JP2015072899A - 導電性ポリイミド多孔質膜及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本願発明は、導電性に優れ、且つ耐折曲げ性に優れたポリイミド多孔質膜を得る事が可能となった。本発明の導電性ポリイミド多孔膜は、微細炭素繊維を導電性付与成分として用いている為、高湿度環境下や酸性環境下等においても腐食の懸念無く利用可能である。また、本発明の導電性ポリイミド多孔質膜は簡便な方法で製造可能なため、安価に大面積の多孔質膜を製造することが可能である。
【解決手段】体積抵抗率が103Ω・cm以下であることを特徴とする導電性ポリイミド多孔質膜。
【選択図】なし
【解決手段】体積抵抗率が103Ω・cm以下であることを特徴とする導電性ポリイミド多孔質膜。
【選択図】なし
Description
本発明は、導電性ポリイミド多孔質膜及びその製造方法ならびにこれを用いたガス拡散層を有する燃料電池に関する。
ポリマー多孔質膜は、電池用セパレータや電解コンデンサ用隔膜用、集塵、精密濾過、膜分離など様々な用途に用いられている。特にポリイミド多孔質膜はポリイミド由来の耐熱性、力学特性、耐薬品性を有する事からその応用展開が期待されており、種々の方法での製造が検討されている。例えば、特許文献1には、ビフェニルテトラカルボン酸成分とジアミン成分とから得られるポリイミド前駆体ワニスキャストフィルムに多孔質フィルムを積層した後、非溶媒に浸漬することを特徴とするポリイミド多孔質膜の製造方法が開示されている。特許文献2は、ポリイミド前駆体0 .3〜60重量% と溶媒99 .7〜40重量%とからなる溶液をフィルム状に流延し、得られたポリイミド前駆体のフィルム状物に蒸気暴露する処理を行った後、凝固溶媒に浸漬もしくは接触させることを特徴とするポリイミド多孔質膜の製造方法が開示されている。また特許文献3には、ポリイミド前駆体と、アミド系溶媒と、アミド系溶媒より50℃以上高い沸点を有するエーテル系溶媒を含有するポリイミド前駆体溶液を基材上に流延し、加熱乾燥・発泡・イミド化させることを特徴とするポリイミド多孔質フィルムの製造方法が開示されている。
一方、導電性を有する多孔質材料としては、カーボンペーパー等の多孔質炭素シートが一般的に知られており、優れた導電性を示す事から電極用途や燃料電池用ガス拡散層等に用いられている。しかしながら、多孔質炭素シートはその主成分が剛直な炭素繊維からなる為、耐折曲げ性が悪く、またセパレータや電解質膜への炭素繊維の突き刺しによる不具合が生じる懸念がある。さらに、導電性を向上させる為に1000℃以上と非常に高温の熱処理を必要とする為、安価に製造することは難しい。柔軟性が付与可能なポリマー多孔質膜に導電性を付与する検討例としては、めっきによって導電性を付与する方法が特許文献4に開示されている。しかしながら、めっきによって形成された金属被膜は比較的剥離しやすく、また高湿度環境下や酸性環境下等では金属の腐食等の懸念もある為、電極用途や燃料電池用ガス拡散層用途には適用が困難な場合がある。その他の例として特許文献5に、フッ素系樹脂とカーボンブラックを用いて静電紡糸法により導電性ポリマー不織布からなるガス拡散シートを製造する方法が開示されている。しかしながらこの方法は、導電性を付与する為に多量のカーボンブラックを必要であることから不織布が脆くなる懸念がある。また静電紡糸法という特殊な手法を用いる為に安価に大量の自己支持多孔質体を得ることは難しい。
近年、導電性を付与する為のフィラーとして、カーボンナノチューブ等の微細炭素繊維が注目されている。カーボンナノチューブは、直径1μm以下の太さのチューブ状のカーボンであり、その特異な構造に基づく高い導電性、引張り強度、耐熱性などから各種用途へのさらなる利用拡大が期待されている。前記微細炭素繊維の特性を有効に活用するためには、微細炭素繊維が凝集する事なく、均一に分散していることが好ましい。しかしながら、一般的にカーボンナノチューブは、互いの凝集力(ファンデルワールス力)によって束状及び縄状のバンドルと呼ばれる凝集体や、成長過程にチューブ同士が絡まった凝集体として得られる為、これら凝集したナノチューブを解し、均一に分散させることが、実用上の重要な課題である。
ポリイミド多孔質膜と微細炭素繊維を複合化することで優れた導電性を示す膜が得られる事が期待されるが、その検討例は少ない。特許文献6には、有機多孔質膜に無機粒子を含有させる他材料複合化により、新たな又は高い機能性を発現できる無機微粒子含有多孔質膜が提案されているが、その具体的な特性については触れられておらず、特に導電性に関する具体的検討はなされていなかった。
本発明の目的は、導電性に優れた導電性ポリイミド多孔質膜を得ることが可能な新しい技術を提供することにある。
本発明者らは、微細炭素繊維の優れた導電性をポリイミド多孔質膜に付与する事で優れた導電性多孔質膜が得られる可能性に着目して鋭意研究を重ねた結果、体積抵抗率が103Ω・cm以下と非常に優れた導電性ポリイミド多孔質膜が得られる事を見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下の事項に関する。
即ち、本発明は、以下の事項に関する。
1.体積抵抗率が103Ω・cm以下であることを特徴とする導電性ポリイミド多孔質膜。
2.ガーレー値(通気抵抗)が、300秒/100cc以下であることを特徴とする前記項1に記載の導電性ポリイミド多孔質膜。
3.導電性付与成分として、微細炭素繊維を用いることを特徴とする前記項1又は前記項2に記載の導電性ポリイミド多孔質膜。
4.前記微細炭素繊維が、気相成長法炭素繊維、単層カーボンナノチューブ、複層カーボンナノチューブの少なくとも一つから選択されることを特徴とする前記項1〜3のいずれかに記載の導電性ポリイミド多孔質膜。
5.下記一般式(1)で示される反復単位からなるポリイミド前駆体と、前記微細炭素繊維を混合した微細炭素繊維分散ポリイミド前駆体溶液から得られることを特徴とする前記項1〜4のいずれかに記載の導電性ポリイミド多孔質膜。
6.一般式(1)中、Bで示される構造の一部に下記化学式(2)で示される構造を含むことを特徴とする前記項5に記載の導電性ポリイミド多孔質膜。
7.一般式(1)中、Aで示される構造の一部に下記化学式(3)及び又は化学式(4)で示される構造を含むことを特徴とする前記項5又は前記項6に記載の導電性ポリイミド多孔質膜。
8.レーザー回折/散乱法により測定されたメジアン径が5μm以下である微細炭素繊維分散液と前記ポリイミド前駆体を混合した微細炭素繊維分散ポリイミド前駆体溶液から得られる事を特徴とする前記項3〜7のいずれかに記載の導電性ポリイミド多孔質膜。
9.前記微細炭素繊維分散液が、ポリマー系分散剤を含むことを特徴とする、前記項8に記載の導電性ポリイミド多孔質膜。
10.前記ポリマー系分散剤が、セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリアミック酸塩のいずれか一種、若しくは二種以上の混合物又は共重合体であることを特徴とする前記項9に記載の導電性ポリイミド多孔質膜。
11.微細炭素繊維と、有機溶媒と、ポリマー系分散剤を混合し、湿式分散処理を施して得られたメジアン径が5μm以下である微細炭素繊維分散液とポリイミド前駆体を混合した微細炭素繊維分散ポリイミド前駆体溶液を用いて、相分離法を介して製造することを特徴とする、前記項1〜10のいずれかに記載の導電性ポリイミド多孔質膜の製造方法。
12.前記項1〜10のいずれかに記載の導電性ポリイミド多孔質膜を用いた燃料電池用ガス拡散層。
13.前記項12のガス拡散層を正極及び又は負極用いる事を特徴とする燃料電池。
14.前記項13に記載の燃料電池が固体高分子形燃料電池及び又は直接メタノール型燃料電池であることを特徴とする燃料電池。
本発明によって、導電性に優れ、且つ耐折曲げ性に優れたポリイミド多孔質膜を得る事が可能となった。本発明の導電性ポリイミド多孔質膜は、微細炭素繊維を導電性付与成分として用いている為、高湿度環境下や酸性環境下等においても腐食の懸念無く利用可能である。また、本発明の導電性ポリイミド多孔質膜は簡便な方法で製造可能なため、安価に大面積の多孔質膜を製造することが可能である。本発明の導電性ポリイミド多孔質膜は、優れた導電性に加え、ポリイミド由来の優れた耐熱性、力学特性、耐薬品性を有する為、正極及び又は負極のガス拡散層として用いる事で優れた特性の燃料電池を得ることが可能である。また、その他、特に各種耐性の求められる除電用途、電磁波シールド用途、電極用途、燃料電池用ガス拡散層用途等に好適に利用できる。
以下本発明を詳細に説明する。
<導電性ポリイミド多孔質膜の体積抵抗率>
本発明の導電性ポリイミド多孔質膜は、体積抵抗率が103Ω・cm以下であることを特徴とする。本発明における体積抵抗率とは、多孔質膜の中に存在する空孔の存在を無視して算出した体積抵抗率であり、本発明では具体的には4端子法を用いて表面抵抗率を測定し、下記の一般式(2)によって体積抵抗率に換算した値である。
体積抵抗率(Ω・cm)=表面抵抗率(Ω/□)×膜厚(cm) 一般式(2)
本発明の導電性ポリイミド多孔質膜は、体積抵抗率が103Ω・cm以下であれば、除電用途等で好適に使用可能であり、電磁波シールド用途、電極用途、燃料電池用ガス拡散層用途等に使用する場合は、101Ω・cm以下であることがより好ましい。特に燃料電池用ガス拡散層用途に用いる場合、厚み方向の導電性が重要になる。厚み方向の導電性は後述の方法で測定可能であるが、概ね100mΩ・cm2以下である事がより好ましくは50mΩ・cm2以下、特に好ましくは20mΩ・cm2以下である。
本発明の導電性ポリイミド多孔質膜は、体積抵抗率が103Ω・cm以下であることを特徴とする。本発明における体積抵抗率とは、多孔質膜の中に存在する空孔の存在を無視して算出した体積抵抗率であり、本発明では具体的には4端子法を用いて表面抵抗率を測定し、下記の一般式(2)によって体積抵抗率に換算した値である。
体積抵抗率(Ω・cm)=表面抵抗率(Ω/□)×膜厚(cm) 一般式(2)
本発明の導電性ポリイミド多孔質膜は、体積抵抗率が103Ω・cm以下であれば、除電用途等で好適に使用可能であり、電磁波シールド用途、電極用途、燃料電池用ガス拡散層用途等に使用する場合は、101Ω・cm以下であることがより好ましい。特に燃料電池用ガス拡散層用途に用いる場合、厚み方向の導電性が重要になる。厚み方向の導電性は後述の方法で測定可能であるが、概ね100mΩ・cm2以下である事がより好ましくは50mΩ・cm2以下、特に好ましくは20mΩ・cm2以下である。
本発明の導電性ポリイミド多孔質膜は、ガーレー値(通気抵抗)が、300秒/100cc以下であることが好ましい。ガーレー値が300秒/100cc以下であれば、通気性を求められる用途に好適に利用可能である。特に燃料電池用ガス拡散層等の高い通気性を必要とする用途の場合は、100秒/100cc以下であることがより好ましい。
本発明の導電性ポリイミド多孔質膜は、導電性付与成分として、微細炭素繊維を用いる。より具体的には、ポリイミド前駆体と、前記微細炭素繊維を混合した微細炭素繊維分散ポリイミド前駆体溶液から製造される。特に微細炭素繊維の分散性の観点から、レーザー回折/散乱法により測定されたメジアン径が5μm以下である微細炭素繊維分散液と、ポリイミド前駆体を混合した微細炭素繊維分散ポリイミド前駆体溶液から製造されることが好ましい。以下、ポリイミド前駆体及び微細炭素繊維分散液について詳細に説明する。
<ポリイミド前駆体>
本発明で用いるポリイミド前駆体は、前記一般式(1)で示される反復単位からなり、式中、Bはテトラカルボン酸成分に起因する4価のユニットである。また、Aはジアミン成分に起因する2価のユニットである。ポリイミド前駆体を構成するユニットについて以下に詳述する。
本発明で用いるポリイミド前駆体は、前記一般式(1)で示される反復単位からなり、式中、Bはテトラカルボン酸成分に起因する4価のユニットである。また、Aはジアミン成分に起因する2価のユニットである。ポリイミド前駆体を構成するユニットについて以下に詳述する。
ユニットBは、テトラカルボン酸成分に起因する4価のユニットである。テトラカルボン酸成分はポリイミド前駆体を重合可能な範囲で特に限定されないが例えば、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(s−BPDA)、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(a−BPDA)、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(i−BPDA)、ピロメリット酸二無水物(PMDA)、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2、2‐ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物(NTDA)、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物(6FDA)、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物及びその混合物が挙げられる。その中でも特にs−BPDA、a−BPDAが重合性及び得られるポリイミド多孔質膜の耐熱性、耐薬品性、力学特性の観点から好ましい。
ユニットAは、ジアミン成分に起因する2価のユニットである。ジアミン成分はポリイミド前駆体を重合可能な範囲で特に限定されないが例えば、p−フェニレンジアミン(PPD)、m−フェニレンジアミン(MPD)などのフェニレンジアミン類、3,5−ジアミノ安息香酸などのジアミノ安息香酸類、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジメトキシ−ジアミノジフェニルエーテルなどのジアミノジフェニルエーテル類、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノビフェニルメタン、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノビフェニルメタン、2,2’−ジフルオロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノジフェニルメタンなどのジアミノジフェニルメタン類、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、2,2−(3,4'−ジアミノジフェニル)プロパンなどのジアミノジフェニルプロパン類、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパンなどのビス(アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン類、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホンなどのジアミノジフェニルスルホン類、3,7−ジアミノ−2,8−ジメチル−ジベンゾチオフェン、2,8−ジアミノ−3,7−ジメチル−ジベンゾチオフェン、3,7−ジアミノ−2,6−ジメチル−ジベンゾチオフェンなどのジアミノジベンゾチオフェン類、3,7−ジアミノ−2,8−ジメチル−ジフェニレンスルフォン、3,7−ジアミノ−2,8−ジエチル−ジフェニレンスルフォン、3,7−ジアミノ−2,8−ジメトキシ−ジフェニレンスルフォン、2,8−ジアミノ−3,7−ジメチル−ジフェニレンスルフォンなどのジアミノジフェニレンスルフォン類(後述のジアミノジベンゾチオフェン=5,5−ジオキシド類に同じ)、4,4’−ジアミノビベンジル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジメチルビベンジルなどのジアミノビベンジル類、0−ジアニシジン、0−トリジン、m−トリジンなどのジアミノビフェニル類、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノンなどのジアミノベンゾフェノン類、2,2’,5,5’−テトラクロロベンジジン、3,3’,5,5’−テトラクロロベンジジン、3,3’−ジクロロベンジジン、2,2’−ジクロロベンジジン、2,2’,3,3’,5,5’−ヘキサクロロベンジジン、2,2',5,5’−テトラブロモベンジジン、3,3’,5,5’−テトラブロモベンジジン、3,3’−ジブロモベンジジン、2,2’−ジブロモベンジジン、2,2’,3,3’,5,5’−ヘキサクロロベンジジンなどのジアミノベンジジン類、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE−Q)、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE−R)などのビス(アミノフェノキシ)ベンゼン類、1,4−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェニル)ベンゼンなどのジ(アミノフェニル)ベンゼン類、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパンなどのビス〔(アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン類、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロプロパンなどのビス〔(アミノフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロプロパン類、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホンなどのジ〔(アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン類、4,4’−ビス(4−アミノフェニル)ビフェニルなどのジ(アミノフェニル)ビフェニル類、5(6)−アミノ−2−(4−アミノフェニル)−ベンゾイミダゾール(DAPBI)などのジアミノベンゾアゾール類及びその混合物が挙げられる。その中でも特にODA、TPE−Q、TPE−Rが重合性及び得られるポリイミド多孔質膜の耐熱性、耐薬品性、力学特性の観点から好ましい。その他、脂環族ジアミンとして、イソホロンジアミン、シクロヘキサンジアミンなどを、重合性を妨げない範囲で適宜利用できる。
<微細炭素繊維分散液>
本発明の微細炭素繊維分散液は、微細炭素繊維と溶媒からなる。
本発明の微細炭素繊維分散液は、微細炭素繊維と溶媒からなる。
<微細炭素繊維>
本発明で用いる微細炭素繊維は、用途に応じて使い分けられ、特に限定されないが、具体的には、気相成長法炭素繊維、単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブのことを示す。
本発明で用いる微細炭素繊維は、用途に応じて使い分けられ、特に限定されないが、具体的には、気相成長法炭素繊維、単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブのことを示す。
微細炭素繊維の製造方法としては、特に制限されるものではなく、触媒を用いる熱分解法、アーク放電法、レーザー蒸発法、及びHiPco法、CoMoCAT法等のCVD法等、従来公知のいずれの製造方法を採用しても構わない。また、試薬として販売されている単層カーボンナノチューブや市販の多層カーボンナノチューブを用いる事も出来る。市販の多層カーボンナノチューブの例としては、BN−1100(ハイペリオン・キャタリシス・インターナショナル社製)、NC7000(ナノシル社製)、C100(アルケマ社製)、VGCF(登録商標)−X(昭和電工社製)、Flotube9000(シーナノテクノロジー社製)、AMC(登録商標)(宇部興産社製)等を挙げる事が出来る。
本発明の微細炭素繊維分散液において、微細炭素繊維の配合量は、微細炭素繊維が均一に分散している限り特に限定されるものではない。例えば微細炭素繊維として単層カーボンナノチューブを用いる場合においては、溶媒の重量に対して0.005wt%〜1wt%までの範囲で適宜選択される。また、微細炭素繊維として多層カーボンナノチューブや気相成長法炭素繊維を用いる場合は0.005wt%〜20wt%までの範囲で適宜選択される。微細炭素繊維の濃度が20wt%を超える場合は分散液の粘度が高すぎるため、後述の分散処理が困難となる。本発明では実用上の観点から多層カーボンナノチューブを用いる事が特に好ましく、また、優れた導電性付与の観点から0.5wt〜20wt%の範囲で調整する事が特に好ましい。
本発明の微細炭素繊維分散液の溶媒としては、前記のポリイミド前駆体を溶解するものであれば特に限定されず、任意の有機溶媒を用いることができるが、具体的にはN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N−エチル−2−ピロリドン(NEP)、ピリジン、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)等を挙げる事が出来る。これら有機溶媒は、それぞれ単体で用いてもよいし、二種以上の混合物として用いても構わない。
本発明の微細炭素繊維分散液は、導電性に優れたポリイミド多孔質膜を製造する為に微細炭素繊維が溶媒中に均一に分散している必要がある。微細炭素繊維を溶媒中に均一に分散させる方法は特に限定されず、公知の手法を用いる事が可能であり、例えば微細炭素繊維を化学的又は物理的に処理し、表面に官能基を付与する方法や、分散剤を用いる方法が利用できる。本発明では、実用上の観点から、分散剤を用いる方法が特に好ましい。
微細炭素繊維を分散させる為の分散剤としては、前記のポリイミド前駆体と混合した際に明確な凝集を生じないものであれば特に限定されず、公知のものを利用できる。微細炭素繊維を分散させる分散剤としては、例えば、ポリマー系分散剤、アニオン性分散剤、カチオン性分散剤、両性分散剤、非イオン性分散剤を挙げることができる。
本発明で用いるポリマー系分散剤は、それ自体が微細炭素繊維の分散剤として機能し、前記のポリイミド前駆体と混合した際に明確な凝集を生じないものであれば特に限定されないが、具体的にはセルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリアミック酸塩等が挙げられる。これらポリマー系分散剤は、それぞれ単体で用いてもよいし、二種以上の混合物として用いても構わない。これらのポリマーは、分散媒中で微細炭素繊維に吸着して被覆し、ポリマー分子鎖同士の立体反発によって分散安定化していると考えられており、本発明で多層カーボンナノチューブを用いて高濃度に分散させる際には特に好ましい。
本発明で用いるセルロース誘導体としては、微細炭素繊維を有機溶媒中に分散安定化できるものであれば特に限定されないが、具体的にはメチルセルロース、プロポキシメチルセルロース、エチルセルロース等が挙げられ、それぞれ単体で用いてもよいし、二種以上の混合物として用いても構わない。
本発明で用いるポリビニルアセタールとしては、微細炭素繊維を分散安定化できるものであれば特に限定されないが、具体的にはポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール及びその混合物が挙げられる。
本発明で用いるポリマー系分散剤の分子量は、微細炭素繊維を分散安定化できる範囲で特に限定されず、分散剤の種類によっても異なるが、通常重量平均分子量が5000〜100000程度であれば好適に分散できる。高濃度で粘度の低い分散液を得る場合は、重量平均分子量が8000〜50000であることが特に好ましい。
本発明で用いるポリマー系分散剤の添加量は、微細炭素繊維の配合量、分散剤の種類に応じて適宜定めることができるが、一般には微細炭素繊維の重量に対して10%以上、分散させる溶媒の重量に対して20%以下であれば、微細炭素繊維を十分に分散させることができる。微細炭素繊維の重量に対して10%以下であると、微細炭素繊維表面に吸着して分散剤として働く分散剤の量が不足するために、一部の微細炭素繊維は凝集して多くの沈殿物が生じたり、分散液の粘度が非常に高くなって機械的分散処理が出来なったりする危険性がある。また、分散媒の重量に対して20%以上であると、分散剤の分散媒中での分子運動が困難になるために、微細炭素繊維表面に十分な量の分散剤が吸着することが困難となり、分散剤溶液の粘度が高すぎて後述する機械的分散処理が困難となる。
本発明では、ポリマー系分散剤に加えて、必要に応じてpKaが7.5以上である塩基性化合物を加える事ができる。塩基性化合物を加える事で、微細炭素繊維の分散性を向上させ、高濃度であっても粘度及びチキソ性が低い微細炭素繊維分散液が得られる場合がある。塩基性化合物はpKaが7.5以上であれば特に限定はされないが、1〜3級アミノ基を有する含窒素有機化合物や、金属塩である事が好ましい。
本発明において、前記のポリマー系分散剤以外に、アニオン性分散剤、カチオン性分散剤、両性分散剤、非イオン性分散剤などの公知の分散剤を併用する事もできる。これらは、単体で用いても良いし、前記のポリマー系分散剤に加えて用いても良い。
アニオン性分散剤の例としては、芳香族スルホン酸系界面活性剤(ドデシルベンゼンスルホン酸等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、ドデシルフェニルエーテルスルホン酸塩等)、モノソープ系アニオン性界面活性剤、エーテルサルフェート系界面活性剤、フォスフェート系界面活性剤、カルボン酸系界面活性剤などが挙げられる。また、コール酸、オレイン酸などや、アルギン酸、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸なども好適に使用できる。シクロデキストリンなどはアニオン性官能基で修飾することによって使用することが可能である。エステル基を有するポリマー、オリゴマーのエステル部分を加水分解してアニオン性官能基に変換して使用することも可能である。
カチオン性分散剤の例としては、第4級アルキルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、アルキルアミン塩等のカチオン性界面活性剤、ポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン、ポリビニルピリジン、ポリアクリルアミド等のカチオン性基を有する化合物が挙げられる。
両性分散剤の例としては、アルキルベタイン系界面活性剤(ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、プロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン)、スルホベタイン系界面活性剤、アミンオキサイド系界面活性剤などが挙げられる。
非イオン性分散剤としては、エーテル系(ポリオキシエチレン、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル等)およびエステル系(ポリオキシエチレンオレエート、ポリオキシエチレンジステアレート、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレート等)、ソルビトールおよびグリセリン等の多価アルコール脂肪酸のアルキルエーテルおよびアルキルエステル、アミノアルコール脂肪酸アミド等の界面活性剤が挙げられる。
<微細炭素繊維の分散>
本発明の微細炭素繊維分散液は、微細炭素繊維が有機溶媒中に均一に分散している事が重要である。具体的には、レーザー回折/散乱法により測定されたメジアン径が5μm以下、より好ましくは3μm以下、さらに好ましくは2μm以下であれば、実質的に微細炭素繊維が分散液中に均一に分散され、優れた導電性を示す導電性ポリマー多孔質膜を製造する事が可能となる。レーザー回折/散乱法によるメジアン径の測定にはレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置が用いられ、具体的には堀場製作所製LAシリーズや、Malvern Instruments Ltd製マスターサイザー、島津製作所製SALDシリーズ、日機装製マイクロトラックシリーズ等が挙げられる。本発明では堀場製作所製レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置LA−950V2を用いISO13320に準拠した測定を行った。
た。
本発明の微細炭素繊維分散液は、微細炭素繊維が有機溶媒中に均一に分散している事が重要である。具体的には、レーザー回折/散乱法により測定されたメジアン径が5μm以下、より好ましくは3μm以下、さらに好ましくは2μm以下であれば、実質的に微細炭素繊維が分散液中に均一に分散され、優れた導電性を示す導電性ポリマー多孔質膜を製造する事が可能となる。レーザー回折/散乱法によるメジアン径の測定にはレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置が用いられ、具体的には堀場製作所製LAシリーズや、Malvern Instruments Ltd製マスターサイザー、島津製作所製SALDシリーズ、日機装製マイクロトラックシリーズ等が挙げられる。本発明では堀場製作所製レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置LA−950V2を用いISO13320に準拠した測定を行った。
た。
微細炭素繊維を溶媒中に分散させる為の機械的分散処理の方法は特に限定されないが、湿式分散処理を用いる事が好ましい。具体的には、有機溶媒にポリマー系分散剤を溶解した溶液に、微細炭素繊維を投入し、超音波処理や、攪拌方法といった湿式分散処理を行うことによって微細炭素繊維が均一に分散した分散液を得る事が出来る。
超音波処理としてはバス型やプローブ型のソニケータを用いることができる。攪拌方法としては、ホモミキサー、ホモジナイザーのような高速攪拌やアトライター、ビーズミル、サンドミル、遊星ミル等のメディア型湿式分散装置や、湿式ジェットミル等の攪拌方法を使用することができる。微細炭素繊維を1重量%以下の低濃度に分散させる場合は、特に超音波処理が好適である。超音波処理の処理時間は、用いる微細炭素繊維、分散剤、有機溶媒の種類及び添加量によって適宜決められ、微細炭素繊維のメジアン径が5μm以下になるまで分散処理を続ければ良いが、概ね10分〜5時間の処理が好ましく、10分〜3時間の処理がより好ましい。また、微細炭素繊維を1重量%以上の高濃度に分散させる場合は、アトライター、ビーズミル、サンドミル、遊星ミル等のメディア型湿式分散装置や、湿式ジェットミルによる処理が特に好適である。メディア型湿式分散装置による処理時間は処理方法や用いる微細炭素繊維、分散剤、有機溶媒の種類及び添加量によって適宜決められ、微細炭素繊維のメジアン径が5μm以下になるまで分散処理を続ければ良いが、概ね30分〜50時間の処理が好ましい。処理時間が短すぎると微細炭素繊維の分散が不十分となる恐れがある。また処理時間が長すぎると過度のエネルギーにより微細炭素繊維を傷付ける恐れがある。
本発明の微細炭素繊維分散液の粘度は特に限定されるものではないが、分散性を保つ範囲でなるべく低い方が応用の観点から好ましく、回転粘度が50〜1000mPa・sであることが好ましく、500mPa・s以下であることが特に好ましい。分散液の粘度が高すぎる場合、前記のポリイミド前駆体との混合が困難になる場合がある。
<微細炭素繊維分散ポリイミド前駆体溶液>
本発明における微細炭素繊維分散ポリイミド前駆体溶液は、前記のポリイミド前駆体と、メジアン径が5μm以下の微細炭素繊維分散液を混合する事で得られる。混合する手法はポリイミド前駆体と、微細炭素繊維分散液が均一に混合できる範囲で特に限定されない。例えば、予め溶媒中に略等モルの芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンを添加して重合したポリイミド前駆体溶液と、微細炭素繊維分散液を混合する方法が挙げられる。また、微細炭素繊維分散液中に略等モルの芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンを添加して微細炭素繊維の存在下でポリイミド前駆体を重合する方法も好適に利用できる。分散性向上の観点から後者の方法がより好ましい。
本発明における微細炭素繊維分散ポリイミド前駆体溶液は、前記のポリイミド前駆体と、メジアン径が5μm以下の微細炭素繊維分散液を混合する事で得られる。混合する手法はポリイミド前駆体と、微細炭素繊維分散液が均一に混合できる範囲で特に限定されない。例えば、予め溶媒中に略等モルの芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンを添加して重合したポリイミド前駆体溶液と、微細炭素繊維分散液を混合する方法が挙げられる。また、微細炭素繊維分散液中に略等モルの芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンを添加して微細炭素繊維の存在下でポリイミド前駆体を重合する方法も好適に利用できる。分散性向上の観点から後者の方法がより好ましい。
なお、必要に応じてイミド化触媒、有機リン含有化合物などを加えてもよい。イミド化触媒としては、置換もしくは非置換の含窒素複素環化合物、該含窒素複素環化合物のN−オキシド化合物、置換もしくは非置換のアミノ酸化合物、ヒドロキシル基を有する芳香族炭化水素化合物または芳香族複素環状化合物が挙げられ、特に1,2−ジメチルイミダゾール、N−メチルイミダゾール、N−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、5−メチルベンズイミダゾールなどの低級アルキルイミダゾール、N−ベンジル−2−メチルイミダゾールなどのベンズイミダゾール、イソキノリン、3,5−ジメチルピリジン、3,4−ジメチルピリジン、2,5−ジメチルピリジン、2,4−ジメチルピリジン、4−n−プロピルピリジンなどの置換ピリジンなどを好適に使用することができる。イミド化触媒の使用量は、ポリアミド酸のアミド酸単位に対して0.01−2倍当量、特に0.02−1倍当量程度であることが好ましい。イミド化触媒を使用することによって、後述の自己支持膜の強度が向上したり、また得られるポリイミド多孔質膜の強度が向上したりすることがある。
有機リン含有化合物としては、例えば、モノカプロイルリン酸エステル、モノオクチルリン酸エステル、モノラウリルリン酸エステル、モノミリスチルリン酸エステル、モノセチルリン酸エステル、モノステアリルリン酸エステル、トリエチレングリコールモノトリデシルエーテルのモノリン酸エステル、テトラエチレングリコールモノラウリルエーテルのモノリン酸エステル、ジエチレングリコールモノステアリルエーテルのモノリン酸エステル、ジカプロイルリン酸エステル、ジオクチルリン酸エステル、ジカプリルリン酸エステル、ジラウリルリン酸エステル、ジミリスチルリン酸エステル、ジセチルリン酸エステル、ジステアリルリン酸エステル、テトラエチレングリコールモノネオペンチルエーテルのジリン酸エステル、トリエチレングリコールモノトリデシルエーテルのジリン酸エステル、テトラエチレングリコールモノラウリルエーテルのジリン酸エステル、ジエチレングリコールモノステアリルエーテルのジリン酸エステル等のリン酸エステルや、これらリン酸エステルのアミン塩が挙げられる。
微細炭素繊維分散ポリイミド前駆体溶液中のポリイミド前駆体の濃度は、通常1〜50wt%、好ましくは5〜30wt%である。1wt%未満では、得られる多孔質膜の強度が低下するので好ましくなく、50wt%を超えると有機溶媒中へのポリイミド前駆体の溶解が難しくなる。
微細炭素繊維分散ポリイミド前駆体溶液中の微細炭素繊維の含有量は、所望する多孔質膜の導電性及び用いる微細炭素繊維の種類によって決定されるが、例えば多層カーボンナノチューブを用いる場合、溶液中の全固形分に対して固形分で2〜50wt%、より好ましくは4〜30wt%であれば導電性に優れ且つ自己支持性を有する多孔質膜が得られる。2wt%未満では、多孔質膜中の微細炭素繊維の量が不足し、優れた導電性を達成する事が困難となり、50wt%を超えると得られる多孔質膜の強度が低下し、自己支持性を示す多孔質膜を得る事が困難となる。なお、微細炭素繊維として単層カーボンナノチューブを用いる場合は、2wt%以下でも優れた導電性を達成出来る場合がある。
微細炭素繊維分散ポリイミド前駆体溶液の溶液粘度は、1Pa・s〜3000Pa・s、好ましくは5Pa・s〜1000Pa・s、特に好ましくは10Pa・s〜500Pa・sである。溶液粘度が3000Pa・sを越えると後述する多孔質膜形成の際に基板上に流延し、膜厚を均一に調整するのが困難になり、且つ相分離法を利用した際の溶媒置換速度の制御が難しくなって孔径、空孔率、孔形状などの多孔質特性を均質に制御することが困難になるので適当ではない。溶液粘度が1Pa・s未満では流延膜としての形状を保持できなくなり厚みムラが生じ易くなるのでるので適当ではない。
<多孔質膜の製造方法>
本発明において、微細炭素繊維分散ポリイミド前駆体溶液から多孔質膜を製造する方法は特に限定されず、相分離法、抽出法、延伸法、発泡法、電界紡糸法等が挙げられるが、本発明では、特に相分離法が好適に利用できる。相分離法としては、具体的には非溶媒誘起法(NIPS法)や蒸気(ミスト)誘起法(VIPS法)、熱誘起法(TIPS法)等が挙げられ、目的の多孔質膜の構造に応じて適宜使い分けることが出来る。
本発明において、微細炭素繊維分散ポリイミド前駆体溶液から多孔質膜を製造する方法は特に限定されず、相分離法、抽出法、延伸法、発泡法、電界紡糸法等が挙げられるが、本発明では、特に相分離法が好適に利用できる。相分離法としては、具体的には非溶媒誘起法(NIPS法)や蒸気(ミスト)誘起法(VIPS法)、熱誘起法(TIPS法)等が挙げられ、目的の多孔質膜の構造に応じて適宜使い分けることが出来る。
以下、相分離法を介した多孔質膜の製造方法について、それぞれ具体的に説明する。
<非溶媒誘起法>
まず、微細炭素繊維分散ポリイミド前駆体溶液を支持体上にフィルム状に流延する。流延方法は特に限定されず、ブレードやTダイなどを用いてガラス板やステンレス板等の上に流延する方法や、連続可動式のドラムやベルト上に連続的に流延して長尺状の流延物を得る方法等を用いる事ができる。次に流延物を凝固溶媒に浸漬又は接触させることで相分離を誘起し、ポリイミド前駆体を析出させて多孔化を行う事で、微細炭素繊維分散ポリイミド前駆体の多孔質膜を作製する。得られた多孔質膜を支持体上から剥離し(自己支持膜)、必要に応じて洗浄及び/又は乾燥を行う。
まず、微細炭素繊維分散ポリイミド前駆体溶液を支持体上にフィルム状に流延する。流延方法は特に限定されず、ブレードやTダイなどを用いてガラス板やステンレス板等の上に流延する方法や、連続可動式のドラムやベルト上に連続的に流延して長尺状の流延物を得る方法等を用いる事ができる。次に流延物を凝固溶媒に浸漬又は接触させることで相分離を誘起し、ポリイミド前駆体を析出させて多孔化を行う事で、微細炭素繊維分散ポリイミド前駆体の多孔質膜を作製する。得られた多孔質膜を支持体上から剥離し(自己支持膜)、必要に応じて洗浄及び/又は乾燥を行う。
凝固溶媒は、ポリイミド前駆体を実質的に溶解せずに凝固可能なものであれば特に限定されないが、実用上の観点から水を主成分とすることが好ましい。また、必要に応じてアルコール類やアセトン等の極性有機溶媒や、凝固速度をコントロールする為に、微細炭素繊維分散ポリイミド前駆体溶液の溶媒を加えても良い。
次に、得られた微細炭素繊維分散ポリイミド前駆体の多孔質膜をイミド化して導電性ポリイミド多孔質膜を製造する。イミド化の方法としては、熱イミド化処理、化学イミド化処理等を挙げることができるが、本発明では熱イミド化処理が特に好適に用いられる。熱イミド化処理は、例えば、ポリイミド前駆体の多孔質膜を、ピン、チャック若しくはピンチロールなどを用いて熱収縮により平滑性が損なわれないように支持体に固定し、大気中又は不活性雰囲気中にて加熱することにより行うことができる。反応条件は、例えば280〜600℃、好ましくは350〜550℃の加熱温度で、2〜120分間、好ましくは3〜90分間、さらに好ましくは5〜60分の加熱時間から適宜選択して行うことが好ましい。
なお、この方法では一般的にマクロボイドを多く有し、キャスト時の大気側表面にスキン層を有する多孔質膜が得られるが、気体等の物質透過性を向上させる場合は、イミド化反応が顕著に起こる200℃以上の温度域における昇温速度を、120℃〜200℃/分程度にする事で、表面開口率が向上し、物質透過性の高い多孔質膜を得る事が出来る。
<蒸気(ミスト)誘起法>
支持体上に流延した流延物をポリイミド前駆体の非溶媒の蒸気又はミストに接触させる事で相分離を誘起し、ポリイミド前駆体を析出させて多孔化を行う事で、微細炭素繊維分散ポリイミド前駆体の多孔質膜を作製することができる。用いる蒸気又はミストは、用いるポリマーの非溶媒からなる物であれば特に限定されないが、実用上の観点から水を主成分とする事が好ましい。必要に応じてさらに凝固溶媒に浸漬又は接触させて、ポリイミド前駆体の凝固を完了させる事ができる。得られた多孔質膜を支持体上から剥離し(自己支持膜)、必要に応じて洗浄及び/又は乾燥を行う。得られた微細炭素繊維分散ポリイミド前駆体の多孔質膜のイミド化は、前記と同様の方法を用いる事ができる。
支持体上に流延した流延物をポリイミド前駆体の非溶媒の蒸気又はミストに接触させる事で相分離を誘起し、ポリイミド前駆体を析出させて多孔化を行う事で、微細炭素繊維分散ポリイミド前駆体の多孔質膜を作製することができる。用いる蒸気又はミストは、用いるポリマーの非溶媒からなる物であれば特に限定されないが、実用上の観点から水を主成分とする事が好ましい。必要に応じてさらに凝固溶媒に浸漬又は接触させて、ポリイミド前駆体の凝固を完了させる事ができる。得られた多孔質膜を支持体上から剥離し(自己支持膜)、必要に応じて洗浄及び/又は乾燥を行う。得られた微細炭素繊維分散ポリイミド前駆体の多孔質膜のイミド化は、前記と同様の方法を用いる事ができる。
なお、この方法では、前記の非溶媒誘起法と比較して流延物中の良溶媒が非溶媒に置換される速度が遅くなる為、表面にスキン層が形成されず、平均細孔径が比較的小さい多孔質膜が得られる。また、蒸気の代わりにミストを用いる事で、蒸気を用いるより短時間で流延した溶液に均一に非溶媒を含ませて、相分離を誘起させる事ができる。
<熱誘起相分離法(ドライキャスト法)>
まず、微細炭素繊維分散ポリイミド前駆体溶液に、主溶媒よりも沸点が高い非溶媒を、ポリイミド前駆体が相分離しない程度に添加して均一に混合する。この溶液を支持体上に流延し、加熱することで沸点が低い主溶媒(ポリイミド前駆体の良溶媒)が相対的に早く蒸発する事で相分離が誘起され、多孔質膜を作製することが出来る。
まず、微細炭素繊維分散ポリイミド前駆体溶液に、主溶媒よりも沸点が高い非溶媒を、ポリイミド前駆体が相分離しない程度に添加して均一に混合する。この溶液を支持体上に流延し、加熱することで沸点が低い主溶媒(ポリイミド前駆体の良溶媒)が相対的に早く蒸発する事で相分離が誘起され、多孔質膜を作製することが出来る。
ポリイミド前駆体溶液の良溶媒及び添加する非溶媒は、相分離が誘起できる範囲で特に限定されないが、一般的には良溶媒と非溶媒の沸点差が20℃以上あれば、多孔質膜を製造することが可能である。良溶媒としては、比較的沸点の低いアミド系有機溶媒が好ましく、具体的にはDMAcやDMFを用いる事ができ、非溶媒にはトリエチレングリコールジメチルエーテルや、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等の高沸点エーテル系溶媒等を好適に用いる事ができる。必要に応じてさらに凝固溶媒に浸漬又は接触させて、ポリイミド前駆体の凝固を完了させる事ができる。得られた多孔質膜を支持体上から剥離し(自己支持膜)、必要に応じて洗浄及び/又は乾燥を行う。得られた微細炭素繊維分散ポリイミド前駆体の多孔質膜のイミド化は、前記と同様の方法を用いる事ができる。
<燃料電池用ガス拡散層及び燃料電池>
本発明の導電性ポリイミド多孔質膜は、燃料電池用ガス拡散層(GDL:Gas Diffusion Layer)として好適に用いる事が出来る。本発明の導電性ポリイミド多孔質膜をGDLとして用いて固体電解質膜―電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)を形成する方法は特に限定されないが、CCM法又はGDE法等が好適に利用される。CCM法では、予め電解質膜両面上に触媒層を形成(Catalyst Coated Membrane)し、その後GDLで挟んでホットプレス等により接合することでMEAを形成する方法である。電解質膜上に触媒層を形成する方法は特に限定されず、例えば触媒インクを用いてウェットコーティングやスプレー塗布、PTFE上に触媒層を形成後にホットプレスにより転写する方法等を用いる事が出来る。
本発明の導電性ポリイミド多孔質膜は、燃料電池用ガス拡散層(GDL:Gas Diffusion Layer)として好適に用いる事が出来る。本発明の導電性ポリイミド多孔質膜をGDLとして用いて固体電解質膜―電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)を形成する方法は特に限定されないが、CCM法又はGDE法等が好適に利用される。CCM法では、予め電解質膜両面上に触媒層を形成(Catalyst Coated Membrane)し、その後GDLで挟んでホットプレス等により接合することでMEAを形成する方法である。電解質膜上に触媒層を形成する方法は特に限定されず、例えば触媒インクを用いてウェットコーティングやスプレー塗布、PTFE上に触媒層を形成後にホットプレスにより転写する方法等を用いる事が出来る。
GDE法では、予めGDL上に触媒層を形成し、GDE(Gas Diffusion Electrode)を作成後、2枚のGDE間に電解質膜を挟んでホットプレス等により接合する事でMEAを形成することが出来る。GDL上に触媒層を形成する方法は特に限定されず、例えば触媒インクを用いてウェットコーティングやスプレー塗布等の方法を用いる事が出来る。なお、本発明で用いる触媒及び電解質膜は特に限定されず、求められう性能や燃料種等により公知のものから好適に選択できる。
本発明の導電性ポリイミド多孔質膜をGDLとして用いる場合、必要に応じて撥水処理を行ったり、水分管理層(MPL:Micro Porous Layer)を形成したりすることがより好ましい。撥水処理を行う事や、MPLを形成することで、加湿した燃料内の水分及び発電によって正極側で酸素の還元により発生する水を好適に排出し、フラッディングによる性能低下を抑制する事が可能となる。撥水処理の方法は特に限定されず、公知の手法を用いる事が出来る。具体的にはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)ディスパージョンや、市販の撥水剤(3M社製ノベック等)の塗布又は浸漬等により達成される。MPLを形成する場合もPTFEとカーボンブラックの混合インク等の塗布等、公知の手法により形成することが出来る。
本発明の導電性ポリイミド多孔質膜をGDLとして用いたMEAは、一般的に固体高分子形燃料電池や、直接メタノール型燃料電池と呼ばれる燃料電池として好適に利用できる。正極及び負極の燃料は特に限定されず、例えば正極には空気又は酸素、負極には水素又はメタノール等を好適に用いる事が出来る。
本発明の導電性ポリイミド多孔質膜は、簡便な方法で製造可能であり、安価に大面積の多孔質膜を製造出来る。そのため、価格が比較的高いカーボンペーパーの代わりにGDLとして用いることで、部材コストの低減が可能となる。また、カーボンペーパーと比較して耐折曲性が非常に優れる為、実製造上の歩留まり向上や長期運転時の耐久性向上を図ることも可能と考えられる。さらに近年の電解質膜の薄膜化に伴い、カーボンペーパーを構成する太く硬い炭素繊維が電解質膜を突き刺し、クロスリークや微小短絡を生じる事が懸念されているが、本発明の導電性ポリイミド多孔質膜は微細炭素繊維を用いている為に電解質膜を突き刺す懸念が小さく、電解質膜の薄膜化による性能向上にも寄与する事が出来る可能性がある。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下の例で用いた微細炭素繊維、アセチレンブラック、ポリマー系分散剤、塩基性化合物、有機溶媒、酸二無水物及びジアミンは以下のとおりである。
多層カーボンナノチューブ(MWNT):宇部興産株式会社製 AMC(登録商標)
アセチレンブラック(AB):Strem Chemicals社製
メチルセルロース(MC):信越化学株式会社製SM−4
ポリビニルアルコール(PVA):和光純薬工業試薬#500
ポリビニルピロリドン(PVP):BASF社製Kollidon25
トリエチルアミン(TEA)
1,2−ジメチルイミダゾール(1,2−DMz)
1−メチル−2−ピロリドン(NMP)
N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)
ジエチレングリコールブチルメチルエーテル(BDM)
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(s−BPDA)
4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)
1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE−Q)
多層カーボンナノチューブ(MWNT):宇部興産株式会社製 AMC(登録商標)
アセチレンブラック(AB):Strem Chemicals社製
メチルセルロース(MC):信越化学株式会社製SM−4
ポリビニルアルコール(PVA):和光純薬工業試薬#500
ポリビニルピロリドン(PVP):BASF社製Kollidon25
トリエチルアミン(TEA)
1,2−ジメチルイミダゾール(1,2−DMz)
1−メチル−2−ピロリドン(NMP)
N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)
ジエチレングリコールブチルメチルエーテル(BDM)
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(s−BPDA)
4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)
1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE−Q)
以下の例で用いた特性の測定方法、及びミスト誘起法による多孔質膜製造に用いたミストの条件を以下に示す。
〔分散液中の微細炭素繊維のメジアン径測定及び分散性の評価〕
得られた微細炭素繊維分散液の微細炭素繊維の粒径をレーザー回折/散乱法により測定した。測定は堀場製作所製レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置LA−950V2を用いて、体積基準50%径(メジアン径(D50))を評価の指標とした。分散性の評価としては、光学顕微鏡(200倍)を用いて目視で凝集塊が確認されないものを○、凝集塊が確認されるものを×とした。
得られた微細炭素繊維分散液の微細炭素繊維の粒径をレーザー回折/散乱法により測定した。測定は堀場製作所製レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置LA−950V2を用いて、体積基準50%径(メジアン径(D50))を評価の指標とした。分散性の評価としては、光学顕微鏡(200倍)を用いて目視で凝集塊が確認されないものを○、凝集塊が確認されるものを×とした。
〔膜厚の測定〕
得られた導電性ポリイミド多孔質膜の厚みは東京精密社製 高精度デジタル測長器MINIAX PH−13及び同社表示ユニットDH−150を用いて測定した。
得られた導電性ポリイミド多孔質膜の厚みは東京精密社製 高精度デジタル測長器MINIAX PH−13及び同社表示ユニットDH−150を用いて測定した。
〔通気性測定(ガーレー値(通気抵抗))〕
得られた導電性ポリイミド多孔質膜のガーレー値を測定した。テスター産業社製ガーレー式デンソメーターPA−301及び同社デジタルオートカウンターPA−302を用いて、100mlの空気が測定試料を透過する時間を計測した。
得られた導電性ポリイミド多孔質膜のガーレー値を測定した。テスター産業社製ガーレー式デンソメーターPA−301及び同社デジタルオートカウンターPA−302を用いて、100mlの空気が測定試料を透過する時間を計測した。
〔体積抵抗率測定〕
得られた導電性ポリイミド多孔質膜の体積抵抗率は、三菱化学アナリテック社製ロレスタGP(4端子法)を用いて測定した。測定にはASPプローブを用い、表面抵抗率及び膜厚から前記一般式(2)により体積抵抗率を算出した。
得られた導電性ポリイミド多孔質膜の体積抵抗率は、三菱化学アナリテック社製ロレスタGP(4端子法)を用いて測定した。測定にはASPプローブを用い、表面抵抗率及び膜厚から前記一般式(2)により体積抵抗率を算出した。
〔厚み方向抵抗測定〕
得られた導電性ポリイミド多孔質膜の厚み方向の抵抗値は、下記の手法で求めた。直径19mmに打ち抜いた試験片を直径20mmの金メッキした電極で挟み、1MPaに加圧した状態で4端子法の直流接触抵抗計を用いて抵抗値を測定した。測定には鶴賀電機株式会社製MODEL 365Hを用いた。
得られた導電性ポリイミド多孔質膜の厚み方向の抵抗値は、下記の手法で求めた。直径19mmに打ち抜いた試験片を直径20mmの金メッキした電極で挟み、1MPaに加圧した状態で4端子法の直流接触抵抗計を用いて抵抗値を測定した。測定には鶴賀電機株式会社製MODEL 365Hを用いた。
〔MEAの形成〕
得られた導電性ポリイミド多孔質膜をGDLとして用いて、CCM法によってMEAを作成した。50mlサンプル瓶中で市販の白金担持炭素粒子(田中貴金属株式会社製TEC10E60E、炭素に対する白金担持量60wt%)0.4gと水1g、市販の5wt%ナフィオン分散液(米国シグマ・アルドリッチ社製)2.68gを加え、超音波処理及び撹拌処理により分散させ、触媒ペーストを調整した。
得られた導電性ポリイミド多孔質膜をGDLとして用いて、CCM法によってMEAを作成した。50mlサンプル瓶中で市販の白金担持炭素粒子(田中貴金属株式会社製TEC10E60E、炭素に対する白金担持量60wt%)0.4gと水1g、市販の5wt%ナフィオン分散液(米国シグマ・アルドリッチ社製)2.68gを加え、超音波処理及び撹拌処理により分散させ、触媒ペーストを調整した。
次いで、この触媒ペーストを支持体(PTFEシート、厚さ100μm)上に塗布し、熱風乾燥機中で60℃で1時間乾燥し、更に90℃で30分真空乾燥を行い、支持体上に白金担持量が0.27mg/cm2の触媒層を作成した。
他方、固体高分子膜として、Nafion1135(米国デュポン社製)を用意した。この固体高分子膜の両面に、前記支持体上に形成した触媒層を夫々積層した後、温度135℃、圧力5MPaの条件下で5分間ホットプレスを施し、CCMを作成した。
さらに、本発明の導電性ポリイミド多孔質膜を撥水処理剤(3M社製ノベック)に浸漬して130℃で30分乾燥させて撥水処理を行った後、先に作成したCCMの両面に配して温度135℃、圧力5MPaの条件下で5分間ホットプレスを施し、電極面積5cm2のMEAを作成した。
さらに、本発明の導電性ポリイミド多孔質膜を撥水処理剤(3M社製ノベック)に浸漬して130℃で30分乾燥させて撥水処理を行った後、先に作成したCCMの両面に配して温度135℃、圧力5MPaの条件下で5分間ホットプレスを施し、電極面積5cm2のMEAを作成した。
〔発電試験〕
作成したMEAを締め付け圧2N・mで固体高分子形燃料電池評価セル(エレクトロケム社製サーペンタインフロー)に組み込み、東陽テクニカ製燃料電池評価システム(GFT)により発電性能を評価した。発電は、負極側(燃料極側)に純水素ガスを、正極側に純酸素ガスを用い、常圧、ガス流量500ml/minで供給し、セル温度80℃、バブラー温度80℃のフル加湿条件で電位―電流曲線を測定した。電流密度0.4A/cm2、1A/cm2及び1.5A/cm2の際の電圧値、及び1A/cm2の際のセル抵抗を評価の指標とした。
作成したMEAを締め付け圧2N・mで固体高分子形燃料電池評価セル(エレクトロケム社製サーペンタインフロー)に組み込み、東陽テクニカ製燃料電池評価システム(GFT)により発電性能を評価した。発電は、負極側(燃料極側)に純水素ガスを、正極側に純酸素ガスを用い、常圧、ガス流量500ml/minで供給し、セル温度80℃、バブラー温度80℃のフル加湿条件で電位―電流曲線を測定した。電流密度0.4A/cm2、1A/cm2及び1.5A/cm2の際の電圧値、及び1A/cm2の際のセル抵抗を評価の指標とした。
〔180°折曲試験〕
得られた導電性ポリイミド多孔質膜の耐折曲性評価の為に、180°折曲試験を行った。多孔質膜を180°に折り曲げて上から1kgの重りを乗せて破断の有無を確認した。測定は5回行い、4回以上破断した物を×、1〜3回破断した物を△、一度も破断しなかった物を○とした。
得られた導電性ポリイミド多孔質膜の耐折曲性評価の為に、180°折曲試験を行った。多孔質膜を180°に折り曲げて上から1kgの重りを乗せて破断の有無を確認した。測定は5回行い、4回以上破断した物を×、1〜3回破断した物を△、一度も破断しなかった物を○とした。
〔90°屈曲可能半径測定〕
本発明の導電性ポリイミド多孔質膜と市販のGDLの屈曲性を評価した。半径1mm及び10mmの円柱状の金属棒を支点として接触させながら、90°屈曲可能か否かを確認した。
本発明の導電性ポリイミド多孔質膜と市販のGDLの屈曲性を評価した。半径1mm及び10mmの円柱状の金属棒を支点として接触させながら、90°屈曲可能か否かを確認した。
〔ミストの条件〕
超音波発振子により発生したミストを所定の流量の気体でダクト内に導いた時のミスト濃度とダクト内の風量は次のように算出した。超音波発振子により発生したミストを所定の流量の気体でダクト内に導き、そのままダクトを通じてミストを系外に廃棄し、ミスト発生装置全体の重量を計測し単位時間当たりの重量減少をミスト発生量とした。その状態で超音波発振子を停止させダクト内の風速を測定し、ダクトの断面積から風量を算出した。単位時間当たりのミスト発生量(kg)を単位時間当たりの風量(kg)で割った値をミスト濃度(kg−ミスト/kg−気体)と規定した。ミスト発生装置のミスト発生部にAbitelax社製超音波加湿器 AUH−452と同社超音波加湿器AUH−1000Tのいずれか1台もしくは2台を使用してミストを発生させた。超音波加湿器本体に内蔵されている送風ファンの吹き出し口の開度で風量を制御した。ダクトの断面積から流速を制御した。ミストにはイオン交換水を使用し、ミストを送り出す気体は温度25℃湿度30%Rhの空気を用いた。又、ミスト発生部に株式会社ニッポー製超音波加湿器 霧風NP796を使用し、超音波加湿器本体に内蔵されている送風ファンの吸入口の開度で風量を制御した。ダクトの断面積から流速を制御した。ミストにはイオン交換水を使用し、ミストを送り出す気体は温度25℃湿度30%Rhの空気を用いた。
超音波発振子により発生したミストを所定の流量の気体でダクト内に導いた時のミスト濃度とダクト内の風量は次のように算出した。超音波発振子により発生したミストを所定の流量の気体でダクト内に導き、そのままダクトを通じてミストを系外に廃棄し、ミスト発生装置全体の重量を計測し単位時間当たりの重量減少をミスト発生量とした。その状態で超音波発振子を停止させダクト内の風速を測定し、ダクトの断面積から風量を算出した。単位時間当たりのミスト発生量(kg)を単位時間当たりの風量(kg)で割った値をミスト濃度(kg−ミスト/kg−気体)と規定した。ミスト発生装置のミスト発生部にAbitelax社製超音波加湿器 AUH−452と同社超音波加湿器AUH−1000Tのいずれか1台もしくは2台を使用してミストを発生させた。超音波加湿器本体に内蔵されている送風ファンの吹き出し口の開度で風量を制御した。ダクトの断面積から流速を制御した。ミストにはイオン交換水を使用し、ミストを送り出す気体は温度25℃湿度30%Rhの空気を用いた。又、ミスト発生部に株式会社ニッポー製超音波加湿器 霧風NP796を使用し、超音波加湿器本体に内蔵されている送風ファンの吸入口の開度で風量を制御した。ダクトの断面積から流速を制御した。ミストにはイオン交換水を使用し、ミストを送り出す気体は温度25℃湿度30%Rhの空気を用いた。
〔製造例1〕
多層カーボンナノチューブ(CNT:製品名AMC 宇部興産(株)製)15gと、分散剤としてメチルセルロース(MC)(信越化学株式会社製SM−4)1.25wt%、トリエチルアミン(TEA)0.125wt%を溶解したNMP285gとを混合し、浅田鉄工株式会社製ビーズミルPCM−Lを用いて約2時間分散処理し、5wt%の微細炭素繊維分散液を得た。メディアは1mmのジルコニア(ZrO2)ビーズを用い、周速8m/sで分散処理を行った。得られた微細炭素繊維分散液のメジアン径は1.1μmであった。
多層カーボンナノチューブ(CNT:製品名AMC 宇部興産(株)製)15gと、分散剤としてメチルセルロース(MC)(信越化学株式会社製SM−4)1.25wt%、トリエチルアミン(TEA)0.125wt%を溶解したNMP285gとを混合し、浅田鉄工株式会社製ビーズミルPCM−Lを用いて約2時間分散処理し、5wt%の微細炭素繊維分散液を得た。メディアは1mmのジルコニア(ZrO2)ビーズを用い、周速8m/sで分散処理を行った。得られた微細炭素繊維分散液のメジアン径は1.1μmであった。
〔製造例2〕
AMC15gと、分散剤としてポリビニルアルコール(和光純薬工業試薬#500)1wt%を溶解したNMP285gとを混合し、製造例1と同様の分散処理を行い、5wt%の微細炭素繊維分散液を得た。得られた微細炭素繊維分散液のメジアン径は1.3μmであった。
AMC15gと、分散剤としてポリビニルアルコール(和光純薬工業試薬#500)1wt%を溶解したNMP285gとを混合し、製造例1と同様の分散処理を行い、5wt%の微細炭素繊維分散液を得た。得られた微細炭素繊維分散液のメジアン径は1.3μmであった。
〔製造例3〕
AMC15gと、分散剤としてポリビニルピロリドン(PVP)(BASF社製Kollidon25)1.25wt%を溶解したNMP285gとを混合し、製造例1と同様の分散処理を行い、5wt%の微細炭素繊維分散液を得た。得られた微細炭素繊維分散液のメジアン径は1.5μmであった。
AMC15gと、分散剤としてポリビニルピロリドン(PVP)(BASF社製Kollidon25)1.25wt%を溶解したNMP285gとを混合し、製造例1と同様の分散処理を行い、5wt%の微細炭素繊維分散液を得た。得られた微細炭素繊維分散液のメジアン径は1.5μmであった。
〔製造例4〕
AMC15gと、分散剤としてポリビニルアルコール(和光純薬工業試薬#500)1wt%を溶解したDMAc285gとを混合し、製造例1と同様の分散処理を行い、5wt%の微細炭素繊維分散液を得た。得られた微細炭素繊維分散液のメジアン径は1.3μmであった。
AMC15gと、分散剤としてポリビニルアルコール(和光純薬工業試薬#500)1wt%を溶解したDMAc285gとを混合し、製造例1と同様の分散処理を行い、5wt%の微細炭素繊維分散液を得た。得られた微細炭素繊維分散液のメジアン径は1.3μmであった。
〔製造例5〕
アセチレンブラック(AB)15gを用いた以外は、製造例2と同様の処理を行い、5wt%のアセチレンブラック分散液を得た。
アセチレンブラック(AB)15gを用いた以外は、製造例2と同様の処理を行い、5wt%のアセチレンブラック分散液を得た。
〔製造例6〕
AMC15gと、分散剤としてポリビニルアルコール(和光純薬工業試薬#500)1wt%を溶解したNMP285gとを混合し、分散処理を加えずにそのまま用いた。微細炭素繊維のメジアン径は16.7μmであった。
AMC15gと、分散剤としてポリビニルアルコール(和光純薬工業試薬#500)1wt%を溶解したNMP285gとを混合し、分散処理を加えずにそのまま用いた。微細炭素繊維のメジアン径は16.7μmであった。
〔実施例1〕
製造例1で得られた微細炭素繊維分散液100gとNMP135gを500mlのガラス製セパラブルフラスコに投入し、撹拌翼で均一になるまで混合した。さらにs−BPDA11.88g、ODA8.12gを投入し、室温で24時間混合した。これにs−BPTA0.443gを入れ更に24時間撹拌して微細炭素繊維分散ポリイミド前駆体溶液を調整した。この溶液を平滑な200mm角のステンレス製支持体上に、スペーサーフィルムとブレードを用いて約400μmの厚みに流延した。この支持体をミスト発生装置のダクト内に配置し、ミスト濃度0.036kg−ミスト/kg−空気、流速0.55m/sに相当する条件でミストと10分間接触させた。この支持体を20wt%NMP水溶液に5分間浸漬し、次いでイオン交換水に5分間浸漬した。析出したポリイミド前駆体膜を支持体から剥離して自己支持膜を得た。自己支持膜を再度イオン交換水に5分間浸漬後、室温で自然乾燥させた。乾燥後の自己支持膜を、四方を拘束するピンテンターに貼り付け、熱風炉にて室温から10℃/minの設定値で320℃まで昇温し10分間同温度を保持した後、室温に冷却して導電性ポリイミド多孔質膜を得た。得られた多孔質膜の特性を表2に示す。得られた導電性ポリイミド多孔質膜は良好な導電性、通気性、耐折曲性を示した。
製造例1で得られた微細炭素繊維分散液100gとNMP135gを500mlのガラス製セパラブルフラスコに投入し、撹拌翼で均一になるまで混合した。さらにs−BPDA11.88g、ODA8.12gを投入し、室温で24時間混合した。これにs−BPTA0.443gを入れ更に24時間撹拌して微細炭素繊維分散ポリイミド前駆体溶液を調整した。この溶液を平滑な200mm角のステンレス製支持体上に、スペーサーフィルムとブレードを用いて約400μmの厚みに流延した。この支持体をミスト発生装置のダクト内に配置し、ミスト濃度0.036kg−ミスト/kg−空気、流速0.55m/sに相当する条件でミストと10分間接触させた。この支持体を20wt%NMP水溶液に5分間浸漬し、次いでイオン交換水に5分間浸漬した。析出したポリイミド前駆体膜を支持体から剥離して自己支持膜を得た。自己支持膜を再度イオン交換水に5分間浸漬後、室温で自然乾燥させた。乾燥後の自己支持膜を、四方を拘束するピンテンターに貼り付け、熱風炉にて室温から10℃/minの設定値で320℃まで昇温し10分間同温度を保持した後、室温に冷却して導電性ポリイミド多孔質膜を得た。得られた多孔質膜の特性を表2に示す。得られた導電性ポリイミド多孔質膜は良好な導電性、通気性、耐折曲性を示した。
〔実施例2〕
実施例1で得られた微細炭素繊維分散ポリイミド前駆体溶液を、平滑な200mm角のステンレス製支持体上に、スペーサーフィルムとブレードを用いて約250μmの厚みに流延した。この支持体を20wt%NMP水溶液に5分間浸漬後、イオン交換水に5分間浸漬させた。析出したポリイミド前駆体膜を支持体から剥離して自己支持膜を得た。自己支持膜を再度イオン交換水に5分間浸漬後、室温で自然乾燥させた。乾燥後の自己支持膜を、四方を拘束するピンテンターに貼り付け、電気輻射炉にて約10℃/分の昇温速度で150℃まで加熱し、その後約150℃/分の昇温速度で380℃まで加熱し、そのまま3分間保持する温度プロファイルで熱処理を行い、室温に冷却して導電性ポリイミド多孔質膜を得た。得られた多孔質膜の特性を表2に示す。得られた導電性ポリイミド多孔質膜は良好な導電性、通気性、耐折曲性を示した。
実施例1で得られた微細炭素繊維分散ポリイミド前駆体溶液を、平滑な200mm角のステンレス製支持体上に、スペーサーフィルムとブレードを用いて約250μmの厚みに流延した。この支持体を20wt%NMP水溶液に5分間浸漬後、イオン交換水に5分間浸漬させた。析出したポリイミド前駆体膜を支持体から剥離して自己支持膜を得た。自己支持膜を再度イオン交換水に5分間浸漬後、室温で自然乾燥させた。乾燥後の自己支持膜を、四方を拘束するピンテンターに貼り付け、電気輻射炉にて約10℃/分の昇温速度で150℃まで加熱し、その後約150℃/分の昇温速度で380℃まで加熱し、そのまま3分間保持する温度プロファイルで熱処理を行い、室温に冷却して導電性ポリイミド多孔質膜を得た。得られた多孔質膜の特性を表2に示す。得られた導電性ポリイミド多孔質膜は良好な導電性、通気性、耐折曲性を示した。
〔実施例3〕
DMAc180gを500mlのガラス製セパラブルフラスコに投入し、さらにs−BPDA11.88g、ODA8.12gを投入し、室温で24時間混合してポリイミド前駆体溶液を調整した。このポリイミド前駆体溶液20.0gに製造例4で得られた微細炭素繊維分散液10.0gを加え、自転公転ミキサー(株式会社シンキー製:あわとり練太郎ARE−250)を用いて公転速度2000rpm、自転速度800rpmで5分間混合した。さらに1,2−ジメチルイミダゾール0.156g、モノステアリルリン酸エステルトリエタノールアミン塩を0.006g加え、撹拌翼で撹拌しながらジエチレングリコールブチルメチルエーテル13.0gを少量ずつ加え、均一になるまで撹拌混合して微細炭素繊維分散ポリイミド前駆体溶液を調整した。この溶液を平滑な200mm角のガラス製支持体上に、スペーサーフィルムとブレードを用いて約250μmの厚みに流延後、支持体ごと80℃に設定したホットプレート上で30分加熱した。得られたポリイミド前駆体膜を支持体から剥離した自己支持膜を、四方を拘束するピンテンターに貼り付け、熱風炉にて室温から10℃/minの設定値で320℃まで昇温し10分間同温度を保持した後、冷却して導電性ポリイミド多孔質膜を得た。得られた多孔質膜の特性を表2に示す。得られた導電性ポリイミド多孔質膜は良好な導電性、通気性、耐折曲性を示した。
DMAc180gを500mlのガラス製セパラブルフラスコに投入し、さらにs−BPDA11.88g、ODA8.12gを投入し、室温で24時間混合してポリイミド前駆体溶液を調整した。このポリイミド前駆体溶液20.0gに製造例4で得られた微細炭素繊維分散液10.0gを加え、自転公転ミキサー(株式会社シンキー製:あわとり練太郎ARE−250)を用いて公転速度2000rpm、自転速度800rpmで5分間混合した。さらに1,2−ジメチルイミダゾール0.156g、モノステアリルリン酸エステルトリエタノールアミン塩を0.006g加え、撹拌翼で撹拌しながらジエチレングリコールブチルメチルエーテル13.0gを少量ずつ加え、均一になるまで撹拌混合して微細炭素繊維分散ポリイミド前駆体溶液を調整した。この溶液を平滑な200mm角のガラス製支持体上に、スペーサーフィルムとブレードを用いて約250μmの厚みに流延後、支持体ごと80℃に設定したホットプレート上で30分加熱した。得られたポリイミド前駆体膜を支持体から剥離した自己支持膜を、四方を拘束するピンテンターに貼り付け、熱風炉にて室温から10℃/minの設定値で320℃まで昇温し10分間同温度を保持した後、冷却して導電性ポリイミド多孔質膜を得た。得られた多孔質膜の特性を表2に示す。得られた導電性ポリイミド多孔質膜は良好な導電性、通気性、耐折曲性を示した。
〔実施例4〕
製造例2で得られた微細炭素繊維分散液を用いた他は、実施例1と同様の操作を行い、導電性ポリイミド多孔質膜を得た。得られた多孔質膜の特性を表2に示す。得られた導電性ポリイミド多孔質膜は良好な導電性、通気性、耐折曲性を示した。
製造例2で得られた微細炭素繊維分散液を用いた他は、実施例1と同様の操作を行い、導電性ポリイミド多孔質膜を得た。得られた多孔質膜の特性を表2に示す。得られた導電性ポリイミド多孔質膜は良好な導電性、通気性、耐折曲性を示した。
〔実施例5〕
製造例3で得られた微細炭素繊維分散液を用いた他は、実施例1と同様の操作を行い、導電性ポリイミド多孔質膜を得た。得られた多孔質膜の特性を表2に示す。得られた導電性ポリイミド多孔質膜は良好な導電性、通気性、耐折曲性を示した。
製造例3で得られた微細炭素繊維分散液を用いた他は、実施例1と同様の操作を行い、導電性ポリイミド多孔質膜を得た。得られた多孔質膜の特性を表2に示す。得られた導電性ポリイミド多孔質膜は良好な導電性、通気性、耐折曲性を示した。
〔実施例6〕
製造例2で得られた微細炭素繊維分散液100gとNMP135gを500mlのガラス製セパラブルフラスコに投入し、撹拌翼で均一になるまで混合した。さらにs−BPDA10.01g、TPE−Q9.99gを投入し、室温で24時間混合した。これにs−BPTA0.443gを入れ更に24時間撹拌して微細炭素繊維分散ポリイミド前駆体溶液を調整した。この溶液を平滑な200mm角のステンレス製支持体上に、スペーサーフィルムとブレードを用いて約400μmの厚みに流延した。この支持体をミスト発生装置のダクト内に配置し、ミスト濃度0.036kg−ミスト/kg−空気、流速0.55m/sに相当する条件でミストと10分間接触させた。この支持体を20wt%NMP水溶液に5分間浸漬し、次いでイオン交換水に5分間浸漬した。析出したポリイミド前駆体膜を支持体から剥離して自己支持膜を得た。自己支持膜を再度イオン交換水に5分間浸漬後、室温で自然乾燥させた。乾燥後の自己支持膜を、四方を拘束するピンテンターに貼り付け、熱風炉にて室温から10℃/minの設定値で320℃まで昇温し10分間同温度を保持した後、室温に冷却して導電性ポリイミド多孔質膜を得た。得られた多孔質膜の特性を表2に示す。得られた導電性ポリイミド多孔質膜は良好な導電性、通気性、耐折曲性を示した。
製造例2で得られた微細炭素繊維分散液100gとNMP135gを500mlのガラス製セパラブルフラスコに投入し、撹拌翼で均一になるまで混合した。さらにs−BPDA10.01g、TPE−Q9.99gを投入し、室温で24時間混合した。これにs−BPTA0.443gを入れ更に24時間撹拌して微細炭素繊維分散ポリイミド前駆体溶液を調整した。この溶液を平滑な200mm角のステンレス製支持体上に、スペーサーフィルムとブレードを用いて約400μmの厚みに流延した。この支持体をミスト発生装置のダクト内に配置し、ミスト濃度0.036kg−ミスト/kg−空気、流速0.55m/sに相当する条件でミストと10分間接触させた。この支持体を20wt%NMP水溶液に5分間浸漬し、次いでイオン交換水に5分間浸漬した。析出したポリイミド前駆体膜を支持体から剥離して自己支持膜を得た。自己支持膜を再度イオン交換水に5分間浸漬後、室温で自然乾燥させた。乾燥後の自己支持膜を、四方を拘束するピンテンターに貼り付け、熱風炉にて室温から10℃/minの設定値で320℃まで昇温し10分間同温度を保持した後、室温に冷却して導電性ポリイミド多孔質膜を得た。得られた多孔質膜の特性を表2に示す。得られた導電性ポリイミド多孔質膜は良好な導電性、通気性、耐折曲性を示した。
〔実施例7、8〕
表2に示したカーボン濃度となるように微細炭素繊維分散液とNMPの量を調整した他は、実施例1と同様の操作を行い、導電性ポリイミド多孔質膜を得た。得られた多孔質膜の特性を表2に示す。得られた導電性ポリイミド多孔質膜は良好な導電性、通気性、耐折曲性を示した。
表2に示したカーボン濃度となるように微細炭素繊維分散液とNMPの量を調整した他は、実施例1と同様の操作を行い、導電性ポリイミド多孔質膜を得た。得られた多孔質膜の特性を表2に示す。得られた導電性ポリイミド多孔質膜は良好な導電性、通気性、耐折曲性を示した。
〔実施例9〕
製造例2で得られた微細炭素繊維分散液を用いて、表2に示したカーボン濃度となるように微細炭素繊維分散液とNMPの量を調整し、流延厚みを約250μmとした他は、実施例1と同様の操作を行い、導電性ポリイミド多孔質膜を得た。得られた多孔質膜の特性を表2に示す。得られた導電性ポリイミド多孔質膜は若干破断しやすいものの十分な耐折曲性を有し、非常に良好な導電性を示した。
製造例2で得られた微細炭素繊維分散液を用いて、表2に示したカーボン濃度となるように微細炭素繊維分散液とNMPの量を調整し、流延厚みを約250μmとした他は、実施例1と同様の操作を行い、導電性ポリイミド多孔質膜を得た。得られた多孔質膜の特性を表2に示す。得られた導電性ポリイミド多孔質膜は若干破断しやすいものの十分な耐折曲性を有し、非常に良好な導電性を示した。
〔実施例10〕
表2に示したカーボン濃度となるように炭素繊維分散液とNMPの量を調整し、流延厚みを約600μmとした他は、実施例3と同様の操作を行い、導電性ポリイミド多孔質膜を得た。得られた多孔質膜の特性を表2に示す。得られた導電性ポリイミド多孔質膜は若干破断しやすいものの十分な耐折曲性を有し、非常に良好な導電性を示した。
表2に示したカーボン濃度となるように炭素繊維分散液とNMPの量を調整し、流延厚みを約600μmとした他は、実施例3と同様の操作を行い、導電性ポリイミド多孔質膜を得た。得られた多孔質膜の特性を表2に示す。得られた導電性ポリイミド多孔質膜は若干破断しやすいものの十分な耐折曲性を有し、非常に良好な導電性を示した。
〔比較例1、2〕
製造例5で得られたアセチレンブラック分散液を用いて、表2に示したカーボン濃度となるようにアセチレンブラック分散液とNMPの量を調整した他は、実施例1と同様の操作を行い、アセチレンブラック分散ポリイミド多孔質膜を得た。得られた多孔質膜の特性を表2に示す。微細炭素繊維の代わりにアセチレンブラックを用いた場合、微細炭素繊維を用いた場合と比較して体積抵抗率が高く、103Ω・cm以下の値を達成することは出来なかった。
製造例5で得られたアセチレンブラック分散液を用いて、表2に示したカーボン濃度となるようにアセチレンブラック分散液とNMPの量を調整した他は、実施例1と同様の操作を行い、アセチレンブラック分散ポリイミド多孔質膜を得た。得られた多孔質膜の特性を表2に示す。微細炭素繊維の代わりにアセチレンブラックを用いた場合、微細炭素繊維を用いた場合と比較して体積抵抗率が高く、103Ω・cm以下の値を達成することは出来なかった。
〔比較例3〕
製造例5で得られたアセチレンブラック分散液を用いて、表2に示したカーボン濃度となるようにアセチレンブラック分散液とNMPの量を調整した他は、実施例1と同様の操作を行い、アセチレンブラック分散ポリイミド多孔質膜を得た。得られた多孔質膜の特性を表2に示す。微細炭素繊維の代わりにアセチレンブラックを用いた場合でも、カーボンの固形分濃度を30wt%まで増やす事で103Ω・cm以下の体積抵抗率を達成可能であったが、得られた多孔質膜は180°折曲試験で5回全て破断してしまい、非常に脆くなってしまうことが示された。
製造例5で得られたアセチレンブラック分散液を用いて、表2に示したカーボン濃度となるようにアセチレンブラック分散液とNMPの量を調整した他は、実施例1と同様の操作を行い、アセチレンブラック分散ポリイミド多孔質膜を得た。得られた多孔質膜の特性を表2に示す。微細炭素繊維の代わりにアセチレンブラックを用いた場合でも、カーボンの固形分濃度を30wt%まで増やす事で103Ω・cm以下の体積抵抗率を達成可能であったが、得られた多孔質膜は180°折曲試験で5回全て破断してしまい、非常に脆くなってしまうことが示された。
〔比較例4〕
表2に示したカーボン濃度となるように微細炭素繊維分散液とNMPの量を調整した他は、実施例1と同様の操作を行い、微細炭素繊維分散ポリイミド多孔質膜を得た。得られた多孔質膜の特性を表2に示す。添加する微細炭素繊維の量が少なすぎる場合、103Ω・cm以下の体積抵抗率を達成することは出来なかった。
表2に示したカーボン濃度となるように微細炭素繊維分散液とNMPの量を調整した他は、実施例1と同様の操作を行い、微細炭素繊維分散ポリイミド多孔質膜を得た。得られた多孔質膜の特性を表2に示す。添加する微細炭素繊維の量が少なすぎる場合、103Ω・cm以下の体積抵抗率を達成することは出来なかった。
〔比較例5〕
製造例6で得られた分散処理を施していない微細炭素繊維分散液を用いて、カーボン濃度が30wt%となるように調整した以外は実施例1と同様の操作を行い、微細炭素繊維分散ポリイミド多孔質膜を得た。得られた多孔質膜の特性を表2に示す。微細炭素繊維の分散処理を施さない場合、微細炭素繊維の分散が不十分である為、多量の微細炭素繊維を混合しても103Ω・cm以下の体積抵抗率を達成することは出来ず、フィルムも非常に脆いものであった。
製造例6で得られた分散処理を施していない微細炭素繊維分散液を用いて、カーボン濃度が30wt%となるように調整した以外は実施例1と同様の操作を行い、微細炭素繊維分散ポリイミド多孔質膜を得た。得られた多孔質膜の特性を表2に示す。微細炭素繊維の分散処理を施さない場合、微細炭素繊維の分散が不十分である為、多量の微細炭素繊維を混合しても103Ω・cm以下の体積抵抗率を達成することは出来ず、フィルムも非常に脆いものであった。
〔実施例11〕および〔比較例6〕
〔発電試験〕
実施例10で作成した導電性ポリイミド多孔質膜を用いて上記の方法でMEAを作成し、発電試験を行った。比較例として導電性ポリイミド多孔質膜の代わりに、市販GDL(SGL社製SGL−24AA)を用いて同様の方法でMEAを作成したものについても発電試験を行った。表3に発電試験の結果を示す。本発明の導電性ポリイミド多孔質膜を用いた燃料電池は、市販のGDLを用いたものと同等の発電特性を示した。
〔発電試験〕
実施例10で作成した導電性ポリイミド多孔質膜を用いて上記の方法でMEAを作成し、発電試験を行った。比較例として導電性ポリイミド多孔質膜の代わりに、市販GDL(SGL社製SGL−24AA)を用いて同様の方法でMEAを作成したものについても発電試験を行った。表3に発電試験の結果を示す。本発明の導電性ポリイミド多孔質膜を用いた燃料電池は、市販のGDLを用いたものと同等の発電特性を示した。
〔90°屈曲可能半径測定〕
表3に本発明の導電性ポリイミド多孔質膜と市販GDLの90°屈曲可能半径測定の結果を示す。本発明の導電性ポリイミド多孔質膜は半径1mmの棒を支点にして90°屈曲しても割れず、屈曲可能半径は1mm以下であったのに対して、市販GDLは半径10mmの棒を支点にして90°屈曲させようとした際に割れてしまったことから、屈曲可能半径は10mm以上であり、本発明の導電性ポリイミド多孔質膜は耐屈曲性に非常に優れる事がわかった。
表3に本発明の導電性ポリイミド多孔質膜と市販GDLの90°屈曲可能半径測定の結果を示す。本発明の導電性ポリイミド多孔質膜は半径1mmの棒を支点にして90°屈曲しても割れず、屈曲可能半径は1mm以下であったのに対して、市販GDLは半径10mmの棒を支点にして90°屈曲させようとした際に割れてしまったことから、屈曲可能半径は10mm以上であり、本発明の導電性ポリイミド多孔質膜は耐屈曲性に非常に優れる事がわかった。
本発明の導電性ポリイミド多孔質膜は、優れた導電性、通気性、耐屈曲性を示し、加えてポリイミド由来の優れた耐熱性、力学特性、耐薬品性を示すことから、特に高い導電性、ガス拡散性及び耐酸性が求められる燃料電池用ガス拡散層として好適に利用できる。その他、リチウムイオン電池等の二次電池用電極基材、導電(帯電防止)フィルター、触媒担体、電磁波シールド、熱交換機、水素吸蔵材料、生体材料、衝撃吸収体、音響部品等の各種用途にも好適に利用できる。
Claims (14)
- 体積抵抗率が103Ω・cm以下であることを特徴とする導電性ポリイミド多孔質膜。
- ガーレー値(通気抵抗)が、300秒/100cc以下であることを特徴とする請求項1に記載の導電性ポリイミド多孔質膜。
- 導電性付与成分として、微細炭素繊維を用いることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の導電性ポリイミド多孔質膜。
- 前記微細炭素繊維が、気相成長法炭素繊維、単層カーボンナノチューブ、複層カーボンナノチューブの少なくとも一つから選択されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の導電性ポリイミド多孔質膜。
- レーザー回折/散乱法により測定されたメジアン径が5μm以下である微細炭素繊維分散液と前記ポリイミド前駆体を混合した微細炭素繊維分散ポリイミド前駆体溶液から得られる事を特徴とする請求項3〜7のいずれかに記載の導電性ポリイミド多孔質膜。
- 前記微細炭素繊維分散液が、ポリマー系分散剤を含むことを特徴とする、請求項8に記載の導電性ポリイミド多孔質膜。
- 前記ポリマー系分散剤が、セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリアミック酸塩のいずれか一種、若しくは二種以上の混合物又は共重合体であることを特徴とする請求項9に記載の導電性ポリイミド多孔質膜。
- 微細炭素繊維と、有機溶媒と、ポリマー系分散剤を混合し、湿式分散処理を施して得られたメジアン径が5μm以下である微細炭素繊維分散液とポリイミド前駆体を混合した微細炭素繊維分散ポリイミド前駆体溶液を用いて、相分離法を介して製造することを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載の導電性ポリイミド多孔質膜の製造方法。
- 請求項1〜10のいずれかに記載の導電性ポリイミド多孔質膜を用いた燃料電池用ガス拡散層。
- 請求項12のガス拡散層を正極及び又は負極用いる事を特徴とする燃料電池。
- 請求項13に記載の燃料電池が固体高分子形燃料電池及び又は直接メタノール型燃料電池であることを特徴とする燃料電池。
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