JP2015085986A - 合成樹脂製丸形壜体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 合成樹脂製丸形壜体おいて、胴部に周方向に沿って上下方向の位置が波状に周期的に変化する波形周溝リブを並列状に複数配設し、上下に隣接する波形周溝リブの波形と周方向における相互の配設位置の組み合せにより、上下に隣接する波形周溝リブの間に位置する周壁部分であるリブ間周壁の上下方向の幅について、最短である最狭部と最長である最広部が交互に周期的に配置される構成とし、リブ間周壁の縦断面形状を、最広部では上下に位置する波形周溝リブを基端として壜体の内部に向けて陥没する凹状の形状とし、最広部から左右に位置する最狭部に向けて陥没深さを漸減し、最狭部では直線状の形状とする構成とする。
【選択図】図1
Description
また、殺菌を必要とするたとえば果汁飲料、お茶等の内容液のペットボトルへの充填方法として、所謂、高温充填と呼ばれる方法があり、90℃前後の温度で内容液を壜体に充填し、キャップをして密封後、冷却するものであり、壜体内がかなりの減圧状態となる。
特許文献1には胴部を円筒状とした丸形壜体に係る発明が記載されており、この丸形壜体は胴部の周壁に多数の周溝リブを配設し、この多数の周溝リブの配設態様により胴部壁の面剛性を高くして胴部に高い保形性を付与することにより、減圧状態における周壁の変形を抑制しようとしたものである。
胴部においても、周溝リブによる胴部の形状の保形性を確保しながらさらに減圧吸収機能を発揮させる必要がある。
胴部に周方向に沿って上下方向の位置が波状に周期的に変化する波形周溝リブを並列状に複数配設し、
上下に隣接する波形周溝リブの波形と周方向における相互の配設位置の組み合せにより、上下に隣接する波形周溝リブの間に位置する周壁部分であるリブ間周壁の上下方向の幅について、最短である最狭部と最長である最広部が交互に周期的に配置される構成とし、
リブ間周壁の縦断面形状を、最広部では上下に位置する波形周溝リブを基端として壜体の内部に向けて陥没する凹状の形状とし、最広部から左右に位置する最狭部に向けて陥没深さを漸減し、最狭部では直線状の形状とする構成とする、と云うものである。
リブ間周壁において、周方向に周期的に位置する複数の最狭部は幅が狭いことと、縦断面形状が直線状であることが相俟って、柱部としての機能を発揮する。
そして、このパネル部は上下に位置する波形周溝リブと左右に位置する柱部としての機能を発揮する最狭部に囲われているのでパネル部を越えて陥没変形が進展することを抑制でき、壜体全体としての歪な変形を抑制することができるので、このパネル部により減圧吸収パネルとしての機能を発揮させることが可能となる。
ここで、位相差がない場合、すなわち上下の波形周溝リブの山部あるいは谷部を同一中心角度位置に配設する場合にはリブ間周壁の上下方向の幅は周方向に一定であるが、位相差を付けることにより、すなわち山部あるいは谷部の中心角度位置をずらすことにより、最狭部と最広部を交互に等中心角度に配設することができる。
すなわち、壜体内が減圧状態となった際には、上下に位置する波形周溝リブと左右に位置する柱部としての機能を発揮する最狭部で周囲を囲われた状態のパネル部の左右中央部に位置する陥没状に形成される最広部を起点として、陥没状の変形をパネル部の左右両端部に向けてスムーズに進展させることができる。
そしてパネル部は上下に位置する波形周溝リブと左右に位置する柱部としての機能を発揮する最狭部に囲われているので、パネル部を越えて陥没変形が進展することを抑制して壜体全体としての歪な変形を抑制することができるため、このパネル部により減圧吸収パネルとしての機能を高度に発揮させることが可能となる。
図1〜6は、本発明による合成樹脂製丸形壜体の一実施例を説明するためのものであり、図1は正面図、図2は底面図、図3は図1中の上下に隣接する波形周溝リブ7b、7cの近傍を拡大して示す正面図である。
この壜体1は口筒部2、肩部3、円筒状の胴部4、底部5を有し、容量が550mlのPET樹脂製の2軸延伸ブロー成形品である。
また、上部周溝リブ9aとウエスト溝リブ9wの間には、周方向に沿って上下方向の位置が波状に周期的に変化する波形周溝リブ7(7a、7b、7c)を上下方向に等間隔に並列状に3ケ周設しており、またウエスト溝リブ9wと下部周溝リブ9bの間にも同様に波形周溝リブ7(7d、7e、7f)を並列状に3ケ周設している。
6ケの波形周溝リブ7の波形はいずれも正弦波状で波数は4、振幅も同じで同一の波形を有するが、胴部4の上半部に配設される波形周溝リブ7a、7b、7cの3ケが一組となって、相互に位相差(本実施例では中心角度11.25°の位相差)を付けて配設されている。
また、胴部の下半部に配設される3ケの波形周溝リブ7d、7e、7fも同様に一組となって、相互に位相差を付けて配設されている。
上下に隣接する波形周溝リブ7の間にリブ間周壁13が区画形成されるが、波形周溝リブ7a、7b、7cのうち波形周溝リブ7a、7bによりリブ間周壁13abが区画形成され、波形周溝リブ7b、7cによりリブ間周壁13bcが区画形成される。(図1参照)
図3は、図1中の波形周溝リブ7b、7cの近傍を拡大して示す正面図であるが、前述したように波形周溝リブ7b、7cを、壜体の中心軸に対して11.25°の位相差を付けて配設することにより、図3に示されるように波帯状に区画形成されるリブ間周壁13bcの上下方向の幅は周方向に沿って変化する。
そして、波形周溝リブ7b、7cの波形の波数が4であることから、最も幅の狭い最狭部8aと最も幅の広い最広部8bが交互に等しい中心角度(本実実施例では45°)で周期的に配置され、狭い最狭部8aから広い最広部8bかけての領域ではリブ間周壁13の幅は漸増する。
ここに示されるように最狭部8aの縦断面形状は直線状で、最広部8bの縦断面形状は、壜体1の内部に向けて陥没する凹状の形状とし、最広部8bから左右に位置する最狭部8aに向けて陥没深さdを漸減する構成としている。
なお、本実施例では最広部8bの上下方向の中央での陥没深さdは0.5mmである。
上下に隣接位置する波形周溝リブ7b、7cと左右に位置する柱部としての機能を発揮する最狭部8aで周囲を囲われた領域、すなわちリブ間周壁13bcを最狭部8aで周方向に区画形成した領域であるパネル部13(図3中にパネル部13pの一つをクロスハッチして示している。)が減圧吸収パネルとしての機能を発揮する。
そして、このパネル部13pは波形周溝リブ7b、7cと柱部としての機能を発揮する最狭部8aで囲われているので、パネル部13pを越えて陥没変形が進展することを抑制して壜体1全体としての歪な変形を抑制することができるため、このパネル部13により減圧吸収パネルとしての機能を高度に発揮させることができる。
この図に示されるように、4つの最狭部8aと4つの最広部8bが交互に45°の間隔で配設されている。
本図では、図3中でクロスハッチして示したパネル部13pを同様にクロスハッチして示しているが、全周についてみるとリブ間周壁13bcは4つの最狭部8aにより4つのパネル部13pに区画されている。
そして波形周溝リブ7bと、波形周溝リブ7cの位相差p(図中では、波形周溝リブ7bの頂部7bmと波形周溝リブ7cの頂部7cmのずれで示している。)は本実施例では前述したように11.25°としている。
勿論、用途によって底部5に減圧吸収機能を配設することなく、パネル部13pだけで減圧吸収機能を発揮させる構成とすることもできる。
個々の波形周溝リブの波数、振幅を含む波形や、複数の波形周溝リブの配設態様、については多様なバリエーションを想定することができ、「リブ間周壁(13)の上下方向の幅が最も狭い最狭部(8a)と最も広い最広部(8b)が交互に周期的に配置される構成とする。」と云う範疇のなかで、胴部の面剛性、減圧吸収機能、そして外観的なデザイン性を考慮して、多様なバリエーションの中から適宜選択できるものである。
また、上記実施例では壜体を容量が550mlのPET樹脂製の二軸延伸ブロー成形壜体によるペットボトルとしたが、使用する合成樹脂の種類や成形方法、そして壜体の容量は特に限定されるものではなく使用目的に応じて適宜に選択できるものである。
2 ;口筒部
3 ;肩部
4 ;胴部
5 ;底部
6 ;底面壁
6a;接地部
6b;陥没凹部
7、(7a、7b、7c、7d、7e、7f);波形周溝リブ
7bm、7cm;頂部
7bv;谷底
8a;最狭部
8b;最広部
9a;上部周溝リブ
9b;下部周溝リブ
9w;ウエスト溝リブ
13;リブ間周壁
13p;パネル部
d ;陥没深さ
p ;位相差
Claims (4)
- 円筒状の胴部(4)を有する合成樹脂製丸形壜体であって、
胴部(4)に周方向に沿って上下方向の位置が波状に周期的に変化する波形周溝リブ(7)を上下方向に並列状に複数配設し、
上下に隣接する前記波形周溝リブ(7)の波形と周方向における相互の配設位置の組み合せにより、前記上下に隣接する波形周溝リブ(7)の間に位置する周壁部分であるリブ間周壁(13)の上下方向の幅について、最も狭い最狭部(8a)と最も広い最広部(8b)が交互に周期的に配置される構成とし、
前記リブ間周壁(13)の縦断面形状を、前記最広部(8b)では上下に位置する波形周溝リブ(7)を基端として壜体の内部に向けて陥没する凹状の形状とし、該最広部(8b)から左右に位置する最狭部(8a)に向けて陥没深さ(d)を漸減し、前記最狭部(8a)では直線状の形状とする構成としたことを特徴とする合成樹脂製丸形壜体。 - 上下に隣接する波形周溝リブ(7)を、同一の正弦波状の波形を有するものとし、相互に周方向に位相差を付けて配設した請求項1記載の合成樹脂製丸形壜体。
- リブ間周壁(13)を形成する、上に位置する波形周溝リブ(7)の谷底の位置と、下に位置する波形周溝リブ(7)の頂部の位置が上下方向に相互に離反する構成とした請求項1または2記載の合成樹脂製丸形壜体。
- 底部(5)の底面壁(6)に、減圧時における壜体内部方向への陥没変形が可能に、壜体の内部方向に陥没させて形成した陥没凹部(6b)を配設する構成とした請求項1、2または3記載の合成樹脂製丸形壜体。
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