JP5441590B2 - パンツタイプ使い捨ておむつ - Google Patents

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本発明は、パンツタイプ使い捨ておむつに関するものである。
パンツタイプ使い捨ておむつは、前身頃の両側部と後身頃の両側部とが予め接合され、ウエスト開口部及び左右一対の脚開口部が形成されている製品であり、着用の際には下着のパンツと同様、装着者の両脚をウエスト開口部を介して脚開口部にそれぞれ通した後、ウエストまで引き上げる、といった手順が採られている。
しかし、一般的なパンツタイプ使い捨ておむつは、胴回りや足回りを締め付けるための弾性伸縮部材が設けられており、装着前は全体が一回り小さく収縮しているため、装着者の脚を脚開口部に通す際、脚先が股間部の側部に引っ掛かり易く、脚を通し難いという問題点があった。特に、おむつ内面の股間部の両側部には、いわゆる身体側に起立する立体ギャザーが設けられることが一般的となっており、装着者の脚先がこの立体ギャザーに引っ掛かると、脚先を横に動かすだけでは引っ掛かりがとれ難く、おむつを上げ直す等の煩雑な対処が必要となる場合がある。このため、予め立体ギャザーが邪魔とならないように変形させた状態で、おむつを履かせるといった工夫も行われているが、煩雑であることに変わりはない。
特開2002−272767号公報 特表2000−503244号公報
そこで、本発明の主たる課題は、装着者の脚を脚開口部に通し易く、履かせ易いパンツタイプ使い捨ておむつを提供することにある。
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
前身頃の両側部と後身頃の両側部とがそれぞれ接合されてサイドシール部が形成されることにより、ウエスト開口部及び左右一対の脚開口部がそれぞれ形成され、
少なくとも股間部を含む領域に、肌当接面を構成する液透過性表面シートと、不透液性バックシートと、これらの間に介在された吸収体とが設けられ
少なくとも股間部の幅方向両側部に、おむつ内面から肌側に突出する立体ギャザーがそれぞれ設けられた、パンツタイプ使い捨ておむつにおいて、
前記肌当接面が外面となる裏返し状態とされ、且つ
前記サイドシール部は、前身頃の肌非当接面と後身頃の肌非当接面とを対向させて接合することにより形成されており、
前記液透過性表面シートと前記不透液性バックシートとの間に前記吸収体が介在されてなり、背側から股間部を通り腹側までを覆うように形成された内装体と、この内装体の外面における少なくとも前後のウエスト側端部に張り付けられ、少なくとも胴回りを覆うように形成された外装シートとを備えており、
前記立体ギャザーは、前記内装体の裏面における幅方向両側部から前記内装体の両側を経て前記内装体の表面側に達するように設けられており、
前記立体ギャザーは、前記内装体の裏面における幅方向両側部のうち、前記内装体の側縁から幅方向中央側に前記内装体の幅の3〜10%だけ離間した位置に前記内装体に対する取付部分を有し、かつこの取付部分より先端側の部分は、前記内装体の表面側に位置する部分の前後端部のみが前記内装体に対して固定されている、
ことを特徴とするパンツタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
本発明のおむつは予め製品の状態では裏返し状態(肌当接面が外側)となっているため、装着の際には、装着者の脚を脚開口部及びウエスト開口部の順に通した後、おむつをウエストに向かって引き上げつつおむつの表裏が元に戻るようにひっくり返す、といった手順となる。よって、間口がより狭く、通し難い脚開口部に先に脚を入れることができ、その後は両脚先を共通の大きなウエスト開口部に通すだけであるため、従来よりも履かせ易いおむつとなる。
また、本発明のおむつの場合、サイドシール部は、裏返し状態ではおむつの両側部から外方に突出し、且つ装着状態ではおむつの両側部から内方に突出する。よって、従来の一般的なパンツタイプ使い捨ておむつの製造法において、おむつを前後方向中央を境に二つ折りしてサイドシール部を形成する際におけるおむつの折り畳みの向きを逆にするだけで製造できるだけでなく、装着状態ではサイドシール部がおむつ外側に突出しないため、外観の見栄えも良いものとなる。
なお、肌当接面及び肌非当接面は装着状態の向きを意味する。
そして、いわゆる立体ギャザーを有する場合であっても、裏返し状態では、立体ギャザーも肌非当接面側に裏返り、脚開口部に脚を通す際に脚先が引っ掛かり難くなる。よって、従来よりも履かせ易いおむつとなる。
特に、本発明では、おむつを裏返した状態では、立体ギャザーも肌非当接面側に裏返り、脚開口部に脚を通す際に脚先が引っ掛かり難くなるだけでなく、立体ギャザーの内装体に対する取付部分が内装体の側縁から幅方向中央側に十分に離間しているため、おむつを裏返した状態では、立体ギャザーが内装体の肌非当節面側において幅方向中央側に移動できる。その結果、股間部の幅が立体ギャザーにより増加し難く、また立体ギャザーに脚先が当たったとしても、立体ギャザーが幅方向中央側に押しのけられるようになる。よって、脚開口部に脚を通す際、より一層、脚先が脚開口部に引っ掛かり難くなる。
<請求項記載の発明>
前記前身頃及び後身頃は、前記サイドシール部の幅方向外側に延出する非接合部を有しており、この非接合部の幅が隣接するサイドシール部の幅よりも広い、請求項記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
本発明のおむつは、装着状態ではサイドシール部がおむつ内面に突出する。サイドシール部は前身頃と後身頃とを接合している部分であるため、他の部分と比べて硬質であり、これがおむつ内面に突出して肌に接触すると装着感が悪化するおそれがある。これに対して、上述のように、サイドシール部の幅方向外側にサイドシール部よりも広い非接合部を設けると、非接合部を折り返してサイドシール部全体を覆うことができ、サイドシール部がむき出しで肌に触れることによる装着感の悪化を防止又は軽減することができる。
<請求項記載の発明>
前記サイドシール部の幅が3〜5mmである、請求項又は記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
このように、サイドシール部の幅を十分に狭くすると、装着時におむつ内面に突出するサイドシール部の突出が殆ど無くなり、装着感の悪化を防止又は軽減することができる。
<請求項記載の発明>
前記立体ギャザーにおける前記内装体の表面側の前後端部の固定部は、前後方向長さが30〜50mmであり、幅が5〜10mmである、請求項記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
このように、立体ギャザーにおける内装体の表面側の前後端部の固定部を、狭く且つ短くすることにより、おむつを裏返した状態で立体ギャザーが横に大きくはみ出ず、股間幅が狭くなり、もって脚開口部への脚通しが容易となるため好ましい。
以上のとおり、本発明によれば、装着者の脚を脚開口部に通し易く、履かせ易いパンツタイプ使い捨ておむつとなる、等の利点がもたらされる。
パンツタイプ使い捨ておむつの内面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの外面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 図1の3−3断面図である。 図1の4−4断面図である。 図1の5−5断面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの要部のみを示す、おむつを展開した状態における平面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの要部のみを示す、断面図である。 裏返し状態(装着前状態)のパンツタイプ使い捨ておむつの斜視図である。 装着状態のパンツタイプ使い捨ておむつの斜視図である。 サイドシール部を概略的に示す平面図である。 各種のサイドシールパターンを示す概略図である。 装着方法を比較的に示す概略図である。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しつつ詳説する。
図1〜図9は、パンツタイプ使い捨ておむつの一例100を示している。このパンツタイプ使い捨ておむつ100は、装着状態における肌非当接面である外面(裏面)をなす外装シート12と、外装シートの装着状態における肌当接面である内面(表面)に貼り付けられた内装体200とから構成されているものである。内装体200は、尿等の排泄物等を吸収保持する部分であり、外装シート12は着用者に装着するための部分である。なお、断面図における点模様部分は各構成部材を接合する接合部分を示しており、ホットメルト接着剤などのベタ、ビード、カーテン、サミットまたはスパイラル塗布などにより形成されるものである。なお、「前後方向」とは腹側(前側)と背側(後側)を結ぶ方向を意味し、「幅方向」とは前後方向と直交する方向(左右方向)を意味し、「上下方向」とはおむつ100の装着状態、すなわちおむつ100の前身頃両側部と後身頃量側部を重ね合わせるようにおむつ100を股間部で2つに折った際に胴回り方向と直交する方向、換言すればウエスト開口部WO側と股間部側とを結ぶ方向を意味する。
(内装体)
内装体200は任意の形状を採ることができるが、図示の形態では長方形である。内装体200は、図3〜図5に示されるように、身体側となる表面シート30と、不透液性バックシート11と、これらの間に介在された吸収要素50とを備えているものであり、吸収機能を担う本体部である。符号40は、表面シート30を透過した液を速やかに吸収要素50へ移行させるために、表面シート30と吸収要素50との間に設けられた中間シート(セカンドシート)を示しており、符号60は、内装体200の両脇に排泄物が漏れるのを防止するために、内装体200の両側に設けられた、身体側に起立する立体ギャザー60を示している。
(表面シート)
表面シート30は、液を透過する性質を有するものであり、例えば、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシートなどを例示することができる。また、このうち不織布は、その原料繊維が何であるかは、特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。例えば、柔軟性、ドレープ性を求めるのであれば、スパンボンド法、スパンレース法が、嵩高性、ソフト性を求めるのであれば、エアスルー法、ポイントボンド法、サーマルボンド法が、好ましい加工方法となる。
また、表面シート30は、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートを貼り合せて得た積層シートからなるものであってもよい。同様に、表面シート30は、平面方向に関して、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートからなるものであってもよい。
立体ギャザー60を設ける場合、表面シート30の両側部は、不透液性バックシート11と立体ギャザー60との間を通して、吸収要素50の裏側まで回りこませ、液の浸透を防止するために、不透液性バックシート11及び立体ギャザー60に対してホットメルト接着剤等により接着するのが好ましい。
(中間シート)
表面シート30を透過した液を速やかに吸収要素50へ移行させるために、表面シート30より液の透過速度が速い、中間シート(「セカンドシート」とも呼ばれている)40を設けることができる。この中間シート40は、液を速やかに吸収体56側へ移行させて吸収体56による吸収性能を高めるばかりでなく、吸収した液の吸収体56からの「逆戻り」現象を防止し、表面シート30上を常に乾燥した状態とすることができる。中間シート40は省略することもできる。
中間シート40としては、表面シート30と同様の素材や、スパンレース、スパンボンド、SMS、パルプ不織布、パルプとレーヨンとの混合シート、ポイントボンド又はクレープ紙を例示できる。特にエアスルー不織布が嵩高であるため好ましい。エアスルー不織布には芯鞘構造の複合繊維を用いるのが好ましく、この場合芯に用いる樹脂はポリプロピレン(PP)でも良いが剛性の高いポリエステル(PET)が好ましい。目付けは20〜80g/m2が好ましく、25〜60g/m2がより好ましい。不織布の原料繊維の太さは2.2〜10dtexであるのが好ましい。不織布を嵩高にするために、原料繊維の全部又は一部の混合繊維として、芯が中央にない偏芯の繊維や中空の繊維、偏芯且つ中空の繊維を用いるのも好ましい。
図示の形態の中間シート40は、吸収体56の幅より短く中央に配置されているが、全幅にわたって設けてもよい。中間シート40の長手方向長さは、吸収体56の長さと同一でもよいし、液を受け入れる領域を中心にした短い長さ範囲内であってもよい。
(不透液性バックシート)
不透液性バックシート11の素材は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂等からなるプラスチックフィルムや、不織布の表面にプラスチックフィルムを設けたラミネート不織布、プラスチックフィルムに不織布等を重ねて接合した積層シートなどを例示することができる。不透液性バックシート11には、近年、ムレ防止の観点から好まれて使用されている不透液性かつ透湿性を有する素材を用いることが好ましい。透湿性を有するプラスチックフィルムとしては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性プラスチックフィルムが広く用いられている。このほかにも、マイクロデニール繊維を用いた不織布、熱や圧力をかけることで繊維の空隙を小さくすることによる防漏性強化、高吸水性樹脂または疎水性樹脂や撥水剤の塗工といった方法により、プラスチックフィルムを用いずに液不透過性としたシートも、不透液性バックシート11として用いることができる。
不透液性バックシート11は、防漏性を高めるために、吸収要素50の両側を回りこませて吸収要素50の表面シート30側面の両側部まで延在させるのが好ましい。この延在部の幅は、左右それぞれ5〜20mm程度が適当である。
また、不透液性バックシート11の内側、特に吸収体56側面に、液分の吸収により色が変化する排泄インジケータ80を設けることができる。
立体ギャザー
立体ギャザー60は、内装体200の両側部に沿って前後方向全体にわたり延在する帯状部材であり、表面シート30上を伝わって横方向に移動する尿や軟便を遮断し、横漏れを防止するために設けられているものである。本実施の形態の立体ギャザー60は、内装体200の側部から起立するように設けられ、付け根側の部分は幅方向中央側に向かって斜めに起立し、中間部より先端側の部分は幅方向外側に向かって斜めに起立するものである。
より詳細には、立体ギャザー60は、内装体200の前後方向長さに等しい長さを有する帯状のバリヤーシート62を幅方向に折り返して二つに折り重ねるとともに、折り返し部分及びその近傍のシート間に、細長状弾性伸縮部材63を長手方向に沿って伸張状態で、幅方向に間隔をあけて複数本固定してなるものである。立体ギャザー60のうち幅方向において折り返し部分と反対側の端部は内装体200の側縁部の裏面(図示例は、不透液性バックシート11の両側部となっているが、表面シート30の裏面側巻き込み部分でも良い)に固定された取付部分65とされ、この取付部分65以外の部分は取付部分65から突出する突出部分66(折り返し部分側の部分)とされている。また、突出部分66のうち前後方向両端部は、取付部分65から内装体200の側部を通り表面シート30の側部表面まで延在し且つこの表面シート30の側部表面に対してホットメルト接着剤やヒートシールによる前後固定部67固定された付け根側部分と、この付け根側部分の先端から幅方向外側に折り返され且つ付け根側部分に固定された先端側部分とからなる。突出部分のうち前後方向中間部は非固定の自由部分(内側自由部分)とされ、この自由部分に前後方向に沿う細長状弾性部材63が伸張状態で固定されている。
バリヤーシート62としてはスパンボンド不織布(SS、SSS等)やSMS不織布(SMS、SSMMS等)、メルトブロー不織布等の柔軟で均一性・隠蔽性に優れた不織布に、必要に応じてシリコンなどにより撥水処理を施したものを好適に用いることができ、繊維目付けは10〜30g/m2程度とするのが好ましい。細長状弾性伸縮部材63としては糸ゴム等を用いることができる。スパンデックス糸ゴムを用いる場合は、太さは470〜1240dtexが好ましく、620〜940dtexがより好ましい。固定時の伸長率は、150〜350%が好ましく、200〜300%がより好ましい。また、図示のように、二つに折り重ねたバリヤーシートの間に防水フィルムを介在させることもできる。
立体ギャザー60の自由部分に設けられる細長状弾性伸縮部材63の本数は2〜6本が好ましく、3〜5本がより好ましい。配置間隔60dは3〜10mmが適当である。このように構成すると、細長状弾性伸縮部材63を配置した範囲で肌に対して面で当たりやすくなる。先端側だけでなく付け根側にも細長状弾性伸縮部材63を配置しても良い。
立体ギャザー60の取付部分65の固定対象は、内装体200における表面シート30、不透液性バックシート11、吸収要素50等適宜の部材とすることができる。
かくして構成された立体ギャザー60では、細長状弾性伸縮部材63の収縮力が前後方向両端部を近づけるように作用するが、突出部分66のうち前後方向両端部が起立しないように固定されるのに対して、それらの間は非固定の自由部分とされているため、自由部分のみが図3に示すように身体側に当接するように起立する。特に、取付部分65が内装体200の裏面側に位置していると、股間部及びその近傍において立体ギャザー60が幅方向外側に開くように起立するため、立体ギャザー60が脚周りに面で当接するようになり、フィット性が向上するようになる。
立体ギャザー60の寸法は適宜定めることができるが、乳幼児用紙おむつの場合は、例えば図7に示すように、立体ギャザー60の起立高さ(展開状態における突出部分66の幅方向長さ)W6は15〜60mm、特に20〜40mmであるのが好ましい。また、立体ギャザー60をトップシート30表面と平行になるように、平坦に折り畳んだ状態において最も内側に位置する折り目間の離間距離W3は60〜190mm、特に70〜140mmであるのが好ましい。
なお、図示形態と異なり、内装体200の左右各側において立体ギャザーを二重に(二列)設けることもできる。
(吸収要素)
吸収要素50は、吸収体56と、この吸収体56の全体を包む包装シート58とを有する。包装シート58は省略することもできる。
(吸収体)
吸収体56は、繊維の集合体により形成することができる。この繊維集合体としては、綿状パルプや合成繊維等の短繊維を積繊したものの他、セルロースアセテート等の合成繊維のトウ(繊維束)を必要に応じて開繊して得られるフィラメント集合体も使用できる。繊維目付けとしては、綿状パルプや短繊維を積繊する場合は、例えば100〜300g/m2程度とすることができ、フィラメント集合体の場合は、例えば30〜120g/m2程度とすることができる。合成繊維の場合の繊度は、例えば、1〜16dtex、好ましくは1〜10dtex、さらに好ましくは1〜5dtexである。フィラメント集合体の場合、フィラメントは、非捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維であるのが好ましい。捲縮繊維の捲縮度は、例えば、1インチ当たり5〜75個、好ましくは10〜50個、さらに好ましくは15〜50個程度とすることができる。また、均一に捲縮した捲縮繊維を用いる場合が多い。吸収体56中には高吸収性ポリマー粒子を分散保持させるのが好ましい。
吸収体56は長方形形状でも良いが、図6にも示すように、前端部、後端部及びこれらの間に位置し、前端部及び後端部と比べて幅が狭い括れ部とを有する砂時計形状を成していると、吸収体56自体と立体ギャザー60の、脚回りへのフィット性が向上するため好ましい。
また、吸収体の寸法は適宜定めることができるが、前後方向及び幅方向において、内装体の周縁部又はその近傍まで延在しているのが好ましい。
(高吸収性ポリマー粒子)
吸収体56には、その一部又は全部に高吸収性ポリマー粒子を含有させることができる。高吸収性ポリマー粒子とは、「粒子」以外に「粉体」も含む。高吸収性ポリマー粒子の粒径は、この種の吸収性物品に使用されるものをそのまま使用でき、1000μm以下、特に150〜400μmのものが望ましい。高吸収性ポリマー粒子の材料としては、特に限定無く用いることができるが、吸水量が40g/g以上のものが好適である。高吸収性ポリマー粒子としては、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体などのものを用いることができる。高吸収性ポリマー粒子の形状としては、通常用いられる粉粒体状のものが好適であるが、他の形状のものも用いることができる。
高吸収性ポリマー粒子としては、吸水速度が40秒以下のものが好適に用いられる。吸水速度が40秒を超えると、吸収体56内に供給された液が吸収体56外に戻り出てしまう所謂逆戻りを発生し易くなる。
また、高吸収性ポリマー粒子としては、ゲル強度が1000Pa以上のものが好適に用いられる。これにより、嵩高な吸収体56とした場合であっても、液吸収後のべとつき感を効果的に抑制できる。
高吸収性ポリマー粒子の目付け量は、当該吸収体56の用途で要求される吸収量に応じて適宜定めることができる。したがって一概には言えないが、50〜350g/m2とすることができる。ポリマーの目付け量が50g/m2未満では、吸収量を確保し難くなる。350g/m2を超えると、効果が飽和する。
必要であれば、高吸収性ポリマー粒子は、吸収体56の平面方向で散布密度あるいは散布量を調整できる。たとえば、液の排泄部位を他の部位より散布量を多くすることができる。男女差を考慮する場合、男用は前側の散布密度(量)を高め、女用は中央部の散布密度(量)を高めることができる。また、吸収体56の平面方向において局所的(例えばスポット状)にポリマーが存在しない部分を設けることもできる。
(包装シート)
包装シート58を用いる場合、その素材としては、ティッシュペーパ、特にクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等を用いることができる。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないシートであるのが望ましい。クレープ紙に換えて不織布を使用する場合、親水性のSMS不織布(SMS、SSMMS等)が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレン複合材などを使用できる。目付けは、5〜40g/m2、特に10〜30g/m2のものが望ましい。
包装シート58の包装形態は適宜定めることができるが、製造容易性や前後端縁からの高吸収性ポリマー粒子の漏れ防止等の観点から、吸収体56の表裏面及び両側面を取り囲むように筒状に巻き付け、且つその前後縁部を吸収体56の前後から食み出させ、この食み出し部分を表裏方向に潰してホットメルト接着剤等の接合手段により接合する形態が好ましい。
(外装シート)
外装シート12は、股間部から腹側に延在する前身頃Fと、股間部から背側に延在する後身頃Bとを有し、これら前身頃Fの両側部と後身頃Bの両側部とが接合されてサイドシール部12Aが形成されることにより、図9に示すように、装着者の胴を通すためのウエスト開口部WO及び脚を通すための左右一対の脚開口部LOが形成されているものである。なお、股間部とは、展開状態における前身頃のウエスト端縁から後身頃のウエスト端縁までの前後方向中央を意味し、それよりも前側の部分及び後側の部分が前身頃F及び後身頃Bをそれぞれ意味する。
外装シート12は、胴開口部WOから脚開口部LOの上端に至る前後方向範囲として定まる胴周り部Tと、脚開口部LOを形成する部分の前後方向範囲として定まる中間部Lとを有する。胴周り部Tは、概念的に「ウエスト側端部」Wと「胴周り下部」Uとに分けることができる。これらの前後方向の長さは、製品のサイズによって異なり、適宜定めることができるが、一例を挙げると、ウエスト側端部Wは15〜40mm、胴周り下部Uは65〜120mmとすることができる。一方、中間部Lの両側縁は被着者の脚周りに沿うように括れており、ここが着用者の脚を入れる部位となる。この結果、外装シート12は、全体としては略砂時計形状をなしている。外装シート12の括れの程度は適宜定めることができ、図1〜図9に示す形態のように、すっきりとした外観とするために最も幅が狭い部分では内装体200の幅より狭くすることが好ましいが、最も幅が狭い部分でも内装体200の幅以上となるように定めてもよい。
外装シート12は、図3〜図5に示されるように、二枚のシート基材12S,12Hをホットメルト接着剤等の接着剤により張り合わせて形成されるものであり、内側に位置する内側シート基材12Hはウエスト開口部WOの縁までしか延在していないが、外側シート基材12Sは内側シート基材12Hのウエスト側の縁を回り込んでその内側に折り返されており、この折り返し部分12rは内装体200のウエスト側端部上までを被覆するように延在されている。
シート基材12S,12Hとしては、シート基材であれば特に限定無く使用できるが、不織布であるのが好ましい。不織布は、その原料繊維が何であるかは特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。不織布を用いる場合、その坪量は10〜30g/m2程度とするのが好ましい。
また、外装シート12を通して後述する印刷シート25のデザインを装着状態の外面から良好に視認できるように、外装シート12の総目付けは20〜60g/m2程度であるのが好ましく、外装シート12のJIS K 7105に規定される全光線透過率が40%以上、特に50%以上となっているのが好ましい。
そして、外装シート12には、胴回りに対するフィット性を高めるために、両シート基材12S,12H間に糸ゴム等の細長状弾性伸縮部材15〜19が所定の伸張率で設けられている。細長状弾性伸縮部材15〜19としては、合成ゴムを用いても、天然ゴムを用いても良い。外装シート12の両シート基材12S,12Hの貼り合せや、その間に挟まれる細長状弾性伸縮部材15〜19の固定には種々の塗布方法によるホットメルト接着またはヒートシールや超音波接着を用いることができる。外装シート12全面を強固に固定するとシートの風合いを損ねるため好ましくない。これらを組合せ、細長状弾性伸縮部材15〜19の接着は強固にし、それ以外の部分は接着しないか弱く接着するのが好ましい。
より詳細には、後身頃B及び前身頃Fのウエスト端部(上端部)Wにおける内側シート基材12Hの内側面と外側シート基材12Sの折り返し部分12rの外側面との間には、幅方向全体にわたり連続するように、複数のウエスト部弾性伸縮部材17,18が上下方向に間隔を空けて、かつ所定の伸張率で幅方向に沿って伸張された状態で固定されている。また、ウエスト部弾性伸縮部材17,18のうち、胴周り下部Uに隣接する領域に配設される1本または複数本については、内装体200と重なっていてもよいし、内装体200と重なる幅方向中央部を除いてその幅方向両側にそれぞれ設けてもよい。このウエスト弾性伸縮部材17,18としては、太さ155〜1880dtex、特に470〜1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05〜1.5mm2、特に0.1〜1.0mm2程度)の糸ゴムを、4〜12mmの間隔で3〜22本程度、それぞれ伸張率150〜400%、特に220〜320%程度で固定するのが好ましい。また、ウエスト部弾性伸縮部材17,18は、その全てが同じ太さと伸張率にする必要はなく、例えばウエスト側端部Wの上部と下部で弾性伸縮部材の太さと伸張率が異なるようにしてもよい。
また、前身頃F及び後身頃Bの胴周り下部Uにおける内側シート基材12Hの外側面と外側シート基材12Sの内側面との間には、内装体200と重なる幅方向中央部を除いて、その上側および幅方向両側の各部位に、幅方向全体にわたり連続するように、複数の細長状弾性伸縮部材15,19が上下方向に間隔を空けて、かつ所定の伸張率で幅方向に沿って伸張された状態で固定されている。
胴回り下部Uの細長状弾性伸縮部材15,19としては、太さ155〜1880dtex、特に470〜1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05〜1.5mm2、特に0.1〜1.0mm2程度)の糸ゴムを、1〜15mm、特に3〜8mmの間隔で5〜30本程度、それぞれ伸張率200〜350%、特に240〜300%程度で固定するのが好ましい。
また、前身頃F及び後身頃Bの中間部Lにおける内側シート基材12Hの外側面と外側シート基材12Sの内側面との間には、内装体200と重なる幅方向中央部を除いて、その幅方向両側の各部位に、幅方向全体にわたり連続するように、複数の細長状弾性伸縮部材16が上下方向に間隔を空けて、かつ所定の伸張率で幅方向に沿って伸張された状態で固定されている。
中間部Lの細長状弾性伸縮部材16,18としては、太さ155〜1880dtex、特に470〜1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05〜1.5mm2、特に0.1〜1.0mm2程度)の糸ゴムを、5〜40mm、特に5〜20mmの間隔で2〜10本程度、それぞれ伸張率150〜300%、特に180〜260%で固定するのが好ましい。
なお、図示のように、胴回り下部U及び中間部Lの細長状弾性伸縮部材15,19,16,18が、内装体200と重なる幅方向中央部を除いてその幅方向両側にそれぞれ設けられていると、内装体200が幅方向に必要以上に収縮することがなく、モコモコと見た目が悪かったり吸収性が低下したりすることがないため好ましい。この形態には、幅方向両側にのみ弾性伸縮部材が存在する形態の他、内装体200を横切ってその幅方向一方側から他方側まで弾性伸縮部材が存在しているが、内装体200と重なる幅方向中央部では弾性伸縮部材が切断され、伸縮力が作用しない(実質的には、弾性伸縮部材を設けないことに等しい)ように構成されている形態も含まれる。もちろん細長状弾性伸縮部材15,19,16,18の配設形態は上記例に限るものではなく、胴回り下部Uの幅方向全体にわたり伸縮力が作用するように、胴回り下部Uの細長状弾性伸縮部材15,19,16,18の一部または全部を、内装体200を横切ってその幅方向一方側から他方側まで設けることもできる。
また、細長状弾性伸縮部材15〜19が後述する印刷シート25を横切る場合において、細長状弾性伸縮部材15〜19として酸化チタンを含有するゴムを用いる場合には、酸化チタンの含有量が低い(例えば2%以下の)ものあるいは酸化チタンを含有しないものを用いるのが好ましい。
(後処理テープ)
外装シート12の後身頃Bの装着状態の外面における幅方向中央部には、後処理テープ70(固定手段)が設けることができる。後処理テープ70は、おむつ100を表面シート30が内側に且つ前身頃Fが内側となるように丸め若しくは折り畳んだ状態で固定するためのものである。一般的な後処理テープ70は、図5に示すように、基端部71が外装シート12の装着状態の外面に接着剤等により固定されるとともに、この基端部71よりも先端側の部分は三つ折り(断面Z字状)や二つ折りで折り畳まれて、折り重なり部分間が仮止め接着剤72により剥離可能に固定(仮固定)されている。また、先端部に白色等の不透明色に着色された摘み部73を有するとともに、この摘み部73を除く部分が透明または半透明であり、この後処理テープ70における透明または半透明の部分を通して、後処理テープ70の外面側から後述するデザインが視認可能になっている。具体的な構造は適宜構成することができるが、図示形態では、全体を透明又は半透明の複数の基材を長手方向に連結して形成するとともに、摘み部73に着色テープ74を張り合わせた構造を採用している。
廃棄時には、おむつ100を表面シート30が内側になるとともに前身頃Fが内側となるように丸め若しくは折り畳んだ後、後処理テープ70の折り重なり部分を剥離して展ばし、丸めた若しくは折り畳んだおむつ100の後身頃Bからウエスト開口部WOを越えて反対側の外面まで巻き付けるようにして接着剤により固定する。後処理テープ70は、不使用時にはコンパクトに折り畳まれ、使用時には長尺状に展開できる三つ折り形状のものが特に好適である。
後処理テープ70等の固定手段は、前身頃Fに設けてもよく、後身頃Bと前身頃Fの両方に設けてもよい。
(印刷シート)
不透液性バックシート11と外装シート12との間(外装シート12の層間を含む)には、印刷によりデザインの施された印刷シート25が設けられている。外装シート12を省略し、印刷シート25が装着状態の外面に露出する形態とすることもできる。また、図示例の印刷シート25は、それが配置される身頃よりも小さい面積を有しており、前身頃F及び後身頃Bに個別に設けられているが、前身頃Fから股間部を通り後身頃Bまで一体的に連続するように設けることもできる。
印刷シート25の寸法・形状は特に限定されないが、機能を十分なものとするためには十分に面積を大きくするのが好ましく、例えば、印刷シート25の幅は吸収体56の幅の50〜120%程度であるのが好ましく、印刷シート25の長さは少なくとも腹側及び背側の片側で物品全長Yの15〜30%程度であるのが好ましい。また、印刷シート25の形状はトリムロスが発生しない点では図示例のような矩形であるのが好ましいが、円形や楕円形、三角形、六角形等の幾何学形状、若しくはデザインの周囲に沿う形状にカットしても良い。
印刷シート25のシート基材としては、プラスチックフィルムや不織布、紙などを用いることができるが、嵩高く通気性の高い素材が好ましい。プラスチックフィルムを用いる場合は、ムレ防止のため透湿性を有することが望ましい。不織布や紙は透湿性を有するため好ましく、デザイン印刷を施す場合、不織布にあっては平滑性が高く印刷しやすいもの、紙にあっては強度が高くインクの滲み難いものを用いるのが好ましい。特に好ましいものとしては、目付け15〜35g/m2程度、厚み0.1〜0.3mm程度のクレープ紙(薄葉紙)や、目付け10〜25g/m2程度、厚み0.1〜0.3mm程度の不織布(特にスパンボンド部の繊度が1.0〜3.0dtex程度のスパンボンド不織布やSMS不織布)を挙げることができる。クレープ紙を用いる場合は、クレープ率は5〜20%程度、特に5〜15%程度のものを用いるのが好ましい。クレープ率が20%以上であると、インクの定着量は大きくなるが滲みが生じてデザイン印刷には適さない。クレープ率が5%以下であるとインクが浸透しにくいため定着量が少ない。
(外装シート分割構造)
上述の例では、前身頃Fから後身頃Bまでを一体的な外装シート12により連続的に覆っているが、外装シートが、装着者の胴回りのうち腹側を覆う腹側外装シートと背側を覆う背側外装シートとに分割されており、腹側外装シートの幅方向中央部内面(装着状態)に内装体の前端部がホットメルト接着剤等により連結されるとともに、背側外装シートの幅方向中央部内面(装着状態)に内装体の後端部がホットメルト接着剤等により連結されており、腹側外装シートと背側外装シートとが股間側で連続しておらず、離間されている形態も採用することができる。この離間距離は150〜250mm程度とすることができる。この場合、内装体における不透液性バックシートの裏面には、内装体の裏面全体を覆うように、あるいは腹側外装シートと背側外装シートとの間に露出する部分全体を覆うように、股間部外装シートを固定することもできる。股間部外装シートとしては、前述した外装シートに用いられるものと同様の資材を用いることができる。股間部外装シートも本発明の外装シートに相当する。
(主な特徴部分)
特徴的には、本発明に係る使い捨ておむつは、図8に示すように肌当接面が外面となるように裏返した状態とされるとともに、サイドシール部12Aは、前身頃Fの肌非当接面と後身頃Bの肌非当接面とを対向させて接合することにより形成されている。このように、予め製品の状態では裏返し状態(肌当接面が外側)とされていると、装着の際には、図12(a)に示すように、装着者の脚300を脚開口部LO及びウエスト開口部WOの順に通した後、おむつ100をウエストに向かって引き上げつつ、図12(b)に示すように、おむつ100の表裏が元に戻るようにひっくり返す、といった手順となる。よって、間口がより狭く、通し難い脚開口部LOに先に脚300を入れることができ、その後は両脚先を共通の大きなウエスト開口部WOに通すだけであるため、従来よりも履かせ易い。
特に、図示例のように立体ギャザー60を有する場合であっても、裏返し状態では、図8に示されるように、立体ギャザー60が肌非当接面側に裏返り、脚開口部LOに脚を通す際に脚先が引っ掛かり難くなる。また、図示例のように、立体ギャザー60が、内装体200の裏面に取付部分65を有する形態において、取付部分65の側縁と内装体200の側縁との離間距離W7が、内装体200の幅の3〜10%程度であると、おむつを裏返した状態では、立体ギャザー60が内装体200の肌非当節面側において幅方向中央側に移動できるようになり、股間部の幅が立体ギャザー60により増加し難く、また立体ギャザー60に脚先が当たったとしても、立体ギャザー60が幅方向中央側に押しのけられるようになり、脚先の引っ掛かり防止効果がより一層のものとなる。さらに、立体ギャザー60における内装体200の表面側の前後端部の固定部67,67を狭く且つ短くすると、おむつを裏返した状態で立体ギャザー60が横に大きくはみ出ず、股間幅が狭くなり、もって脚開口部への脚通しが容易となるため好ましい。具体的には、前後方向長さ67Yは30〜50mm程度とするのが好ましく、幅67Xは5〜10mm程度とするのが好ましい。
他方、上述のおむつの場合、サイドシール部12Aは、図8に示される裏返し状態ではおむつの両側部から外方に突出するものの、装着状態では図9に示されるようにおむつの両側部から内方に突出することとなるため、外観の見栄えも良いものとなる。また、このようなサイドシール部12Aは、従来の一般的なパンツタイプ使い捨ておむつの製造法において、おむつを前後方向中央を境に二つ折りしてサイドシール部12Aを形成する際におけるおむつの折り畳みの向きを逆にするだけで製造できる。
サイドシール部12Aのパターンは、適宜定めることができ、縦方向に連続線状に設けることもできるが、ヒートシール等の溶着手段の場合、分断してしまうおそれがあるため、図11に示すように、点線状(間欠的)に設けるのが好ましい。また、点線状にサイドシール部を設ける場合、各接合点の形状は、図11(a)に示すような円形(楕円形でも良い)、図11(b)に示すような縦長長方形、図11(c)に示すような横長長方形など、適宜定めることができる。ただし、サイドシール部12Aは他の部分よりも硬質であり、これがおむつ内面に突出するため、横長長方形の場合のように幅のあるデザインは好ましくない。一方縦長長方形の場合は、サイドシール12Aの幅が狭くなり装着した際の違和感を軽減し易いが、ヒートシール強度を確保するのは困難となる。よって、図11の例の中では、装着間及び強度のバランスが良いことから、(a)の円形が好ましい。さらに、この観点から、サイドシール部12Aの幅W8は十分に狭く、具体的には3〜5mm程度であると、図10(a)に示すように、装着時におむつ内面に突出するサイドシール部12Aの突出が殆ど無くなり、装着感の悪化を防止又は軽減することができる。
他方、パンツタイプ使い捨ておむつにおいては、その製造方法に起因して、前身頃F及び後身頃Bにおける、サイドシール部12Aの幅方向外側に非接合部12Bを有している。従来、この非接合部12Bの幅は短く、何も利用できないものであるが、本発明では、この非接合部12Bの幅W9を隣接するサイドシール部12Aの幅W8よりも広くすることにより、装着の際、図9、図10に示すように、この非接合部12Aを折り返して、おむつ内面に突出するサイドシール部12A全体を被覆できるようにすることも提案される。これにより、おむつ内面に突出するサイドシール部12Aがむき出しで肌に触れることによる装着感の悪化を防止又は軽減することができる。具体的に、非接合部の幅W9は、10〜30mm程度とするのが好ましい。
また、通常の場合、パンツタイプ使い捨ておむつの前後は、デザイン印刷や、後処理テープ70の有無で判断できるが、裏返された製品ではこれら目印等の識別要素が外面にないため、前後の判別が困難となるおそれがある。よって、前後を分かりやすくするため、外装シート12に設ける弾性伸縮部材15〜19の色を、前身頃Fと後身頃Bとで異なるものとし(具体的にはいずれか一方又は両方に着色を行う)、前後判別の目印とするのも好ましい。
本発明は、上記例のようなパンツタイプ使い捨ておむつに利用できるものである。
11…不透液性バックシート、12…外装シート、12r…折り返し部分、25…印刷シート、200…内装体、30…トップシート、40…中間シート、50…吸収要素、56…吸収体、58…包装シート、60…立体ギャザー、62…バリヤーシート。

Claims (4)

  1. 前身頃の両側部と後身頃の両側部とがそれぞれ接合されてサイドシール部が形成されることにより、ウエスト開口部及び左右一対の脚開口部がそれぞれ形成され、
    少なくとも股間部を含む領域に、肌当接面を構成する液透過性表面シートと、不透液性バックシートと、これらの間に介在された吸収体とが設けられ
    少なくとも股間部の幅方向両側部に、おむつ内面から肌側に突出する立体ギャザーがそれぞれ設けられた、パンツタイプ使い捨ておむつにおいて、
    前記肌当接面が外面となる裏返し状態とされ、且つ
    前記サイドシール部は、前身頃の肌非当接面と後身頃の肌非当接面とを対向させて接合することにより形成されており、
    前記液透過性表面シートと前記不透液性バックシートとの間に前記吸収体が介在されてなり、背側から股間部を通り腹側までを覆うように形成された内装体と、この内装体の外面における少なくとも前後のウエスト側端部に張り付けられ、少なくとも胴回りを覆うように形成された外装シートとを備えており、
    前記立体ギャザーは、前記内装体の裏面における幅方向両側部から前記内装体の両側を経て前記内装体の表面側に達するように設けられており、
    前記立体ギャザーは、前記内装体の裏面における幅方向両側部のうち、前記内装体の側縁から幅方向中央側に前記内装体の幅の3〜10%だけ離間した位置に前記内装体に対する取付部分を有し、かつこの取付部分より先端側の部分は、前記内装体の表面側に位置する部分の前後端部のみが前記内装体に対して固定されている、
    ことを特徴とするパンツタイプ使い捨ておむつ。
  2. 前記前身頃及び後身頃は、前記サイドシール部の幅方向外側に延出する非接合部を有しており、この非接合部の幅が隣接するサイドシール部の幅よりも広い、請求項記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
  3. 前記サイドシール部の幅が3〜5mmである、請求項又は記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
  4. 前記立体ギャザーにおける前記内装体の表面側の前後端部の固定部は、前後方向長さが30〜50mmであり、幅が5〜10mmである、請求項記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
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