JP2017137548A - 金属皮膜の成膜装置およびその成膜方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】陽極と陰極との間に流れる電流を均一にして金属皮膜を成膜することができる金属皮膜の成膜装置およびその成膜方法を提供する。【解決手段】金属皮膜の成膜装置1は、陽極11と、陽極11と基板W(陰極)との間に金属イオンを含浸された固体電解質膜13と、固体電解質膜13を介して陽極11で基板Wを加圧する加圧部4と、を備え、加圧部4で基板Wを加圧した状態で、金属イオンを基板Wの表面で還元させて、還元させた金属からなる金属皮膜を基板Wの表面に成膜するものである。成膜装置1は、陽極11と固体電解質膜13との間、および、固体電解質膜13と基板Wとの間のうち、少なくとも一方に導電性ゲル14A,14Bを有している。【選択図】図1
Description
本発明は、金属イオンが含浸された固体電解質膜を用いて、陰極の表面で金属イオンを還元させて、金属皮膜を成膜する成膜装置およびその成膜方法に関する。
従来から、基板の表面に金属イオンを析出させて金属皮膜を成膜する技術が提案されている。このような技術として、例えば、特許文献1には、以下に示す金属皮膜の成膜装置およびその成膜方法が提案されている。
この成膜装置は、陽極と、陽極と陰極の間において金属イオンが含浸された固体電解質膜と、固体電解質膜を介して陽極で陰極を加圧する加圧部とを少なくとも備えている。ここで、陽極は、金属イオンを含む溶液が透過可能な多孔質体からなり、成膜装置は、陽極に金属イオンを含む溶液(金属溶液)を供給する金属溶液供給部が形成されている。
この成膜装置を用いた成膜方法で、陰極の表面に金属皮膜を成膜する際には、加圧部により固体電解質膜を介して陽極で陰極を加圧した状態で、陽極と陰極との間に電圧を印加する。これにより、固体電解質膜の金属イオンを陰極の表面で還元させて、還元させた金属からなる金属皮膜を、陰極の表面に成膜することができる。
ここで、上述した如く、金属皮膜を成膜する際には、固体電解質膜は陽極で加圧され、陰極は固体電解質膜で加圧される。しかしながら、例えば、固体電解質膜の表面に対して陽極の表面が僅かに傾斜している場合には、陽極と固体電解質膜との加圧状態が不均一となる。また、固体電解質膜の表面に対して陰極の表面が僅かに傾斜している場合にも、固体電解質膜と陰極との加圧状態が不均一となる。
この不均一な加圧状態で金属皮膜を成膜すると、成膜時に陽極と陰極との間に流れる電流が不均一となる。これにより、例えば高い電流で金属皮膜を成膜しようとした場合には、金属皮膜の表面が部分的に焼き付くことがあり、安定して金属皮膜を成膜することができない。
本発明は、このような点を鑑みてなされたものであり、陽極と陰極との間に流れる電流を均一にして金属皮膜を成膜することができる金属皮膜の成膜装置およびその成膜方法を提供することにある。
前記課題を解決すべく、本発明に係る金属皮膜の成膜装置は、陽極と、前記陽極と陰極との間に金属イオンが含浸された固体電解質膜と、前記固体電解質膜を介して前記陽極で前記陰極を加圧する加圧部と、を備え、前記加圧部により前記陽極で前記陰極を加圧した状態で、前記金属イオンを前記陰極の表面で還元させて、還元させた金属からなる金属皮膜を前記陰極の表面に成膜する金属皮膜の成膜装置であって、前記成膜装置は、前記陽極と前記固体電解質膜との間、および、前記固体電解質膜と前記陰極との間のうち、少なくとも一方に導電性ゲルを有していることを特徴とする。
本発明に係る金属皮膜の成膜方法は、陽極と陰極との間に金属イオンが含浸された固体電解質膜を配置し、前記固体電解質膜を介して、前記陽極で前記陰極を加圧した状態で、前記金属イオンを前記陰極の表面で還元させて、還元させた金属からなる金属皮膜を前記陰極の表面に成膜する金属皮膜の成膜方法であって、前記成膜方法では、前記陽極と前記固体電解質膜との間、および、前記固体電解質膜と前記陰極との間のうち、少なくとも一方に導電性ゲルを配置して、前記金属皮膜の成膜を行うことを特徴とする。
本発明に係る成膜装置およびその成膜方法によれば、陽極で固体電解質膜を介して陰極を加圧したとしても、陽極と固体電解質膜との間に導電性ゲルが配置されている場合、導電性ゲルが緩衝材として作用するため、陽極で固体電解質膜を均一に加圧することができる。一方、固体電解質膜と陰極との間に導電性ゲルが配置されている場合、固体電解質膜で陰極を均一に加圧することができる。さらに、陽極と固体電解質膜との間、および、固体電解質膜と陰極との間の双方に導電性ゲルが配置されている場合には、陽極で固体電解質膜を均一に加圧するとともに、固体電解質膜で陰極を均一に加圧することができる。
このようにして、陽極と固体電解質膜との加圧状態および固体電解質膜と陰極との加圧状態の少なくとも一方の加圧状態が均一となるので、導電性ゲルを用いない場合に比べて、陽極と陰極との間に流れる電流を均一にして金属皮膜の成膜を行うことができる。
以下に本発明の実施形態に係る金属皮膜の成膜装置1について、以下の図1を参照しながら、その詳細を説明する。図1は、本発明の実施形態に係る金属皮膜の成膜装置1の模式的概念図である。
本実施形態では、図1に示すように、基板Wを陰極として、成膜装置1を用いて、基板Wの表面に金属皮膜を成膜する。陰極となる基板Wは、導電性を有した金属材料からなり、たとえば、銅、ニッケル、銀、または金等を挙げることができる。
本実施形態では、基板Wは金属材料からなるが、例えば、樹脂基材の表面に上述した金属材料からなる下地層を陰極として形成した基板であってもよい。基板として、たとえば平板状の樹脂部分に金属部分を陰極として露出させたプリント基板であってもよく、樹脂部分の樹脂は、絶縁性を有するものであれば、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂のいずれの樹脂であってもよい。
なお、上述した如く、基板に樹脂を含む場合、成膜時に、陰極(たとえば下地層または金属部分)を後述する電源部16に対して導通させる冶具等を用いてもよく、陰極が形成された基板の反対面から、陰極を電源部16に導通させてもよい。
本実施形態では、基板Wの表面で、例えば、ニッケル、亜鉛、銅、クロム、錫、または銀等の金属のイオンを還元し、還元した金属からなる金属皮膜を、基板Wの表面に成膜する。以下に、金属皮膜を成膜するための成膜装置1を説明する。
1.金属皮膜の成膜装置1について
図1に示すように、成膜装置1は、金属製の陽極11と、陽極11と基板W(陰極)との間に設置された固体電解質膜13と、陽極11と基板W(陰極)との間に電圧を印加する電源部16と、を備えている。陽極11と基板Wとの間に電源部16で電圧を印加することにより、成膜時に、陽極11と基板Wとの間に電流が流れる。
図1に示すように、成膜装置1は、金属製の陽極11と、陽極11と基板W(陰極)との間に設置された固体電解質膜13と、陽極11と基板W(陰極)との間に電圧を印加する電源部16と、を備えている。陽極11と基板Wとの間に電源部16で電圧を印加することにより、成膜時に、陽極11と基板Wとの間に電流が流れる。
ここで、陽極11は、板状であり、固体電解質膜13に含浸された金属イオンのみで金属皮膜を成膜することができるのであれば、陽極11は、導電性を有する材料であれば特に限定されるものではない。しかしながら、本実施形態では、より好ましい態様として、陽極11は、金属皮膜と同じ材料からなる可溶性の陽極である。
これにより、成膜時に、陽極11と基板W(陰極)とを通電することにより、陽極11の表面の金属が金属イオンとなり、この金属イオンが固体電解質膜13側(後述する導電性ゲル14A)に連続して供給される。また、可溶性の陽極を用いることにより、金属イオンを含む金属溶液を用いた場合に比べて、成膜時に副生成物としてガスが発生し難い。
さらに、本実施形態では、より好ましい態様として、陽極11は、無孔質の陽極である。無孔質の陽極11を用いることにより、陽極11の表面には、多孔質の陽極の如き複数の空孔は形成されていないので、後述する導電性ゲル14Aを介して、固体電解質膜13を均一に加圧することができる。
さらに、固体電解質膜13は、成膜される金属皮膜と同じ金属イオンを内部に含浸(含有)することができ、陽極11と基板Wとの間に電圧を印加したときに、その内部を金属イオンが移動することができるものであれば、特に限定されるものではない。
固体電解質膜13の材料としては、たとえばデュポン社製のナフィオン(登録商標)などのフッ素系樹脂、炭化水素系樹脂、ポリアミック酸樹脂、旭硝子社製のセレミオン(CMV、CMD,CMFシリーズ)などの陽イオン交換機能を有した樹脂を挙げることができる。
固体電解質膜13に含浸される金属イオンは、成膜される金属皮膜の金属のイオンであり、その金属イオンとしては、例えば、上に例示した、ニッケル、亜鉛、銅、クロム、錫、または銀等の金属種のイオンを挙げることができる。
さらに、本実施形態では、成膜装置1は、陽極11と固体電解質膜13との間、および、固体電解質膜13と基板Wとの間に、導電性ゲル14A,14Bを備えている。導電性ゲル14A,14Bは、陽極11と固体電解質膜13の表面のうち、これらが対向する表面を覆うように配置されている。導電性ゲル14Bは、固体電解質膜13と基板Wとの表面のうち、これらが対向する表面を覆うように配置されている。
導電性ゲル14Aおよび14Bは、導電性を有したゲル材料からなり、電気を通電することができる材料である。また、導電性ゲル14Bは、上述した金属イオンが含浸可能であり、成膜時に内部で移動可能な材料である。陽極11が上述した可溶性の陽極である場合には、導電性ゲル14Aも、金属イオンが成膜時に内部で移動可能な材料である。
さらに、導電性ゲル14Aは、後述する加圧部4による加圧により、陽極11から固体電解質膜13への圧力を緩衝(緩和)することができる弾性を有した材料あることが好ましい。同様に、導電性ゲル14Bは、後述する加圧部4による加圧により、固体電解質膜13から基板Wへの圧力を緩衝(緩和)することができる弾性材料であることが好ましい。
このような材料として、導電性ゲル14A,14Bには、たとえば、特開2000−223105号公報等で例示される導電性ゲル、または、後述する寒天(ゲル)、またはゼラチンなどを挙げることができるが、上述する条件を満たすことができるのでれば、特にこれに限定されるものではない。
さらに、本実施形態では、成膜装置1は、基板Wを載置する金属台座31を備えており、金属台座31は、電源部16の負極に電気的に接続され、陽極11は、電源部16の正極に電気的に接続されている(導通している)。本実施形態では、基板Wは、金属材料からなるので、金属台座31に電源部16の負極を接続すれば、基板Wを陰極として、基板Wが電源部16の負極に電気的に接続される。なお、基板Wが、上述したプリント基板の場合、基板の厚さ方向に積層された金属層を介して、基板Wの裏面側において、金属台座31に導通すればよい。
さらに、本実施形態では、金属台座31の下方には、基台32が配置されており、金属台座31と基台32との間には、圧力センサ35が配置されている。金属台座31と基台32との間に圧力センサ35を配置することにより、圧力センサ35で検出される検出圧力を測定しながら、後述する加圧部4を用いて陽極11で基板Wを加圧する圧力を調整することができる。
さらに、成膜装置1は、陽極11を上方から押さえる押さえ部材33を備えており、押さえ部材33は、トッププレート34を介して加圧部4により加圧される。さらに、押さえ部材33には、ハウジング36のガイド部材37が挿通されており、ハウジング36の上部には、加圧部4が取り付けられている。
加圧部4は、ハウジング36に螺着されており、加圧部4をハウジング36に対して、捩じ込むことにより、トッププレート34および押さえ部材33を介して、陽極11を下方に押圧することができる。これにより、加圧部4により、導電性ゲル14A、固体電解質膜13、および導電性ゲル14Bを介して陽極11で基板Wを加圧することができる。加圧部4は、陽極11で基板Wを加圧することができるのであれば、特に限定されるものではなく、例えば油圧式または空気式のシリンダなどであってもよい。
2.金属皮膜の成膜方法について
以下に本実施形態に係る金属皮膜の成膜方法について簡単に説明する。
まず、基板Wを金属台座31に載置する。次に、加圧部4を用いて、陽極11で、表面に導電性ゲル14Bが配置された固体電解質膜13を介して、基板Wを加圧する。このとき、陽極11と固体電解質膜13との間には、導電性ゲル14Aが配置されているので、導電性ゲル14Aが緩衝材となる。これにより、陽極11から固体電解質膜13への圧力のばらつきが緩和され、陽極11で固体電解質膜13を均一に加圧することができる。
以下に本実施形態に係る金属皮膜の成膜方法について簡単に説明する。
まず、基板Wを金属台座31に載置する。次に、加圧部4を用いて、陽極11で、表面に導電性ゲル14Bが配置された固体電解質膜13を介して、基板Wを加圧する。このとき、陽極11と固体電解質膜13との間には、導電性ゲル14Aが配置されているので、導電性ゲル14Aが緩衝材となる。これにより、陽極11から固体電解質膜13への圧力のばらつきが緩和され、陽極11で固体電解質膜13を均一に加圧することができる。
一方、固体電解質膜13と基板Wとの間にも、導電性ゲル14Bが配置されているので、導電性ゲル14Bが緩衝材となる。これにより、固体電解質膜13から基板Wへの圧力のばらつきが緩和され、固体電解質膜13で基板Wを均一に加圧することができる。
次に、電源部16で陽極11と基板Wとの間に電圧を印加し、これらの間に電流を流す。これにより、固体電解質膜13に含有していた金属イオンが、導電性ゲル14Bを通過し、基板Wの表面で還元されて、基板Wの表面に金属イオン由来の金属からなる金属皮膜を成膜することができる。
ここで、陽極11と固体電解質膜13との加圧状態および固体電解質膜13と基板Wの加圧状態は、導電性ゲル14A,14Bにより均一となるので、陽極11と基板Wとの間に流れる電流(分布)が均一となる。これにより、均一な膜厚の金属皮膜を成膜することができる。これまでに比べて高い電流(電流密度)で金属皮膜を成膜しても、電流が局所的に集中しないため、金属皮膜の表面が焼き付くことなく、短時間で金属皮膜の成膜を行うことができる。
ここで、陽極11に、可溶性陽極を用いた場合には、陽極11から金属イオンが導電性ゲル14Aに供給され、陽極11の溶解が促進されやすい。さらに、電源部16で陽極11と基板Wとに印加する電圧を一定に制御すれば、基板Wの表面において、副生成物となるガスの発生を抑えることができる。また、電源部16で陽極11と基板Wとに流す電流を一定に制御すれば、金属の析出速度を一定にすることができるので、金属皮膜の膜厚を制御し易い。
本発明を以下の実施例により説明する。
[実施例]
基板として、陰極である銅製の基板を準備した。次に、図1に示す成膜装置を用いて、基板の表面に、銅皮膜(金属皮膜)を成膜した。具体的には、陽極に、銅板((株)ニコラ社製)を用い、固体電解質膜に、膜厚123μmの固体電解質膜(デュポン社製:ナフィオンN215)を用いた。なお、固体電解質膜を、1.0mol/Lの硫酸銅水溶液に24時間浸漬し、固体電解質膜に銅イオンを含浸させた。また、導電性ゲルとして、硫酸銅を含浸させた寒天(ゲル)を用いた。
[実施例]
基板として、陰極である銅製の基板を準備した。次に、図1に示す成膜装置を用いて、基板の表面に、銅皮膜(金属皮膜)を成膜した。具体的には、陽極に、銅板((株)ニコラ社製)を用い、固体電解質膜に、膜厚123μmの固体電解質膜(デュポン社製:ナフィオンN215)を用いた。なお、固体電解質膜を、1.0mol/Lの硫酸銅水溶液に24時間浸漬し、固体電解質膜に銅イオンを含浸させた。また、導電性ゲルとして、硫酸銅を含浸させた寒天(ゲル)を用いた。
試験条件としては、陽極を50Nで加圧し、陽極と基板(陰極)を電源部を介して電気的に接続し、陽極と基板との間に定電圧を2V印加し、処理時間を5分間で、基板の表面に銅皮膜(金属皮膜)を成膜した。このとき陽極と基板との間の電流密度を測定した。この結果を、図2(a)に示す。図2(a)は、実施例に係る成膜装置を用いたときの電流密度のプロフィールである。
[比較例]
実施例と同じように、陰極である銅製の基板に、銅皮膜を形成した。実施例と相違する点は、導電性ゲルを用いずに、陽極と固体電解質膜を直接接触させ、固体電解質膜と基板を直接接触させた点である。実施例と同様に、成膜時における陽極と基板との間の電流密度を測定した。この結果を図2(b)に示す。図2(b)は、比較例に係る成膜装置を用いたときの電流密度のプロフィールである。
実施例と同じように、陰極である銅製の基板に、銅皮膜を形成した。実施例と相違する点は、導電性ゲルを用いずに、陽極と固体電解質膜を直接接触させ、固体電解質膜と基板を直接接触させた点である。実施例と同様に、成膜時における陽極と基板との間の電流密度を測定した。この結果を図2(b)に示す。図2(b)は、比較例に係る成膜装置を用いたときの電流密度のプロフィールである。
実施例および比較例に係る銅皮膜をデジタルカメラ(オリンパス(株)社製STYLUS TG−3)で撮影した。この結果を、図3(a)および図3(b)に示す。図3(a)は、実施例に係る成膜装置を用いて成膜された銅皮膜の表面の写真であり、図3(b)は、比較例に係る成膜装置を用いて成膜された銅皮膜の表面の写真である。
<結果>
図2(a)および図2(b)に示すように、実施例に係る成膜装置を用いた場合には、陽極と基板との間に、2Vの電圧を印加すると、これらの間に、電流密度50mA/cm2程度の電流を流すことができた。一方、比較例に係る成膜装置を用いた場合には、陽極と基板との間に2Vの電圧を印加すると、これらの間には、電流密度15mA/cm2程度の電流しか流すことができなかった。
図2(a)および図2(b)に示すように、実施例に係る成膜装置を用いた場合には、陽極と基板との間に、2Vの電圧を印加すると、これらの間に、電流密度50mA/cm2程度の電流を流すことができた。一方、比較例に係る成膜装置を用いた場合には、陽極と基板との間に2Vの電圧を印加すると、これらの間には、電流密度15mA/cm2程度の電流しか流すことができなかった。
図3(a)および図3(b)に示すように、実施例に係る成膜装置を用いた場合には、銅皮膜の表面には焼き付きは無かったが、比較例に係る成膜装置を用いた場合には、銅皮膜の表面には焼き付きが存在した。
このことから、実施例に係る成膜装置を用いた場合には、導電性ゲルにより、比較例のものに比べて、陽極で固体電解質膜を均一に加圧し、かつ、固体電解質膜で基板を均一に加圧することができると考えられる。これにより、実施例の場合には、陽極と基板との間に流れる電流が均一になり、比較例のものに比べて、電流密度が高くなったと考えられる。
一方、比較例の場合には、陽極と固体電解質膜との加圧状態が不均一、または、固体電解質膜と陰極との加圧状態が不均一であるため、局所的に電流が流れ易くなったと考えられる。これにより、実施例に比べて、低い電流密度であるにも拘わらず、銅皮膜の表面に焼き付きが発生したと考えられる。
以上、本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更があっても、それらは本発明に含まれるものである。
本実施形態では、陽極と固体電解質膜との間、および、固体電解質膜と陰極との間、の双方に、導電性ゲルを配置したが、いずれか一方に導電性ゲルを配置してもよく、これにより、導電性ゲルを配置しない場合に比べて、加圧状態をより均一にすることができ、陽極と陰極との間に流れる電流を均一することができることは、勿論である。
1:成膜装置、4:加圧部、11:陽極、13:固体電解質膜、14A,14B:導電性ゲル、31:金属台座、33:押さえ部材、34:トッププレート、35:圧力センサ、36:ハウジング、37:ガイド部材、16:電源部、W:基板(陰極)。
Claims (2)
- 陽極と、前記陽極と陰極との間に金属イオンが含浸された固体電解質膜と、前記固体電解質膜を介して前記陽極で前記陰極を加圧する加圧部と、を備え、前記加圧部により前記陽極で前記陰極を加圧した状態で、前記金属イオンを前記陰極の表面で還元させて、還元させた金属からなる金属皮膜を前記陰極の表面に成膜する金属皮膜の成膜装置であって、
前記成膜装置は、前記陽極と前記固体電解質膜との間、および、前記固体電解質膜と前記陰極との間のうち、少なくとも一方に導電性ゲルを有していることを特徴とする金属皮膜の成膜装置。 - 陽極と陰極との間に金属イオンが含浸された固体電解質膜を配置し、前記固体電解質膜を介して、前記陽極で前記陰極を加圧した状態で、前記金属イオンを前記陰極の表面で還元させて、還元させた金属からなる金属皮膜を前記陰極の表面に成膜する金属皮膜の成膜方法であって、
前記成膜方法では、前記陽極と前記固体電解質膜との間、および、前記固体電解質膜と前記陰極との間のうち、少なくとも一方に導電性ゲルを配置して、前記金属皮膜の成膜を行うことを特徴とする金属皮膜の成膜方法。
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