JP2011072429A - パンツタイプ使い捨ておむつ - Google Patents

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Abstract

【課題】予め緩いウエストサイズのものを選択せずとも、パンツタイプのままでウエストサイズを容易に拡大できるパンツタイプ使い捨ておむつを提供する。
【解決手段】ウエスト開口部WOと脚開口部LOの上端との間に位置する胴周り部Tのうち、両側部に、胴周り方向の一部の範囲として定まるマチ部29がそれぞれ設けられるとともに、両端部がマチ部の胴周り方向一方側及び他方側にそれぞれ固定された固定部21とされるとともに、マチ部29には固定されていない連結部材20が、各マチ部29に対してそれぞれ設けられ、各連結部材20に、上端から下端に至るミシン目23が設けられている。
【選択図】図11

Description

本発明は、パンツタイプ使い捨ておむつに関するものである。
パンツタイプ使い捨ておむつは、前身頃の両側部と後身頃の両側部とが予め接合され、ウエスト開口部及び左右一対の脚開口部が形成されている製品であり、着用の際には下着のパンツと同様、装着者の両脚をウエスト開口部を介して脚開口部にそれぞれ通した後、ウエストまで引き上げる、というものである。
パンツタイプ使い捨ておむつには、フィット性を向上させるために、例えば、脚周り部や胴周り部に糸ゴム等の弾性伸縮部材を設けることが一般的となっている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。これらの解決策は、胴周りのフィット性を顕著に改善するものであるが、弾性伸縮部材の伸縮性を超えるようなサイズ調節には対応できるものではない。もちろん、おむつ自体のサイズ変更(MサイズからLサイズ等)で対応することも考えられるが、例えば股上はそのままで胴周り寸法のみを変更したい場合には対応できない。また、おむつ自体のサイズ変更で対応できる場合であっても、既に購入した分についてはきついままで使用するか、又は使用せずに保管や譲渡、廃棄することになる。
このようなパンツタイプ使い捨ておむつの問題点を解決するものとして、一端部が胴周り部外面の側部に固定され他端部が胴周り部外面の背側に止着可能とされた止着テープを有するパンツタイプ使い捨ておむつが提案されている(例えば、特許文献3参照)。このパンツタイプ使い捨ておむつは、止着テープの止着位置を変えることによって胴周り寸法をきつくしたり、緩めたりすることができる(以下、ウエストサイズ調節ともいう)。
また、パンツタイプ使い捨ておむつの前身頃と後身頃とを分離してテープタイプのように使用できるものも提案されている(例えば、特許文献5参照)。
特開2001−204762号公報 特表2003−528649号公報 特許第3749255号公報 特開2007−260145号公報 特開2006−68211号公報
しかしながら、止着テープを設ける従来例では、胴周り寸法をきつくすることはできるが、大き目のサイズのおむつを使用して通常時に締め付けをきつくしておかなければ、身体の成長や満腹時等によりおむつがきつくなった場合に緩くすることはできなかった。これでは通常時のフィット性も低下してしまうため好ましくない。また、テープタイプとしても使用できる従来例は、パンツタイプで無くなることから、パンツタイプの利点である装着容易性や、胴周りのフィット性を損ねるという問題点がある。
そこで、本発明の主たる課題は 予め緩いウエストサイズのものを選択せずとも、パンツタイプのままでウエストサイズを容易に拡大できるパンツタイプ使い捨ておむつを提供することにある。
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
前身頃の両側部と後身頃の両側部とが接合され、ウエスト開口部及び左右一対の脚開口部が形成されているパンツタイプ使い捨ておむつにおいて、
前記ウエスト開口部と前記脚開口部の上端との間に位置する胴周り部のうち、少なくとも一か所に、胴周り方向の一部の範囲として設けられたマチ部と、
このマチ部の胴周り方向長さを自然長よりも短い状態で固定するマチ固定手段とを有し、
このマチ固定手段は、前記マチ部の胴周り方向長さの固定を解放可能である、
ことを特徴とする、パンツタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
本発明では、マチ固定手段によりマチ部の胴周り方向長さが自然長よりも短い状態で固定されているときにはマチ部が余った状態にあるが、この状態からマチ固定手段による固定を解放すると、マチ部が広がり、その分だけウエストサイズが拡大する。つまり、普段はマチ固定手段を解放せずに使用し、身体の成長や満腹時等によりおむつがきつくなった場合には、マチ固定手段を解放することによりマチ部が広がり、ウエストサイズを拡張することができる。よって、パンツタイプとしての利点、特にフィット性を損ねずに2種類のウエストサイズに対応できるようになる。なお、用語「自然長」とは、張力を加えずに広げた状態の長さを意味する。
<請求項2記載の発明>
前記マチ固定手段は、両端部が前記マチ部の胴周り方向一方側及び他方側にそれぞれ固定された固定部とされるとともに、前記マチ部には固定されていない連結部材であり、
この連結部材における前記固定部間の胴周り方向の自然長が、前記マチ部の胴周り方向の自然長よりも短い、
ことを特徴とするパンツタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
このように、連結部材の固定部間の胴周り方向の自然長が、マチ部の胴周り方向の自然長よりも短いと、ウエストサイズは連結部材の胴周り方向長さと、連結部材の両端部を繋ぐおむつ胴周り部分の胴周り方向長さとの和となり、マチ部は余った状態となる。この状態から連結部材を取り去る又は切断すると、マチ部が広がることにより、ウエストサイズは拡大し、マチ部の胴周り方向長さと、それ以外のおむつ胴周り部分の胴周り方向長さとの和となる。よって、前述したようなウエストサイズの拡大が可能となる。
<請求項3記載の発明>
前記前身頃から後身頃にかけて幅方向中央部に吸収体が配置されており、この吸収体を有する部分の両側の吸収体非存在部分に、前記マチ部がそれぞれ設けられている、請求項2記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
吸収体存在部分にマチ部を設けると、吸収体の幅も余ることになり、フィット性が低下する。また、一か所にマチ部を設けると、サイズ調節の幅を広くするのが困難であるとともに、装着バランスが崩れるおそれがある。よって、上述のように、吸収体を有する部分の両側の吸収体非存在部分に、マチ部をそれぞれ設けるのが好ましい。
<請求項4記載の発明>
前記連結部材はおむつ外面に取り付けられている、請求項3記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
連結部材はおむつ内面に設けることもできるが、おむつ外面に設けると、連結部材を容易に取り去る又は切断することができるため好ましい。
<請求項5記載の発明>
前記連結部材の固定部は前記吸収体の側縁から離間しており、少なくともこの離間部分に、胴周り方向に沿って伸長した状態で固定された弾性伸縮部材を有している、請求項4記載の使い捨ておむつ。
(作用効果)
マチ部に弾性伸縮部材を設けた場合、その弾性伸縮部材は連結部材を取り去る又は切断する前にはフィット性向上機能を発揮しない。これに対して連結部材の固定部と吸収体の側縁との間の離間部分を設け、この離間部分にフィット性向上のための弾性伸縮部材を有すると、連結部材を取り去る又は切断する前においても、また後においても、この弾性伸縮部材により胴周りが弾性的にフィットするようになるため好ましい。
<請求項6記載の発明>
前記連結部材は両端部の前記固定部が近接しており、これら固定部間に、上端から下端に至るミシン目が設けられている、請求項1〜5のいずれか1項に記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
このようなミシン目を設けることにより、必要時に連結部材を容易に切断し、ウエストサイズを拡大することができる。また、連結部材における両端部の固定部が近接しているため、その間のミシン目で切り離した後に残存部分が少なく、殆ど固定部のみとなる。よって、連結部材のうち切断後に残存する部分が邪魔になることがないという利点がある。
以上のとおり、本発明によれば、予め緩いウエストサイズのものを選択せずとも、パンツタイプのままでウエストサイズを容易に拡大できるようになる、等の利点がもたらされる。
パンツタイプ使い捨ておむつの本体内面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの本体外面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 図1の3−3断面図である。 図1の4−4断面図である。 図1の5−5断面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの要部のみを示す、おむつを展開した状態における平面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの要部のみを示す、断面図である。 連結部材の(a)正面図、(b)断面図、(c)他のミシン目の例を示す正面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの正面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの背面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの斜視図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの斜視図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの正面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの背面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの斜視図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの斜視図である。 他のマチ固定形態を示す要部拡大平面図である。 他のマチ固定形態を示す要部拡大平面図である。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しつつ詳説する。
図1〜図12は、パンツタイプ使い捨ておむつの一例100を示している。このパンツタイプ使い捨ておむつ100は、製品外面(裏面)をなす外装シート12と、外装シートの内面に貼り付けられた内装体200と、これらおむつ本体における外装シート12の外面に設けられたマチ固定手段としての連結部材20とから構成されているものである。内装体200は、尿等の排泄物等を吸収保持する部分であり、外装シート12は着用者に装着するための部分である。なお、断面図における点模様部分は各構成部材を接合する接合部分を示しており、ホットメルト接着剤などのベタ、ビード、カーテン、サミットまたはスパイラル塗布などにより形成されるものである。なお、「前後方向」とは腹側(前側)と背側(後側)を結ぶ方向を意味し、「幅方向」とは前後方向と直交する方向(左右方向)を意味し、「上下方向」とはおむつ100の装着状態、すなわちおむつ100の前身頃両側部と後身頃量側部を重ね合わせるようにおむつ100を股間部で2つに折った際に胴回り方向と直交する方向、換言すればウエスト開口部WO側と股間部側とを結ぶ方向を意味する。
(内装体)
内装体200は任意の形状を採ることができるが、図示の形態では長方形である。内装体200は、図3〜図5に示されるように、身体側となる表面シート30と、不透液性バックシート11と、これらの間に介在された吸収要素50とを備えているものであり、吸収機能を担う本体部である。符号40は、表面シート30を透過した液を速やかに吸収要素50へ移行させるために、表面シート30と吸収要素50との間に設けられた中間シート(セカンドシート)を示しており、符号60は、内装体200の両脇に排泄物が漏れるのを防止するために、内装体200の両側に設けられた、身体側に起立するバリヤーカフス60を示している。
(表面シート)
表面シート30は、液を透過する性質を有するものであり、例えば、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシートなどを例示することができる。また、このうち不織布は、その原料繊維が何であるかは、特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。例えば、柔軟性、ドレープ性を求めるのであれば、スパンボンド法、スパンレース法が、嵩高性、ソフト性を求めるのであれば、エアスルー法、ポイントボンド法、サーマルボンド法が、好ましい加工方法となる。
また、表面シート30は、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートを貼り合せて得た積層シートからなるものであってもよい。同様に、表面シート30は、平面方向に関して、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートからなるものであってもよい。
バリヤーカフス60を設ける場合、表面シート30の両側部は、不透液性バックシート11とバリヤーカフス60との間を通して、吸収要素50の裏側まで回りこませ、液の浸透を防止するために、不透液性バックシート11及びバリヤーカフス60に対してホットメルト接着剤等により接着するのが好ましい。
(中間シート)
表面シート30を透過した液を速やかに吸収体へ移行させるために、表面シート30より液の透過速度が速い、中間シート(「セカンドシート」とも呼ばれている)40を設けることができる。この中間シート40は、液を速やかに吸収体へ移行させて吸収体による吸収性能を高めるばかりでなく、吸収した液の吸収体からの「逆戻り」現象を防止し、表面シート30上を常に乾燥した状態とすることができる。中間シート40は省略することもできる。
中間シート40としては、表面シート30と同様の素材や、スパンレース、スパンボンド、SMS、パルプ不織布、パルプとレーヨンとの混合シート、ポイントボンド又はクレープ紙を例示できる。特にエアスルー不織布が嵩高であるため好ましい。エアスルー不織布には芯鞘構造の複合繊維を用いるのが好ましく、この場合芯に用いる樹脂はポリプロピレン(PP)でも良いが剛性の高いポリエステル(PET)が好ましい。目付けは20〜80g/m2が好ましく、25〜60g/m2がより好ましい。不織布の原料繊維の太さは2.2〜10dtexであるのが好ましい。不織布を嵩高にするために、原料繊維の全部又は一部の混合繊維として、芯が中央にない偏芯の繊維や中空の繊維、偏芯且つ中空の繊維を用いるのも好ましい。
図示の形態の中間シート40は、吸収体56の幅より短く中央に配置されているが、全幅にわたって設けてもよい。中間シート40の長手方向長さは、吸収体56の長さと同一でもよいし、液を受け入れる領域を中心にした短い長さ範囲内であってもよい。
(不透液性バックシート)
不透液性バックシート11の素材は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂等からなるプラスチックフィルムや、不織布の表面にプラスチックフィルムを設けたラミネート不織布、プラスチックフィルムに不織布等を重ねて接合した積層シートなどを例示することができる。不透液性バックシート11には、近年、ムレ防止の観点から好まれて使用されている不透液性かつ透湿性を有する素材を用いることが好ましい。透湿性を有するプラスチックフィルムとしては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性プラスチックフィルムが広く用いられている。このほかにも、マイクロデニール繊維を用いた不織布、熱や圧力をかけることで繊維の空隙を小さくすることによる防漏性強化、高吸水性樹脂または疎水性樹脂や撥水剤の塗工といった方法により、プラスチックフィルムを用いずに液不透過性としたシートも、不透液性バックシート11として用いることができる。
不透液性バックシート11は、防漏性を高めるために、吸収要素50の両側を回りこませて吸収要素50の表面シート30側面の両側部まで延在させるのが好ましい。この延在部の幅は、左右それぞれ5〜20mm程度が適当である。
また、不透液性バックシート11の内側、特に吸収体56側面に、液分の吸収により色が変化する排泄インジケータ80を設けることができる。
(バリヤーカフス)
バリヤーカフス60は、内装体200の両側部に沿って前後方向全体にわたり延在する帯状部材であり、表面シート30上を伝わって横方向に移動する尿や軟便を遮断し、横漏れを防止するために設けられているものである。本実施の形態のバリヤーカフス60は、内装体200の側部から起立するように設けられ、付け根側の部分は幅方向中央側に向かって斜めに起立し、中間部より先端側の部分は幅方向外側に向かって斜めに起立するものである。
より詳細には、バリヤーカフス60は、内装体200の前後方向長さに等しい長さを有する帯状のバリヤーシート62を幅方向に折り返して二つに折り重ねるとともに、折り返し部分及びその近傍のシート間に、細長状弾性伸縮部材63を長手方向に沿って伸張状態で、幅方向に間隔をあけて複数本固定してなるものである。バリヤーカフス60のうち幅方向において折り返し部分と反対側の端部は内装体200の側縁部の裏面に固定された取付部分65とされ、この取付部分65以外の部分は取付部分65から突出する突出部分66(折り返し部分側の部分)とされている。また、突出部分66のうち前後方向両端部は、取付部分65から内装体200の側部を通り表面シート30の側部表面まで延在し且つこの表面シート30の側部表面に対してホットメルト接着剤やヒートシールによる前後固定部67固定された付け根側部分と、この付け根側部分の先端から幅方向外側に折り返され且つ付け根側部分に固定された先端側部分とからなる。突出部分のうち前後方向中間部は非固定の自由部分(内側自由部分)とされ、この自由部分に前後方向に沿う細長状弾性部材63が伸張状態で固定されている。
バリヤーシート62としてはスパンボンド不織布(SS、SSS等)やSMS不織布(SMS、SSMMS等)、メルトブロー不織布等の柔軟で均一性・隠蔽性に優れた不織布に、必要に応じてシリコンなどにより撥水処理を施したものを好適に用いることができ、繊維目付けは10〜30g/m2程度とするのが好ましい。細長状弾性伸縮部材63としては糸ゴム等を用いることができる。スパンデックス糸ゴムを用いる場合は、太さは470〜1240dtexが好ましく、620〜940dtexがより好ましい。固定時の伸長率は、150〜350%が好ましく、200〜300%がより好ましい。また、図示のように、二つに折り重ねたバリヤーシートの間に防水フィルムを介在させることもできる。
バリヤーカフス60の自由部分に設けられる細長状弾性伸縮部材63の本数は2〜6本が好ましく、3〜5本がより好ましい。配置間隔60dは3〜10mmが適当である。このように構成すると、細長状弾性伸縮部材63を配置した範囲で肌に対して面で当たりやすくなる。先端側だけでなく付け根側にも細長状弾性伸縮部材63を配置しても良い。
バリヤーカフス60の取付部分65の固定対象は、内装体200における表面シート30、不透液性バックシート11、吸収要素50等適宜の部材とすることができる。
かくして構成されたバリヤーカフス60では、細長状弾性伸縮部材63の収縮力が前後方向両端部を近づけるように作用するが、突出部分66のうち前後方向両端部が起立しないように固定されるのに対して、それらの間は非固定の自由部分とされているため、自由部分のみが図3に示すように身体側に当接するように起立する。特に、取付部分65が内装体200の裏面側に位置していると、股間部及びその近傍においてバリヤーカフス60が幅方向外側に開くように起立するため、バリヤーカフス60が脚周りに面で当接するようになり、フィット性が向上するようになる。
バリヤーカフス60の寸法は適宜定めることができるが、乳幼児用紙おむつの場合は、例えば図7に示すように、バリヤーカフス60の起立高さ(展開状態における突出部分66の幅方向長さ)W6は15〜60mm、特に20〜40mmであるのが好ましい。また、バリヤーカフス60をトップシート30表面と平行になるように、平坦に折り畳んだ状態において最も内側に位置する折り目間の離間距離W3は60〜190mm、特に70〜140mmであるのが好ましい。
なお、図示形態と異なり、内装体200の左右各側においてバリヤーカフスを二重に(二列)設けることもできる。
(吸収要素)
吸収要素50は、吸収体56と、この吸収体56の全体を包む包装シート58とを有する。包装シート58は省略することもできる。
(吸収体)
吸収体56は、繊維の集合体により形成することができる。この繊維集合体としては、綿状パルプや合成繊維等の短繊維を積繊したものの他、セルロースアセテート等の合成繊維のトウ(繊維束)を必要に応じて開繊して得られるフィラメント集合体も使用できる。繊維目付けとしては、綿状パルプや短繊維を積繊する場合は、例えば100〜300g/m2程度とすることができ、フィラメント集合体の場合は、例えば30〜120g/m2程度とすることができる。合成繊維の場合の繊度は、例えば、1〜16dtex、好ましくは1〜10dtex、さらに好ましくは1〜5dtexである。フィラメント集合体の場合、フィラメントは、非捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維であるのが好ましい。捲縮繊維の捲縮度は、例えば、1インチ当たり5〜75個、好ましくは10〜50個、さらに好ましくは15〜50個程度とすることができる。また、均一に捲縮した捲縮繊維を用いる場合が多い。吸収体56中には高吸収性ポリマー粒子を分散保持させるのが好ましい。
吸収体56は長方形形状でも良いが、図6にも示すように、前端部、後端部及びこれらの間に位置し、前端部及び後端部と比べて幅が狭い括れ部とを有する砂時計形状を成していると、吸収体56自体とバリヤーカフス60の、脚回りへのフィット性が向上するため好ましい。
また、吸収体の寸法は適宜定めることができるが、前後方向及び幅方向において、内装体の周縁部又はその近傍まで延在しているのが好ましい。
(高吸収性ポリマー粒子)
吸収体56には、その一部又は全部に高吸収性ポリマー粒子を含有させることができる。高吸収性ポリマー粒子とは、「粒子」以外に「粉体」も含む。高吸収性ポリマー粒子の粒径は、この種の吸収性物品に使用されるものをそのまま使用でき、1000μm以下、特に150〜400μmのものが望ましい。高吸収性ポリマー粒子の材料としては、特に限定無く用いることができるが、吸水量が40g/g以上のものが好適である。高吸収性ポリマー粒子としては、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体などのものを用いることができる。高吸収性ポリマー粒子の形状としては、通常用いられる粉粒体状のものが好適であるが、他の形状のものも用いることができる。
高吸収性ポリマー粒子としては、吸水速度が40秒以下のものが好適に用いられる。吸水速度が40秒を超えると、吸収体56内に供給された液が吸収体56外に戻り出てしまう所謂逆戻りを発生し易くなる。
また、高吸収性ポリマー粒子としては、ゲル強度が1000Pa以上のものが好適に用いられる。これにより、嵩高な吸収体56とした場合であっても、液吸収後のべとつき感を効果的に抑制できる。
高吸収性ポリマー粒子の目付け量は、当該吸収体56の用途で要求される吸収量に応じて適宜定めることができる。したがって一概には言えないが、50〜350g/m2とすることができる。ポリマーの目付け量が50g/m2未満では、吸収量を確保し難くなる。350g/m2を超えると、効果が飽和する。
必要であれば、高吸収性ポリマー粒子は、吸収体56の平面方向で散布密度あるいは散布量を調整できる。たとえば、液の排泄部位を他の部位より散布量を多くすることができる。男女差を考慮する場合、男用は前側の散布密度(量)を高め、女用は中央部の散布密度(量)を高めることができる。また、吸収体56の平面方向において局所的(例えばスポット状)にポリマーが存在しない部分を設けることもできる。
(包装シート)
包装シート58を用いる場合、その素材としては、ティッシュペーパ、特にクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等を用いることができる。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないシートであるのが望ましい。クレープ紙に換えて不織布を使用する場合、親水性のSMS不織布(SMS、SSMMS等)が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレン複合材などを使用できる。目付けは、5〜40g/m2、特に10〜30g/m2のものが望ましい。
包装シート58の包装形態は適宜定めることができるが、製造容易性や前後端縁からの高吸収性ポリマー粒子の漏れ防止等の観点から、吸収体56の表裏面及び両側面を取り囲むように筒状に巻き付け、且つその前後縁部を吸収体56の前後から食み出させ、この食み出し部分を表裏方向に潰してホットメルト接着剤等の接合手段により接合する形態が好ましい。
(外装シート)
外装シート12は、股間部から腹側に延在する前身頃Fと、股間部から背側に延在する後身頃Bとを有し、これら前身頃Fの両側部と後身頃Bの両側部とが接合されて、図8に示すように、装着者の胴を通すための胴開口部WO及び脚を通すための左右一対の脚開口部LOが形成されているものである。符号12Aは接合部分を示している(以下、この部分をサイドシール部ともいう)。なお、股間部とは、展開状態における前身頃のウエスト端縁から後身頃のウエスト端縁までの前後方向中央を意味し、それよりも前側の部分及び後側の部分が前身頃F及び後身頃Bをそれぞれ意味する。
外装シート12は、胴開口部WOから脚開口部LOの上端に至る前後(縦)方向範囲として定まる胴周り部Tと、脚開口部LOを形成する部分の前後方向範囲として定まる中間部Lとを有する。胴周り部Tは、概念的に「ウエスト側端部」Wと「胴周り下部」Uとに分けることができる。これらの前後方向の長さは、製品のサイズによって異なり、適宜定めることができるが、一例を挙げると、ウエスト側端部Wは15〜40mm、胴周り下部Uは65〜120mmとすることができる。一方、中間部Lの両側縁は被着者の脚周りに沿うように括れており、ここが着用者の脚を入れる部位となる。この結果、外装シート12は、全体としては略砂時計形状をなしている。外装シート12の括れの程度は適宜定めることができ、図1〜図8に示す形態のように、すっきりとした外観とするために最も幅が狭い部分では内装体200の幅より狭くすることが好ましいが、最も幅が狭い部分でも内装体200の幅以上となるように定めてもよい。
外装シート12は、図3〜図5に示されるように、二枚のシート基材12S,12Hをホットメルト接着剤等の接着剤により張り合わせて形成されるものであり、内側に位置する内側シート基材12Hはウエスト開口部WOの縁までしか延在していないが、外側シート基材12Sは内側シート基材12Hのウエスト側の縁を回り込んでその内側に折り返されており、この折り返し部分12rは内装体200のウエスト側端部上までを被覆するように延在されている。
シート基材12S,12Hとしては、シート基材であれば特に限定無く使用できるが、不織布であるのが好ましい。不織布は、その原料繊維が何であるかは特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。不織布を用いる場合、その坪量は10〜30g/m2程度とするのが好ましい。
また、外装シート12を通して後述する印刷シート25のデザインを製品外面から良好に視認できるように、外装シート12の総目付けは20〜60g/m2程度であるのが好ましく、外装シート12のJIS K 7105に規定される全光線透過率が40%以上、特に50%以上となっているのが好ましい。
そして、外装シート12には、胴回りに対するフィット性を高めるために、両シート基材12S,12H間に糸ゴム等の細長状弾性伸縮部材14〜19が所定の伸張率で設けられている。細長状弾性伸縮部材14〜19としては、合成ゴムを用いても、天然ゴムを用いても良い。外装シート12の両シート基材12S,12Hの貼り合せや、その間に挟まれる細長状弾性伸縮部材14〜19の固定には種々の塗布方法によるホットメルト接着またはヒートシールや超音波接着を用いることができる。外装シート12全面を強固に固定するとシートの風合いを損ねるため好ましくない。これらを組合せ、細長状弾性伸縮部材14〜19の接着は強固にし、それ以外の部分は接着しないか弱く接着するのが好ましい。
より詳細には、後身頃B及び前身頃Fのウエスト端部(上端部)Wにおける内側シート基材12Hの内側面と外側シート基材12Sの折り返し部分12rの外側面との間には、幅方向全体にわたり連続するように、複数のウエスト部弾性伸縮部材17,18が上下方向に間隔を空けて、かつ所定の伸張率で幅方向に沿って伸張された状態で固定されている。また、ウエスト部弾性伸縮部材17,18のうち、胴周り下部Uに隣接する領域に配設される1本または複数本については、内装体200と重なっていてもよいし、内装体200と重なる幅方向中央部を除いてその幅方向両側にそれぞれ設けてもよい。このウエスト弾性伸縮部材17,18としては、太さ155〜1880dtex、特に470〜1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05〜1.5mm2、特に0.1〜1.0mm2程度)の糸ゴムを、4〜12mmの間隔で3〜22本程度、それぞれ伸張率150〜400%、特に220〜320%程度で固定するのが好ましい。また、ウエスト部弾性伸縮部材17,18は、その全てが同じ太さと伸張率にする必要はなく、例えばウエスト側端部Wの上部と下部で弾性伸縮部材の太さと伸張率が異なるようにしてもよい。
また、前身頃F及び後身頃Bの胴周り下部Uにおける内側シート基材12Hの外側面と外側シート基材12Sの内側面との間には、内装体200と重なる幅方向中央部を除いて、その上側および幅方向両側の各部位に、幅方向全体にわたり連続するように、複数の細長状弾性伸縮部材15,19が上下方向に間隔を空けて、かつ所定の伸張率で幅方向に沿って伸張された状態で固定されている。
胴回り下部Uの細長状弾性伸縮部材15,19としては、太さ155〜1880dtex、特に470〜1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05〜1.5mm2、特に0.1〜1.0mm2程度)の糸ゴムを、1〜15mm、特に3〜8mmの間隔で5〜30本程度、それぞれ伸張率200〜350%、特に240〜300%程度で固定するのが好ましい。
また、前身頃F及び後身頃Bの中間部Lにおける内側シート基材12Hの外側面と外側シート基材12Sの内側面との間には、内装体200と重なる幅方向中央部を除いて、その幅方向両側の各部位に、幅方向全体にわたり連続するように、複数の細長状弾性伸縮部材14,16が上下方向に間隔を空けて、かつ所定の伸張率で幅方向に沿って伸張された状態で固定されている。
中間部Lの細長状弾性伸縮部材14,16としては、太さ155〜1880dtex、特に470〜1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05〜1.5mm2、特に0.1〜1.0mm2程度)の糸ゴムを、5〜40mm、特に5〜20mmの間隔で2〜10本程度、それぞれ伸張率150〜300%、特に180〜260%で固定するのが好ましい。
なお、図示のように、胴回り下部U及び中間部Lの細長状弾性伸縮部材14〜16、18,19が、内装体200と重なる幅方向中央部を除いてその幅方向両側にそれぞれ設けられていると、内装体200が幅方向に必要以上に収縮することがなく、モコモコと見た目が悪かったり吸収性が低下したりすることがないため好ましい。この形態には、幅方向両側にのみ弾性伸縮部材が存在する形態の他、内装体200を横切ってその幅方向一方側から他方側まで弾性伸縮部材が存在しているが、内装体200と重なる幅方向中央部では弾性伸縮部材が切断され、伸縮力が作用しない(実質的には、弾性伸縮部材を設けないことに等しい)ように構成されている形態も含まれる。もちろん細長状弾性伸縮部材15,19,16,18の配設形態は上記例に限るものではなく、胴回り下部U及び中間部Lの幅方向全体にわたり伸縮力が作用するように、胴回り下部U及び中間部Lの細長状弾性伸縮部材14〜16、18,19の一部または全部を、内装体200を横切ってその幅方向一方側から他方側まで設けることもできる。
また、細長状弾性伸縮部材14〜19が後述する印刷シート25を横切る場合において、細長状弾性伸縮部材14〜19として酸化チタンを含有するゴムを用いる場合には、酸化チタンの含有量が低い(例えば2%以下の)ものあるいは酸化チタンを含有しないものを用いるのが好ましい。
(後処理テープ)
外装シート12の後身頃Bの外面における幅方向中央部には、後処理テープ70(固定手段)が設けることができる。後処理テープ70は、おむつ100を表面シート30が内側に且つ前身頃Fが内側となるように丸め若しくは折り畳んだ状態で固定するためのものである。一般的な後処理テープ70は、図5に示すように、基端部71が外装シート12の外面に接着剤等により固定されるとともに、この基端部71よりも先端側の部分は三つ折り(断面Z字状)や二つ折りで折り畳まれて、折り重なり部分間が仮止め接着剤72により剥離可能に固定(仮固定)されている。また、先端部に白色等の不透明色に着色された摘み部73を有するとともに、この摘み部73を除く部分が透明または半透明であり、この後処理テープ70における透明または半透明の部分を通して、後処理テープ70の外面側から後述するデザインが視認可能になっている。具体的な構造は適宜構成することができるが、図示形態では、全体を透明又は半透明の複数の基材を長手方向に連結して形成するとともに、摘み部73に着色テープ74を張り合わせた構造を採用している。
廃棄時には、おむつ100を表面シート30が内側になるとともに前身頃Fが内側となるように丸め若しくは折り畳んだ後、後処理テープ70の折り重なり部分を剥離して展ばし、丸めた若しくは折り畳んだおむつ100の後身頃Bからウエスト開口部WOを越えて反対側の外面まで巻き付けるようにして接着剤により固定する。後処理テープ70は、不使用時にはコンパクトに折り畳まれ、使用時には長尺状に展開できる三つ折り形状のものが特に好適である。
後処理テープ70等の固定手段は、前身頃Fに設けてもよく、後身頃Bと前身頃Fの両方に設けてもよい。
(印刷シート)
不透液性バックシート11と外装シート12との間(外装シート12の層間を含む)には、印刷によりデザインの施された印刷シート25が設けられている。外装シート12を省略し、印刷シート25が外面に露出する形態とすることもできる。また、図示例の印刷シート25は、それが配置される身頃よりも小さい面積を有しており、前身頃F及び後身頃Bに個別に設けられているが、前身頃Fから股間部を通り後身頃Bまで一体的に連続するように設けることもできる。
印刷シート25の寸法・形状は特に限定されないが、機能を十分なものとするためには十分に面積を大きくするのが好ましく、例えば、印刷シート25の幅は吸収体56の幅の50〜120%程度であるのが好ましく、印刷シート25の長さは少なくとも腹側及び背側の片側で物品全長Yの15〜30%程度であるのが好ましい。また、印刷シート25の形状はトリムロスが発生しない点では図示例のような矩形であるのが好ましいが、円形や楕円形、三角形、六角形等の幾何学形状、若しくはデザインの周囲に沿う形状にカットしても良い。
印刷シート25のシート基材としては、プラスチックフィルムや不織布、紙などを用いることができるが、嵩高く通気性の高い素材が好ましい。プラスチックフィルムを用いる場合は、ムレ防止のため透湿性を有することが望ましい。不織布や紙は透湿性を有するため好ましく、デザイン印刷を施す場合、不織布にあっては平滑性が高く印刷しやすいもの、紙にあっては強度が高くインクの滲み難いものを用いるのが好ましい。特に好ましいものとしては、目付け15〜35g/m2程度、厚み0.1〜0.3mm程度のクレープ紙(薄葉紙)や、目付け10〜25g/m2程度、厚み0.1〜0.3mm程度の不織布(特にスパンボンド部の繊度が1.0〜3.0dtex程度のスパンボンド不織布やSMS不織布)を挙げることができる。クレープ紙を用いる場合は、クレープ率は5〜20%程度、特に5〜15%程度のものを用いるのが好ましい。クレープ率が20%以上であると、インクの定着量は大きくなるが滲みが生じてデザイン印刷には適さない。クレープ率が5%以下であるとインクが浸透しにくいため定着量が少ない。
(外装シート分割構造)
上述の例では、前身頃Fから後身頃Bまでを一体的な外装シート12により連続的に覆っているが、外装シートが、装着者の胴回りのうち腹側を覆う腹側外装シートと背側を覆う背側外装シートとに分割されており、腹側外装シートの幅方向中央部内面に内装体の前端部がホットメルト接着剤等により連結されるとともに、背側外装シートの幅方向中央部内面に内装体の後端部がホットメルト接着剤等により連結されており、腹側外装シートと背側外装シートとが股間側で連続しておらず、離間されている形態も採用することができる。この離間距離は150〜250mm程度とすることができる。この場合、内装体における不透液性バックシートの裏面には、内装体の裏面全体を覆うように、あるいは腹側外装シートと背側外装シートとの間に露出する部分全体を覆うように、股間部外装シートを固定することもできる。股間部外装シートとしては、前述した外装シートに用いられるものと同様の資材を用いることができる。股間部外装シートも本発明の外装シートに相当する。
(マチ部、マチ固定手段等)
外装シート12における胴周り部T(ウエスト開口部WOと脚開口部LOの上端との間の領域)のうち、両側部に、胴周り方向の一部の範囲として定まるマチ部29がそれぞれ設けられるとともに、各マチ部29の胴周り方向長さを自然長よりも短い状態で固定するマチ固定手段として、両端部がマチ部29の胴周り方向一方側及び他方側にそれぞれ固定された固定部21,21とされるとともに、マチ部29には固定されていない連結部材20がそれぞれ設けられている。連結部材20の固定部21は、ホットメルト接着剤等の接着剤の他、ヒートシールや超音波シール等の溶着により形成することができる。
連結部材20としては、紐状であっても良いがシート状であるのが好ましく、シート状とする場合は外装シート12と同様の不織布等の素材を用いることができる。連結部材20は、弾性伸縮しないものであっても、また図8(a)(b)に示すようにシート基材20sに細長状弾性伸縮部22材を伸長状態で固定することにより胴周り方向に弾性伸縮するように構成したものであっても良い。
連結部材20には、胴周り方向中間での切断を容易にするために、上端から下端に至るミシン目23が設けられている。このミシン目23は、連結部材20の両固定部21間距離が長い場合には、図8(a)に示すように、連結部材20の胴周り方向両端部の近傍にそれぞれ設けると、これら両方を切り離すことにより、連結部材20における固定部21を除くほぼ全体を除去でき、連結部材20のうち切断後に残存する部分が邪魔になることがない点で好ましい。一方、連結部材20の両固定部21間距離が短く、特に図示のように近接している場合には、図8(c)に示すように連結部材20の胴周り方向中間の一か所にのみ設けるだけでも、切断後に残存する部分は殆ど無くなり、邪魔になることはない。また、ミシン目23は、図8(a)に示すように縦方向に沿う直線状とする他、適宜の形状とすることができ、特に図8(c)に示すように、縦方向中間部が胴周り方向一方側に膨出する形状になっていると、この膨出部分を摘み部としてミシン目23を容易に切断できるため好ましい。
マチ部29の胴周り方向自然長(図12、図16に示すように、連結部材との固定部の間の部分の長さ)は適宜定めることができるが、図示例のように、吸収体56を有する部分の両側の吸収体非存在部分にマチ部29を設ける場合には、マチ部29の胴周り方向自然長はおむつ両側部の吸収体非存在部位の胴周り方向長さ以下、特に吸収体非存在部位の胴周り方向長さ12N(図6中にはその1/2の部分を12N/2と図示)の10〜30%程度とするのが好ましい。
連結部材20の寸法は適宜定めることができるが、図示例のようなシート状の連結部材20の場合、縦方向長さ20yは胴周り部領域の75〜100%とするのが好ましく、また胴周り方向長さ(固定部21間の自然長)20xは、マチ部29の胴周り方向自然長の100〜300%程度とするのが好ましい。
また、連結部材20の固定部21の位置は、図9〜図12に示すように、吸収体56の側部と重なる位置であると、連結部材20の固定部21に起因する硬質化の影響が装着者に伝わり難い利点があるが、連結部材20が切断等されない限り、連結部材20の固定部21間の胴周り範囲においては、ウエスト部弾性伸縮部材17,18及び胴回り下部Uの細長状弾性伸縮部材15,19の伸縮機能が発揮されない。これに対して、図13〜図16に示すように、連結部材20の胴周り方向長さが短く、固定部21が吸収体56の側縁から側方に離間していると、この離間部分においては、連結部材20を取り去る又は切断する前であっても、ウエスト部弾性伸縮部材17,18及び胴回り下部Uの細長状弾性伸縮部材15,19の伸縮機能が発揮される。また、連結部材20を取り去る又は切断した後においては、ウエスト部弾性伸縮部材17,18及び胴回り下部Uの細長状弾性伸縮部材15,19の全体において伸縮機能が発揮される。
また、連結部材20の固定部21間の間隔は、図17(a)に示すように胴周り方向に離間していても、また図17(b)に示すように胴周り方向に近接していても良い。通常の場合、この間隔21dはマチ部29の胴周り方向自然長の20〜40%程度であるのが好ましい。近接する場合は連結部材20は弾性伸縮しないもので良いが、離間する場合は図8(a)及び(b)のように胴回り方向に弾性伸縮するように構成したものが好ましい。
かくして構成されたパンツタイプ使い捨ておむつにおいては、普段は図11及び図15に示すように、連結部材20による連結状態のままで使用し、身体の成長や満腹時等によりおむつがきつくなった場合には、図12及び図16に拡大して示すように、ミシン目23により連結部材20を切断し、マチ部29を広げてウエストサイズを拡大することができる。
<その他>
(イ)上記例では、マチ部29はおむつの両側部にそれぞれ設けられているが、胴周り部T内であれば、一方の側部のみに設けたり、3箇所以上設けたりすることもできる。
(ロ)マチ固定手段として、連結部材20に代えて又はこれとともに、図18に示されるように、マチ部29の胴周り方向の両側を直接に接着剤や溶着等の直接接合手段25により剥離可能に接合しても良い。ただし、連結部材20及びミシン目23によるマチ固定手段の方が、外装シート12が破けるおそれがない点では好ましい。
(ハ)上記例は、おむつ外面に連結部材20、直接接合手段25等のマチ固定手段を設けているためマチ部の固定の開放が容易になり好ましいが、おむつ内面にマチ固定手段20を設けることもできる。この場合はマチ部29が肌に当たらないため着用感は良好である。
(ニ)マチ固定手段20として連結部材20を採用する形態では、ミシン目23を設けずに、使用者が任意の箇所で切断する、あるいはおむつ本体から剥がし取ることにより、ウエストサイズを拡大するように構成することもできる。
本発明は、上記例のようなパンツタイプ使い捨ておむつに利用できるものである。
11…不透液性バックシート、12…外装シート、12r…折り返し部分、25…印刷シート、20…連結部材(マチ固定手段)、29…マチ部、200…内装体、30…トップシート、40…中間シート、50…吸収要素、56…吸収体、58…包装シート、60…側部バリヤーカフス、62…バリヤーシート。

Claims (6)

  1. 前身頃の両側部と後身頃の両側部とが接合され、ウエスト開口部及び左右一対の脚開口部が形成されているパンツタイプ使い捨ておむつにおいて、
    前記ウエスト開口部と前記脚開口部の上端との間に位置する胴周り部のうち、少なくとも一か所に、胴周り方向の一部の範囲として設けられたマチ部と、
    このマチ部の胴周り方向長さを自然長よりも短い状態で固定するマチ固定手段とを有し、
    このマチ固定手段は、前記マチ部の胴周り方向長さの固定を解放可能である、
    ことを特徴とする、パンツタイプ使い捨ておむつ。
  2. 前記マチ固定手段は、両端部が前記マチ部の胴周り方向一方側及び他方側にそれぞれ固定された固定部とされるとともに、前記マチ部には固定されていない連結部材であり、
    この連結部材における前記固定部間の胴周り方向の自然長が、前記マチ部の胴周り方向の自然長よりも短い、
    ことを特徴とするパンツタイプ使い捨ておむつ。
  3. 前記前身頃から後身頃にかけて幅方向中央部に吸収体が配置されており、この吸収体を有する部分の両側の吸収体非存在部分に、前記マチ部がそれぞれ設けられている、請求項2記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
  4. 前記連結部材はおむつ外面に取り付けられている、請求項3記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
  5. 前記連結部材の固定部は前記吸収体の側縁から離間しており、少なくともこの離間部分に、胴周り方向に沿って伸長した状態で固定された弾性伸縮部材を有している、請求項4記載の使い捨ておむつ。
  6. 前記連結部材は両端部の前記固定部が近接しており、これら固定部間に、上端から下端に至るミシン目が設けられている、請求項1〜5のいずれか1項に記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
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