JP5826562B2 - パンツタイプ使い捨ておむつ - Google Patents
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Description
そこで本発明の主たる課題は、おむつの一部により形成され、固定作業が容易であり、手も汚れにくいものでありながら、外れ難い廃棄時固定手段を提供することにある。
<請求項1記載の発明>
前身頃及び後身頃をなす外装シートと、この外装シートの内面に固定された、吸収体を含む内装体とを備え、前記外装シートの前身頃と後身頃とが両側部において接合されることにより側部接合部が形成されるとともに、ウエスト開口部及び左右一対のレッグ開口部が形成され、
前記外装シートにおけるウエスト開口部の縁部に、胴周り方向に沿って細長状のウエスト部弾性部材が設けられ、
股間部を含む範囲に吸収体が設けられた、パンツタイプ使い捨ておむつにおいて、
前記外装シートにおけるウエスト開口部の縁部の一部を他の部分から分離するための破断線が設けられており、
この破断線を切り離すことにより前記一部を分離したとき、その分離部分が前記他の部分に対して前記ウエスト部弾性部材で繋がった状態で分離されるように構成され、
前記他の部分に、前記分離部分を挿通して係止するための係止孔が形成されており、
前記分離部分を引っ張り、ウエスト部弾性部材を伸長させつつおむつの外周に巻き付けた後、その先端部の分離部分を、係止孔に通して反対側に位置させるようにして固定したとき、前記分離部分が前記係止孔に対する引っ掛かりとなるように構成された、
ことを特徴とするパンツタイプ使い捨ておむつ。
本発明では、破断線の切り離しにより形成される分離部分が他の部分に対してウエスト部弾性部材で繋がった状態で分離されるため、例えばこの分離部分を摘んで引っ張り、ウエスト部弾性部材を伸長させつつ、略紡錘状に丸める等したおむつの外周に巻き付けた後、その先端部の分離部分を、巻き付けたウエスト部弾性部材とおむつ外面との間を通して反対側に位置させるようにして固定すると、分離部分が引っ掛かりとなって固定が外れ難くなる。よって、本発明によれば、おむつの一部により形成され、固定作業が容易であり、手も汚れにくいものでありながら、外れ難い廃棄時固定手段を破断線のみで構成することができる。
なお、破断線とは、当該部分において切り離しが容易である線状の部分を意味するものであり、例えば、「ミシン目」の他、熱や超音波によってダメージを与えて切り離し易くしたものも含むものである。
前記ウエスト部弾性部材が縦方向に間隔を空けて複数本設けられており、前記係止孔がこれらウエスト部弾性部材間に設けられている、請求項1記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
前述の係止孔がこのような位置に設けられていると、ウエスト部弾性部材の収縮力によって係止孔の拡大が抑制され、係止孔からの分離部分の外れが発生し難くなる。
前記分離部分が前記側部接合部を含むように、前記破断線が形成されている、請求項1又は2記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
前身頃と後身頃との側部接合部は相対的に剛性が高い部分であるため、分離部分にこのような高剛性部分が存在していると、前述した分離部分の外れ防止効果がより一層のものとなる。
前記破断線を切り離したとき、前記分離部分がその胴周り方向両側の部分に対してそれぞれウエスト部弾性部材を介して繋がった状態となるように、前記破断線が形成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
破断線の切り離しにより形成される分離部分を摘んで引っ張り、ウエスト部弾性部材を伸長させつつ、略紡錘状に丸める等したおむつの外周に巻き付ける際、ウエスト部弾性部材による締め付け力をバランス良く作用させることができる。また、特許文献3と同様の固定形態、すなわち分離部分及びその両側のウエスト部弾性部材を捻って輪を形成し、その輪の中に略紡錘状のおむつを通す形態を選択することも可能となる。
前記破断線を切り離した状態で前記分離部分を繋ぐウエスト部弾性部材は、分離部分側と反対側の部分のうちの分離部分側の部分が前記外装シートに対して非固定とされているか、または引っ張ると固定が外れて非固定となるように固定されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
このような構成を採用することにより、破断線の切り離しにより形成される分離部分を摘んで引っ張り、ウエスト部弾性部材を伸長させる際、ウエスト部弾性部材の伸長可能長さをより長く確保することができ、固定作業の容易化を図ることができる。
図1〜図7は参考形態のパンツタイプ使い捨ておむつ1を示している。このパンツタイプ使い捨ておむつ1(以下、単におむつともいう。)は、前身頃F及び後身頃Bを有する外装シート20と、この外装シート20の内面に固定され一体化された内装体10とを有しており、内装体10は液透過性表面シート11と液不透過性裏面側シート12との間に吸収体13が介在されてなるものである。製造に際しては、外装シート20の内面(上面)に対して内装体10の裏面がホットメルト接着剤Gなどの接合手段によって固定された後に、内装体10および外装シート20が前身頃F及び後身頃Bの境界である縦方向(前後方向)中央で折り畳まれ、その両側部が相互に熱溶着、超音波接着、またはホットメルト接着剤などによって接合されることによって、ウエスト開口部及び左右一対のレッグ開口部が形成されたパンツタイプ使い捨ておむつとなる。
外装シート20は、図4〜図6にも示されるように、上層不織布20A及び下層不織布20B(つまり、この形態では下層不織布が最外側不織布となる)からなる2層構造の不織布シートとされ、上層不織布20Aと下層不織布20Bとの間、及び下層不織布20Bをウエスト開口縁で内面側に折り返してなる折り返し部分20Cの不織布間に各種弾性部材が配設され、伸縮性が付与されている。平面形状は、中間両側部に夫々脚部開口を形成するために形成された凹状の脚周りライン29により、全体として擬似砂時計形状をなしている。
内装体10は、図5〜図7に示すように、不織布などからなる液透過性表面シート11と、ポリエチレン等からなる液不透過性裏面側シート12との間に、吸収体13を介在させた構造を有しており、表面シート11を透過した排泄液を吸収保持するものである。
内装体10と外装シート20との固定は特徴的な構造となっている。図3に示すように、おむつを展開した状態で、湾曲弾性部材26…、28…と縦方向との鋭角側交差角θが60°以下となる交差部分70(図3で二点鎖線で囲まれた点模様部分)のうち80%以上の縦方向範囲(図示例では全縦方向範囲)では、外装シート20と内装体10とが非固定とされ、これ以外の部分80,81,82において外装シート20と内装体10とがホットメルト接着剤等の接合手段により固定されている。これにより、湾曲弾性部材26…、28…の収縮力が内装体10の側部に殆ど又は全く加わらなくなり、その結果、湾曲弾性部材26…、28…と内装体10の両側部とが重なる領域においてもおむつの厚み及び硬さが周囲と同程度となり、内装体10の内面に横皺も発生し難くなる。なお、交差部分70のうち80%以上の縦方向範囲が固定部となる限り、図示例のように全体にわたり連続的に固定する形態だけでなく、交差部分のうちの一部を非固定としたり、また交差部分内で間欠的に固定したりすることも可能である。
図1及び図4にも示されるように、外装シート20の内面上に取り付けられた内装体10の前後端部をカバーし、且つ内装体10の前後縁からの漏れを防ぐために、前後押えシート50,60が設けられている。図示形態について更に詳細に説明すると、前押えシート50は、前身頃F内面のうちウエスト側端部の折り返し部分20Cの内面から内装体10の前端部と重なる位置まで幅方向全体にわたり延在しており、後押えシート60は、後身頃B内面のうちウエスト側端部の折り返し部分20Cの内面から内装体10の後端部と重なる位置まで幅方向全体にわたり延在している。前後押えシート50,60の股下側縁部に幅方向の全体にわたり(中央部のみでも良い)若干の非接着部分を設けると、接着剤が食み出ないだけでなく、この部分を表面シートから若干浮かせて防漏壁として機能させることができる。
図示形態のように、前後押えシート50,60を別体として取り付けると、素材選択の自由度が高くなる利点があるものの、資材や製造工程が増加する等のデメリットもある。そのため、外装シート20をおむつ1内面に折り返してなる折り返し部分20Cを、内装体10と重なる部分まで延在させて、前述の押えシート50,60と同等の部分を形成することもできる。
特徴的には、外装シート20におけるウエスト開口部の縁部の一部を他の部分から分離するための破断線31が設けられており、図2中に二点鎖線で示すように、この破断線31を切り離すことにより分離される分離部分30が他の部分に対してウエスト部弾性部材24で繋がった状態で分離されるように構成されている。なお、破断線とは、当該部分において切り離しが容易である線状の部分を意味するものであり、例えば、「ミシン目」の他、熱や超音波によってダメージを与えて切り離し易くしたものも含むものである。
Claims (5)
- 前身頃及び後身頃をなす外装シートと、この外装シートの内面に固定された、吸収体を含む内装体とを備え、前記外装シートの前身頃と後身頃とが両側部において接合されることにより側部接合部が形成されるとともに、ウエスト開口部及び左右一対のレッグ開口部が形成され、
前記外装シートにおけるウエスト開口部の縁部に、胴周り方向に沿って細長状のウエスト部弾性部材が設けられ、
股間部を含む範囲に吸収体が設けられた、パンツタイプ使い捨ておむつにおいて、
前記外装シートにおけるウエスト開口部の縁部の一部を他の部分から分離するための破断線が設けられており、
この破断線を切り離すことにより前記一部を分離したとき、その分離部分が前記他の部分に対して前記ウエスト部弾性部材で繋がった状態で分離されるように構成され、
前記他の部分に、前記分離部分を挿通して係止するための係止孔が形成されており、
前記分離部分を引っ張り、ウエスト部弾性部材を伸長させつつおむつの外周に巻き付けた後、その先端部の分離部分を、係止孔に通して反対側に位置させるようにして固定したとき、前記分離部分が前記係止孔に対する引っ掛かりとなるように構成された、
ことを特徴とするパンツタイプ使い捨ておむつ。 - 前記ウエスト部弾性部材が縦方向に間隔を空けて複数本設けられており、前記係止孔がこれらウエスト部弾性部材間に設けられている、請求項1記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
- 前記分離部分が前記側部接合部を含むように、前記破断線が形成されている、請求項1又は2記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
- 前記破断線を切り離したとき、前記分離部分がその胴周り方向両側の部分に対してそれぞれウエスト部弾性部材を介して繋がった状態となるように、前記破断線が形成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
- 前記破断線を切り離した状態で前記分離部分を繋ぐウエスト部弾性部材は、分離部分側と反対側の部分のうちの分離部分側の部分が前記外装シートに対して非固定とされているか、または引っ張ると固定が外れて非固定となるように固定されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
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