いずれか一項に記載の電解エッチング方法。
  6. 電解槽中で被エッチング物を保持する保持手段と、
    前記被エッチング物に対してマスキング部材を挟みつつ相対的に接近離反可能に設けられた電極と、
    前記被エッチング物と前記電極との間に通電する為の通電手段と、
    を少なくとも有することを特徴とする電解エッチング装置。
  7. 前記マスキング部材が前記電極上に設けられていることを特徴とする請求項6に記載の電解エッチング装置。
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