JP5008272B2 - 複合プロトン交換膜 - Google Patents

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Description

本発明は、固体高分子形燃料電池用のプロトン交換膜に関するものである。
燃料電池は、電池内で、水素、メタノール等を電気化学的に酸化することにより、燃料の化学エネルギーを、直接、電気エネルギーに変換して取り出すものであり、クリーンな電気エネルギー供給源として注目されている。特に、固体高分子形燃料電池は、他と比較して低温で作動することから、自動車代替動力源、家庭用コジェネレーションシステム、携帯用発電機等として期待されている。
このような固体高分子形燃料電池は、電極触媒層とガス拡散層とが積層されたガス拡散電極がプロトン交換膜の両面に接合された膜電極接合体を少なくとも備えている。ここでいうプロトン交換膜は、高分子鎖中にスルホン酸基、カルボン酸基等の強酸性基を有し、プロトンを選択的に透過する性質を有する材料である。このようなプロトン交換膜としては、化学的安定性の高いナフィオン(登録商標、デュポン社製)に代表されるパーフルオロ系プロトン交換膜が好適に用いられる。
燃料電池の運転時においては、アノード側のガス拡散電極に燃料(例えば、水素)、カソード側のガス拡散電極に酸化剤(例えば、酸素や空気)をそれぞれ供給し、両電極間を外部回路で接続することにより作動する。具体的には、水素を燃料とした場合、アノード触媒上で水素が酸化されてプロトンが生じ、このプロトンがアノード触媒層内のプロトン伝導性ポリマーを通った後、プロトン交換膜内を移動し、カソード触媒層内のプロトン伝導性ポリマーを通ってカソード触媒上に達する。一方、水素の酸化によりプロトンと同時に生じた電子は、外部回路を通ってカソード側ガス拡散電極に到達し、カソード触媒上にて上記プロトンと酸化剤中の酸素と反応して水が生成され、このとき電気エネルギーを取り出すことができる。
この際、プロトン交換膜はガスバリアとしての役割も果たす必要があり、プロトン交換膜のガス透過率が高いと、アノード側水素のカソード側へのリーク及びカソード側酸素のアノード側へのリーク、即ちクロスリークが発生して、いわゆるケミカルショート(化学的短絡)の状態となって良好な電圧を取り出せなくなる。
このような固体高分子形燃料電池は、高出力特性を得るために80℃近辺で運転するのが通常である。しかしながら、自動車用途として用いる場合には、自動車の運転の始動および停止が頻繁に繰り返される断続運転や負荷の変動が生じる運転が行われ、このような場合、電池内部では湿潤状態と乾燥状態が繰り返される。
このような環境下で従来のパーフルオロプロトン交換膜は、湿潤状態で膨潤し、乾燥状態で収縮するため、乾湿寸法変化によりしわ状のたるみが生じる。そしてこのたるみ部分が、燃料電池の運転を長期間続けることによって機械的にダメージを受け、膜切れや膜にピンホールが生じクロスリークが発生する等の膜の耐久性低下をまねいていた。前記問題を解決する方法として、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体を5〜100%延伸処理する方法(特許文献1)、ポリテトラフルオロエチレン(以下PTFE、と称する)やポリイミドの多孔体にイオン交換基を有する重合体を含浸させた複合プロトン交換膜が開示されている(特許文献2,3)。しかしながら、このような方法では湿潤時の膜の伸びは抑えられるものの、再乾燥時では膜が初期の膜寸法より収縮してしまい、膜に収縮応力が働いて、膜の耐久性を低下させてしまうという問題点があった。
また特に最近では、夏場の自動車走行を想定した高温低加湿条件下(運転温度100℃近辺で、60℃加湿(湿度20%RHに相当))でも燃料電池を運転できることが望まれている。ところが、従来のパーフルオロ系プロトン交換膜を用いて高温低加湿条件下で燃料電池を長時間運転すると、プロトン交換膜にピンホールが生じクロスリークが発生してしまい、十分な耐久性を得られなかった。
一方、高耐熱性を有する高いポリイミド等を炭化水素系ポリマーやフッ素系高分子と混合するプロトン交換膜が公開されており(特許文献4)、同じく高耐熱性を有するポリベンズイミダゾール等を用いて非プロトン性溶媒の存在下でイオン交換基を有する炭化水素系ポリマーと塩基性ポリマーとをブレンドしたプロトン交換膜(特許文献5、6)が公開されている。しかしながら、このような炭化水素系ポリマーとポリベンズイミダゾールとのブレンドポリマーでは化学的安定性が不十分であり、上記のようなクロスリーク発生の問題を解決することはできなかった。
このように、化学的安定性、機械強度および耐熱性に優れ、高温下の使用の際にも高耐久性を有する、実用性の高い高分子電解質膜は従来技術では得られていない。具体的には、高温低加湿条件下(運転温度100℃近辺で、60℃加湿(湿度20%RHに相当))において長時間運転を行ってもクロスリークが発生せず、かつ、運転のオンオフを頻繁に行っても出力特性が低下しない優れた燃料電池を製造するのに有利に用いることのできる高分子電解質膜は従来技術では得られておらず、そのような高分子電解質膜の開発が望まれている。
特開2001−035510号公報 特公平05−075835号公報 特表2001−514431号公報 韓国公開特許第2004−0036396号公報 特表2002−512285号公報 特表2002−512291号公報
本発明は、燃料電池運転に伴う乾湿変化条件下でも、湿潤時の膨潤率が小さく、かつ再乾燥時の収縮率も小さく、乾湿寸法安定性に優れ、且つ化学的安定性および耐熱性に優れ、高温下の使用の際にも高耐久性を有するプロトン交換膜を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、イオン交換基を有するパーフルオロカーボン重合体と、ポリイミド及び/又はポリアミドイミドとを含む組成物、必要に応じてポリアゾール系化合物とを含む組成物からなるプロトン交換膜が、湿潤時の膨潤率が小さく、かつ再乾燥時の収縮率も小さく、乾湿寸法安定性に優れ、且つ化学的安定性および耐熱性に優れ、高温下の使用の際にも高耐久性を有することを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
(1)50.00質量%以上99.99質量%以下のイオン交換基を有するパーフルオロカーボン重合体と、0.01質量%以上50.00質量%以下のポリイミド及び/又はポリアミドイミドとを含む組成物から構成されることを特徴とするプロトン交換膜。
(2)50.00質量%以上99.98質量%以下のイオン交換基を有するパーフルオロカーボン重合体と、0.01質量%以上49.99質量%以下のポリイミド及び/又はポリアミドイミドと、0.01質量%以上49.99質量%以下のポリアゾール系化合物とを含む組成物から構成されることを特徴とするプロトン交換膜。
(3)膜厚方向の断面構造が海/島構造であることを特徴とする(1)または(2)に記載のプロトン交換膜。
(4)下記式の換算ヘーズ値(H 50 )が70%以下であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1つに記載のプロトン交換膜。
(前記式中、tはプロトン交換膜の膜厚(μm)を表し、H はJIS K 7136に従って測定した膜厚t(μm)のプロトン交換膜のヘーズ値を表し、換算ヘーズ値(H 50 )はプロトン交換膜の膜厚が50μmであると仮定した時の換算ヘーズ値を表す。)
(5)イオン交換基を有するパーフルオロカーボン重合体の少なくとも一部とポリアゾール系化合物の少なくとも一部が互いに化学結合していることを特徴とする(2)〜(4)のいずれか1つに記載のプロトン交換膜。
(6)海/島構造の島粒子の合計面積が、膜厚方向の断面積の0.1〜70%であることを特徴とする(3)〜(5)のいずれか1つに記載のプロトン交換膜。
(7)海/島構造の島粒子の密度が、膜厚方向の断面積の1μm 2 当たり0.1〜100個であることを特徴とする(3)〜(6)のいずれか1つに記載のプロトン交換膜。
(8)前記ポリイミドが、ポリイミド前駆体を成膜後にイミド化させることにより得られたものであることを特徴とする(1)〜(7)のいずれか1つに記載のプロトン交換膜。
(9)少なくとも以下の工程を含む方法により得られることを特徴とする(1)〜(8)のいずれか1つに記載のプロトン交換膜:
(a)イオン交換基を有するパーフルオロカーボン重合体と、ポリイミド前駆体、又はポリイミド前駆体及びポリアミドイミドと、溶媒とを含有する溶液を作成する工程
(b)前記溶液をキャスト後、溶媒を除去する工程
(c)キャスト溶液中にポリイミド前駆体を含む場合はイミド化処理する工程
(10)前記(a)工程が、イオン交換基を有するパーフルオロカーボン重合体と、ポリイミド前駆体、又はポリイミド前駆体及びポリアミドイミドと、ポリアゾール系化合物と、溶媒とを含有する溶液を作成する工程であることを特徴とする(9)に記載のプロトン交換膜。
(11)少なくとも以下の工程を含む方法により得られることを特徴とする(1)〜(8)のいずれか1つに記載のプロトン交換膜:
(a)ポリイミド前駆体、又はポリイミド前駆体及びポリアミドイミドと、ポリイミド前駆体、又はポリイミド前駆体及びポリアミドイミド中の窒素原子の当量数に対して1〜100倍等量のアルカリ金属水酸化物とをプロトン性溶媒に溶解し、溶液を作製する工程
(b)イオン交換基を有するパーフルオロカーボン重合体をプロトン性溶媒に溶解し、溶液を作製する工程
(c)前記(a)、(b)溶液を混合し、該混合溶液をキャストし、その後溶媒を除去する工程
(d)イミド化する工程
(12)前記(a)工程が、ポリイミド前駆体、又はポリイミド前駆体及びポリアミドイミドと、ポリアゾール系化合物と、ポリイミド前駆体、又はポリイミド前駆体及びポリアミドイミドと、ポリアゾール系化合物中の窒素原子の当量数に対して1〜100倍等量のアルカリ金属水酸化物とをプロトン性溶媒に溶解し、溶液を作製する工程であることを特徴とする(11)に記載のプロトン交換膜。
(13)少なくとも以下の工程を含む方法により得られることを特徴とする(1)〜(8)のいずれか1つに記載のプロトン交換膜:
(a)イオン交換基を有するパーフルオロカーボン重合体と、ポリアミドイミドと、溶媒とを含有する溶液を作成する工程
(b)前記溶液をキャスト後、溶媒を除去する工程
(14)前記(a)工程が、イオン交換基を有するパーフルオロカーボン重合体と、ポリアミドイミドと、ポリアゾール系化合物と、溶媒とを含有する溶液
を作成する工程であることを特徴とする(13)に記載のプロトン交換膜。
(15)少なくとも以下の工程を含む方法により得られることを特徴とする(1)〜(8)のいずれか1つに記載のプロトン交換膜:
(a)ポリアミドイミドと、ポリアミドイミド中の窒素原子の当量数に対して1〜100倍等量のアルカリ金属水酸化物とをプロトン性溶媒に溶解し、溶液を作製する工程
(b)イオン交換基を有するパーフルオロカーボン重合体をプロトン性溶媒に溶解し、溶液を作製する工程
(c)前記(a)、(b)溶液を混合し、該混合溶液をキャストし、その後溶媒を除去する工程
(16)前記(a)工程が、ポリアミドイミドと、ポリアゾール系化合物と、ポリアミドイミドと、ポリアゾール系化合物中の窒素原子の当量数に対して1〜100倍等量のアルカリ金属水酸化物とをプロトン性溶媒に溶解し、溶液を作製する工程であることを特徴とする(15)に記載のプロトン交換膜。
(17)(1)〜(16)のいずれか1つに記載のプロトン交換膜を備えたことを特徴とする膜電極接合体。
(18)(1)〜(16)のいずれか1つに記載のプロトン交換膜を備えたことを特徴とする固体高分子型燃料電池。
本発明のプロトン交換膜は、湿潤時の膨潤率が小さく、かつ再乾燥時の収縮率も小さく、乾湿寸法安定性に優れ、且つ化学的安定性および耐熱性に優れる。したがって、伸縮による膜へのダメージが低減でき、燃料電池運転条件下で優れた耐久性を有する。
以下に、本発明について詳細に説明する。
本発明のプロトン交換膜は、50.00質量%以上99.99質量%以下のイオン交換基を有するパーフルオロカーボン重合体と、0.01質量%以上50.00質量%以下のポリイミド及び/又はポリアミドイミドとを含む組成物から構成され、さらに本組成中にポリアゾール化合物を含む場合は、50.00質量%以上99.98質量%以下のイオン交換基を有するパーフルオロカーボン重合体と、それぞれ0.01質量%以上49.99質量%以下、0.01質量%以上49.99質量%以下のポリイミド及び/又はポリアミドイミドとポリアゾール化合物とを含む組成物から構成される。
本発明のプロトン交換膜を構成する組成物に含有されるプロトン交換基を有するパーフルオロカーボン重合体としては、パーフルオロカーボンのスルホン酸ポリマーをはじめカルボン酸ポリマー、リン酸ポリマー、もしくはこれらのアミン塩、金属塩等が好適に用いられ、代表例として下記化学式(1)で表される重合体が挙げられる。
[ −[CF2CX1X2] a −[CF2−CF(−O−CF2−CF(CF2X3)) b −O c−(CFR1) d −(CFR2) e −(CF2)f −X4] g − ]・・・・・・(1)
(式中、X1,X2 およびX3はそれぞれ独立にハロゲン元素または炭素数1以上3以下のパーフルオロアルキル基、0≦a<1、0<g≦1、a+g=1、bは0以上8以下の整数、cは0または1であり、d、eおよびfはそれぞれ独立に0以上6以下の整数(ただし、d+e+fは0に等しくない)、R1およびR2はそれぞれ独立にハロゲン元素、炭素数1以上10以下のパーフルオロアルキル基またはフルオロクロロアルキル基であり、X4はCOOZ、SO3Z、PO32、PO3HZ、Zは水素原子、金属原子(Na、K、Ca等)、アミン類(NH4 、NH3R、NH22 、NHR3、NR4 (Rはアルキル基、又はアレーン基))
中でも、下記化学式(2)で表される短側鎖型パーフルオロカーボンスルホン酸ポリマーもしくはそのアミン塩、金属塩が特に好ましい。
[ −[CF2CF2] a −[CF2−CF(−O−(CF2)2−SO3Z)] g − ]・・・・・・(2)
(式中、0≦a<1、0<g≦1、a+g=1、Zは水素原子、金属原子(Na、K、Ca等)、アミン類(NH4 、NH3R、NH22 、NHR3、NR4 (Rはアルキル基、又はアレーン基))
イオン交換基を有するパーフルオロカーボン重合体は、フッ化ビニル化合物、フッ化オレフィン化合物に加え、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン等のパーフルオロオレフィン、パーフルオロアルキルビニルエーテル等の第3成分を含む共重合体であってもよい。
本発明のプロトン交換膜におけるイオン交換基を有するパーフルオロカーボン重合体の含有率は50.00質量%以上99.99質量%以下であり、好ましくは70.00質量%以上99.90質量%以下、より好ましくは80.00質量%以上99.50質量%以下、最も好ましくは90.00質量%以上99.00質量%以下である。イオン交換基を有するパーフルオロカーボン重合体の含有率を上記範囲に設定することにより、良好なプロトン伝導度を維持したまま、乾湿寸法安定性に優れるプロトン交換膜を得ることができる。
本発明のプロトン交換膜を構成する組成物に含有されるポリイミドとしては、特に限定はなく、公知文献(例えば、今井 淑夫著、「最新ポリイミド〜基礎と応用〜」、初版、(株)エヌ・ティー・エス、2002年1月28日、p.4−601)に記載されているものであれば何でも良いが、代表的なものとしては下記化学式(3)であらわされる化合物が挙げられる。
(式中、C1、C2は特には限定されないが、下記の構造が挙げられる。またnは200以上1.0 ×106 以下の整数)
1
2
(式中、Xは1以上20以下の整数である)
中でも、本発明に用いることができるポリイミドとしては、[−N(CO)2(C6H4)(CO)2N−(C6H4)−O−(C6H4)−]n 、[−N(CO)2(C6H3)−(C6H3)(CO)2N−(C6H4)−O−(C6H4)−]n等が好適である。
尚、上述のポリイミドは、1種類で用いてもよく、2種類以上で使用してもよい。
本発明のプロトン交換膜を構成する組成物に含有されるポリアミドイミドは、特に限定はされないが、例えば下記化学式(4)で表される化合物が挙げられる。
(式中、C3は特には限定されないが、下記の構造が挙げられる。またmは200以上1.0×106 以下の整数)
3
(式中、Xは1以上20以下の整数である)
本発明に用いることができるポリアミドイミドとしては、[−(C6H4)−(NH−CO)−(C6H3)(CO)2N−]n、[−(C6H4)−O−(C6H4)−(NH−CO)−(C6H3)(CO)2N−]n 等が好適である。
尚、上述のポリアミドイミドは、1種類で用いてもよく、2種類以上で使用してもよい。
本発明のプロトン交換膜を構成する組成物に含有されるポリアゾール化合物とは、特に限定はされないが、ポリイミダゾール系化合物、ポリベンズイミダゾール系化合物、ポリベンゾビスイミダゾール系化合物、ポリベンゾオキサゾール系化合物、ポリオキサゾール系化合物、ポリチアゾール系化合物、ポリベンゾチアゾール系化合物等の環内に窒素原子を1個以上を含む複素五員環化合物の重合体をいい、窒素以外に酸素、イオウを含むものであっても構わない。
ポリアゾール系化合物の分子量は重量平均分子量で300〜500000のものが使用できる。
また、ポリアゾール系化合物は、上記の環内に窒素原子1個以上を含む複素五員環化合物がp−フェニレン基、m−フェニレン基、ナフタレン基、ジフェニレンエーテル基、ジフェニレンスルホン基、ビフェニレン基、ターフェニル基、2,2−ビス(4−カルボキシフェニレン)ヘキサフルオロプロパン基などの2価の芳香族基と結合した化合物を繰り返し単位とする重合体であることが耐熱性を得る上で更に好ましく、具体的には、ポリベンズイミダゾール系化合物からなるポリアゾール系化合物が好ましく、更に好ましくは、ポリ[2,2’−(m−フェニレン)−5,5’−ビベンゾイミダゾール]である。
尚、上述のポリアゾール系化合物は、1種類で用いてもよく、2種類以上で使用してもよい。
本発明のプロトン交換膜を構成する組成物中のポリイミド及び/又はポリアミドイミドの含有率は、組成物全体中0.01質量%以上50.00質量%以下であり、好ましくは0.10質量%以上30.00質量%以下、より好ましくは0.50質量%以上20.00質量%以下、最も好ましくは1.00質量%以上10.0質量%以下である。さらに本組成中にポリアゾール化合物を含む場合は、パーフルオロカーボン重合体50.00質量%以上99.98質量%以下に対し、ポリイミド及び/又はポリアミドイミドの含有率およびポリアゾール化合物の含有率は組成物全体中でそれぞれ、0.01質量%以上49.99質量%以下、0.01質量%以上49.99質量%以下であり、好ましくは0.10質量%以上30.00質量%以下、0.1質量%以上20.0質量%以下、より好ましくは0.50質量%以上20.00質量%以下、0.5質量%以上10.0質量%以下、最も好ましくは1.00質量%以上10.0質量%以下、1.0質量%以上5.0質量%以下である。ポリイミド及び/又はポリアミドイミドとポリアゾール化合物の含有率を上記の範囲に設定することにより良好なプロトン伝導性を維持したまま、乾湿寸法安定性に優れ、且つ化学的安定性および耐熱性に優れるプロトン交換膜を得ることができる。また同時に、組成中のポリイミド及び/又はポリアミドイミドとポリアゾール化合物の含有率を上記範囲に設定されたプロトン交換膜は、耐熱酸化性にも優れるため、燃料電池に用いた場合、フッ素イオンの排出が極めて少ない。
本発明のプロトン交換膜においては、膜厚方向の断面を透過型電子顕微鏡(以下、「TEM」と称する)で観察したときに海/島構造を示すことが好ましい。ここで言う海/島構造とは、染色処理を施さずに電子顕微鏡観察を行った時の電子顕微鏡像に黒い島粒子が灰色あるいは白色の海(連続相)に分散した状態のことを指す。島粒子の形状は、円形、楕円形、多角形、不定形など、特に限定されない。島粒子の直径(又は長径や最大径)は0.01〜10μmの範囲にある。海/島構造において、黒い島粒子のコントラストは主にポリイミド及び/又はポリアミドイミド及び/又はポリアゾール化合物(b)に起因し、白色の海(連続相)の部分は主にイオン交換基を有するパーフルオロカーボン重合体(a)に起因する。
海/島構造においては、海/島構造の島粒子の合計面積が、膜厚方向の断面積の0.1〜70%であることが好ましく、より好ましくは1〜70%であり、さらに好ましくは5〜50%である。また、海/島構造の島粒子の密度が、膜厚方向の断面積の1μm当たり0.1〜100個であることが好ましい。ここで言う海/島構造における島粒子の合計面積と島粒子の密度とは、TEM像をスキャナーで読み取ってデジタル化した後、画像解析装置IP1000(旭化成(株)社製)を用いて、各部分の黒化度(グレースケール256階調)を測定し、横軸がグレースケール、縦軸が個数のヒストグラムを作成する。TEM像が海/島構造もしくはこれに多少類似する構造を示している場合(即ち、主にポリイミド及び/又はポリアミドイミド、ポリアゾール化合物(b)からなる黒色部だけの場合、及び、主にイオン交換基を有するパーフルオロカーボン重合体(a)からなる白色部だけの場合のいずれでもない場合)は、前記ヒストグラムは2山分布となる。2山分布の谷間のグレースケール値を閾値として、それより大きいグレースケール値の部分を黒と判断し、それ以下のグレースケール値の部分を白と判断して、2値化を実施した。こうして2値化した画像において、所定領域(膜断面の15μm×15μmの領域に相当する部分について、画像解析装置IP1000(旭化成(株)社製)を用いて、主にポリイミド及び/又はポリアミドイミド、ポリアゾール化合物(b)に相当する、海/島構造の黒い島粒子部分と、主にイオン交換基を有するパーフルオロカーボン重合体(a)に相当する海部分とを画像処理で分離した。そして、上記15μm×15μmの領域に存在する島粒子の個数と島粒子の合計面積を計測した。上記15μm×15μmの領域に占める島粒子の合計面積の百分率を求めた。また、上記15μm×15μmの領域の1μm当たりの島粒子の個数を求めて、島粒子の密度とした。
このような海/島構造を有することは、ポリイミド及び/又はポリアミドイミド、ポリアゾール化合物(b)を主体とする部分がイオン交換基を有するパーフルオロカーボン重合体(a)を主体とする部分中に均一に微分散していることを表しており、より高い耐久性を得ることができる。
本発明におけるプロトン交換膜は、換算ヘーズ値(H50)が70%以下(0%以上)であることが好ましく、より好ましくは40%以下、さらに好ましくは20%以下、最も好ましくは5%以下である。該換算ヘーズ値(H50)とは、ヘーズ値が光の内部散乱の程度によって影響を受け、プロトン交換膜膜厚に依存する値であるため、膜厚が50μmであると仮定した時の換算ヘーズ値であり、膜厚がtμmのときに、JIS K 7136に従って測定したヘーズ値を以下の式に従い算出されたものである。
(式中、tはプロトン交換膜の膜厚(μm)を表し、HはJIS K 7136に従って測定した膜厚t(μm)のプロトン交換膜のヘーズ値を表す。)
ヘーズ値が上記範囲である(即ち、膜厚がtμmのときに、JIS K 7136に従って測定した換算ヘーズ値(H50)が70%以下である)ということは、イオン交換基を有するパーフルオロカーボン重合体と、ポリイミド前駆体及び/又はポリアミドイミド、ポリアゾール系化合物が均一に微分散していることを表しており、より高い耐久性を得ることができる。
ヘーズ測定に用いる測定装置としては特に限定されないが、(株)東洋精機製作所社製のヘーズガードII等が好適に挙げられる。
また、5cm角に切り出したフィルム10枚に関して、JIS K7136に基づきヘーズをそれぞれ求め、下記式で計算される標準偏差σが、好ましくは0以上15、より好ましくは0以上5以下、最も好ましくは0以上2以下であることを指す。が望ましい。
また、上記組成物の膜厚50μmのフィルムの場合のヘーズ(平均値)としては特に限定されないが、好ましくは0.01%以上70%以下、より好ましくは0.1%以上40%以下、最も好ましくは1%以上20%以下である。
上記のイオン交換基を有するパーフルオロカーボン重合体とポリアゾール化合物が化学結合しているかどうかは、例えばフーリエ変換赤外分光光度計(Fourier−Transform Inf
rared Spectrome−ter)(以下、「FT−IR」と称する)により確認することができる。つまり、本発明のプロトン交換膜のFT−IR測定を行った時に、プロトン交換膜中に含まれる各成分を個々に単体でFT−IR測定を行った時に得られる吸収ピーク以外に由来する吸収ピークが観察されれば、化学結合していると判断できる。例えば、イオン交換基を有するパーフルオロカーボン重合体と次式で表されるポリイミド[−N(CO)2(C6H4)(CO)2N−(C6H4)−O−(C6H4)−]nとポリ[(2,2’−(m−フェニレン)−5,5’−ビベンゾイミダゾール]とからなる本発明のプロトン交換膜の場合には、FT−IR測定を行うと、1460cm−1、1565cm−1付近に吸収ピークが観察され、化学結合が存在することがわかる。
本発明で用いるポリイミドのイミド化率は、好ましくは20%以上100%以下、より好ましくは50%以上100%以下、さらに好ましくは70%以上100%以下、最も好ましくは90%以上100%以下である。
本発明におけるイミド化とは、カルボキシル基とアミド基の脱水反応等によりイミド結合が生成することをいい、そのイミド結合の生成率を百分率で表したものをイミド化率という。
該イミド化率は、膜顕微赤外吸収測定法を用いて求める。すなわち、Spectra Tech製IRμs膜顕微赤外吸収測定装置を使用して、膜サンプルをGe結晶板にのせ2μm程度に膜の厚みを調整し、透過法により測定を行い、約1780cm−1付近のイミドカルボニル基の対称伸縮振動帯と約1500cm−1のベンゼン環骨格伸縮振動帯との吸光度をそれぞれa1780とa1500として、その比A(a1780/a1500)を求め、別にイミド化率100%のポリイミドフィルムにおける吸光度比A’(a’1780/a ’1500)も求める。測定はサンプルごとに10点測定し、その平均値をそれぞれの吸光度比とする。該イミド化率は、それぞれの吸光度比の比率(A/ A’)を百分率で表した値である。
本発明のプロトン交換膜の当量質量EW(プロトン交換基1当量あたりのプロトン交換膜の乾燥質量グラム数)には限定はないが、250以上2000以下が好ましく、より好ましくは250以上1200以下、最も好ましくは400以上900以下である。より低いEW、つまりプロトン交換容量の大きいプロトン伝導性ポリマーを用いることにより、優れたプロトン伝導性を示し、燃料電池に用いた場合、運転時に高い出力を得ることができる。
本発明のプロトン交換膜の厚みは制限されないが、1μm以上500μm以下であることが好ましく、より好ましくは2μm以上100μm以下、最も好ましくは5μm以上50μm以下である。
本発明のプロトン交換膜は、公知技術のフィブリル状PTFEによる補強、延伸処理したPTFE多孔膜による補強、無機粒子による補強、架橋による補強、ゾルゲル反応を利用して膜内にシリカを含有させることによる補強等を施すこともできる。
(プロトン交換膜の製造例)
以下に本発明のプロトン交換膜の製造例を示すが、製造法はこれに限定されるものではない。
本発明のプロトン交換膜は、イオン交換基を有するパーフルオロカーボン重合体をジメチルアセトアミド等の非プロトン性溶媒に溶解したポリマー溶液( 以下ポリマー溶液A、と称する) と、ポリイミド前駆体及び/又はポリアミドイミドをジメチルアセトアミド等の非プロトン性溶媒に溶解したポリマー溶液( 以下ポリマー溶液B、と称する) とを混合し、溶媒を揮発させて成膜することにより得られる(以上を製造方法1と称する)。別の方法として、ポリマー溶液Aとポリマー溶液Bとを混合したポリマー溶液と、イオン交換
基を有するパーフルオロカーボン重合体を水及び/又はアルコール等のプロトン性溶媒に溶解したポリマー溶液( 以下ポリマー溶液C、と称する) とを混合し、溶媒を揮発させて成膜することによっても得ることができる(以上を製造方法2と称する)。上述のプロトン交換膜の製造においては、必要に応じてポリアゾール化合物をジメチルアセトアミド等の非プロトン性溶媒に溶解したポリマー溶液( 以下ポリマー溶液D、と称する)を加えて製造することもできる。製膜性の面では製造方法2の方が優れるが、特に製造方法を限定するものではない。
さらに本発明のプロトン交換膜は、プロトン性溶媒のみで製造することもできる。すなわち、ポリイミド前駆体中の溶媒を除去し、アルカリ金属水酸化物を含むプロトン性溶媒に溶解したポリマー溶液( 以下ポリマー溶液E、と称する)と上述のポリマー溶液Cとを混合し、溶媒を揮発させて成膜することによって得られる(以上を製造方法3と称する)。上述のプロトン交換膜は、必要に応じてポリアゾール系化合物をアルカリ金属水酸化物を含むプロトン性溶媒に溶解したポリマー溶液( 以下ポリマー溶液F、と称する)を加えて製造することもできる。
該ポリマー溶液Aおよび該ポリマー溶液Cを構成するイオン交換基を有するパーフルオロカーボン重合体は、例えば、下記化学式(5)に示される前駆体ポリマーを重合した後、アルカリ加水分解、酸処理等を行って製造することができる。
[ −[CF2CX1X2] a −[CF2−CF(−O−CF2−CF(CF2X3)) b −O c−(CFR1) d −(CFR2) e −(CF2)f −X5] g − ] ・・・・・・(5)
(式中、X1、X2およびX3は、それぞれ独立に、ハロゲン元素または炭素数1以上3以下のパーフルオロアルキル基、0≦a<1、0<g≦1、a+g=1、bは、0以上8以下の整数、cは0または1、d、eおよびfは、それぞれ独立に、0以上6以下の整数(但し、d+e+fは、0に等しくない)、R1およびR2は、それぞれ独立に、ハロゲン元素、炭素数1以上10以下のパーフルオロアルキル基またはフルオロクロロアルキル基、X5はCOOR3,COR4またはSO24 (R3は、炭素数1〜3の炭化水素系アルキル基、R4は、ハロゲン元素))
該前駆体ポリマーは、フッ化オレフィン化合物とフッ化ビニル化合物とを共重合させることにより製造される。具体的なフッ化オレフィン化合物としては、CF2=CF2,CF2=CFCl,CF2=CCl2 等が挙げられる。又、具体的なフッ化ビニル化合物としては、CF2=CFO(CF2)z −SO2F,CF2=CFOCF2CF(CF3)O(CF2) z −SO2F,CF2=CF(CF2) z −SO2F,CF2=CF(OCF2CF(CF3)) z
−(CF2)z−1−SO2F,CF2=CFO(CF2) z −CO2R,CF2=CFOCF2CF(CF3)O(CF2) z −CO2R,CF2=CF(CF2) z −CO2R,CF2=CF(OCF2CF(CF3)) z −(CF2)2−CO2R(Z は1 〜8 の整数、Rは炭素数1 〜3 の炭化水素系アルキル基を表す)等が挙げられる。
該前駆体ポリマーの重合方法としては、フッ化ビニル化合物をフロン等の溶媒に溶かした後、フッ化オレフィン化合物のガスと反応させ重合する溶液重合法、フロン等の溶媒を使用せずに重合する塊状重合法、フッ化ビニル化合物を界面活性剤とともに水中に仕込んで乳化させた後、フッ化オレフィン化合物のガスと反応させ重合する乳化重合法等の一般的な重合方法が挙げられる。
該前駆体ポリマーの、JIS K−7210に基づいた270℃、荷重21.2N、オリフィス内径2.09mmで測定されるメルトインデックスMI(g/10分)は限定されないが、0.001以上1000以下が好ましく、より好ましくは0.01以上100以下、最も好ましくは0.1以上10以下である。
次に、該前駆体ポリマーを反応液体に浸漬させてアルカリ加水分解処理を行うことで、イオン交換基を有するパーフルオロカーボン重合体を製造することができる。反応液体は限定されないが、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属またはアルカリ土
類金属の水酸化物の水溶液が好ましい。アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物の含有率は限定されないが、10質量%以上30質量%以下であることが好ましい。該反応液体は、ジメチルスルホキシド、メタノール等の膨潤性有機化合物を含有するのが好ましい。膨潤性有機化合物の含有率としては、1質量%以上30質量%以下であることが好ましい。また、さらに必要に応じて塩酸等で酸処理を行うことにより、イオン交換基を有するパーフルオロカーボン重合体が製造される。
該ポリマー溶液Aは、非プロトン性溶媒とイオン交換基を有するパーフルオロカーボン重合体をオートクレーブに入れ、40〜300℃で熱処理する等の方法により製造することができる。
非プロトン性溶媒とは下記プロトン性溶媒以外の溶媒であり、一例として、NN−ジメチルホルムアミド、NN−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、アセトン、メチルエチルケトン等が挙げられる。これらの非プロトン性溶媒は1種もしくは2種以上を混合して用いてもよく、特に、NN−ジメチルホルムアミド、NN−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシドを用いることが好ましい。
該ポリマー溶液A中のイオン交換基を有するパーフルオロカーボン重合体は溶液の濃度は限定されないが、0.1質量%以上50.0質量%以下が好ましく、より好ましくは0.5質量%以上40.0質量%以下、最も好ましくは1.0質量%以上20.0質量%以下である。溶液中のイオン交換基を有するパーフルオロカーボン重合体の濃度をこの範囲とすることにより溶媒の除去が容易でかつ均一な膜厚のプロトン交換膜の製造が可能となる。
該ポリマー溶液Cは、プロトン性溶媒とイオン交換基を有するパーフルオロカーボン重合体をオートクレーブに入れ、40〜300℃で熱処理する等の方法により製造することができる。
プロトン性溶媒とは水、アルコール、酸などプロトンを出すことができる官能基を有する溶媒であり、一例として、水、アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなど)、フェノール類が挙げられる。これらのプロトン性溶媒は1種もしくは2 種以上を混合して用いてもよく、特に、水とアルコールの混合溶媒を用いることが好ましく、水/エタノール=3/1〜1/3(体積割合)、水/イソプロパノール=3/1〜1/3(体積割合)の混合溶媒を用いることがより好ましい。
該ポリマー溶液C中のイオン交換基を有するパーフルオロカーボン重合体は溶液の濃度は限定されないが、好ましくは0.1質量%以上50.0質量%以下、より好ましくは0.5質量%以上40.0質量%以下、最も好ましくは1.0質量%以上20.0質量%以下である。
該ポリマー溶液Bは、ポリイミド前駆体及び/又はポリアミドイミドを溶媒に溶かすことによって製造することができる。一般的に、ポリイミドは溶媒に不溶なものが多く、均一性の高い膜を得るためには、溶媒に溶けた状態のポリイミド前駆体を用いることが望ましく、その後、後述記載の成膜後にイミド化することで均一性の高い膜を得ることができる。
該ポリイミド前駆体とは、テトラカルボン酸成分とジアミン成分、好ましくは芳香族ジアミン成分とを重合して得られたポリアミック酸あるいは、その一部が部分的にイミド化したもののことをいう。該テトラカルボン酸成分としては、ピロメリット酸二無水物、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2′,3,3′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2′,3,3′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビ
ス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8−フェナントレンテトラカルボン酸二無水物等を挙げることができ、これらは1種もしくは2 種以上を混合して用いてもよい。該芳香族ジアミン成分としては、メタフェニレンジアミン、オルトフェニレンジアミン、アミノベンジルアミン、p−アミノベンジルアミン、3,3′−ジアミノジフェニルエーテル、3,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、3,3′−ジアミノジフェニルスルホン、3,4′−ジアミノジフェニルスルホン、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、3,3′−ジアミノベンゾフェノン、3,4′−ジアミノベンゾフェノン、4,4′−ジアミノベンゾフェノン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、1,1−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4′−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4′−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス−〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス−〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス−〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス−〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス−〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、1,4−ビス−〔4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ベンゼン、1,3−ビス−〔4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル、〕ベンゼン等が挙げることができ、これらは1種もしくは2種以上を混合して用いてもよい。
該ポリマー溶液B中の該ポリイミド前駆体及び/又は該ポリアミドイミドの濃度は限定されないが、0.01質量%以上、50.00質量%以下、より好ましくは0.05質量%以上30.00質量%以下、最も好ましくは0.10質量%以上20.00質量%以下である。溶液中のポリマーの濃度をこの範囲とすることにより、ポリマー添加時の撹拌性を良好にし均一性を保つことができる。
該ポリイミド前駆体及び/又は該ポリアミドイミドの溶媒は限定されないが、N−メチルピロリドン、NN−ジメチルアセトアミド、NN−ジメチルホルムアミド、ピリジン、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、フェノール、パラクロロフェノール、クレゾールなどが挙げることができ、これらの溶媒は1種もしくは2 種以上を混合して用いてもよく、該ポリイミド前駆体及び/又は該ポリアミドイミドが溶解する溶媒であればこの限りでない。
該ポリイミド前駆体の重量平均分子量としては限定されないが、好ましくは200以上1000000以下、より好ましくは1000以上500000以下、最も好ましくは10000以上100000以下である。
該ポリマー溶液Dはポリアゾール系化合物を非プロトン性溶媒に溶かすことによって製造することができる。
該ポリアゾール系化合物とは、ポリイミダゾール系化合物、ポリベンズイミダゾール系
化合物、ポリベンゾビスイミダゾール系化合物、ポリベンゾオキサゾール系化合物、ポリオキサゾール系化合物、ポリチアゾール系化合物、ポリベンゾチアゾール系化合物等の環内に窒素原子を1個以上含む複素五員環化合物の重合体をいい、窒素以外に酸素、イオウを含むものであっても構わない。
また、該ポリアゾール系化合物は、上記の環内に窒素原子1個以上を含む複素五員環化合物がp−フェニレン基、m−フェニレン基、ナフタレン基、ジフェニレンエーテル基、ジフェニレンスルホン基、ビフェニレン基、ターフェニル基、2,2−ビス(4−カルボキシフェニレン)ヘキサフルオロプロパン基などの2価の芳香族基と結合した化合物を繰り返し単位とする重合体であることが耐熱性を得る上で更に好ましく、具体的には、ポリベンズイミダゾール系化合物からなるポリアゾール系化合物が好ましく、更に好ましくは、ポリ[2,2’−(m−フェニレン)−5,5’−ビベンゾイミダゾール]である。該ポリアゾール系化合物は、1種類で用いてもよく、2種類以上で用いてもよい。
該ポリマー溶液D中の該ポリアゾール系化合物の濃度は限定されないが、0.01質量%以上、50.00質量%以下、より好ましくは0.05質量%以上30.00質量%以下、最も好ましくは0.10質量%以上20.00質量%以下である。溶液中のポリマーの濃度をこの範囲とすることにより、ポリマー添加時の撹拌性を良好にし均一性を保つことができる。
本発明で用いることができる非プロトン性溶媒とは、特に限定されないが、N−メチルピロリドン、NN−ジメチルアセトアミド、NN−ジメチルホルムアミド、ピリジン、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、パラクロロフェノール、クレゾールなどが挙げることができ、これらの溶媒は1種もしくは2 種以上を混合して用いてもよく、該ポリアゾール系化合物が溶解する溶媒であればこの限りでない。
該ポリアゾール系化合物の分子量は重量平均分子量で300〜500000のものが使用できる。
該ポリマー溶液Eは、ポリイミド前駆体及び/又はポリアミドイミドをアルカリ金属水酸化物及びそれらを含有するプロトン性溶媒に溶解させることによって製造される。
ポリイミド前駆体は、通常ポリイミド前駆体とN−メチルピロリドンやNN−ジメチルアセトアミド等の非プロトン性溶媒に溶解した状態で市販されていることが多い。そこでまず、ポリイミド前駆体溶液を水等のプロトン性媒中に展開し、溶媒と固形分に分離し、固形分を回収、乾燥することで非プロトン性溶媒を含まないポリイミド前駆体を得た。該非プロトン性溶媒を含まないポリイミド前駆体とは、上記ポリマー溶液Bを製造するときに説明したポリイミド前駆体を用いることができ、中でも金属水酸化物に溶解しやすいものが好適である。
本発明で用いることのできる金属水酸化物とは、LiOH、NaOH、KOH、RbOH、CsOH、FrOHなどの一価のアルカリ金属水酸化物があげられ、中でもNaOHが溶解性の面から好ましい。
該プロトン性溶媒とは、水及び/又はプロトン性有機溶媒からなる溶媒が用いられるが、ポリイミド前駆体及び/又はポリアミドイミドとの親和性が良好なものであればこれらに限定されるものではない。ポリイミド前駆体及び/又はポリアミドイミドの溶解に好ましいプロトン性有機溶媒としては、プロトン性溶媒の中でも、製造上、高沸点の溶媒は除去のため高温を必要し、好ましくないため、沸点が250℃以下の溶媒であり、好ましくは160℃以下の溶媒であり、更に好ましくは、沸点120℃以下の溶媒である。特に水と脂肪族アルコール類が好ましく、具体的には水、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等である。
該非プロトン性溶媒を含まないポリイミド前駆体及び/又はポリアミドイミドとアルカリ金属水酸化物の混合の際、添加するアルカリ金属水酸化物の量は、ポリイミド前駆体中に存在するカルボキシル基及び/又はポリアミドイミド中に存在するアミド基の全当量数に対して0.1倍当量以上100倍当量以下が好ましく、少ない場合は未溶解物が生じ、多い場合には溶解性が向上するものの、アルカリ金属水酸化物の沈殿を生じる。尚、より好ましくは1〜50倍当量である。
非プロトン性溶媒を含まないポリイミド前駆体及び/又はポリアミドイミドとアルカリ金属水酸化物をプロトン性溶媒に溶解した混合溶液の組成は、質量比率で非プロトン性溶媒を含まないポリイミド前駆体及び/又はポリアミドイミドが1に対して、アルカリ金属水酸化物が0.005〜2、プロトン性有機溶媒が0.05〜50、水は10〜500が好ましい。水の添加量はアルカリ金属水酸化物の添加量によって変える事ができ、アルカリ金属水酸化物の水溶液として、添加することができる。
該ポリマー溶液Fは、ポリアゾール系化合物をアルカリ金属水酸化物及びそれらを含有するプロトン性溶に溶解させることによって製造される。
該ポリアゾール系化合物とは、ポリマー溶液Dを製造するときに用いることのできるものから選択され、具体的には、ポリベンズイミダゾール系化合物からなるポリアゾール系化合物が好ましく、更に好ましくは、ポリ[2,2’−(m−フェニレン)−5,5’−ビベンゾイミダゾール]である。
該ポリアゾール系化合物は、1種類で用いてもよく、2種類以上をもちいてもよい。
一方、本発明で用いることができるアルカリ金属水酸化物とは、ポリマー溶液Eを製造するときにもちいることのできるものから選択され、中でもNaOHが同時に混合するポリアゾール系化合物の溶解性の面から好ましい。
該ポリマー溶液F中の溶媒は、前述のプロトン性有機溶媒と、水との混合物からなるプロトン性有機溶媒が用いられるが、ポリアゾール系化合物との親和性が良好なものであればこれらに限定されるものではない。ポリアゾール系化合物の溶解に好ましいプロトン性有機溶媒としては、プロトン性溶媒の中でも、製造上、高沸点の溶媒は除去のため高温を必要し、好ましくないため、沸点が250℃以下の溶媒であり、好ましくは160℃以下の溶媒であり、更に好ましくは、沸点120℃以下の溶媒である。特に水と脂肪族アルコール類が好ましく、具体的には水、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等である。
溶解温度は溶解性を高めることができるため、高いほど好ましく、10〜160℃が好ましい。水と有機溶媒の沸点を超える場合には、オートクレーブを使用することが好ましい。またこの溶解に際して攪拌を行う事が好ましい。
一方、アルカリ金属水酸化物はポリアゾール系化合物と同様の溶媒を用いることが可能である。
本発明では、ポリアゾール系化合物にアルカリ金属水酸化物を直接添加しても構わないし、ポリアゾール系化合物にアルカリ金属水酸化物の溶液を添加しても構わないが、均一混合するには、後者が好ましい。
ポリアゾール系化合物とアルカリ金属水酸化物の混合の際、添加するアルカリ金属水酸化物の量は、ポリアゾール系化合物の複素環中に存在する窒素の全当量数に対して1倍当量以上100倍当量以下が好ましく、少ない場合はポリアゾール系化合物の未溶解物が生じ、多い場合にはポリアゾール系化合物の溶解性が向上するものの、アルカリ金属水酸化物の沈殿を生じる。尚、より好ましくは2〜50倍当量である。
ポリアゾール系化合物、アルカリ金属水酸化物をプロトン性溶媒に溶解した混合溶液の組成は、質量比率でポリアゾール系化合物が1に対して、アルカリ金属水酸化物が0.005〜2、プロトン性有機溶媒が10〜500、水は0.05〜50が好ましい。
プロトン性有機溶媒の量が少ない場合には、ポリアゾール系化合物の未溶解物が生じ、分散性を悪化させる。多すぎるとポリアゾール系化合物濃度が低下し、生産性が低下する。水の添加量はアルカリ金属水酸化物の添加量によって変える事ができ、アルカリ金属水酸化物の水溶液として、添加することができる。
該ポリアゾール系化合物の分子量は重量平均分子量で300〜500000のものが使用できる。
本発明では、以上のように製造されたポリマー溶液を上記の手順で、公知の撹拌・混合技術を用いて、キャスト溶液とする。
尚、本発明に用いるキャスト溶液において非プロトン性溶媒とプロトン性溶媒の両者を用いる時の質量比(非プロトン性溶媒:プロトン性溶媒)は、限定されないが、10.0:90.0から100.0:0.0の範囲であることが好ましく、より好ましくは15.0:85.0から80.0:20.0の範囲で、最も好ましくは15.0:85.0から70.0:30.0の範囲である。この範囲で両溶媒を用いることにより、ポリマーが溶液中から沈殿するのを防ぎ、結果、外観においても斑のない、均一に相溶したプロトン交換膜の製造が容易となる。
該キャスト溶液の溶媒を除去させて成膜することによって、本発明のプロトン交換膜を得ることができる。
キャスト方法としては、シャーレに流し込み製造する方法をはじめ、グラビアロールコーター、ナチュラルロールコーター、リバースロールコーター、ナイフコーター、ディップコーター等の公知の塗工方法を用いることができる。キャスト法に用いる基材は限定されないが、一般的なポリマーフィルム、金属箔、アルミナ、ケイ素等の基板、PTFE膜等を延伸処理した多孔質膜、PTFE等のフィブリル化繊維等を用いることができる。
溶媒の除去の方法としては、20℃以上400℃以下で熱処理することが好ましく、より好ましくは50℃以上350℃以下であり、最も好ましくは100℃以上300℃以下である。また熱処理をする場合、段階的に昇温させ溶媒を除去することも可能である。その他の溶媒の除去の方法として減圧処理等を用いることができる。
また、キャスト溶液中にポリイミド前駆体を含む場合はイミド化処理を行う。具体的なイミド化処理としては、公知文献に記載された方法により行える(例えば最新ポリイミド〜基礎と応用〜、日本ポリイミド研究会編、(株)エヌ・ティー・エス P14〜)。例えば、イミド化の方法には加熱処理、脱水試薬(無水酢酸− ピリジン、無水酢酸− トリエチルアミン等) 処理、などを挙げることができ、イミド化が進行する方法であればこの限りでない。
本発明において、イミド化処理に必要な加熱処理温度・時間、脱水試薬の種類・時間は使用するポリイミド前駆体の種類によって異なるが、加熱処理にてイミド化処理を行う場合は、処理温度は、40℃以上500℃以下で行うことが好ましく、より好ましくは100℃以上400℃以下、最も好ましくは150℃以上300℃以下であり、処理時間は5分以上50時間以下で行うことが好ましく、より好ましくは30分以上10時間以下、最も好ましくは1時間以上5時間以下である。本発明において、イミド化処理はキャスト溶液の溶媒除去処理と同時に行うことも可能である。
本発明のプロトン交換膜の厚みは制限されないが、1μm以上500μm以下であることが好ましく、より好ましくは2μm以上100μm以下、最も好ましくは5μm以上5
0μm以下である。
このようにして得られたプロトン交換膜は、必要に応じて塩酸等で酸処理、水洗い等の後処理をしてプロトン交換膜とすればよい。また、横1 軸テンターや同時2 軸テンターを使用することによって延伸配向を付与することもできる。
(膜電極接合体)
本発明により得られるプロトン交換膜を固体高分子型燃料電池に用いる場合、アノードとカソード2種類の電極触媒層が接合した膜電極接合体(以下、MEAと称する)として使用される。電極触媒層の更に外側に一対のガス拡散層を対向するように接合したものもMEAと呼ぶ。
電極触媒層は、触媒金属の微粒子とこれを担持した導電剤とから構成され、必要に応じて撥水剤が含まれる。電極に使用される触媒としては、水素の酸化反応および酸素による還元反応を促進する金属であれば限定されず、白金、金、銀、パラジウム、イリジウム、ロジウム、ルテニウム、鉄、コバルト、ニッケル、クロム、タングステン、マンガン、バナジウム、これらの合金等が挙げられ、その中では、主として白金が用いられる。
MEAの製造方法としては、例えば、次のような方法が行われる。まず、イオン交換樹脂をアルコールと水の混合溶液に溶解したものに、電極物質となる白金担持カーボンを分散させてペースト状にする。これをPTFEシートに一定量塗布して乾燥させる。次に、PTFEシートの塗布面を向かい合わせにして、その間に本発明のプロトン交換膜を挟み込み、100℃〜200℃で熱プレスにより転写接合してMEAを得ることができる。
(燃料電池)
上記で得られたMEA、場合によってはMEAを介して一対のガス拡散電極が対向した構造のものは、更にバイポーラプレート、バッキングプレート等の一般的な固体高分子型燃料電池に用いる構成成分と組み合わせて固体高分子型燃料電池を構成する。
バイポーラプレートは、その表面に燃料や酸化剤等のガスを流すための溝を形成させたグラファイトまたは樹脂との複合材料、金属製のプレート等のことであり、電子を外部負荷回路へ伝達する他に、燃料や酸化剤を電極触媒近傍に供給する流路としての機能を持っている。こうしたバイポーラプレートの間にMEA を挿入して複数積み重ねることにより、燃料電池が製造される。
又、本発明により得られるプロトン交換膜は、クロルアルカリ、水電解、ハロゲン化水素酸電解、食塩電解、酸素濃縮器、湿度センサー、ガスセンサー等に用いることも可能である。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は実施例に制限されるものではない。
本発明に用いられる評価法および測定法は以下のとおりである。
(乾湿寸法変化)
湿潤時の膨潤率(%)( 以下Xと称する) は、25℃,20%RH(相対湿度) で膜サンプルを8時間放置したときの寸法に対する、80℃水中で1時間放置したときの寸法の比として求める。一方、再乾燥時の収縮率(%)(以下X’と称する)は、25℃,20%RH(相対湿度)で膜サンプルを8時間放置したときの寸法に対する、80℃水中で1時間放置した後に25℃,20%RH(相対湿度)で2時間放置して再乾燥したときの寸法の比として求める。寸法とは、プロトン交換膜の縦方向又は横方向の長さのことである。
(OCV加速試験)
高温低加湿条件下における高分子電解質膜の耐久性を加速的に評価するため、以下のよ
うなOCV加速試験を実施した。ここで言う「OCV」とは、開回路電圧(Open Circuit Voltage)を意味する。このOCV加速試験は、OCV状態に保持することで高分子電解質膜の化学的劣化を促進させることを意図した加速試験である。(OCV加速試験の詳細は、平成14年度日本国新エネルギー・産業技術総合開発機構委託研究「固体高分子形燃料電池の研究開発(膜加速評価技術の確立等に関するもの)」旭化成(株)成果報告書p.55〜57に記載されている。)
まず、アノード側ガス拡散電極とカソード側ガス拡散電極を向い合わせて、その間に高分子電解質膜を挟み込み、評価用セルに組み込んだ。ガス拡散電極としては、米国DE NORA NORTH AMERICA社製ガス拡散電極ELAT(登録商標)(Pt担持量0.4mg/cm、以下同じ)に、5質量%のパーフルオロスルホン酸ポリマー溶液SS−910(旭化成(株)製、当量質量(EW):910、溶媒組成(質量比):エタノール/水=50/50)を塗布した後、大気雰囲気中、140℃で乾燥・固定化したものを使用した。ポリマー担持量は0.8mg/cmであった。
この評価用セルを評価装置((株)チノー社製燃料電池評価システム890CL)にセットして昇温した後、アノード側に水素ガス、カソード側に空気ガスを50cc/minで流してOCV状態に保持した。ガス加湿には水バブリング方式を用い、水素ガス、空気ガスともに加湿してセルへ供給した。
試験条件としては、セル温度100℃条件で行った。ガス加湿温度は60℃とし、また、アノード側とカソード側の両方を無加圧(大気圧)とした。
上記試験の開始から100時間ごとに、プロトン交換膜にピンホールを生じたか否かを調べるため、GTRテック(株)製フロー式ガス透過率測定装置GTR−100FAを用いて水素ガス透過率を測定した。評価セルのアノード側を水素ガスで0.15MPaに保持した状態で、カソード側にキャリアガスとしてアルゴンガスを10cc/minで流し、評価セル中をクロスリークによりアノード側からカソード側に透過してきた水素ガスとともにガスクロマトグラフG2800に導入し、水素ガスの透過量を定量化する。水素ガス透過量をX(cc)、補正係数をB(=1.100)、高分子電解質膜の膜厚T(cm)、水素分圧をP(Pa)、高分子電解質膜の水素透過面積をA(cm)、測定時間をD(sec)とした時の水素ガス透過率はL(cc×cm/cm/sec/Pa)は、下記式から計算される。
L=(X×B×T)/(P×A×D)
水素ガス透過率がOCV試験前の値の10倍に達した時点で試験終了とした。
(燃料電池評価)
まず、アノード側ガス拡散電極とカソード側ガス拡散電極を向い合わせて、その間にプロトン交換膜を挟み込み、160℃、圧力4.9MPaでホットプレスすることによりMEAを製造する。ガス拡散電極としては、米国DE NORA NORTH AMERICA社製ガス拡散電極ELAT(登録商標)(Pt担持量0.4mg/cm2 、以下同じ)に、5質量%のパーフルオロスルホン酸ポリマー溶液SS−910(旭化成(株)製、EW:910、溶媒組成(質量比):エタノール/水=50/50)を塗布した後、大気雰囲気中、140℃で乾燥・固定化したものを使用する。ポリマー担持量は0.8mg/cm2 である。
このMEAを評価セルに組み込んで評価装置にセットする。燃料として水素ガス、酸化剤として空気ガスを用い、常圧、セル温度80℃にて単セル特性試験を行う。ガス加湿には水バブリング方式を用い、水素ガス、空気ガスともに80℃で加湿してセルへ供給する。
[実施例1]
テトラフルオロエチレンとCF2=CFO(CF2)2−SO2Fとから得られた前駆体ポリマーを、水酸化カリウム(15質量%)とジメチルスルホキシド(30質量%)を溶解した水溶液中に、60℃で4時間接触させて、アルカリ加水分解処理を行った。その後、60℃水中に4時間浸漬した。次に60℃の2N塩酸水溶液に3時間浸漬した後、イオン交換水で水洗、乾燥して、プロトン交換基を有するパーフルオロカーボン重合体であるパーフルオロカーボンスルホン酸ポリマー(EW:710、MI:3.0)を得た。
得られたパーフルオロカーボンスルホン酸ポリマーをエタノール水溶液(水:エタノール=50.0:50.0(質量比))とともにオートクレーブ中に入れて密閉し、180℃まで昇温して5時間保持した。その後オートクレーブを自然冷却して、パーフルオロカーボンスルホン酸ポリマー:水:エタノール=5.0:47.5:47.5(質量比)の組成のポリマー溶液C1 を得た。
得られたポリマー溶液C1 にジメチルアセトアミドを添加し、その後エバポレータで水、エタノールを除去することにより、パーフルオロカーボンスルホン酸ポリマー:ジメチルアセトアミド=1.5:98.5(質量比)の組成のポリマー溶液A1 を得た。
一方、ポリマー溶液C1 をエバポレータで濃縮し、ポリマー濃度を10質量% とした後、イソプロパノールを添加し、攪拌することにより、パーフルオロカーボンスルホン酸ポリマー:水:イソプロパノール=8.5:76.5:15.0(質量比)の組成のポリマー溶液C2 を得た。
次に、3.80gのポリマー溶液A1 の中に、攪拌しながらポリマー溶液B1 としてポリイミド前駆体ワニス(宇部興産(株)製 商品名:U−ワニスA、固形分/NMP溶媒=18:82)0.38gを徐々に添加、混合して均一な溶液とした。次いで、攪拌しながら更に6.55gのポリマー溶液C2 を徐々に添加、混合することにより、イオン交換基を有するパーフルオロカーボン重合体と、ポリイミド前駆体とを含むキャスト溶液を得た。
このキャスト溶液を直径9.1cmのステンレスシャーレに流し込み、これをオーブン中に入れて200℃に昇温し、2時間熱処理することにより溶媒の除去およびポリイミド前駆体のイミド化を行った。その後、オーブンから取り出し、冷却したステンレスシャーレにイオン交換水を注ぎ、剥離させたフィルムをろ紙ではさんで乾燥させて、膜厚50μmのプロトン交換膜を得た(パーフルオロスルホン酸ポリマー90質量%、ポリイミド10質量%)。この膜は均一に茶褐色がかっていて、換算ヘーズ値(H50)は1.9%で、また、この膜の膜厚方向断面のTEM観察を行ったところ、海/島構造が観察され、島粒子の占有面積率は10.2%、島粒子密度は1.8個/μmであり、パーフルオロカーボンスルホン酸ポリマーとポリイミドが均一に微分散していた。またこの膜のイミド化率は93%であった。
このプロトン交換膜の乾湿寸法変化は、X=110(%)、X’=100(%)であり、湿潤時の膨潤率が小さく、かつ再乾燥時の収縮率がなく乾湿寸法安定性に優れていることが判明した。
この膜のOCV加速試験を行ったところ、400hr経過時点でも水素ガス透過率がOCV試験前の10倍に達せず、400hr以上の優れた耐久性を示した。また、このプロトン交換膜の燃料電池評価を行ったところ、1A/cm2の時に0.49Vであった。
[実施例2]
実施例1で使用したものと同じポリマー溶液A1 、C2 を用いて、さらに以下に示すポリマー溶液B2 を製造し、以下の方法によりプロトン交換膜を製造した。
まず、ポリアミドイミド(ソルベイアドバンストポリマーズ(株)製 商品名:トーロン AI−10)をジメチルアセトアミドに加え、室温で撹拌することで、ポリアミドイ
ミド:ジメチルアセトアミド=5.0:95.0(質量比)の組成のポリマー溶液B2 を製造した。
次に、3.80gのポリマー溶液A1 の中に、攪拌しながら1.38gのポリマー溶液B2 を徐々に添加、混合して均一な溶液とした。次いで、攪拌しながら更に6.55gのポリマー溶液C2 を徐々に添加、混合することにより、イオン交換基を有するパーフルオロカーボン重合体と、ポリアミドイミドとを含む溶液を得た。
この溶液を直径9.1cmのステンレスシャーレに流し込み、これをオーブン中に入れて200℃に昇温し、2時間熱処理することにより溶媒の除去を行った。その後、オーブンから取り出し、冷却したステンレスシャーレにイオン交換水を注ぎ、剥離させたフィルムをろ紙ではさんで乾燥させて、膜厚50μmのプロトン交換膜を得た(パーフルオロスルホン酸ポリマー90質量% 、ポリアミドイミド10質量%)。この膜は均一に茶褐色がかっていて、換算ヘーズ値(H50)は1.8%で、また、この膜の膜厚方向断面のTEM観察を行ったところ、海/島構造が観察され、島粒子の占有面積率は10.3%、島粒子密度は1.3個/μmであり、パーフルオロカーボンスルホン酸ポリマーとポリアミドイミドが均一に微分散していた。
このプロトン交換膜の乾湿寸法変化は、X=110(%)、X’=99(%)であり、湿潤時の膨潤率が小さく、かつ再乾燥時の収縮率もほとんどなく乾湿寸法安定性に優れていることが判明した。
この膜のOCV加速試験を行ったところ、300hr経過時点でも水素ガス透過率がOCV試験前の10倍に達せず、300hr以上の優れた耐久性を示した。また、このプロトン交換膜の燃料電池評価を行ったところ、1A/cm2の時に0.48Vであった。
[実施例3]
実施例1で得られたプロトン交換膜を1mol/lの塩化カリウム溶液に25℃で8時間浸漬して、その後純水で洗浄して、ろ紙にはさんで風乾させてカリウム置換膜を得た。この膜をオーブンの中に入れて250℃で2時間処理した。次いで1mol/lの塩酸溶液に25℃で8時間浸漬して、その後純水で洗浄して、ろ紙にはさんで風乾させてプロトン交換膜を得た(パーフルオロスルホン酸ポリマー90質量%、ポリイミド10質量%)。この膜は均一に茶褐色がかっていて、換算ヘーズ値(H50)は1.8%で、また、この膜の膜厚方向断面のTEM観察を行ったところ、海/島構造が観察され、島粒子の占有面積率は10.7%、島粒子密度は1.5個/μmであり、パーフルオロカーボンスルホン酸ポリマーとポリイミドが均一に微分散していた。またこの膜のイミド化率は99%であった。
このプロトン交換膜の乾湿寸法安定性は、X=109(%)、X’=100(%)であり、湿潤時の膨潤率が小さく、かつ再乾燥時の収縮率がなく乾湿寸法安定性に優れていることが判明した。
この膜のOCV加速試験を行ったところ、400hr経過時点でも水素ガス透過率がOCV試験前の10倍に達せず、400hr以上の優れた耐久性を示した。また、このプロトン交換膜の燃料電池評価を行ったところ、1A/cm2の時に0.49Vであった。
[実施例4]
実施例1で使用したものと同じポリマー溶液A1 、B1、C2 を用いて、さらに以下に示すポリマー溶液D1 を製造し、以下の方法によりプロトン交換膜を製造した。
まず、ポリベンゾイミダゾール(シグマアルドリッチジャパン(株)社製、重量平均分子量27000、)をジメチルアセトアミドに加え、室温で撹拌することで、ポリアミドイミド:ジメチルアセトアミド=1.0:99.0(質量比)の組成のポリマー溶液D1
を製造した。
次に、3.80gのポリマー溶液A1 の中に、攪拌しながら0.61gのポリマー溶液D1 を徐々に添加、混合して均一な溶液とした。次いで、撹拌しながらさらに0.17gのポリマー溶液B1を徐々に添加、混合して均一な溶液とした。さらに、攪拌しながら更に6.06gのポリマー溶液C2 を徐々に添加、混合することにより、イオン交換基を有するパーフルオロカーボン重合体と、ポリイミドとポリベンズイミダゾールとを含む溶液を得た。
この溶液を直径9.1cmのステンレスシャーレに流し込み、これをオーブン中に入れて200℃に昇温し、2時間熱処理することにより溶媒の除去を行った。その後、オーブンから取り出し、冷却したステンレスシャーレにイオン交換水を注ぎ、剥離させたフィルムをろ紙ではさんで乾燥させて、膜厚50μmのプロトン交換膜を得た(パーフルオロスルホン酸ポリマー94質量% 、ポリイミド5質量% 、ポリベンズイミダゾール1質量%)。この膜は均一に茶褐色がかっていて、換算ヘーズ値(H50)は2.0%で、また、この膜の膜厚方向断面のTEM観察を行ったところ、海/島構造が観察され、島粒子の占有面積率は9.1%、島粒子密度は0.7個/μmであり、パーフルオロカーボンスルホン酸ポリマー、ポリイミド、ポリベンズイミダゾールが均一に微分散していた。
このプロトン交換膜の乾湿寸法変化は、X=109(%)、X’=100(%)であり、湿潤時の膨潤率が小さく、かつ再乾燥時の収縮率もほとんどなく乾湿寸法安定性に優れていることが判明した。
この膜のOCV加速試験を行ったところ、500hr経過時点でも水素ガス透過率がOCV試験前の10倍に達せず、500hr以上の優れた耐久性を示した。また、このプロトン交換膜の燃料電池評価を行ったところ、1A/cm2の時に0.47Vであった。
[実施例5]
ポリイミド前駆体ワニス(宇部興産(株)製 商品名:U−ワニスA、固形分/NMP溶媒=18:82)0.38g中に、NN−ジメチルアセトアミド1.90g加え3wt%のポリマー溶液B3を得た。その後400mlの純水中に撹拌しながらゆっくりとポリマー溶液B3を加えることで白色沈殿物を得た。その白色沈殿物をろ過し、回収、乾燥して溶媒を含まないポリイミド前駆体0.068gを得た。溶媒を含まないポリイミド前駆体0.068gにさらにNN−ジメチルアセトアミドを0.31g加えポリマー溶液B4を得た(固形分/NN−ジメチルアセトアミド溶媒=18:82))。
次に3.80gのポリマー溶液A1 の中に、攪拌しながらポリマー溶液B4を0.38g徐々に添加、混合して均一な溶液とした。次いで、攪拌しながら更に6.55gのポリマー溶液C2 を徐々に添加、混合することにより、イオン交換基を有するパーフルオロカーボン重合体と、ポリイミド前駆体とを含むキャスト溶液を得た。
このキャスト溶液を直径9.1cmのステンレスシャーレに流し込み、これをオーブン中に入れて200℃に昇温し、2時間熱処理することにより溶媒の除去およびポリイミド前駆体のイミド化を行った。その後、オーブンから取り出し、冷却したステンレスシャーレにイオン交換水を注ぎ、剥離させたフィルムをろ紙ではさんで乾燥させて、膜厚50μmのプロトン交換膜を得た(パーフルオロスルホン酸ポリマー90質量%、ポリイミド10質量%)。この膜は均一に茶褐色がかっていて、換算ヘーズ値(H50)は1.9%で、また、この膜の膜厚方向断面のTEM観察を行ったところ、海/島構造が観察され、島粒子の占有面積率は11.2%、島粒子密度は0.7個/μmであり、パーフルオロカーボンスルホン酸ポリマーとポリイミドが均一に微分散していた。またこの膜のイミド化率は95%であった。
このプロトン交換膜の乾湿寸法変化は、X=110(%)、X’=100(%)であり
、湿潤時の膨潤率が小さく、かつ再乾燥時の収縮率がなく乾湿寸法安定性に優れていることが判明した。
この膜のOCV加速試験を行ったところ、400hr経過時点でも水素ガス透過率がOCV試験前の10倍に達せず、400hr以上の優れた耐久性を示した。また、このプロトン交換膜の燃料電池評価を行ったところ、スタート時からの電圧が安定しており、1A/cm2の時に0.49Vであった。
[実施例6]
ポリイミド前駆体ワニス(宇部興産(株)製 商品名:U−ワニスA、固形分/NMP溶媒=18:82)0.64g中に3.20gのDMAcを加え3wt%ポリイミド前駆体溶液を作製し、200mlの純水中を撹拌しながら徐々に3wt%ポリイミド前駆体溶液を加えると白色沈殿物が生成する。その白色沈殿物を回収し室温で充分に乾燥させて、0.11gのポリイミド前駆体を得た。0.11gのポリイミド前駆体に2N NaOH水溶液0.48gを加え、さらに3.23gの純水を加えて60℃で30分撹拌し、褐色のポリイミド前駆体溶液(ポリマー溶液E1)を得た。
また0.023gのポリベンゾイミダゾールを充分に粉砕し、2N NaOH水溶液0.023gとエタノール0.43g添加した後、80℃で加熱攪拌し、ポリベンゾイミダゾールを充分に溶解させた後、エタノール1.64gを加えて、80℃で再度加熱攪拌し、赤褐色のポリベンゾイミダゾール溶液(溶液F1)を得た。
次に2.12gのポリマー溶液F1に、エタノール(和光純薬(株)製特級試薬)4.06g加え、さらにポリマー溶液C1を43.19g加え混合したものを撹拌し薄い赤褐色の透明液を得た。その後、ポリマー溶液E1を3.83gさらに加え白色溶液を得た。
この白色溶液を直径9.1cmのガラスシャーレに流し込み、室温で溶媒を除去した後、これをオーブン中に入れて200℃に昇温し、2時間熱処理することにより完全に溶媒の除去を行った。その後、オーブンから取り出し、冷却したガラスシャーレにイオン交換水を注ぎ、剥離させ、その後2Nの塩酸中に一晩浸漬し、その後これをオーブン中に入れて200℃に昇温し、2時間熱処理し、その後オーブンから取り出し、膜厚50μmのプロトン交換膜を得た(パーフルオロスルホン酸ポリマー94質量% 、ポリイミド5質量% 、ポリベンズイミダゾール1質量%)。この膜は均一に茶褐色がかっていて、換算ヘーズ値(H50)は2.0%で、また、この膜の膜厚方向断面のTEM観察を行ったところ、海/島構造が観察され、島粒子の占有面積率は10.9%、島粒子密度は0.8個/μmであり、パーフルオロカーボンスルホン酸ポリマーとポリイミドとポリベンズイミダゾールが均一に微分散していた。またこの膜のイミド化率は96%であった。
このプロトン交換膜の乾湿寸法変化は、X=108(%)、X’=100(%)であり、湿潤時の膨潤率が小さく、かつ再乾燥時の収縮率もほとんどなく乾湿寸法安定性に優れていることが判明した。
この膜のOCV加速試験を行ったところ、500hr経過時点でも水素ガス透過率がOCV試験前の10倍に達せず、500hr以上の優れた耐久性を示した。また、このプロトン交換膜の燃料電池評価を行ったところ、1A/cm2の時に0.46Vであった。
[実施例7]
3.80gのポリマー溶液A1 の中に、攪拌しながらポリマー溶液B1 としてポリイミド前駆体ワニス(宇部興産(株)製 商品名:U−ワニスA、固形分/NMP溶媒=18:82)0.17gを徐々に添加、混合して均一な溶液とした。次いで、攪拌しながら更に6.06gのポリマー溶液C2 を徐々に添加、混合することにより、イオン交換基を有するパーフルオロカーボン重合体と、ポリイミド前駆体とを含むキャスト溶液を得た。
このキャスト溶液を直径9.1cmのステンレスシャーレに流し込み、これをオーブン中に入れて200℃に昇温し、2時間熱処理することにより溶媒の除去およびポリイミド前駆体のイミド化を行った。その後、オーブンから取り出し、冷却したステンレスシャーレにイオン交換水を注ぎ、剥離させたフィルムをろ紙ではさんで乾燥させて、膜厚50μmのプロトン交換膜を得た(パーフルオロスルホン酸ポリマー95質量%、ポリイミド5質量%)。この膜は均一に茶褐色がかっていて、換算ヘーズ値(H50)は1.8%で、また、この膜の膜厚方向断面のTEM観察を行ったところ、海/島構造が観察され、島粒子の占有面積率は10.2%、島粒子密度は0.6個/μmであり、パーフルオロカーボンスルホン酸ポリマーとポリイミドが均一に微分散していた。またこの膜のイミド化率は94%であった。
このプロトン交換膜の乾湿寸法変化は、X=112(%)、X’=99(%)であり、湿潤時の膨潤率が小さく、かつ再乾燥時の収縮率もほとんどなく乾湿寸法安定性に優れていることが判明した。
この膜のOCV加速試験を行ったところ、300hr経過時点でも水素ガス透過率がOCV試験前の10倍に達せず、300hr以上の優れた耐久性を示した。また、このプロトン交換膜の燃料電池評価を行ったところ、1A/cm2の時に0.46Vであった。
[比較例1]
4.00gの実施例1で使用したポリマー溶液A1 の中に、攪拌しながら更に6.89gの実施例1で使用したポリマー溶液C2 を徐々に添加、混合することにより、イオン交換基を有するパーフルオロカーボン重合体の溶液を得た。
この溶液を直径9.1cmのステンレスシャーレに流し込み、これをオーブン中に入れて200℃に昇温し、2時間熱処理することにより溶媒の除去を行った。その後、オーブンから取り出し、冷却したステンレスシャーレにイオン交換水を注ぎ、剥離させたフィルムをろ紙ではさんで乾燥させて、膜厚50μmのプロトン交換膜を得た。
このプロトン交換膜の乾湿寸法変化は、X=124(%)、X’=97(%)であり、湿潤時の膨潤率が大きかった。
この膜のOCV加速試験を行ったところ、100hrでクロスリークが急上昇して試験を終了した。
[比較例2]
4.00gの実施例1で使用したポリマー溶液A1 の中に、攪拌しながら更に6.89gの実施例1で使用したポリマー溶液C2 を徐々に添加、混合することにより、イオン交換基を有するパーフルオロカーボン重合体の溶液を得た。
この溶液を直径9.1cmのステンレスシャーレに流し込み、これをオーブン中に入れて200℃に昇温し、2時間熱処理することにより溶媒の除去を行った。その後、オーブンから取り出し、冷却したステンレスシャーレにイオン交換水を注ぎ、剥離させたフィルムをろ紙ではさんで乾燥させ得られたプロトン交換膜を80℃水中に1時間浸漬させたのち、膜の外周部を枠に固定し、25℃,25%RH(相対湿度)で2時間乾燥させ、膜厚50μmのプロトン交換膜を得た。
このプロトン交換膜の乾湿寸法安定性は、X=110(%)、X’=85(%)であり、再乾燥時の収縮率が大きかった。
この膜のOCV加速試験を行ったところ、140hrでクロスリークが急上昇して試験を終了した。
以上の結果を表1に示す。ただし表中のPFSAはパーフルオロカーボン重合体、PIはポリイミド、PAIはポリアミドイミド、PBIはポリベンズイミダゾールを表す。
本発明のプロトン交換膜は、乾湿寸法安定性に優れ、且つ化学的安定性および耐熱性に優れ、イオン交換膜、燃料電池の分野に好適である。

Claims (18)

  1. 50.00質量%以上99.99質量%以下のイオン交換基を有するパーフルオロカーボン重合体と、0.01質量%以上50.00質量%以下のポリイミド及び/又はポリアミドイミドとを含む組成物から構成されることを特徴とするプロトン交換膜。
  2. 50.00質量%以上99.98質量%以下のイオン交換基を有するパーフルオロカーボン重合体と、0.01質量%以上49.99質量%以下のポリイミド及び/又はポリアミドイミドと、0.01質量%以上49.99質量%以下のポリアゾール系化合物とを含む組成物から構成されることを特徴とするプロトン交換膜。
  3. 膜厚方向の断面構造が海/島構造であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプロトン交換膜。
  4. 下記式の換算ヘーズ値(H50)が70%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のプロトン交換膜。
    (前記式中、tはプロトン交換膜の膜厚(μm)を表し、HはJIS K 7136に従って測定した膜厚t(μm)のプロトン交換膜のヘーズ値を表し、換算ヘーズ値(H50)はプロトン交換膜の膜厚が50μmであると仮定した時の換算ヘーズ値を表す。)
  5. イオン交換基を有するパーフルオロカーボン重合体の少なくとも一部とポリアゾール系化合物の少なくとも一部が互いに化学結合していることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載のプロトン交換膜。
  6. 海/島構造の島粒子の合計面積が、膜厚方向の断面積の0.1〜70%であることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載のプロトン交換膜。
  7. 海/島構造の島粒子の密度が、膜厚方向の断面積の1μm2当たり0.1〜100個であることを特徴とする請求項3〜6のいずれか1項に記載のプロトン交換膜。
  8. 前記ポリイミドが、ポリイミド前駆体を成膜後にイミド化させることにより得られたものであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のプロトン交換膜。
  9. 少なくとも以下の工程を含む方法により得られることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のプロトン交換膜:
    (a)イオン交換基を有するパーフルオロカーボン重合体と、ポリイミド前駆体、又はポリイミド前駆体及びポリアミドイミドと、溶媒とを含有する溶液を作成する工程
    (b)前記溶液をキャスト後、溶媒を除去する工程
    (c)イミド化処理する工程
  10. 前記(a)工程が、イオン交換基を有するパーフルオロカーボン重合体と、ポリイミド前駆体、又はポリイミド前駆体及びポリアミドイミドと、ポリアゾール系化合物と、溶媒とを含有する溶液
    を作成する工程であることを特徴とする請求項9に記載のプロトン交換膜。
  11. 少なくとも以下の工程を含む方法により得られることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のプロトン交換膜:
    (a)ポリイミド前駆体、又はポリイミド前駆体及びポリアミドイミドと、ポリイミド前駆体、又はポリイミド前駆体及びポリアミドイミド中の窒素原子の当量数に対して1〜100倍等量のアルカリ金属水酸化物とをプロトン性溶媒に溶解し、溶液を作製する工程
    (b)イオン交換基を有するパーフルオロカーボン重合体をプロトン性溶媒に溶解し、溶液を作製する工程
    (c)前記(a)、(b)溶液を混合し、該混合溶液をキャストし、その後溶媒を除去する工程
    (d)イミド化する工程
  12. 前記(a)工程が、ポリイミド前駆体、又はポリイミド前駆体及びポリアミドイミドと、ポリアゾール系化合物と、ポリイミド前駆体、又はポリイミド前駆体及びポリアミドイミドと、ポリアゾール系化合物中の窒素原子の当量数に対して1〜100倍等量のアルカリ金属水酸化物とをプロトン性溶媒に溶解し、溶液を作製する工程であることを特徴とする請求項11に記載のプロトン交換膜。
  13. 少なくとも以下の工程を含む方法により得られることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のプロトン交換膜:
    (a)イオン交換基を有するパーフルオロカーボン重合体と、ポリアミドイミドと、溶媒とを含有する溶液を作成する工程
    (b)前記溶液をキャスト後、溶媒を除去する工程
  14. 前記(a)工程が、イオン交換基を有するパーフルオロカーボン重合体と、ポリアミドイミドと、ポリアゾール系化合物と、溶媒とを含有する溶液
    を作成する工程であることを特徴とする請求項13に記載のプロトン交換膜。
  15. 少なくとも以下の工程を含む方法により得られることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のプロトン交換膜:
    (a)ポリアミドイミドと、ポリアミドイミド中の窒素原子の当量数に対して1〜100倍等量のアルカリ金属水酸化物とをプロトン性溶媒に溶解し、溶液を作製する工程
    (b)イオン交換基を有するパーフルオロカーボン重合体をプロトン性溶媒に溶解し、溶液を作製する工程
    (c)前記(a)、(b)溶液を混合し、該混合溶液をキャストし、その後溶媒を除去する工程
  16. 前記(a)工程が、ポリアミドイミドと、ポリアゾール系化合物と、ポリアミドイミドと、ポリアゾール系化合物中の窒素原子の当量数に対して1〜100倍等量のアルカリ金属水酸化物とをプロトン性溶媒に溶解し、溶液を作製する工程であることを特徴とする請求項1に記載のプロトン交換膜。
  17. 請求項1〜16のいずれか1項に記載のプロトン交換膜を備えたことを特徴とする膜電極接合体。
  18. 請求項1〜16のいずれか1項に記載のプロトン交換膜を備えたことを特徴とする固体高分子型燃料電池。
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