JP6362261B2 - パンツタイプ使い捨ておむつ及びその製造方法 - Google Patents
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<請求項1記載の発明>
前身頃の両側部と後身頃の両側部とが接合されてサイドシール部が形成されることにより、ウエスト開口及び脚開口が形成されており、
サイドシール部を有する前後方向範囲として定まる第1領域と、脚開口を形成する部分の前後方向範囲として定まる第2領域とを有しており、
少なくとも前記第2領域の前後方向中間部が、それよりも前後両側の部分の間に折り込まれて折り込み部分が形成されており、
前記折り込み部分の対向面の少なくとも一部が剥離可能に接合されている、
ことを特徴とするパンツタイプ使い捨ておむつ。
このように股間側の部分である第2領域を内側に折り込んで折り込み部分を形成することにより、製品の縦方向長さが短くなり、形状が矩形に近くなるとともに、厚みが部分的に増すもののその分だけコシが強くなり、しかも第2領域を内側に折り込むため折り込み状態の維持性も高いものとなる。よって、携行性に優れるものとなる。使用時には折り込み部分を外側に出すことにより、使用形態とすることができる。
前記折り込み部分の対向面の折り返し縁が、前記第2領域内に位置している、請求項1記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
このように構成されていると、折り込み深さが浅いため製造が容易となる。特に、後述する製造方法のような連続製造も容易となる。
前記折り込み部分の対向面の折り返し縁が、前記第1領域内に位置している、請求項1記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
第1領域は、前身頃及び後身頃がサイドシール部によって接合されて環状になっているため、この領域まで折り込み部分が折り込まれていると、折り込み状態の維持性がより高いものとなる。
前身頃及び後身頃を個別又は一体的に構成する外装体と、前身頃から股間部を経て後身頃まで延在するように外装体の内側に設けられた、排泄物の吸収体を内蔵する内装体とを備えており、前身頃の外装体の両側部と後身頃の外装体の両側部とが接合されてサイドシール部が形成されることにより、ウエスト開口及び脚開口が形成されたパンツタイプ使い捨ておむつの製造方法において、
前記外装体となる部分がその幅方向とMD方向とが一致するようにMD方向に繰り返し連続する外装帯状体を形成する、外装体組立工程と、
前記外装帯状体を、前記おむつの展開状態と同様の配置で且つおむつの幅方向がMD方向となるように搬送しつつ、この外装帯状体における個々の外装体となる部位に、別途製造した展開状態の内装体を順次接合することによって、個々のおむつとなる部分が展開状態でMD方向に連続する内装組み付け体を形成する、内装体取付工程と、
前記内装組み付け体をCD方向に二つ折りすることによって、二つ折り帯状体を形成する、折り畳み工程と、
前記二つ折り帯状体における二つ折りの折り目を含む部分を、それよりも前身頃側及び後身頃側の部分は前記二つ折りの対向状態を維持したまま、その前身頃側及び後身頃側の部分の間に折り込むことによって折り込み部分を形成する、折り込み部分形成工程と、
個々のおむつの両側部となる部分において前記前身頃の外装体及び後身頃の外装体を接合するとともに、個々のおむつの境界において前記前身頃の外装体及び後身頃の外装体を切断し、個々のおむつを得る、側部接合切り離し工程と、
を含むことを特徴とする、パンツタイプ使い捨ておむつの製造方法。
この製造方法によれば、従来の製造方法に対して折り込み部分形成工程を追加するだけの簡素な変更で、請求項1に係る発明のパンツタイプ使い捨ておむつを製造することができる。
<パンツタイプ使い捨ておむつ>
図1〜図11は、パンツタイプ使い捨ておむつの一例100を示している。断面図における点模様部分は各構成部材を接合する接合手段としての接着剤を示しており、ホットメルト接着剤などのベタ、ビード、カーテン、サミット若しくはスパイラル塗布などにより、また弾性伸縮部材の固定部分はこれに代えて又はこれとともにコームガンやシュアラップ塗布などの弾性伸縮部材の外周面への塗布により形成されるものである。各構成部材を接合する接合手段としてはヒートシールや超音波シール等の溶着手段を用いることもできる。
内装体200は任意の形状を採ることができるが、図示の形態では長方形である。内装体200は、図3〜図5に示されるように、身体側となる表面シート30と、液不透過性シート11と、これらの間に介在された吸収要素50とを備えているものであり、吸収機能を担う本体部である。符号40は、表面シート30を透過した液を速やかに吸収要素50へ移行させるために、表面シート30と吸収要素50との間に設けられた中間シート(セカンドシート)を示しており、符号60は、内装体200の両脇に排泄物が漏れるのを防止するために、内装体200の両側に設けられた、身体側に起立する立体ギャザー60を示している。
表面シート30は、液を透過する性質を有するものであり、例えば、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシートなどを例示することができる。また、このうち不織布は、その原料繊維が何であるかは、特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。例えば、柔軟性、ドレープ性を求めるのであれば、スパンボンド法、スパンレース法が、嵩高性、ソフト性を求めるのであれば、エアスルー法、ポイントボンド法、サーマルボンド法が、好ましい加工方法となる。
表面シート30を透過した液を速やかに吸収体へ移行させるために、表面シート30より液の透過速度が速い、中間シート(「セカンドシート」とも呼ばれている)40を設けることができる。この中間シート40は、液を速やかに吸収体へ移行させて吸収体による吸収性能を高めるばかりでなく、吸収した液の吸収体からの「逆戻り」現象を防止し、表面シート30上を常に乾燥した状態とすることができる。中間シート40は省略することもできる。
液不透過性シート11の素材は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂等からなるプラスチックフィルムや、不織布の表面にプラスチックフィルムを設けたラミネート不織布、プラスチックフィルムに不織布等を重ねて接合した積層シートなどを例示することができる。液不透過性シート11には、近年、ムレ防止の観点から好まれて使用されている不透液性かつ透湿性を有する素材を用いることが好ましい。透湿性を有するプラスチックフィルムとしては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性プラスチックフィルムが広く用いられている。このほかにも、マイクロデニール繊維を用いた不織布、熱や圧力をかけることで繊維の空隙を小さくすることによる防漏性強化、高吸水性樹脂または疎水性樹脂や撥水剤の塗工といった方法により、プラスチックフィルムを用いずに液不透過性としたシートも、液不透過性シート11として用いることができる。
立体ギャザー60は、内装体200の両側部に沿って前後方向全体にわたり延在する帯状部材であり、表面シート30上を伝わって横方向に移動する尿や軟便を遮断し、横漏れを防止するために設けられているものである。本実施の形態の立体ギャザー60は、内装体200の側部から起立するように設けられ、付け根側の部分は幅方向中央側に向かって斜めに起立し、中間部より先端側の部分は幅方向外側に向かって斜めに起立するものである。
吸収要素50は、吸収体56と、この吸収体56の全体を包む包装シート58とを有する。包装シート58は省略することもできる。
吸収体56は、繊維の集合体により形成することができる。この繊維集合体としては、綿状パルプや合成繊維等の短繊維を積繊したものの他、セルロースアセテート等の合成繊維のトウ(繊維束)を必要に応じて開繊して得られるフィラメント集合体も使用できる。繊維目付けとしては、綿状パルプや短繊維を積繊する場合は、例えば100〜300g/m2程度とすることができ、フィラメント集合体の場合は、例えば30〜120g/m2程度とすることができる。合成繊維の場合の繊度は、例えば、1〜16dtex、好ましくは1〜10dtex、さらに好ましくは1〜5dtexである。フィラメント集合体の場合、フィラメントは、非捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維であるのが好ましい。捲縮繊維の捲縮度は、例えば、2.54cm当たり5〜75個、好ましくは10〜50個、さらに好ましくは15〜50個程度とすることができる。また、均一に捲縮した捲縮繊維を用いる場合が多い。吸収体56中には高吸収性ポリマー粒子を分散保持させるのが好ましい。
吸収体56には、その一部又は全部に高吸収性ポリマー粒子を含有させることができる。高吸収性ポリマー粒子とは、「粒子」以外に「粉体」も含む。高吸収性ポリマー粒子54としては、この種の吸収性物品に使用されるものをそのまま使用でき、例えば500μmの標準ふるい(JIS Z8801−1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)でふるい上に残る粒子の割合が30重量%以下のものが望ましく、また、180μmの標準ふるい(JIS Z8801−1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)でふるい上に残る粒子の割合が60重量%以上のものが望ましい。
包装シート58を用いる場合、その素材としては、ティッシュペーパ、特にクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等を用いることができる。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないシートであるのが望ましい。クレープ紙に換えて不織布を使用する場合、親水性のSMS不織布(SMS、SSMMS等)が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレン複合材などを使用できる。目付けは、5〜40g/m2、特に10〜30g/m2のものが望ましい。
内装体200における液不透過性シートの裏面には、内装体200の露出部分の一部(例えば腹側外装体12Fと背側外装体12Bとの間に露出する部分の前後方向全体にわたるが、内装体200の前後端まで延びず、また幅方向両側縁も内装体200の両側縁までは達しない程度)又は全体を覆うように、股間部カバーシート12Mを貼り付けることもできる。股間部カバーシート12Mとしては、後述する外装体12F,12Bに用いられるものと同様の素材を用いることができる。
外装体12F,12Bは、前身頃Fを構成する部分である前側外装体12Fと、後身頃Bを構成する部分である後側外装体12Bとからなり、前側外装体12F及び後側外装体12Bは脚側で連続しておらず、離間されている。この離間距離L8は150〜250mm程度とすることができる。図示しないが、外装体は、股間を介して腹側から背側まで連続する一体的なものとすることもでき、その場合、前述の股間部カバーシート12Mを省略することができる。つまり、本発明における前身頃F及び後身頃Bを個別に構成する外装体12F,12Bが前者の形態に相当し、前身頃F及び後身頃Bを一体的に構成する外装体が後者の形態に相当する。
特徴的には、図8〜図11に示すように、少なくとも第2領域Lの前後方向中間部が、それよりも前後両側の部分の間に折り込まれて折り込み部分70が形成されている。このように股間側の部分である第2領域Lを内側に折り込んで折り込み部分70を形成することにより、製品の縦方向長さが短くなり、形状が矩形に近くなるとともに、厚みが部分的に増すもののその分だけコシが強くなり、しかも第2領域Lを内側に折り込むため折り込み形状の維持性も高いものとなる。よって、携行性に優れるものとなる。使用時には、図8〜図10に二点鎖線で示すように、折り込み部分70を外側に出すことにより、使用形態とすることができる。
図12及び図13は、上述したパンツタイプ使い捨ておむつの製造方法の一例を示している。この製造ラインは、おむつ幅方向がMD方向(マシンディレクション、ライン流れ方向)となる横流れ形態となっており、ここで腹側外装体12Fとなる前側伸縮帯12f及び背側外装体12Bとなる後側伸縮帯12bが形成されるとともに、別のラインで製造された内装体200が前側伸縮帯12f及び後側伸縮帯12bに取り付けられる。これら前側伸縮帯12f及び後側伸縮帯12bが本発明の外装帯状体に相当する。なお、説明を判り易くするために、製造過程で連続している部材についても、製造後の部材と同じ符号を用いている。
表1に示す折り込み部分の無い市販品(比較例)と、この市販品に図9〜図11に示す形態と同様に折り込み部分を形成したサンプル(実施例)とを作製し、30人の被験者を対象にどちらが携行性に優れるか評価した。評価は、見た目と実際に触れて携行性を確認することにより行った。その結果、実施例のサンプルの方が携行性に優れると答えた人が86%に達した。なお、表中の製品縦寸法は、サイドシール部を接合した製品状態で、ウエスト開口の縁から股間側の縁までの縦方向長さを意味し、縦寸法減少率は、折り込みの無い状態の製品縦寸法に対する、折り込みの有る状態の製品縦寸法の比率を意味する。
明細書中の以下の用語は、明細書中に特に記載が無い限り、以下の意味を有するものである。
・「前後(縦)方向」とは腹側(前側)と背側(後側)を結ぶ方向を意味し、「幅方向」とは前後方向と直交する方向(左右方向)を意味する。
Claims (4)
- 前身頃の両側部と後身頃の両側部とが接合されてサイドシール部が形成されることにより、ウエスト開口及び脚開口が形成されており、
サイドシール部を有する前後方向範囲として定まる第1領域と、脚開口を形成する部分の前後方向範囲として定まる第2領域とを有しており、
少なくとも前記第2領域の前後方向中間部が、それよりも前後両側の部分の間に折り込まれて折り込み部分が形成されており、
前記折り込み部分の対向面の少なくとも一部が剥離可能に接合されている、
ことを特徴とするパンツタイプ使い捨ておむつ。 - 前記折り込み部分の対向面の折り返し縁が、前記第2領域内に位置している、請求項1記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
- 前記折り込み部分の対向面の折り返し縁が、前記第1領域内に位置している、請求項1記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
- 前身頃及び後身頃を個別又は一体的に構成する外装体と、前身頃から股間部を経て後身頃まで延在するように外装体の内側に設けられた、排泄物の吸収体を内蔵する内装体とを備えており、前身頃の外装体の両側部と後身頃の外装体の両側部とが接合されてサイドシール部が形成されることにより、ウエスト開口及び脚開口が形成されたパンツタイプ使い捨ておむつの製造方法において、
前記外装体となる部分がその幅方向とMD方向とが一致するようにMD方向に繰り返し連続する外装帯状体を形成する、外装体組立工程と、
前記外装帯状体を、前記おむつの展開状態と同様の配置で且つおむつの幅方向がMD方向となるように搬送しつつ、この外装帯状体における個々の外装体となる部位に、別途製造した展開状態の内装体を順次接合することによって、個々のおむつとなる部分が展開状態でMD方向に連続する内装組み付け体を形成する、内装体取付工程と、
前記内装組み付け体をCD方向に二つ折りすることによって、二つ折り帯状体を形成する、折り畳み工程と、
前記二つ折り帯状体における二つ折りの折り目を含む部分を、それよりも前身頃側及び後身頃側の部分は前記二つ折りの対向状態を維持したまま、その前身頃側及び後身頃側の部分の間に折り込むことによって折り込み部分を形成する、折り込み部分形成工程と、
個々のおむつの両側部となる部分において前記前身頃の外装体及び後身頃の外装体を接合するとともに、個々のおむつの境界において前記前身頃の外装体及び後身頃の外装体を切断し、個々のおむつを得る、側部接合切り離し工程と、
を含むことを特徴とする、パンツタイプ使い捨ておむつの製造方法。
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