JP5690050B2 - 吸収性物品 - Google Patents
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Description
このうちパンツ型紙おむつは、吸収体が内包された吸収性本体と、吸収性本体が固定された外装体とを備えて構成され、外装体は、尿漏れ防止の観点より、外装体の胴周りに幅方向沿って配された糸ゴムや脚周りに沿って配された糸ゴムによりギャザーを形成し、着用者の身体に対して密着する構成となっている(例えば、特許文献1、2参照。)。
吸収体を含む吸収性本体と、前記吸収性本体の外面側に設けられ、着用時に人体の腹側に位置する腹側部及び背側に位置する背側部を有する外装体と、を備え、前記外装体の前記腹側部と前記背側部とが、その両側端の接合端部において接合されることにより腰周り開口部、左右一対の脚周り開口部が形成されるとともに、前記左右一対の脚周り開口部の間に股下部が形成される吸収性物品において、
前記吸収性本体は、当該吸収性物品の幅方向の両端部に、長手方向に延在する立体ギャザーを備えるとともに、前記外装体のうち、少なくとも前記股下部に備えられ、
前記外装体は、
前記腹側部及び前記背側部におけるそれぞれの接合端部から前記脚周り開口部の縁部に沿って前記股下部側に延びるように配設された複数の脚周り弾性部材と、
前記股下部の少なくとも一部の領域に、一方の脚周り開口部の端部から他方の脚周り開口部の端部に亘り、当該吸収性物品の長手方向に所定の間隔をおいて互いに略平行に、前記股下部の股間部を除く全領域に亘って前記所定の間隔で配設される複数の股下弾性部材と、
を備え、
前記背側部の前記複数の脚周り弾性部材は、当該吸収性物品の短手方向における前記吸収体の最大幅部から最小幅部にかけての傾斜部分と重なる位置に配設された前記複数の股下弾性部材と、前記立体ギャザーから外側に位置する範囲で交差し、
前記所定の間隔は、前記腹側部及び前記背側部に配設される腰周り弾性部材の配設の間隔よりも広く、
前記立体ギャザーから外側に位置する範囲の前記股下弾性部材は、前記立体ギャザーから内側に位置する範囲の前記股下弾性部材よりも太いことを特徴とする。
また、背側部の複数の脚周り弾性部材は、当該吸収性物品の短手方向における吸収体の最大幅部から最小幅部にかけての傾斜部分と重なる位置に配設された複数の股下弾性部材と、立体ギャザーから外側に位置する範囲で交差することにより、交差部分が縦横に伸縮するので、吸収性物品の短手方向における吸収体の最大幅部から最小幅部にかけての傾斜部分における尿漏れを防止するとともに、フィット性を向上させることができる。
また、本実施の形態においては、吸収性物品としてパンツ型使い捨て紙おむつ(以下、「紙おむつ」という。)を例示して説明する。
先ず、構成について説明する。
図1から図5に示すように、紙おむつ1は、吸収体13を含む吸収性本体10と、この吸収性本体10の外面側に設けられ、着用時に人体の腹側に位置する腹側部F及び背側に位置する背側部Bを有する外装体20と、を備えている。
この紙おむつ1は、外装体20の腹側部Fと背側部Bとが、その両側端の接合端部(21、22)において接合されることにより腰周り開口部W、左右一対の脚周り開口部Lが形成されるとともに、左右一対の脚周り開口部Lの間に股下部Mが形成されるようになっている。
吸収性本体10は、図4、図5に示すように、不織布などからなる透液性表面シート11と、ポリエチレン等からなる防水シート12との間に、綿やパルプ等の吸収性素材や、繊維或いはフィルム等のシート状基材と高吸水性樹脂とが組み合わされて形成された吸収体13を介在させた構造を有しており、体液としての尿等の水様成分を吸収保持するものである。
この吸収性本体10は、外装体20の腹側部Fから背側部Bに亘り、当該吸収性本体10よりも幅方向外側に延出するように形成される股下部Mに備えられており、当該吸収性本体10の幅方向の両端部には、長手方向に延在する左右一対の立体ギャザーBSが備えられている。
なお、吸収体13は、形状保持と透液性表面シート11を透過した体液の拡散性の向上のためにクレープ紙(図示省略。)によって囲繞することとしても良い。
また、これらの繊維性素材から不織布を製造する方法としては、公知の方法を適宜用いることができ、例えば、ケミカルボンド、サーマルボンド、スパンレース等のいずれの方法を用いてもよく、また合成繊維等では、スパンボンド法、メルトブロー法、またこれらと上記の接着方法の組み合わせ等、いずれの方法を用いて製造しても良い。
これらの加工法のうち、スパンレース法による不織布は柔軟性、ドレープ性に富む点で優れ、サーマルボンド法による不織布は嵩高でソフトである点で優れている。
また、透液性表面シート11に多数の透孔を形成した場合には、尿などが速やかに吸収されるようになり、ドライタッチ性に優れたものとなる。
かかる防水シート12としては、排便や尿などの褐色が視認しにくいように不透明なものを用いることが好ましい。防水シート12の不透明化としては、オレフィン樹脂やプラスチック中に、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、ホワイトカーボン、クレイ、タルク、硫酸バリウムなどの顔料や充填材を添加してフィルム化したものが好適に使用される。
また、ギャザー不織布15は、吸収性本体10の長手方向中間部においては、立体ギャザーBSを形成する自由端部(起立端部)となっており、長手方向前後端部においては、吸収性本体10の上面側に内側に折り畳まれてホットメルト接着剤等により接着された固定部となっている。
糸状弾性伸縮部材16としては、スチレン系ゴム、オレフィン系ゴム、ウレタン系ゴム、エステル系ゴム、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレンブタジエン、シリコン、ポリエステル等の素材を用いることができる。この糸状弾性伸縮部材16は、太さ300〜1200dtex、テンション150〜350%として配設することが好ましい。なお、糸状弾性伸縮部材に代えて、ある程度の幅を有するテープ状弾性伸縮部材を用いるようにしてもよい。
外装体20は、図1から図5に示すように、当該外装体20を形造る外層シート20Aを備えている。外層シート20Aは、上層不織布20aと下層不織布20bとの2枚の不織布を貼着して構成され、上層不織布20a及び下層不織布20bの間には、後述する各種の糸状の弾性部材が配設されて、伸縮性が付与されるようになっている。
また、外層シート20Aの内側(肌当接面側)には、腹側部F及び背側部Bにおいて、上層不織布20aの上面に胴周りシート20B、20Bが備えられ、良好な着用感を実現するようになっている。
この外装体20は、その中間両側部にそれぞれ脚周り開口部Lを設けるための凹状の脚周りカットライン23が形成され、紙おむつ1の着用者の股下周囲を覆う股下部Mと、股下部Mの前端側に位置し着用者の腹部を覆う腹側部Fと、股下部Mの後端側に位置し着用者の背部を覆う背側部Bと、を有しており、その平面形状は全体として擬似砂時計形状を成している。
なお、腹側部Fの幅方向両端部には、背側部Bと接合するための接合端部21が形成されており、背側部Bの幅方向両端部には、腹側部Fと接合するための接合端部22が形成されている。
接合端部21、接合端部22は、それぞれ腹側部Fと背側部Bにおいて、腰周り開口部Wの開口端部側から脚周りカットライン23を有する脚周り開口部Lに亘る、上下方向の幅を有している。
この複数の腰周り弾性部材25・・・は、外装体20に所定の幅、範囲に亘って配設されることにより、腹側部Fや背側部Bの全面を身体により密着させるようになっている。
なお、腰周り弾性部材25とウエスト弾性部材24との境界は必ずしも明確でなくてよい。例えば、腹側部F及び背側部Bに上下方向に間隔をおいて互いに略平行に配設された複数本の弾性部材のうち、上側の何本かの弾性部材をウエスト弾性部材として機能させ、残りの下側の弾性部材を腰周り弾性部材として機能させればよい。
この複数の脚周り弾性部材26・・・は、外装体20に所定の幅、範囲に亘って配設されることにより、外装体20の脚周り部分を身体に密着させる。
具体的に、脚周り弾性部材26は、腹側部F及び背側部Bの一方の接合端部21、22から、ほぼ脚周りカットライン23に沿うように股下部M側に延び、その股下部Mを迂回するようにして、他方側の脚周りカットライン23にほぼ沿いながら他方の接合端部21、22に到達するように配設されている。
なお、脚周り弾性部材26は、外装体20における、外装体20の縁部である脚周りカットライン23と、吸収性本体10と、腰周り弾性部材25と、に囲まれる略三角形領域Tのほぼ全体を覆うように形成されることが好ましい。
また、脚周り弾性部材26は、4本以上備えることが好ましく、その間隔は15mm以下であることが好ましい。
この複数の股下弾性部材27は、股下部Mにおける所定の領域(H1、H2)において、互いに所定の間隔を有して配設されることにより、股下部Mにその幅方向に沿った伸縮力を付与し、股下部Mの脚周り開口部L近傍を身体により密着させる。
本実施形態においては、股下弾性部材27は、股下部Mにおける腹側部Fよりの領域H1、及び背側部Bよりの領域H2に、互いに15mmの間隔を有して4本ずつ配設されている。
本実施形態の紙おむつ1は、外装体20の腰周り弾性部材25の伸縮力により腹側部F及び背側部Bの腰周り部分が締め付けられるので、外装体20の腰周りが身体に密着する。
また、外装体20における略三角形領域Tが、脚周り弾性部材26により覆われて収縮されているので、外装体20が身体の凹凸や膨らみなどの形状に対応して伸縮し、身体の排尿口周囲や臀部に吸収性本体10や外装体20が好適に密着する。
また、外装体20の股下部Mに股下弾性部材27が配設されているので、股下部Mにおける脚周り開口部L近傍が身体の動きに合わせて伸縮し、外装体20の脚周りと人体の脚との間のフィット性が維持される。
よって、着用時の動きに因らず、外装体20の脚周りのフィット性を維持することができることとなる。
このため、尿などの体液漏れをより確実に防止することができる。
以下、第2実施形態の紙おむつについて説明する。
なお、第2実施形態の紙おむつ2は、以下に説明する股下弾性部材28以外の構成は上記第1実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
なお、吸収性本体10と重なる範囲とは、紙おむつ2の幅方向の両端部に設けられた立体ギャザーBSの内側に位置する範囲である。
また、立体ギャザーBSから外側には伸縮力が発現するため、立体ギャザーBSを起立しやすくすることができる。
以下、第3実施形態の紙おむつについて説明する。
なお、第3実施形態の紙おむつ3は、以下に説明する股下弾性部材29以外の構成は上記第1実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
つまり、股下部Mの股間部Kを除く全領域に亘り脚周り開口部Lに伸縮力が付与される一方、吸収性本体10上では伸縮力が発現しない。
なお、股下弾性部材29を股間部Kに配設しないのは、股間部Kにおいては身体の動きに連動した動きが少ないため、実質的な効果が少ないことを考慮したためであって、股間部Kに股下弾性部材29を配設した構成とすることもできるのは勿論である。
また、股間部Kに股下弾性部材29を配設しない場合には、配設した場合と比較してその分のコストを抑えることができる。
また、外装体20の脚周りのフィット性を維持しつつ、身体の排尿口周囲や臀部を必要以上に圧迫することがないため、着用感も良好となる。
また、股下弾性部材29が股下部Mの股間部Kを除く全領域に亘って設けられているため、股下弾性部材29及び脚周り弾性部材26が略三角形領域Tの全体を完全に覆うことととなり、紙おむつ1の内側に着用の妨げになるポケット様の空間が形成されるのを防止することができる。
例えば、上記第2、3実施形態においては、股下弾性部材を吸収性本体10と重なる範囲において切断する構成としているが、股下弾性部材を、吸収性本体10と重なる範囲には配設せずに立体ギャザーBSから外側に位置する範囲にのみ備える構成としても良い。
また、立体ギャザーBSから外側に位置する範囲の股下弾性部材を、立体ギャザーBSから内側に位置する範囲の股下弾性部材よりも太くして、脚周り開口部Lの伸縮力を強めるように構成することとしても良い。
また、吸収性本体10は、必ずしも腹側部Fと背側部Bまで延在する必要はなく、少なくとも股下部Mに設けられていれば良い。
10 吸収性本体
11 透液性表面シート
12 防水シート
13 吸収体
15 ギャザー不織布
16 糸状弾性伸縮部材
BS 立体ギャザー
20 外装体
20A 外層シート
20a 上層不織布
20b 下層不織布
20B 胴周りシート
21、22 接合端部
23 脚周りカットライン
24 ウエスト弾性部材
25 腰周り弾性部材
26 脚周り弾性部材
27、28、29 股下弾性部材
F 腹側部
B 背側部
W 腰周り開口部
L 脚周り開口部
M 股下部
K 股間部
T 略三角形領域
S 切断部
Claims (1)
- 吸収体を含む吸収性本体と、前記吸収性本体の外面側に設けられ、着用時に人体の腹側に位置する腹側部及び背側に位置する背側部を有する外装体と、を備え、前記外装体の前記腹側部と前記背側部とが、その両側端の接合端部において接合されることにより腰周り開口部、左右一対の脚周り開口部が形成されるとともに、前記左右一対の脚周り開口部の間に股下部が形成される吸収性物品において、
前記吸収性本体は、当該吸収性物品の幅方向の両端部に、長手方向に延在する立体ギャザーを備えるとともに、前記外装体のうち、少なくとも前記股下部に備えられ、
前記外装体は、
前記腹側部及び前記背側部におけるそれぞれの接合端部から前記脚周り開口部の縁部に沿って前記股下部側に延びるように配設された複数の脚周り弾性部材と、
前記股下部の少なくとも一部の領域に、一方の脚周り開口部の端部から他方の脚周り開口部の端部に亘り、当該吸収性物品の長手方向に所定の間隔をおいて互いに略平行に、前記股下部の股間部を除く全領域に亘って前記所定の間隔で配設される複数の股下弾性部材と、
を備え、
前記背側部の前記複数の脚周り弾性部材は、当該吸収性物品の短手方向における前記吸収体の最大幅部から最小幅部にかけての傾斜部分と重なる位置に配設された前記複数の股下弾性部材と、前記立体ギャザーから外側に位置する範囲で交差し、
前記所定の間隔は、前記腹側部及び前記背側部に配設される腰周り弾性部材の配設の間隔よりも広く、
前記立体ギャザーから外側に位置する範囲の前記股下弾性部材は、前記立体ギャザーから内側に位置する範囲の前記股下弾性部材よりも太いことを特徴とする吸収性物品。
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