JP2012100694A5 - - Google Patents

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パンツタイプ使い捨ておむつ
本発明は、パンツタイプ使い捨ておむつに関するものである。
パンツタイプ使い捨ておむつは、前身頃及び後身頃を有する外装シートと、この外装シートの内面に固定された、吸収体を含む内装体とを備え、外装シートの前身頃と後身頃とが両側部において接合されることにより、ウエスト開口部及び左右一対の脚開口部が形成されているものである。以下、外装シートと内装体との固定部を内外固定部ともいう。
パンツタイプ使い捨ておむつにおいては、身体へのフィット性を向上させるために、外装シートに、種々の弾性伸縮部材を伸長状態で固定することが行われており、中でも、ウエスト開口部の縁部に設けられるウエスト部弾性伸縮部材よりも股間側に、フィット弾性伸縮部材を備えているものは、身体に対するフィット性が比較的に高いものとなっている。
フィット弾性伸縮部材の取り付け範囲は、ウエスト部弾性部材と異なり、内装体を有する縦方向範囲となるが、内装体を有する部分には内外固定部があり、この内外固定部を横切るようにフィット弾性伸縮部材を設けても、その伸縮機能は吸収体の剛性により制限される。また、内装体が幅方向に収縮して、装着感や見栄えを悪化させたり、吸収体のヨレや割れが発生し、吸収性能が低下したりするおそれもある。
このため、従来は、幅方向に沿って連続的にフィット弾性伸縮部材を取り付けるとともに、その内外固定部と重なる部分のほぼ全体を細かく切断して、内装体に幅方向の収縮力が作用しないようにした構造が一般に採用されている。つまり、糸ゴム等であるフィット弾性伸縮部材を内外固定部において固定しないことで、フィット弾性伸縮部材の伸縮可能範囲を大きくする必要があった。
他方、内外固定部の表面側には、フィット弾性伸縮部材がほとんど存在しないのに伴い、趣向性を高めるために、絵柄等が付されたデザインシートが取り付けられている事が多い。しかし、このようなおむつでは、デザインシートが付着されているだけであり、デザインシートのデザイン性については問題とされていなかった。これに対して、おむつを使用する幼児の月齢が上がるにつれて、デザインの好みが別れ、嫌いなデザインのおむつを幼児は履こうとしない欠点があった。
この一方、デザインを変化させるものとして、以下のようなものがある。
例えば下記特許文献1には、デザインシートをスライドさせて、二つの絵を表示させたり、デザインシートを二つに分割することで、中から絵や文字を表記させたりする技術が開示されている。また、下記特許文献2には、おむつの閉じている状態から広げるまでの段階での絵柄の変化させる技術が開示されている。さらに、下記特許文献3には、おむつを伸縮させることで、絵柄が変化する技術が開示されている。
しかし、おむつを伸縮させることで新たなデザインが現れて、より多くの幼児に好まれるようなおむつは、従来存在しなかった。
特開2007−215804号公報 特開2004−105476号公報 特開平11−104172号公報
そこで、本発明の主たる課題は、フィット弾性伸縮部材の伸縮により新たなデザインが現れることで、デザインが変化し得るパンツタイプ使い捨ておむつを提供することにある。
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
前身頃及び後身頃を構成する外装シートと、前身頃から後身頃にかけて外装シートの内面の幅方向中央部に設けられた、吸収体を含む内装体と、これら外装シートと内装体とを固定する内外固定部とを備え、
前身頃における外装シートの両側部と後身頃における外装シートの両側部とがそれぞれ接合されることにより、ウエスト開口部及び左右一対の脚開口部が形成され、
前身頃及び後身頃の少なくとも一方における前記内装体を有する前後方向範囲に、前記内装体の幅方向中央部を除いてその左右両側に、幅方向に沿って伸長状態で固定された細長状のフィット弾性伸縮部材が前後方向に間隔を空けて複数本設けられている、パンツタイプ使い捨ておむつにおいて、
視認用表示部分を備え且つ前記内装体幅寸法以下の大きさとされたデザイン部が、前記内装体に対応した部分であって前記フィット弾性伸縮部材を含む前後方向範囲にあり、
不透液性バックシートが前記デザイン部の背面側に配置され、前記デザイン部の中央領域の背面側のみが、前記不透液性バックシートに固定され、
該デザイン部の中央領域を除く幅方向に沿った端部領域に、前記フィット弾性伸縮部材を視認用表示部分と重複しつつ配置している、ことを特徴とするパンツタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
このように、単にフィット弾性伸縮部材の収縮力作用範囲や伸長率を調節するのではなく、局所的に内外固定部の幅を狭めてその部分だけフィット弾性伸縮部材の取り付け範囲を広げることによって、適切な締め付けを維持しつつ幅方向の伸縮量を拡大することができる。しかも、フィット弾性伸縮部材を有する前後方向範囲の全てにおいて内外固定部の幅を狭めるのではなく、一部(大伸縮部)のみ前後両側よりも内外固定部の幅を狭めるため、内装体と外装シートとの固定が不十分となることもない。
そして、本発明のパンツタイプ使い捨ておむつによれば、視認用表示部分を備えたデザイン部が、内装体に対応した部分であってフィット弾性伸縮部材を含む前後方向範囲にある。これに伴い、デザイン部の中央領域を除く幅方向に沿った端部領域に、フィット弾性伸縮部材を視認用表示部分と重複しつつ配置することで、フィット弾性伸縮部材の伸縮によりデザインが変化するようになる。
さらに、デザイン部の中央領域の背面側のみが、デザイン部の背面側に配置された不透液性バックシートに固定されることで、フィット弾性伸縮部材の伸縮によってもこの中央領域のデザインは変化しないので、端部領域のデザインの変化がより際だつようになる。
<請求項2記載の発明>
前記デザイン部の両端部領域が、視認用表示部分の内容を前後方向に沿って相互に異ならせている、請求項1記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
このように、デザイン部の両端部領域が、視認用表示部分の内容を前後方向に沿って相互に異ならせたことで、より多様なデザインの変化が可能になる。
以上のとおり、本発明によれば、フィット弾性伸縮部材の伸縮により新たなデザインが現れることで、デザインが変化し得るパンツタイプ使い捨ておむつが得られる等の利点がもたらされる。
パンツタイプ使い捨ておむつの内面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの外面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 図1の3−3断面図である。 図1の4−4断面図である。 図1の5−5断面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの要部のみを示す、おむつを展開した状態における平面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの要部のみを示す、断面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの斜視図である。 第2の実施の形態に係るパンツタイプ使い捨ておむつの印刷シート周辺を示す拡大平面図である。 第2の実施の形態に係るパンツタイプ使い捨ておむつの変形例の印刷シート周辺を示す拡大平面図である。 第3の実施の形態に係るパンツタイプ使い捨ておむつの印刷シート周辺を示す拡大平面図である。 参考形態に係るパンツタイプ使い捨ておむつの印刷シート周辺を示す断面図である。 参考形態に係るパンツタイプ使い捨ておむつの印刷シート周辺を示す拡大平面図である。
以下、本発明の第1の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳説する。
図1〜図8は、パンツタイプ使い捨ておむつの一例100を示している。このパンツタイプ使い捨ておむつ100は、製品外面(裏面)をなす外装シート12と、外装シートの内面に貼り付けられた内装体200とから構成されているものであり、外装シート12と内装体200とを固定する内外固定部は図6に符号300で示されている。内装体200は、尿等の排泄物等を吸収保持する部分であり、外装シート12は着用者に装着するための部分である。なお、断面図及び図6における点模様部分は各構成部材を接合する接合部分を示しており、これら接合部分は内外固定部300を含め、ホットメルト接着剤などのベタ、ビード、カーテン、サミットまたはスパイラル塗布などにより形成することができる。なお、「前後方向」とは腹側(前側)と背側(後側)を結ぶ方向を意味し、「幅方向」とは前後方向と直交する方向(左右方向)を意味し、「上下方向」とはおむつ100の装着状態、すなわちおむつ100の前身頃両側部と後身頃量側部を重ね合わせるようにおむつ100を股間部で2つに折った際に胴回り方向と直交する方向、換言すればウエスト開口部WO側と股間部側とを結ぶ方向を意味する。
(内装体)
内装体200は任意の形状を採ることができるが、図示の形態では長方形である。内装体200は、図3〜図5に示されるように、身体側となる表面シート30と、不透液性バックシート11と、これらの間に介在された吸収要素50とを備えているものであり、吸収機能を担う本体部である。符号40は、表面シート30を透過した液を速やかに吸収要素50へ移行させるために、表面シート30と吸収要素50との間に設けられた中間シート(セカンドシート)を示しており、符号60は、内装体200の両脇に排泄物が漏れるのを防止するために、内装体200の両側に設けられた、身体側に起立するバリヤーカフス60を示している。
(表面シート)
表面シート30は、液を透過する性質を有するものであり、例えば、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシートなどを例示することができる。また、このうち不織布は、その原料繊維が何であるかは、特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。例えば、柔軟性、ドレープ性を求めるのであれば、スパンボンド法、スパンレース法が、嵩高性、ソフト性を求めるのであれば、エアスルー法、ポイントボンド法、サーマルボンド法が、好ましい加工方法となる。
また、表面シート30は、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートを貼り合せて得た積層シートからなるものであってもよい。同様に、表面シート30は、平面方向に関して、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートからなるものであってもよい。
バリヤーカフス60を設ける場合、表面シート30の両側部は、不透液性バックシート11とバリヤーカフス60との間を通して、吸収要素50の裏側まで回りこませ、液の浸透を防止するために、不透液性バックシート11及びバリヤーカフス60に対してホットメルト接着剤等により接着するのが好ましい。
(中間シート)
表面シート30を透過した液を速やかに吸収体へ移行させるために、表面シート30より液の透過速度が速い、中間シート(「セカンドシート」とも呼ばれている)40を設けることができる。この中間シート40は、液を速やかに吸収体へ移行させて吸収体による吸収性能を高めるばかりでなく、吸収した液の吸収体からの「逆戻り」現象を防止し、表面シート30上を常に乾燥した状態とすることができる。中間シート40は省略することもできる。
中間シート40としては、表面シート30と同様の素材や、スパンレース、スパンボンド、SMS、パルプ不織布、パルプとレーヨンとの混合シート、ポイントボンド又はクレープ紙を例示できる。特にエアスルー不織布が嵩高であるため好ましい。エアスルー不織布には芯鞘構造の複合繊維を用いるのが好ましく、この場合芯に用いる樹脂はポリプロピレン(PP)でも良いが剛性の高いポリエステル(PET)が好ましい。目付けは20〜80g/m2が好ましく、25〜60g/m2がより好ましい。不織布の原料繊維の太さは2.2〜10dtexであるのが好ましい。不織布を嵩高にするために、原料繊維の全部又は一部の混合繊維として、芯が中央にない偏芯の繊維や中空の繊維、偏芯且つ中空の繊維を用いるのも好ましい。
図示の形態の中間シート40は、吸収体56の幅より短く中央に配置されているが、全幅にわたって設けてもよい。中間シート40の長手方向長さは、吸収体56の長さと同一でもよいし、液を受け入れる領域を中心にした短い長さ範囲内であってもよい。
(不透液性バックシート)
不透液性バックシート11の素材は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂等からなるプラスチックフィルムや、不織布の表面にプラスチックフィルムを設けたラミネート不織布、プラスチックフィルムに不織布等を重ねて接合した積層シートなどを例示することができる。不透液性バックシート11には、近年、ムレ防止の観点から好まれて使用されている不透液性かつ透湿性を有する素材を用いることが好ましい。透湿性を有するプラスチックフィルムとしては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性プラスチックフィルムが広く用いられている。このほかにも、マイクロデニール繊維を用いた不織布、熱や圧力をかけることで繊維の空隙を小さくすることによる防漏性強化、高吸水性樹脂または疎水性樹脂や撥水剤の塗工といった方法により、プラスチックフィルムを用いずに液不透過性としたシートも、不透液性バックシート11として用いることができる。
不透液性バックシート11は、防漏性を高めるために、吸収要素50の両側を回りこませて吸収要素50の表面シート30側面の両側部まで延在させるのが好ましい。この延在部の幅は、左右それぞれ5〜20mm程度が適当である。
また、不透液性バックシート11の内側、特に吸収体56側面に、液分の吸収により色が変化する排泄インジケータを設けることができる。
(バリヤーカフス)
バリヤーカフス60は、内装体200の両側部に沿って前後方向全体にわたり延在する帯状部材であり、表面シート30上を伝わって横方向に移動する尿や軟便を遮断し、横漏れを防止するために設けられているものである。本実施の形態のバリヤーカフス60は、内装体200の側部から起立するように設けられ、付け根側の部分は幅方向中央側に向かって斜めに起立し、中間部より先端側の部分は幅方向外側に向かって斜めに起立するものである。
より詳細には、バリヤーカフス60は、内装体200の前後方向長さに等しい長さを有する帯状のバリヤーシート62を幅方向に折り返して二つに折り重ねるとともに、折り返し部分及びその近傍のシート間に、細長状弾性伸縮部材63を長手方向に沿って伸長状態で、幅方向に間隔をあけて複数本固定してなるものである。バリヤーカフス60のうち幅方向において折り返し部分と反対側の端部は内装体200の側縁部の裏面に固定された取付部分65とされ、この取付部分65以外の部分は取付部分65から突出する突出部分66(折り返し部分側の部分)とされている。また、突出部分66のうち前後方向両端部は、取付部分65から内装体200の側部を通り表面シート30の側部表面まで延在し且つこの表面シート30の側部表面に対してホットメルト接着剤やヒートシールによる前後固定部67固定された付け根側部分と、この付け根側部分の先端から幅方向外側に折り返され且つ付け根側部分に固定された先端側部分とからなる。突出部分のうち前後方向中間部は非固定の自由部分(内側自由部分)とされ、この自由部分に前後方向に沿う細長状弾性伸縮部材63が伸長状態で固定されている。
バリヤーシート62としてはスパンボンド不織布(SS、SSS等)やSMS不織布(SMS、SSMMS等)、メルトブロー不織布等の柔軟で均一性・隠蔽性に優れた不織布に、必要に応じてシリコンなどにより撥水処理を施したものを好適に用いることができ、繊維目付けは10〜30g/m2程度とするのが好ましい。細長状弾性伸縮部材63としては糸ゴム等を用いることができる。スパンデックス糸ゴムを用いる場合は、太さは470〜1240dtexが好ましく、620〜940dtexがより好ましい。固定時の伸長率は、150〜350%が好ましく、200〜300%がより好ましい。また、図示のように、二つに折り重ねたバリヤーシートの間に防水フィルムを介在させることもできる。
バリヤーカフス60の自由部分に設けられる細長状弾性伸縮部材63の本数は2〜6本が好ましく、3〜5本がより好ましい。配置間隔60dは3〜10mmが適当である。このように構成すると、細長状弾性伸縮部材63を配置した範囲で肌に対して面で当たりやすくなる。先端側だけでなく付け根側にも細長状弾性伸縮部材63を配置しても良い。
バリヤーカフス60の取付部分65の固定対象は、内装体200における表面シート30、不透液性バックシート11、吸収要素50等適宜の部材とすることができる。
かくして構成されたバリヤーカフス60では、細長状弾性伸縮部材63の収縮力が前後方向両端部を近づけるように作用するが、突出部分66のうち前後方向両端部が起立しないように固定されるのに対して、それらの間は非固定の自由部分とされているため、自由部分のみが図3に示すように身体側に当接するように起立する。特に、取付部分65が内装体200の裏面側に位置していると、股間部及びその近傍においてバリヤーカフス60が幅方向外側に開くように起立するため、バリヤーカフス60が脚周りに面で当接するようになり、フィット性が向上するようになる。
バリヤーカフス60の寸法は適宜定めることができるが、乳幼児用紙おむつの場合は、例えば図7に示すように、バリヤーカフス60の起立高さ(展開状態における突出部分66の幅方向長さ)W6は15〜60mm、特に20〜40mmであるのが好ましい。また、バリヤーカフス60をトップシート30表面と平行になるように、平坦に折り畳んだ状態において最も内側に位置する折り目間の離間距離W3は60〜190mm、特に70〜140mmであるのが好ましい。
なお、図示形態と異なり、内装体200の左右各側においてバリヤーカフスを二重に(二列)設けることもできる。
(吸収要素)
吸収要素50は、吸収体56と、この吸収体56の全体を包む包装シート58とを有する。包装シート58は省略することもできる。
(吸収体)
吸収体56は、繊維の集合体により形成することができる。この繊維集合体としては、綿状パルプや合成繊維等の短繊維を積繊したものの他、セルロースアセテート等の合成繊維のトウ(繊維束)を必要に応じて開繊して得られるフィラメント集合体も使用できる。繊維目付けとしては、綿状パルプや短繊維を積繊する場合は、例えば100〜300g/m2程度とすることができ、フィラメント集合体の場合は、例えば30〜120g/m2程度とすることができる。合成繊維の場合の繊度は、例えば、1〜16dtex、好ましくは1〜10dtex、さらに好ましくは1〜5dtexである。フィラメント集合体の場合、フィラメントは、非捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維であるのが好ましい。捲縮繊維の捲縮度は、例えば、1インチ当たり5〜75個、好ましくは10〜50個、さらに好ましくは15〜50個程度とすることができる。また、均一に捲縮した捲縮繊維を用いる場合が多い。吸収体56中には高吸収性ポリマー粒子を分散保持させるのが好ましい。
吸収体56は長方形形状でも良いが、図6にも示すように、前端部、後端部及びこれらの間に位置し、前端部及び後端部と比べて幅が狭い括れ部とを有する砂時計形状を成していると、吸収体56自体とバリヤーカフス60の、脚回りへのフィット性が向上するため好ましい。
また、吸収体の寸法は適宜定めることができるが、前後方向及び幅方向において、内装体の周縁部又はその近傍まで延在しているのが好ましい。
(高吸収性ポリマー粒子)
吸収体56には、その一部又は全部に高吸収性ポリマー粒子を含有させることができる。高吸収性ポリマー粒子とは、「粒子」以外に「粉体」も含む。高吸収性ポリマー粒子の粒径は、この種の吸収性物品に使用されるものをそのまま使用でき、1000μm以下、特に150〜400μmのものが望ましい。高吸収性ポリマー粒子の材料としては、特に限定無く用いることができるが、吸水量が40g/g以上のものが好適である。高吸収性ポリマー粒子としては、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体などのものを用いることができる。高吸収性ポリマー粒子の形状としては、通常用いられる粉粒体状のものが好適であるが、他の形状のものも用いることができる。
高吸収性ポリマー粒子としては、吸水速度が40秒以下のものが好適に用いられる。吸水速度が40秒を超えると、吸収体56内に供給された液が吸収体56外に戻り出てしまう所謂逆戻りを発生し易くなる。
また、高吸収性ポリマー粒子としては、ゲル強度が1000Pa以上のものが好適に用いられる。これにより、嵩高な吸収体56とした場合であっても、液吸収後のべとつき感を効果的に抑制できる。
高吸収性ポリマー粒子の目付け量は、当該吸収体56の用途で要求される吸収量に応じて適宜定めることができる。したがって一概には言えないが、50〜350g/m2とすることができる。ポリマーの目付け量が50g/m2未満では、吸収量を確保し難くなる。350g/m2を超えると、効果が飽和する。
必要であれば、高吸収性ポリマー粒子は、吸収体56の平面方向で散布密度あるいは散布量を調整できる。たとえば、液の排泄部位を他の部位より散布量を多くすることができる。男女差を考慮する場合、男用は前側の散布密度(量)を高め、女用は中央部の散布密度(量)を高めることができる。また、吸収体56の平面方向において局所的(例えばスポット状)にポリマーが存在しない部分を設けることもできる。
(包装シート)
包装シート58を用いる場合、その素材としては、ティッシュペーパ、特にクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等を用いることができる。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないシートであるのが望ましい。クレープ紙に換えて不織布を使用する場合、親水性のSMS不織布(SMS、SSMMS等)が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレン複合材などを使用できる。目付けは、5〜40g/m2、特に10〜30g/m2のものが望ましい。
包装シート58の包装形態は適宜定めることができるが、製造容易性や前後端縁からの高吸収性ポリマー粒子の漏れ防止等の観点から、吸収体56の表裏面及び両側面を取り囲むように筒状に巻き付け、且つその前後縁部を吸収体56の前後から食み出させ、この食み出し部分を表裏方向に潰してホットメルト接着剤等の接合手段により接合する形態が好ましい。
(外装シート)
外装シート12は、股間部から腹側に延在する前身頃Fを構成する部分と、股間部から背側に延在する後身頃Bを構成する部分とを有し、これら前身頃Fの両側部と後身頃Bの両側部とが接合されて、図8に示すように、装着者の胴を通すためのウエスト開口部WO及び脚を通すための左右一対の脚開口部LOが形成されているものである。符号12Aは接合部分を示している(以下、この部分をサイドシール部ともいう)。なお、股間部とは、展開状態における前身頃Fのウエスト端縁から後身頃Bのウエスト端縁までの前後方向中央を意味し、それよりも前側の部分及び後側の部分が前身頃F及び後身頃Bをそれぞれ意味する。
外装シート12は、ウエスト開口部WOから脚開口部LOの上端に至る前後方向範囲として定まる胴周り部Tと、脚開口部LOを形成する部分の前後方向範囲(前身頃Fのサイドシール部12Aを有する前後方向領域と後身頃Bのサイドシール部12Aを有する前後方向領域と間)として定まる中間部Lとを有する。胴周り部Tは、概念的にウエスト開口部の縁部を形成する「ウエスト縁部」Wと、これよりも下側の部分である「ウエスト下部」Uとに分けることができる。これらの前後方向の長さは、製品のサイズによって異なり、適宜定めることができるが、一例を挙げると、ウエスト縁部Wは15〜40mm、ウエスト下部Uは65〜120mmとすることができる。一方、中間部Lの両側縁は被着者の脚周りに沿うように括れており、ここが着用者の脚を入れる部位となる。この結果、外装シート12は、全体としては略砂時計形状をなしている。外装シート12の括れの程度は適宜定めることができ、図1〜図8に示す形態のように、すっきりとした外観とするために最も幅が狭い部分では内装体200の幅より狭くすることが好ましいが、最も幅が狭い部分でも内装体200の幅以上となるように定めてもよい。
外装シート12は、図3〜図5に示されるように、二枚のシート基材12S,12Hをホットメルト接着剤等の接着剤により張り合わせて形成されるものであり、内側に位置する内側シート基材12Hはウエスト開口部WOの縁までしか延在していないが、外側シート基材12Sは内側シート基材12Hのウエスト側の縁を回り込んでその内側に折り返されており、この折り返し部分12rは内装体200のウエスト側端部上までを被覆するように延在されている。
シート基材12S,12Hとしては、シート基材であれば特に限定無く使用できるが、不織布であるのが好ましい。不織布は、その原料繊維が何であるかは特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。不織布を用いる場合、その坪量は10〜30g/m2程度とするのが好ましい。
また、外装シート12を通して後述する印刷シート25のデザインを製品外面から良好に視認できるように、外装シート12の総目付けは20〜60g/m2程度であるのが好ましく、外装シート12のJIS K 7105に規定される全光線透過率が40%以上、特に50%以上となっているのが好ましい。
そして、外装シート12には、胴回りに対するフィット性を高めるために、両シート基材12S,12H間に糸ゴム等の細長状弾性伸縮部材15〜19が所定の伸長率で設けられている。細長状弾性伸縮部材15〜19としては、合成ゴムを用いても、天然ゴムを用いても良い。外装シート12の両シート基材12S,12Hの貼り合せや、その間に挟まれる細長状弾性伸縮部材15〜19の固定には種々の塗布方法によるホットメルト接着またはヒートシールや超音波接着を用いることができる。外装シート12全面を強固に固定するとシートの風合いを損ねるため好ましくない。これらを組合せ、細長状弾性伸縮部材15〜19の接着は強固にし、それ以外の部分は接着しないか弱く接着するのが好ましい。
より詳細には、後身頃B及び前身頃Fのウエスト端部(上端部)Wにおける内側シート基材12Hの内側面と外側シート基材12Sの折り返し部分12rの外側面との間には、幅方向全体にわたり連続するように、複数の細長状のウエスト部弾性伸縮部材17が縦方向に間隔を空けて、かつ所定の伸長率で幅方向に沿って伸長された状態で固定されている。また、ウエスト部弾性伸縮部材17のうち、ウエスト下部Uに隣接する領域に配設される1本または複数本については、内装体200と重なっていてもよいし、内装体200と重なる幅方向中央部を除いてその幅方向両側にそれぞれ設けてもよい。このウエスト弾性伸縮部材17としては、太さ155〜1880dtex、特に470〜1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05〜1.5mm2、特に0.1〜1.0mm2程度)の糸ゴムを、4〜12mmの間隔で3〜22本程度、それぞれ伸長率150〜400%、特に220〜320%程度で固定するのが好ましい。また、ウエスト部弾性伸縮部材17は、その全てが同じ太さと伸長率にする必要はなく、例えばウエスト縁部Wの上部と下部で弾性伸縮部材の太さと伸長率が異なるようにしてもよい。
また、前身頃F及び後身頃Bのウエスト下部Uにおける内側シート基材12Hの外側面と外側シート基材12Sの内側面との間には、内装体200と重なる幅方向中央部を除いて、その上側および幅方向両側の各部位に、幅方向全体にわたり連続するように、複数の細長状のウエスト下部弾性伸縮部材15,19が縦方向に間隔を空けて、かつ所定の伸長率で幅方向に沿って伸長された状態で固定されている。
ウエスト下部弾性伸縮部材15,19としては、太さ155〜1880dtex、特に470〜1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05〜1.5mm2、特に0.1〜1.0mm2程度)の糸ゴムを、1〜15mm、特に3〜8mmの間隔で5〜30本程度、それぞれ伸長率200〜350%、特に240〜300%程度で固定するのが好ましい。
また、前身頃F及び後身頃Bの中間部Lにおける内側シート基材12Hの外側面と外側シート基材12Sの内側面との間には、内装体200と重なる幅方向中央部を除いて、その幅方向両側の各部位に、幅方向全体にわたり連続するように、複数の細長状の中間部弾性伸縮部材16が縦方向に間隔を空けて、かつ所定の伸長率で幅方向に沿って伸長された状態で固定されている。
中間部弾性伸縮部材16,18としては、太さ155〜1880dtex、特に470〜1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05〜1.5mm2、特に0.1〜1.0mm2程度)の糸ゴムを、5〜40mm、特に5〜20mmの間隔で2〜10本程度、それぞれ伸長率150〜300%、特に180〜260%で固定するのが好ましい。
なお、図示のように、ウエスト下部弾性伸縮部材及び中間部弾性伸縮部材15,19,16,18が、内装体200と重なる幅方向中央部を除いてその幅方向両側にそれぞれ設けられていると、内装体200が幅方向に必要以上に収縮することがなく、モコモコと見た目が悪かったり吸収性が低下したりすることがない。この形態には、幅方向両側にのみ弾性伸縮部材が存在する形態の他、内装体200を横切ってその幅方向一方側から他方側まで弾性伸縮部材が存在しているが、内装体200と重なる幅方向中央部では弾性伸縮部材が細かく切断され、収縮力が作用せず(実質的には、弾性伸縮部材を設けないことに等しい)に、その幅方向両側のみが収縮力作用部分として構成されている形態も含まれる。
(大伸縮部)
特徴的には、図6に外装シート12と内装体200とを固定する内外固定部300の領域を示すように、後身頃Bにおける臀部の頂部と対応する前後方向範囲及びこれに対応する前身頃Fの範囲に、外装シート12と内装体200とを固定する内外固定部301の幅が前後両側EF,EBにおける内外固定部302,303の幅よりも狭く、かつその幅の狭い内外固定部301の側縁近傍までウエスト下部弾性伸縮部材15,19及び中間部弾性伸縮部材16,18(本実施形態ではこれらがフィット弾性伸縮部材に該当する)が延在する、大伸縮部EXが設けられている。
このように、内外固定部302,303の幅が、内外固定部301の幅より広いことで、内外固定部302,303の端部が吸収体のめくれを防止できるようになる。
大伸縮部EXを設ける範囲はおむつの寸法に応じて適宜定めることができるが、通常の場合、おむつの全長Yのうち前端(前身頃Fのウエスト開口部WOの縁)を0%とし、後端(後身頃B及び前身頃Fのウエスト開口部WOの縁)を100%としたとき、4〜40%の範囲とするのが好ましい。
大伸縮部EXにおける内外固定部301の幅X2は、大伸縮部EXの前後両側EF,EBにおける内外固定部302,303の幅X3よりも狭ければ特に限定されず、適宜定めることができるが、通常の場合、内装体200の幅X4の3.6〜99%程度とするのが好ましく、その前後両側EF,EBにおける内外固定部302,303の幅X3は、それぞれ内装体200の幅X4の70〜95%程度とするのが好ましい。ちなみに、内装体200の幅X4は適宜定めることができるが、おむつの全幅Xの20〜50%程度であるのが好ましい。また、大伸縮部EXの前後両側EF,EBにおける内外固定部302,303の縦方向長さはおむつの全長Yの2〜20%程度とするのが好ましい。なお、おむつ各部の寸法は、基本的に弾性部材による収縮が無い展開状態における長さを意味するものである。
ウエスト下部弾性伸縮部材15,19及び中間部弾性伸縮部材16,18は、少なくとも大伸縮部EXにおいて内外固定部301の側縁近傍まで幅方向中央側に延在していれば良い。したがって、図6に示すように、大伸縮部EXの前後両側EF,EBにおいては大伸縮部EXと同じ位置まで幅方向中央側に延在させても良い。ただし、この場合、大伸縮部EXの前後両側EF,EBにおいて、ウエスト下部弾性伸縮部材15,19及び中間部弾性伸縮部材16,18と内外固定部302,303とが重なる部分の幅が広くなり、内装体200が不必要に収縮するおそれがある。よって、大伸縮部EXの前後両側EF,EBにおいても、ウエスト下部弾性伸縮部材15,19及び中間部弾性伸縮部材16,18を内外固定部302,303の側縁近傍までとすることも提案する。
なお、これらウエスト下部弾性伸縮部材15,19及び中間部弾性伸縮部材16,18の幅方向中央側の端を内外固定部301,302,303の側縁の近傍とする場合、その距離は特に限定されないが、通常の場合、内外固定部301,302,303の側縁から幅方向中央側及び幅方向外側にそれぞれ30mm程度の位置までとするのが好ましい。
他方、ウエスト下部弾性伸縮部材15,19及び中間部弾性伸縮部材16,18の取付時の伸長率を、大伸縮部EXとその前後両側EF,EBとで同じにした場合、装着時において大伸縮部EXが臀部に当接するため、大伸縮部EXがその前後両側EF,EBよりも引き延ばされ、臀部の締め付け力が過度に強くなるおそれがある。そこで、これを解決するために、大伸縮部EXに位置するウエスト下部弾性伸縮部材15,19及び中間部弾性伸縮部材16,18を、大伸縮部EXの前後両側EF,EBに位置するウエスト下部弾性伸縮部材15,19及び中間部弾性伸縮部材16,18よりも低い伸長率をもって幅方向に伸長した状態で固定するのも好ましい。これにより、大伸縮部EXがその前後両側EF,EBより引き延ばされたとしても、伸縮部及び非大伸縮部EF,EBの締め付け力差が少なくて済み、臀部の締め付け力が過度に強くなり難くなる。
(後処理テープ)
外装シート12の後身頃Bの外面における幅方向中央部には、後処理テープ70(固定手段)が設けることができる。後処理テープ70は、おむつ100を表面シート30が内側に且つ前身頃Fが内側となるように丸め若しくは折り畳んだ状態で固定するためのものである。一般的な後処理テープ70は、図5に示すように、基端部71が外装シート12の外面に接着剤等により固定されるとともに、この基端部71よりも先端側の部分は三つ折り(断面Z字状)や二つ折りで折り畳まれて、折り重なり部分間が仮止め接着剤72により剥離可能に固定(仮固定)されている。また、先端部に白色等の不透明色に着色された摘み部73を有するとともに、この摘み部73を除く部分が透明または半透明であり、この後処理テープ70における透明または半透明の部分を通して、後処理テープ70の外面側から後述するデザインが視認可能になっている。具体的な構造は適宜構成することができるが、図示形態では、全体を透明又は半透明の複数の基材を長手方向に連結して形成するとともに、摘み部73に着色テープ74を張り合わせた構造を採用している。
廃棄時には、おむつ100を表面シート30が内側になるとともに前身頃Fが内側となるように丸め若しくは折り畳んだ後、後処理テープ70の折り重なり部分を剥離して展ばし、丸めた若しくは折り畳んだおむつ100の後身頃Bからウエスト開口部WOを越えて反対側の外面まで巻き付けるようにして接着剤により固定する。後処理テープ70は、不使用時にはコンパクトに折り畳まれ、使用時には長尺状に展開できる三つ折り形状のものが特に好適である。
後処理テープ70等の固定手段は、前身頃Fに設けてもよく、後身頃Bと前身頃Fの両方に設けてもよい。
(印刷シート)
内装体200に対応した部分であって不透液性バックシート11と外装シート12との間(外装シート12の層間を含む)には、印刷によりデザインの施された視認用表示部分Sを備えた印刷シート25が設けられている。尚、この部分視認用表示部分Sの中央には例えば図2に示す大型のうさぎU1が表示されている。外装シート12を省略し、印刷シート25が外面に露出する形態とすることもできる。また、図示例の印刷シート25は、それが配置される身頃よりも小さい面積を有しており、前身頃F及び後身頃Bに個別に設けられているが、前身頃Fから股間部を通り後身頃Bまで一体的に連続するように設けることもできる。
但し、図2に示すように、本実施の形態の前身頃Fにおけるデザイン部であるこの印刷シート25の内の中央領域25Aを除く幅方向に沿った端部領域25Bには、フィット弾性伸縮部材であるウエスト下部弾性伸縮部材19が延長されて、端部領域25Bの視認用表示部分Sとこのウエスト下部弾性伸縮部材19とが重複しつつ配置されており、これら端部領域25Bとウエスト下部弾性伸縮部材19との間が接着されている。これに伴い、端部領域25Bとウエスト下部弾性伸縮部材19とが一体的に伸縮するようになる。
そして、不透液性バックシート11が印刷シート25の背面側に配置されていて、前述のように印刷シート25の中央領域25Aの背面側のみが、不透液性バックシート11に固定されている。尚、印刷シート25の中央領域25Aと両端部領域25Bとを一体的な図柄としても良いが、中央領域25Aと両端部領域25Bとを相互に同一の図柄としても良く、或いは図2に示すように大型のうさぎU1と小型のうさぎU2という形で、相互に異なる図柄としても良い。また、印刷シート25上に文字等の目視可能な標識を配置しても良い。
以上より、ウエスト下部弾性伸縮部材19が縮んでいる時には、図8に示すように中央領域25Aを除いて、印刷シート25の端部領域25Bが縮んで隠れることになる。但し、おむつ100を幼児が履くのに伴い、ウエスト下部弾性伸縮部材19が伸びて、隠れていた端部領域25Bにおける小型のうさぎU2のデザインが表示されるようになる。このことで、幼児だけでなくおむつ100を履かせるのを手伝う大人もおむつ100を「履かせること」を楽しめ、忙しい子育てに楽しさと潤いを提供することができるようになる。
つまり、本実施の形態では、おむつ100にデザイン性を加え、ウエスト下部弾性伸縮部材19の伸縮により印刷シート25上の新たなデザインが現れることで、印刷シート25におけるデザインの見え方の変化が生じるようになる。尚、印刷シート25は、紙素材、PE等のシートや不織布等の素材が望ましい。また、サイドシールの固定は、熱圧着でも超音波圧着でもどちらでも良いが、両者の掛け合わせでも良い。
印刷シート25の寸法・形状は特に限定されないが、機能を十分なものとするためには十分に面積を大きくするのが好ましく、例えば、印刷シート25の幅は吸収体56の幅の50〜120%程度であるのが好ましく、印刷シート25の長さは少なくとも腹側及び背側の片側で物品全長Yの15〜30%程度であるのが好ましい。また、印刷シート25の形状はトリムロスが発生しない点では図示例のような矩形であるのが好ましいが、円形や楕円形、三角形、六角形等の幾何学形状、若しくはデザインの周囲に沿う形状にカットしても良い。
印刷シート25のシート基材としては、プラスチックフィルムや不織布、紙などを用いることができるが、嵩高く通気性の高い素材が好ましい。プラスチックフィルムを用いる場合は、ムレ防止のため透湿性を有することが望ましい。不織布や紙は透湿性を有するため好ましく、デザイン印刷を施す場合、不織布にあっては平滑性が高く印刷しやすいもの、紙にあっては強度が高くインクの滲み難いものを用いるのが好ましい。特に好ましいものとしては、目付け15〜35g/m2程度、厚み0.1〜0.3mm程度のクレープ紙(薄葉紙)や、目付け10〜25g/m2程度、厚み0.1〜0.3mm程度の不織布(特にスパンボンド部の繊度が1.0〜3.0dtex程度のスパンボンド不織布やSMS不織布)を挙げることができる。クレープ紙を用いる場合は、クレープ率は5〜20%程度、特に5〜15%程度のものを用いるのが好ましい。クレープ率が20%以上であると、インクの定着量は大きくなるが滲みが生じてデザイン印刷には適さない。クレープ率が5%以下であるとインクが浸透しにくいため定着量が少ない。
(外装シート分割構造)
上述の例では、前身頃Fから後身頃Bまでを一体的な外装シート12により連続的に覆っているが、外装シートが、装着者の胴回りのうち腹側を覆う腹側外装シートと背側を覆う背側外装シートとに分割されており、腹側外装シートの幅方向中央部内面に内装体の前端部がホットメルト接着剤等により連結されるとともに、背側外装シートの幅方向中央部内面に内装体の後端部がホットメルト接着剤等により連結されており、腹側外装シートと背側外装シートとが股間側で連続しておらず、離間されている形態も採用することができる。この離間距離は150〜250mm程度とすることができる。この場合、内装体における不透液性バックシートの裏面には、内装体の裏面全体を覆うように、あるいは腹側外装シートと背側外装シートとの間に露出する部分全体を覆うように、股間部外装シートを固定することもできる。股間部外装シートとしては、前述した外装シートに用いられるものと同様の資材を用いることができる。股間部外装シートも本発明の外装シートに相当する。
次に、本発明に係る第2の実施の形態を図9及び図10に示し、この図に基づき本実施の形態を説明する。尚、前記実施の形態で説明した部材と同一の部材には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図9に示すように、本実施の形態も第1の実施の形態と同様に、不透液性バックシート11に背面側のみが固定された印刷シート25の中央領域25Aを除く幅方向に沿った端部領域25Bには、ウエスト下部弾性伸縮部材19が延長されている。そして、端部領域25Bにおける視認用表示部分Sとこのウエスト下部弾性伸縮部材19とが重複しつつ配置されている。
但し、本実施の形態では、印刷シート25の両端部領域25Bは、それぞれ上下に二分されたデザインとされていて、上側に位置する上側部は小型のうさぎU2のデザインとされ、下側に位置する下側部は小型の背面うさぎU3のデザインとされている。
さらに、印刷シート25の両端部領域25Bの上下を単に相互に異なるデザインとするだけでなく、図10に示すように、左側端部領域25Bの上側に位置する左上側部は小型のうさぎU2のデザインとし、下側に位置する左下側部は小型の背面うさぎU3のデザインとし、また、右側端部領域25Bの上側に位置する右上側部は小型の2匹のうさぎU4のデザインとし、下側に位置する右下側部は小型の2匹の背面うさぎU5のデザインとしても良い。
以上より、本実施の形態もウエスト下部弾性伸縮部材19の伸縮により印刷シート25上の新たなデザインが現れることで、印刷シート25におけるデザインの見え方の変化が生じるようになる。
次に、本発明に係る第3の実施の形態を図11に示し、この図に基づき本実施の形態を説明する。尚、前記実施の形態で説明した部材と同一の部材には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図11に示すように、本実施の形態も第1の実施の形態と同様に、不透液性バックシート11に背面側のみが固定された印刷シート25の中央領域25Aを除く幅方向に沿った端部領域25Bには、ウエスト下部弾性伸縮部材19が延長されている。そして、端部領域25Bの視認用表示部分Sとこのウエスト下部弾性伸縮部材19とが重複しつつ配置されている。
但し、本実施の形態では、端部領域25Bがそれぞれ上下に二分されていているものの、上側部と下側部との間に空間とされる隙間Cが存在していて、この隙間Cにもウエスト下部弾性伸縮部材19が延長して配置された構造とされている。
これに伴い、本実施の形態では、左端部領域25Bの左上側部と右端部領域25Bの右下側部とが、相互に同一のデザインとされ、また、左端部領域25Bの左下側部と右端部領域25Bの上右側部とが、相互に同一のデザインとされている。以上より、本実施の形態も前記実施の形態と同様な作用効果が得られる。
次に、図12及び図13に示される参考形態を説明する。尚、前記実施の形態で説明した部材と同一の部材には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図12及び図13に示すように、本参考形態では、デザイン部の中央領域25Aをデザインシートとされる印刷シート25が構成し、印刷シート25の背面側に配置された不透液性バックシート11に、この印刷シート25の背面側が固定されている。また、印刷シート25の両側にそれぞれ防水立体シート64が配置されており、印刷シート25の両側に隣り合った防水立体シート64の部分が防水シート64Aとされ、この防水シート64A上に、印刷等により小型のうさぎU2が表示された第1副デザイン部82がそれぞれ設けられている。
そして、本参考形態では、第1副デザイン部82に隣り合った防水立体シート64上に、印刷等により小型の背面うさぎU3が表示された第2副デザイン部84がそれぞれ設けられており、これら第1副デザイン部82及び第2副デザイン部84が、印刷シート25の端部領域25Bとされている。
さらに、印刷シート25を除く幅方向に沿った端部領域25Bには、ウエスト下部弾性伸縮部材19が延長されて、端部領域25Bの視認用表示部分Sとこのウエスト下部弾性伸縮部材19とが重複しつつ配置されている。
以上より、第1の実施の形態と同様に、ウエスト下部弾性伸縮部材19が縮んでいる時には、印刷シート25上のデザインを除いて、第1副デザイン部82及び第2副デザイン部84が縮んで隠れることになる。但し、おむつ100を幼児が履くのに伴い、ウエスト下部弾性伸縮部材19が伸びて、隠れていた第1副デザイン部82及び第2副デザイン部84における小型のうさぎのデザインが表示されるようになる。
つまり、本参考形態でも、おむつ100にデザイン性を加え、ウエスト下部弾性伸縮部材19の伸縮により印刷シート25上のデザインの他に新たなデザインが現れることで、印刷シート25におけるデザインの見え方の変化が生じるようになる。
(その他)
上記例では、大伸縮部EXは後身頃Bにおける臀部の頂部と対応する縦方向範囲に設けられているが、これとともに、又はこれに代えて前身頃Fの下腹部等、他の部位に設けることも可能である。また、上記例では、大伸縮部EXを有しない前身頃Fにおいても、ウエスト下部弾性伸縮部材19及び中間部弾性伸縮部材18が内装体200と重なる幅方向中央部を除いてその幅方向両側にそれぞれ設けられている形態となっているが、大伸縮部EXを有しない身頃においては、それらウエスト下部弾性伸縮部材及び中間部弾性伸縮部材を、内装体200を横切ってその幅方向一方側から他方側まで設け、幅方向全体にわたり伸縮力が作用するように構成することもできる。
本発明は、上記例のようなパンツタイプ使い捨ておむつに利用できるものである。
11…不透液性バックシート、12…外装シート、12r…折り返し部分、19…ウエスト下部弾性伸縮部材(フィット弾性伸縮部材)、25…印刷シート、25A…中央領域、25B…端部領域、200…内装体、30…トップシート、40…中間シート、50…吸収要素、56…吸収体、58…包装シート、60…側部バリヤーカフス、62…バリヤーシート、300…内外固定部、EX…大伸縮部、F…前身頃、B…後身頃、S…視認用表示部分。

Claims (2)

  1. 前身頃及び後身頃を構成する外装シートと、前身頃から後身頃にかけて外装シートの内面の幅方向中央部に設けられた、吸収体を含む内装体と、これら外装シートと内装体とを固定する内外固定部とを備え、
    前身頃における外装シートの両側部と後身頃における外装シートの両側部とがそれぞれ接合されることにより、ウエスト開口部及び左右一対の脚開口部が形成され、
    前身頃及び後身頃の少なくとも一方における前記内装体を有する前後方向範囲に、前記内装体の幅方向中央部を除いてその左右両側に、幅方向に沿って伸長状態で固定された細長状のフィット弾性伸縮部材が前後方向に間隔を空けて複数本設けられている、パンツタイプ使い捨ておむつにおいて、
    視認用表示部分を備え且つ前記内装体幅寸法以下の大きさとされたデザイン部が、前記内装体に対応した部分であって前記フィット弾性伸縮部材を含む前後方向範囲にあり、
    不透液性バックシートが前記デザイン部の背面側に配置され、前記デザイン部の中央領域の背面側のみが、前記不透液性バックシートに固定され、
    該デザイン部の中央領域を除く幅方向に沿った端部領域に、前記フィット弾性伸縮部材を視認用表示部分と重複しつつ配置している、ことを特徴とするパンツタイプ使い捨ておむつ。
  2. 前記デザイン部の両端部領域が、視認用表示部分の内容を前後方向に沿って相互に異ならせている、請求項1記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
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