JP6163280B1 - パンツタイプ使い捨ておむつ - Google Patents
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<請求項1記載の発明>
前身頃を構成する前側外装体及び後身頃を構成する後側外装体を個別に備え、前記前側外装体及び後側外装体が前後方向に離間されており、
前側外装体から後側外装体にかけて設けられた、吸収体を含む内装体とを備え、
前記前側外装体の両側部と前記後側外装体の両側部とがそれぞれ接合され、
ウエスト開口及び左右一対の脚開口が形成され、
前記前側外装体及び後側外装体の少なくとも一方は、前記吸収体を有する前後方向範囲に、幅方向中間に設けられた非伸縮領域と、この非伸縮領域の幅方向両側に設けられた伸縮領域とを有しており、
前記伸縮領域は、内側シート層と、外側シート層と、これら内側シート層及び外側シート層間に、前後方向に間隔を空けてそれぞれ幅方向に沿って伸長状態で取り付けられた複数本の細長状の弾性伸縮部材とを有する領域であり、
前記非伸縮領域は、前記伸縮領域から連続する内側シート層及び外側シート層と、これら内側シート層及び外側シート層間に介在された、外面から視認可能な表示シート、並びに前記伸縮領域の弾性伸縮部材から連続する切断残部、及び両方の前記伸縮領域の弾性伸縮部材と連続しない弾性伸縮部材の切断片の少なくとも一方からなる不要弾性伸縮部材とを有している、
パンツタイプ使い捨ておむつにおいて;
前記不要弾性伸縮部材よりも股間側かつ前記表示シートよりも股間側に、前記内側シート層及び外側シート層が溶着された溶着部を有している、
ことを特徴とするパンツタイプ使い捨ておむつ。
本発明では、不要弾性伸縮部材の股間側に、内側シート層及び外側シート層が溶着された溶着部を有しているため、内側シート層及び外側シート層の隙間が股間側に開口しなくなり、又は開口するとしても開口が小さくなり、見栄えや装着感の悪化、及び不要弾性伸縮部材のはみ出しや抜け出しを防止できる。
前記溶着部は、前記非伸縮領域の一方の側縁部から前記不要弾性伸縮部材の股間側を経て前記非伸縮領域の他方側の側縁部に至るように、U字状に連続している、請求項1記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
このようなU字状パターンで溶着することにより、弾性伸縮部材の切断と不要弾性伸縮部材の股間側の溶着とを同時に行うことができるだけでなく、不要弾性伸縮部材を囲む溶着部を形成することができ、不要弾性伸縮部材のはみ出しや抜け出しをより効果的に防止することができる。また、弾性伸縮部材の切り残しも発生しにくいものとなる。
前記不要弾性伸縮部材の少なくとも幅方向中間部が、前記内側シート層及び外側シート層に対して非固定とされている、請求項1又は2記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
本発明は、このように内側シート層及び外側シート層に対して非固定の不要弾性伸縮部材を有する場合に特に意義がある。なお、弾性伸縮部材の「非固定」の定義については後述する。
図1〜図6は、パンツタイプ使い捨ておむつの一例100を示している。断面図における点模様部分はその表側及び裏側に位置する各構成部材を接合する接合手段としての接着剤を示しており、ホットメルト接着剤のベタ、ビード、カーテン、サミット若しくはスパイラル塗布、又はパターンコート(凸版方式でのホットメルト接着剤の転写)などにより、あるいは弾性伸縮部材の固定部分はこれに代えて又はこれとともにコームガンやシュアラップ塗布などの弾性伸縮部材の外周面への塗布により形成されるものである。ホットメルト接着剤としては、例えばEVA系、粘着ゴム系(エラストマー系)、オレフィン系、ポリエステル・ポリアミド系などの種類のものが存在するが、特に限定無く使用できる。各構成部材を接合する接合手段としてはヒートシールや超音波シール等の素材溶着による手段を用いることもできる。
内装体200は任意の形状とすることができるが、図示の形態では長方形である。内装体200は、図3〜図5に示されるように、身体側となるトップシート30と、液不透過性シート11と、これらの間に介在された吸収要素50とを備えているものであり、吸収機能を担う本体部である。符号40は、トップシート30を透過した液を速やかに吸収要素50へ移行させるために、トップシート30と吸収要素50との間に設けられた中間シート(セカンドシート)を示しており、符号60は、内装体200の両脇に排泄物が漏れるのを防止するために、内装体200の両側に設けられた、身体側に起立する立体ギャザー60を示している。
トップシート30は、液を透過する性質を有するものであり、例えば、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシートなどを例示することができる。また、このうち不織布は、その原料繊維が何であるかは、特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。例えば、柔軟性、ドレープ性を求めるのであれば、スパンボンド法、スパンレース法が、嵩高性、ソフト性を求めるのであれば、エアスルー法、ポイントボンド法、サーマルボンド法が、好ましい加工方法となる。
トップシート30を透過した液を速やかに吸収体へ移行させるために、トップシート30より液の透過速度が速い、中間シート(「セカンドシート」とも呼ばれている)40を設けることができる。この中間シート40は、液を速やかに吸収体へ移行させて吸収体による吸収性能を高めるばかりでなく、吸収した液の吸収体からの「逆戻り」現象を防止し、トップシート30上を常に乾燥した状態とすることができる。中間シート40は省略することもできる。
液不透過性シート11の素材は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂等からなるプラスチックフィルムや、不織布の表面にプラスチックフィルムを設けたラミネート不織布、プラスチックフィルムに不織布等を重ねて接合した積層シートなどを例示することができる。液不透過性シート11には、ムレ防止の観点から好まれて使用されている不透液性かつ透湿性を有する素材を用いることが好ましい。透湿性を有するプラスチックフィルムとしては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性プラスチックフィルムが広く用いられている。この他にも、マイクロデニール繊維を用いた不織布、熱や圧力をかけることで繊維の空隙を小さくすることによる防漏性強化、高吸水性樹脂または疎水性樹脂や撥水剤の塗工といった方法により、プラスチックフィルムを用いずに液不透過性としたシートも、液不透過性シート11として用いることができる。
立体ギャザー60は、内装体200の両側部に沿って前後方向全体にわたり延在する帯状部材であり、トップシート30上を伝わって横方向に移動する排泄物を遮断し、横漏れを防止するために設けられているものである。本実施の形態の立体ギャザー60は、内装体200の側部から起立するように設けられ、付け根側の部分は幅方向中央側に向かって斜めに起立し、中間部より先端側の部分は幅方向外側に向かって斜めに起立するものである。
吸収要素50は、吸収体56と、この吸収体56の全体を包む包装シート58とを有する。包装シート58は省略することもできる。
吸収体56は、繊維の集合体により形成することができる。この繊維集合体としては、綿状パルプや合成繊維等の短繊維を積繊したものの他、セルロースアセテート等の合成繊維のトウ(繊維束)を必要に応じて開繊して得られるフィラメント集合体も使用できる。繊維目付けとしては、綿状パルプや短繊維を積繊する場合は、例えば100〜300g/m2程度とすることができ、フィラメント集合体の場合は、例えば30〜120g/m2程度とすることができる。合成繊維の場合の繊度は、例えば、1〜16dtex、好ましくは1〜10dtex、さらに好ましくは1〜5dtexである。フィラメント集合体の場合、フィラメントは、非捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維であるのが好ましい。捲縮繊維の捲縮度は、例えば、1インチ当たり5〜75個、好ましくは10〜50個、さらに好ましくは15〜50個程度とすることができる。また、均一に捲縮した捲縮繊維を用いる場合が多い。吸収体56中には高吸収性ポリマー粒子を分散保持させるのが好ましい。
吸収体56には、その一部又は全部に高吸収性ポリマー粒子を含有させることができる。高吸収性ポリマー粒子とは、「粒子」以外に「粉体」も含む。高吸収性ポリマー粒子54としては、この種の使い捨ておむつに使用されるものをそのまま使用でき、例えば500μmの標準ふるい(JIS Z8801−1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)でふるい上に残る粒子の割合が30重量%以下のものが望ましく、また、180μmの標準ふるい(JIS Z8801−1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)でふるい上に残る粒子の割合が60重量%以上のものが望ましい。
包装シート58を用いる場合、その素材としては、ティッシュペーパ、特にクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等を用いることができる。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないシートであるのが望ましい。クレープ紙に換えて不織布を使用する場合、親水性のSMS不織布(SMS、SSMMS等)が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレン複合材などを使用できる。目付けは、5〜40g/m2、特に10〜30g/m2のものが望ましい。
外装体12F,12Bは、前身頃Fを構成する部分である前側外装体12Fと、後身頃Bを構成する部分である後側外装体12Bとからなり、前側外装体12F及び後側外装体12Bは股間側で連続しておらず、前後方向に離間されている。この離間距離12dは150〜250mm程度とすることができる。この離間部分における内装体200の裏面の露出部分の一部(例えば前側外装体12Fと後側外装体12Bとの間に露出する部分の前後方向全体にわたるが、内装体200の前後端まで延びず、また幅方向両側縁も内装体200の両側縁までは達しない程度)又は全体を覆うように、不織布等からなる股間部カバーシート12Mを貼り付けることが望ましいが、省略することもできる。また、図8に示すように、外装体12が、前身頃Fから後身頃Bにかけて股間を通り連続する一体的なものとすることもできる。つまり、前身頃F及び後身頃Bを個別に構成する外装体12F,12Bが前者の形態に相当し、前身頃F及び後身頃Bを一体的に構成する外装体12が後者の形態に相当する。
外装体12F,12Bには、装着者の胴周りに対するフィット性を高めるために、外側シート層12S及び内側シート層12H間に糸ゴム等の細長状の弾性伸縮部材15〜18が所定の伸長率で取り付けられ、胴周り方向に伸縮する伸縮領域A2が形成されている。弾性伸縮部材15〜18としては、合成ゴムを用いても、天然ゴムを用いても良い。
図示形態のウエスト下方部Uや臀部カバー部14のように、吸収体56を有する前後方向範囲に弾性伸縮部材15〜17を設ける場合には、その一部又は全部において吸収体56の幅方向の収縮を防止するために、吸収体56を有する前後方向範囲において吸収体56と幅方向に重なる部分の一部又は全部を含む幅方向中間(好ましくは内外固定部201の全体を含む)が非伸縮領域A1とされ、その幅方向両側が幅方向全体にわたり伸縮領域A2とされる。
弾性伸縮部材の固定用のホットメルト接着剤H1及びズレ止めホットメルト接着剤H2としては、例えばEVA系、粘着ゴム系(エラストマー系)、オレフィン系、ポリエステル・ポリアミド系などの種類のものが存在し、特に限定無く使用できる。ズレ止めホットメルト接着剤H2は、固定用のホットメルト接着剤H1と同じ性質のものを薄く塗布するだけでも良いが、特に保持力が低いものが好ましく、例えば保持力が30〜90分のものが好ましい。また、一般に溶融粘度の低いホットメルト接着剤は保持力が低いため、ズレ止めホットメルト接着剤H2は、温度140℃における溶融粘度が3,000〜7,000mpas、温度160℃における溶融粘度が1,000〜4,000mpasのものが好ましい。このような要件を満たすズレ止めホットメルト接着剤H2はホットメルト接着剤メーカーから容易に入手することができる。
前側外装体12F及び後側外装体12Bの少なくとも一方における非伸縮領域A1には、外側シート層12S及び内側シート層12Hの間に、キャラクター等の表示を有する表示シート25が介在されており、この表示シート25の表示が外側シート層12Sを介して透けて見えるようになっている。表示シート25は、図9〜図12に示すように、外側シート層12Sの内側に隣接するように(外側シート層12Sと後述する不要弾性伸縮部材19との間)に配置されていても、反対に図13に示すように、内側シート層12Hの外側に隣接するように(内側シート層12Hと後述する不要弾性伸縮部材19との間)に配置されていても良い。
明細書中の以下の用語は、明細書中に特に記載が無い限り、以下の意味を有するものである。
Claims (3)
- 前身頃を構成する前側外装体及び後身頃を構成する後側外装体を個別に備え、前記前側外装体及び後側外装体が前後方向に離間されており、
前側外装体から後側外装体にかけて設けられた、吸収体を含む内装体とを備え、
前記前側外装体の両側部と前記後側外装体の両側部とがそれぞれ接合され、
ウエスト開口及び左右一対の脚開口が形成され、
前記前側外装体及び後側外装体の少なくとも一方は、前記吸収体を有する前後方向範囲に、幅方向中間に設けられた非伸縮領域と、この非伸縮領域の幅方向両側に設けられた伸縮領域とを有しており、
前記伸縮領域は、内側シート層と、外側シート層と、これら内側シート層及び外側シート層間に、前後方向に間隔を空けてそれぞれ幅方向に沿って伸長状態で取り付けられた複数本の細長状の弾性伸縮部材とを有する領域であり、
前記非伸縮領域は、前記伸縮領域から連続する内側シート層及び外側シート層と、これら内側シート層及び外側シート層間に介在された、外面から視認可能な表示シート、並びに前記伸縮領域の弾性伸縮部材から連続する切断残部、及び両方の前記伸縮領域の弾性伸縮部材と連続しない弾性伸縮部材の切断片の少なくとも一方からなる不要弾性伸縮部材とを有している、
パンツタイプ使い捨ておむつにおいて;
前記不要弾性伸縮部材よりも股間側かつ前記表示シートよりも股間側に、前記内側シート層及び外側シート層が溶着された溶着部を有している、
ことを特徴とするパンツタイプ使い捨ておむつ。 - 前記溶着部は、前記非伸縮領域の一方の側縁部から前記不要弾性伸縮部材の股間側を経て前記非伸縮領域の他方側の側縁部に至るように、U字状に連続している、請求項1記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
- 前記不要弾性伸縮部材の少なくとも幅方向中間部が、前記内側シート層及び外側シート層に対して非固定とされている、請求項1又は2記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
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