JP6122536B2 - パンツタイプ使い捨ておむつの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、パンツタイプ使い捨ておむつの製造方法に関するものである。
パンツタイプ使い捨ておむつの一形態として、腹側外装体の両側部と、背側外装体の両側部とが接合されて形成された筒状の外装体と、前側の部分が腹側外装体の幅方向中央領域に、及び後側の部分が背側外装体の幅方向中央領域にそれぞれ接合され、装着者の股間を通るように設けられた内装体とを備え、腹側外装体と背側外装体とが連続せずに離間されたものが知られている(例えば特許文献1参照)。このような外装2分割タイプのものは、腹側外装体及び背側外装体が股間側で連続せずに離間されているため、脚を通すための脚開口部を打ち抜かなくて済む、又は打ち抜くとしても小面積で済むといった利点がある。すなわち、切離し片(以下、トリムともいう)は廃棄処分されるため、その資材ロス(以下、トリムロスともいう)を抑えることができる。
このような外装2分割タイプのものを製造する方法としては、腹側外装体及び背側外装体を別々の帯状に連続するシート材で別々に組み立てる手法が一般的であり、特許文献1記載の図1に示す形態もこの方法に分類される。この場合、腹側外装体の組み立てライン及び背側外装体の組み立てラインを平行に設け、平行に移送する必要があり、その分だけ設備が大きく且つ複雑となる。この問題は、特許文献1の0037段落記載のように、1枚の帯状に連続するシート材をMD方向(機械方向、移送方向。これと直交する横方向はCD方向。)に供給しながらその上に弾性伸縮部材を配した後、シート材を折返して弾性伸縮部材を被覆し、次いでこのシート材をMD方向と平行な方向に連続的に切断して腹側伸縮帯及び背側伸縮帯に分割した後、幅方向において離間させ互いに平行に移送することで解決されるが、この場合、シート材を折り返す工程において、幅広のシート材を二つ折りすることとなり、折り返しのための設備(セーラー)が大きくなるだけでなく、皺無く綺麗に折り返すことが困難であるといった問題が残されている。また、腹側外装体及び背側外装体のいずれか一方のウエストの縁が、シート材の折り目(シート材の捲れがないため肌触りに優れる)とならず、肌触りや見栄えが悪化するおそれもある。しかも、特許文献1記載のように、幅広のシート材を二つ折りする場合、折り返し時にシート材の縁がずれ易く、そのズレがおむつのウエストの縁に残るため、肌触りや見栄えの悪化が助長される。
特開2009−061045号公報 特開2009−160129号公報
そこで、本発明の主たる課題は、省スペースかつ簡素な設備での製造を可能としつつ、皺の発生のおそれを低減すること等にある。
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
腹側外装体の両側部と、背側外装体の両側部とが接合された外装体と、
前側の部分が前記腹側外装体の幅方向中央領域に、及び後側の部分が前記背側外装体の幅方向中央領域にそれぞれ接合され、装着者の股間を通るように設けられた内装体と、を備え、
前記腹側外装体と背側外装体とが股間側で連続せずに離間された、パンツタイプ使い捨ておむつの製造方法において、
帯状に連続するシート材がその連続方向に沿って供給され、
前記シート材におけるCD方向中間の部分に、前記腹側外装体及び背側外装体に伸縮性を付与するための弾性伸縮部材が配され、
前記シート材における前記CD方向中間の部分よりもCD方向一方側及び他方側の部分が、前記CD方向中間の部分における前記弾性伸縮部材を有する側にそれぞれ折り返されて、それら折り返された部分及び前記CD方向中間の部分の間に前記弾性伸縮部材が挟まれて固定されるとともに、前記折り返された部分及び前記CD方向中間の部分が、少なくともCD方向に間欠的なパターンで接合されることにより、帯状に連続する伸縮帯が形成され、
前記伸縮帯が、そのCD方向中間位置で切断されることにより、背側伸縮帯及び腹側伸縮帯に分割された後、それら背側伸縮帯及び腹側伸縮帯のCD方向間隔が拡大され、
別途製造された前記内装体がMD方向に間隔を空けて供給され、前記内装体の前側の部分が前記腹側伸縮帯に、及び前記内装体の後側の部分が前記背側伸縮帯に対してそれぞれ接合されることにより、内装組み付け体が形成され、
この内装組み付け体がCD方向に二つ折りされた後に、個々のおむつの両側部となる部分において前記腹側伸縮帯及び背側伸縮帯が接合されるとともに、前記腹側伸縮帯及び背側伸縮帯が個々のおむつの境界において切断されて、個々のおむつが製造され、
前記伸縮帯のCD方向中間位置での切断に際して、前記伸縮帯は、前記折り返された部分及び前記CD方向中間の部分の接合位置を通る位置で切断される、
ことを特徴とする、パンツタイプ使い捨ておむつの製造方法。
(作用効果)
本発明は、一枚のシート材を折って組み立てた伸縮帯を分割して腹側伸縮帯及び背側伸縮帯を形成する点では、特許文献1記載のものと同様であるが、シート材の折り方が、シート材におけるCD方向中間の部分よりもCD方向一方側及び他方側の部分が、CD方向中間の部分における弾性伸縮部材を有する側にそれぞれ折り返される折り方(所謂C折り)とされている。よって、シート材の折り幅は格段に狭くて済むため、折り返しのための設備(セーラー)がコンパクトとなり、皺無く綺麗に折り返すことが容易となる。また、腹側外装体及び背側外装体の両方のウエストの縁が、シート材の折り目となるため、ウエストの縁の肌触りや見栄えに優れたものとなる。
また、シート材の折り返し接合位置を通る位置で伸縮帯切断することにより、腹側外装体及び背側外装体の脚側の縁は、シート材のズレなく形成され、また捲れ難くなるため、肌触りが良好となる。
<請求項2記載の発明>
前記伸縮帯の形成に際して、前記折り返された部分及び前記CD方向中間の部分が、少なくともCD方向に間欠的な面状パターンで塗布されたホットメルト接着剤を介して接合される、請求項1記載のパンツタイプ使い捨ておむつの製造方法。
<請求項3記載の発明>
前記伸縮帯の形成に際して、CD方向一方側の前記折り返された部分の端部、及びCD方向他方側の前記折り返された部分の端部が重ねられた重なり部分が形成されるように、前記シート材における前記CD方向一方側及び他方側の部分がそれぞれ折り返される、
請求項1又は2記載のパンツタイプ使い捨ておむつの製造方法。
(作用効果)
このように折り返された部分同士の端部を重ねると、端部の段差の数が減るため見栄えが良くなるとともに、外装体の一部が単層のシート材から形成されることによる強度低下を回避することができる。
<請求項4記載の発明>
前記シート材における前記重なり部分の一部又は全部と対応する領域に、前記弾性伸縮部材及びその固定手段、並びに前記シート材同士の接合手段が設けられず、この領域におけるシート材同士の接合が前記腹側伸縮帯と背側伸縮帯との接合のみによってなされる、請求項3記載のパンツタイプ使い捨て紙おむつの製造方法。
折り返された部分同士の重なり部分は厚く剛性の高い部分となるため、その部分に弾性伸縮部材やその固定手段(接着剤等)があると、通気性及び柔軟性が低下する。よって、上述のように、シート材における重なり部分の一部又は全部と対応する領域には、弾性伸縮部材及びその固定手段、並びにシート材同士の接合手段を設けずに、通気性及び柔軟性を向上させることも好ましい。このように形成した領域でも、腹側伸縮帯と背側伸縮帯との接合により外装体の各層は互いに接合されるため、おむつ全体の強度は大きく低下することがない。
<請求項5記載の発明>
前記伸縮帯の形成に際して、CD方向一方側の前記折り返された部分、及びCD方向他方側の前記折り返された部分がCD方向に離間するように、前記シート材における前記CD方向一方側及び他方側の部分がそれぞれ折り返される、請求項1又は2記載のパンツタイプ使い捨ておむつの製造方法。
(作用効果)
これにより、折り返された部分の間の離間部分では、腹側外装体及び背側外装体の少なくとも一方の少なくとも一部が単層のシート材からなるため、この離間部分により通気性及び柔軟性を向上させることができる。
<請求項6記載の発明>
前記折り返された部分がおむつの内側に位置される、請求項1〜5のいずれか1項に記載のパンツタイプ使い捨ておむつの製造方法。
(作用効果)
折り返された部分は、端部を重ねるにしても、突き合わせるにしても、また離間させるにしても、段差や継ぎ目、あるいはフラップが形成されるが、これをおむつの内側に位置するようにしておけば、外観上目立つことがない。
<請求項7記載の発明>
前記折り返された部分がおむつの外側に位置される、請求項1〜5のいずれか1項に記載のパンツタイプ使い捨ておむつの製造方法。
(作用効果)
折り返された部分は、端部を重ねるにしても、突き合わせるにしても、また離間させるにしても、段差や継ぎ目、あるいはフラップが形成されるが、これをおむつの外側に配置して外観上のアクセントとして美観向上に利用することも可能である。例えば、積極的にフラップを形成してフリルやポケットを形成することも可能である。
<請求項8記載の発明>
前記伸縮帯の形成後、前記伸縮帯が前記背側伸縮帯及び腹側伸縮帯に分割される前に、前記背側伸縮帯となる領域の前記弾性伸縮部材の一部及び腹側伸縮帯となる領域の前記弾性伸縮部材の一部が細く分断化される、請求項1〜7のいずれか1項に記載のパンツタイプ使い捨ておむつの製造方法。
(作用効果)
パンツタイプ使い捨ておむつの一般的な製法では、内装体を組み付ける前に、弾性伸縮部材における内装体と重なる部分を切断やヒートエンボス等の方法により細かく分断化したりすることが行われている。この弾性伸縮部材の分断化領域は、おむつの幅方向中央に位置し、その左右が伸縮性を有する範囲となる。しかし、背側伸縮帯及び腹側伸縮帯に分割した後に弾性伸縮部材の分断化を行うと、背側伸縮帯及び腹側伸縮帯間で分断化領域のMD方向位置が僅かにズレるおそれがある。このようなズレにより、左右の伸縮性を有する範囲の位置もズレるため、見栄えはもちろん、装着バランスが崩れやすくなるおそれもある。これに対して、上述のように、背側伸縮帯及び腹側伸縮帯に分割される前に、弾性伸縮部材の分断化を行えば、背側伸縮帯及び腹側伸縮帯間で分断化領域のMD方向位置が揃うようになる。また、糸ゴム分断化の設備をコンパクトにできるという利点もある。
<請求項9記載の発明>
前記伸縮帯の形成、及び前記伸縮帯の前記背側伸縮帯及び腹側伸縮帯への分割により、前記背側伸縮帯及び腹側伸縮帯の少なくとも一方における少なくともCD方向中央側の端部を、前記シート材が複数層積層された領域とし、この領域内で脚開口部の縁を曲線状とするための切り落としを行う、請求項1〜8のいずれか1項に記載のパンツタイプ使い捨ておむつの製造方法。
(作用効果)
このように、脚開口部の縁を曲線状とするための切り落とし部分が、その全体にわたりシート材が2層又は3層とされ、単層の離間部分を含まないと、切断位置を含む部位のシート材の層数が多く、弾性部材取付工程でシート材相互が接合されているため、切断対象の剛性が高くなり、切断し易く(切断時のズレが発生し難く)、操業安定性が高いものとなる。
以上のとおり、本発明によれば、省スペースかつ簡素な設備での製造を可能としつつ、皺の発生のおそれを低減できる等の利点がもたらされる。
製造フローを概略的に示す平面図である。 製造フローを概略的に示す平面図である。 製造フローを概略的に示す平面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの要部縦断面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの内面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの外面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 図1の3−3断面図である。 図1の4−4断面図である。 図1の5−5断面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの要部のみを寸法とともに示す、断面図である。 製造フローを概略的に示す平面図である。 製造フローを概略的に示す平面図である。
以下、本発明の一実施形態について添付図面を参照しながら詳説する。
<パンツタイプ使い捨ておむつの製造方法例>
図1及び図2は、パンツタイプ使い捨ておむつの製造方法の一例を示している。この製造ラインは、おむつ幅方向がMD方向(マシンディレクション、ライン流れ方向)となる横流れ形態となっており、ここで腹側外装体12Fとなる腹側伸縮帯12f及び背側外装体12Bとなる背側伸縮帯12bが形成されるとともに、別のラインで製造された内装体200が腹側伸縮帯12f及び背側伸縮帯12bに取り付けられる。なお、説明を判り易くするために、製造過程で連続している部材についても、製造後の部材と同じ符号を用いている。
より詳細に説明すると、この製造ラインは、弾性部材取付工程301、弾性部材切断工程302、センタースリット工程303、脚開口部切断分割工程304、内装体取付工程305、折り畳み工程306、側部接合工程307、及び切り離し工程308を有しており、このうち主に弾性部材取付工程301が従来と比べて特徴的な工程となっている。
すなわち、弾性部材取付工程301では、所定の幅で帯状に連続するシート材12Sがその連続方向に沿って移送されつつ、シート材12SのCD方向中間の部分12cに、腹側外装体12F及び背側外装体12Bに伸縮性を付与するための多数の弾性伸縮部材15〜18がCD方向に間隔を空けてかつMD方向に伸張された状態で供給され、シート材12SにおけるCD方向中間の部分12cよりもCD方向一方側及び他方側の部分12rが、CD方向中間の部分12cにおける弾性伸縮部材15〜18を有する側にそれぞれ折り返されて、それら折り返された部分12r及びCD方向中間の部分12cの間に弾性伸縮部材15〜18が挟まれて固定されるとともに、折り返された部分12r及びCD方向中間の部分12cが接合されることにより、帯状に連続する伸縮帯が形成される。
この弾性部材取付工程301におけるシート材12Sの折り方は、シート材12SにおけるCD方向中間の部分12cよりもCD方向一方側及び他方側の部分12rが、CD方向中間の部分12cにおける弾性伸縮部材15〜18を有する側にそれぞれ折り返される折り方(所謂C折り)とされている。よって、シート材12Sの折り幅は格段に狭くて済むため、折り返しのための設備(セーラー)がコンパクトとなり、皺無く綺麗に折り返すことが容易となる。また、後述の製品状態からも分かるように、腹側外装体12F及び背側外装体12Bの両方のウエストの縁が、シート材12Sの折り目となるため、ウエストの縁の肌触りや見栄えに優れたものとなる。
シート材12Sの折り方としては、図1に示されるようにCD方向一方側の折り返された部分12r、及びCD方向他方側の折り返された部分12rがCD方向に離間され、離間部分12dが形成される形態の他、図4(d)(e)(f)及び図12に示されるように、CD方向一方側の折り返された部分12rの端部、及びCD方向他方側の折り返された部分12rの端部が重ねられ、三層部分12kが形成される形態を採用することもできる。
弾性伸縮部材15〜18の固定は、弾性伸縮部材15〜18の外面にホットメルト接着剤を塗布しておき、この接着剤によりシート材12Sに固定する他、シート材12Sにホットメルト接着剤を塗布しておき、そこに弾性伸縮部材15〜18を挟むこともできる。弾性伸縮部材15〜18は長手方向全体をシート材12Sに固定する他、個々のおむつにおいて幅方向両端部となる位置のみ固定することもできる。
シート材12Sにおける折り返された部分12r及びCD方向中間の部分12c間の接合は、ホットメルト接着剤により行う他、ヒートシールや超音波溶着等の溶着手段により行うことができ、接合パターンは特に限定されず、MD方向及びCD方向の両方向に連続することもできるが、通気性や柔軟性を向上させるために、MD方向及びCD方向の少なくとも一方には間欠的に接合するパターンとすることが好ましい。例えばホットメルト接着剤により接合する場合、隙間のない面状に塗布できるスロットコート、隙間のある面状に塗布できるスパイラルコートやカーテンコートといった、一般に知られる種々の塗布方法を用い、任意の塗布パターンで接合することができ、前述の弾性伸縮部材15〜18に外面に塗布したホットメルト接着剤を介してシート材12S同士を接合することも可能である。弾性伸縮部材15〜18の固定とシート材12Sの折り返し部分の接合は同じ位置でかつ同じ固定手段で行う他、別の位置で同じ又は別の手段で行うこともできる。
このようにして形成された伸縮帯に対しては、後述するセンタースリット工程303に先立ち、必要に応じて弾性部材切断工程302が行われ、MD方向に所定の間隔を空けて、背側伸縮帯12bとなる領域の弾性伸縮部材15〜18及び腹側伸縮帯12fとなる領域の弾性伸縮部材15〜18の各一部CT(例えば後述の内装体200と重なる部分の一部又は全部)が切断やヒートエンボス等の方法により細く分断化され、当該部分CTにおいて弾性伸縮部材15〜1815〜18の伸縮力が作用しない状態とされる。この分断化は、図11に示すように後述するセンタースリット工程303の後に行うこともできるが、その場合は、背側伸縮帯12b及び腹側伸縮帯12f間で分断化領域のMD方向位置がズレ易くなり、分断化の設備も大きくなるため、センタースリット工程303に先立ち行うことが好ましい。弾性部材切断工程302は省略することもできる。
次いで、センタースリット工程303では、スリッターにより、伸縮帯がそのCD方向中間の所定部位SLで切断されることにより、背側伸縮帯12b及び腹側伸縮帯12fに分割され、背側伸縮帯12b及び腹側伸縮帯12fのCD方向間隔が所定距離まで拡大される。スリット位置SLは、伸縮帯のCD方向中央でも、腹側または背側に偏る位置でもよいが、一般的なパンツタイプ使い捨ておむつがそうであるように、スリット位置SLが腹側に偏るようにし、腹側伸縮帯12fよりも背側伸縮帯12bのほうを幅広とするのが好ましい。特に、スリット位置SLは、図3及び図11に示すように、シート材12Sの折り返し部分及び非折り返し部分が重なる二層部分におけるCD方向中間の所定部位とする他、図12に示すように、CD方向一方側の折り返された部分12rの端部、及びCD方向他方側の折り返された部分12rの端部が重なって三層部分12kが形成される形態では、当該三層部分12kのCD方向中間の所定部位とすると、スリット位置SLを含む部位のシート材12Sの層数が多いため、切断対象の剛性が高くなり、切断し易く(切断時のズレが発生し難く)、操業安定性が高いものとなる。また、スリット位置SLを含む部位で重なるシート材12Sがホットメルト接着剤等で相互に接合されており、そのパターンがスリット位置SLを跨ぐようなパターン(例えば、ベタ、カーテン、サミット若しくはスパイラル等のパターン)であると、切断時にシート材12S同士がズレることがないため、さらに切断し易く、操業安定性が高いものとなる。
センタースリット工程303の後に、脚開口部切断分割工程304が行われ、背側伸縮帯12b及び腹側伸縮帯12fの少なくとも一方(図示形態では背側伸縮帯12b)のCD方向中央側端縁(脚開口部LOの縁となる部分)が部分的又は全体に曲線状をなすように切断位置LGで切り落とされる。この切り落とされる部分は、図1に示す形態のようにシート材12Sが単層の離間部分12dを含んでいても良いが、図3及び図11に示す形態のように、切り落とされる部分を含むCD方向中央側の端部を、シート材12が複数層積層された(単層の離間部分を含まない)領域とし、この領域内で脚開口部の縁を曲線状とするための切り落としを行うと、切断位置LGを含む部位のシート材12Sの層数が多く、弾性部材取付工程301でシート材12S相互が接合されているため、切断対象の剛性が高くなり、切断し易く(切断時のズレが発生し難く)、操業安定性が高いものとなる。特に、前述のようにスリット位置SLを含む部位がスリット位置SLを跨ぐパターンで接合されていると、切断の最初の段階で切断刃がスリット位置SLに当たった時に(スリット位置SLと切断位置LGの交差部分において)、シート材12S同士がズレることがないため、さらに切断し易く、操業安定性が高いものとなる。脚開口部切断分割工程304は、センタースリット工程303と切り離し工程308との間であればどの工程の間でも行うことができる。トリムロスを完全になくすために、脚開口部切断分割工程304は省略することもできる。
しかる後、内装体取付工程305では、予め別ラインで製造しておいた内装体200がMD方向に所定の間隔を空けて供給され、内装体200の前側の部分が腹側伸縮帯12fに、及び内装体200の後側の部分が背側伸縮帯12bに対してそれぞれ接合されることにより、内装組み付け体が形成される。これらの接合はホットメルト接着剤やヒートシール等の適宜手段により行うことができる。また、内装体200は、別ラインで完全体に形成されたものを供給してもよいし、別ラインで複数のパーツとして形成されたものを個別に供給し、伸縮体12f,12b上で組み上げるようにしてもよい。
そして、折り畳み工程306において、腹側伸縮帯12fにおける内装体200の取り付け面と、背側伸縮帯12bにおける内装体200の取り付け面とが重なるように、内装組み付け体がCD方向中央で折り畳まれた後、側部接合工程307において、個々のおむつの両側部となる部分において腹側伸縮帯12f及び背側伸縮帯12bが接合されてサイドシール部12Aが形成され、切り離し工程308において、腹側伸縮帯12f及び背側伸縮帯12bを個々のおむつの境界において切断されて、個々のおむつDPが得られる。側部接合工程307及び切り離し工程308は同時的に行うことができる。なお、腹側伸縮帯12fと背側伸縮帯12bの幅が一致しない場合、サイドシール部12Aは、両伸縮帯12f,12bが重なっている部分のみに形成してもよいし、どちらか広いほうに形成される余剰部分を含めた全体に亘って形成してもよい。
以上の製造手法により製造可能な外装体12F,12Bの構造例が図4(b)〜(f)に示されている。なお、図4(a)は、特許文献1の0037段落記載の形態である。
第1の形態は、図1に示される手法により製造されるものであり、伸縮帯の形成に際して、CD方向一方側の折り返された部分12r、及びCD方向他方側の折り返された部分12rがCD方向に離間するように、シート材12SにおけるCD方向一方側及び他方側の部分12rがそれぞれ折り返されることにより、図4(b)に示されるように、折り返された部分12rの間の離間部分12dでは、腹側外装体12F及び背側外装体12Bの少なくとも一方の少なくとも一部が単層のシート材12Sからなるため、この離間部分12dにより通気性及び柔軟性が向上するものである。
第2の形態は、図3に示されるように、折り返された部分12rの間の離間部分12dの位置が、センタースリット工程303のスリット位置SLに対してCD方向一方(おむつにおける腹側又は背側。図示例では背側。)に偏っている形態である。この場合、図4(c)に示されるように、腹側外装体12F及び背側外装体12Bの脚側の縁がともに二層構造の切断縁となり、層間剥離や層の捲れが発生し難いという利点がある。
第3の形態は、第2の形態の変形形態であり、図3に示される製法において、伸縮帯の形成に際して、CD方向一方側の折り返された部分12rの端部、及びCD方向他方側の折り返された部分12rの端部が重ねられて、図4(d)に示されるように、重なり部分12wが形成される形態である。このように折り返された部分12r同士の端部を重ねると、端部の段差の数が減るため見栄えが良くなるとともに、外装体12F,12Bの一部が単層のシート材12Sから形成されることによる強度低下を回避することができる。
また、第1〜第3の形態では、伸縮帯の形成に際して折り返された部分12rがおむつの内側に位置されている。これにより、折り返された部分12rは、端部を重ねるにしても、突き合わせるにしても、また離間させるにしても、段差や継ぎ目、あるいはフラップが形成されるが、これをおむつの内側に位置するようにしておけば、外観上目立つことがない。ただし、図4(d)のような重なり部分12wが形成される場合においては、図示例とは逆に、重なり部分12wの自由縁部が股側を向くように形成すると、パンツ装着時において、重なり部分12wの自由縁部が着用者の足の指に引っかかることがないので、好ましい。
第4の形態は、第1〜3の形態と反対に、図4(e)に示されるように、伸縮帯の形成に際して折り返された部分12rがおむつの外側に位置される形態である。これにより、折り返された部分12rにより形成される段差や継ぎ目、あるいはフラップを、おむつの外観上のアクセントとして美観向上に利用することが可能である。例えば、図4(f)に示される第5の形態のように、重なり部分12wにおける外側の縁部を内側の縁部と接合せずに自由な縁部とすることにより、重なり部分12wの外側の縁部が脚側に向いて、かつフリルのように自由に動くことができるようになる。詳細な図示はしないが、図4(f)においては重なり部分12wの脚側は、背側外装体12Bの脚側縁部に位置するため、サイドシール部12Aが両伸縮帯の重なっている部分のみに形成されたものであると、重なり部分12wの脚側の少なくとも一部はサイドシール部12Aによって背側外装体12Bに接合されないため、重なり部分12wの縁部の自由度が増し、より美観に優れたものとなる。あるいは、図示しないが、腹側外装体12A(背側外装体12Bでも良い)に重なり部分12wを設けるとともに、重なり部分12wの外側の縁部がウエスト側を向くように形成すると、重なり部分12wによりポケット状部分を形成することも可能である。この場合、重なり部分12wはサイドシール部12Aによってほぼ全体が接合されるため、ポケットとしての機能を損なうことがない。
第3及び第4の形態のように、重なり部分12wを設ける場合、重なり部分12wは厚く剛性の高い部分であるため、その部分に弾性伸縮部材15〜18やその固定手段(接着剤HM等)があると、通気性及び柔軟性が低下する。よって、シート材12Sにおける重なり部分12wの一部又は全部と対応する領域に、弾性伸縮部材15〜18及びその固定手段(接着剤HM等)、並びにシート材12S同士の接合手段(接着剤HM等)設けずに、通気性及び柔軟性を向上させることも好ましい。弾性伸縮部材15〜18及びその固定手段(接着剤HM等)、並びにシート材12S同士の接合手段を設けないのは、シート材12Sにおいて重なり部分12wを構成する層のみでもよいが、当該部分を形成する外装体12F,12Bの全ての層において、弾性伸縮部材及びその固定手段、並びにシート材同士を接合する接合手段を設けないようにするのが特に好ましい。そのように形成しても、外装体12F,12Bの各層は、少なくともサイドシール部12Aによって相互に接合することが可能であるため、強度を大きく低下させることなく、重なり部分12wの通気性及び柔軟性を向上させることができる。
弾性伸縮部材15〜18やその固定手段はもちろん、折り返された部分12rとCD方向中間の部分12cの接合手段も、通気性や柔軟性に関係するため、前述したように、シート材12Sの接合はMD方向及びCD方向の少なくとも一方には間欠的に接合するパターンが好ましい。しかしCD方向に間欠的なパターンでシート材12Sの接合を行う場合、センタースリット工程303のスリット位置SLがシート材12Sの接合位置以外であると、腹側外装体12F及び背側外装体12Bの脚側の縁は、シート材12Sにズレが発生したり、捲れやすくなったりし、肌触りが悪化する恐れがある。よって、伸縮帯の切断に際して、伸縮帯は、折り返された部分及びCD方向中間の部分12cの接合位置を通る位置で切断されることが好ましい。これにより、腹側外装体12F及び背側外装体12Bの脚側の縁は、シート材12Sのズレなく形成され、また捲れ難くなるため、肌触りが良好となる。
<パンツタイプ使い捨ておむつの例>
次に上述の製造方法により製造可能な、パンツタイプ使い捨ておむつの具体例について説明する。
図5〜図10は、パンツタイプ使い捨ておむつの一例を示している。このパンツタイプ使い捨ておむつは、腹側外装体12Fの幅方向両側縁と背側外装体12Bの幅方向両側縁とが、上下方向全体にわたりヒートシールや超音波溶着等により接合されて筒状の外装体12F,12Bが形成されるとともに、外装体12F,12Bにおける腹側外装体12Fの幅方向中央部内面に内装体200の前端部がホットメルト接着剤等により連結されるとともに、背側外装体12Bの幅方向中央部内面に内装体200の後端部がホットメルト接着剤等により連結されている。符号12Aは腹側外装体12Fと背側外装体12Bとの接合部(サイドシール部)を示している。また、符号Yは展開状態におけるおむつの全長(前身頃Fのウエスト開口部の縁から後身頃Bのウエスト開口部の縁までの縦方向長さ)を示しており、符号Xは展開状態におけるおむつの全幅を示している。
内装体200は、尿等の排泄物等を吸収保持する部分であり、外装体12F,12Bは着用者の身体に対して内装体200を支えるための部分である。なお、図中の点模様部分は各構成部材を接合するホットメルト接着剤を示しているが、対象部材の溶着により接合を行う溶着手段を用いることもできる。ホットメルト接着剤は、ベタ、ビード、カーテン、サミット若しくはスパイラル等のパターンで塗布する他、弾性伸縮部材の固定部分はこれに代えて又はこれとともにコームガンやシュアラップ塗布などの弾性伸縮部材の外周面への塗布を採用することもできる。
外装体12F,12Bの上部開口は、装着者の胴を通すウエスト開口部となり、内装体200の幅方向両側において外装体12F,12Bの下縁および内装体200の側縁によりそれぞれ囲まれる部分が脚を通す脚開口部となる。外装体12F,12Bの各溶着部12Aを剥がして展開した状態では、図1、図2に示すように前後方向中間が括れた形状をなす。内装体200は、背側から股間部を通り腹側までを覆うように延在するものであり、排泄物を受け止めて液分を吸収し保持する部分であり、外装体12F,12Bは内装体200を装着者に対して支持する部分である。
(内装体)
内装体200は任意の形状を採ることができるが、図示の形態では長方形である。内装体200は、図7〜図9に示されるように、身体側となるトップシート30と、液不透過性シート11と、これらの間に介在された吸収要素50とを備えているものであり、吸収機能を担う本体部である。符号40は、トップシート30を透過した液を速やかに吸収要素50へ移行させ、逆戻りを防止するために、トップシート30と吸収要素50との間に設けられた中間シート(セカンドシート)を示しており、符号60は、内装体200の両脇に排泄物が漏れるのを防止するために、内装体200の両側に設けられた、身体側に起立する立体ギャザー60を示している。
(トップシート)
トップシート30は、液を透過する性質を有するものであり、例えば、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシートなどを例示することができる。また、このうち不織布は、その原料繊維が何であるかは、特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。例えば、柔軟性、ドレープ性を求めるのであれば、スパンボンド法、スパンレース法が、嵩高性、ソフト性を求めるのであれば、エアスルー法、ポイントボンド法、サーマルボンド法が、好ましい加工方法となる。
また、トップシート30は、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートを貼り合せて得た積層シートからなるものであってもよい。同様に、トップシート30は、平面方向に関して、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートからなるものであってもよい。
立体ギャザー60を設ける場合、トップシート30の両側部は、液不透過性シート11と立体ギャザー60との間を通して、吸収要素50の裏側まで回りこませ、液の浸透を防止するために、液不透過性シート11及び立体ギャザー60に対してホットメルト接着剤等により接着するのが好ましい。
(中間シート)
トップシート30を透過した液を速やかに吸収体へ移行させるために、トップシート30より液の透過速度が速い、中間シート(「セカンドシート」とも呼ばれている)40を設けることができる。この中間シート40は、液を速やかに吸収体へ移行させて吸収体による吸収性能を高めるばかりでなく、吸収した液の吸収体からの「逆戻り」現象を防止し、トップシート30上を常に乾燥した状態とすることができる。中間シート40は省略することもできる。
中間シート40としては、トップシート30と同様の素材や、スパンレース、スパンボンド、SMS、パルプ不織布、パルプとレーヨンとの混合シート、ポイントボンド又はクレープ紙を例示できる。特にエアスルー不織布が嵩高であるため好ましい。エアスルー不織布には芯鞘構造の複合繊維を用いるのが好ましく、この場合芯に用いる樹脂はポリプロピレン(PP)でも良いが剛性の高いポリエステル(PET)が好ましい。目付けは20〜80g/m2が好ましく、25〜60g/m2がより好ましい。不織布の原料繊維の太さは2.2〜10dtexであるのが好ましい。不織布を嵩高にするために、原料繊維の全部又は一部の混合繊維として、芯が中央にない偏芯の繊維や中空の繊維、偏芯且つ中空の繊維を用いるのも好ましい。
図示の形態の中間シート40は、吸収体56の幅より短く中央に配置されているが、全幅にわたって設けてもよい。中間シート40の長手方向長さは、吸収体56の長さと同一でもよいし、液を受け入れる領域を中心にした短い長さ範囲内であってもよい。
(液不透過性シート)
液不透過性シート11の素材は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂等からなるプラスチックフィルムや、不織布の表面にプラスチックフィルムを設けたラミネート不織布、プラスチックフィルムに不織布等を重ねて接合した積層シートなどを例示することができる。液不透過性シート11には、近年、ムレ防止の観点から好まれて使用されている不透液性かつ透湿性を有する素材を用いることが好ましい。透湿性を有するプラスチックフィルムとしては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性プラスチックフィルムが広く用いられている。このほかにも、マイクロデニール繊維を用いた不織布、熱や圧力をかけることで繊維の空隙を小さくすることによる防漏性強化、高吸水性樹脂または疎水性樹脂や撥水剤の塗工といった方法により、プラスチックフィルムを用いずに液不透過性としたシートも、液不透過性シート11として用いることができる。
液不透過性シート11は、防漏性を高めるために、吸収要素50の両側を回りこませて吸収要素50のトップシート30側面の両側部まで延在させるのが好ましい。この延在部の幅は、左右それぞれ5〜20mm程度が適当である。
また、液不透過性シート11の内側、特に吸収体56側面に、液分の吸収により色が変化する排泄インジケータを設けることができる。
(立体ギャザー)
立体ギャザー60は、内装体200の両側部に沿って前後方向全体にわたり延在する帯状部材であり、トップシート30上を伝わって横方向に移動する尿や軟便を遮断し、横漏れを防止するために設けられているものである。本実施の形態の立体ギャザー60は、内装体200の側部から起立するように設けられ、付け根側の部分は幅方向中央側に向かって斜めに起立し、中間部より先端側の部分は幅方向外側に向かって斜めに起立するものである。
より詳細には、立体ギャザー60は、内装体200の前後方向長さに等しい長さを有する帯状のギャザーシート62を幅方向に折り返して二つに折り重ねるとともに、折り返し部分及びその近傍のシート間に、細長状弾性伸縮部材63を長手方向に沿って伸長状態で、幅方向に間隔をあけて複数本固定してなるものである。立体ギャザー60のうち先端部と反対側に位置する基端部(幅方向においてシート折り返し部分と反対側の端部)は内装体200の側縁部の裏面に固定された取付部分65とされ、この取付部分65以外の部分は取付部分65から突出する突出部分66(折り返し部分側の部分)とされている。また、突出部分66は、幅方向中央側に向かう付け根側部分と、この付け根側部分の先端から幅方向外側に折り返された先端側部分とからなる。この形態は面接触タイプの立体ギャザーであるが、幅方向外側に折り返されない線接触タイプの立体ギャザー(図示略)も採用することができる。そして、突出部分66のうち前後方向両端部が倒伏状態でトップシート30の側部表面に対してホットメルト接着剤やヒートシールにより固定された前後固定部67とされる一方で、これらの間に位置する前後方向中間部は非固定の自由部分とされ、この自由部分に前後方向に沿う細長状弾性部材63が伸長状態で固定されている。
ギャザーシート62としてはスパンボンド不織布(SS、SSS等)やSMS不織布(SMS、SSMMS等)、メルトブロー不織布等の柔軟で均一性・隠蔽性に優れた不織布に、必要に応じてシリコンなどにより撥水処理を施したものを好適に用いることができ、繊維目付けは10〜30g/m2程度とするのが好ましい。細長状弾性伸縮部材63としては糸ゴム等を用いることができる。スパンデックス糸ゴムを用いる場合は、太さは470〜1240dtexが好ましく、620〜940dtexがより好ましい。固定時の伸長率は、150〜350%が好ましく、200〜300%がより好ましい。また、図示のように、二つに折り重ねたギャザーシート62の間に防水フィルム64を介在させることもできる。
立体ギャザー60の自由部分に設けられる細長状弾性伸縮部材63の本数は2〜6本が好ましく、3〜5本がより好ましい。配置間隔60dは3〜10mmが適当である。このように構成すると、細長状弾性伸縮部材63を配置した範囲で肌に対して面で当たりやすくなる。先端側だけでなく付け根側にも細長状弾性伸縮部材63を配置しても良い。
立体ギャザー60の取付部分65の固定対象は、内装体200におけるトップシート30、液不透過性シート11、吸収要素50等適宜の部材とすることができる。
かくして構成された立体ギャザー60では、細長状弾性伸縮部材63の収縮力が前後方向両端部を近づけるように作用するが、突出部分66のうち前後方向両端部が起立しないように固定されるのに対して、それらの間は非固定の自由部分とされているため、自由部分のみが図7に示すように身体側に起立する。特に、取付部分65が内装体200の裏面側に位置していると、股間部及びその近傍において立体ギャザー60が幅方向外側に開くように起立するため、立体ギャザー60が脚周りに面で当接するようになり、フィット性が向上するようになる。
立体ギャザー60の寸法は適宜定めることができるが、乳幼児用紙おむつの場合は、例えば図10に示すように、立体ギャザー60の起立高さ(展開状態における突出部分66の幅方向長さ)W6は15〜60mm、特に20〜40mmであるのが好ましい。また、立体ギャザー60をトップシート30表面と平行になるように、平坦に折り畳んだ状態において最も内側に位置する折り目間の離間距離W3は60〜190mm、特に70〜140mmであるのが好ましい。
なお、図示形態と異なり、内装体200の左右各側において立体ギャザー60を二重に(二列)設けることもできる。
(吸収要素)
吸収要素50は、吸収体56と、この吸収体56の全体を包む包装シート58とを有する。包装シート58は省略することもできる。
(吸収体)
吸収体56は、繊維の集合体により形成することができる。この繊維集合体としては、綿状パルプや合成繊維等の短繊維を積繊したものの他、セルロースアセテート等の合成繊維のトウ(繊維束)を必要に応じて開繊して得られるフィラメント集合体も使用できる。繊維目付けとしては、綿状パルプや短繊維を積繊する場合は、例えば100〜300g/m2程度とすることができ、フィラメント集合体の場合は、例えば30〜120g/m2程度とすることができる。合成繊維の場合の繊度は、例えば、1〜16dtex、好ましくは1〜10dtex、さらに好ましくは1〜5dtexである。フィラメント集合体の場合、フィラメントは、非捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維であるのが好ましい。捲縮繊維の捲縮度は、例えば、1インチ当たり5〜75個、好ましくは10〜50個、さらに好ましくは15〜50個程度とすることができる。また、均一に捲縮した捲縮繊維を用いる場合が多い。吸収体56中には高吸収性ポリマー粒子を分散保持させるのが好ましい。
吸収体56は長方形形状でも良いが、図6に示すように、前端部、後端部及びこれらの間に位置し、前端部及び後端部と比べて幅が狭い括れ部とを有する形状を成していると、吸収体56自体と立体ギャザー60の、脚周りへのフィット性が向上するため好ましい。
また、吸収体56の寸法は適宜定めることができるが、前後方向及び幅方向において、内装体の周縁部又はその近傍まで延在しているのが好ましい。なお、符号56Xは吸収体56の幅を示している。
(高吸収性ポリマー粒子)
吸収体56には、その一部又は全部に高吸収性ポリマー粒子を含有させることができる。高吸収性ポリマー粒子とは、「粒子」以外に「粉体」も含む。高吸収性ポリマー粒子54としては、この種の吸収性物品に使用されるものをそのまま使用でき、例えば500μmの標準ふるい(JIS Z8801−1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)でふるい上に残る粒子の割合が30重量%以下のものが望ましく、また、180μmの標準ふるい(JIS Z8801−1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)でふるい上に残る粒子の割合が60重量%以上のものが望ましい。
高吸収性ポリマー粒子の材料としては、特に限定無く用いることができるが、吸水量(JIS K7223−1996「高吸水性樹脂の吸水量試験方法」)が40g/g以上のものが好適である。高吸収性ポリマー粒子としては、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体などのものを用いることができる。高吸収性ポリマー粒子の形状としては、通常用いられる粉粒体状のものが好適であるが、他の形状のものも用いることができる。
高吸収性ポリマー粒子としては、吸水速度(JIS K7224−1996高吸水性樹脂の吸水速度試験方法)が40秒以下のものが好適に用いられる。吸水速度が40秒を超えると、吸収体56内に供給された液が吸収体56外に戻り出てしまう所謂逆戻りを発生し易くなる。
高吸収性ポリマー粒子の目付け量は、当該吸収体56の用途で要求される吸収量に応じて適宜定めることができる。したがって一概には言えないが、50〜350g/m2とすることができる。ポリマーの目付け量が50g/m2未満では、吸収量を確保し難くなる。350g/m2を超えると、効果が飽和する。
必要であれば、高吸収性ポリマー粒子は、吸収体56の平面方向で散布密度あるいは散布量を調整できる。たとえば、液の排泄部位を他の部位より散布量を多くすることができる。男女差を考慮する場合、男用は前側の散布密度(量)を高め、女用は中央部の散布密度(量)を高めることができる。また、吸収体56の平面方向において局所的(例えばスポット状)にポリマーが存在しない部分を設けることもできる。
(包装シート)
包装シート58を用いる場合、その素材としては、ティッシュペーパ、特にクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等を用いることができる。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないシートであるのが望ましい。クレープ紙に換えて不織布を使用する場合、親水性のSMS不織布(SMS、SSMMS等)が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレン複合材などを使用できる。目付けは、5〜40g/m2、特に10〜30g/m2のものが望ましい。
包装シート58の包装形態は適宜定めることができるが、製造容易性や前後端縁からの高吸収性ポリマー粒子の漏れ防止等の観点から、吸収体56の表裏面及び両側面を取り囲むように筒状に巻き付け、且つその前後縁部を吸収体56の前後から食み出させ、この食み出し部分を表裏方向に潰してホットメルト接着剤等の接合手段により接合する形態が好ましい。
(股間部カバーシート)
内装体における液不透過性シートの裏面には、内装体の露出部分の一部(例えば腹側外装体と背側外装体との間に露出する部分の前後方向全体にわたるが、内装体の前後端まで延びず、また幅方向両側縁も内装体の両側縁までは達しない程度)又は全体を覆うように、股間部カバーシートを貼り付けることもできる。股間部カバーシートとしては、後述する外装体に用いられるものと同様の素材を用いることができる。
(外装体)
外装体12F,12Bは、サイドシール部12Aを有する縦方向範囲(ウエスト開口部WOから脚開口部LOの上端に至る縦方向範囲)として定まる胴周り部Tと、脚開口部LOを形成する部分の前後方向範囲(腹側外装体12Fのサイドシール部12Aを有する縦方向領域と背側外装体12Bのサイドシール部12Aを有する縦方向領域との間)として定まる中間部Lとを有する。胴周り部Tは、概念的にウエスト開口部の縁部を形成する「ウエスト縁部」Wと、これよりも下側の部分である「ウエスト下部」Uとに分けることができる。これらの縦方向の長さは、製品のサイズによって異なり、適宜定めることができるが、一例を挙げると、ウエスト縁部Wは15〜40mm、ウエスト下部Uは65〜120mmとすることができる。一方、中間部Lは省略することもでき、また腹側外装体及び背側外装体の両方に設けることもできるが、図示形態では背側外装体12Bにのみ中間部Lを設け、臀部をカバーする形態を採用している。中間部Lの脚側の縁を脚周りに沿うように曲線状に形成すると、脚周りに対するフィット性が良好となるため好ましい。
外装体12F,12Bは、腹側外装体12F及び背側外装体12Bからなり、腹側外装体12F及び背側外装体12Bは脚側で連続しておらず、離間されている。この離間距離L8は150〜250mm程度とすることができる。
腹側外装体12F及び背側外装体12Bは、図9に示されるように、シート材12Sがウエスト側で折り返されてなる内側層及び外側層を有するとともに、これら内側層及び外側層間に、胴周りに対するフィット性を高めるための糸ゴム等の細長状弾性伸縮部材15〜18が所定の伸長率で設けられている。
シート材12Sとしては、シート状のものであれば特に限定無く使用できるが、不織布であるのが好ましい。不織布は、その原料繊維が何であるかは特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。不織布を用いる場合、その坪量は10〜30g/m2程度とするのが好ましい。
細長状弾性伸縮部材15〜18としては、合成ゴムを用いても、天然ゴムを用いても良い。外装体12F,12Bのシート材12Sの貼り合せや、その間に挟まれる細長状弾性伸縮部材15〜18の固定には種々の塗布方法によるホットメルト接着またはヒートシールや超音波接着を用いることができる。
細長状弾性伸縮部材15〜18を用いる場合、同じ弾性伸縮部材を一様に設けることもできるが、外装体12F,12Bの位置に応じて太さや間隔等を異ならしめることが好ましい。このため図示形態では、ウエスト縁部Wには、幅方向全体にわたり連続するように、複数のウエスト縁部弾性伸縮部材17が上下方向に間隔を空けて、かつ所定の伸長率で幅方向に沿って伸長された状態で固定されている。ウエスト縁部弾性伸縮部材17のうち、ウエスト下部Uに隣接する領域に配設される1本または複数本については、内装体200と重なっていてもよいし、内装体200と重なる幅方向中央部を除いてその幅方向両側にそれぞれ設けてもよい。このウエスト縁部弾性伸縮部材17としては、太さ155〜1880dtex、特に470〜1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05〜1.5mm2、特に0.1〜1.0mm2程度)の糸ゴムを、4〜12mmの間隔で3〜22本程度、それぞれ伸長率150〜400%、特に220〜320%程度で固定するのが好ましい。また、ウエスト縁部弾性伸縮部材17は、その全てが同じ太さと伸長率にする必要はなく、例えばウエスト縁部Wの上部と下部で弾性伸縮部材の太さと伸長率が異なるようにしてもよい。
また、ウエスト下部Uには、内装体200と重なる幅方向中央部を除いて、その上側および幅方向両側の各部位に、幅方向全体にわたり連続するように、細長状弾性伸縮部材からなるウエスト下部弾性伸縮部材15,18が複数本、上下方向に間隔を空けて、かつ所定の伸長率で幅方向に沿って伸長された状態で固定されている。
ウエスト下部弾性伸縮部材15,18としては、太さ155〜1880dtex、特に470〜1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05〜1.5mm2、特に0.1〜1.0mm2程度)の糸ゴムを、1〜15mm、特に3〜8mmの間隔で5〜30本程度、それぞれ伸長率200〜350%、特に240〜300%程度で固定するのが好ましい。
また、中間部Lには、内装体200と重なる幅方向中央部を除いて、その幅方向両側の各部位に、幅方向全体にわたり連続するように、細長状弾性伸縮部材からなる中間部弾性伸縮部材16が複数本、上下方向に間隔を空けて、かつ所定の伸長率で幅方向に沿って伸長された状態で固定されている。
中間部弾性伸縮部材16としては、太さ155〜1880dtex、特に470〜1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05〜1.5mm2、特に0.1〜1.0mm2程度)の糸ゴムを、5〜40mm、特に5〜20mmの間隔で2〜10本程度、それぞれ伸長率150〜300%、特に180〜260%で固定するのが好ましい。
なお、図示のように、ウエスト下部弾性伸縮部材及び中間部弾性伸縮部材15,18,16が、内装体200と重なる幅方向中央部を除いてその幅方向両側にそれぞれ設けられていると、内装体200が幅方向に必要以上に収縮することがなく、モコモコと見た目が悪かったり吸収性が低下したりすることがない。この形態には、幅方向両側にのみ弾性伸縮部材が存在する形態の他、内装体200を横切ってその幅方向一方側から他方側まで弾性伸縮部材が存在しているが、内装体200と重なる幅方向中央部では弾性伸縮部材が細かく切断され、収縮力が作用せず(実質的には、弾性伸縮部材を設けないことに等しい)に、その幅方向両側のみが収縮力作用部分として構成されている形態も含まれる。もちろんウエスト下部弾性伸縮部材及び中間部弾性伸縮部材15,18,16の配設形態は上記例に限るものではなく、ウエスト下部Uの幅方向全体にわたり伸縮力が作用するように、ウエスト下部弾性伸縮部材及び中間部弾性伸縮部材15,18,16の一部または全部を、内装体200を横切ってその幅方向一方側から他方側まで設けることもできる。
そして、特徴的には、腹側外装体12F及び背側外装体12Bの両方において、シート材12Sの折り返しにより形成された内側層及び外側層がともに股間側の縁部まで延びており、背側外装体12Bにおける外側層の脚側の縁部分と内側層との間に縁部シート材12eが介在され、この縁部シート材12eと内側層とが接合され、縁部シート材12eと外側層とがサイドシール部12A以外では接合されていない。この縁部シート材12eを有する構造を腹側外装体12Fに適用することもできる。これにより、外側層の股間側の縁部分が突出してフリルのような外観を呈するため、特に女の子用の紙おむつとして好適なものとなる。また、腹側外装体12F及び背側外装体12Bの脚側の縁は、シート材12Sのズレなく形成され、また捲れ難くなるため、肌触りが良好となる。この例では、縁部シート材12eは外側層の脚側の縁部分と内側層との間に介在されているが、反対に、外側層の脚側の縁部分の外面に設けることも提案される(図示略)。この場合、縁部シート材は股間側の縁部及びサイドシール部でのみ当該外装体に接合され、かつ少なくとも脚側の縁が内側層及び外側層により形成されることにより、縁部シート材と外側層との間がウエスト側に開口するポケット状部分として形成される。このようなポケットは腹側外装体及び背側外装体のいずれに設けても良い。
(後処理テープ)
後身頃B(図示例では背側外装体12B)の外面における幅方向中央部には、後処理テープ70(固定手段)を設けることができる。後処理テープ70は、おむつ100をトップシート30が内側に且つ前身頃Fが内側となるように丸め若しくは折り畳んだ状態で固定するためのものである。一般的な後処理テープ70は、図9に示すように、基端部71が後身頃Bの外面に接着剤等により固定されるとともに、この基端部71よりも先端側の部分は三つ折り(断面Z字状)や二つ折りで折り畳まれて、折り重なり部分間が仮止め接着剤72により剥離可能に固定(仮固定)されている。また、先端部に白色等の不透明色に着色された摘み部73を有するとともに、この摘み部73を除く部分が透明または半透明であり、この後処理テープ70における透明または半透明の部分を通して、後処理テープ70の外面側から後述するデザインが視認可能になっている。具体的な構造は適宜構成することができるが、図示形態では、全体を透明又は半透明の複数の基材を長手方向に連結して形成するとともに、摘み部73に着色テープ74を貼り合わせた構造を採用している。
廃棄時には、おむつ100をトップシート30が内側になるとともに前身頃Fが内側となるように丸め若しくは折り畳んだ後、後処理テープ70の折り重なり部分を剥離して展ばし、丸めた若しくは折り畳んだおむつ100の後身頃Bからウエスト開口部WOを越えて反対側の外面まで巻き付けるようにして接着剤により固定する。後処理テープ70は、不使用時にはコンパクトに折り畳まれ、使用時には長尺状に展開できる三つ折り形状のものが特に好適である。
後処理テープ70等の固定手段は、前身頃Fに設けてもよく、後身頃Bと前身頃Fの両方に設けてもよい。
(その他)
以上は、前述の外装構造例の第5の形態を採用したパンツタイプ使い捨ておむつの具体例であるが、外装体12F,12Bの構造を変更すれば、他の形態も可能であることはいうまでもない。
<明細書中の用語の説明>
明細書中の以下の用語は、明細書中に特に記載が無い限り、以下の意味を有するものである。
・「前後(縦)方向」とは腹側(前側)と背側(後側)を結ぶ方向を意味し、「幅方向」とは前後方向と直交する方向(左右方向)を意味し、「上下方向」とはおむつの装着状態、すなわちおむつの前身頃両側部と後身頃量側部を重ね合わせるようにおむつを股間部で2つに折った際に胴周り方向と直交する方向、換言すればウエスト開口部側と股間部側とを結ぶ方向を意味する。
・「伸長率」は、自然長を100%としたときの値を意味する。
・「目付け」は次のようにして測定されるものである。試料又は試験片を予備乾燥した後、標準状態(試験場所は、温度20±5℃、相対湿度65%以下)の試験室又は装置内に放置し、恒量になった状態にする。予備乾燥は、試料又は試験片を相対湿度10〜25%、温度50℃を超えない環境で恒量にすることをいう。なお、公定水分率が0.0%の繊維については、予備乾燥を行わなくてもよい。恒量になった状態の試験片から米坪板(200mm×250mm、±2mm)を使用し、200mm×250mm(±2mm)の寸法の試料を切り取る。試料の重量を測定し、20倍して1平米あたりの重さを算出し、目付けとする。
・「厚み」は、自動厚み測定器(KES−G5 ハンディ圧縮計測プログラム)を用い、荷重:10gf/cm2、及び加圧面積:2cm2の条件下で自動測定する。
本発明は、パンツタイプ使い捨ておむつ及びその製造に利用できるものである。
L…中間部、T…胴周り部、U…ウエスト下部、W…ウエスト縁部、11…液不透過性シート、12B…背側外装体、12A…サイドシール部、12F,12B…外装体、12F…腹側外装体、12S…シート材、12b…背側伸縮帯、12c…CD方向中間の部分、12d…離間部分、12e…縁部シート材、12f…腹側伸縮帯、12w…重なり部分、15〜18…弾性伸縮部材、17…ウエスト縁部弾性伸縮部材、30…トップシート、50…吸収要素、56…吸収体、58…包装シート、60…立体ギャザー、62…ギャザーシート、200…内装体、301…弾性部材取付工程、302…弾性部材切断工程、303…センタースリット工程、304…脚開口部切断分割工程、305…内装体取付工程、306…折り畳み工程、307…側部接合工程、308…切り離し工程。

Claims (9)

  1. 腹側外装体の両側部と、背側外装体の両側部とが接合された外装体と、
    前側の部分が前記腹側外装体の幅方向中央領域に、及び後側の部分が前記背側外装体の幅方向中央領域にそれぞれ接合され、装着者の股間を通るように設けられた内装体と、を備え、
    前記腹側外装体と背側外装体とが股間側で連続せずに離間された、パンツタイプ使い捨ておむつの製造方法において、
    帯状に連続するシート材がその連続方向に沿って供給され、
    前記シート材におけるCD方向中間の部分に、前記腹側外装体及び背側外装体に伸縮性を付与するための弾性伸縮部材が配され、
    前記シート材における前記CD方向中間の部分よりもCD方向一方側及び他方側の部分が、前記CD方向中間の部分における前記弾性伸縮部材を有する側にそれぞれ折り返されて、それら折り返された部分及び前記CD方向中間の部分の間に前記弾性伸縮部材が挟まれて固定されるとともに、前記折り返された部分及び前記CD方向中間の部分が、少なくともCD方向に間欠的なパターンで接合されることにより、帯状に連続する伸縮帯が形成され、
    前記伸縮帯が、そのCD方向中間位置で切断されることにより、背側伸縮帯及び腹側伸縮帯に分割された後、それら背側伸縮帯及び腹側伸縮帯のCD方向間隔が拡大され、
    別途製造された前記内装体がMD方向に間隔を空けて供給され、前記内装体の前側の部分が前記腹側伸縮帯に、及び前記内装体の後側の部分が前記背側伸縮帯に対してそれぞれ接合されることにより、内装組み付け体が形成され、
    この内装組み付け体がCD方向に二つ折りされた後に、個々のおむつの両側部となる部分において前記腹側伸縮帯及び背側伸縮帯が接合されるとともに、前記腹側伸縮帯及び背側伸縮帯が個々のおむつの境界において切断されて、個々のおむつが製造され、
    前記伸縮帯のCD方向中間位置での切断に際して、前記伸縮帯は、前記折り返された部分及び前記CD方向中間の部分の接合位置を通る位置で切断される、
    ことを特徴とする、パンツタイプ使い捨ておむつの製造方法。
  2. 前記伸縮帯の形成に際して、前記折り返された部分及び前記CD方向中間の部分が、少なくともCD方向に間欠的な面状パターンで塗布されたホットメルト接着剤を介して接合される、請求項1記載のパンツタイプ使い捨ておむつの製造方法。
  3. 前記伸縮帯の形成に際して、CD方向一方側の前記折り返された部分の端部、及びCD方向他方側の前記折り返された部分の端部が重ねられた重なり部分が形成されるように、前記シート材における前記CD方向一方側及び他方側の部分がそれぞれ折り返される、
    請求項1又は2記載のパンツタイプ使い捨ておむつの製造方法。
  4. 前記シート材における前記重なり部分の一部又は全部と対応する領域に、前記弾性伸縮部材及びその固定手段、並びに前記シート材同士の接合手段が設けられず、この領域におけるシート材同士の接合が前記腹側伸縮帯と背側伸縮帯との接合のみによってなされる、請求項3記載のパンツタイプ使い捨て紙おむつの製造方法。
  5. 前記伸縮帯の形成に際して、CD方向一方側の前記折り返された部分、及びCD方向他方側の前記折り返された部分がCD方向に離間するように、前記シート材における前記CD方向一方側及び他方側の部分がそれぞれ折り返される、請求項1又は2記載のパンツタイプ使い捨ておむつの製造方法。
  6. 前記折り返された部分がおむつの内側に位置される、請求項1〜5のいずれか1項に記載のパンツタイプ使い捨ておむつの製造方法。
  7. 前記折り返された部分がおむつの外側に位置される、請求項1〜5のいずれか1項に記載のパンツタイプ使い捨ておむつの製造方法。
  8. 前記伸縮帯の形成後、前記伸縮帯が前記背側伸縮帯及び腹側伸縮帯に分割される前に、前記背側伸縮帯となる領域の前記弾性伸縮部材の一部及び腹側伸縮帯となる領域の前記弾性伸縮部材の一部が細く分断化される、請求項1〜7のいずれか1項に記載のパンツタイプ使い捨ておむつの製造方法。
  9. 前記伸縮帯の形成、及び前記伸縮帯の前記背側伸縮帯及び腹側伸縮帯への分割により、前記背側伸縮帯及び腹側伸縮帯の少なくとも一方における少なくともCD方向中央側の端部を、前記シート材が複数層積層された領域とし、この領域内で脚開口部の縁を曲線状とするための切り落としを行う、請求項1〜8のいずれか1項に記載のパンツタイプ使い捨ておむつの製造方法。
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