JP2011206217A5 - - Google Patents

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吸収性物品
本発明は、幅方向両側部に沿って前後方向に延在する帯状の内側立体ギャザー及び外側立体ギャザーを備えた、使い捨ておむつ等の吸収性物品に関するものである。
一般的な吸収性物品においては、いわゆる横漏れを防止することを目的として、内面の幅方向両側部に、身体側に突出する立体ギャザーが設けられている。従来、優れたフィット性・もれ防止効果を得るために、種々の立体ギャザーが提案されている(例えば特許文献1〜3参照)。
特開2003−33394号公報 特開2003−260083号公報 特開2009−018095号公報
しかし、従来の立体ギャザーは、付根部分からの突出長さの範囲内で撓む等により装着者の脚にフィットするとはいえ、脚が細い場合には立体ギャザーの起立高さが不十分となり立体ギャザー先端と脚周りとの間に隙間を生じ易く、また脚が太い場合には立体ギャザーが余って撓んだ部分がだぶついて脚周りの装着感を悪化するという問題点を有していた。
そこで、本発明の主たる課題は、広範な脚周り寸法に対して適切にフィットさせることができる吸収性物品を提供することにある。
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
液透過性の表面シートと、液不透過性シートと、これらの間に介在された吸収体と、内面の両側部にそれぞれ設けられた前後方向に沿って延在する立体ギャザーと、を備えた吸収性物品において、
前記立体ギャザーは、幅方向一方側の端部が前記吸収性物品の側部に対して固定された付根部分とされ、この付根部分以外の部分は付根部分から突出する突出部分とされており、
この突出部分における前後方向両端部及びこれらの間の前後方向中間部のうち、前後方向両端部は、前記吸収性物品の側部の表面に対して固定された非起立部とされており、
前記前後方向中間部は、前記付根部分から前記吸収性物品の表面側に突出するギャザー付根側部分と、このギャザー付根側部分の先端から幅方向外側に折り返されたギャザー先端側部分とからなり、
前記ギャザー付根側部分及び前記ギャザー先端側部分は、前後方向に伸張した状態で固定されたギャザー弾性伸縮部材を有しており、
前記ギャザー付根側部分は、非固定の自由部分とされており、
前記ギャザー先端側部分は、前記吸収性物品の側方を回り込んで前記吸収体の裏側まで延在するとともに、前記吸収体の裏側に位置する先端部が、前記吸収性物品に対して取り外し可能に接合された取り外し部とされ、この取り外し部以外の部分が非固定の自由部分とされるか又は隣接部分に対して取り外し可能に接合されている、
ことを特徴とする吸収性物品。
(作用効果)
従来の立体ギャザーは付根部分からの突出長さが一定であったため、前述したとおり、脚が細い場合には立体ギャザーの起立高さが不十分となり立体ギャザー先端と脚周りとの間に隙間を生じ易く、また脚が太い場合には立体ギャザーが余って撓んだ部分がだぶついて脚周りの装着感を悪化するという問題点を有していた。
これに対して、本発明の立体ギャザーでは、取り外し部を外す前は、内面がギャザー付根側部分により、及び外面がギャザー先端側部分によりそれぞれ形成され、起立高さはギャザー付根側部分の突出長さが上限となる。一方、取り外し部を外し、ギャザー先端側部分を自由にした状態では、付根部分に対してギャザー付根側部分が立ち上がるとともに、その先端からギャザー先端側部分が立ち上がるようになるため、起立高さはギャザー付根側部分の突出長さにギャザー先端側部分の突出長さを加えた長さ、つまり突出部分全体の突出長さに延長される。よって、本発明によれば、立体ギャザーの取り外し部を、脚が太いときには外さず、脚が細いときには外すことにより、立体ギャザーの突出長さを装着者の脚周り寸法に応じて変えることができ、もって、広範な脚周り寸法に対して適切にフィットさせることができるようになる。
<請求項2記載の発明>
前記液不透過性シートの外面側を覆う外装シートを備えており、
前記ギャザー先端側部分の取り外し部は、前記液不透過性シート及び外装シートの間に挿入されるとともに、前記液不透過性シート及び外装シートの少なくとも一方に接合されている、請求項1記載の吸収性物品。
(作用効果)
このように立体ギャザーの取り外し部を液不透過性シート及び外装シートの間に挿入して固定する構造とすることにより、吸収性物品の裏側に位置する下着等のアウターとの接触により取り外し部が不用意に外れるといった事態が起こり難く、また、取り外し部を外さないときの外観も良好となる。
<請求項3記載の発明>
液透過性の表面シートと、液不透過性シートと、これらの間に介在された吸収体と、内面の両側部にそれぞれ設けられた立体ギャザーと、を備えた吸収性物品において、
前記立体ギャザーは、幅方向一方側の端部が前記吸収性物品の側部に対して固定された付根部分とされ、この付根部分以外の部分は付根部分から突出する突出部分とされており、
この突出部分における前後方向両端部及びこれらの間の前後方向中間部のうち、前後方向両端部は、前記吸収性物品の側部の表面に対して固定された非起立部とされており、
前記前後方向中間部は、前記付根部分から前記吸収性物品の表面側に突出するギャザー付根側部分と、このギャザー付根側部分の先端から幅方向外側に折り返されたギャザー先端側部分とからなり、
前記ギャザー付根側部分及び前記ギャザー先端側部分は、前後方向に伸張した状態で固定されたギャザー弾性伸縮部材を有しており、
前記ギャザー付根側部分は、非固定の自由部分とされており、
前記ギャザー先端側部分は、前後方向に沿う折り目により巻き折りされるとともに、この巻き折りの対向面のうち少なくとも一対の対向面のいずれか一方が他方に対して取り外し可能に接合された取り外し部とされ、且つこの取り外し部を取り外すことにより前記巻き折りを展開可能に構成されている、
ことを特徴とする吸収性物品。
(作用効果)
このように、ギャザー先端側部分を巻き折りするとともに、巻き折りを展開可能に固定する構造を採用することで、取り外し部を外して巻き折りを展開することにより、立体ギャザーの突出長さを延長することができる。よって、この巻き折り構造によっても、立体ギャザーの取り外し部を、脚が太いときには外さず、脚が細いときには外すことにより、立体ギャザーの突出長さを装着者の脚周り寸法に応じて変えることができ、もって、広範な脚周り寸法に対して適切にフィットさせることができるようになる。特に、前述の請求項1記載の発明の構造は、立体ギャザーの起立高さの調節は二段階となるが、この巻き折り構造は、二段階調節だけでなく、巻き折りの数を増やすことにより三段階以上の調節も可能となる点でより優れた構造ということができる。
<請求項4記載の発明>
前記取り外し部は、取り外し後に再接合可能な着脱部である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸収性物品。
(作用効果)
このような着脱部を採用することにより、装着時に立体ギャザーの起立高さを高くし過ぎた場合でも、起立高さを元に又は低めに戻すといったことや、立体ギャザーの高い位置及び低い位置を実際の脚周りに合わせて見比べた後、適切な方に設定するといったことが可能となる。
<請求項5記載の発明>
前記ギャザー弾性伸縮部材は、少なくとも、前記ギャザー付根側部分の先端部及び前記ギャザー先端側部分の先端部にそれぞれ設けられている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の吸収性物品。
(作用効果)
これらの部位にギャザー弾性伸縮部材を設けることにより、取り外し部を外す前及び後のいずれにおいても、立体ギャザーの先端部に弾性伸縮部材が位置し、立体ギャザーが良好に起立して脚周りに適切にフィットするようになる。
以上のとおり、本発明によれば、立体ギャザーの突出長さを脚の細さに応じて変えることができる、等の利点がもたらされる。
第1の形態の使い捨ておむつの内面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 第1の形態の使い捨ておむつの外面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 図1の3−3断面図である。 図1の4−4断面図である。 図1の5−5断面図である。 第1の形態の使い捨ておむつの要部のみを示す、おむつを展開した状態における平面図である。 取り外し部を外す前の、第1の形態の使い捨ておむつの斜視図である。 第1の形態の使い捨ておむつの立体ギャザーを高くした状態を概略的に示す断面図である。 第2の形態の使い捨ておむつの内面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 第2の形態の使い捨ておむつの外面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 図9の3−3断面図である。 図9の4−4断面図である。 取り外し部を外す前の、第2の形態の使い捨ておむつの斜視図である。 第2の形態の使い捨ておむつの立体ギャザーを高くした状態を概略的に示す断面図である。
以下、本発明の一実施形態について、添付図面を参照しつつ詳説する。
<第1の形態>
図1〜図8は、パンツタイプ使い捨ておむつの一例100を示している。このパンツタイプ使い捨ておむつ100は、製品外面(裏面)をなす外装シート12と、外装シートの内面に貼り付けられた内装体200とから構成されているものである。内装体200は、尿等の排泄物等を吸収保持する部分であり、外装シート12は着用者に装着するための部分である。なお、断面図における点模様部分は各構成部材を接合する接合部分を示しており、ホットメルト接着剤などのベタ、ビード、カーテン、サミットまたはスパイラル塗布などにより形成されるものである。なお、「前後方向」とは腹側(前側)と背側(後側)を結ぶ方向を意味し、「幅方向」とは前後方向と直交する方向(左右方向)を意味し、「上下方向」とはおむつ100の装着状態、すなわちおむつ100の前身頃両側部と後身頃量側部を重ね合わせるようにおむつ100を股間部で2つに折った際に胴回り方向と直交する方向、換言すればウエスト開口部WO側と股間部側とを結ぶ方向を意味する。
(内装体)
内装体200は任意の形状を採ることができるが、図示の形態では長方形である。内装体200は、図3〜図5に示されるように、身体側となる表面シート30と、液不透過性シート11と、これらの間に介在された吸収要素50とを備えているものであり、吸収機能を担う本体部である。符号40は、表面シート30を透過した液を速やかに吸収要素50へ移行させるために、表面シート30と吸収要素50との間に設けられた中間シート(セカンドシート)を示しており、符号60は、内装体200の両脇に排泄物が漏れるのを防止するために、内装体200の両側に設けられた、身体側に起立する立体ギャザー60を示している。
(表面シート)
表面シート30は、液を透過する性質を有するものであり、例えば、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシートなどを例示することができる。また、このうち不織布は、その原料繊維が何であるかは、特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。例えば、柔軟性、ドレープ性を求めるのであれば、スパンボンド法、スパンレース法が、嵩高性、ソフト性を求めるのであれば、エアスルー法、ポイントボンド法、サーマルボンド法が、好ましい加工方法となる。
また、表面シート30は、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートを貼り合せて得た積層シートからなるものであってもよい。同様に、表面シート30は、平面方向に関して、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートからなるものであってもよい。
立体ギャザー60を設ける場合、表面シート30の両側部は、液不透過性シート11と立体ギャザー60との間を通して、吸収要素50の裏側まで回りこませ、液の浸透を防止するために、液不透過性シート11及び立体ギャザー60に対してホットメルト接着剤等により接着するのが好ましい。
(中間シート)
表面シート30を透過した液を速やかに吸収体へ移行させるために、表面シート30より液の透過速度が速い、中間シート(「セカンドシート」とも呼ばれている)40を設けることができる。この中間シート40は、液を速やかに吸収体へ移行させて吸収体による吸収性能を高めるばかりでなく、吸収した液の吸収体からの「逆戻り」現象を防止し、表面シート30上を常に乾燥した状態とすることができる。中間シート40は省略することもできる。
中間シート40としては、表面シート30と同様の素材や、スパンレース、スパンボンド、SMS、パルプ不織布、パルプとレーヨンとの混合シート、ポイントボンド又はクレープ紙を例示できる。特にエアスルー不織布が嵩高であるため好ましい。エアスルー不織布には芯鞘構造の複合繊維を用いるのが好ましく、この場合芯に用いる樹脂はポリプロピレン(PP)でも良いが剛性の高いポリエステル(PET)が好ましい。目付けは20〜80g/m2が好ましく、25〜60g/m2がより好ましい。不織布の原料繊維の太さは2.2〜10dtexであるのが好ましい。不織布を嵩高にするために、原料繊維の全部又は一部の混合繊維として、芯が中央にない偏芯の繊維や中空の繊維、偏芯且つ中空の繊維を用いるのも好ましい。
図示の形態の中間シート40は、吸収体56の幅より短く中央に配置されているが、全幅にわたって設けてもよい。中間シート40の長手方向長さは、吸収体56の長さと同一でもよいし、液を受け入れる領域を中心にした短い長さ範囲内であってもよい。
(液不透過性シート)
液不透過性シート11の素材は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂等からなるプラスチックフィルムや、不織布の表面にプラスチックフィルムを設けたラミネート不織布、プラスチックフィルムに不織布等を重ねて接合した積層シートなどを例示することができる。液不透過性シート11には、近年、ムレ防止の観点から好まれて使用されている不透液性かつ透湿性を有する素材を用いることが好ましい。透湿性を有するプラスチックフィルムとしては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性プラスチックフィルムが広く用いられている。このほかにも、マイクロデニール繊維を用いた不織布、熱や圧力をかけることで繊維の空隙を小さくすることによる防漏性強化、高吸水性樹脂または疎水性樹脂や撥水剤の塗工といった方法により、プラスチックフィルムを用いずに液不透過性としたシートも、液不透過性シート11として用いることができる。
液不透過性シート11は、防漏性を高めるために、吸収要素50の両側を回りこませて吸収要素50の表面シート30側面の両側部まで延在させるのが好ましい。この延在部の幅は、左右それぞれ5〜20mm程度が適当である。
また、液不透過性シート11の内側、特に吸収体56側面に、液分の吸収により色が変化する排泄インジケータを設けることができる。
(吸収要素)
吸収要素50は、吸収体56と、この吸収体56の全体を包む包装シート58とを有する。包装シート58は省略することもできる。
(吸収体)
吸収体56は、繊維の集合体により形成することができる。この繊維集合体としては、綿状パルプや合成繊維等の短繊維を積繊したものの他、セルロースアセテート等の合成繊維のトウ(繊維束)を必要に応じて開繊して得られるフィラメント集合体も使用できる。繊維目付けとしては、綿状パルプや短繊維を積繊する場合は、例えば100〜300g/m2程度とすることができ、フィラメント集合体の場合は、例えば30〜120g/m2程度とすることができる。合成繊維の場合の繊度は、例えば、1〜16dtex、好ましくは1〜10dtex、さらに好ましくは1〜5dtexである。フィラメント集合体の場合、フィラメントは、非捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維であるのが好ましい。捲縮繊維の捲縮度は、例えば、1インチ当たり5〜75個、好ましくは10〜50個、さらに好ましくは15〜50個程度とすることができる。また、均一に捲縮した捲縮繊維を用いる場合が多い。吸収体56中には高吸収性ポリマー粒子を分散保持させるのが好ましい。
吸収体56は長方形形状でも良いが、図6にも示すように、前端部、後端部及びこれらの間に位置し、前端部及び後端部と比べて幅が狭い括れ部とを有する砂時計形状を成していると、吸収体56自体と立体ギャザー60の、脚回りへのフィット性が向上するため好ましい。
また、吸収体の寸法は適宜定めることができるが、前後方向及び幅方向において、内装体の周縁部又はその近傍まで延在しているのが好ましい。
(高吸収性ポリマー粒子)
吸収体56には、その一部又は全部に高吸収性ポリマー粒子を含有させることができる。高吸収性ポリマー粒子とは、「粒子」以外に「粉体」も含む。高吸収性ポリマー粒子の粒径は、この種の吸収性物品に使用されるものをそのまま使用でき、1000μm以下、特に150〜400μmのものが望ましい。高吸収性ポリマー粒子の材料としては、特に限定無く用いることができるが、吸水量が40g/g以上のものが好適である。高吸収性ポリマー粒子としては、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体などのものを用いることができる。高吸収性ポリマー粒子の形状としては、通常用いられる粉粒体状のものが好適であるが、他の形状のものも用いることができる。
高吸収性ポリマー粒子としては、吸水速度が40秒以下のものが好適に用いられる。吸水速度が40秒を超えると、吸収体56内に供給された液が吸収体56外に戻り出てしまう所謂逆戻りを発生し易くなる。
また、高吸収性ポリマー粒子としては、ゲル強度が1000Pa以上のものが好適に用いられる。これにより、嵩高な吸収体56とした場合であっても、液吸収後のべとつき感を効果的に抑制できる。
高吸収性ポリマー粒子の目付け量は、当該吸収体56の用途で要求される吸収量に応じて適宜定めることができる。したがって一概には言えないが、50〜350g/m2とすることができる。ポリマーの目付け量が50g/m2未満では、吸収量を確保し難くなる。350g/m2を超えると、効果が飽和する。
必要であれば、高吸収性ポリマー粒子は、吸収体56の平面方向で散布密度あるいは散布量を調整できる。たとえば、液の排泄部位を他の部位より散布量を多くすることができる。男女差を考慮する場合、男用は前側の散布密度(量)を高め、女用は中央部の散布密度(量)を高めることができる。また、吸収体56の平面方向において局所的(例えばスポット状)にポリマーが存在しない部分を設けることもできる。
(包装シート)
包装シート58を用いる場合、その素材としては、ティッシュペーパ、特にクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等を用いることができる。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないシートであるのが望ましい。クレープ紙に換えて不織布を使用する場合、親水性のSMS不織布(SMS、SSMMS等)が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレン複合材などを使用できる。目付けは、5〜40g/m2、特に10〜30g/m2のものが望ましい。
包装シート58の包装形態は適宜定めることができるが、製造容易性や前後端縁からの高吸収性ポリマー粒子の漏れ防止等の観点から、吸収体56の表裏面及び両側面を取り囲むように筒状に巻き付け、且つその前後縁部を吸収体56の前後から食み出させ、この食み出し部分を表裏方向に潰してホットメルト接着剤等の接合手段により接合する形態が好ましい。
(外装シート)
外装シート12は、股間部から腹側に延在する前身頃Fと、股間部から背側に延在する後身頃Bとを有し、これら前身頃Fの両側部と後身頃Bの両側部とが接合されて、図8に示すように、装着者の胴を通すための胴開口部WO及び脚を通すための左右一対の脚開口部LOが形成されているものである。符号12Aは接合部分を示している(以下、この部分をサイドシール部ともいう)。なお、股間部とは、展開状態における前身頃のウエスト端縁から後身頃のウエスト端縁までの前後方向中央を意味し、それよりも前側の部分及び後側の部分が前身頃F及び後身頃Bをそれぞれ意味する。
外装シート12は、胴開口部WOから脚開口部LOの上端に至る前後方向範囲として定まる胴周り部Tと、脚開口部LOを形成する部分の前後方向範囲として定まる中間部Lとを有する。胴周り部Tは、概念的に「ウエスト側端部」Wと「胴周り下部」Uとに分けることができる。これらの前後方向の長さは、製品のサイズによって異なり、適宜定めることができるが、一例を挙げると、ウエスト側端部Wは15〜40mm、胴周り下部Uは65〜120mmとすることができる。一方、中間部Lの両側縁は被着者の脚周りに沿うように括れており、ここが着用者の脚を入れる部位となる。この結果、外装シート12は、全体としては略砂時計形状をなしている。外装シート12の括れの程度は適宜定めることができ、図1〜図8に示す形態のように、すっきりとした外観とするために最も幅が狭い部分では内装体200の幅より狭くすることが好ましいが、最も幅が狭い部分でも内装体200の幅以上となるように定めてもよい。
外装シート12は、図3〜図5に示されるように、二枚のシート基材12S,12Hをホットメルト接着剤等の接着剤により張り合わせて形成されるものであり、内側に位置する内側シート基材12Hはウエスト開口部WOの縁までしか延在していないが、外側シート基材12Sは内側シート基材12Hのウエスト側の縁を回り込んでその内側に折り返されており、この折り返し部分12rは内装体200のウエスト側端部上までを被覆するように延在されている。
シート基材12S,12Hとしては、シート基材であれば特に限定無く使用できるが、不織布であるのが好ましい。不織布は、その原料繊維が何であるかは特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。不織布を用いる場合、その坪量は10〜30g/m2程度とするのが好ましい。
また、外装シート12を通して後述する印刷シート25のデザインを製品外面から良好に視認できるように、外装シート12の総目付けは20〜60g/m2程度であるのが好ましく、外装シート12のJIS K 7105に規定される全光線透過率が40%以上、特に50%以上となっているのが好ましい。
そして、外装シート12には、胴回りに対するフィット性を高めるために、両シート基材12S,12H間に糸ゴム等の細長状弾性伸縮部材15〜19が所定の伸張率で設けられている。細長状弾性伸縮部材15〜19としては、合成ゴムを用いても、天然ゴムを用いても良い。外装シート12の両シート基材12S,12Hの貼り合せや、その間に挟まれる細長状弾性伸縮部材15〜19の固定には種々の塗布方法によるホットメルト接着またはヒートシールや超音波接着を用いることができる。外装シート12全面を強固に固定するとシートの風合いを損ねるため好ましくない。これらを組合せ、細長状弾性伸縮部材15〜19の接着は強固にし、それ以外の部分は接着しないか弱く接着するのが好ましい。
より詳細には、後身頃B及び前身頃Fのウエスト端部(上端部)Wにおける内側シート基材12Hの内側面と外側シート基材12Sの折り返し部分12rの外側面との間には、幅方向全体にわたり連続するように、複数のウエスト部弾性伸縮部材17,18が上下方向に間隔を空けて、かつ所定の伸張率で幅方向に沿って伸張された状態で固定されている。また、ウエスト部弾性伸縮部材17,18のうち、胴周り下部Uに隣接する領域に配設される1本または複数本については、内装体200と重なっていてもよいし、内装体200と重なる幅方向中央部を除いてその幅方向両側にそれぞれ設けてもよい。このウエスト弾性伸縮部材17,18としては、太さ155〜1880dtex、特に470〜1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05〜1.5mm2、特に0.1〜1.0mm2程度)の糸ゴムを、4〜12mmの間隔で3〜22本程度、それぞれ伸張率150〜400%、特に220〜320%程度で固定するのが好ましい。また、ウエスト部弾性伸縮部材17,18は、その全てが同じ太さと伸張率にする必要はなく、例えばウエスト側端部Wの上部と下部で弾性伸縮部材の太さと伸張率が異なるようにしてもよい。
また、前身頃F及び後身頃Bの胴周り下部Uにおける内側シート基材12Hの外側面と外側シート基材12Sの内側面との間には、内装体200と重なる幅方向中央部を除いて、その上側および幅方向両側の各部位に、幅方向全体にわたり連続するように、複数の細長状弾性伸縮部材15,19が上下方向に間隔を空けて、かつ所定の伸張率で幅方向に沿って伸張された状態で固定されている。
胴回り下部Uの細長状弾性伸縮部材15,19としては、太さ155〜1880dtex、特に470〜1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05〜1.5mm2、特に0.1〜1.0mm2程度)の糸ゴムを、1〜15mm、特に3〜8mmの間隔で5〜30本程度、それぞれ伸張率200〜350%、特に240〜300%程度で固定するのが好ましい。
また、前身頃F及び後身頃Bの中間部Lにおける内側シート基材12Hの外側面と外側シート基材12Sの内側面との間には、内装体200と重なる幅方向中央部を除いて、その幅方向両側の各部位に、幅方向全体にわたり連続するように、複数の細長状弾性伸縮部材16が上下方向に間隔を空けて、かつ所定の伸張率で幅方向に沿って伸張された状態で固定されている。
中間部Lの細長状弾性伸縮部材16,18としては、太さ155〜1880dtex、特に470〜1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05〜1.5mm2、特に0.1〜1.0mm2程度)の糸ゴムを、5〜40mm、特に5〜20mmの間隔で2〜10本程度、それぞれ伸張率150〜300%、特に180〜260%で固定するのが好ましい。
なお、図示のように、胴回り下部U及び中間部Lの細長状弾性伸縮部材15,19,16,18が、内装体200と重なる幅方向中央部を除いてその幅方向両側にそれぞれ設けられていると、内装体200が幅方向に必要以上に収縮することがなく、モコモコと見た目が悪かったり吸収性が低下したりすることがないため好ましい。この形態には、幅方向両側にのみ弾性伸縮部材が存在する形態の他、内装体200を横切ってその幅方向一方側から他方側まで弾性伸縮部材が存在しているが、内装体200と重なる幅方向中央部では弾性伸縮部材が切断され、伸縮力が作用しない(実質的には、弾性伸縮部材を設けないことに等しい)ように構成されている形態も含まれる。もちろん細長状弾性伸縮部材15,19,16,18の配設形態は上記例に限るものではなく、胴回り下部Uの幅方向全体にわたり伸縮力が作用するように、胴回り下部Uの細長状弾性伸縮部材15,19,16,18の一部または全部を、内装体200を横切ってその幅方向一方側から他方側まで設けることもできる。
また、細長状弾性伸縮部材15〜19が後述する印刷シート25を横切る場合において、細長状弾性伸縮部材15〜19として酸化チタンを含有するゴムを用いる場合には、酸化チタンの含有量が低い(例えば2%以下の)ものあるいは酸化チタンを含有しないものを用いるのが好ましい。
(後処理テープ)
外装シート12の後身頃Bの外面における幅方向中央部には、後処理テープ70(固定手段)が設けることができる。後処理テープ70は、おむつ100を表面シート30が内側に且つ前身頃Fが内側となるように丸め若しくは折り畳んだ状態で固定するためのものである。一般的な後処理テープ70は、図5に示すように、基端部71が外装シート12の外面に接着剤等により固定されるとともに、この基端部71よりも先端側の部分は三つ折り(断面Z字状)や二つ折りで折り畳まれて、折り重なり部分間が仮止め接着剤72により剥離可能に固定(仮固定)されている。また、先端部に白色等の不透明色に着色された摘み部73を有するとともに、この摘み部73を除く部分が透明または半透明であり、この後処理テープ70における透明または半透明の部分を通して、後処理テープ70の外面側から後述するデザインが視認可能になっている。具体的な構造は適宜構成することができるが、図示形態では、全体を透明又は半透明の複数の基材を長手方向に連結して形成するとともに、摘み部73に着色テープ74を張り合わせた構造を採用している。
廃棄時には、おむつ100を表面シート30が内側になるとともに前身頃Fが内側となるように丸め若しくは折り畳んだ後、後処理テープ70の折り重なり部分を剥離して展ばし、丸めた若しくは折り畳んだおむつ100の後身頃Bからウエスト開口部WOを越えて反対側の外面まで巻き付けるようにして接着剤により固定する。後処理テープ70は、不使用時にはコンパクトに折り畳まれ、使用時には長尺状に展開できる三つ折り形状のものが特に好適である。
後処理テープ70等の固定手段は、前身頃Fに設けてもよく、後身頃Bと前身頃Fの両方に設けてもよい。
(印刷シート)
液不透過性シート11と外装シート12との間(外装シート12の層間を含む)には、印刷によりデザインの施された印刷シート25が設けられている。外装シート12を省略し、印刷シート25が外面に露出する形態とすることもできる。また、図示例の印刷シート25は、それが配置される身頃よりも小さい面積を有しており、前身頃F及び後身頃Bに個別に設けられているが、前身頃Fから股間部を通り後身頃Bまで一体的に連続するように設けることもできる。
印刷シート25の寸法・形状は特に限定されないが、機能を十分なものとするためには十分に面積を大きくするのが好ましく、例えば、印刷シート25の幅は吸収体56の幅の50〜120%程度であるのが好ましく、印刷シート25の長さは少なくとも腹側及び背側の片側で物品全長Yの15〜30%程度であるのが好ましい。また、印刷シート25の形状はトリムロスが発生しない点では図示例のような矩形であるのが好ましいが、円形や楕円形、三角形、六角形等の幾何学形状、若しくはデザインの周囲に沿う形状にカットしても良い。
印刷シート25のシート基材としては、プラスチックフィルムや不織布、紙などを用いることができるが、嵩高く通気性の高い素材が好ましい。プラスチックフィルムを用いる場合は、ムレ防止のため透湿性を有することが望ましい。不織布や紙は透湿性を有するため好ましく、デザイン印刷を施す場合、不織布にあっては平滑性が高く印刷しやすいもの、紙にあっては強度が高くインクの滲み難いものを用いるのが好ましい。特に好ましいものとしては、目付け15〜35g/m2程度、厚み0.1〜0.3mm程度のクレープ紙(薄葉紙)や、目付け10〜25g/m2程度、厚み0.1〜0.3mm程度の不織布(特にスパンボンド部の繊度が1.0〜3.0dtex程度のスパンボンド不織布やSMS不織布)を挙げることができる。クレープ紙を用いる場合は、クレープ率は5〜20%程度、特に5〜15%程度のものを用いるのが好ましい。クレープ率が20%以上であると、インクの定着量は大きくなるが滲みが生じてデザイン印刷には適さない。クレープ率が5%以下であるとインクが浸透しにくいため定着量が少ない。
(外装シート分割構造)
上述の例では、前身頃Fから後身頃Bまでを一体的な外装シート12により連続的に覆っているが、外装シートが、装着者の胴回りのうち腹側を覆う腹側外装シートと背側を覆う背側外装シートとに分割されており、腹側外装シートの幅方向中央部内面に内装体の前端部がホットメルト接着剤等により連結されるとともに、背側外装シートの幅方向中央部内面に内装体の後端部がホットメルト接着剤等により連結されており、腹側外装シートと背側外装シートとが股間側で連続しておらず、離間されている形態も採用することができる。この離間距離は150〜250mm程度とすることができる。この場合、内装体における液不透過性シートの裏面には、内装体の裏面全体を覆うように、あるいは腹側外装シートと背側外装シートとの間に露出する部分全体を覆うように、股間部外装シートを固定することもできる。股間部外装シートとしては、前述した外装シートに用いられるものと同様の資材を用いることができる。股間部外装シートも本発明の外装シートに相当する。
(立体ギャザー)
立体ギャザー60は、内装体200の両側部に設けられた前後方向に沿って延在する帯状部材であり、表面シート30上を伝わって横方向に移動する尿や軟便を遮断し、横漏れを防止するために設けられているものである。図示形態と異なり、内装体200の左右各側において立体ギャザー60を二重に(二列)設けることもできる。
より詳細には、立体ギャザー60は、内装体200の前後方向長さに等しい長さを有する帯状のギャザーシート62を幅方向に折り返して二つに折り重ねるとともに、折り重ねたシート間に、ギャザー弾性伸縮部材63を長手方向に沿って伸張した状態で、幅方向に間隔をあけて複数本固定してなるものである。また、図示のように、二つに折り重ねたギャザーシート62の間に防水フィルム等の液不透過性シート64を介在させることもできる。
ギャザーシート62としてはスパンボンド不織布(SS、SSS等)やSMS不織布(SMS、SSMMS等)、メルトブロー不織布等の柔軟で均一性・隠蔽性に優れた不織布に、必要に応じてシリコンなどにより撥水処理を施したものを好適に用いることができ、繊維目付けは10〜30g/m2程度とするのが好ましい。
立体ギャザー60のうち幅方向において折り返し部分と反対側の端部は内装体200の側縁部の裏面に固定された付根部分65とされ、この付根部分65以外の部分は付根部分65から突出する突出部分66(折り返し部分側の部分)とされている。立体ギャザー60の付根部分65の固定対象は、内装体200における表面シート30、液不透過性シート11、吸収要素50等適宜の部材とすることができる。
また、突出部分66のうち前後方向両端部は、付根部分65から内装体200の側部を回り込んで表面シート30の側部表面まで延在し且つこの表面シート30の側部表面に対してホットメルト接着剤やヒートシールにより固定された非起立部67とされている。さらに、突出部分66のうち非起立部67間に位置する前後方向中間部は、付根部分65から内装体200の側部を回り込んで表面シート30の側部上に突出するギャザー付根側部分68と、このギャザー付根側部分68の先端から幅方向外側に折り返され且つギャザー付根側部分68に固定されたギャザー先端側部分69とから構成されている。
ギャザー付根側部分68及びギャザー先端側部分69には、ギャザー弾性伸縮部材63が前後方向に伸張した状態で固定されている。ギャザー弾性伸縮部材63としては、糸状、紐状等の細長状のゴム、あるいは網状、シート状等のゴムを用いることができる。糸ゴム等の細長状弾性伸縮部材を用いる場合は、太さは470〜1240dtexが好ましく、620〜940dtexがより好ましい。固定時の伸長率は、150〜350%が好ましく、200〜300%がより好ましい。特に、ギャザー先端側部分69に設けられるギャザー弾性伸縮部材63の伸長率を、ギャザー付根側部分68に設けられるギャザー弾性伸縮部材63の伸長率よりも大きく、例えば2倍以上とするのが好ましい。
ギャザー弾性伸縮部材63として細長状弾性伸縮部材を用いる場合、その本数は片側あたり2〜 10本が好ましく、2〜6本がより好ましい。また、その配置間隔60dは3〜10mmが適当である。このように構成すると、ギャザー弾性伸縮部材63を配置した範囲で肌に対して面で当たりやすくなる。ギャザー弾性伸縮部材63は、図示例のように、ギャザー付根側部分68の先端部及びギャザー先端側部分69の先端部にそれぞれ設けられていると、後述の取り外し部69tを外す前及び後のいずれにおいても、立体ギャザー60の先端部に弾性伸縮部材が位置し、立体ギャザー60が良好に起立して脚周りに適切にフィットするようになるため好ましい。
特徴的には、図3及び図7に示すように、ギャザー付根側部分68は非固定の自由部分とされる一方で、ギャザー先端側部分69は、内装体200の側方を回り込んで吸収体56の裏側まで延在するとともに、吸収体56の裏側に位置する先端部が、内装体200に対して取り外し可能に接合された取り外し部69tとされ、この取り外し部69t以外の部分が非固定の自由部分とされている(隣接部分に対して取り外し可能に接合されていても良い)。
取り外し部69tは、内装体200の外面に接合することも可能であるが、取り外し部69tが下着等のアウターとの接触により不用意に外れるおそれがあるとともに、取り外し部69tを外さないときに取り外し部69tが外面に露出して見栄えが悪くなる。よって、図示例のように、内装体200の両側部における液不透過性シート11と外装シート12との間に非接合部13を設け、ギャザー先端側部分69の取り外し部69tを、この非接合部13におけるシート11,12間に挿入し、外装シート12(液不透過性シート11でも良い)に取り外し可能なように接合するのは好ましい。これにより、取り外し部69tが不用意に外れるといった事態が起こり難く、また、取り外し部69tを外さないときの外観も良好となる。
このように構成された立体ギャザー60では、ギャザー弾性伸縮部材63の収縮力が前後方向両端部を近づけるように作用するが、突出部分66のうち前後方向両端部が非起立部67とされているのに対して、それらの間に非固定の自由部分を有するため、自由部分のみが図3及び図7に示すように身体側に当接するように起立する。特に、付根部分65が内装体200の裏面側に位置していると、股間部及びその近傍において立体ギャザー60が脚の動きに追従して大きく変形することができるため、フィット性が向上するようになる。
そして、取り外し部69tを外す前の立体ギャザー60は、図3及び図7に示すように、内面がギャザー付根側部分68により、及び外面がギャザー先端側部分69によりそれぞれ形成され、起立高さはギャザー付根側部分68の突出長さが上限となる。
一方、取り外し部69tを外し、ギャザー先端側部分69を自由にした状態では、図8に示すように、付根部分に対してギャザー付根側部分68が立ち上がるとともに、その先端からギャザー先端側部分69が立ち上がるようになるため、起立高さはギャザー付根側部分68の突出長さにギャザー先端側部分69の突出長さを加えた長さ、つまり突出部分全体の突出長さに延長される。よって、本発明によれば、立体ギャザー60の取り外し部69tを、脚が太いときには外さず、脚が細いときには外すことにより、立体ギャザー60の突出長さを装着者の脚周り寸法に応じて変えることができ、もって、広範な脚周り寸法に対して適切にフィットさせることができるようになる。
取り外し部69tにおける接合手段80としては、使用時に取り外せる限り、特に限定されず、ホットメルト接着剤等による接着、ヒートシールや超音波シール等による融着のように、取り外し後に再接合が不可能又は困難な形態を用いる他、メカニカルファスナーのフック材(面ファスナーの雄材)等のように取り外し後に再接合可能な手段を用い、取り外し部69tを着脱部とすることもできる。後者のような再接合可能な着脱部を採用すると、装着時に立体ギャザー60の起立高さを高くし過ぎた場合でも、起立高さを元に又は低めに戻すといったことや、立体ギャザー60の高い位置及び低い位置を実際の脚周りに合わせて見比べた後、適切な方に設定するといったことが可能となるため好ましい。
また、非起立部67は、規則的に又は不規則に折り畳んだ状態で固定しても、折り畳まずに固定しても良いが、図示例のように、おむつの内面側において前後方向に沿う折り目により折り畳み、対向面相互を接着や溶着により接合するのが好ましい。この非起立部67のうちギャザー付根側部分68と対応する部分の先端部の向きが幅方向中央側を向いていると、取り外し部69t分を外す前は、立体ギャザー60の先端側部分は幅方向中央側を向いて起立し、肌に対して線的に接触するようになり、幅方向外側を向いていると、取り外し部69t分を外す前は、立体ギャザー60の先端側部分は幅方向外側を向いて起立し、肌に対して面的に接触するようになる。図示例は前者の構造を採用しているが、後者の構造を採用することも可能である。
また、非起立部67のうちギャザー先端側部分69と対応する部分の先端部の向きが幅方向中央側を向いていると、取り外し部69t分を外した後は、立体ギャザー60の先端側部分は幅方向中央側を向いて起立し、肌に対して線的に接触するようになり、幅方向外側を向いていると、取り外し部69t分を外した後は、立体ギャザー60の先端側部分は幅方向外側を向いて起立し、肌に対して面的に接触するようになる。図示例は後者の構造を採用しているが、前者の構造を採用することも可能である。
立体ギャザー60の寸法は適宜定めることができるが、乳幼児用紙おむつの場合は、例えば図7に示すように、立体ギャザー60の最大起立高さ(取り外し部69tを外して平坦に展開した状態における突出部分66の幅方向長さ)W6は30〜60mm、特に40mm以下であるのが好ましい。また、取り外し部69tを外さずに立体ギャザー60を表面シート30表面と平行になるように、平坦に折り畳んだ状態において最も内側に位置する折り目間の離間距離W3は60〜190mm、特に70〜140mmであるのが好ましい。
<第2の形態>
上記第1の形態の立体ギャザー60は、起立高さの調節ができる点で従来よりも格段に優れるものであるが、起立高さの調節は二段階となるため、より細かな調節が可能である構造が望まれる。そこで、図9〜図14に示す形態も提案される。すなわち、この第2の形態は、ギャザー先端側部分69は、前後方向に沿う折り目により巻き折りされるとともに、この巻き折りの対向面のうち少なくとも一対の対向面のいずれか一方が他方に対して接合手段80により取り外し可能に接合された取り外し部69tとされ、且つこの取り外し部69tを取り外すことにより巻き折りを展開可能に構成されている点で、第1の形態と異なるものである。
このように、ギャザー先端側部分69を巻き折りするとともに、巻き折りを展開可能に固定する構造を採用することで、図14に示すように、取り外し部69tを外して巻き折りを展開することにより、立体ギャザー60の突出長さを延長することができる。よって、この巻き折り構造によっても、立体ギャザー60の取り外し部69tを、脚が太いときには外さず、脚が細いときには外すことにより、立体ギャザー60の突出長さを装着者の脚周り寸法に応じて変えることができ、もって、広範な脚周り寸法に対して適切にフィットさせることができるようになる。
しかも、この巻き折り構造は、二段階調節だけでなく、巻き折りの数を増やすことにより三段階以上の調節も可能となる点でより優れた構造ということができる。なお、本発明の巻き折りは、ギャザー先端側部分69が巻き折りを構成する限り、図示例のようにギャザー先端側部分69のみで巻き折りが形成される形態の他、ギャザー先端側部分69は単に幅方向中央側に折り返すだけの二つ折りで、ギャザー付根側部分68を含めて巻き折りとなる形態も含むものである。
ギャザー先端側部分69の巻き折りにおける端部と折り目との間隔及び折り目間の間隔69dは、適宜定めることができるが、立体ギャザー60が適切にフィットする脚周り寸法を十分に広範とするためには、おむつ全長Yの30〜50%程度とするのが好ましい。
巻き折りされたギャザー先端側部分69の側縁は、図示例のようにおむつの側縁と同じか又は幅方向中央側に位置している形態の他、おむつの側縁から幅方向外側にはみ出す形態も採用することができる。
取り外し部69tの数及び位置は適宜定めることができるが、ギャザー先端側部分69の巻き折りの対向面のうち最もギャザー付根側部分68寄りの対向面には設けるのが好ましく、対向面が複数ある場合には各対向面に設けるとより好ましい。
また、ギャザー弾性伸縮部材63は、巻き折りにおける端部と折り目間及び折り目が複数ある場合には折り目間に少なくとも各一本設けるのが好ましく、幅方向両端部に設けるとより好ましい。
その他の点は第1の形態と同様であるため敢えて説明を省略する。
本発明は、上記例に代表されるパンツタイプ使い捨ておむつの他、テープタイプ使い捨ておむつ、パッドタイプ使い捨ておむつにも適用でき、さらには生理用ナプキンにも適用できるものである。
11…液不透過性シート、12…外装シート、12r…折り返し部分、25…印刷シート、200…内装体、30…表面シート、40…中間シート、50…吸収要素、56…吸収体、58…包装シート、60…側部立体ギャザー、62…ギャザーシート、63…ギャザー弾性伸縮部材、68…ギャザー付根側部分、69…ギャザー先端側部分、80…取り外し部分。
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