JP2015062514A - パンツタイプ使い捨ておむつ - Google Patents

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Abstract

【課題】胴周り部の弾性部材の締め付け力を、確実に目的の締め付け力に調整できるようにする。
【解決手段】上記課題は、ウエスト縁部弾性部材24は、幅方向一端部が外装体20に固定された固定部24fとされるとともに、幅方向他端部に摘み部30が設けられ、かつ固定部24fと摘み部30との間の部分が、その外側に位置する外側層20D及び内側に位置する内側層20Cに固定されずに幅方向に移動可能な移動部24mとされており、外装体20のうち、ウエスト縁部弾性部材24の移動部24mの少なくとも摘み部30側の一部と重なる領域では、外側層20D及び内側層20C間に、摘み部30が幅方向に移動可能な引き込みスペース22が形成されるとともに、引き込みスペース22における外側層20D及び内側層20C間を着脱自在に接合する接合手段31,32が設けられていることにより解決される。
【選択図】図9

Description

本発明は、股間部におけるフィット性及び漏れ防止性を改善したパンツタイプ使い捨ておむつに関する。
パンツタイプ使い捨ておむつは、装着者の腹側から股間を通り背側まで延在する外装体と、この外装体の内面に固定された、吸収体を含む内装体とを備え、外装体の腹側の両側縁部と外装体の背側の両側縁部とが接合されることにより、ウエスト開口部及び左右一対の脚開口部が形成されているものであり、内装体の表面両側部には身体側に突出する立体ギャザーを備えたものが一般的となっている。
また、パンツタイプ使い捨ておむつにおいては、身体へのフィット性を向上させるために、外装体に、ウエスト縁部弾性部材やウエスト下側弾性部材等、種々の弾性部材を伸長状態で固定することが行われている(例えば特許文献1、2参照)。ここに、ウエスト縁部弾性部材は、ウエスト開口部の縁部に、縦方向に間隔を空けて幅方向に沿って複数本平行に配置されているものである。また、ウエスト下側弾性部材は、ウエスト縁部弾性部材よりも前後方向中央部側の領域に、縦方向に間隔を空けて幅方向に沿って配置されているものである。これら胴周り部を締め付けるウエスト縁部弾性部材やウエスト下側弾性部材(以下、総称して胴周り部弾性部材ともいう)は、幅方向中央部における内装体と重なる部分を細かく切断し、内装体の収縮を防止することが一般的である。
胴周り部弾性部材は、一般に締め付け力を調整できないものであり、締め付け力が強い場合には製品サイズを変更することにより対応しているのが現状である。このような問題点に対して、本出願人は締め付け力を調整可能なパンツタイプ使い捨ておむつを提案している(特許文献1,2参照)。
しかしながら、特許文献1記載のものでは、弾性部材の引き込みを利用して締め付け力を弱めるものであるため、自然に適切な締め付け力になるという利点はあるものの、意図的に締め付け力を調整する際に調整作業が困難であるといった問題点や、締め付け力を弱くし過ぎてしまった場合に戻すことができない、といった問題点がある。
また、特許文献2記載のものは、マチ部を用いておむつのウエスト寸法自体を拡張するため、結果的に締め付け力を弱くできるものの、例えばウエスト下側弾性部材の締め付け力はそのままに、ウエスト縁部弾性部材のみの締め付け力を弱くするといったことが困難であるという問題点がある。
特開2009−106667号公報 特開2011−072429号公報
そこで本発明の主たる課題は、胴周り部の弾性部材の締め付け力を、確実に目的の締め付け力に調整できるパンツタイプ使い捨ておむつを提供することにある。
上記課題を解決した本発明は次のとおりである。
<請求項1記載の発明>
前身頃及び後身頃を形成する外装体と、この外装体の内面に固定された、吸収体を含む内装体とを備え、
前記前身頃における外装体の両側部と後身頃における外装体の両側部とがそれぞれ接合され、この接合部分と対応する縦方向範囲が胴周り部とされるとともに、ウエスト開口部及び左右一対の脚開口部が形成され、
前記外装体の胴周り部は、外側層及び内側層と、これら外側層及び内側層間に胴周り部の幅方向両端部にわたり配置された胴周り部弾性部材とを有している、パンツタイプ使い捨ておむつにおいて、
前記胴回り部弾性部材の少なくとも一部は、幅方向一端部が前記外装体に固定された固定部とされるとともに、幅方向他端部に摘み部が設けられ、かつ前記固定部と前記摘み部との間の部分が前記外側層及び内側層に固定されずに幅方向に移動可能な移動部とされており、
前記外装体のうち、前記胴回り部弾性部材の移動部の少なくとも前記摘み部側の一部と重なる領域では、前記外側層及び内側層間に、前記摘み部が幅方向に移動可能な引き込みスペースが形成されるとともに、
前記引き込みスペースにおける前記外側層及び内側層間を着脱自在に接合する接合手段が設けられている、
ことを特徴とするパンツタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
本発明では、接合手段により引き込みスペースの外側層及び内側層間が接合されている状態では摘み部は胴回り部弾性部材の収縮力により引き込みスペース側へ移動しようとしても、接合手段の接合部分により制止される(引っ掛る又は接合手段に接合される。以下同じ。)。よって、製品状態では、初期の摘み部及び固定部間の展開状態離間距離に応じて胴回り部弾性部材が伸び、この伸びに応じた収縮力が作用する。そして、この収縮力では締め付けがきついため、締め付けを緩める場合には、接合手段を剥離して摘み部を引き込みスペース内に導入し、固定部側へ移動させた後に接合手段を再接合し、接合手段の接合部分により摘み部の移動を制止する。これにより、胴周り部弾性部材の伸び(摘み部と固定部との展開状態離間距離)が減少し、締め付け力を弱めることができる。したがって、本発明では、胴周り部の弾性部材の締め付け力を、確実に目的の締め付け力に調整できる。また、本発明の構造では、胴周り部弾性部材の全てを調整可能とする必要は無いため、例えばウエスト下側弾性部材の締め付け力は固定として、ウエスト縁部弾性部材のみの締め付け力を調整可能にするといったことも可能である(実施形態参照)。
<請求項2記載の発明>
前記胴回り部弾性部材は細長状の弾性部材からなり、かつ縦方向に間隔を空けて複数本設けられており、
前記摘み部は、前記移動部を有する胴回り部弾性部材の一本若しくは複数本に対して個別に設けられているか、又は前記移動部を有する胴回り部弾性部材の一本若しくは複数本毎にミシン目により分割可能とされている、請求項1記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
パンツタイプ使い捨ておむつでは、胴回り部弾性部材として細長状の弾性部材を縦方向に間隔を空けて複数本設けたものが多いが、このような形態で上述のように摘み部を個別化すると、締め付け力の調整をより細かく、また所望の位置だけ調整することができるため好ましい。
<請求項3記載の発明>
前記接合手段を有する部分は、前記外側層が前記内側層から剥離可能であり、かつ前記接合手段としてメカニカルファスナーのフック材が前記内側層に設けられており、前記摘み部の前記内側層側の面は前記メカニカルファスナーのフック材が係止しないように構成されている、請求項1又は2記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
着脱自在の接合手段としては、剥離強度や再接合時の強度を考慮すると、メカニカルファスナー(面ファスナー)のフック材(雄材)を用いることが望ましいが、その場合に内側層にフック材が設けられていると、摘み部を移動させる際に摘み部がフック材に誤って係止されるおそれがある。よって、これを防止するために、上述のように、摘み部の内側層側の面を、メカニカルファスナーのフックが係止しないものとするのは好ましい。
<請求項4記載の発明>
前記接合手段を有する部分は、前記外側層が前記内側層から剥離可能であり、かつ前記接合手段としてメカニカルファスナーのフック材が前記外側層に設けられており、前記内側層に前記メカニカルファスナーのフック材が設けられていない、請求項1又は2記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
着脱自在の接合手段としては、剥離強度や再接合時の強度を考慮すると、メカニカルファスナー(面ファスナー)のフック材(雄材)を用いることが望ましいが、その場合に内側層にフック材が設けられていると、摘み部を移動させる際に摘み部がフック材に誤って係止されるおそれがある。よって、これを防止するために、上述のように、外側層にフック材を設け、内側層にはフック材を設けない構造とするのは好ましい。
<請求項5記載の発明>
前記外装体の胴周り部は、外側から内側に向かって第1の層、第2の層、及び第3の層をこの順に有しており、
前記第1の層及び第2の層をそれぞれ前記外側層及び内側層として、前記胴回り部弾性部材、固定部、摘み部、移動部、引き込みスペース、及び接合手段からなる第1の締め付け調整手段を構成するとともに、
前記第3の層及び第2の層をそれぞれ前記外側層及び内側層として、前記胴回り部弾性部材、固定部、摘み部、移動部、引き込みスペース、及び接合手段からなる第2の締め付け調整手段を構成し、
前記第1の締め付け調整手段における前記摘み部と、前記第2の締め付け調整手段における摘み部とが左右対向配置となるように構成した、
請求項1〜4のいずれか1項に記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
本発明の基本構造では、摘み部の固定部側と反対側には胴回り部弾性部材の収縮力が作用しないため、締め付けを緩めるために摘み部を固定部側へ移動すると、その移動距離に応じて胴周り部弾性部材の収縮力が作用しない領域が増加し、フィット性が低下するおそれがある。
これに対して、上述のように、外装体の層構造を増やし、第1の締め付け調整手段及び第2の締め付け調整手段を反対向きに設けると、第1の締め付け調整手段の胴回り部弾性部材を緩めたときに第1の締め付け調整手段の胴回り部弾性部材の収縮力が作用しない領域には、第2の締め付け調整手段の胴回り部弾性部材の収縮力が作用し、また、第2の締め付け調整手段の胴回り部弾性部材を緩めたときに第2の締め付け調整手段の胴回り部弾性部材の収縮力が作用しない領域には、第1の締め付け調整手段の胴回り部弾性部材の収縮力が作用するようになる。よって、締め付けを緩めても、胴周り部弾性部材の収縮力が作用しない領域が発生せず、フィット性の低下を防止することができる。
<請求項6記載の発明>
前記摘み部は前記外装体の一部として形成され、かつミシン目により前記外装体から分離可能とされている、請求項1〜5のいずれか1項に記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
このような構造は既存製法の少ない変更により製造が可能であり、また製品状態で摘み部が外装体に一体化しているため、製品外観がすっきりとするとともに、締め付け力を調整しないで使用する場合に摘み部が邪魔になり難い。
<請求項7記載の発明>
前記接合手段がメカニカルファスナーのフック材であり、前記接合手段が幅方向に間隔を空けて複数設けられている、請求項1〜6のいずれか1項に記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
接合手段としてメカニカルファスナーのフック材を使用すると、その部分の柔軟性、フィット性は低下せざるを得ないが、上述のように幅方向に間隔を空けて複数設けることにより、柔軟性及びフィット性の低下を抑制することができる。
以上のとおり、本発明によれば、胴周り部の弾性部材の締め付け力を、確実に目的の締め付け力に調整できるパンツタイプ使い捨ておむつとなる、等の利点がもたらされる。
展開状態のパンツタイプ使い捨ておむつの平面図(内面側)である。 展開状態のパンツタイプ使い捨ておむつの平面図(外面側)である。 前身頃のウエスト縁部の(a):要部拡大図、(b):断面図である。 図1のC−C断面図である。 図1のA−A断面図である。 図1のB−B断面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの装着状態の斜視図である。 弾性部材のカットパターンを示す平面図である。 前身頃のウエスト縁部の(a):要部拡大図、(b):(a)の断面図である。 前身頃のウエスト縁部の(a):締め付け調整前の要部拡大図、(b):締め付け調整時の要部拡大図である。 前身頃のウエスト縁部の(a):要部拡大図、(b):(a)の断面図である。 前身頃のウエスト縁部の(a):要部拡大図、(b):(a)の断面図である。 製造工程を概略的に示す平面図である。 製造工程を概略的に示す平面図である。 製造工程を概略的に示す平面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの(a)ミシン目切り離し状態を示す正面図、(b)締め付け調整時の状態を示す正面図である。
以下、本発明の一実施形態について、添付図面を参照しつつ詳説する。なお、用語「伸長率」は自然長を100%としたときの値を意味する。また、図中の点模様部分はホットメルト接着剤等の接合手段を示している。
図1〜図7はパンツタイプ使い捨ておむつを示している。このパンツタイプ使い捨ておむつ(以下、単におむつともいう。)は、前身頃F及び後身頃Bをなす外装体20と、この外装体20の内面に固定され一体化された内装体10とを有しており、内装体10は液透過性表面シート11と液不透過性裏面側シート12との間に吸収体13が介在されてなるものである。製造に際しては、外装体20の内面(上面)に対して内装体10の裏面がホットメルト接着剤などの接合手段によって接合(図2の点模様部分)された後に、内装体10および外装体20が前身頃F及び後身頃Bの境界である縦方向(前後方向)中央で折り畳まれ、その両側部が相互に熱溶着またはホットメルト接着剤などによって接合されてサイドシール部21が形成されることによって、ウエスト開口部及び左右一対のレッグ開口部が形成されたパンツタイプ使い捨ておむつとなる。
(内装体の構造例)
内装体10は、図5〜図6に示すように、不織布などからなる液透過性表面シート11と、ポリエチレン等からなる液不透過性裏面側シート12との間に、吸収体13を介在させた構造を有しており、表面シート11を透過した排泄液を吸収保持するものである。内装体10の平面形状は特に限定されないが、図示形態のように略長方形とすることが一般的である。
吸収体13の表面側(肌当接面側)を覆う液透過性表面シート11としては、有孔または無孔の不織布や多孔性プラスチックシートなどが好適に用いられる。不織布を構成する素材繊維は、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維とすることができ、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等の適宜の加工法によって得られた不織布を用いることができる。これらの加工法の内、スパンレース法は柔軟性、ドレープ性に富む点で優れ、サーマルボンド法は嵩高でソフトである点で優れている。液透過性表面シート11に多数の透孔を形成した場合には、尿などが速やかに吸収されるようになり、ドライタッチ性に優れたものとなる。液透過性表面シート11は、吸収体13の側縁部を巻き込んで吸収体13の裏面側まで延在している。
吸収体13の裏面側(非肌当接面側)を覆う液不透過性裏面側シート12は、ポリエチレンまたはポリプロピレンなどの液不透過性プラスチックシートが用いられるが、近年はムレ防止の点から透湿性を有するものが好適に用いられる。この遮水・透湿性シートは、たとえばポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン樹脂中に無機充填材を溶融混練してシートを形成した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートである。
吸収体13としては、公知のもの、例えばパルプ繊維の積繊体、セルロースアセテート等のフィラメントの集合体、あるいは不織布を基本とし、必要に応じて高吸収性ポリマーを混合、固着等してなるものを用いることができる。この吸収体13は、形状及びポリマー保持等のため、必要に応じてクレープ紙等の、液透過性及び液保持性を有する包装シート14によって包装することができる。
吸収体13の形状は、股間部に前後両側よりも幅の狭い括れ部分13Nを有する略砂時計状に形成されているが、長方形状等、適宜の意形状とすることができる。括れ部分13Nの寸法は適宜定めることができるが、括れ部分13Nの前後方向長さはおむつ全長の20〜50%程度とすることができ、その最も狭い部分の幅は吸収体13の全幅の40〜60%程度とすることができる。このような括れ部分13Nを有する場合において、内装体10の平面形状が略長方形とされていると、内装体10における吸収体13の括れ部分13Nと対応する部分に、吸収体13を有しない余り部分が形成される。
内装体10の両側部には脚周りにフィットする立体ギャザーBSが形成されている。この立体ギャザーBSは、図5及び図6に示されるように、内装体の裏面の側部に固定された固定部と、この固定部から内装体の側方を経て内装体の表面の側部まで延在する本体部と、本体部の前後端部が倒伏状態で内装体の表面の側部に固定されて形成された倒伏部分と、この倒伏部分間が非固定とされて形成された自由部分とが、折返しによって二重シートとしたギャザー不織布15により形成されている。
また、二重シート間には、自由部分の先端部等に細長状ギャザー弾性部材16が配設されている。ギャザー弾性部材16は、製品状態において図5に二点鎖線で示すように、弾性伸縮力により吸収体側縁部より突出する不織布部分を起立させて立体ギャザーBSを形成するためのものである。
液不透過性裏面側シート12は、二重シート状のギャザー不織布15の内部まで進入し、図5に示されるように、立体ギャザーBSの下端側において防漏壁を構成するようになっている。この液不透過性裏面側シート12としては、排便や尿などの褐色が出ないように不透明のものを用いるのが望ましい。不透明化としては、プラスチック中に、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、ホワイトカーボン、クレイ、タルク、硫酸バリウムなどの顔料や充填材を内添してフィルム化したものが好適に使用される。
ギャザー弾性部材16としては、通常使用されるスチレン系ゴム、オレフィン系ゴム、ウレタン系ゴム、エステル系ゴム、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレンブタジエン、シリコン、ポリエステル等の素材を用いることができる。また、外側から見え難くするため、太さは925dtex以下、テンションは150〜350%、間隔は7.0mm以下として配設するのがよい。なお、ギャザー弾性部材16としては、図示形態のような糸状の他、ある程度の幅を有するテープ状のものを用いることもできる。
前述のギャザー不織布15を構成する素材繊維も液透過性表面シート11と同様に、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、アミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維とすることができ、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等の適宜の加工方法に得られた不織布を用いることができるが、特にはムレを防止するために坪量を抑えて通気性に優れた不織布を用いるのがよい。さらにギャザー不織布15については、尿などの透過を防止するとともに、カブレを防止しかつ肌への感触性(ドライ感)を高めるために、シリコン系、パラフィン金属系、アルキルクロミッククロイド系撥水剤などをコーティングした撥水処理不織布を用いるのが望ましい。
(外装体の構造例)
外装体20は、図4〜図6にも示されるように、それぞれ不織布等のシートからなる内側シート20A及び外側シート20B(つまり、この形態では外側シート20Bが最外側不織布となる)からなる2層構造の不織布シートとされ、内側シート20Aと外側シート20Bとの間、及び外側シート20Bをウエスト開口縁で内面側に折り返してなる折り返し部分と対向部分との間に各種弾性部材が配設され、伸縮性が付与されている。平面形状は、中間両側部にそれぞれレッグ開口部を形成するために形成された凹状の脚回りライン29により、全体として擬似砂時計形状をなしている。
図示形態の外装体20においては、弾性部材として、図1及び図2に示される展開形状において、ウエスト開口部近傍23に配置されたウエスト縁部弾性部材24と、前身頃F及び後身頃Bに、縦方向に間隔をおいて幅方向に沿って配置された複数のウエスト下側弾性部材25とを有するとともに、前身頃F及び後身頃Bのそれぞれにおいて、ウエスト下側弾性部材群25とは別に、一方のサイドシール部21から一方のレッグ開口部に沿って股間部に向かい、股間部を横断し、かつ他方のレッグ開口部に沿って他方のサイドシール部21に至るパターンで湾曲しつつ延在する、互いに交差することなく間隔をおいて配置された複数本の湾曲弾性部材26,28を備えている。これら、弾性部材24〜28は、それぞれその延在方向に沿って所定の伸長率で伸長された状態で固定されている。なお、本外装体20では、脚回りライン29に沿って前身頃Fのサイドシール部から後身頃Bのサイドシール部まで連続する、所謂脚回り弾性部材は設けられていない。
ウエスト縁部弾性部材24は、前身頃Fと後身頃Bとが接合されたサイドシール部21の範囲の内、ウエスト開口縁近傍に縦方向に間隔をおいて配置された複数条の糸ゴム等の細長状弾性部材であり、身体のウエスト部回りを締め付けるように伸縮力を与えることによりおむつを身体に装着するためのものである。このウエスト縁部弾性部材24は、図示例では糸ゴムを用いたが、例えばテープ状の伸縮部材を用いてもよい。また、図示形態のウエスト縁部弾性部材24は、ウエスト部における外側シート20Bの折り返し部分からなる内側層20Cと、これに対向する外側部分からなる外側層20Dとの間に配されているが、内側シート20Aと外側シート20Bとの間に配しても良く、その場合には内側シート20Aが内側層をなし、外側シート20Bが外側層をなすことになる。
ウエスト下側弾性部材25は、サイドシール部21の内、概ね上部から下部までの範囲に亘り、縦方向に間隔をおいて配置された糸ゴム等の細長状弾性部材であり、前身頃F及び後身頃Bの腰周り部分に夫々幅方向の伸縮力を与え、おむつを身体に密着させるためのものである。なお、ウエスト縁部弾性部材24とウエスト下側弾性部材25との境界は必ずしも明確でなくてよい。例えば、前身頃F及び後身頃Bに縦方向に間隔をおいて幅方向に配置された弾性部材の内、数は特定できなくても、上部側の何本かがウエスト縁部弾性部材として機能し、残りの弾性部材がウエスト下側弾性部材として機能していればよい。
後身頃Bにおいて、ウエスト下側弾性部材25とは別に配設された背側湾曲弾性部材26は、糸ゴム等の細長状弾性部材であり、所定の曲線に沿って配置されている。背側湾曲弾性部材26は、一本であっても良いが複数本であるのが好ましく、図示例では5本の糸ゴム等の細長状弾性部材であり、これら背側湾曲弾性部材26は互いに交差することなく、間隔をおいて配置されている。この背側湾曲弾性部材群26は、2,3本程度の弾性部材を間隔を密にして実質的に一束として配置されるのではなく、所定の伸縮ゾーンを形成するように3〜20mm、好ましくは6〜16mm程度の間隔を空けて、3本以上、好ましくは5本以上配置される。
外装体20の前身頃Fにおいて、ウエスト下側弾性部材群25とは別に配設された腹側湾曲弾性部材28は糸ゴム等の細長状弾性部材であり、所定の曲線に沿って配置されている。腹側湾曲弾性部材28は、一本であっても良いが複数本であるのが好ましく、図示例では5本の糸状弾性部材であり、これら腹側湾曲弾性部材28は、互いに交差することなく、間隔をおいて配置されている。この腹側湾曲弾性部材群28も、2,3本程度の弾性部材を間隔を密にして実質的に一束として配置されるのではなく、所定の伸縮ゾーンを形成するように3〜20mm、好ましくは6〜16mm程度の間隔を空けて、3本以上、好ましくは5本以上配置される。
なお、図示例では、前身頃F及び後身頃Bに配置されたウエスト下側弾性部材25及び湾曲弾性部材26,28は、図8に示すように、製造時に外装体に対して連続的に固定した後に、内装体と重なる部分の一部または全部が、所定の切断パターンCPで細かく切断されて収縮力が作用しない非収縮部分(つまり、図8の切断パターンCPと重なる部分)とされ、この非収縮部分より側方に湾曲しつつ延在する部分が収縮力の作用する収縮部分(つまり、図8の切断パターンCPより側方の、ウエスト下側弾性部材25及び湾曲弾性部材26,28が連続的に残された部分)とされている。このため、ウエスト下側弾性部材25及び湾曲弾性部材26,28は、一方側のサイドシール部21から内装体10を横切って他方(反対)側のサイドシール部21まで連続的に設けた後に、内装体と重なる部分の一部または全部が、細かく切断される。これにより、内装体(特に吸収体13)の幅方向の縮こまりをより防止することができる。もちろん、ウエスト下側弾性部材25及び湾曲弾性部材26,28を、内装体10を横切って連続的に配置することもできる。
上述した外装体20は、例えば特開平4−28363号公報や、特開平11−332913号公報記載の技術により製造することができる。また、湾曲弾性部材26,28を内装体10上で切断し不連続化するには、特開2002−35029号公報、特開2002−178428号公報及び特開2002-273808号公報に記載される切断方法が好適に採用される。
図示例とは異なり、湾曲弾性部材26,28を、前身頃F及び後身頃Bのいずれか一方にのみ設けるだけでも良い。また、湾曲弾性部材26,28を、前身頃F及び後身頃Bの両方に設ける場合、前身頃F側に配置された湾曲弾性部材の群の一部又は全部と、後身頃B側に配置された湾曲弾性部材Bの群の一部又は全部とが交差する形態(図示せず)も採用できるが、図示例のように、前身頃F側に配置された湾曲弾性部材28の群と、後身頃B側に配置された湾曲弾性部材Bの群とは互いに交差することなく前後方向中間部、特に前身頃Fに若干偏った位置で縦方向に離間している形態が好適であり、その縦方向離間範囲90における最小縦方向離間距離は10〜15mm程度とし、この部分に後述する広幅の固定領域を設けるのが好ましい。
さらに、湾曲弾性部材26,28はその全体が湾曲していなくても良く、部分的に直線状の部分を有していても良い。
弾性部材24〜28の固定時の伸長率は適宜定めることができるが、通常の成人用の場合、ウエスト縁部弾性部材24は230〜320%程度、ウエスト下側弾性部材25は230〜320%程度、湾曲弾性部材26,28は230〜320%程度とすることができる。
(前後押えシート)
図1及び図4にも示されるように、外装体20の内面上に取り付けられた内装体10の前後端部をカバーし、且つ内装体10の前後縁からの漏れを防ぐために、前後押えシート50,60が設けられている。図示形態について更に詳細に説明すると、前押えシート50は、前身頃F内面のうちウエスト側端部の折り返し部分20Cの内面から内装体10の前端部と重なる位置まで幅方向全体にわたり延在しており、後押えシート60は、後身頃B内面のうちウエスト側端部の折り返し部分20Cの内面から内装体10の後端部と重なる位置まで幅方向全体にわたり延在している。前後押えシート50,60の股下側縁部に幅方向の全体にわたり(中央部のみでも良い)若干の非接着部分を設けると、接着剤が食み出ないだけでなく、この部分を表面シートから若干浮かせて防漏壁として機能させることができる。
図示形態のように、前後押えシート50,60を別体として取り付けると、素材選択の自由度が高くなる利点があるものの、資材や製造工程が増加する等のデメリットもある。そのため、外装体20をおむつ内面に折り返してなる折り返し部分20Cを、吸収パッドと重なる部分まで延在させて、前述の押えシート50,60と同等の部分を形成することもできる。
(締め付け調整手段)
特徴的には、図3に示すように、前身頃Fにおけるウエスト縁部弾性部材24は、幅方向一端部が外装体20に固定された固定部24fとされるとともに、幅方向他端部に摘み部30が設けられ、かつ固定部24fと摘み部30との間の部分が外側層20D及び内側層20Cに固定されずに幅方向に移動可能な移動部24mとされている。また、外装体20のうち、ウエスト縁部弾性部材24の移動部24mの少なくとも摘み部30側の一部と重なる領域では、外側層20D及び内側層20C間に、摘み部30が幅方向に移動可能な引き込みスペース22が形成されるとともに、引き込みスペース22における外側層20D及び内側層20C間を着脱自在に接合する接合手段31,32が設けられている。
これら固定部24f、移動部24m、引き込みスペース22を構成するために、図示形態では、ウエスト縁部弾性部材24の一端部において内側層20C及び外側層20Dの接合をホットメルト接着剤HM等により縦方向に連続的に行い、引き込みスペース22の領域では内側層20C及び外側層20Dを接合せずに、固定部24fと引き込みスペース22との間ではウエスト縁部弾性部材24の間の部位のみ内側層20C及び外側層20Dをホットメルト接着剤HM等により接合している。
図示形態では、固定部24fと引き込みスペース22との間における内側層20C及び外側層20Dの接合を幅方向に連続させているが、幅方向に間欠的に接合することもできる。また、図示形態では固定部24fにおける内側層20C及び外側層20Dの接合を縦方向に連続的に行っているが、ウエスト縁部弾性部材24の通過位置を接合する限り、縦方向に間欠的に接合しても良い。
着脱自在の接合手段31,32としては、剥離強度や再接合時の強度を考慮すると、メカニカルファスナー(面ファスナー)のフック材31(雄材)を用いることが望ましいが、粘着剤層等の他の手段を用いることも可能である。メカニカルファスナーのフック材31は硬質のため、大きなフック材31を使用すると、使用部分の柔軟性、フィット性を低下せざるを得ない。これに対して、図示形態のように幅の狭い縦長のフック材31を幅方向に間隔を空けて複数設けると、柔軟性及びフィット性の低下を抑制することができる。メカニカルファスナーのフック材31は対向面が不織布で形成されている場合(例えば図示形態の内側層20C及び外側層20Dが不織布の場合)には、対向面にフック材31が係止されるループ材32(多数のループが表面に形成された専用のシート材)を固定しておく必要はないが、計紙力や繰り返し接合の容易性等の観点からは図示形態のようにループ材32を設けることが望ましい。
接合手段31,32の剥離及び引き込みスペース22内における摘み部30の移動を容易にするために、図示形態では、外側層20Dのうち接合手段31,32と重なる部分を捲ることができるようになっている。より詳細には、接合手段31,32の幅方向両側にミシン目41が形成されるとともに、ウエスト側の部分に両ミシン目41にわたる切れ目42が幅方向に沿って形成されている。よって、接合手段31,32を剥離する際には、切れ目42から指を入れて外側層20Dを摘まみ、外側に捲ることにより、外側層20Dと内側層20Cとの接合を剥離することができる。図示形態と異なり、切れ目42の部位を含めて全てミシン目41としたり、ミシン目41の部位を含めて全て連続する切れ目42としたりすることもできる。また、図示形態と異なり、下から上に捲る構成することも、幅方向に捲る構成とすることも可能である。さらに図示形態では、接合手段31,32の周囲の一部を繋げたまま外側層20Dを捲る構成としているが、外側層20Dの接合手段31,32と重なる部分が周囲から完全に分離する構成とすることもできる。
以上のように構成されていると、接合手段31,32により引き込みスペース22の外側層20D及び内側層20C間が接合されている状態では、図3に示すように、摘み部30はウエスト縁部弾性部材24の収縮力により引き込みスペース22側へ移動しようとしても、接合手段31,32の接合部分により制止される。なお、この制止状態には、図示形態のように摘み部30が接合手段31,32の他方側に位置して引っ掛る形態の他、接合手段31,32に接合される(例えばフック材31が摘み部30と接合される)形態も含まれる。よって、製品状態では、初期の摘み部30及び固定部24f間の展開状態離間距離に応じてウエスト縁部弾性部材24が伸び、この伸びに応じた収縮力が作用する。そして、この収縮力では締め付けがきついため、締め付けを緩める場合には、図9に示すように、接合手段31,32を剥離して摘み部30を引き込みスペース22内に導入し、固定部24f側へ移動させた後に接合手段31,32を再接合し、接合手段31,32の接合部分により摘み部30の移動を制止する。これにより、胴周り部弾性部材の伸び(摘み部30と固定部24fとの展開状態離間距離)が減少し、締め付け力を弱めることができる。したがって、本発明では、胴周り部の弾性部材の締め付け力を、確実に目的の締め付け力に調整できる。
図3及び図9に示す形態では、摘み部30がウエスト縁部弾性部材24の全てに対して一体的に設けられているため、ウエスト縁部弾性部材24の一部のみ締め付け力を調整することはできないが、図10(a)に示すように、ウエスト縁部弾性部材24の一本(若しくは複数本でも良い)毎に摘み部30をミシン目43により分割可能とすると、同図(b)に示すように一部のウエスト縁部弾性部材24のみ摘み部30を移動させて締め付け力を調整することができ、締め付け力の調整をより細かく、また所望の位置だけ調整することができるため好ましい。さらにこのとき、締め付け力を調整しないウエスト縁部弾性部材24が残ることにより、幅方向全体にわたり収縮力が作用することにもなるため、フィット性の低下を抑制することもできる。
摘み部30はミシン目43により分割可能とするのではなく、予め製品状態で切断しておいても良い。また、外側層20Dを捲るための構造としては、図9に示す形態と同様に全てのウエスト縁部弾性部材24にわたる縦方向範囲全体が一体的に捲れる構造とする他、図10に示す形態のように、摘み部30の分割位置に合わせて縦方向の一部の範囲のみを捲ることができるように、接合手段31,32を分割し、分割部分にミシン目41や切れ目42を形成しても良い。
着脱自在の接合手段31,32としては、剥離強度や再接合時の強度を考慮すると、メカニカルファスナー(面ファスナー)のフック材31(雄材)を用いることが望ましいが、その場合に内側層20Cにフック材31が設けられていると、摘み部30を移動させる際に摘み部30がフック材31に誤って係止されるおそれがある。よって、これを防止するために、図示形態のように、外側層20Dにフック材31を設け、内側層20Cにはフック材31を設けない構造とし、摘み部30を移動させる際に摘み部30及びフック材31の誤係止を防止するのが好ましい。
また、内側層20Cにフック材31を設ける場合には、摘み部30の内側層20C側の面を、メカニカルファスナーのフック材31が係止しないものとすることによっても、摘み部30を移動させる際に摘み部30がフック材31に誤って係止され難くなる。この場合、摘み部30の内側層20C側の面に、フック材31に係止され難いシートを別途貼り付ける他、摘み部30自体をフック材31に係止され難いシートで形成することもできる(図示略)。フック材31に係止され難いシートとしては、平滑な樹脂シート等を用いることができる。
本発明の基本構造では、摘み部30の固定部24f側と反対側にはウエスト縁部弾性部材24の収縮力が作用しないため、図9に示すように、締め付けを緩めるために摘み部30を固定部24f側へ移動すると、その移動距離に応じてウエスト縁部弾性部材24の収縮力が作用しない領域が増加し、フィット性が低下するおそれがある。
そこで、図11に示すように、外装体20の胴回り部を、外側から内側に向かって第1の層50A、第2の層50B、及び第3の層50Cをこの順に有する構成とし、第1の層50A及び第2の層50Bをそれぞれ前述の外側層20D及び内側層20Cとして、ウエスト縁部弾性部材24、固定部24f、摘み部30、移動部24m、引き込みスペース22、及び接合手段31,32からなる第1の締め付け調整手段51を構成するとともに、第3の層50C及び第2の層50Bをそれぞれ外側層20D及び内側層20Cとして、ウエスト縁部弾性部材24、固定部24f、摘み部30、移動部24m、引き込みスペース22、及び接合手段31,32からなる第2の締め付け調整手段52を構成し、第1の締め付け調整手段51における摘み部30と、第2の締め付け調整手段52における摘み部30とが左右対向配置となるように構成することも提案する。
このように、外装体20の層構造を増やし、第1の締め付け調整手段51及び第2の締め付け調整手段52を反対向きに設けると、図12に示すように、第1の締め付け調整手段51のウエスト縁部弾性部材24を緩めたときに第1の締め付け調整手段51のウエスト縁部弾性部材24の収縮力が作用しない領域には、第2の締め付け調整手段52のウエスト縁部弾性部材24の収縮力が作用し、また、第2の締め付け調整手段52のウエスト縁部弾性部材24を緩めたときに第2の締め付け調整手段52のウエスト縁部弾性部材24の収縮力が作用しない領域には、第1の締め付け調整手段51のウエスト縁部弾性部材24の収縮力が作用するようになる。よって、締め付けを緩めても、胴周り部弾性部材の収縮力が作用しない領域が発生せず、フィット性の低下を防止することができる。
図3等に示す形態では、摘み部30は外装体20から分離した独立の部材とされているが、図16に示すように、摘み部30を外装体20の一部として形成し、かつミシン目44により外装体20から分離可能とすることもできる。このような構造は、後述する製造方法の例からも分かるように既存製法の少ない変更により製造が可能であり、また製品状態で摘み部30が外装体20に一体化しているため、製品外観がすっきりとするとともに、締め付け力を調整しないで使用する場合に摘み部30が邪魔になり難い。
(製造方法)
製造方法は特に限定されないが、本発明の使い捨ておむつは、例えば図13〜図15に順に示される方法により製造することができる。すなわち、先ず図13に示すように、製造ラインに連続帯状の外側シート20Bを供給し、折り返し部分となる位置に接合手段31,32としてのフック材31及びループ材32を所定の位置に順に貼り付けるとともに、その前後いずれかにおいて、外側層20Dを捲るためのミシン目41及び切れ目42、並びに摘み部30を形成するためのミシン目44を形成する。次いで、この外側シート20B上の所定部位に、外側層20D及び内側層20Cを貼り合わせて固定部24f、移動部24m、摘み部30及び引き込みスペース22を形成するためのホットメルト接着剤HMを塗布してから、ウエスト縁部弾性部材24を移送方向(MD方向)に沿って直線的に導入し、しかる後に図14に示すように、外側シート20BのCD方向(図中MD方向と直交する方向)両端部をセーラーによりCD方向中央側に折り返して、折り返し部分からなる内側層20Cと、その対向部分である外側層20Dとを接着する。
以降は、基本的に公知の製造方法と同様にして、移送方向に所定の間隔を空けて、レッグ開口部となる脚回りライン29を切除するレッグ開口切除工程、MD方向に所定の間隔を空けて、別途製造した内装体10を貼り付ける内装体10貼り付け工程、及び、CD方向に二つ折りし、MD方向に所定の間隔を空けてサイドシール部21を形成するとともに、個々のおむつに切断するサイドシール・切断工程を経て、パンツタイプ使い捨ておむつを製造する。ただし、サイドシール部21を形成する際、引き込みスペース22に隣接する摘み部30となる部分はシールせずにそのCD方向両側(製品におけるウエスト側及び股間側)のみをシールする。
以上のようにして製造されたパンツタイプ使い捨ておむつでは、図16(a)に示すように、外装体20の一方の側縁部に摘み部30がミシン目44により分離可能に一体化されており、使用に際しては、図16(b)に示すように、ミシン目44を切り離すことでウエスト縁部弾性部材24の端部に連結された摘み部30が形成され、その後は前述の図9に示す形態と同様にして接合手段31,32剥離して摘み部30を移動することにより締め付け力の調整を行うことができる。
なお、図13〜図15に示す製造方法例は、胴周り弾性部材としてウエスト縁部弾性部材24のみ備える形態について説明したが、外側シート20Bの折り返し前に、外側シート20B上にウエスト下側弾性部材25、及び湾曲弾性部材26,28を導入するとともに、その上に内側シート20Aを貼り付けることにより、前述の図3等に示す形態を製造することができる。
(その他)◇
上記実施形態では、ウエスト下側弾性部材25の締め付け力は固定として、ウエスト縁部弾性部材24のみの締め付け力を調整可能にしているが、反対に、ウエスト縁部弾性部材24の締め付け力は固定として、ウエスト下側弾性部材25のみの締め付け力を調整可能にしたり、ウエスト縁部弾性部材24及びウエスト下側弾性部材25の全ての締め付け力を調整可能にしたり、ウエスト縁部弾性部材24の一部のみ、又はウエスト下側弾性部材25の一部のみ締め付け力を調整可能にするといったことも可能である。要するに、本発明は胴回り部弾性部材の少なくとも一部が締め付け力を調整可能であれば良いものである。
また、図3等に示す形態では前身頃Fのみ胴回りの締め付け力を調整可能としたが、これに代えて後身頃Bの胴回りの締め付け力を調整可能としたり、図13〜図16に示す例のように、前身頃F及び後身頃Bの両方における胴回りの締め付け力を調整可能としたりすることができる。
本発明は、上記例のようなパンツタイプ使い捨ておむつにおいて利用できるものである。
B…後身頃、F…前身頃、10…内装体、11…液透過性表面シート、12…液不透過性裏面側シート、13…吸収体、14…包装シート、15…ギャザー不織布、16…ギャザー弾性部材、20…外装体、20C…内側層、20D…外側層、21…サイドシール部、24…ウエスト縁部弾性部材、25…ウエスト下側弾性部材、26,28…湾曲弾性部材、26…背側湾曲弾性部材、28…腹側湾曲弾性部材、29…脚回りライン、13N…括れ部分、24f…固定部、30…摘み部、24m…移動部、22…引き込みスペース、31,32…接合手段、HM…ホットメルト接着剤、31…フック材、32…ループ材、41…ミシン目、42…切れ目、50A…第1の層、50B…第2の層、50C…第3の層、51…第1の締め付け調整手段、52…第2の締め付け調整手段。

Claims (7)

  1. 前身頃及び後身頃を形成する外装体と、この外装体の内面に固定された、吸収体を含む内装体とを備え、
    前記前身頃における外装体の両側部と後身頃における外装体の両側部とがそれぞれ接合され、この接合部分と対応する縦方向範囲が胴周り部とされるとともに、ウエスト開口部及び左右一対の脚開口部が形成され、
    前記外装体の胴周り部は、外側層及び内側層と、これら外側層及び内側層間に胴周り部の幅方向両端部にわたり配置された胴周り部弾性部材とを有している、パンツタイプ使い捨ておむつにおいて、
    前記胴回り部弾性部材の少なくとも一部は、幅方向一端部が前記外装体に固定された固定部とされるとともに、幅方向他端部に摘み部が設けられ、かつ前記固定部と前記摘み部との間の部分が前記外側層及び内側層に固定されずに幅方向に移動可能な移動部とされており、
    前記外装体のうち、前記胴回り部弾性部材の移動部の少なくとも前記摘み部側の一部と重なる領域では、前記外側層及び内側層間に、前記摘み部が幅方向に移動可能な引き込みスペースが形成されるとともに、
    前記引き込みスペースにおける前記外側層及び内側層間を着脱自在に接合する接合手段が設けられている、
    ことを特徴とするパンツタイプ使い捨ておむつ。
  2. 前記胴回り部弾性部材は細長状の弾性部材からなり、かつ縦方向に間隔を空けて複数本設けられており、
    前記摘み部は、前記移動部を有する胴回り部弾性部材の一本若しくは複数本に対して個別に設けられているか、又は前記移動部を有する胴回り部弾性部材の一本若しくは複数本毎にミシン目により分割可能とされている、請求項1記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
  3. 前記接合手段を有する部分は、前記外側層が前記内側層から剥離可能であり、かつ前記接合手段としてメカニカルファスナーのフック材が前記内側層に設けられており、前記摘み部の前記内側層側の面は前記メカニカルファスナーのフック材が係止しないように構成されている、請求項1又は2記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
  4. 前記接合手段を有する部分は、前記外側層が前記内側層から剥離可能であり、かつ前記接合手段としてメカニカルファスナーのフック材が前記外側層に設けられており、前記内側層に前記メカニカルファスナーのフック材が設けられていない、請求項1又は2記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
  5. 前記外装体の胴周り部は、外側から内側に向かって第1の層、第2の層、及び第3の層をこの順に有しており、
    前記第1の層及び第2の層をそれぞれ前記外側層及び内側層として、前記胴回り部弾性部材、固定部、摘み部、移動部、引き込みスペース、及び接合手段からなる第1の締め付け調整手段を構成するとともに、
    前記第3の層及び第2の層をそれぞれ前記外側層及び内側層として、前記胴回り部弾性部材、固定部、摘み部、移動部、引き込みスペース、及び接合手段からなる第2の締め付け調整手段を構成し、
    前記第1の締め付け調整手段における前記摘み部と、前記第2の締め付け調整手段における摘み部とが左右対向配置となるように構成した、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
  6. 前記摘み部は前記外装体の一部として形成され、かつミシン目により前記外装体から分離可能とされている、請求項1〜5のいずれか1項に記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
  7. 前記接合手段がメカニカルファスナーのフック材であり、前記接合手段が幅方向に間隔を空けて複数設けられている、請求項1〜6のいずれか1項に記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
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