JP2016030031A5 - - Google Patents

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パンツタイプ使い捨ておむつ
本発明は、パンツタイプ使い捨ておむつにおける伸縮構造に起因するおむつの歪みを抑制する技術に関する。
例えばパンツタイプ使い捨ておむつは、前身頃及び後身頃を形成する外装体と、この外装体の内面に固定された、吸収体を含む内装体とを備え、外装体の前身頃と後身頃とが両側部において接合されることにより、ウエスト開口及び左右一対の脚開口が形成されているものである。
パンツタイプ使い捨ておむつにおいては、身体へのフィット性を向上させるために、外装体における各所に、糸ゴム等の細長状の弾性伸縮部材を周方向に沿って伸長状態で固定し、幅方向の伸縮構造を形成することが行われており、中でも、ウエスト開口側の縁部において幅方向に沿うウエスト部弾性伸縮部材、ならびにウエスト部弾性伸縮部材よりも股間側において幅方向に沿うウエスト下方部弾性伸縮部材を備えているものは、身体に対するフィット性が比較的に高く、汎用されている(例えば特許文献1、2参照)。
このような伸縮構造では、外装体を複数層構造として、その層間に弾性伸縮部材を内蔵させることが基本となっている。そして、弾性伸縮部材の外側に面する外側層及び内側に面する内側層の一方にホットメルト接着剤を面状に塗布し、外側層及び内側層を接合するとともに外側層及び内側層に弾性伸縮部材を固定する形態や、ホットメルト接着剤の使用量低減によるコスト削減及び柔軟性向上を図るために、弾性伸縮部材の全長にわたり周面にホットメルト接着剤を塗布して外側層及び内側層間に挟み、外側層及び内側層を接合するとともに外側層及び内側層に弾性伸縮部材を固定する形態が一般的となっており、また、弾性伸縮部材の両端部のみホットメルト接着剤で外側層及び内側層に固定し、それ以外は弾性伸縮部材の非通過位置で外側層及び内側層を溶着により接合する形態も知られている。
また、外装体における内装体固定領域の前後方向範囲、及びそれよりもウエスト開口側の前後方向範囲の両方に上記伸縮構造を形成する場合、外装体におけるウエスト開口の縁から内装体固定領域のウエスト開口側の縁又はウエスト開口側の端部までの前後方向範囲については、連続的なフィット性を確保するために、ウエスト部弾性伸縮部材等の弾性伸縮部材を幅方向全体にわたり設けて、連続伸縮領域とする一方、この連続伸縮領域よりも前後方向中央側における内装体固定領域の前後方向範囲については、内装体固定領域まで弾性伸縮部材の収縮力が作用すると、内装体が幅方向に収縮し、吸収性能、見栄え及び装着感に悪影響を及ぼすため、内装体固定領域の略全体にわたり、弾性伸縮部材を細かく切断するか又は弾性伸縮部材を設けないことにより、間欠伸縮領域とすることが一般的となっている。
しかし、このようなパンツタイプ使い捨ておむつでは、間欠伸縮領域の幅方向収縮率と比較して、それよりもウエスト開口側の連続伸縮領域の幅方向収縮率が高くなり、その結果として、図9に示すように伸縮構造部分が略扇状に歪む(以下、扇状歪みともいう)という問題点があった。より詳細には、弾性伸縮部材がある程度以上収縮した状態では、内装体固定領域の側縁よりも幅方向外側に位置する脇部領域が、内装体固定領域のウエスト開口側の部分の収縮により引っ張られることにより、幅方向中央側に傾斜しつつ、側縁側がウエスト側に持ち上がり、ウエスト開口の縁は幅方向中間部が股間側に窪んだ形状となる。このような歪み形状は、装着時にウエスト部の幅方向中央部が側部よりも下がった状態となり易く、特に乳幼児の丸いお腹に対してずり落ち易くなるという問題点があった。また、このような歪み形状は、製品包装或いは製品携行時のコンパクト化(高密度化)を妨げる一因ともなる。
特開2010−233885号公報 特開2008−173286号公報
そこで、本発明の主たる課題は、伸縮構造に起因するおむつの歪みを抑制することにある。
上記課題を解決した本発明は以下のとおりである。
<請求項1記載の発明>
前身頃及び後身頃を構成する外装体と、この外装体の内面に固定された、吸収体を含む内装体とを備え、
前身頃における外装体の両側部と後身頃における外装体の両側部とがそれぞれ接合されてサイドシール部が形成されることにより、ウエスト開口及び左右一対の脚開口が形成され、
前記外装体におけるウエスト開口の縁から内装体固定領域のウエスト開口側の縁又はウエスト開口側の端部までの前後方向範囲は、幅方向全体にわたり伸縮する連続伸縮領域とされ、前記外装体における前記連続伸縮領域よりも前後方向中央側における内装体固定領域の前後方向範囲は、内装体固定領域の少なくとも幅方向中間部が非伸縮で、その幅方向両側が伸縮する間欠伸縮領域とされており、
間欠伸縮領域の自然長状態の幅方向収縮率よりも、連続伸縮領域の自然長状態の幅方向収縮率が高い、
パンツタイプ使い捨ておむつにおいて、
前記連続伸縮領域における少なくとも一部の幅方向範囲は、間欠伸縮領域側からウエスト開口の縁に向かうにつれて、自然長状態の幅方向収縮率が連続的又は段階的に低くなっている、
ことを特徴とするパンツタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
本発明においても、自然長状態の幅方向収縮率は、間欠伸縮領域よりもそのウエスト開口側の連続伸縮領域の方が高くなるため、間欠伸縮領域では扇状歪み、つまり内装体固定領域の側縁よりも幅方向外側に位置する脇部領域が幅方向中央側に傾斜する変形は避けえない。しかし、本発明の連続伸縮領域は、従来のものと異なり、少なくとも一部の幅方向範囲は、間欠伸縮領域側からウエスト開口の縁に向かうにつれて、自然長状態の幅方向収縮率が連続的又は段階的に低くなっているため、この収縮率が変化する幅方向範囲では、連続伸縮領域が間欠伸縮領域とは逆の略扇状に変形することにより、間欠伸縮領域の歪みを打消し、ウエスト開口の縁の湾曲がより真直ぐに近くなる又は真直ぐとなる。その結果、装着時にウエスト部の幅方向中央部が側部よりも下がった状態となり難く、特に乳幼児の丸いお腹に対してもずり落ち難いものとなり、また、製品包装或いは製品携行時にもよりコンパクトとなる。
なお、用語「自然長状態の幅方向収縮率」とは、以下の式(1)からも分かるように、幅方向最大伸長時(弾性変形領域内での最大伸長時)の幅方向長さに対する、自然長状態の幅方向長さを百分率で表したものである。
(自然長状態の幅方向長さ)/(幅方向最大伸長時の幅方向長さ)×100 …(1)
<請求項2記載の発明>
前記外装体の少なくとも連続伸縮領域は、その伸縮のための弾性伸縮部材と、その外側及び内側をそれぞれ被覆する外側シート層及び内側シート層とを有しており、
前記連続伸縮領域における外側シート層及び内側シート層が、幅方向に間欠的に形成されたシート接合部により接合されており、
前記連続伸縮領域における前記シート接合部の幅が、間欠伸縮領域側からウエスト開口の縁に向かうにつれて、連続的又は段階的に広くなっている、
請求項1記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
このように、連続伸縮領域における個々のシート接合部の幅に変化をもたせると、連続伸縮領域における自然長状態の幅方向収縮率が間欠伸縮領域側からウエスト開口の縁に向かうにつれて連続的又は段階的に低くすることができる。よって、既存設計に対してシート接合部のパターンを変化するだけで前述の本発明の効果を得ることができる。
<請求項3記載の発明>
前記連続伸縮領域における前記シート接合部の幅の変化度合は、前記間欠伸縮領域の非伸縮の範囲と対応する幅方向範囲内に位置するものよりも、その幅方向両側の範囲に位置するものの方が低い、請求項2記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
連続伸縮領域と間欠伸縮領域とで、収縮率の違いが顕著な幅方向範囲は、間欠伸縮領域の非伸縮の範囲と対応する幅方向範囲である。この幅方向範囲では、間欠伸縮領域は非伸縮となるのに対して、連続伸縮領域では伸縮するためである。よって、本項記載のように、間欠伸縮領域の非伸縮の範囲と対応する幅方向範囲ではシート接合部の幅の変化度合を相対的に大きく、かつその幅方向両側の範囲では相対的に小さくすることにより、より適切な歪み打消しを行うことができる。
<請求項4記載の発明>
前記連続伸縮領域における前記シート接合部は、ウエスト開口側に底辺を有し、ウエスト開口側と反対側に頂点を有する逆三角形状をなしており、
前記連続伸縮領域における前記シート接合部は、おむつの側縁に向かうにつれて段階的又は連続的に、幅方向中央側の辺よりも幅方向外側の辺の方が長いものとなっている、請求項2又は3記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
本項記載のように構成されていると、より強く歪み打消し作用が発揮される。
<請求項5記載の発明>
前記連続伸縮領域における前記シート接合部の幅は、最大幅が4〜13mmであり、最小幅が0〜2mmであり、かつ最大幅が最小幅の5倍以上であり、
前記連続伸縮領域における隣り合うシート接合部の間隔は、最大間隔が6〜13mmであり、最小間隔が0〜5mmであり、かつ最大間隔が最小間隔の2倍以上である、
請求項2〜4のいずれか1項に記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
シート接合部の幅、間隔は適宜定めることができるが、上記範囲内で変化度合等を定めることが好ましい。
<請求項6記載の発明>
前記連続伸縮領域における前記シート接合部は、少なくとも前記連続伸縮領域において前後方向に連続する接着剤により形成されており、
前記連続伸縮領域における弾性伸縮部材は、前記シート接合部と交差する位置で前記外側シート層及び内側シート層の少なくとも一方に接着剤により固定され、前記シート接合部の間では非固定とされている、
請求項2〜5のいずれか1項に記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
このようにシート接合部が前後方向に連続する形態では、収縮時に形成される襞が前後方向に延び、美観に優れたものとなる点で好ましい。しかも、このような形態を対象として前述のようにシート接合部のパターンを変更すると、それだけで前述の本発明の効果を得ることができる。
<請求項7記載の発明>
前記外装体の間欠伸縮領域は、その伸縮のための弾性伸縮部材と、その外側及び内側をそれぞれ被覆する外側シート層及び内側シート層とを有しており、
前記間欠伸縮領域における外側シート層及び内側シート層が、幅方向に間欠的に形成された縦方向に連続するシート接合部により接合されており、
前記間欠伸縮領域におけるシート接合部の幅方向位置は、前記連続伸縮領域におけるシート接合部の幅方向位置と対応している、
請求項2〜6のいずれか1項に記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
このように間欠伸縮領域におけるシート接合部の幅方向位置と連続伸縮領域におけるシート接合部の幅方向位置とを対応させると、収縮時に形成される襞がより広範囲にわたり前後方向に延び、美観に優れたものとなるため好ましい。
<請求項8記載の発明>
前記外装体におけるウエスト開口の縁から内装体固定領域のウエスト開口側の縁又はウエスト開口側の端部までの前後方向範囲に、幅方向全体にわたる細長状弾性伸縮部材が前後方向に間隔を空けて複数設けられることにより、前記連続伸縮領域が形成され、
前記外装体における前記連続伸縮領域よりも前後方向中央側における内装体固定領域の前後方向範囲に、幅方向全体にわたる細長状弾性伸縮部材が前後方向に間隔を空けて複数設けられるとともに、その細長状弾性伸縮部材が内装体固定領域の少なくとも幅方向中間部では細かく切断され、かつ切断領域の幅方向両側では切断されずに連続していることにより、前記間欠伸縮領域が形成されている、
請求項1〜7のいずれか1項に記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
本発明は、このような構造のパンツタイプ使い捨ておむつに特に好適である。
以上のとおり、本発明によれば、伸縮構造に起因するおむつの歪みを抑制できるようになる、等の利点がもたらされる。
パンツタイプ使い捨ておむつの内面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの外面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 図1の3−3断面図である。 図1の4−4断面図である。 図1の5−5断面図である。 伸縮構造を示す、(a)展開状態の平面図、及び(b)自然長状態の6−6断面図、(c)ある程度伸長した状態の6−6断面図、(d)7−7断面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの要部のみを示す、断面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの斜視図である。 自然長状態のパンツタイプ使い捨ておむつを示す正面図である。 自然長状態のパンツタイプ使い捨ておむつを示す正面図である。 連続伸縮領域の収縮変形の概略図である。 伸縮構造を示す、(a)展開状態の平面図、及び(b)自然長状態の6−6断面図、(c)ある程度伸長した状態の6−6断面図、(d)7−7断面図である。 シート接合部の他のパターンを示す平面図である。 シート接合部の他のパターンを示す平面図である。 接着設備の概略図である。 シート接合部の各種形状を示す平面図である。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しつつ詳説する。
図1〜図8は、パンツタイプ使い捨ておむつの一例100を示している。このパンツタイプ使い捨ておむつ100は、製品外面(裏面)をなす外装体12と、外装体12の内面に貼り付けられた内装体200とから構成されているものである。符号Yはおむつの全長を示しており、符号Xはおむつの全幅を示している。
内装体200は、尿等の排泄物等を吸収保持する部分であり、外装体12は着用者に装着するための部分である。なお、断面図における点模様部分は各構成部材を接合する接合手段を示しており、ホットメルト接着剤などのベタ、ビード、カーテン、サミット若しくはスパイラル塗布などにより形成されるものである。また、「前後方向(縦方向)」とは腹側(前側)と背側(後側)を結ぶ方向を意味し、「幅方向」とは前後方向と直交する方向(左右方向)を意味する。
(内装体)
内装体200は任意の形状を採ることができるが、図示の形態では長方形である。内装体200は、図3〜図5に示されるように、身体側となる表面シート30と、液不透過性シート11と、これらの間に介在された吸収要素50とを備えているものであり、吸収機能を担う本体部である。符号40は、表面シート30を透過した液を速やかに吸収要素50へ移行させるために、表面シート30と吸収要素50との間に設けられた中間シート(セカンドシート)を示しており、符号60は、内装体200の両脇に排泄物が漏れるのを防止するために、内装体200の両側に設けられた、身体側に起立する立体ギャザー60を示している。
(表面シート)
表面シート30は、液を透過する性質を有するものであり、例えば、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシートなどを例示することができる。また、このうち不織布は、その原料繊維が何であるかは、特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。例えば、柔軟性、ドレープ性を求めるのであれば、スパンボンド法、スパンレース法が、嵩高性、ソフト性を求めるのであれば、エアスルー法、ポイントボンド法、サーマルボンド法が、好ましい加工方法となる。
また、表面シート30は、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートを貼り合せて得た積層シートからなるものであってもよい。同様に、表面シート30は、平面方向に関して、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートからなるものであってもよい。
立体ギャザー60を設ける場合、表面シート30の両側部は、液不透過性シート11と立体ギャザー60との間を通して、吸収要素50の裏側まで回りこませ、液の浸透を防止するために、液不透過性シート11及び立体ギャザー60に対してホットメルト接着剤等により接着するのが好ましい。
(中間シート)
表面シート30を透過した液を速やかに吸収体へ移行させるために、表面シート30より液の透過速度が速い、中間シート(「セカンドシート」とも呼ばれている)40を設けることができる。この中間シート40は、液を速やかに吸収体へ移行させて吸収体による吸収性能を高めるばかりでなく、吸収した液の吸収体からの「逆戻り」現象を防止し、表面シート30上を常に乾燥した状態とすることができる。中間シート40は省略することもできる。
中間シート40としては、表面シート30と同様の素材や、スパンレース、スパンボンド、SMS、パルプ不織布、パルプとレーヨンとの混合シート、ポイントボンド又はクレープ紙を例示できる。特にエアスルー不織布が嵩高であるため好ましい。エアスルー不織布には芯鞘構造の複合繊維を用いるのが好ましく、この場合芯に用いる樹脂はポリプロピレン(PP)でも良いが剛性の高いポリエステル(PET)が好ましい。目付けは20〜80g/m2が好ましく、25〜60g/m2がより好ましい。不織布の原料繊維の太さは2.2〜10dtexであるのが好ましい。不織布を嵩高にするために、原料繊維の全部又は一部の混合繊維として、芯が中央にない偏芯の繊維や中空の繊維、偏芯且つ中空の繊維を用いるのも好ましい。
図示の形態の中間シート40は、吸収体56の幅より短く中央に配置されているが、全幅にわたって設けてもよい。中間シート40の長手方向長さは、吸収体56の長さと同一でもよいし、液を受け入れる領域を中心にした短い長さ範囲内であってもよい。
(液不透過性シート)
液不透過性シート11の素材は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂等からなるプラスチックフィルムや、不織布の表面にプラスチックフィルムを設けたラミネート不織布、プラスチックフィルムに不織布等を重ねて接合した積層シートなどを例示することができる。液不透過性シート11には、近年、ムレ防止の観点から好まれて使用されている不透液性かつ透湿性を有する素材を用いることが好ましい。透湿性を有するプラスチックフィルムとしては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性プラスチックフィルムが広く用いられている。この他にも、マイクロデニール繊維を用いた不織布、熱や圧力をかけることで繊維の空隙を小さくすることによる防漏性強化、高吸水性樹脂または疎水性樹脂や撥水剤の塗工といった方法により、プラスチックフィルムを用いずに液不透過性としたシートも、液不透過性シート11として用いることができる。
液不透過性シート11は、防漏性を高めるために、図示例とは異なり吸収要素50の両側を回りこませて吸収要素50の表面シート30側面の両側部まで延在させることもできる。この延在部の幅は、左右それぞれ5〜20mm程度が適当である。
また、液不透過性シート11の内側、特に吸収体56側面に、液分の吸収により色が変化する排泄インジケータを設けることができる。
(立体ギャザー)
立体ギャザー60は、内装体200の両側部に沿って前後方向全体にわたり延在する帯状部材であり、表面シート30上を伝わって横方向に移動する尿や軟便を遮断し、横漏れを防止するために設けられているものである。本実施の形態の立体ギャザー60は、内装体200の側部から起立するように設けられ、付け根側の部分は幅方向中央側に向かって斜めに起立し、中間部より先端側の部分は幅方向外側に向かって斜めに起立するものである。
より詳細には、立体ギャザー60は、内装体200の前後方向長さに等しい長さを有する帯状のギャザーシート62を幅方向に折り返して二つに折り重ねるとともに、折り返し部分及びその近傍のシート間に、細長状弾性伸縮部材63を長手方向に沿って伸長状態で、幅方向に間隔をあけて複数本固定してなるものである。立体ギャザー60のうち幅方向において折り返し部分と反対側の端部は内装体200の側縁部の裏面に固定された取付部分65とされ、この取付部分65以外の部分は取付部分65から突出する突出部分66(折り返し部分側の部分)とされている。また、突出部分66のうち前後方向両端部は、取付部分65から内装体200の側部を通り表面シート30の側部表面まで延在し且つこの表面シート30の側部表面に対してホットメルト接着剤やヒートシールによる前後固定部67固定された付け根側部分と、この付け根側部分の先端から幅方向外側に折り返され且つ付け根側部分に固定された先端側部分とからなる。突出部分のうち前後方向中間部は非固定の自由部分(内側自由部分)とされ、この自由部分に前後方向に沿う細長状弾性伸縮部材63が伸長状態で固定されている。
ギャザーシート62としてはスパンボンド不織布(SS、SSS等)やSMS不織布(SMS、SSMMS等)、メルトブロー不織布等の柔軟で均一性・隠蔽性に優れた不織布に、必要に応じてシリコンなどにより撥水処理を施したものを好適に用いることができ、繊維目付けは10〜30g/m2程度とするのが好ましい。細長状弾性伸縮部材63としては糸ゴム等を用いることができる。スパンデックス糸ゴムを用いる場合は、太さは470〜1240dtexが好ましく、620〜940dtexがより好ましい。固定時の伸長率は、150〜350%が好ましく、200〜300%がより好ましい。なお、用語「伸長率」は自然長を100%としたときの値を意味する。また、図示のように、二つに折り重ねたギャザーシートの間に防水フィルム64を介在させることもできる。
立体ギャザー60の自由部分に設けられる細長状弾性伸縮部材63の本数は2〜6本が好ましく、3〜5本がより好ましい。配置間隔60dは3〜10mmが適当である。このように構成すると、細長状弾性伸縮部材63を配置した範囲で肌に対して面で当たりやすくなる。先端側だけでなく付け根側にも細長状弾性伸縮部材63を配置しても良い。
立体ギャザー60の取付部分65の固定対象は、内装体200における表面シート30、液不透過性シート11、吸収要素50等適宜の部材とすることができる。
かくして構成された立体ギャザー60では、細長状弾性伸縮部材63の収縮力が前後方向両端部を近づけるように作用するが、突出部分66のうち前後方向両端部が起立しないように固定されるのに対して、それらの間は非固定の自由部分とされているため、自由部分のみが図3に示すように身体側に当接するように起立する。特に、取付部分65が内装体200の裏面側に位置していると、股間部及びその近傍において立体ギャザー60が幅方向外側に開くように起立するため、立体ギャザー60が脚周りに面で当接するようになり、フィット性が向上するようになる。
立体ギャザー60の寸法は適宜定めることができるが、乳幼児用紙おむつの場合は、例えば図7に示すように、立体ギャザー60の起立高さ(展開状態における突出部分66の幅方向長さ)66wは15〜60mm、特に20〜40mmであるのが好ましい。また、立体ギャザー60を表面シート30表面と平行になるように、平坦に折り畳んだ状態において最も内側に位置する折り目間の離間距離60dは60〜190mm、特に70〜140mmであるのが好ましい。
なお、図示形態と異なり、内装体200の左右各側において立体ギャザーを二重に(二列)設けることもできる。
(吸収要素)
吸収要素50は、吸収体56と、この吸収体56の全体を包む包装シート58とを有する。包装シート58は省略することもできる。
(吸収体)
吸収体56は、繊維の集合体により形成することができる。この繊維集合体としては、綿状パルプや合成繊維等の短繊維を積繊したものの他、セルロースアセテート等の合成繊維のトウ(繊維束)を必要に応じて開繊して得られるフィラメント集合体も使用できる。繊維目付けとしては、綿状パルプや短繊維を積繊する場合は、例えば100〜300g/m2程度とすることができ、フィラメント集合体の場合は、例えば30〜120g/m2程度とすることができる。合成繊維の場合の繊度は、例えば、1〜16dtex、好ましくは1〜10dtex、さらに好ましくは1〜5dtexである。フィラメント集合体の場合、フィラメントは、非捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維であるのが好ましい。捲縮繊維の捲縮度は、例えば、1インチ当たり5〜75個、好ましくは10〜50個、さらに好ましくは15〜50個程度とすることができる。また、均一に捲縮した捲縮繊維を用いる場合が多い。吸収体56中には高吸収性ポリマー粒子を分散保持させるのが好ましい。
吸収体56は長方形形状でも良いが、図1にも示すように、前端部、後端部及びこれらの間に位置し、前端部及び後端部と比べて幅が狭い括れ部とを有する砂時計形状を成していると、吸収体56自体と立体ギャザー60の、脚周りへのフィット性が向上するため好ましい。
また、吸収体56の寸法は適宜定めることができるが、前後方向及び幅方向において、内装体の周縁部又はその近傍まで延在しているのが好ましい。なお、符号56Xは吸収体56の幅を示している。
(高吸収性ポリマー粒子)
吸収体56には、その一部又は全部に高吸収性ポリマー粒子を含有させることができる。高吸収性ポリマー粒子とは、「粒子」以外に「粉体」も含む。高吸収性ポリマー粒子の粒径は、この種の吸収性物品に使用されるものをそのまま使用でき、1000μm以下、特に150〜400μmのものが望ましい。高吸収性ポリマー粒子の材料としては、特に限定無く用いることができるが、吸水量が40g/g以上のものが好適である。高吸収性ポリマー粒子としては、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体などのものを用いることができる。高吸収性ポリマー粒子の形状としては、通常用いられる粉粒体状のものが好適であるが、他の形状のものも用いることができる。
高吸収性ポリマー粒子としては、吸水速度が40秒以下のものが好適に用いられる。吸水速度が40秒を超えると、吸収体56内に供給された液が吸収体56外に戻り出てしまう所謂逆戻りを発生し易くなる。
高吸収性ポリマー粒子の目付け量は、当該吸収体56の用途で要求される吸収量に応じて適宜定めることができる。したがって一概には言えないが、50〜350g/m2とすることができる。ポリマーの目付け量が50g/m2未満では、吸収量を確保し難くなる。350g/m2を超えると、効果が飽和する。
必要であれば、高吸収性ポリマー粒子は、吸収体56の平面方向で散布密度あるいは散布量を調整できる。たとえば、液の排泄部位を他の部位より散布量を多くすることができる。男女差を考慮する場合、男用は前側の散布密度(量)を高め、女用は中央部の散布密度(量)を高めることができる。また、吸収体56の平面方向において局所的(例えばスポット状)にポリマーが存在しない部分を設けることもできる。
(包装シート)
包装シート58を用いる場合、その素材としては、ティッシュペーパ、特にクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等を用いることができる。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないシートであるのが望ましい。クレープ紙に換えて不織布を使用する場合、親水性のSMS不織布(SMS、SSMMS等)が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレン複合材などを使用できる。目付けは、5〜40g/m2、特に10〜30g/m2のものが望ましい。
包装シート58の包装形態は適宜定めることができるが、製造容易性や前後端縁からの高吸収性ポリマー粒子の漏れ防止等の観点から、吸収体56の表裏面及び両側面を取り囲むように筒状に巻き付け、且つその前後縁部を吸収体56の前後から食み出させ、この食み出し部分を表裏方向に潰してホットメルト接着剤等の接合手段により接合する形態が好ましい。
(外装体)
外装体12は、股間部から腹側に延在する前身頃Fを構成する部分と、股間部から背側に延在する後身頃Bを構成する部分とを有し、これら前身頃Fの両側部と後身頃Bの両側部とが接合されることによりサイドシール部12Aが形成されるとともに、図8に示すように、装着者の胴を通すためのウエスト開口WO及び脚を通すための左右一対の脚開口LOが形成されているものである。
外装体12は、ウエスト開口WOから脚開口LOの上端に至る前後方向範囲として定まる胴周り部Tと、脚開口LOを形成する部分の前後方向範囲(前身頃Fのサイドシール部12Aを有する前後方向領域と後身頃Bのサイドシール部12Aを有する前後方向領域と間)として定まる中間部Lとを有する。胴周り部Tは、概念的にウエスト開口の縁部を形成するウエスト部Wと、これよりも下側の部分であるウエスト下方部Uとに分けることができる。これらの縦方向の長さは、製品のサイズによって異なり、適宜定めることができるが、一例を挙げると、ウエスト部Wは15〜40mm、ウエスト下方部Uは65〜120mmとすることができる。一方、中間部Lの両側縁は被着者の脚周りに沿うように括れており、ここが着用者の脚を入れる部位となる。この結果、外装体12は、全体としては略砂時計形状をなしている。外装体12の括れの程度は適宜定めることができ、図1〜図8に示す形態のように、すっきりとした外観とするために最も幅が狭い部分では内装体200の幅より狭くすることが好ましいが、最も幅が狭い部分でも内装体200の幅以上となるように定めてもよい。
外装体12における内装体固定領域12X(内装体200を固定するための領域)の形状は特に限定されず、図示形態のような長方形状とする他、吸収体56と同様に、前後方向中間部Lが括れた形状とする等、適宜の変更が可能である。内装体固定領域12Xの寸法は、内装体200の寸法と同じとすることもできるが、前後方向及び幅方向の少なくとも一方について内装体200の寸法よりも短くすることができる。内装体200の固定手段は、図示形態ではホットメルト接着剤等の接着剤を想定しているが、他の手段を用いることも可能である。
外装体12は、図3〜図6に示されるように、二枚のシート材12S,12Hを接合して形成されるものであり、内側に位置する第2シート材12Hはウエスト開口WOの縁までしか延在していないが、外側に位置する第1シート材12Sは第2シート材12Hのウエスト側の縁を回り込んでその内側に折り返されており、この折り返し部分12rは内装体200のウエスト側端部上までを被覆するように延在されている。
第1シート材12S及び第2シート材12Hとしては、シート状のものであれば特に限定無く使用できるが、不織布であるのが好ましく、特にそれぞれ厚み0.1〜1mm、目付10〜20g/m2の不織布であることが好ましい。なお、第1シート材12S及び第2シート材12Hはそれぞれ一枚の不織布から構成される他、いずれか一方又は両方が複数枚の不織布の積層体であっても良い。不織布は、その原料繊維が何であるかは特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。特に、第1シート材12S及び第2シート材12Hの少なくとも一方に、ポリプロピレン(PP)又はそのコポリマー(例えばポリエチレンや、エチレンを共重合成分として配合したコポリマー)の不織布(以下、PP系不織布ともいう)や、ポリエチレン(PE)を鞘に、ポリプロピレン(PP)を芯成分にした芯鞘繊維(PE/PP)の不織布等、柔軟な不織布を使用するのは好ましい。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。特に、強度及び柔軟性に優れている点からスパンボンド不織布が好ましく、特にスパンボンド層を複数積層してなるスパンボンド不織布、例えばSS不織布(二層)や、SSS不織布(三層)を好適に用いることができ、四層以上のものを用いることもできる。
第1シート材12S及び第2シート材12Hとしては不織布が好適であるが、その場合に伸縮方向の剛軟度が低いと、後述の襞80が薄く鋭利な形状になるとともに倒れ易くなり、また、厚み方向の圧縮復元性も乏しくなる。これを改善するために不織布の目付を増やすことも考えられるが、ゴワゴワして(剛性が向上しすぎて)見た目はフンワリしていても触ったときの柔らかさが乏しくなるおそれがある。よって、第1シート材12S及び第2シート材12Hとして不織布を用い、伸縮方向の剛軟度が伸縮方向と直交する方向の剛軟度よりも高くするのが好ましい。これにより、後述の襞80が丸く膨らみ易くなり、厚み方向の圧縮回復性に富むようになるとともに、倒れにくくなり、しかも触ったときの柔らかさに富むようになる。第1シート材12S及び第2シート材12Hの伸縮方向の剛軟度はそれぞれ、好ましくは30〜75mm、より好ましくは40〜55mmであり、伸縮方向と直交する方向の剛軟度は伸縮方向の剛軟度未満の範囲内で、好ましくは20〜50mmで、より好ましくは25〜35mmである。
ここで不織布の剛軟度は、JIS L1096:2010「織物及び編物の生地試験方法」の剛軟度A法(45度カンチレバー法)に準じて測定される値を意味する。
不織布の伸縮方向と直交する方向の剛軟度を伸縮方向の剛軟度未満とするには、不織布の繊維配向が伸縮方向に沿うように構成すれば良い。ここで、繊維配向とは、不織布の繊維が沿う方向であり、「繊維配向が伸縮方向に沿う」とは、不織布を構成する総繊維重量のうち、100%が伸縮方向に繊維配向されているものから、50%以上が伸縮方向に対して−45°〜+45°の範囲で繊維配向性を有するようにされているものまでのことをいう。不織布の繊維配向性の測定方法は、一般に用いられている測定方法を使用することができる。測定方法の例としては、TAPPI標準法T481の零距離引張強さによる繊維配向性試験法に準じた測定方法や、伸縮方向及びその直交方向の引張強度比から繊維配向方向を決定する簡易的測定方法を挙げることができる。後者の簡易的測定方法では、長さ200mm、幅50mmの試験片を、引張試験機を使用して、クロスヘッドスピード500mm/min、チャック間距離150mmの条件下で引張試験を行い、引張り時の最大荷重から引張強度を求め、引張強度の比(伸縮方向/直交方向)が1より大きければ、繊維配向が伸縮方向に沿うものとする。
他方、外装体12には、胴周りに対するフィット性を高めるために、両シート材12S,12H間に糸ゴム等の弾性伸縮部材19(15〜17)が所定の伸長率で設けられている。弾性伸縮部材19としては、合成ゴムを用いても、天然ゴムを用いても良い。糸状や帯状等の細長状の弾性伸縮部材19に代えて、網状やシート状の弾性伸縮部材を用いることもできる。細長状弾性伸縮部材を用いる場合その太さ及び伸長率は、弾性伸縮部材19の取付位置に応じて適宜選択すれば良いが、通常の場合、太さは300〜1,000dtex程度、伸長率は200〜350%程度とすることが望ましい。
より詳細には、後身頃B及び前身頃Fのウエスト部Wにおける第1シート材12S(外側シート層)の内側面と第1シート材12Sの折り返し部分12r(内側シート層)の外側面との間には、幅方向全体にわたり連続するように、複数のウエスト部弾性伸縮部材17が前後方向に間隔を空けて、かつ所定の伸長率で幅方向に沿って伸長された状態で固定されている。また、ウエスト部弾性伸縮部材17のうち、ウエスト下方部Uに隣接する領域に配設される1本または複数本については、内装体200と重なっていてもよいし、内装体200と重なる幅方向中央部を除いてその幅方向両側にそれぞれ設けてもよい。このウエスト部弾性伸縮部材17としては、太さ155〜1880dtex、特に470〜1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05〜1.5mm2、特に0.1〜1.0mm2程度)の糸ゴムを、4〜12mmの間隔で3〜22本程度、それぞれ伸長率150〜400%、特に220〜320%程度で固定するのが好ましい。また、ウエスト部弾性伸縮部材17は、その全てが同じ太さと伸長率にする必要はなく、例えばウエスト部Wの上部と下部で弾性伸縮部材の太さと伸長率が異なるようにしてもよい。
また、前身頃F及び後身頃Bのウエスト下方部Uにおける第1シート材12S(外側シート層)の内側面と第2シート材12H(内側シート層)の外側面との間には、内装体固定領域12Xの幅方向中間部を除いて、その上側および幅方向両側の各部位に、幅方向全体にわたり連続するように、細長状弾性伸縮部材からなるウエスト下方部弾性伸縮部材15が複数本、前後方向に間隔を空けて、かつ所定の伸長率で幅方向に沿って伸長された状態で固定されている。
ウエスト下方部弾性伸縮部材15としては、太さ155〜1880dtex、特に470〜1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05〜1.5mm2、特に0.1〜1.0mm2程度)の糸ゴムを、1〜15mm、特に3〜8mmの間隔で5〜30本程度、それぞれ伸長率200〜350%、特に240〜300%程度で固定するのが好ましい。
また、前身頃F及び後身頃Bの中間部Lにおける第2シート材12Hの外側面と第1シート材12Sの内側面との間には、内装体固定領域12Xの幅方向中間部を除いて、その幅方向両側の各部位に、幅方向全体にわたり連続するように、細長状弾性伸縮部材からなる中間部弾性伸縮部材16が複数本、前後方向に間隔を空けて、かつ所定の伸長率で幅方向に沿って伸長された状態で固定されている。
中間部弾性伸縮部材16としては、太さ155〜1880dtex、特に470〜1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05〜1.5mm2、特に0.1〜1.0mm2程度)の糸ゴムを、5〜40mm、特に5〜20mmの間隔で2〜10本程度、それぞれ伸長率150〜300%、特に180〜260%で固定するのが好ましい。
なお、図示のように、ウエスト下方部弾性伸縮部材15及び中間部弾性伸縮部材16が、内装体固定領域12Xの幅方向中間部を除いてその幅方向両側にそれぞれ設けられている形態では、外装体12におけるウエスト開口WO側の縁から内装体固定領域12Xのウエスト開口WO側の縁まで(又はウエスト開口WO側の端部までとしても良い)の前後方向範囲が、幅方向全体にわたり伸縮する連続伸縮領域Cとなり、この連続伸縮領域Cよりも前後方向中央側における内装体固定領域12Xの前後方向範囲は、内装体固定領域12Xの少なくとも幅方向中間部が非伸縮でその幅方向両側が伸縮する間欠伸縮領域Mとなるため、内装体200が幅方向に必要以上に収縮することがなく、モコモコと見た目が悪かったり吸収性が低下したりすることがない。この形態には、幅方向両側にのみ弾性伸縮部材19が存在する形態の他、内装体200を横切ってその幅方向一方側から他方側まで弾性伸縮部材が存在しているが、内装体固定領域12Xの幅方向中間部では弾性伸縮部材19が細かく切断され、収縮力が作用しないため(実質的には、弾性伸縮部材19を設けないことに等しい)に非伸縮となり、この切断領域の幅方向両側のみが収縮力が作用するために伸縮するようになる形態も含まれる。
(外装体分割構造)
上述の例では、前身頃Fから後身頃Bまでを一体的な外装体12により連続的に覆っているが、前身頃Fを構成する外装体と後身頃Bを構成する外装体とが股間側で連続しておらず、離間されている形態とすることもでき(図示略)、その場合、内装体200の外面のうち、前身頃Fを構成する外装体と後身頃Bを構成する外装体との間に露出する部分を覆う股間部外装体を貼り付けることもできる。股間部外装体としては、前述した外装体12に用いられるものと同様の資材を用いることができる。
(連続伸縮領域の伸縮構造について)
前述のような連続伸縮領域C及び間欠伸縮領域Mを有する形態では、それぞれの領域に通常のフィット性を要求する場合、間欠伸縮領域Mの自然長状態の幅方向収縮率が、連続伸縮領域Cの自然長状態の幅方向収縮率よりも高くならざるを得ず、図9に示すように扇状歪みが発生する。図9中の白抜き矢印は幅方向収縮率の大小関係を表現したものである。これに対して、本発明では、図10に白抜き矢印で幅方向収縮率の大小関係を示すように、連続伸縮領域C全体における(少なくとも一部の幅方向範囲でも良い)を、間欠伸縮領域M側からウエスト開口WOの縁に向かうにつれて、自然長状態の幅方向収縮率を連続的又は段階的に低くするものである。
図10に示す形態においても、自然長状態の幅方向収縮率は、間欠伸縮領域Mよりもそのウエスト開口WO側の連続伸縮領域Cの方が高くなるため、間欠伸縮領域Mでは扇状歪み、つまり内装体固定領域12Xの側縁よりも幅方向外側に位置する脇部領域が幅方向中央側に傾斜する変形は避けえない。しかし、本形態の連続伸縮領域Cは、間欠伸縮領域M側からウエスト開口WOの縁に向かうにつれて、自然長状態の幅方向収縮率が連続的又は段階的に低くなっているため、図11に示す変形イメージのように、連続伸縮領域Cが間欠伸縮領域Mとは逆の略扇状に変形し、それによって、図10に示すように、間欠伸縮領域Mの歪みが打消され、ウエスト開口WOの縁の湾曲がより真直ぐに近くなる又は真直ぐとなる。その結果、装着時にウエスト部Wの幅方向中央部が側部よりも下がった状態となり難く、特に乳幼児の丸いお腹に対してもずり落ち難いものとなり、また、製品包装或いは製品携行時にもよりコンパクトとなる。
連続伸縮領域Cにおける自然長状態の幅方向収縮率を連続的又は段階的に低くするための手段は、特に限定されず、例えば、連続伸縮領域Cにおける弾性伸縮部材19(図示形態ではウエスト部弾性伸縮部材17)の固定時の伸長率を、間欠伸縮領域M側からウエスト開口WOの縁に向かうにつれて低くしても、自然長状態の幅方向収縮率を連続的又は段階的に低くすることはできる。ただし、フィット性を低下させずに固定時の伸長率を低下させるのは容易ではない。そこで、本形態の外装体12のように、弾性伸縮部材19を外側シート層及び内側シート層間に挟む場合には、連続伸縮領域Cにおける外側シート層(第1シート材12S)及び内側シート層(第1シート材12Sの折り返し部分12r)を、幅方向に間欠的に形成されたシート接合部70により接合するとともに、そのシート接合部70の幅を、間欠伸縮領域M側からウエスト開口WOの縁に向かうにつれて、連続的又は段階的に狭くするのが好ましい。このように、連続伸縮領域Cにおける個々のシート接合部70の幅に変化をもたせると、連続伸縮領域Cにおける自然長状態の幅方向収縮率が間欠伸縮領域M側からウエスト開口WOの縁に向かうにつれて連続的又は段階的に低くすることができる。よって、既存設計に対してシート接合部70のパターンを変化するだけで前述の打消し作用を得ることができる。なお、本形態のように、シート接合部70を幅方向に間欠的に形成すると、弾性伸縮部材19の収縮に伴い、図6(b)に示すように、外側シート層(第1シート材12S)及び内側シート層(第1シート材12Sの折り返し部分12r)におけるシート接合部70間に位置する部分がそれぞれ収縮し、互いに反対向きに膨らんで襞80が形成される。図6(b)は自然長の状態であるが、装着時にはこの状態から弾性伸縮部材19がある程度まで伸長され、図6(c)に示すように、襞80の裾が広がり、それに伴い襞80の高さが低くなる。
連続伸縮領域Cと間欠伸縮領域Mとで、収縮率の違いが顕著な幅方向範囲は、間欠伸縮領域Mの非伸縮の範囲と対応する幅方向範囲M1である。この幅方向範囲M1では、間欠伸縮領域Mは非伸縮となるのに対して、連続伸縮領域Cでは伸縮するためである。よって、自然長状態の幅方向収縮率を連続的又は段階的に低くする幅方向範囲は、図2に示す形態のようにおむつの幅方向全体とする他、幅方向の一部のみ、例えば間欠伸縮領域Mの非伸縮の範囲と対応する幅方向範囲M1のみとすることも可能である。また、図13に示すように、間欠伸縮領域Mの非伸縮の範囲と対応する幅方向範囲M1ではシート接合部70の幅の変化度合を相対的に大きく、かつその幅方向両側の範囲では相対的に小さくするのも好ましい形態である。これにより適切な歪み打消しを行うことができる。例えば、図示形態のように外装体12のシート接合部70の幅を変化させる場合には、連続伸縮領域Cにおけるシート接合部70の幅の変化度合を、間欠伸縮領域Mの非伸縮の範囲と対応する幅方向範囲M1内に位置するものよりも、その幅方向両側の範囲M2に位置するものの方を低くする。
連続伸縮領域Cにおけるシート接合部70の幅に変化を付ける場合、シート接合部70の形状は特に限定されず、例えば図16(a)及び(b)に示すようにウエスト開口WO側に底辺を有し、ウエスト開口WO側と反対側に頂点を有する逆三角形状としたり、図16(c)に示すように逆五角形としたり、図16(d)に示すように半楕円状としたりすることができる。特に、シート接合部70を逆三角形状とする場合、図14に示すように、連続伸縮領域Cにおけるシート接合部70は、おむつの側縁に向かうにつれて段階的(連続的でも良い)に、幅方向中央側の辺よりも幅方向外側の辺の方が長いものとなっていると、より強く歪み打消し作用が発揮される。
連続伸縮領域Cにおけるシート接合部70の幅、間隔は適宜定めることができるが、各シート接合部70の幅70wは、最大幅が4〜13mmであり、最小幅が0〜2mmであり、かつ最大幅が最小幅の5倍以上、特に8〜15倍であることが好ましく、また隣り合うシート接合部70の間隔70dは、最大間隔が6〜13mmであり、最小間隔が0〜5mmであり、かつ最大間隔が最小間隔の2倍以上、特に3〜10倍であるのが好ましい。
(間欠伸縮領域の伸縮構造について)
本形態では、ウエスト下方部Uから中間部Lにかけての領域が間欠伸縮領域Mとされているが、間欠伸縮領域Mの前後方向位置は適宜変更することができる。間欠伸縮領域Mの構造は特に限定されず、あらゆる公知の構造を適用可能であるが、製造容易性の観点からは連続伸縮領域Cと同様の積層構造(シート接合構造、及び弾性伸縮部材19の固定構造)とするのが好ましい。例えば、本形態のように、連続伸縮領域Cのシート接合部70が幅方向に間欠的に形成されている場合には、間欠伸縮領域Mにおいても同じ幅方向位置にシート接合部70を形成すると、収縮時に形成される襞80がより広範囲にわたり前後方向に延び、美観に優れたものとなるため好ましい。連続伸縮領域Cのシート接合部70及び間欠伸縮領域Mのシート接合部70は不連続となっていても良いが、図示形態のようにシート接合部70が前後方向に連続する形態では、連続伸縮領域Cのシート接合部70及び間欠伸縮領域Mのシート接合部70は連続しているとより好ましい。
間欠伸縮領域Mにおいても連続伸縮領域Cと同様に、弾性伸縮部材19(図示形態ではウエスト下方部弾性伸縮部材15及び中間部弾性伸縮部材16)の収縮に伴い、外側シート層及び内側シート層(図示形態では第1シート材12S及び第2シート材12H)におけるシート接合部70間に位置する部分がそれぞれ収縮し、互いに反対向きに膨らんで襞80が形成される。装着時には弾性伸縮部材19がある程度まで伸長され、襞80の裾が広がり、それに伴い襞80の高さが低くなる。
間欠伸縮領域Mにおけるシート接合部70の形状は適宜定めることができ、曲線状や、斜線状とすることもできるが、前後方向に沿う直線状とすることが望ましい。
間欠伸縮領域Mにおけるシート接合部70の幅は適宜定めることができるが、各シート接合部70の幅70wは0.5〜4mmとされるのが好ましい。シート接合部70の伸縮方向の幅70wの下限は、1mmとすると製造容易性の観点からは好ましいが、柔軟性の観点からは0.5mmとすることが好ましい。一方、シート接合部70の伸縮方向の幅70wの上限は2mmであると好ましく、1.5mmであるとより好ましい。シート接合部70の幅、前後方向に変化しても良いが、図示形態のように変化しないことが望ましい。
また、間欠伸縮領域Mにおける隣り合う弾性伸縮部材19の間隔は適宜定めることができるが、10mmを超えると、襞80の厚みが伸縮方向と交差する方向に変化し、もこもことしてくるため、10mm以下、特に3〜7mmとすることが好ましい。
各シート接合部70の伸縮方向の幅70wは隣り合う襞80の間隔に影響を及ぼすものであり、間欠伸縮領域Mにおいて、形成される襞80が薄い場合にこの幅が4mmを超えると、隣り合う襞80の間が広くなり過ぎ、個々の襞80が独立した見栄えとなるだけでなく、厚み方向の圧縮力により襞80が潰れ広がる、倒れる等の変形をするとき、隣り合う襞80が支え合う作用が弱くなる結果、変形に対する抵抗あるいは変更後の復元も弱くなり、結果的にフンワリ感が不十分となってしまう。
しかも、間欠伸縮領域Mにおいて、単にシート接合部70の伸縮方向の幅70wを0.5〜4mmとするだけで、隣り合うシート接合部70の間隔70dを4mm未満又は8mm超とした場合には次のようになる。すなわち、隣り合うシート接合部70の間隔70dは襞80の高さや幅に影響するものであり、隣り合うシート接合部の間隔が2mm程度であると伸縮方向に連続固定した場合と同様の縦方向の連続性に乏しい襞80となってしまい(幅方向に間欠的にシート接合部70を設ける意味が無くなる)、3mmでは襞80は伸縮方向と直交する方向に真直ぐに延びるが、隣り合う襞80が支え合う作用は期待できず、フンワリ感は不足する。また、間欠伸縮領域Mにおいて、シート接合部70の間隔70dが8mmを超えると、包装時の圧縮により襞80が不規則に潰れてしまい、製品の見栄えが悪くなる。これに対して、間欠伸縮領域Mにおいて、シート接合部70の伸縮方向の幅70wを0.5〜4mmとし、かつシート接合部70の間隔70dを4〜8mmとしたときに初めて、十分なフンワリ感が得られ、また、包装時の圧縮により襞80が不規則に潰れにくいものとなる。
(シート接合部)
シート接合部70は、外側シート層及び内側シート層(第1シート材12S及びその折り返し部分12r、並びに第1シート材12S及び第2シート材12H)を接合できる限り、図示形態のようにホットメルト接着剤等の接着剤71を用いる他、ヒートシールや超音波シール等のように外側シート層及び内側シート層の素材溶着により接合する溶着手段を用いることも可能である。ただし、図示形態のようにシート接合部70が前後方向に連続する形態において、溶着によりシート接合部70を形成すると、硬い筋が形成されてしまい柔軟性が低下する恐れがあるのに対し、接着剤71によりシート接合部70を形成すると、素材溶着による柔軟性の低下は発生せず、より柔軟性に優れたものとなる。
また、シート接合部70は前後方向に連続的とする他、弾性伸縮部材19と交差する位置のみ又は交差しない位置のみ接合し、前後方向に間欠的とすることも可能である。特に、図示形態のように、シート接合部70を前後方向に連続させるとともに、弾性伸縮部材19を、シート接合部70と交差する位置で外側シート層及び内側シート層の少なくとも一方に固定し、シート接合部70間では非固定とすると、収縮時に形成される襞80が前後方向に延び、美観に優れたものとなる点で好ましい。また、シート接合部70を前後方向に連続的とするにしても、間欠的とするにしても、ウエスト開口WO側の縁にシート接合部70が位置すると、肌への当りがきつくなり易いため、シート接合部70のウエスト開口WO側の縁は、ウエスト開口WO側の縁より前後方向中央側へ離間させることが望ましい。
シート接合部70を接着剤71により形成する場合、その接着剤71としてはホットメルト接着剤が好適に用いられる。ホットメルト接着剤としては、例えばEVA系、粘着ゴム系(エラストマー系)、オレフィン系、ポリエステル・ポリアミド系などの種類のものが存在し、特に限定無く使用できるが、粘着ゴム系(エラストマー系)を使用するのが望ましい。
ホットメルト接着剤71の塗布方式は特に限定されるものではないが、図示形態のように幅方向に間欠的に幅70wの細いシート接合部70を形成する場合、ホットメルト接着剤の塗布幅が狭くなり、カーテンやベタ等のようにノズルから噴射する塗布方式による間欠塗布では塗布が困難なため、細幅塗布に好適なパターンコート(凸版方式でのホットメルト接着剤71の転写)を採用することが望ましい。図15は、ホットメルト接着剤のパターンコートを用いた場合の伸縮構造の製造設備例を示している。すなわち、このパターンコート式の設備例は、第2シート材12Hと、第2シート材12H側の面にホットメルト接着剤71を塗布した第1シート材12Sとの間に弾性伸縮部材19を挟むようにして、一対のニップロール101間に送り込み、圧着させて図6に示す伸縮構造を形成するものである。第1シート材12Sは、ニップロール101に送り込まれる前に、周方向に間欠的な凸パターンを有する版ロール102と接触され、搬送方向(MD方向。伸縮方向となる方向である。)に間欠的に、かつ搬送方向と交差する方向(CD方向)に連続的に、ホットメルト接着剤71が転写塗布される。第1シート材にホットメルト接着剤を塗布するのに代えて、又はこれとともに第2シート材にもホットメルト接着剤を同様の塗布方式で塗布することができる。なお、図中の符号103は版ロール102の凸パターンにホットメルト接着剤71を所定の厚さで転写塗布するためのホットメルト接着剤供給ロール(凸版印刷におけるアニロックスロール)を示しており、符号104はホットメルト接着剤供給ロール103にホットメルト接着剤71を供給する供給ノズルを示している。
(弾性伸縮部材の固定)
弾性伸縮部材は、幅方向両端部のみ固定する他、適宜の幅方向間隔で固定したり、幅方向全体を固定したりすることもできる。
弾性伸縮部材の固定手段としては、ホットメルト接着剤等の接着剤の他、ヒートシールや超音波シール等のように素材溶着による手段を用いることができ、これらは弾性伸縮部材の固定専用とする他、弾性伸縮部材と交差する位置にシート接合部を設ける場合には、シート接合部を形成するための手段を利用する(つまりシート接合部の形成と弾性伸縮部材の固定とを兼ねる)こともできる。
例えば、図6及び図12に示すように、弾性伸縮部材19は、シート接合部70と交差する位置で外側シート層及び内側シート層の少なくとも一方に接着剤71により固定することができる。弾性伸縮部材19の固定のためにシート接合部形成用とは別の接着剤を弾性伸縮部材又は外側シート層及び内側シート層に塗布することもできるが、図示形態では、シート接合部70を形成するための接着剤71が伸縮方向と交差する方向に連続しているため、この接着剤71を利用して弾性伸縮部材19を外側シート層及び内側シート層の少なくとも一方に固定している。製造に際しては、接着剤71を外側シート層及び内側シート層のいずれか一方又は両方に塗布し、両層を貼り合わせる時に弾性伸縮部材19を両層間に挟み込めばよい。
図6に示す形態は、外側シート層の内面に、幅方向には間欠的にかつ伸縮方向と交差する方向には所定の幅で連続的に接着剤71を塗布し、内側シート層の外面には、接着剤71を塗布せずに、外側シート層及び内側シート層間に弾性伸縮部材19を伸長状態で挟み、外側シート層及び内側シート層、並びに外側シート層及び弾性伸縮部材19をそれぞれ接着剤71により接合したものである。この場合、シート接合部70と弾性伸縮部材19とが交差する部分のうち、弾性伸縮部材19の外側で接着剤71が伸縮方向と交差する方向に連続することにより弾性伸縮部材19が外側シート層に固定されるとともに、弾性伸縮部材19の内側では接着剤71が伸縮方向と交差する方向に不連続となる。図中にはこの不連続となる部分を符号72により示している。内側シート層において接着剤71が間欠的に存在することより内側シート層の柔軟性の低下、ひいては外側シート層及び内側シート層の全体としての柔軟性の低下を抑制できる。また、弾性伸縮部材19はシート接合部70と交差する部分では外側だけ接着剤71が連続するとはいえ、弾性伸縮部材19の両側はシート接合部70により外側シート層及び内側シート層が一体化しているから、弾性伸縮部材19の収縮力は外側シート層及び内側シート層の実質的に同一に作用し、外側シート層及び内側シート層の両者に均等な皺を形成することができる。
なお、外側シート層及び内側シート層に同様のパターンで接着剤71を塗布することも可能である。この場合、図12に示すように、シート接合部70と弾性伸縮部材19とが交差する部分のうち、弾性伸縮部材19の内側及び外側の両方で接着剤71が伸縮方向と交差する方向に所定の幅で連続するため、弾性伸縮部材19をより強固に固定できる利点がある。また、図示しないが内側シート層に接着剤を塗布し、外側シート層には接着剤を塗布せずに弾性伸縮部材を挟みこんで固定することも可能である。
(その他)
シート接合部70を幅方向に間欠的に形成する場合、弾性伸縮部材19の固定力の低下は避けられず、弾性伸縮部材19が抜けてしまうおそれがある。特に、各シート接合部70の伸縮方向の幅70wは狭い場合、弾性伸縮部材19とシート接合部70とが交差する位置が小さくなり、この小さな位置で弾性伸縮部材19を固定することが必要となり、弾性伸縮部材19の固定力の確保が重要となる。
よって、おむつの側縁に向かうにつれて段階的又は連続的に、シート接合部70の間隔を狭くしたり、シート接合部70の幅を広くしたりするのも好ましい形態である。
<効果確認試験>
表1に示すように、シート接合部の形態のみ異なるパンツタイプ使い捨ておむつのサンプルを三種類用意し、自然長状態のおむつの外形の歪みについて官能評価を行った。
実施例は、図1〜図8に示すものと同構造のサンプルであり、連続伸縮領域Cにおけるシート接合部70の最大幅は8mm、最小幅は1mm、最大間隔は9mm、及び最小間隔は2mmとされており、間欠伸縮領域Mにおけるシート接合部70は2mmの等幅で、かつ6mmの等間隔で設けられている。また、本実施例では、連続伸縮領域Cには太さ470dtexの糸ゴムが伸長率240%の伸長状態で縦方向に6mm間隔で6本固定され、間欠伸縮領域Mには太さ470dtexの糸ゴムが伸長率280%の伸長状態で縦方向に5mm間隔で腹側16本、背側22本固定され、連続伸縮領域Cの240%伸長時の幅方向の長さは354mm、間欠伸縮領域Mの糸ゴム伸縮部(糸ゴムにより伸縮する部分全体。換言すれば非伸縮部を除いた部分全体)の280%伸長時の長さは264mmとされている。本実施例における第1シート材12S及び第2シート材12Hはそれぞれ17g/m2の不織布であり、シート接合部70はホットメルト接着剤71により形成されている。
比較例1は、第1シート材12S及び第2シート材12Hをホットメルト接着剤71のベタ塗布により全面接合した点でのみ実施例と異なるもの(市販品で広く採用されている構造)である。
比較例2は、連続伸縮領域Cにおけるシート接合部70の幅及び間隔を、間欠伸縮領域Mと同じにしたものである。
官能評価は、30人の被験者に各サンプルを見てもらい、外形の歪み(特にウエスト開口の縁の湾曲)を5点満点(ウエスト開口の縁が真直ぐである場合を5点とした場合の相対評価)で評価し、その平均値を評価結果とした。
評価結果及びサンプルのウエスト側の写真を表1に示した。本発明に係る実施例1は比較例1、2と比べて、伸縮構造に起因するおむつの歪みが効果的に抑制され、官能評価も高いものとなった。
<明細書中の用語の説明>
明細書中の以下の用語は、明細書中に特に記載が無い限り、以下の意味を有するものである。
(目付け)
目付けは次のようにして測定されるものである。試料又は試験片を予備乾燥した後、標準状態(試験場所は、温度20±5℃、相対湿度65%以下)の試験室又は装置内に放置し、恒量になった状態にする。予備乾燥は、試料又は試験片を相対湿度10〜25%、温度50℃を超えない環境で恒量にすることをいう。なお、公定水分率が0.0%の繊維については、予備乾燥を行わなくてもよい。恒量になった状態の試験片から米坪板(200mm×250mm、±2mm)を使用し、200mm×250mm(±2mm)の寸法の試料を切り取る。試料の重量を測定し、20倍して1平米あたりの重さを算出し、目付けとする。
(厚み)
厚みは、自動厚み測定器(KES−G5 ハンディ圧縮計測プログラム)を用い、荷重:10gf/cm2、及び加圧面積:2cm2の条件下で自動測定する。
本発明は、上記例のようなパンツタイプ使い捨ておむつに好適なものである。
11…液不透過性シート、12…外装体、12A…サイドシール部、12H…第2シート材、12S…第1シート材、12r…折り返し部分、200…内装体、30…表面シート、40…中間シート、50…吸収要素、56…吸収体、58…包装シート、60…立体ギャザー、62…ギャザーシート、70…シート接合部、71…接着剤、80…襞、WO…ウエスト開口、C…連続伸縮領域、M…間欠伸縮領域、12X…内装体固定領域、W…ウエスト部、U…ウエスト下方部、L…中間部、LO…脚開口、T…胴周り部、17…ウエスト部弾性伸縮部材、19…弾性伸縮部材、15…ウエスト下方部弾性伸縮部材、16…中間部弾性伸縮部材。

Claims (8)

  1. 前身頃及び後身頃を構成する外装体と、この外装体の内面に固定された、吸収体を含む内装体とを備え、
    前身頃における外装体の両側部と後身頃における外装体の両側部とがそれぞれ接合されてサイドシール部が形成されることにより、ウエスト開口及び左右一対の脚開口が形成され、
    前記外装体におけるウエスト開口の縁から内装体固定領域のウエスト開口側の縁又はウエスト開口側の端部までの前後方向範囲は、幅方向全体にわたり伸縮する連続伸縮領域とされ、前記外装体における前記連続伸縮領域よりも前後方向中央側における内装体固定領域の前後方向範囲は、内装体固定領域の少なくとも幅方向中間部が非伸縮で、その幅方向両側が伸縮する間欠伸縮領域とされており、
    間欠伸縮領域の自然長状態の幅方向収縮率よりも、連続伸縮領域の自然長状態の幅方向収縮率が高い、
    パンツタイプ使い捨ておむつにおいて、
    前記連続伸縮領域における少なくとも一部の幅方向範囲は、間欠伸縮領域側からウエスト開口の縁に向かうにつれて、自然長状態の幅方向収縮率が連続的又は段階的に低くなっている、
    ことを特徴とするパンツタイプ使い捨ておむつ。
  2. 前記外装体の少なくとも連続伸縮領域は、その伸縮のための弾性伸縮部材と、その外側及び内側をそれぞれ被覆する外側シート層及び内側シート層とを有しており、
    前記連続伸縮領域における外側シート層及び内側シート層が、幅方向に間欠的に形成されたシート接合部により接合されており、
    前記連続伸縮領域における前記シート接合部の幅が、間欠伸縮領域側からウエスト開口の縁に向かうにつれて、連続的又は段階的に広くなっている、
    請求項1記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
  3. 前記連続伸縮領域における前記シート接合部の幅の変化度合は、前記間欠伸縮領域の非伸縮の範囲と対応する幅方向範囲内に位置するものよりも、その幅方向両側の範囲に位置するものの方が低い、請求項2記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
  4. 前記連続伸縮領域における前記シート接合部は、ウエスト開口側に底辺を有し、ウエスト開口側と反対側に頂点を有する逆三角形状をなしており、
    前記連続伸縮領域における前記シート接合部は、おむつの側縁に向かうにつれて段階的又は連続的に、幅方向中央側の辺よりも幅方向外側の辺の方が長いものとなっている、請求項2又は3記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
  5. 前記連続伸縮領域における前記シート接合部の幅は、最大幅が4〜13mmであり、最小幅が0〜2mmであり、かつ最大幅が最小幅の5倍以上であり、
    前記連続伸縮領域における隣り合うシート接合部の間隔は、最大間隔が6〜13mmであり、最小間隔が0〜5mmであり、かつ最大間隔が最小間隔の2倍以上である、
    請求項2〜4のいずれか1項に記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
  6. 前記連続伸縮領域における前記シート接合部は、少なくとも前記連続伸縮領域において前後方向に連続する接着剤により形成されており、
    前記連続伸縮領域における弾性伸縮部材は、前記シート接合部と交差する位置で前記外側シート層及び内側シート層の少なくとも一方に接着剤により固定され、前記シート接合部の間では非固定とされている、
    請求項2〜5のいずれか1項に記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
  7. 前記外装体の間欠伸縮領域は、その伸縮のための弾性伸縮部材と、その外側及び内側をそれぞれ被覆する外側シート層及び内側シート層とを有しており、
    前記間欠伸縮領域における外側シート層及び内側シート層が、幅方向に間欠的に形成された縦方向に連続するシート接合部により接合されており、
    前記間欠伸縮領域におけるシート接合部の幅方向位置は、前記連続伸縮領域におけるシート接合部の幅方向位置と対応している、
    請求項2〜6のいずれか1項に記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
  8. 前記外装体におけるウエスト開口の縁から内装体固定領域のウエスト開口側の縁又はウエスト開口側の端部までの前後方向範囲に、幅方向全体にわたる細長状弾性伸縮部材が前後方向に間隔を空けて複数設けられることにより、前記連続伸縮領域が形成され、
    前記外装体における前記連続伸縮領域よりも前後方向中央側における内装体固定領域の前後方向範囲に、幅方向全体にわたる細長状弾性伸縮部材が前後方向に間隔を空けて複数設けられるとともに、その細長状弾性伸縮部材が内装体固定領域の少なくとも幅方向中間部では細かく切断され、かつ切断領域の幅方向両側では切断されずに連続していることにより、前記間欠伸縮領域が形成されている、
    請求項1〜7のいずれか1項に記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
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