JP2017024964A - カーボンナノファイバー分散液およびそれを用いた透明導電膜、透明導電フィルム。 - Google Patents

カーボンナノファイバー分散液およびそれを用いた透明導電膜、透明導電フィルム。 Download PDF

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Abstract

【課題】分散性、導電性および結晶性に優れたカーボンナノファイバー分散液を提供する。さらに、このカーボンナノファイバー分散液を用いた、低いCNF含有量であっても高い導電性付与能力を有する透明導電膜および透明導電フィルムを提供する。【解決手段】メジアン径D50が0.1〜3μmであるカーボンナノファイバー、分散剤、有機バインダーおよび分散媒を含有するカーボンナノファイバー分散液により、高い導電性付与能力を有する分散液が得られる。【選択図】図1

Description

本発明は、分散性、導電性および結晶性に優れたカーボンナノファイバー、分散剤、有機バインダーおよび分散媒を含有するカーボンナノファイバー分散液およびそれを用いた透明導電膜、透明導電フィルムに関する。
導電性炭素材であるアセチレンブラックやカーボンナノファイバー(以下CNFと記載)等を用いて他の材料と複合化させ、導電性を付与するための手段として、導電性炭素材の単体または混合物の分散液を他の材料に混合または塗工する方法がある。特にCNFを用いる場合、比較的低いCNF濃度で高い導電率が得られる、基材から脱離しにくいなどの特徴があり、期待が集まっている。ここでCNFは一般的に5〜100nmの外径、ファイバー長の外径に対する比を示すアスペクト比は10以上という繊維状の形状を有する。
CNFを、溶剤に分散させ、分散液として使用する場合には、CNFの分散性が重要となるが、従来のCNF等の微細な炭素繊維は、繊維が互いに複雑に絡み合って二次構造を形成しており分散性が悪い。CNFの良好な分散状態を得る手段として、CNFに対して濃硝酸と濃硫酸を用い、表面酸化処理を行い、溶剤中に均一に分散させる方法がある(特許文献1)。しかしながら特許文献1の方法では酸化によりCNFの導電性を低下させ、また、濃硝酸と濃硫酸を使用するため高コストとなる問題があった(特許文献1)。
また、CNFの良好な分散状態を得る他の手段として、CNFに対して長時間超音波を照射する方法がある。しかしながら超音波処理を長時間行うことでCNF表面のグラファイト構造の破壊や繊維の短尺化が生じ、CNFの導電性の低下を招く問題があった(特許文献2)。
また、CNFの良好な分散状態を得る他の手段として、酸化処理したCNFを分散剤と共に分散媒中でボールミルで処理することによってCNFに分散剤を吸着させ、その後短時間超音波処理することによってグラファイト構造の破壊や切断を抑制する方法がある。しかしながらCNFに酸化処理が必要であったり、CNFに分散剤を吸着させるためにボールミルを長時間使用するなど工程の煩雑さに問題があった(特許文献3)。
特開2013−77479号公報 WO2009/008486号公報 WO2012/057320号公報
本発明は、上記問題と実情に鑑み、分散性および導電性に優れたCNF分散液を提供することを目的とする。さらに、このCNF分散液を用いて製造された、透明性、導電性に優れた透明導電膜及び透明導電フィルムを提供することを目的とする。
すなわち、上記課題を解決する本発明は、下記より構成される。
(1)メジアン径D50が0.1〜3μmであるカーボンナノファイバー、分散剤、有機バインダー、分散媒を含有するカーボンナノファイバー分散液。
(2)前記カーボンナノファイバーが、9.8MPaの荷重下で測定した粉体抵抗率が0.03Ωcm以下であり、ラマン分光分析で測定されるD/G値が0.5〜1.3である、(1)に記載のカーボンナノファイバー分散液。
(3)前記カーボンナノファイバーの含有量が、前記カーボンナノファイバー、前記分散剤および前記有機バインダーの総和に対し、0.1〜30質量%である、(1)または(2)に記載のカーボンナノファイバー分散液。
(4)前記分散剤が、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸アルカリ金属塩、およびセルロース類から選択されるいずれか1種以上である、(1)〜(3)のいずれか一つに記載のカーボンナノファイバー分散液。
(5)前記分散媒が炭化水素類、塩素含有炭化水素類、エーテル類、エーテルアルコール、エステル類、ケトン類、アルコール類、低級カルボン酸、アミン類、窒素含有極性溶剤、硫黄化合物類、水、アルコール、トルエン、アセトンおよびエーテルから選択される1種以上である、(1)〜(4)のいずれか一つに記載のカーボンナノファイバー分散液。
(6)前記カーボンナノファイバーが、コバルトを主成分とする活性種を、比表面積が0.01〜5m/gであるマグネシウムを含有する酸化物からなる担体に3〜150質量%担持された触媒を用いて製造する、(1)〜(3)のいずれか一つに記載のカーボンナノファイバーの製造方法。
(7)前記カーボンナノファイバーが、コバルトを主成分とする活性種を、チタンを含有する比表面積が20〜140m/gの酸化物または複合酸化物からなる担体に担持された触媒を用いて製造する、(1)〜(3)のいずれか一つに記載のカーボンナノファイバーの製造方法。
(8)一酸化炭素を炭素源とし、反応温度が600〜800℃、一酸化炭素分圧が0.04〜0.98MPa、水素分圧が一酸化炭素分圧に対し1〜100%であり、かつ一酸化炭素ガス流速が1NL/g−活性種・分以上の条件下で製造する、(6)または(7)に記載のカーボンナノファイバーの製造方法。
(9)前記カーボンナノファイバーが、鉄およびニッケルから選択される1種以上の活性種を、比表面積が0.01〜200m/gの炭素粒子に担持された触媒を用いて製造する、(1)〜(3)のいずれか一つに記載のカーボンナノファイバーの製造方法。
(10)一酸化炭素を炭素源とし、反応温度が550℃以上650℃以下、一酸化炭素分圧が0.04〜0.98MPa、水素分圧が一酸化炭素分圧に対し1〜100%、かつ一酸化炭素ガス流速が1NL/g−活性種・分以上の条件下で製造する、(9)に記載のカーボンナノファイバーの製造方法。
(11)(1)〜(5)のいずれか一つに記載のカーボンナノファイバー分散液を用いた、透明導電膜。
(12)(11)に記載の透明導電膜を基材に積層させた、透明導電フィルム。
本発明では、特定範囲のメジアン径D50であるCNFを用いた分散液が、極めてCNFの分散性に優れることを見出した。またCNFの分散性に優れるため、低いCNF濃度でも塗布した物品に導電性が発現する。さらに、本発明に用いるCNF分散液用いた透明導電膜、透明導電フィルムは透明性および導電性に優れる。
実施例1で使用したCNFのTEM写真である。 実施例1で使用したCNFの粒度分布図である。
本明細書におけるカーボンナノファイバー(CNF)の定義は、平均外径5〜100nm、好ましくは5〜50nm、ファイバー長の外径に対する比を示すアスペクト比が10以上であり、多層CNT(MWCNT)をも包含する概念であり、より好ましくは、多層CNTを主成分とするものである。多層CNTはおおよそ5nm以上の外径を有する。また外径が大きくなりすぎる、例えば50nmを超えると、単位重量あたりの多層CNTの本数が減少してしまい導電ネットワークを形成しづらくなってしまう恐れがある。
本明細書におけるカーボンナノファイバー(CNF)の定義には単層CNT(SWCNT)は含まれない。単層CNTは高導電性を示す特徴が有るが、カイラリティによる異性体が存在し、また強固なバンドル構造をとり分散が困難になる等実用上の課題が有り、本願の目的とするものではない。本明細書のカーボンナノファイバー(CNF)としては、多層CNTが最も好ましい。本発明に用いられるカーボンナノファイバーの代表例として図1に実施例1で使用したCNFのTEM写真を示す。多層CNTであることが示される。
本明細書における合成活性とは、単位活性種質量あたり、単位時間あたり得られたCNFの質量である。ここでいう活性種とはコバルト、鉄またはニッケル等の金属である。さらに担体とは、該活性種を担持するための、マグネシウムまたはチタンの酸化物、炭素粒子等を意味する。
<CNF>
本発明で使用するCNFは、分散性に優れ、さらに導電性および結晶性に優れる。具体的には、レーザー回折・散乱法による粒度分布測定によって得られるメジアン径D50が、0.1〜3μmであり、より好ましくは0.1〜1μmである。ここでメジアン径D50はCNFの粒子にレーザー光を照射し、その散乱光からCNFの直径を球形に換算して求めることが出来る。メジアン径D50が大きいほどCNFの凝集塊が多く存在し、分散性が悪いことを意味する。メジアン径D50が3μmを超えると、溶剤に対する分散性が低下し、導電ネットワークが十分に形成されず、高い導電性が得られない。一方、メジアン径D50が0.1μm未満であるCNFは、繊維が短く、形成される導電ネットワーク内でのCNF間の接触点が増加することにより、接触抵抗が大きくなるため、高い導電性が得られない。
CNFは、9.8MPaの荷重下で測定した粉体抵抗率が0.03Ωcm以下であることが好ましい。粉体抵抗率が0.03Ωcmを超えると、得られる分散液の導電性が低下する。
CNFは、ラマン分光測定で求められるD/Gが0.5〜1.3であることが好ましく、0.5〜1.0であることがより好ましい。D/Gが1.3を超えると、CNFの屈曲が増加するために、CNF同士の絡み合いがより複雑化し、溶剤に対する分散性が低下するとともに、CNFの粉体抵抗率が増加する場合がある。また、黒鉛化処理などによって結晶性を向上させない限り、D/Gが0.5未満であるMWCNFを合成することは難しくなる。このように、本発明に用いるCNFを用いることで、導電性に優れた分散液が得られる。なお、ここでD/Gとは、CNF粉体のラマン分光測定を行った際の、Dバンドピークに由来する面積の総和と、Gバンドピークに由来する面積の総和の比より求めることができる。D/Gが低いほどCNFの結晶性が高いことを示し、CNFの導電性が高くなることを意味する。
CNFの比表面積は、50〜240m/gが好ましく、90〜240m/gがより好ましい。比表面積が50m/g未満であると、単位重量あたりのCNFの本数が減少し、導電性が低下する場合があり、240m/gを超えると、CNF同士の絡み合いが増加し、分散性が低下する場合がある。
CNFの平均繊維径は、5〜50nmが好ましく、10〜25nmがより好ましい。平均繊維径が5nm未満であると、CNF同士の絡み合いが増加し、分散性が低下する場合があり、50nmを超えると、単位重量あたりのCNFの本数が減少し、導電性が低下する場合がある。
<CNF合成触媒>
本発明に用いるCNFの製造では、金属活性種が担体表面に担持された下記触媒A〜Cから選択される触媒を用いることがより好ましい。
<触媒A>
触媒Aは、コバルトを主成分とする活性種を、比表面積が0.01〜5m/gであるマグネシウムを含有する酸化物からなる担体に3〜150質量%担持された触媒(以下、「コバルト−酸化マグネシウム担持触媒」と記載)である。
<触媒Aの活性種>
本発明に用いるコバルト−酸化マグネシウム担持触媒は、CNF製造の実質的な活性種としてコバルトを主成分とする。コバルトは、金属コバルトのみならず、酸化物、水酸化物、含水酸化物、硝酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩および炭酸塩等の化合物の形態であってもよい。活性種にはコバルト以外の成分として、第4〜12族の元素を含んでもよい。これらとしては、鉄、ニッケルの鉄族やマンガン、モリブデンが挙げられる。ただし、触媒の活性種として含まれる第4〜12族元素の成分中、少なくとも60モル%以上、好ましくは80モル%以上、最も好ましくは90モル%以上がコバルト成分(コバルト元素のモル%として)であることが望ましい。これ以外の活性種としては、第1〜第3族、または第14族の元素が含まれてもよい。
<触媒Aの担体>
触媒Aの活性種が担持される担体としては、比表面積が0.01〜5m/gのマグネシウムを含有する酸化物が使用される。マグネシウムを含有する酸化物としては、たとえば、酸化マグネシウムやマグネシウムを含むスピネル型酸化物およびペロブスカイト型酸化物等が挙げられる。これらのうち、担体としては、酸化マグネシウムが最も好ましい。マグネシウムを含有する酸化物の比表面積は0.01〜4m/gがより好ましく、0.03〜3m/gが更により好ましい。比表面積が0.01m/g未満であると、得られるCNFの結晶性および導電率が低下する場合がある。比表面積が5m/gを超えると得られるCNFの合成活性や分散性が低下する場合がある。担体には、第1〜第3族、および第14族から選ばれる他の金属元素の酸化物が含まれてもよい。担体中のマグネシウム含有酸化物の含有量は少なくとも50質量%以上が好ましく、より好ましくは90質量%以上であり、最も好ましくは98質量%以上である。マグネシウム含有酸化物が50質量%未満になると、合成活性が低下する場合がある。
コバルト担持率が多いほど触媒活性が上がり、さらに、得られるCNFの結晶性が向上する傾向があるが、多すぎるとコバルトの粒子径が大きくなり合成活性が低下する場合がある。一方で、コバルト担持率が低いと、合成活性は増加するが、触媒活性が低くなる傾向があり、また、得られるCNFの結晶性が低下したり導電率が低下したりする場合がある。そこで、担体へのコバルトの担持率は任意であるが、好ましくは3〜150質量%、より好ましくは5〜90質量%である。なお、本発明では、担持率は以下の式に基づいて計算される。
担持率=活性種(金属成分として)の質量/担体の質量×100(%)
コバルトをマグネシウム含有酸化物からなる担体に担持する場合、担持方法は、特に限定されない。例えば、コバルトの塩を溶解させた非水溶液中(例えばエタノール溶液)又は水溶液中又はこれらの混合溶液中に、担体を含浸し、充分に分散混合した後、乾燥させ、空気中、高温(例:300〜600℃)で焼成することにより、担体にコバルトを担持させることができる。また、単純にコバルトの塩を溶解させた非水溶液中(例えばエタノール)又は水溶液中に、担体を含浸し、充分に分散混合した後、水分除去乾燥させただけでも良い。あるいはコバルトの塩を溶解させた非水中又は水溶液中に、担体を含浸し、充分に分散混合した後、アルカリにて中和した後に水分を除去し、乾燥させ、焼成してもよい。乾燥はスプレードライなどの方法を用いても良い。
本触媒を用いる場合、CNFを合成する際の反応温度は下記の通りであるが、特に600℃以上750℃以下が好ましい。
<触媒B>
触媒Bは、コバルトを主成分とする活性種を、チタンを含有する比表面積が20〜140m/gの酸化物または複合酸化物からなる担体に担持された触媒(以下、「コバルト−酸化チタン担持触媒」と記載)である。
<触媒Bの活性種>
コバルト−酸化チタン担持触媒はCNF製造の実質的な活性種としてコバルトを主成分とする。触媒Bの活性種に関しては、前述した触媒Aにおける活性種と同様である。
<触媒Bの担体>
担体としては、チタンを含有する比表面積が20〜140m/gの酸化物または複合酸化物が使用される。チタンを含有する酸化物としては、たとえば、酸化チタンやチタンを含むスピネル型酸化物およびペロブスカイト型酸化物等が挙げられる。これらのうち、担体としては、酸化チタンが最も好ましい。比表面積は25〜100m/gであることがより好ましく、40〜70m/gであることが更により好ましい。比表面積を20m/g以上とすることで、合成活性が向上する。また、比表面積を140m/g以下とすることでも高い合成活性が得られるという利点がある。担体に酸化チタンが使用される場合、担体は酸化チタン単独、または他の酸化物との混合物でもよい。酸化チタンは高い合成活性が得られる点で、結晶構造がルチル構造、またはルチル構造とアナタース構造の混合物が好ましいが、アナタース構造でもよい。チタンを含有する複合酸化物としては、チタン酸カリウム、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸鉛、チタン酸アルミニウムおよびチタン酸リチウム等が挙げられる。これらの中では、高い合成活性が得られる点でチタン酸バリウムが好ましい。担体にチタンを含有する複合酸化物が使用される場合、担体は該複合酸化物単独でも、または他の酸化物との混合物でもよい。担体中のチタンを含有する酸化物の質量割合は、少なくとも50質量%以上が好ましく、より好ましくは90質量%以上であり、最も好ましくは98質量%以上である。チタンを含有する酸化物を50質量%以上とすることで、導電性、結晶性等を向上することができる。
コバルト担持率は高いほどCNFの収量が上がるが、多すぎるとコバルトの粒子径が大きくなり、生成するCNFが太くなるため、活性種あたりの合成活性が低下する傾向がある。一方、コバルト担持率が少ないと、担持されるコバルトの粒子径が小さくなり、細いカーボンナノチューブが得られるが、触媒あたりの合成活性が低くなる傾向がある。最適なコバルト担持率は、担体の細孔容量や外表面積、担持方法によって異なるが、0.1〜50質量%が好ましく、1〜40質量%がより好ましく、5〜30質量%が最も好ましい。担持率を0.1〜50質量%とすることで、触媒あたりの合成活性が向上し、コストが有利となる。
活性種を担体に担持する場合、担持方法は特に限定されない。例えば、コバルトの塩を溶解させた非水溶液中(例えばエタノール溶液)又は水溶液中又はこれらの混合溶液中に、担体を含浸し、充分に分散混合した後、水分を除去し、空気中で焼成(例:300〜700℃)することにより、活性種を担体へ担持させることができる。また、単純にコバルトの塩を溶解させた非水(例えばエタノール)又は水溶液中に、担体を含浸し、充分に分散混合した後、水分除去乾燥させただけでも良い。あるいはコバルトの塩を溶解させた非水中又は水溶液中に、担体を含浸し、充分に分散混合した後、アルカリにて中和した後に水分を除去し、乾燥させ、焼成してもよい。乾燥はスプレードライなどの方法を用いても良い。
本触媒を用いる場合、CNFを合成する際の反応温度は下記の通りであるが、特に600℃以上750℃以下が好ましい。
<触媒C>
触媒Cは、鉄およびニッケルから選択される1種以上の活性種を比表面積が0.1〜20m/gの黒鉛粒子担体に担持された触媒である。
<触媒Cの活性種>
触媒の活性種としては、鉄およびニッケルから選択される1種以上の活性種が使用される。ここで鉄及びニッケルは、金属の形態のみならず、酸化物、水酸化物、含水酸化物、硝酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩および炭酸塩等の化合物の形態であってもよい。
ただし、触媒の活性種が、鉄およびニッケルから選択される1種以上の活性種が好適に機能する観点からは、担体を除いた成分中、好ましくは70質量%以上、より好ましくは95質量%以上が鉄およびニッケル(両者の金属成分としての合計値)から構成されることが望ましい。本条件を満たすことで、比較的高結晶性、高導電率、高分散性のCNFを、高いCNF合成活性で得ることができる。
鉄およびニッケルから選択される1種以上の活性種を用いた触媒を用いた場合、得られるCNFは実質的にカーボンナノチューブ(CNT)である。一方、活性種が鉄を主成分とする活性種の場合、得られるCNFにはヘリンボーン構造が多く含まれる。高い導電性(低い粉体抵抗率)や結晶性を与える点や特にファイバーとしての力学強度を勘案すると、カーボンナノチューブ(CNT)構造であることが好ましいため、鉄およびニッケルのいずれも含有する活性種が好ましい。
活性種が鉄およびニッケルの何れも含有する場合、鉄とニッケルの質量比は任意である。鉄およびニッケルの何れも含有する場合、得られるCNFの結晶性や分散性が向上する。触媒Cを使用する場合の最も好ましい鉄とニッケルの質量比は、鉄:ニッケル=6:4〜4:6の範囲である。活性種の組成が本範囲であることで、得られるCNFは高い導電性、結晶性と共に極めて高い分散性を示すことができる。
鉄、ニッケル以外に他に少量含まれても良い成分としてはコバルト、マンガン、モリブデン、銅、タングステンが例示でき、これ以外に第1〜3族、または14族の成分が含まれることを排除しない。
<触媒Cの担体>
担体としては、0.01〜200m/g、好ましくは0.1〜20m/gの炭素粒子を用いる。ここで炭素粒子としては黒鉛粒子や各種カーボンブラック等が例示できるが、好ましくは黒鉛粒子、具体的には天然黒鉛または人造黒鉛である。このような炭素粒子を担体として用いることで、非常に高いCNF合成活性を得ることができ、CNF−炭素材料複合体を効率的に得ることができる。通常の金属酸化物系担体とは異なり、導電性である炭素粒子を担体に用いることで得られたCNFから担体を除去しなくても、導電性に優れたCNF−炭素材料複合体が得られる特徴がある。
ここでいう炭素粒子とは、短径に対する長径の比(アスペクト比)が1〜10未満の範囲内にあることが好ましい。長径とは測定対象となっている黒鉛材料を貫通することのできる最長線分の長さを指し、短径とは長径に垂直な方向の線分のうち測定対象となっている黒鉛材料を貫通することのできる最長線分の長さを指す。炭素粒子は、互いに接触、結合した構造、いわゆるストラクチャーを形成していてもよい。従って、炭素粒子の概念は、粒子状以外の構造を有する炭素材料、例えば炭素繊維、活性炭素繊維やカーボンナノファイバー(CNF)を含まない。粒子状以外の形状を有する炭素材料を担体に用いた場合、得られたCNFとこれら材料が絡まり合ってしまい分散性が低下する場合がある。
炭素粒子担体として、比表面積が0.01〜200m/gの黒鉛粒子を用いた際は、得られたCNFは極めて分散性に優れる。これは、触媒Cを用いたCNF合成反応により直接得られるCNFが本質的に高分散性であり、かつ黒鉛粒子担体との相互作用、例えば絡まり合いが少ないからであると考えられる。さらにこのような黒鉛粒子担体を用いた場合、金属活性種との結合力が低く、容易に金属活性種が担体から遊離するという利点がある。
反面、比表面積が0.01m/g未満、または200m/gを超える炭素粒子、例えばカーボンブラックを用いた場合、高い活性を得ることができない場合が有る。具体的には比表面積が0.01m/g未満では、担持金属触媒の分散が不十分となり活性が低下しやすい。また、比表面積が200m/gを超えるとCNFの合成活性が低下し、得られるCNF同士や担体を含むCNF同士の絡み合いが激しくなり分散性が低下してしまう懸念がある。
炭素粒子担体として用いられる黒鉛粒子としては、天然黒鉛粒子または人造黒鉛粒子が挙げられる。天然黒鉛の例としては塊状黒鉛、鱗片状黒鉛、土状黒鉛が挙げられ、これらに由来する黒鉛粒子も使用可能である。例えば、精製し純度を向上させた天然黒鉛や薄片化した黒鉛が好ましく用いられる。天然黒鉛由来の粒子状黒鉛は例えば日本黒鉛工業から入手できる。人造黒鉛粒子としては、コークス、ピッチ、コールタール、樹脂から製造されるもので、上記の比表面積を満たすものが好適に使用できる。この範疇にはメソフェーズカーボン、グラッシーカーボンも含まれる。人造黒鉛由来の粒子状黒鉛は、例えば東海カーボン、日立化成、昭和電工、日本黒鉛工業社から購入できる。これら黒鉛粒子は、リチウムイオン電池の負極用材料として用いられている物でも好適に使用できる。
活性種を黒鉛粒子担体に担持する場合、担持方法は特に限定されず公知の方法を用いることができる。例えば、金属塩を溶解させた非水溶液中(例えばエタノール溶液)又は水溶液中又はこれらの混合溶液中に、黒鉛粒子担体を含浸し、充分に分散混合した後、水分を除去乾燥することで活性種を黒鉛粒子担体へ担持させることができる。あるいは金属塩を溶解させた非水中又は水溶液中に、黒鉛粒子担体を含浸し、充分に分散混合した後、アルカリにて中和した後に水分を除去し、乾燥させてもよい。乾燥はスプレードライなどの方法を用いても良い。他の方法は、例えば触媒学会NTS発行、監修岩本正和「触媒調製ハンドブック」2011年4月25日に記載されている。
活性種の黒鉛粒子担体への担持率は、担体の細孔容量や外表面積、担持方法によって異なるが、一般的には1〜50質量%であり、1質量%未満であると、合成活性が低くなる傾向がある。また、50質量%を超えると、生成するCNFが太くなったり、合成活性が低下したりしてしまう。合成活性の点では、担持率としては1〜10質量%が最も好ましい。
本触媒を用いる場合、CNFを合成する際の反応温度は下記の通りであるが、特に550℃以上650℃以下が好ましい。
これら上記の好ましい触媒(A)、(B)、(C)から選ばれる触媒を用い、各触媒に好適な反応条件で合成を行うことで、高い結晶性、高い導電性、高い分散性のCNFを得ることができる。これらの特徴は、粒状炭素材料からなる流動分散材を用いずに合成反応を行うことで得られたCNFにおいても達成可能ではある。しかし、これら特徴を合わせ有するCNF単体を製造する条件は限定されてしまい、また合成活性も十分ではない。条件がずれてしまうと特に分散性が著しく低下してしまう場合が多いという問題を有している。またCNFの分散性と、CNF合成活性や生産性はトレードオフの関係にあり、分散性を向上させようとすると活性や生産性が低下してしまう課題がある。本発明に用いる製造方法は、高分散性のCNF複合体を製造することができる製造方法であるが、その際に高い結晶性、高い導電性、高い分散性のCNFを与えることができるこれら触媒(A)〜(C)から選ばれる触媒を用いることで、より導電性や分散性に優れたCNF複合体を、より高い活性、生産性で製造することができる。
<炭素源>
炭素源としては、炭素数1〜10の炭化水素や一酸化炭素、二酸化炭素およびこれらの混合物が使用できる。炭化水素としては例えばメタン、エタン、プロパン、エチレン、プロピレン、ベンゼン、トルエン、アセチレンが例示できる。本発明での最も好適な炭素源としては一酸化炭素が用いられる。一酸化炭素を使用することで、比較的低い反応温度であっても、結晶性や導電性の高いCNFを製造することができる。
<CNF製造方法及び条件>
以下の詳細な説明では炭素源として最も好適な一酸化炭素を使用した場合について説明する。
炭素源として使用する一酸化炭素は、二酸化炭素や水素との混合ガスとして使用してもよく、窒素ガス等の不活性ガスを含んでいてもよい。一酸化炭素ガスの分圧は0.04〜0.98MPaであることが好ましく、より好ましくは0.05〜0.3MPaであり、最も好ましくは0.05〜0.1MPaである。一酸化炭素ガス分圧が0.04MPa未満であると、合成活性が低下したり、また得られるCNFの結晶性や導電性が低下する場合がある。また一酸化炭素のガス分圧が0.98MPaより高いと、得られるCNFの分散性が低下したり、触媒の失活が激しくなり合成活性が低下してしまう場合がある。
水素ガス分圧は一酸化炭素ガス分圧に対し1〜100%であることが好ましく、10〜100%がより好ましい。一酸化炭素ガス分圧に対する水素ガス分圧が100%を超えると、合成活性が低下したり、得られるCNFの結晶性や導電性が低下する場合がある。水素ガス分圧が1%未満の場合、早期に触媒の失活が起こり、合成活性が低下する場合がある。
なお、一酸化炭素ガス分圧に対する水素ガス分圧は以下の式によって計算できる。
一酸化炭素ガス分圧に対する水素ガス分圧=水素ガスのモル比/一酸化炭素ガスのモル比×100(%)
例えば、炭素源を含む原料ガス組成がCO/H/N=85/15/0の混合ガスの場合であれば、一酸化炭素ガス分圧に対する水素ガス分圧は
一酸化炭素ガス分圧に対する水素ガス分圧=15/85×100=18(%)
と計算できる。
一酸化炭素ガス、水素、二酸化炭素の原料ガスに、不活性ガスを加えた全ガス分圧は1.0MPa未満が好ましい。全圧が1.0MPaを超えると、製造に当たり高圧対応設備費用やユーティリティが嵩んでしまう可能性がある。また0.1MPa(大気圧)と比較し大きく減圧である場合、例えば0.08MPa未満の場合には、高温の反応器に対し大気(酸素)の混入を防ぐためのシールが難しく、好ましくない場合がある。
一酸化炭素ガス流速は、1NL/g−活性種・分以上であることが好ましく、2NL/g−活性種・分以上であることがより好ましくい。一酸化炭素ガス流速をこの範囲に設定することで、CNFを高い合成活性で製造することができる。ここでいう高い合成活性とは、具体的には10g−CNF/g−活性種・h(時間)以上であることを意味する。一酸化炭素ガス流速の上限は特にないが、200NL/g−活性種・分を超えると、ガスの流量が多すぎて、余熱のためのユーティリティコストが嵩み、好ましくない。また、合成活性が低下する場合がある。
尚、「NL」とは標準状態(0℃、1気圧)に換算したガス量L(リットル)を示し、「NL/g−活性種・分」とは、単位活性種存在下(活性種1gあたり)での1分間のガス流量を示す。
触媒(A)または(B)を用いたCNF合成時の反応温度は、600〜800℃が好ましく、700〜750℃であることがより好ましい。反応温度が600℃未満になると、CNFの結晶性、導電性および分散性が低下する場合がある。また、800℃を超えると合成活性が低下する場合がある。
触媒(C)を用いたCNF合成時の反応温度は、550〜650℃が好ましい。反応温度が550℃未満になると、CNFの結晶性、導電性および分散性が低下する場合がある。また、650℃を超えると触媒が失活する場合がある。
本発明に用いるCNFの合成における使用可能な反応器としては、炭素源を含むガス雰囲気下で触媒及び粒状炭素材料を収容することのできる任意の形状の反応器であり、その一部または全部が機械的に稼働することにより触媒及び合成したCNFを機械的に攪拌する機能を有する反応器であれば特に制限はない。反応器の可動部分は、攪拌羽、パドルのようなものでも良く、あるいは反応器自身が回転や振動しても良い。後者の例としてはロータリーキルン反応器が例示できる。本発明においては、機械的に攪拌する機能を有する反応器が回転式の反応器であることが好ましく、ロータリーキルン反応器のような軽微な勾配を有していてよい横型の回転式反応器がより好ましい。反応器内の触媒及び粒状炭素材料は機械的に攪拌されることで原料である炭素源と高い均一性で接触することができ、触媒は生成したCNFとともに攪拌されるので生成したCNF同士が凝集することを抑制する働きを示す。本反応器における反応は、バッチ式であっても、あるいは連続式であってもよい。
製造されたCNFは、純度を高めるために活性種および担体中に含まれる金属元素を除去することが好ましい。活性種および担体の除去は、具体的には特開2006−69850号公報等に記載された、CNFを塩酸、硝酸、硫酸等の酸に分散させた後、ろ過や遠心分離等の手段によってCNFを回収する方法により行うことができる。
<CNF分散液>
本発明のCNF分散液は、CNF、分散剤、有機バインダーおよび分散媒を含有する。
CNF分散液中のCNF含有量は、目的とする導電性、用途により任意であるが、0.1〜30質量%が好ましく、1〜10質量%がより好ましい。なお、CNF含有量は以下の式により算出できる。
CNF含有量(質量%)=(分散液中のCNF質量/(分散液中のCNF、分散剤及び有機バインダーの総質量)×100
<分散剤>
本発明に用いられる分散剤としては、特に限定されるものではないが、公知のものが使用できる。分散剤としては、アルキルアミン塩、第四級アンモニウム塩などの陽イオン性界面活性剤、アルキルベタイン系界面活性剤、アミンオキサイド系界面活性剤などの両イオン性界面活性剤、ドデシルベンゼンスルホン酸等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、ドデシルフェニルエーテルスルホン酸塩等の芳香族スルホン酸系界面活性剤、モノソープ系アニオン性界面活性剤、エーテルサルフェート系界面活性剤、フォスフェート系界面活性剤およびカルボン酸系界面活性剤などの陰イオン性界面活性剤が挙げられる。非イオン性界面活性剤の例としては、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどの糖エステル系界面活性剤、ポリオキシエチレン樹脂酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸ジエチルなどの脂肪酸エステル系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン・ポリプロピレングリコールなどのエーテル系界面活性剤、ポリオキシアルキレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシアルキルジブチルフェニルエーテル、ポリオキシアルキルスチリルフェニルエーテル、ポリオキシアルキルベンジルフェニルエーテル、ポリオキシアルキルビスフェニルエーテル、ポリオキシアルキルクミルフェニルエーテル等の芳香族系非イオン性界面活性剤があげられる。高分子系分散剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリスチレンスルホン酸アンモニウム塩、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム塩等の水溶性ポリマー、カルボキシメチルセルロースおよびその塩(ナトリウム塩、アンモニウム塩等)、ポリアクリル酸およびその塩(ナトリウム塩等)、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アミロース、シクロアミロース、キトサン等の糖類ポリマー等がある。またポリチオフェン、ポリエチレンジオキシチオフェン、ポリイソチアナフテン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレン等の導電性ポリマーおよびそれらの誘導体も使用できる。
これらの中では、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸アルカリ金属塩、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の水溶性高分子が好ましく、特に、カルボキシメチルセルロースおよびその塩(ナトリウム塩、アンモニウム塩等)が好ましい。
本発明においては、これらの分散剤は1種または2種以上を併用して用いることができる。
分散に必要な分散剤の添加量は、含有されるCNFの量および比表面積によっても異なるが、CNF100質量部に対し10〜200質量部が好ましく、20〜100質量部がより好ましく、25〜50質量部が更に好ましい。分散剤の量が10質量部未満であると、CNFの分散が困難になる場合がある。また分散剤の量が200質量部を超えるとCNF同士の接触が阻害され、導電性が低下する場合がある。
<有機バインダー>
本発明に用いられる有機バインダーとしては、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリアミド(ナイロン6、ナイロン11、ナイロン66、ナイロン6,10等)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等)、シリコーン樹脂、ビニル樹脂(ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリレート、ポリスチレン誘導体、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール等)、ポリケトン、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリアセタール、フッ素樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、セルロース系ポリマー、蛋白質類(ゼラチン、カゼイン等)、キチン、ポリペプチド、多糖類、ポリヌクレオチドなどの有機ポリマー、ならびにこれらのポリマーの前駆体(モノマーまたはオリゴマー)が挙げられる。
有機バインダーとしては、水系の溶剤に使用可能であるという点でポリアクリロニトリル、ポリアセタール、セルロース系ポリマーが好ましく、ポリアクリレートが特に好ましい。
有機バインダーの添加量は、CNF100質量部に対し、100〜3000質量部が好ましい。有機バインダーの添加量が100質量部未満では、CNFと基材の結着性が低下する場合がある。また、3000質量部を超えると、有機バインダーがCNF間の導電パスの妨げとなり、導電性が低下する場合がある。
<分散媒>
本発明に用いられる分散媒としては、特に限定されるものではないが、公知のものが使用できる。例えば、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン等)、塩素含有炭化水素類、エステル類(酢酸メチル、酢酸エチル等)、アミド類(ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなど)、エーテル類(ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチルセロソルブ等)、アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール、ベンジルアルコールなど)、アミン類(エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミンなど)、複素環類(2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなど)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシドなど)、ケトン類(シクロヘキサノン、メチルエチルケトン等)が挙げられる。
これらの中では、水、アルコール、トルエン、アセトンおよびエーテルから選択される1種以上の分散媒が好ましく、操作性や環境安全性の観点から水が特に好ましい。
CNF分散液中のCNF、分散剤および有機バインダーが占める固形分濃度は、5〜30質量%であることが好ましく、10〜20質量%であることがより好ましい。固形分濃度が5質量%未満であると、溶剤の揮発速度が低下し、作業効率が低下する場合がある。また、30質量%を超えると、分散液の粘度が大きくなりロールコーティングによる塗工が困難になる場合がある。
本発明に用いられるCNF分散液は、導電性フィラーとして、前記CNF以外の成分を含んでもよい。前記CNF以外の導電性フィラーとしては、本願の定義に入らない炭素繊維、人造黒鉛、天然黒鉛、アセチレンブラック、ファーネスブラック等のカーボンブラック、膨張黒鉛、金属粉等を用いることができる。
<CNF分散液の製造方法>
本発明のCNF分散液を製造する方法は特に限定されず、公知の適当な分散法を用いることができる。例えば振動ボールミル、ボールミル、ビーズミル、サンドミルなど、分散させる対象物と分散媒の混合物に球体を衝突させて物理的分散させる装置、超音波ホモジナイザー、ジェットミル、マグネティックスターラー、ホモミキサー、リボンミキサー、ロールミル、回転式ホモジナイザー、アトライター、ペイントシェーカーなどの装置を用いることができる。
CNF分散液の具体的な用途としては、例えばリチウムイオン二次電池の導電性付与材としての用途が上げられる。本発明のCNF分散液を電極合剤層に少量添加するだけで、電極合剤層全体に好適な導電ネットワークを形成することができる。また導電性付与材の添加量を減らした分、電極合剤層中の充放電用材料(電極活物質)の密度を高めることができる。すなわち、CNF分散液は、粒子状の炭素材料(例えばアセチレンブラック)を導電材として用いた場合よりも電池特性に優れたリチウムイオン二次電池を付与することができる。
<透明導電膜、透明導電フィルム>
本発明の分散液は、導電性が必要とされる基材上に塗布することで、透明導電膜を形成することができる。基材としては、フィルムやシート状の平板形状のものや、直方体、角柱、角錐、円柱、円錐等の立体形状を有するものが挙げられる。CNF分散液を塗布する方法は特に限定されず、公知の塗布方法、例えば吹き付け塗装、浸漬コーティング、スピンコーティング、ナイフコーティング、キスコーティング、グラビアコーティング、スクリーン印刷、インクジェット印刷、パット印刷、他の種類の印刷、またはロールコーティングなどが利用できる。また塗布は、何回行ってもよく、異なる2種類の塗布方法を組み合わせても良い。最も好ましい塗布方法は、ロールコーティングである。
CNF分散液が水媒体の分散液である場合は、基材面への塗布に先立ち、CNF分散液中に基材面への濡れ性を向上する目的で濡れ剤を添加しても良い。また、非親水性の基材面に塗布する場合は、界面活性剤やアルコール等の濡れ剤をCNF分散液中に添加することで、濡れ性が向上する。濡れ剤としてはアルコールが好ましく、アルコールの中でもメタノールまたはエタノール等の低級アルコールが好ましい。メタノール、エタノールなどの低級アルコールは揮発性が高いために、塗布後の基材乾燥時に容易に除去可能である。また、必要に応じ、これら低級アルコールと水の混合液からなる濡れ剤を用いても良い。
CNF分散液を基材面に塗布後、風乾、加熱、減圧などの方法により分散媒を揮散させることができる。これによりCNFは、透明導電膜中に三次元編目構造を形成し、基材に固定化される。
基材の種類は特に限定されず、樹脂、ガラスなどを挙げることができる。樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、アラミド、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ乳酸、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリル酸メチル、脂環式アクリル樹脂、シクロオレフィン樹脂、トリアセチルセルロースなどを挙げることができる。ガラスとしては、軟質ガラス、硬質ガラスまたは石英ガラスを用いることができる。
また、これらの複数の基材を組み合わせた積層基材を使用することもできる。例えば、樹脂とガラスを組み合わせた積層基材や、2種以上の樹脂を積層した積層基材であってもよい。さらに、樹脂基材表面にハードコートを設けた基材であっても良い。
また、基材表面は、コロナ放電やプラズマ処理などにより親水性化処理したフィルムでも良い。さらに、基材面上にアンダーコート層を設けたフィルムでも良い。アンダーコート層としては親水性の高い素材からなることが好ましく、具体的には無機酸化物を用いることが好ましい。無機酸化物としては、チタニア、アルミナ、シリカが挙げられる。これらの物質は、表面に親水基であるヒドロキシル基を有しているため、本発明による透明導電膜と良好な接着性を得ることができる。さらにアンダーコート層は、これらの無機酸化物と樹脂との複合体でも良く、例えばシリカ微粒子とポリシリケートの複合物が挙げられる。
上述した方法により得られる透明導電膜は、フィルム基材と積層した透明導電フィルムとして使用することもできる。また、基材から剥離させフィルム状の透明導電膜単体として用いることもできる。透明導電膜単体を作製するには、例えば、透明導電膜上にさらに有機ポリマー系バインダーを塗布した後、基材を剥離してもよい。
これらの透明導電膜の厚さは、用途により任意である。一例として、キャリアテープとして使用する場合は50〜1,000nmが好ましく、100〜700nmがより好ましい。厚さが50nm未満であると、CNF繊維が膜から突出し、基材からはがれやすくなる場合がある。また、1000nmを超えると、塗工時に溶剤の揮発速度が低下し、作業効率が低下する場合がある。更に全光線透過率が低下する場合がある。これらの方法により得られた透明導電膜は、全光線透過率が80%以上、表面抵抗率が1×10Ω/□未満である透明導電膜とすることが可能である。
透明導電膜を基材と積層した透明導電フィルムの全光線透過率は、75%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましい。
また、透明導電フィルムを電子部品搬送用のキャリアテープやカバーテープとして用いる場合、表面抵抗率は10〜10Ω/□であることがより好ましい。表面抵抗率が1×10Ω/□未満であると、基材上の電荷の移動速度が大きくなり、大電流が流れる場合がある。1×10Ω/□を超えると帯電防止性を付与することができない。
本発明の透明導電性フィルムの用途としては、上述した透明キャリアテープやカーテープ以外にも、静電防止クリアコート層や静電靴、静電板などのクリーンルーム用部材として使用できる。
以下、実施例により、本発明を説明するが、これらの実施例は本発明を限定するものではない。
[比表面積]
触媒担体及びCNFの比表面積は、Mountech社製Macsorb HM model−1201を用い、JIS K6217−2に従いBET一点法で求めた。
[平均繊維径]
前記方法で求めた比表面積の値を用いて、以下の式によりCNFの平均繊維径を算出した。
平均繊維径(nm)=1000×4/(ρ×S)
ここで、ρはCNFの密度(g/cm)、SはCNFの比表面積(m/g)をあらわす。なお、非特許文献Peng−Cheng Maa,Naveed A.Siddiqui a,Gad Marom b,Jang−Kyo Kim a;Dispersion and functionalization of carbon nanotubes for polymer−based nanocomposites:A review,Composites:Part A 2 0 1 0 ; 4 1 : 1 3 4 5 − 1 3 6 7 に基づき、CNFの密度は1.8g/cmと仮定した。
[ラマン分光測定]
CNF粉体のラマン分光測定は、顕微レーザーラマン分光分析装置(Niolet Almega−XR型、サーモフィッシャーサイエンティフィック社製、レーザー532nm)を用い行った。Dバンド(D1:ピーク位置1330cm−1、D3:1500cm−1、D4:1150cm−1)とGバンド(G+:1600cm−1、G−:1570cm−1)の波形分離を行った後、Dバンドピークに由来する面積の総和とGバンドピークに由来する面積の総和の比(D/G)を求めた。本D/Gが低いほどCNFの結晶性が高いことを示している。
(参考)
D1:グラファイト結晶構造内の点欠陥、結晶端由来の欠陥に由来
D3:アモルファスカーボンに由来
D4:ポリエンやイオン性不純物に由来
G+:グラファイトの結晶性ピーク:縦光学モード
G−:グラファイトの結晶性ピーク:横光学モード
<1μm以下の分散粒子の割合およびメジアン径(粒度分布測定)>
1μm以下の分散粒子の割合およびメジアン径の測定は、粒度分布測定装置(LS 13 320 ユニバーサルリキッドモジュール BECKMAN COULTER社製)にて行なった。
なお、1μm以下の分散粒子の割合およびメジアン径D50の測定に先立ち、粒度分布測定装置の検定を行ない、下記各検定用試料の測定で得られたメジアン径の値が以下の条件をすべて満足した場合、装置の測定精度は合格とし、実施例、比較例の粒度分布測定を実施した。
[水分散媒の調製]
蒸留水100mLにカルボキシメチルセルロースナトリウム(以下CMCNaと記載)0.10gを添加し、24時間以上常温で撹拌し溶解させ、CMCNa0.1質量%の水分散媒を調製した。
[CMCNa水溶液の調製]
蒸留水100mLにカルボキシメチルセルロースナトリウム2.0gを添加し、24時間以上常温で撹拌し溶解させ、CMCNa2.0質量%の水溶液を調製した。
[検定用試料の調製および検定]
(1)ポリスチレン分散液による検定
粒度分布測定装置(LS 13 320 ユニバーサルリキッドモジュール BECKMAN COULTER社製)に付属された、測定精度確認用LATRON300LS(メジアン径D50:0.297μm)水分散液を使用した。
光学モデルをポリスチレン1.6、水1.333とそれぞれの屈折率に設定し、モジュ−ル洗浄終了後に前記CMCNa水溶液を約1.0mL充填した。ポンプスピード50%の条件でオフセット測定、光軸調整、バックグラウンド測定を行った後、粒度分布計に、LATRON300LSを粒子によってビームの外側に散乱する光のパーセントを示す相対濃度が8〜12%、もしくはPIDSが40%〜55%になるように加え、粒度分布測定を行った。粒度(粒子径)に対する体積%のグラフを得て、精度の確認を行った。測定で得られたメジアン径D50値は0.297μm±0.018μm以内、同D10値は0.245μm±0.024μm以内、同D90値は0.360μm±0.036μm以内の範囲に入ることを確認した。
(2)アルミナ分散液による検定
バイアル瓶に電気化学工業(株)製のアルミナLS−13(メジアン径D50:45μm)および昭和電工(株)製のアルミナAS−50(メジアン径D50:6.7μm)をそれぞれ0.120g秤量し、前記水分散媒を12.0g添加し、バイアル瓶を良く振りアルミナ水分散液を作製した。
光学モデルをアルミナ1.768、水1.333とそれぞれの屈折率に設定し、モジュ−ル洗浄終了後に前記CMCNa水溶液を約1.0mL充填した。ポンプスピード50%の条件でオフセット測定、光軸調整、バックグラウンド測定を行った後、粒度分布計に、調製した上記アルミナ水分散液を粒子によってビームの外側に散乱する光のパーセントを示す相対濃度が8〜12%、もしくはPIDSが40%〜55%になるように加え、粒度分布測定を行った。粒度(粒子径)に対する体積%のグラフを得て、精度の確認を行った。測定で得られたD50値がLS−13の場合は48.8μm±5.0μm以内、AS−50の場合は、12.6μm±0.75μm以内の範囲に入ることを確認した。
[測定前処理]
バイアル瓶にCNFを6.0mg秤量し、前記水分散媒6.0gを添加した。測定前処理に超音波ホモジナイザーSmurtNR−50((株)マイクロテック・ニチオン製、超音波出力:50W)を用いた。
チップの劣化がないことを確認し、チップが処理サンプル液面から10mm以上つかるように調整した。TIME SET(照射時間)を40秒、POW SETを50%、START POWを50%(出力50%)とし、出力電力が一定であるオ−トパワ−運転による超音波照射により均一化させCNF水分散液を作製した。
[CNFの粒度分布測定]
前記の方法により調製したCNF水分散液を用い、CNFの1μm以下の分散粒子の割合およびメジアン径の測定を、以下の方法に従い実施した。LS 13 320 ユニバーサルリキッドモジュールの光学モデルをCNF1.520、水1.333とそれぞれの屈折率に設定し、モジュ−ル洗浄終了後にCMCNa水溶液を約1.0mL充填する。ポンプスピード50%の条件でオフセット測定、光軸調整、バックグラウンド測定を行った後、粒度分布計に、調製したCNF水分散液を粒子によってビームの外側に散乱する光のパーセントを示す相対濃度が8〜12%、もしくはPIDSが40%〜55%になるように加え、粒度分布計付属装置により78W、2分間超音波照射を行い(測定前処理)、30秒循環し気泡を除いた後に粒度分布測定を行った。粒度(粒子径)に対する体積%のグラフを得て、1μm以下の分散粒子の存在割合及びメジアン径D50値を求めた。
測定は、CNF1試料につき、採取場所を変え3測定用サンプルを採取して粒度分布測定を行い、1μm以下の分散粒子の存在割合及びメジアン径D50値をその平均値で求めた。
[粉体抵抗率測定]
CNFの粉体抵抗率(体積抵抗率)は、三菱化学アナリティック社製ロレスタGP:粉体抵抗測定システムMCP−PD51型を用い、23±1℃、相対湿度50±2%の雰囲気にて、荷重9.8MPaの条件下、四探針法にて求めた。測定には100mgのサンプルを用いた。
(触媒調製例1:コバルト−酸化マグネシウム担持触媒)
硝酸コバルト六水和物(3N5、関東化学社製)6.17gを量り取り、質量比2:1の蒸留水とエタノール混合溶剤30gに溶解した。この硝酸コバルト水溶液に比表面積0.61m/gの酸化マグネシウム(DENMAG(登録商標)KMAOH−F、タテホ化学社製)を2.5g加え、湯浴で50℃に保持した状態で1時間撹拌した。撹拌後、エバポレータで水を蒸発させた。得られた固体成分を60℃で24時間真空乾燥し、その後400℃で5時間焼成処理を行った。焼成処理後、得られた固体成分をメノウ乳鉢で粉砕し、コバルト金属が50質量%担持したコバルト−酸化マグネシウム担持触媒を得た。
(CNF−A1の合成)
固定式合成反応器に、触媒調製例1にて作製したコバルト−酸化マグネシウム担持触媒(触媒B)を活性種の含有量が5mgとなるように仕込んだ触媒ホルダーを設置し、窒素を十分流して窒素置換した。さらに、窒素80%、水素20%の還元ガスを大気圧(0.101MPa)下、680℃に昇温し、680℃に達してから30分間保持して触媒の還元を行った。引き続き、一酸化炭素ガス分圧を0.086MPaとし、水素ガス分圧を0.015MPaとした原料ガスを一酸化炭素ガス流量が13NL/g−活性種・分となるように触媒層に通過させ、1時間反応を行った。その後、原料ガスを窒素ガスに切り替え、直ちに冷却し、CNF−A1を得た。
(CNF−A1の分散処理:CNF−A2の調製)
CNF−A1を用い、ビーズミルにて分散処理を行った。ビーズミルはアイメックス社(株)製RMB―08を使用した。CNF−A1を0.8g、N―メチル−2−ピロリドン39.2g、ジルコニア製φ0.5mmビーズ160gをベッセル内に加えた後、攪拌速度1000rpm、攪拌時間20分で分散処理を行った。その後蒸留水を用いてCNFを洗浄、ろ別後、120℃で10時間真空乾燥することでビーズミル処理を行なったCNF−A2を得た。CNF−A2の粒度分布を測定したところ、メジアン径D50は0.1μmであった。
(触媒調製例2:コバルト−酸化チタン担持触媒)
アナタース構造とルチル構造の比が80対20である酸化チタン(AEROXIDE(登録商標) 「TiO P25」、日本アエロジル社製 比表面積52m/g)2.5gと、硝酸コバルト・6水和物(3N5、関東化学社製)0.6gを蒸留水30mLに溶解した。ロータリーエバポレータ(N1000、東京理化器械社製)にセットし、ウォーターバスで50℃に加温し1時間撹拌した。水を除去後、さらに真空下60℃で12時間乾燥し、固体成分を得た。
得られた固体成分をセラミック製の坩堝に移し、マッフル炉(FO200ヤマト科学株式会社製)で空気中400℃の条件下5時間焼成し、コバルト担持率5%のコバルト−酸化チタン担持触媒を得た。
(CNF−B1の合成)
固定式合成反応器に、触媒調製例2にて作製したコバルト−酸化チタン担持触媒を活性種の含有量が5mgとなるように仕込んだ触媒ホルダーを設置し、窒素を十分流して窒素置換した。さらに、窒素80%、水素20%の還元ガスを大気圧(0.101MPa)下、680℃に昇温し、680℃に達してから30分間保持して触媒の還元を行った。引き続き、一酸化炭素ガス分圧を0.1MPaとした原料ガスを一酸化炭素ガス流量が66NL/g−活性種・分となるように触媒層に通過させ、1時間反応を行った。その後、原料ガスを窒素ガスに切り替え、直ちに冷却し、CNF−B1を得た。
(CNF−B1の分散処理:CNF−B2の調製)
CNF−B1を使用し、CNF−A1の処理と同条件にて処理し、CNF−B2を得た。
(触媒調製例3:鉄/ニッケル−炭素粒子担持触媒)
比表面積が10.3m/gの高純度黒鉛粉末1gに対し、鉄(以下、断りのない限り金属分を表す)とニッケル(以下、断りのない限り金属分を表す)の合計の担持率が5質量%、鉄とニッケルの質量比が5:5になるように酢酸鉄(II)と酢酸ニッケル(II)四水和物を秤量し、黒鉛粉末1gあたり蒸留水6gおよびエチルアルコ−ル6g(蒸留水:エチルアルコ−ル=1:1質量比)を加え、十分に溶解,分散させた。なす型フラスコをロータリーエバポレーターに取り付け、50℃の水浴内で1時間回転攪拌した。その後ロータリーエバポレーターの減圧を開始し、溶媒を除去した。溶媒除去後エバポレ−タから外し、真空乾燥器にて60℃15時間以上乾燥させた。ヘラを用いて触媒をフラスコから掻きだしメノウ製乳鉢に移し、凝集した触媒を粉砕することで、担持率が5質量%で、鉄とニッケルの質量比が5:5の鉄/ニッケル−炭素粒子担持触媒を得た。
(CNF−C1の合成)
固定式合成反応器に、触媒調製例3にて作製した鉄/ニッケル−炭素粒子担持触媒100mgとなるように仕込んだ触媒ホルダーを設置し、窒素を十分流して窒素置換した。さらに、窒素80%、水素20%の還元ガスを大気圧(0.101MPa)下、610℃に昇温し、610℃に達してから30分間保持して触媒の還元を行った。引き続き、一酸化炭素ガス分圧を0.08MPaとし、水素ガス分圧を0.02MPaとした原料ガスを一酸化炭素ガス流量が66NL/g−活性種・分となるように触媒層に通過させ、1時間反応を行った。その後、原料ガスを窒素ガスに切り替え、直ちに冷却し、CNF−C1を得た。
(CNF−C1の分散処理:CNF−C2の調製)
CNF−C1を使用し、CNF−A1の処理と同条件にて処理し、CNF−C2を得た。

(実施例1)
CNF−A1(乾燥重量換算で5mg)、カルボキシメチルセルロースナトリウム2.5mg(東京化成工業(株)製、(繰り返し単位数:500))、水5g、35%アクリル系バインダー水溶液0.1gを混合し、バス型超音波洗浄機(アズワン(株)、ASU-10、出力240W)を用いて30分間分散させ、CNF分散液を調製した。
(透明導電フィルム)
得られたCNF分散液を、コロナ放電処理を施したスチレン−ブタジエンブロック共重合体(電気化学工業(株)製、製品名クリアレン730L、全光線透過率90%)の透明シート(厚さ150μm、150mm×100mm)にバーコーターを用いて塗布し、その後分散媒を風乾にて揮散させ、厚さ100nmの透明導電膜を備えた透明導電フィルムを得た。

[透明性]
得られた透明導電フィルムの透明性は、分光ヘーズメーター((株)日本電色工業 NDH2000)にて測定した全光線透過率を基に評価した。透明性は4枚の試料の算術平均値を用いた。
[表面抵抗率]
得られた透明導電フィルムを用い表面抵抗率を評価した。表面抵抗率は4端子4探針法を用い、三菱化学アナリテック株式会社製「ロレスタGP」を用い、23±1℃、相対湿度50±2%の条件で行った(90V、10秒)。プローブにはESPプローブを用いた。測定は同一試料の4か所で行い、その算術平均値を表面抵抗率とした。
(実施例2、3)
CNF−A2作製時に、ビーズミルの処理時間を6時間としたものをCNF−A3とし、CNF分散液を調製した。CNF−A2またはCNF−A3をそれぞれ含むCNF分散液を用い、実施例2及び3として実施例1と同様に透明導電フィルムを作製した。
(実施例4〜6)
CNF−B2作製時に、ビーズミルの処理時間を6時間としたものをCNF−B3とし、CNF分散液を調製した。CNF−B1、CNF−B2またはCNF−B3をそれぞれ含むCNF分散液を用い、実施例4〜6として実施例1と同様に透明導電フィルムを作製した。
(実施例7〜9)
CNF−C2作製時に、ビーズミルの処理時間を6時間としたものをCNF−C3とし、CNF分散液を調製した。CNF−C1、CNF−C2またはCNF−C3をそれぞれ含むCNF分散液を用い、実施例7〜9として実施例1と同様に透明導電フィルムを作製した。
(比較例1)
導電性フィラーとして、メジアン径D50、粉体抵抗率およびD/Gが本特許の範囲外である、NC7000(ナノシル社製)を使用し、ビーズミルの処理時間を6時間にした以外は実施例1と同じ方法で透明導電フィルムを作製した。
(比較例2)
導電性フィラーとして、メジアン径D50、粉体抵抗率およびD/Gが本特許の範囲外である、Flotube9000(CNano社製)を使用し、ビーズミルの処理時間を6時間にした以外は実施例1と同じ方法で透明導電フィルムを作製した。
実施例1〜9に示すように、本発明に用いられる用件を満たすCNFを使用した場合には、比較例1〜2と比べ、表面抵抗率の低い透明導電フィルムが得られた。この結果から、本発明に用いられるCNFが、透明基材に対する高い導電性付与性能を有していることが分かる。
本発明のCNF分散液は、高い導電性を有するCNFを含有ため、例えば、帯電防止材料、発熱体、電磁波シールド材、電気・電子機器容器、導電性摺動用部材、電池の電極板、金属配線を代替する導電材料等への利用が考えられる。

Claims (12)

  1. メジアン径D50が0.1〜3μmであるカーボンナノファイバー、分散剤、有機バインダー、分散媒を含有するカーボンナノファイバー分散液。
  2. 前記カーボンナノファイバーが、9.8MPaの荷重下で測定した粉体抵抗率が0.03Ωcm以下であり、ラマン分光分析で測定されるD/G値が0.5〜1.3である、請求項1に記載のカーボンナノファイバー分散液。
  3. 前記カーボンナノファイバーの含有量が、前記カーボンナノファイバー、前記分散剤および前記有機バインダーの総和に対し、0.1〜30質量%である、請求項1または2に記載のカーボンナノファイバー分散液。
  4. 前記分散剤が、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸アルカリ金属塩、およびセルロース類から選択されるいずれか1種以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のカーボンナノファイバー分散液。
  5. 前記分散媒が炭化水素類、塩素含有炭化水素類、エーテル類、エーテルアルコール、エステル類、ケトン類、アルコール類、低級カルボン酸、アミン類、窒素含有極性溶剤、硫黄化合物類、水、アルコール、トルエン、アセトンおよびエーテルから選択される1種以上である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のカーボンナノファイバー分散液。
  6. 前記カーボンナノファイバーが、コバルトを主成分とする活性種を、比表面積が0.01〜5m/gであるマグネシウムを含有する酸化物からなる担体に3〜150質量%担持された触媒を用いて製造する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のカーボンナノファイバーの製造方法。
  7. 前記カーボンナノファイバーが、コバルトを主成分とする活性種を、チタンを含有する比表面積が20〜140m/gの酸化物または複合酸化物からなる担体に担持された触媒を用いて製造する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のカーボンナノファイバーの製造方法。
  8. 一酸化炭素を炭素源とし、反応温度が600〜800℃、一酸化炭素分圧が0.04〜0.98MPa、水素分圧が一酸化炭素分圧に対し1〜100%であり、かつ一酸化炭素ガス流速が1NL/g−活性種・分以上の条件下で製造する、請求項6または7に記載のカーボンナノファイバーの製造方法。
  9. 前記カーボンナノファイバーが、鉄およびニッケルから選択される1種以上の活性種を、比表面積が0.01〜200m/gの炭素粒子に担持された触媒を用いて製造する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のカーボンナノファイバーの製造方法。
  10. 一酸化炭素を炭素源とし、反応温度が550℃以上650℃以下、一酸化炭素分圧が0.04〜0.98MPa、水素分圧が一酸化炭素分圧に対し1〜100%、かつ一酸化炭素ガス流速が1NL/g−活性種・分以上の条件下で製造する、請求項9に記載のカーボンナノファイバーの製造方法。
  11. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のカーボンナノファイバー分散液を用いた、透明導電膜。
  12. 請求項11に記載の透明導電膜を基材に積層させた、透明導電フィルム。
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