WO2013129480A1 - ボトル - Google Patents

Abstract

このボトル（１）は、筒状の胴部（１３）に、その径方向の内側に向けて窪むパネル部（５１）が周方向に間隔をあけて複数形成されるとともに、周方向で隣り合う前記パネル部（５１）同士の間に柱部（５２）を有する。パネル部（５１）は、径方向の内側に位置するパネル底壁部（５３）と、前記パネル底壁部（５３）の外周縁から径方向の外側に向けて延びる側壁部（５４）と、を有する。前記パネル底壁部（５３）には、前記側壁部（５４）のうち、少なくとも周方向を向く縦側壁部（５４ａ）との間に隙間をあけて径方向の外側に向けて突出するリブ（５５）が形成される。

Description

ボトル

　本発明は、ボトルに関する。本願は、２０１２年２月２９日に日本に出願された特願２０１２－４３３６３号、２０１２年７月３１日に日本に出願された特願２０１２－１７０５９８号、２０１２年７月３１日に日本に出願された特願２０１２－１７０５９９号、及び２０１２年１０月３１日に日本に出願された特願２０１２－２４０５４４号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。

　従来から、合成樹脂材料で有底筒状に形成されたボトルとして、例えば下記特許文献１に示されるボトルが知られている。特許文献１のボトルは、筒状の胴部に、その径方向の内側に向けて窪むパネル部が周方向に間隔をあけて複数形成されるとともに、周方向で隣り合うパネル部同士の間に柱部を備える構成を有する。
　この構成によれば、例えば、ボトルに密封された内容物の温度が低下してボトル内が減圧した場合等に、パネル部が径方向の内側に向けて優先的に変形することで、ボトルのうちパネル部以外の部分での変形を抑えつつ、ボトル内の減圧を吸収するように構成されている。

　また、例えば、特許文献２に示されるように、ボトルの減圧強度を高める目的で、胴部の外表面に沿って複数の環状溝を設ける構成が知られている。

　また、例えば、特許文献３に示されるように、合成樹脂材料で有底筒状に形成されたボトルが知られている。特許文献３に示されるボトルは、底部の底壁部が外周縁部に位置する接地部と、この接地部に径方向の内側から連なり上方に向けて延びる立ち上がり周壁部と、この立ち上がり周壁部の上端部から径方向の内側に向けて突出する環状の可動壁部と、この可動壁部の径方向の内端部から上方に向けて延びる陥没周壁部と、を備える。そして、特許文献３に示されるボトルは、可動壁部が、陥没周壁部を上方に向けて移動させるように、立ち上がり周壁部との接続部分を中心に回動することにより、ボトル内の減圧を吸収する構成を有する。

　また、特許文献３のボトルでは、胴部に、径方向の内側に向けて窪み、かつ全周に亘って連続して延びる周溝をボトル軸方向に間隔をあけて複数形成することで、径方向の剛性を高めている。

特開２００９－３５２６３号公報 特開２００４－２６２５００号公報 国際公開第２０１０／０６１７５８号

　上述したボトルには、商品名や内容物等の表示、意匠性向上の観点から、ラベルが胴部に取り付けられる。ラベルとしては、例えば、シュリンクラベルや、ストレッチラベル、ロールラベル、タックラベル等が挙げられる。
　しかし、特許文献１に記載された従来の技術では、パネル部が径方向の内側に向けて凹設されている。このため、特にシュリンクラベルを用いた場合に、平面視において円形状のボトルであっても、胴部におけるラベルの装着状態が、柱部を覆う部分が角部、パネル部を覆う部分が辺部となるような略多角形状となる。

　また、特許文献２や特許文献３のような従来のボトルでは、ラベルを胴部に貼着したときに、ラベルが周溝の形状に追従して、ボトル軸方向に沿って波打つような外観を呈する可能性がある。このように、上記従来のボトルでは、ラベルの外観に違和感（外観不良）を生じる場合がある。

　上述した外観不良の発生を抑制するために、パネル部の周方向に沿う方向のパネル幅を縮小すると、減圧時におけるパネル部の変位量が低下し、所望の減圧吸収性能を発揮できない可能性がある。

　つまり、減圧吸収性能をさらに向上させるために、胴部に径方向の内側に向けて窪むパネル部を、周方向に間隔をあけて複数形成する構成を採用した場合、胴部に貼着したラベルにしわ等が生じ、ラベルの外観に違和感が生ずる可能性がある。

　本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、所望の減圧吸収性能を維持した上で、胴部に取り付けられるラベルに外観不良が発生するのを抑制できるボトルを提供することである。

　本発明の第一の態様は、筒状の胴部に、その径方向の内側に向けて窪むパネル部が周方向に間隔をあけて複数形成されるとともに、周方向で隣り合う前記パネル部同士の間に柱部を有するボトルであって、前記パネル部は、径方向の内側に位置するパネル底壁部と、前記パネル底壁部の外周縁から径方向の外側に向けて延びる側壁部とを有する。また、前記パネル底壁部には、前記側壁部のうち、少なくとも周方向を向く縦側壁部との間に隙間をあけて径方向の外側に向けて突出するリブが形成されている。

　第一の態様によれば、ボトル内部が減圧すると、パネル部におけるパネル底壁部と側壁部との接続部分を中心にして、パネル底壁部が径方向の内側に向かって変位する。すなわち、減圧時にパネル部を優先的に変形させて、他の部位での変形を抑えながら、ボトルの内圧変化（減圧）を吸収できる。
　しかも、第一の態様によれば、パネル底壁部に径方向の外側に向けて突出するリブを配設した。このため、パネル部を覆うように胴部に取り付けられるラベルを、径方向の内側から支持することができる。そのため、ラベル装着時において、パネル部を覆うラベルが径方向の内側へ移動するのを規制できる。これにより、ラベルがパネル部の内側に引き込まれるのを抑制し、ラベルに外観不良が発生するのを抑制できる。また、減圧時にパネル部が径方向の内側に向けて変形した場合であっても、上述したラベルの変位は抑制される。その結果、所望の減圧吸収性能を維持した上で、胴部に取り付けられるラベルに外観不良が発生するのを抑制できる。

　本発明の第二の態様によれば、第一の態様のボトルにおいて、前記パネル部が、周方向に間隔をあけて４つ以上形成される。

　上記構成によれば、パネル部が周方向に４つ以上形成されているため、リブと縦側壁部との間の隙間が、周方向に８本以上形成される。これにより、胴部が、上述した隙間を周方向に狭めながら縮径するように変形し易くなり、胴部に減圧吸収性能を具備させることができる。その結果、ボトルの減圧時に胴部が不正に変形して角部が生ずるのを抑えることが可能になり、ラベルの外観を確実に良好に保つことができる。したがって、減圧時にパネル部が変形した場合であっても、ラベルの変位が抑制されるため、ラベルの外観に違和感が生ずるのを抑えつつ、胴部に減圧吸収性能を具備させることができる。

　さらに、パネル部を周方向に４つ以上、すなわち、リブ及び柱部を合計８本以上形成することで、隙間の開口幅を縮小できる。加えて、リブ及び柱部によるラベルの支持面積を確保して、胴部に巻き付けられるラベルのうち、隙間を覆う部分の周長を縮小することができる。そのため、ラベルのうち、リブや柱部を覆う部分からボトル軸までの径方向に沿う長さと、ラベルのうち隙間を覆う部分からボトル軸までの径方向に沿う長さと、の差を抑えることができる。
　また、パネル部を周方向に４つ以上形成することで、胴部における周方向の異なる視点ごとで視認可能なラベルの周長が異なるのを抑制することが可能になる。この結果、胴部に巻き付けられるラベルの外観に違和感を与えず、良好に保つことができる。

　本発明の第三の態様によれば、上記第一または第二の態様のボトルにおいて、前記リブが、前記パネル底壁部におけるボトル軸方向の全長に亘って形成される。前記リブは、径方向の外側に位置する頂壁部と、前記頂壁部における周方向の外端と前記パネル底壁部とを連結する周端壁部と、を備える。そして、このボトルは、前記径方向の横断面視において、前記リブの頂壁部の外面は、複数の前記柱部の前記径方向の外側に位置する頂部の外面同士を周方向に沿って結ぶ仮想円上に位置する。

　上記構成によれば、リブがパネル底壁部におけるボトル軸方向の全長に亘って形成されているので、径方向から見てリブと重なる部分では、ラベルをボトル軸方向の全体に亘って支持できる。これにより、ラベルにしわが発生するのを確実に抑制できる。
　そして、リブ及び柱部によって胴部におけるラベルの支持面積を確保できるので、ラベルの外観に違和感が生ずるのを確実に抑制できる。
　したがって、ラベルの外観に違和感が生ずるのを抑えつつ、胴部に減圧吸収性能を具備させることができる。

　特に、リブの頂面が、複数の柱部の各頂部の表面形状に倣って周方向に延びる仮想円上に位置しているため、リブにおいて柱部と同一面上でラベルを支持できる。これにより、パネル部を覆うラベル部分の径方向の内側への変位を確実に規制することができる。

　本発明の第四の態様によれば、上記第一から第三のいずれかの態様に係るボトルにおいて、前記縦側壁部における径方向の内端、及び前記リブの前記周端壁部における径方向の内端それぞれの径方向に沿う位置が互いに異なっている。

　このような構成により、縦側壁部における径方向の内端、及び周端壁部における径方向の内端それぞれの径方向に沿う位置が互いに異なっているため、胴部が縦側壁部及び周端壁部間の隙間を周方向に狭めながら収縮変形し易くなり、減圧吸収性能を確実に具備させることができる。

　本発明の第五の態様によれば、上記第四の態様において、前記周端壁部における径方向の内端は、前記縦側壁部における径方向の内端よりも径方向の内側に位置している。

　上記構成により、上述した減圧吸収性能が顕著に奏功される。

　本発明の第六の態様によれば、上記第四または第五の態様において、前記ボトルは、内容量が２８０ｍｌ以上１０００ｍｌ以下であり、前記縦側壁部における径方向の内端と、前記リブの前記周端壁部における径方向の内端と、の径方向の距離が１．０ｍｍ以上２．０ｍｍ以下である。

　上記構成により、縦側壁部における径方向の内端と、リブの前記周端壁部における径方向の内端と、の径方向の距離を１．０ｍｍ以上とすることで、上述した減圧吸収性能が顕著に奏功され、また上述した距離を２．０ｍｍ以下とすることで、成形性の悪化や内容量の低下等を抑制できる。

　本発明の第七の態様によれば、上記第一から第六のいずれかの態様に係るボトルにおいて、前記径方向の横断面視において、前記リブ、及び前記柱部は、それぞれの周方向の中央を通る中心線に対して線対称に形成されている。

　上記構成により、上述した減圧吸収性能が顕著に奏功される。

　本発明の第八の態様によれば、上記第一または第二の態様に係るボトルの前記径方向の横断面視において、前記リブの前記径方向の外側に位置する頂面が、前記各柱部の径方向の外側に位置する頂部同士を周方向に沿って結ぶ仮想円上に位置している。

　上記構成によれば、リブの頂面が、複数の柱部の各頂部の表面形状に倣って周方向に延びる仮想円上に位置しているため、リブにおいて柱部と同一面上でラベルを支持できる。これにより、パネル部を覆うラベル部分の径方向の内側への変位を確実に規制することができる。

　本発明の第九の態様によれば、上記第八の態様に係るボトルにおいて、前記リブの前記頂面の前記周方向に沿う幅寸法は、前記パネル部の前記周方向に沿う幅寸法の１０％以上３８．５％以下に設定されている。

　パネル幅に対するリブの頂面の周方向に沿う幅寸法の割合を１０％以上３８．５％以下に設定することで、所望の減圧吸収性能を維持した上で、胴部に取り付けられるラベルに外観不良が発生するのを確実に抑制できる。

　本発明の第十の態様によれば、上記第一から第九のいずれかの態様に係るボトルにおいて、前記リブが、前記パネル底壁部におけるボトル軸方向の全長に亘って形成され、前記胴部のうち、前記リブ及び前記柱部それぞれにおける周方向の大きさが、前記隙間の、径方向の外端開口部における周方向の大きさ以上である。

　上記構成により、リブ及び柱部それぞれにおける周方向の大きさが、パネル部のうち、リブと縦側壁部との間に位置する隙間の、径方向の外端開口部における周方向の大きさ以上になっているため、胴部に巻き付けられるラベルを、リブ及び柱部により径方向の内側から確実に支持することができる。そのため、ラベル装着時において、胴部を覆うラベルが径方向の内側へ移動するのを規制して、ラベルを平滑に維持できる。これにより、ラベルが隙間の内側に引き込まれてしわが発生するのを抑制して、ラベルの外観に違和感が生ずるのを抑制できる。
　特に、上記構成によれば、リブがパネル底壁部におけるボトル軸方向の全長に亘って形成されているので、径方向から見てリブと重なる部分では、ラベルをボトル軸方向の全体に亘って支持できる。これにより、ラベルにしわが発生するのを確実に抑制できる。
　さらに、リブ及び柱部によって胴部におけるラベルの支持面積を確保できるので、ラベルの外観に違和感が生ずるのを確実に抑制できる。

　本発明の第十一の態様によれば、上記第一から第十のいずれかの態様において、前記ボトルは、前記胴部の下端に連なり前記胴部の下端開口部を閉塞する底部をさらに備え、前記底部の底壁部は、外周縁部に位置する接地部と、前記接地部に径方向の内側から連なり上方に向けて延びる立ち上がり周壁部と、前記立ち上がり周壁部の上端部から径方向の内側に向けて突出する環状の可動壁部と、前記可動壁部の径方向の内端部から上方に向けて延びる陥没周壁部と、を備える。そして、前記可動壁部は、前記陥没周壁部を上下方向に移動させるように、前記立ち上がり周壁部との接続部分を中心に回動自在に配設されている。

　上記態様により、可動壁部が、陥没周壁部を上下方向に移動させるように、立ち上がり周壁部との接続部分を中心に回動自在に配設されている。このため、ボトル内圧が変動したときに、可動壁部を回動させその内圧変動を吸収させることで、肩部及び胴部それぞれのボトル径方向の変形を抑えることができる。したがって、ラベルに外観不良が発生するのを確実に抑えることができる。

　本発明に係るボトルによれば、ラベルの外観に違和感が生ずるのを抑えつつ、胴部に減圧吸収性能を具備させることができる。

本発明の第１実施形態におけるボトルの側面図である。 図１のＡ－Ａ線に沿う断面図である。 本発明の第１実施形態におけるボトルの底面図である。 図３のＢ－Ｂ線に沿う断面図である。 サンプル２における図２に相当する部分の断面図である。 サンプル３における図２に相当する部分の断面図である。 サンプル４における図２に相当する部分の断面図である。 サンプル５における図２に相当する部分の断面図である。 サンプル６における図２に相当する部分の断面図である。 サンプル７における図２に相当する部分の断面図である。 サンプル８（比較例）における図２に相当する部分の断面図である。 サンプル１から８において、減圧強度（ｋＰａ）に対する吸収容量（ｍｌ）の関係を示すグラフである。 サンプルＡにおけるボトルの横断面図である。 本発明の第２実施形態におけるボトルの側面図である。 図１４のＡ－Ａ線に沿う断面図である。 図１４のＢ－Ｂ線に沿う断面図である。 ボトルの底面図である。 図１６のＣ－Ｃ線に沿う断面図である。 パネル幅Ｄ２に対するリブの幅寸法Ｄ１の割合（Ｄ１／Ｄ２）と、吸収容量（ｍｌ）と、の関係を示すグラフである。

［第１実施形態］
　以下、図面を参照し、本発明の第１実施形態に係るボトルを説明する。本実施形態に係るボトル１は、図１～図４に示されるように、口部１１、肩部１２、胴部１３及び底部１４を備える。本実施形態に係るボトル１は、これら口部１１、肩部１２、胴部１３及び底部１４が、それぞれの中心軸線を共通軸上に位置し、この順に連設された概略構成を有する。

　以下、上述した共通軸をボトル軸Ｏという。ボトル軸Ｏ方向に沿って口部１１側を上側、底部１４側を下側といい、また、ボトル軸Ｏに直交する方向を径方向といい、ボトル軸Ｏ回りに周回する方向を周方向という。
　本実施形態に係るボトル１は、合成樹脂材料で一体に形成されており、射出成形により有底筒状に形成されたプリフォームが、ブロー成形されて形成されている。また、口部１１には、図示しないキャップが装着される。さらに、口部１１、肩部１２、胴部１３及び底部１４はそれぞれ、径方向に沿う横断面視形状が略円形状を有する。なお、本実施形態のボトル１の内容量は、２８０ｍｌ以上１０００ｍｌ以下である。

　肩部１２と胴部１３との接続部分には、第１環状凹溝１６が全周にわたって連続して形成されている。
　胴部１３は筒状に形成され、肩部１２の下端に連なり下方に向けて延在している。胴部１３のうち、ボトル軸Ｏ方向の両端部同士の間の中間部１３ａは、両端部よりも小径である。なお、胴部１３の中間部１３ａには、図示しない例えばシュリンクラベル等のラベルが巻き付けられるように構成されている。

　図１、図３、図４に示すように、底部１４は、有底筒状に形成され、ヒール部１７と、底壁部１９とを備えている。ヒール部１７は、上端開口部が胴部１３の下端開口部に接続されている。底壁部１９は、ヒール部１７の下端開口部を閉塞し、かつ外周縁部が接地部１８を構成する。

　ヒール部１７は、下ヒール部２７と、上ヒール部２８と、連結部２９とを備えている。下ヒール部２７は、接地部１８に径方向の外側から連なり、上ヒール部２８は、胴部１３に下方から連なる。連結部２９は、これらの下ヒール部２７と上ヒール部２８とを連結する。
　下ヒール部２７は、上ヒール部２８よりも小径に形成され、連結部２９は、上方から下方に向かうに従い漸次縮径された構成を有する。
　上ヒール部２８は、胴部１３のボトル軸Ｏ方向の両端部とともに、ボトル１の外径が最も大きい最大外径部である。また、上ヒール部２８におけるボトル軸Ｏ方向に沿う中間部分には、第２環状凹溝３１が全周に亘って連続して形成されている。

　図３、図４に示されるように、底壁部１９は、立ち上がり周壁部２１と、環状の可動壁部２２と、陥没周壁部２３とを備えている。立ち上がり周壁部２１は、接地部１８に径方向の内側から連なり上方に向けて延びる。可動壁部２２は、立ち上がり周壁部２１の上端部から径方向の内側に向けて突出する。陥没周壁部２３は、可動壁部２２の径方向の内端部から上方に向けて延びる。

　立ち上がり周壁部２１は、下方から上方に向かうに従い漸次縮径している。また、立ち上がり周壁部２１には、凹凸部２１ａが全周に亘って形成されている。凹凸部２１ａは、径方向の内側に向けて突出する曲面状に形成された複数の突部２１ｂが、周方向に間隔をあけて配設された構成を有する。

　可動壁部２２は、下方に向けて突出する曲面状に形成され、且つ、径方向の外側から内側に向かうに従い漸次下方に向けて延在している。可動壁部２２と立ち上がり周壁部２１とは、上方に向けて突出する曲面部２５を介して連結されている。そして、可動壁部２２は、陥没周壁部２３を上方に向けて移動させるように、曲面部２５、すなわち立ち上がり周壁部２１との接続部分を中心に回動自在な構成を有する。
　また、可動壁部２２には、複数のリブ４１がボトル軸Ｏを中心に放射状に配設されている。リブ４１は、上方に向けて曲面状に窪む複数の凹部４１ａが径方向に沿って断続的に配設された構成を有する。

　陥没周壁部２３は、ボトル軸Ｏと同軸に配設され、且つ、その上端部に、ボトル軸Ｏと同軸に配置された頂壁２４が接続されている。そして、これらの陥没周壁部２３及び頂壁２４の全体で有頂筒状に形成されている。

　陥没周壁部２３は、上方から下方に向かうに従い漸次拡径された多段筒状に形成されている。具体的に、陥没周壁部２３は、下筒部２３ａと、上筒部２３ｂと、環状段部２３ｃとを備えている。下筒部２３ａは、可動壁部２２の径方向の内端部から上方に向かうに従い漸次縮径されて形成されている。上筒部２３ｂは、頂壁２４の外周縁部から下方に向かうに従い漸次拡径され、下筒部２３ａより小径である。環状段部２３ｃは、これらの両筒部２３ａ，２３ｂ同士を連結する。

　図３及び図４に示すように、下筒部２３ａは、下方に向けて突出する曲面部２６を介して、可動壁部２２の径方向の内端部に連結されている。なお、この曲面部２６は、径方向の内側を向く斜め下方に向けて突出している。また下筒部２３ａは、径方向に沿う横断面視で円形状に形成されている。
　環状段部２３ｃは、径方向の外側に向けて窪む凹曲面状に形成されている。環状段部２３ｃは、立ち上がり周壁部２１の上端部よりも上方、もしくは同等の高さに位置している。

　そして、上筒部２３ｂには、径方向の内側に張り出した張出部２３ｄが、周方向に複数連ねられて形成されている。これにより、図３に示すように、底面から見た形状が、周方向で隣り合う張出部２３ｄ同士の間の部分２３ｅを角部とし、かつ張出部２３ｄを辺部とした多角形状をなす角形筒部２３ｆが形成されている。

　張出部２３ｄは、底面視において径方向の外側に向けて突出する曲面状に形成され、陥没周壁部２３の上筒部２３ｂにおいて、周方向に間隔をあけて複数配置されている。図３に示す例においては、張出部２３ｄは３つ形成され、角形筒部２３ｆの底面視形状は正三角形状に形成されている。図４に示すボトル軸Ｏ方向に沿う縦断面視において、張出部２３ｄは、径方向の内側に向けて突出する曲面状に形成されている。
　また、張出部２３ｄ同士の間の部分２３ｅは、底面視において径方向の外側に向けて突出する曲面状に形成され、周方向で隣り合う張出部２３ｄの周方向に沿う端部同士をそれぞれ連結している。

　ここで、図１、図２に示すように、上述した胴部１３の中間部１３ａには、径方向の内側に向けて窪む減圧吸収用のパネル部５１が周方向に間隔をあけて複数形成されている。本実施形態では、等間隔に６つのパネル部５１が形成されている。そして、胴部１３において、周方向で隣り合うパネル部５１同士の間に位置する部分は、ボトル軸Ｏ方向に沿って延びる柱部５２を構成している。すなわち、胴部１３には、パネル部５１と柱部５２とが周方向に交互に配設されている。なお、パネル部５１は、ボトル軸Ｏ方向において、胴部１３の中間部１３ａのうち、両端部を回避した部分でボトル軸Ｏ方向に沿って延在している。

　パネル部５１は、胴部１３の外周面に対して径方向の内側に位置するパネル底壁部５３と、パネル底壁部５３の外周縁から径方向の外側に向けて延びる側壁部５４と、により画定されている。

　側壁部５４は、パネル底壁部５３における周方向の両端に連なりボトル軸Ｏ方向に延びる一対の縦側壁部５４ａを有する。側壁部５４のうち、縦側壁部５４ａは、径方向の内側から外側に向かうに従い周方向の外側、すなわち、１つのパネル部５１を構成する一対の縦側壁部５４ａが互いに離間する方向、に向けて傾斜している。なお、縦側壁部５４ａは、傾斜せずに、径方向に沿って延在する構成にしても構わない。そして、周方向で隣り合うパネル部５１の縦側壁部５４ａ同士の間に柱部５２が位置する。柱部５２は、ボトル軸Ｏに直交する横断面視形状が矩形状または台形状となるように形成されている。また、柱部５２における径方向の外側に頂部５２ａが位置する。頂部５２ａは、径方向の外側に向けて突出する曲面状に形成され、胴部１３における中間部１３ａの外径が最も大きい最大外径部である。

　一方で、側壁部５４には、一対の横側壁部５４ｂが、ボトル軸Ｏ方向の両端に位置して周方向に延びるように設けられている。側壁部５４のうち、一対の横側壁部５４ｂは、径方向の内側から外側に向かうに従いボトル軸Ｏ方向の外側に向けて傾斜する傾斜面を形成している。

　パネル底壁部５３における周方向の中央部には、径方向の外側に向けて突出するリブ５５が形成されている。リブ５５は、同一のパネル部５１を構成する縦側壁部５４ａ同士の間に、縦側壁部５４ａに対して周方向に隙間５６をあけて配設される。加えて、リブ５５は、パネル底壁部５３におけるボトル軸Ｏ方向の全長に亘って形成されている。したがって、本実施形態のパネル部５１は、周方向の中央部において、ボトル軸Ｏ方向で互いに対向する一対の横側壁部５４ｂ同士がリブ５５によって架け渡されており、このリブ５５に対して周方向の両側が、ボトル軸Ｏ方向に沿って延びる一対の隙間５６を構成している。この場合、隙間５６は、パネル部５１における周方向の外端と、リブ５５における周方向の外端と、の間に位置し、各パネル部５１にそれぞれ２本配設されている。そのため、本実施形態では合計１２本の隙間５６が周方向に間隔をあけて配設されている。

　リブ５５は、パネル底壁部５３に対して径方向の外側に位置する頂壁部５５ａと、頂壁部５５ａにおける周方向の外端とパネル底壁部５３とを連結する周端壁部５５ｂと、により画定されている。
　頂壁部５５ａは、径方向に沿う横断面視（図２参照）において、径方向の外側に向けて突出する曲面状に形成されている。頂壁部５５ａは、実質的に複数の柱部５２における各頂部５２ａの表面形状に倣って周方向に延びる仮想円Ｌ上に位置し、胴部１３における中間部１３ａの最大外径部である。

　ここで、図２に示すように、頂壁部５５ａにおける中間部１３ａの接線方向に沿うリブの幅寸法Ｄ１（以下、「リブ幅Ｄ１」と記す。）は、柱部５２における頂部５２ａの接線方向に沿う柱の幅寸法Ｄ２（以下、「柱幅Ｄ２」と記す。）以上の幅を有する。また、リブ幅Ｄ１及び柱幅Ｄ２は、径方向の外端開口部における接線方向に沿う位置における隙間５６の開口の幅寸法Ｄ３（以下、「開口幅Ｄ３」と記す。）以上の幅を有する。なお、図示の例では、リブ幅Ｄ１は柱幅Ｄ２よりも大きく、またリブ幅Ｄ１及び柱幅Ｄ２は開口幅Ｄ３よりも大きい（すなわち、Ｄ１＞Ｄ２＞Ｄ３）。

　周端壁部５５ｂは、リブ５５の周方向の両端に位置してボトル軸Ｏ方向に延び、径方向の外側から内側に向かうに従い周方向の外側に向けて傾斜している。したがって、リブ５５は、径方向に沿う横断面視において、径方向の外側から内側に向かうに従い周方向の幅が漸次拡大する台形状に形成されている。

　また、本実施形態では、縦側壁部５４ａにおける径方向の内端、及び周端壁部５５ｂにおける径方向の内端の径方向に沿う位置が互いに異なっている。具体的に、図２、図５から図１０に示す例では、縦側壁部５４ａにおける径方向の長さ（深さ）Ｈ１は、周端壁部５５ｂにおける径方向の長さ（深さ）Ｈ２に比べて短い（Ｈ１＜Ｈ２）。

　さらに、本実施形態の柱部５２及びリブ５５は、それぞれ周方向の中心を通り径方向に延びる中心線に対して線対称となるように形成されている。すなわち、同一のリブ５５を構成する一対の周端壁部５５ｂにおける径方向の内端のそれぞれの径方向に沿う位置が互いに同等となるように形成されている。また、同一の柱部５２を構成する一対の縦側壁部５４ａにおける径方向の内端それぞれの径方向に沿う位置が互いに同等となるように形成されている。したがって、同一のパネル部５１において、周方向で互いに対向する縦側壁部５４ａ及び周端壁部５５ｂのうち、縦側壁部５４ａは周端壁部５５ｂよりも径方向の長さが短い。なお、縦側壁部５４ａにおける径方向の内端と、周端壁部５５ｂにおける径方向の内端と、の径方向に沿う距離（縦側壁部５４ａの深さＨ１と、周端壁部５５ｂの深さＨ２と、の差）は１．０ｍｍ以上２．０ｍｍ以下の範囲に設定されている。

　そして、接続部分５３ａは、パネル底壁部５３の縦側壁部５４ａにおける径方向の内端と、周端壁部５５ｂにおける径方向の内端と、を接続している。具体的に、接続部分５３ａは、径方向に沿う横断面視において、径方向の外側から内側に向かうに従い周方向の内側に向けて傾斜している。なお、上述した隙間５６は、縦側壁部５４ａ、横側壁部５４ｂ、接続部分５３ａ、及び周端壁部５５ｂによって画定されている。

　したがって、本実施形態では、ボトル１の内部が減圧すると、胴部１３が、柱部５２とリブ５５との間の隙間５６を周方向に狭めながら優先的に縮径変形し易くなる。その結果、胴部１３に減圧吸収性能を具備させることができる。さらに、隙間５６が胴部１３に８本以上（本実施形態では、１２本）形成されているので、ボトル１の減圧時に胴部１３が不正に変形して角部が生ずるのを抑えることが可能になる。その結果、ラベルの外観を確実に良好に保つことができる。
　しかも、縦側壁部５４ａにおける径方向の内端、及び周端壁部５５ｂにおける径方向の内端の径方向に沿う位置が互いに異なっているため、隙間５６が変形し易くなり、減圧吸収性能を確実に具備させることができる。
　これにより、隙間５６以外の部位（例えば、柱部５２やリブ５５、肩部１２）での変形を抑えつつ、ボトル１の内圧変化（減圧）を吸収できる。

　ここで、本実施形態では、パネル底壁部５３にリブ５５が配設されるとともに、リブ５５及び柱部５２それぞれのリブ幅Ｄ１及び柱幅Ｄ２が、隙間５６の開口幅Ｄ３以上の幅を有する。このため、胴部１３に巻き付けられるラベルを、リブ５５及び柱部５２により径方向の内側から支持することができる。そのため、ラベル装着時において、胴部１３を覆うラベルが径方向の内側へ移動するのを規制して、ラベルを平滑に維持できる。これにより、ラベルが隙間５６の内側に引き込まれてしわが発生するのを抑制して、ラベルの外観に違和感が生ずるのを抑制できる。
　しかも、リブ５５がパネル底壁部５３におけるボトル軸Ｏ方向の全長に亘って形成されている。このため、径方向から見てリブ５５と重なる部分では、ラベルをボトル軸Ｏ方向の全体に亘って支持できる。これにより、ラベルにしわが発生するのを確実に抑制できる。
　さらに、リブ５５及び柱部５２によって胴部１３におけるラベルの支持面積を確保できるので、ラベルの外観に違和感が生ずるのを確実に抑制できる。

　したがって、減圧時に隙間５６が変形した場合であっても、胴部１３が円形状に維持されるためにラベルの不正な変位が抑制される。このため、ラベルの外観に違和感が生ずるのを抑えつつ、胴部１３に減圧吸収性能を具備させることができる。

　さらに、本実施形態では、可動壁部２２が、陥没周壁部２３をボトル軸Ｏ方向に移動させるように、曲面部２５を中心に回動自在に配設されている。このため、ボトル１の内圧が変動したときに、可動壁部２２を回動させ、その内圧変動を吸収させることで、肩部１２及び胴部１３それぞれの径方向の変形を抑えることができる。そのため、ラベルに外観不良が発生するのを確実に抑えることができる。
　また、可動壁部２２による減圧吸収機能が十分である場合、ボトル１内の減圧時にこの可動壁部２２を優先的に変位させ、隙間５６の変形を抑制（防止）するように構成することもできる。この場合は、例えばリブ幅Ｄ１を可能な限り大きく形成することができ、より確実にラベルに外観不良が発生することを防止できる。

　ここで、減圧強度（ｋＰａ）に対する吸収容量（ｍｌ）が、胴部１３の形状に応じてどのように変化するかを検証した。本検証で用いたボトル１は内容量が５００ｍｌ用のボトルである。また、本検証では、減圧時に底壁部１９が実質変形しないような構成とし、胴部１３のみの吸収容量を解析により検証した。

　次に、本検証で用いたサンプルボトルについて説明する。
　図２、図５～図１０は実施例１～７のサンプルボトル（以下、サンプル１～７という）を示し、図１１は比較例のサンプルボトル（以下、サンプル８という）を示している。
　図２に示すサンプル１は、上述した本実施形態と同様の構成からなるボトル１である。そして、以下にはサンプル１を基準とし、サンプル１と、各サンプル２～８と、の主な違いを説明する。
　図５に示すサンプル２は、パネル部５１のリブ幅Ｄ１がサンプル１に対して小さい。
　図６に示すサンプル３は、周端壁部５５ｂの深さＨ２がサンプル１に対して小さく、縦側壁部５４ａの深さＨ１と、周端壁部５５ｂの深さＨ２と、の差がサンプル１に対して小さい。
　図７に示すサンプル４は、縦側壁部５４ａの深さＨ１がサンプル１に対して小さく、縦側壁部５４ａの深さＨ１と、周端壁部５５ｂの深さＨ２と、の差がサンプル１に対して大きい。
　図８に示すサンプル５は、パネル部５１のリブ幅Ｄ１がサンプル１に対して大きい。
　図９に示すサンプル６は、柱部５２の柱幅Ｄ２がサンプル１に対して大きく、パネル部５１のリブ幅Ｄ１よりも大きい。この場合、リブ５５のうち、仮想円Ｌ上に位置する部分の長さｄ１と、柱部５２のうち、仮想円Ｌ上に位置する部分の長さｄ２と、は同等の長さを有する。
　図１０に示すサンプル７は、同一のパネル部５１における周方向の両側に位置する縦側壁部５４ａ同士のなす角度θ１がサンプル１に対して大きい。
　図１１に示すサンプル８（比較例）は、縦側壁部５４ａの深さＨ１と、周端壁部５５ｂの深さＨ２と、が同等である。

　上述した各サンプルの具体的な寸法は、以下に示す表１の通りである。なお、上述した各寸法のうち、リブ幅Ｄ１は、径方向に沿う横断面視において、リブ５５を構成する各周端壁部５５ｂそれぞれの延長線と仮想円Ｌとの交点間の、中間部１３ａの接線方向に沿う距離を有する。柱幅Ｄ２は、径方向に沿う横断面視において、柱部５２を構成する各縦側壁部５４ａそれぞれの延長線と仮想円Ｌとの交点間の、中間部１３ａの接線方向に沿う距離を有する。また、開口幅Ｄ３は、径方向に沿う横断面視において、縦側壁部５４ａの延長線と仮想円Ｌとの交点、及び周端壁部５５ｂの延長線と仮想円Ｌとの交点間の、中間部１３ａの接線方向に沿う距離となるように形成している。さらに、各図中の符号Ｄ４は、径方向に沿う横断面視において、同一のパネル部５１における各縦側壁部５４ａそれぞれの延長線と仮想円Ｌとの交点間の、中間部１３ａの接線方向に沿う距離、すなわち、パネルの幅寸法を示している（以下、「パネル幅Ｄ４」と記す。）。
　一方、深さＨ１は、径方向に沿う横断面視において、縦側壁部５４ａの延長線及び接続部分５３ａの延長線の交点と、仮想円Ｌと、の径方向の長さである。深さＨ２は、径方向に沿う横断面視において、周端壁部５５ｂの延長線及び接続部分５３ａの延長線の交点と、仮想円Ｌと、の径方向の長さである。

 
 

　図１２に示すように、各サンプル１～７は、減圧強度を増加させるに従い、吸収容量が増加傾向にあることが分かる。これは、ボトル１内部の減圧に伴い、胴部１３が隙間５６を周方向に狭めながら優先的に縮径変形することで、隙間５６以外の部位での変形を抑えつつ、ボトル１の内圧変化（減圧）を吸収できたためと考えられる。

　その後、減圧強度を増加させると、サンプル１～７は何れも３０ｍｌ以上の吸収容量を得ることができた。一方、サンプル８は減圧強度の増加に追従できず、減圧途中（１５ｋＰａ程度）で隙間５６以外の箇所に局部変形が生じる等の結果となった。なお、各サンプル１～８における吸収容量は、サンプル１が６０ｍｌ以上、サンプル２が３３．８ｍｌ、サンプル３が４０．９ｍｌ、サンプル４が４２．８ｍｌ、サンプル５が６０ｍｌ以上、サンプル６が４６．３ｍｌ、サンプル７が５３．８ｍｌ、サンプル８（比較例）が２７．４ｍｌとなった。

　また、サンプル１，３，４，８の比較から、サンプル１，３，４のように縦側壁部５４ａの深さＨ１と、周端壁部５５ｂの深さＨ２と、が異なる場合は、サンプル８のように縦側壁部５４ａの深さＨ１と、周端壁部５５ｂの深さＨ２と、が同等の場合よりも吸収容量が大きくなる結果が得られた。但し、縦側壁部５４ａの深さＨ１と、周端壁部５５ｂの深さＨ２と、の差が大きくなり過ぎると、成形性の悪化や内容量の低下等が生じるため好ましくない。そのため、縦側壁部５４ａの深さＨ１と、周端壁部５５ｂの深さＨ２と、の差は、上述したように１．０ｍｍ以上２．０ｍｍ以下の範囲に設定することが好ましい。

　さらに、サンプル１，２，５の比較から、リブ幅Ｄ１が大きい方が、吸収容量が大きくなる結果が得られた。この場合、特にサンプル１，６の比較から、リブ幅Ｄ１が柱幅Ｄ２よりも大きい場合に吸収容量が大きくなる結果が得られた。

　また、サンプル１，７の比較から、縦側壁部５４ａ同士のなす角度θ１が小さい場合に吸収容量が大きくなる結果が得られた。

　次に、リブ５５及び柱部５２の合計本数が異なる９個のサンプルＡ～Ｉを使用し、胴部１３に巻き付けられるラベルＳの外観が、リブ５５及び柱部５２の本数に応じてどのように変化するかを検証した。なお、以下の説明において、リブ５５と柱部５２とを凸部５７と総称する。

　以下に示す表２は、各サンプルＡ～Ｈの仕様（凸部５７の本数や、ラベルＳの周長）と、外観判定の結果と、をまとめたものである。また、サンプルＩは、胴径φが７０ｍｍとされた円形ボトルにラベルＳを巻き付けたものを示している。

 
 

　まず、本検証で用いたサンプルＡ～Ｈを、図１３に示すサンプルＡを例にして説明する。
　図１３に示すように、本検証で用いたサンプルＡのボトルＡ１は、胴径φ（仮想円Ｌの外径）が７０ｍｍ、周方向における凸部５７の幅が１０ｍｍ（リブ幅Ｄ１＝柱幅Ｄ２＝１０ｍｍ）とされ、等間隔で配置されたこれら凸部５７間に隙間５６が設けられている。また、図１３に示すボトルＡ１は、凸部５７が併せて５本形成されている。そして、胴部１３には、凸部５７及び隙間５６を覆うように全周に亘ってラベルＳが巻き付けられている。
　なお、サンプルＢ～Ｈについては、サンプルＡに対して胴径φ、凸部幅（リブ幅Ｄ１及び柱幅Ｄ２）が同等で、凸部５７の数を１本ずつ増加したものである。

　また、表２に示すラベル高低差Ｔ、可視ラベル周長、及び可視ラベル幅は以下の通り定義する。
　（１）ラベル高低差Ｔ
　ラベルＳのうち凸部５７を覆う部分からボトル軸Ｏまでの径方向に沿う長さＲ１（仮想円Ｌ及び胴径φの半径に相当）と、ラベルＳのうち隙間５６を覆う部分からボトル軸Ｏまでの径方向に沿う長さＲ２と、の差。
　（２）可視ラベル周長
　胴部１３における周方向の異なる視点ごとで、視認可能なラベルＳの周長。
　（３）可視ラベル幅
　胴部１３における周方向の異なる視点ごとで、視認可能な範囲のラベルＳを径方向に投影した場合の幅。

　表２に示すように、ラベル高低差Ｔについては、凸部５７の本数を増加させるに従い低減していることが分かる。これは、凸部５７の本数を増加させることで、隙間５６の開口幅Ｄ３を縮小できるとともに、凸部５７によるラベルＳの支持面積を確保して、ラベルＳのうち隙間５６を覆う部分の周長を縮小できたためであると考えられる。
　特に、サンプルＣ～Ｈ（凸部５７が７本以上）の場合には、ラベル高低差Ｔを２．００ｍｍ以下に抑えることができ、ラベルＳの外観に違和感を与えず、良好に保つことができた。この場合、胴径φに対するラベル高低差Ｔを、３．０％以下（好ましくは２．０％以下）に抑えることで、胴径φの大きさに依らず外観を良好に保つことができる。

　また、可視ラベル周長差（可視ラベル周長の最大値と最小値との差）についても、凸部５７の本数を増加させることで、低減する傾向が見られる。つまり、凸部５７の本数を増加させることで、胴部１３の横断面視形状が円形（仮想円Ｌ）に近づくことになるので、周方向での視点ごとで視認可能なラベルＳの周長が異なるのを抑制することが可能になる。
　特に、サンプルＣ～Ｈ、すなわち凸部５７が７本以上の場合には、可視ラベル周長差を２０．００ｍｍ以下に抑えることができ、ラベルＳの外観に違和感を与えず、良好に保つことができた。この場合、可視ラベル周長差を、サンプルＩのラベル周長（全長）に対して１０．０％以下に抑えることで、円形ボトルのラベル周長に依らず外観を良好に保つことができる。

　なお、凸部５７の本数が１７本以上になると賦形性に劣る傾向があるため、凸部５７は１６本以下とすることが好ましい。
　また、凸部５７の本数は、応力を均等に分散するため偶数とすることが好ましい。この場合、リブ５５及び柱部５２をそれぞれ偶数とすることがより好ましい。

　以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。

　例えば、隙間５６の数や配置等は、８本以上（パネル部５１が４つ以上）であれば、ボトル１に要求される強度や減圧吸収容量等を考慮して適宜設計変更が可能である。
　また、上述した実施形態では、肩部１２、胴部１３及び底部１４のそれぞれの径方向に沿う横断面視形状を円形状とした。しかし、これに限らず例えば、肩部１２、胴部１３及び底部１４のそれぞれの径方向に沿う横断面視形状を多角形状にする等適宜変更してもよい。

　また、上述した実施形態では、パネル部５１を、胴部１３の中間部１３ａのうち、ボトル軸Ｏ方向の両端部を回避した部分に形成した場合について説明した。しかし、これに限らず、パネル部を中間部１３ａにおけるボトル軸Ｏ方向の全体に亘って形成しても構わない。

　また、上述した実施形態では、縦側壁部５４ａの深さＨ１が周端壁部５５ｂの深さＨ２に比べて短くなるように形成した。これとは逆に、周端壁部５５ｂの深さＨ２が縦側壁部５４ａの深さＨ１に比べて短くなるように形成しても構わない。
　さらに、上述した実施形態では、リブ幅Ｄ１が柱幅Ｄ２以上になっている場合について説明した。しかし、これに限らず、サンプル６のように柱幅Ｄ２がリブ幅Ｄ１より大きくても構わない。

　また、上述した実施形態では、各パネル底壁部５３にそれぞれ一つのリブ５５を配設した場合について説明した。しかし、これに限らず、各パネル底壁部５３にリブ５５を複数ずつ配設しても構わない。

　また、ボトル１を形成する合成樹脂材料は、例えばポリエチレンテレフタレートや、ポリエチレンナフタレート、非晶性ポリエステル等、またはこれらのブレンド材料等、適宜変更してもよい。
　さらに、ボトル１は単層構造体に限らず中間層を有する積層構造体としてもよい。この中間層としては、例えばガスバリア性を有する樹脂材料からなる層、再生材からなる層、若しくは酸素吸収性を有する樹脂材料からなる層等が挙げられる。

　その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記変形例を適宜組み合わせてもよい。

［第２実施形態］
　以下、図面を参照し、本発明の第２実施形態に係るボトルを説明する。
本実施形態に係るボトル２０１は、図１４～１７に示されるように、口部２１１、肩部２１２、胴部２１３及び底部２１４を備える。これら口部２１１、肩部２１２、胴部２１３及び底部２１４が、それぞれの中心軸線を共通軸上に位置し、この順に連設された概略構成を有する。

　以下、上述した共通軸をボトル軸Ｏという。ボトル軸Ｏ方向に沿って口部２１１側を上側、底部２１４側を下側といい、また、ボトル軸Ｏに直交する方向を径方向といい、ボトル軸Ｏを中心に周回する方向を周方向という。
　本実施形態に係るボトル２０１は、射出成形により有底筒状に形成されたプリフォームがブロー成形されてなり、合成樹脂材料で一体に形成されている。また、口部２１１には、図示しないキャップが装着される。さらに、口部２１１、肩部２１２、胴部２１３及び底部２１４はそれぞれ、径方向に沿う横断面視形状が略円形状を有する。

　肩部２１２と胴部２１３との接続部分には、第１環状凹溝２１６が全周にわたって連続して形成されている。
　胴部２１３は筒状に形成され、肩部２１２の下端に連なり下方に向けて延在している。胴部２１３のうち、ボトル軸Ｏ方向の両端部同士の間の中間部２１３ａは、両端部よりも小径である。なお、胴部２１３の中間部２１３ａには、図示しない例えばシュリンクラベル等のラベルが巻き付けられるように構成されている。

　図１４，１６，１７に示すように、底部２１４は、有底筒状に形成され、ヒール部２１７と、底壁部２１９とを備えている。ヒール部２１７は、上端開口部が胴部２１３の下端開口部に接続されている。底壁部２１９は、ヒール部２１７の下端開口部を閉塞し、かつ外周縁部が接地部２１８とされている。

　ヒール部２１７は、下ヒール部２２７と、上ヒール部２２８と、連結部２２９とを備えている。下ヒール部２２７は、接地部２１８に径方向の外側から連なり、上ヒール部２２８は、胴部２１３に下方から連なる。連結部２２９は、これらの下ヒール部２２７と上ヒール部２２８とを連結する。
　下ヒール部２２７は、上ヒール部２２８より小径に形成され、連結部２２９は、上方から下方に向かうに従い漸次縮径された構成を有する。
　上ヒール部２２８は、胴部２１３のボトル軸Ｏ方向の両端部とともに、ボトル２０１の外径が最も大きい最大外径部である。また、上ヒール部２２８におけるボトル軸Ｏ方向に沿う中間部分には、第２環状凹溝２３１が全周に亘って連続して形成されている。
　また、ヒール部２１７の外周面、及び胴部２１３の下端部の外周面には、例えばシボ加工等により突出高さの低い凹凸部２１７ａが形成されている。

　図１６，１７に示されるように、底壁部２１９は、立ち上がり周壁部２２１と、環状の可動壁部２２２と、陥没周壁部２２３とを備えている。立ち上がり周壁部２２１は、接地部２１８に径方向の内側から連なり上方に向けて延びる。可動壁部２２２は、立ち上がり周壁部２２１の上端部から径方向の内側に向けて突出する。陥没周壁部２２３は、可動壁部２２２の径方向の内端部から上方に向けて延びる。

　立ち上がり周壁部２２１は、下方から上方に向かうに従い漸次縮径している。また、立ち上がり周壁部２２１には、凹凸部２２１ａが全周に亘って形成されている。凹凸部２２１ａは、径方向の内側に向けて突出する曲面状に形成された複数の突部２２１ｂが、周方向に間隔をあけて配設された構成を有する。

　可動壁部２２２は、下方に向けて突出する曲面状に形成され、且つ、径方向の外側から内側に向かうに従い漸次下方に向けて延在している。可動壁部２２２と立ち上がり周壁部２２１とは、上方に向けて突出する曲面部２２５を介して連結されている。そして、可動壁部２２２は、陥没周壁部２２３を上方に向けて移動させるように、曲面部２２５、すなわち立ち上がり周壁部２２１との接続部分を中心に回動自在な構成を有する。
　また、可動壁部２２２には、複数のリブ２４１がボトル軸Ｏを中心に放射状に配設されている。リブ２４１は、上方に向けて曲面状に窪む複数の凹部２４１ａが径方向に沿って断続的に配設された構成を有する。

　陥没周壁部２２３は、ボトル軸Ｏと同軸に配設され、且つ、その上端部に、ボトル軸Ｏと同軸に配置された頂壁２２４が接続されている。そして、これらの陥没周壁部２２３及び頂壁２２４の全体で有頂筒状に形成されている。

　陥没周壁部２２３は、上方から下方に向かうに従い漸次拡径された多段筒状に形成されている。具体的に、陥没周壁部２２３は、下筒部２２３ａと、上筒部２２３ｂと、環状段部２２３ｃとを備えている。下筒部２２３ａは、可動壁部２２２の径方向の内端部から上方に向かうに従い漸次縮径されて形成されている。上筒部２２３ｂは、頂壁２２４の外周縁部から下方に向かうに従い漸次拡径され下筒部２２３ａより小径である。環状段部２２３ｃは、これらの両筒部２２３ａ、２２３ｂ同士を連結する。
　図１６及び図１７に示すように、下筒部２２３ａは、下方に向けて突出する曲面部２２６を介して、可動壁部２２２の径方向の内端部に連結されている。なお、この曲面部２２６は、径方向の内側を向く斜め下方に向けて突出している。また下筒部２２３ａは、径方向に沿う横断面視で円形状に形成されている。
　環状段部２２３ｃは、径方向の外側に向けて窪む凹曲面状に形成されている。環状段部２２３ｃは、立ち上がり周壁部２２１の上端部よりも上方、もしくは同等の高さに位置している。

　そして、上筒部２２３ｂには、径方向の内側に張り出した張出部２２３ｄが、周方向に複数連ねられて形成されている。これにより、図１６に示すように、底面から見た形状が、周方向で隣り合う張出部２２３ｄ同士の間の部分２２３ｅを角部とし、かつ張出部２２３ｄを辺部とした多角形状をなす角形筒部２２３ｆが形成されている。

　張出部２２３ｄは、底面視において径方向の外側に向けて突出する曲面状に形成され、陥没周壁部２２３の上筒部２２３ｂにおいて、周方向に間隔をあけて複数配置されている。本実施形態において、張出部２２３ｄは３つ形成され、角形筒部２２３ｆの底面視形状は正三角形状に形成されている。図１６に示すボトル軸Ｏ方向に沿う縦断面視において、張出部２２３ｄは、径方向の内側に向けて突出する曲面状に形成されている。
　また、張出部２２３ｄ同士の間の部分２２３ｅは、底面視において径方向の外側に向けて突出する曲面状に形成され、周方向で隣り合う張出部２２３ｄの周方向に沿う端部同士をそれぞれ連結している。

　ここで、図１４，１５Ａ，１５Ｂに示すように、上述した胴部２１３の中間部２１３ａには、径方向の内側に向けて窪む減圧吸収用のパネル部２５１が周方向に間隔をあけて複数形成されている。そして、胴部２１３において、周方向で隣り合うパネル部２５１同士の間に位置する部分は、ボトル軸Ｏ方向に沿って延びる柱部２５２を構成している。すなわち、胴部２１３には、凹形状のパネル部２５１と凸形状の柱部２５２とが周方向に交互に配設されている。

　パネル部２５１は、底壁部２５３と、側壁部２５４と、を有する。底壁部２５３は、径方向の外側から見てボトル軸Ｏ方向を長手方向とする矩形状に形成されている。側壁部２５４は、底壁部２５３の外周縁から径方向の外側に向けて立設され、底壁部２５３を全周に亘って取り囲む。

　側壁部２５４は、底壁部２５３における周方向の両端に連なりボトル軸Ｏ方向に延びる一対の縦側壁部２５４ａを有する。側壁部２５４のうち、縦側壁部２５４ａは、径方向の内側から外側に向かうに従い周方向の外側、すなわち、１つのパネル部２５１を構成する一対の縦側壁部２５４ａが互いに離間する方向、に向けて傾斜する傾斜面である。そして、周方向で隣り合うパネル部２５１の縦側壁部２５４ａ同士の間に柱部２５２が位置する。柱部２５２は、ボトル軸Ｏに直交する横断面視形状が径方向の内側から外側に向けて周方向の大きさが小さくなる台形状に形成されている。また、柱部２５２における径方向の外側に頂部２５２ａが位置する。頂部２５２ａは、径方向の外側に向けて突出する曲面状に形成され、胴部２１３における中間部２１３ａの、外径が最も大きい最大外径部である。
　一方で、側壁部２５４には、一対の横側壁部２５４ｂがボトル軸Ｏ方向の両端に位置して周方向に延びるように設けられている。一対の横側壁部２５４ｂは、径方向の内側から外側に向けて延設されている。

　そして、パネル底壁部２５３の中央部には、径方向の外側に向けて突出するリブ２５５が形成されている。リブ２５５は、径方向の外側から見てボトル軸Ｏ方向を長手方向とする矩形状に形成され、側壁部２５４との間に全周に亘って隙間をあけて配設されている。すなわち、リブ２５５は、パネル部２５１の内側に島状に配設されている。

　リブ２５５の径方向に沿う横断面視（図１５Ａ参照）において、径方向の外側に位置する頂面２５５ａは、径方向の外側に向けて突出する曲面状に形成されている。頂面２５５ａは、複数の柱部２５２における各頂部２５２ａの表面形状に倣って周方向に延びる仮想円Ｌ上に位置し、胴部２１３における中間部２１３ａの最大外径部となっている。
　また、頂面２５５ａにおける中間部２１３ａの接線方向に沿うリブ幅Ｄ１は、パネル部２５１における中間部２１３ａの接線方向に沿うパネル幅Ｄ２の１０％以上３８．５％以下に設定されている。

　リブ２５５を画定する壁部のうち、周方向の両端に位置してボトル軸Ｏ方向に延びる一対の縦壁部２５５ｂは、径方向の内側から外側に向かうに従い周方向の内側に向けて傾斜している。一方、リブ２５５を画成する壁部のうち、ボトル軸Ｏ方向の両端に位置して周方向に延びる一対の横リブ２５５ｃは、径方向の内側から外側に向かうにつれボトル軸Ｏ方向の外側から内側に向けて傾斜している。したがって、リブ２５５は、径方向の内側から外側に向かうに従いボトル軸Ｏ方向、及び周方向の幅が漸次縮小する台形状に形成されている。

　底壁部２５３における側壁部２５４の内周縁との接続部分２５３ａは、図１４Ａ，１４Ｂに示すように、ボトル軸Ｏ方向に沿う縦断面視（図１４Ｂ参照）、及び径方向に沿う横断面視（図１４Ａ参照）において、側壁部２５４の内周縁から連なり径方向の内側に向けて窪む曲面状に形成されている。

　本実施形態では、ボトル２０１の内部が減圧すると、パネル部２５１における底壁部２５３と側壁部２５４との接続部分２５３ａを中心にして、底壁部２５３が径方向の内側に向かって変位する。すなわち、減圧時にパネル部２５１を優先的に変形させることで、他の部位（例えば、柱部２５２や肩部２１２）での変形を抑えつつ、ボトル２０１の内圧変化（減圧）を吸収できる。
　しかも、本実施形態では、底壁部２５３に径方向の外側に向けて突出するリブ２５５を形成したため、パネル部２５１を覆うように胴部２１３に巻き付けられるラベルを、径方向の内側から支持することができる。そのため、ラベル装着時において、パネル部２５１を覆うラベルが径方向の内側へ移動するのを規制できる。これにより、ラベルがパネル部２５１の内側に引き込まれるのを抑制し、ラベルに外観不良が発生するのを抑制できる。
　また、減圧時にパネル部２５１が径方向の内側に向けて変形した場合であっても、ラベルの変位は抑制される。その結果、所望の減圧吸収性能を維持した上で、胴部２１３に巻き付けられるラベルに外観不良が発生するのを抑制できる。

　特に、リブ２５５の頂面２５５ａが、複数の柱部２５２の各頂部２５２ａの表面形状に倣って周方向に延びる仮想円Ｌ上に位置している。このため、リブ２５５において柱部２５２と同一面上でラベルを支持できる。これにより、パネル部２５１を覆うラベル部分の径方向の内側への変位を確実に規制することができる。

　さらに、本実施形態では、可動壁部２２２が、陥没周壁部２２３をボトル軸Ｏ方向に移動させるように、曲面部２２５を中心に回動自在に配設されている。このため、ボトル２０１の内圧が変動したときに、可動壁部２２２を回動させその内圧変動を吸収させることで、肩部２１２及び胴部２１３それぞれの径方向の変形を抑えることができる。そのため、ラベルに外観不良が発生するのを確実に抑えることができる。
　また、可動壁部２２２による減圧吸収機能が十分である場合、この可動壁部２２２を優先的に減圧変位させ、前記パネル部２５１の変形を抑制（防止）するように構成することもできる。
　この場合は、例えば、リブ幅Ｄ１を可能な限り大きく形成することができ、より確実にラベルに外観不良が発生することを防止できる。

　ここで、図１８に示すように、パネル幅Ｄ２に対するリブ幅Ｄ１の割合（Ｄ１／Ｄ２）と、ボトル２０１内が減圧状態となった際の吸収容量（ｍｌ）と、の関係がどのように変化するかを検証した。本検証では、内容量が５００ｍｌであり、同形状のパネル部２５１が胴部２１３の周方向に均等間隔で６つ配置されているボトル２０１を用いた。また、減圧時に底壁部２１９が実質変形しないような構成とし、パネル部２５１のみの吸収容量を解析により検証した。

　本試験において、パネル幅Ｄ２に対するリブ幅Ｄ１の割合は、パネル幅Ｄ２は変化させずに、リブ幅Ｄ１を６（ｍｍ）～１２（ｍｍ）の範囲で１（ｍｍ）ずつ変化させることで調整した。具体的な条件は以下の通りである。
　<サンプル２１>リブ幅Ｄ１＝６ｍｍ、パネル幅Ｄ２＝２６ｍｍ（Ｄ１／Ｄ２＝２３．１％）
　<サンプル２２>リブ幅Ｄ１＝７ｍｍ、パネル幅Ｄ２＝２６ｍｍ（Ｄ１／Ｄ２＝２６．９％）
　<サンプル２３>リブ幅Ｄ１＝８ｍｍ、パネル幅Ｄ２＝２６ｍｍ（Ｄ１／Ｄ２＝３０．８％）
　<サンプル２４>リブ幅Ｄ１＝９ｍｍ、パネル幅Ｄ２＝２６ｍｍ（Ｄ１／Ｄ２＝３４．６％）
　<サンプル２５>リブ幅Ｄ１＝１０ｍｍ、パネル幅Ｄ２＝２６ｍｍ（Ｄ１／Ｄ２＝３８．５％）
　<サンプル２６>リブ幅Ｄ１＝１１ｍｍ、パネル幅Ｄ２＝２６ｍｍ（Ｄ１／Ｄ２＝４２．３％）
　<サンプル２７>リブ幅Ｄ１＝１２ｍｍ、パネル幅Ｄ２＝２６ｍｍ（Ｄ１／Ｄ２＝４６．２％）

　図１８に示すように、パネル幅Ｄ２に対するリブ幅Ｄ１の割合が高くなるにつれて、すなわち、リブ幅Ｄ１が大きくなるにつれて、パネル部２５１においてラベルの支持部分が拡大されるため、ラベル装着に伴うラベルへの外観不良の発生は少なくなる。一方、吸収容量が低下していることが分かる。具体的に、サンプル２１～２７における吸収容量は、それぞれサンプル２１が２７．４（ｍｌ），サンプル２２が２７．３（ｍｌ），サンプル２３が２７．２（ｍｌ），サンプル２４が２６．９（ｍｌ），サンプル２５が２６．６（ｍｌ），サンプル２６が２５．２（ｍｌ），サンプル２７が２２．２（ｍｌ）となっている。
　特に、パネル幅Ｄ２に対するリブ幅Ｄ１の割合が３８．５％より高い場合（サンプル２６，２７の場合）には、吸収容量が大幅に低下していることが分かる。これは、リブ幅Ｄ１が大きくなるにつれて、底壁部２５３の幅が縮小し、減圧時におけるパネル部２５１の変位量が低下するため、所望の減圧吸収性能を発揮できなかったためであると考えられる。この場合には、減圧強度の増加に追従できず、減圧途中でパネル部２５１以外の箇所に局部変形が生じる等の可能性がある。
　これに対して、パネル幅Ｄ２に対するリブ幅Ｄ１の割合が３８．５％以下の場合には、ラベルに外観不良が発生するのを抑制した上で、２６（ｍｌ）以上の吸収容量を維持しており、十分な減圧吸収性能を発揮できた。

　一方、パネル幅Ｄ２に対するリブ幅Ｄ１の割合が低くなるにつれて（リブ幅Ｄ１が小さくなるにつれて）、減圧時に十分な減圧吸収性能を発揮できるものの、外観の低下が顕著になった。これは、リブ幅Ｄ１が小さくなるにつれて、パネル部２５１においてラベルの支持部分が縮小されるため、リブ２５５と柱部２５２との間隔が大きくなり、胴部２１３に巻き付けられたラベルがパネル部２５１の底壁部２５３に向けて径方向の内側に移動し易くなったためと考えられる。具体的には、上記サンプル２１において、シュリンクラベルを装着した際の外観の低下は見られなかった。
　これに対して、パネル幅Ｄ２に対するリブ幅Ｄ１の割合が１０％未満とした場合には、装着されたシュリンクラベルに外観の低下が見られた。

　以上の結果から、パネル幅Ｄ２に対するリブ幅Ｄ１の割合を１０％以上３８．５％以下に設定することで、所望の減圧吸収性能を維持した上で、胴部２１３に巻き付けられるラベルに外観不良が発生するのを抑制できる。

　以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。

　例えば、パネル部２５１及び柱部２５２の数や配置等は、ボトル２０１に要求される強度や減圧吸収容量等を考慮して適宜設計変更が可能である。
　また、上述した実施形態では、肩部２１２、胴部２１３及び底部２１４のそれぞれの径方向に沿う横断面視形状を円形状としたが、これに限らず例えば、多角形状にする等適宜変更してもよい。
　さらに、上述した実施形態では、リブ２５５が側壁部２５４との間に全周に亘って隙間をあけて配設した場合について説明した。しかし、これに限らず、リブ２５５は、少なくとも縦側壁部２５４ａとの間に隙間をあけていれば構わない。

　また、上述した実施形態では、各底壁部２５３にそれぞれ一つのリブ２５５を配設した場合について説明した。しかし、これに限らず、リブ２５５を複数ずつ配設しても構わない。
　また、ボトル２０１を形成する合成樹脂材料は、例えばポリエチレンテレフタレートや、ポリエチレンナフタレート、非晶性ポリエステル等、またはこれらのブレンド材料等、適宜変更してもよい。
　さらに、ボトル２０１は単層構造体に限らず中間層を有する積層構造体としてもよい。この中間層としては、例えばガスバリア性を有する樹脂材料からなる層、再生材からなる層、若しくは酸素吸収性を有する樹脂材料からなる層等が挙げられる。

　その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、本実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記変形例を適宜組み合わせてもよい。

　本発明によれば、所望の減圧吸収性能を維持した上で、胴部に取り付けられるラベルに外観不良が発生するのを抑制できるボトルが得られる。

　１，２０１…ボトル
　１３，２１３…胴部
　１４，２１４…底部
　１８，２１８…接地部
　１９，２１９…底壁部
　２１，２２１…立ち上がり周壁部
　２２，２２２…可動壁部
　２３，２２３…陥没周壁部
　５１，２５１…パネル部
　５２，２５２…柱部
　５３，２５３…パネル底壁部
　５４，２５４…側壁部
　５４ａ，２５４ａ…縦側壁部
　５５，２５５…リブ
　５５ａ，２５５ａ…頂壁部
５５ｂ，２５５ｂ…周端壁部
　５６…隙間
　Ｄ１…リブ幅（リブの幅寸法）
　Ｄ２…パネル幅（パネルの幅寸法）
　Ｌ…仮想円
　Ｏ…ボトル軸

Claims (11)

1. 　筒状の胴部に、その径方向の内側に向けて窪むパネル部が周方向に間隔をあけて複数形成されるとともに、周方向で隣り合う前記パネル部同士の間に柱部を有するボトルであって、
   　前記パネル部は、径方向の内側に位置するパネル底壁部と、前記パネル底壁部の外周縁から径方向の外側に向けて延びる側壁部と、を有し、
   　前記パネル底壁部には、前記側壁部のうち、少なくとも周方向を向く縦側壁部との間に隙間をあけて径方向の外側に向けて突出するリブが形成されるボトル。
2. 　前記パネル部が、周方向に間隔をあけて４つ以上形成される請求項１に記載のボトル。
3. 　前記リブが、前記パネル底壁部におけるボトル軸方向の全長に亘って形成され、
   　前記リブは、径方向の外側に位置する頂壁部と、前記頂壁部における周方向の外端と前記パネル底壁部とを連結する周端壁部と、を備え、
   　前記径方向の横断面視において、前記リブの頂壁部の外面は、複数の前記柱部の前記径方向の外側に位置する頂部の外面同士を周方向に沿って結ぶ仮想円上に位置する請求項１または請求項２に記載のボトル。
4. 　前記縦側壁部における径方向の内端、及び前記リブの前記周端壁部における径方向の内端それぞれの径方向に沿う位置が互いに異なっている請求項１から請求項３のいずれか一項に記載のボトル。
5. 　前記周端壁部における径方向の内端は、前記縦側壁部における径方向の内端よりも径方向の内側に位置している請求項４に記載のボトル。
6. 　前記ボトルは、内容量が２８０ｍｌ以上１０００ｍｌ以下であり、
   　前記縦側壁部における径方向の内端と、前記リブの前記周端壁部における径方向の内端と、の径方向の距離が１．０ｍｍ以上２．０ｍｍ以下である請求項４または請求項５に記載のボトル。
7. 　前記径方向の横断面視において、前記リブ、及び前記柱部は、それぞれの周方向の中央を通る中心線に対して線対称に形成されている請求項１から請求項６のいずれか一項に記載のボトル。
8. 　前記径方向の横断面視において、前記リブの前記径方向の外側に位置する頂面が、前記各柱部の径方向の外側に位置する頂部同士を周方向に沿って結ぶ仮想円上に位置している請求項１または請求項２に記載のボトル。
9. 　前記リブの前記頂面の前記周方向に沿う幅寸法は、前記パネル部の前記周方向に沿う幅寸法の１０％以上３８．５％以下に設定されている請求項８に記載のボトル。
10. 　前記リブが、前記パネル底壁部におけるボトル軸方向の全長に亘って形成され、
    　前記胴部のうち、前記リブ及び前記柱部それぞれにおける周方向の大きさが、前記隙間の、径方向の外端開口部における周方向の大きさ以上である請求項１から請求項９のいずれか一項に記載のボトル。
11. 　前記ボトルは、前記胴部の下端に連なり前記胴部の下端開口部を閉塞する底部をさらに備え、
    　前記底部の底壁部は、
    　　外周縁部に位置する接地部と、
    　　前記接地部に径方向の内側から連なり上方に向けて延びる立ち上がり周壁部と、
    　　前記立ち上がり周壁部の上端部から径方向の内側に向けて突出する環状の可動壁部と、
    　　前記可動壁部の径方向の内端部から上方に向けて延びる陥没周壁部と、を備え、
    　前記可動壁部は、前記陥没周壁部を上下方向に移動させるように、前記立ち上がり周壁部との接続部分を中心に回動自在に配設されている請求項１から請求項１０のいずれか一項に記載のボトル。

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