JP2006014862A - パンツ型使い捨ておむつ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】外装シート20は、後身頃Bにおいて、前記腰回り弾性部材群25とは別に、一方側の脇部接合縁22からほぼ脚回りカットライン29に沿うように股下部に延び、股下部を迂回してほぼ脚回りカットライン29に沿うように他方側の脇部接合縁22に到達する複数本の臀部第1弾性部材群26,26…と、腰部サイド領域K2において前記腰回り弾性部材25による水平方向の伸縮力F4と前記臀部第1弾性部材群26、26…による傾斜方向の伸縮力F1との中間的傾斜角度方向の伸縮力F3を与えるように配置され、かつ一方側の脇部接合縁22から股下側に延び、股下側を迂回して他方側の接合縁22に到達する複数本の臀部第2弾性部材群27、27…とを備える。
【選択図】図3
Description
例えば、下記特許文献1では、図7(A)に示されるように、透液性トップシート50と、不透液性バックシート51と、これら両シート50、51間に配置される吸収体52とを有し、前身頃と後身頃との両側部を接合してウエスト開口部と一対のレッグ開口部とを形成したパンツ型使い捨て紙おむつであって、前記ウエスト開口部の周囲に沿ってウエスト部弾性伸縮部材48、48…を配設するとともに、前記両レッグ開口部には、周縁に沿って実質的に連続して脚部弾性部材53、53…を配設し、かつ腰回りに腰部弾性伸縮部材49、49…を配設し、使い捨ておむつを身体にフィットさせるようにしている。
(1)複雑な立体形状を成している身体に紙おむつ全体をフィットさせるには、特許文献1に示すように、ウエスト開口部、レッグ開口部、腰回り部の3つの部分にそれぞれ、独立的に弾性伸縮部材を配設するのではなく、身体を包み込むように弾性伸縮部材を配置し、紙おむつ全体を身体に密着させる必要があること。
(2)紙おむつが体液を吸収体し重量が増しても、紙おむつのずり下がりをきっちりと防止し得る構造の弾性部材配置とする必要があること。
(3)紙おむつを身体に密着させるに当たり、身体の前側部分に比べて身体の後側は臀部の膨らみによって強い立体形状を成しているとともに、複雑な曲線形状を成しており、身体に違和感を与えることなく紙おむつをフィットさせるには単純な弾性部材の配置パターンではその要求を満たすことはできないこと。
(4)脚回り弾性部材は、実質的に脚回りラインに沿って配設されているが、この脚回り弾性部材は2,3本程度の弾性伸縮部材を間隔を密にして実質的に一束として(以下、束状弾性部材という。)、あたかもこれら弾性伸縮部材によって1本のラインを形成するように配置されており、主としてレッグ開口縁と身体との隙間を塞ぐための機能しか担っておらず、吸収体を身体に密着させるための機能は有していないこと。
(1)上記特許文献2に係る使い捨ておむつでは、下方湾曲ギャザーを配設したことによって、多少のおむつのずり下がり防止は望めるものの、3本程度を一組として配設した程度では、その効果は僅かである。また、後身頃に対して何らの工夫が成されておらず、ずり下がり防止と密着性は得られていない。
(2)上記特許文献3に係る使い捨ておむつの場合は、股下部に複数の弾性伸縮部材を間隔をおいて配置することにより該股下部での漏れ防止が高まるようになるけれども、後身頃側に後身頃の一方の側縁部から股下部を経て他方の側縁部に至るように配設された第2伸縮弾性部材と、後側の腰回り弾性部材とによって挟まれた部分は大きく弾性部材が配設されていない領域となっており、該領域では吸収体を身体に密着させることはできない構造となっている。さらに、股下部では第1伸縮弾性部材と第2伸縮弾性部材がおむつ長手方向に一定の間隔で配置されているが、これら股下部に配置された弾性部材の収縮方向は股下幅方向に沿っており、この股下幅方向に発生する伸縮力が吸収体を縮こまらせてしまうなどの問題がある。
(4)上記特許文献5に係る使い捨て紙おむつは、腰回り弾性部材を股下部側に変位した湾曲形状に配置する点は上記特許文献4と同様であるが、その程度が異なっている。すなわち、前記湾曲変位量を股間部までとすることにより紙おむつ全体に伸縮性を与えているようにも見えるが、腰回り弾性部材を湾曲形状に変位させているため、腰回り弾性部材の湾曲部が固定側となれば、むしろ腰脇部側に下方向への力が作用することになり、該腰脇部にずり落ちが生じるようになる。
前記外装シートは、前記ウエスト開口部回りに配置されたウエスト部弾性部材と、前身頃及び後身頃に上下方向に間隔をおいて水平方向に沿って配置された複数の腰回り弾性部材群とを有するとともに、後身頃において、前記腰回り弾性部材群とは別に、前身頃と後身頃との一方側接合縁からほぼ脚回りカットラインに沿うように股下部に延び、股下部を迂回してほぼ脚回りカットラインに沿うように前身頃と後身頃との他方側接合縁に到達するとともに、互いに交差することなく間隔をおいて配置された複数本の臀部第1弾性部材群と、腰部サイド領域において前記腰回り弾性部材による水平方向の伸縮力と前記臀部第1弾性部材群による傾斜方向の伸縮力との中間的傾斜角度方向の伸縮力を与えるように配置され、かつ前身頃と後身頃との一方側接合縁から股下側に延び、股下側を迂回して前身頃と後身頃との他方側接合縁に到達するとともに、互いに交差することなく間隔をおいて配置された複数本の臀部第2弾性部材群とを備えることを特徴とするパンツ型使い捨ておむつが提供される。
先ず、本発明の紙おむつでは、前記臀部第1弾性部材群と臀部第2弾性部材群は、腰回り弾性部材とは別の弾性部材により、始終端を前身頃と後身頃との接合縁として配置されている。その結果、腰回り弾性部材、臀部第1弾性部材群、臀部第2弾性部材群が高い線密度で前身頃と後身頃との接合縁(以下、脇部接合縁ともいう。)に集約されるため、外装シートは前記腰脇部できっちりと固定され、前記臀部第1弾性部材群と臀部第2弾性部材群によって上方向への力を作用させ得るようになるため、前記臀部第1弾性部材群と臀部第2弾性部材群によって紙おむつのずり落ちを防止するとともに、外装シートを身体に密着保持することができる。
(1)外装シート全体が身体の立体形状に沿って密着するようになる。その結果、吸収性本体は身体に密着し、体液の漏れを効果的に防止できるようになるとともに、動きにも追従するため、装着感が良好となる。
(2)従来のように部分的に弾性部材を配置するパターンを採らず、全体に均一に多くの弾性部材を配置するようにしたため、弾性体1本当たりの伸縮力を小さく抑えることができ、従来の紙おむつよりも小さな力で伸ばし、はくことができる。また、未装着状態で外装シートが小さく縮こまることがないため、足が引っ掛かりにくくはきやすくなる。
(3)従来の紙おむつのように、ウエスト部や脚回りに締め付け力が集中しないため、圧迫感やゴムによる跡付きを解消することができる。
(4)すべての弾性部材は、脇部接合縁を始終端として配置されているため、相対的に脇部接合縁での締め付け力が高く設定でき、すべての弾性部材は前記脇部接合縁を固定点として伸縮力を発揮するようになるため、体液吸収時において確実に紙おむつのずり落ちを防止し得るようになる。
〔第1形態例〕
図1は本発明に係るパンツ型使い捨て紙おむつ1の製品状態外観図であり、図2は展開状態での組み立て図、図3は外装シートの展開図である。
図1及び図2に示されるように、本パンツ型使い捨て紙おむつ1(以下、単に紙おむつという。)は、不織布などからなる透液性表面シート11と、ポリエチレン等からなる防漏シート12との間に、綿状パルプなどの吸収体13を介在させた吸収性本体10と、この吸収性本体10の外面側に一体的設けられた外装シート20とからなり、製品状態で前記外装シート20の前身頃と後身頃とが両側部において接合されることによりウエスト開口部及び左右一対のレッグ開口部が形成された構造のパンツ型紙おむつである。
以下、前記吸収性本体10、外装シート20、およびその組立構造の順で説明する。
先ず最初に、吸収性本体10の構造の一例について図5及び図6に基づいて詳述する。
吸収性本体10は、前述したように、不織布などからなる透液性表面シート11と、ポリエチレン等からなる防漏シート12との間に、綿状パルプなどの吸収体13を介在させた構造とされ、体液を吸収保持するものである。
外装シート20は、図2及び図3に示されるように、上層不織布20A及び下層不織布20Bからなる2層構造の不織布シートとされ、前記上層不織布20Aと下層不織布20Bとの間に各種弾性部材が配設され、伸縮性が付与されている。平面形状は、中間両側部に夫々脚部開口を形成するために形成された凹状の脚回りカットライン29により、全体として擬似砂時計形状を成している。
前記ウエスト部弾性部材24,24…は、前身頃Fと後身頃Bとが接合された脇部接合縁21、22の範囲の内、ウエスト開口縁近傍に上下方向に間隔をおいて配設された複数条の糸ゴム状弾性部材であり、身体のウエスト部回りを締め付けるように伸縮力を与えることにより紙おむつを身体に装着するためのものである。このウエスト部弾性部材24は、図示例では糸ゴムを用いたが、例えばテープ状の伸縮部材を用いてもよい。
この腹側弾性部材群28,28…の始終端は、脇部接合縁21,21のほぼ上部から下部の範囲に亘り、所定の間隔で接続されていることが望ましい。
前記吸収性本体10と外装シート20とは、図2に示されるように、外装シート20の上面側に吸収性本体10がホットメルト等の接着剤によって接着され一体化される。そして、吸収性本体10および外装シート20が前後方向に折り重ねられ、その両側部が相互に熱溶着またはホットメルト接着剤などによって接合されることによりパンツ型紙おむつに組み立てられる。
(1)上記形態例では、前身頃F及び後身頃Bに配置された腰回り弾性部材群25,25…、後身頃Bに配置された臀部第1弾性部材群26,26…及び臀部第2弾性部材群27,27…、そして前身頃Fに配置された腹側弾性部材群28,28…は、吸収性本体10上においても連続させて配置するようにしたが、図4に示されるように、吸収性本体10を横切る弾性部材を切断し、不連続としてもよい。弾性部材を吸収性本体上で不連続とすることにより、吸収体13の縮こまりを防止することができる。
Claims (10)
- 吸収体を含む吸収性本体と、この吸収性本体の外面側に一体的に設けられた外装シートとからなり、製品状態で前記外装シートの前身頃と後身頃とが両側部において接合されることによりウエスト開口部及び左右一対のレッグ開口部が形成されたパンツ型使い捨ておむつにおいて、
前記外装シートは、前記ウエスト開口部回りに配置されたウエスト部弾性部材と、前身頃及び後身頃に上下方向に間隔をおいて水平方向に沿って配置された複数の腰回り弾性部材群とを有するとともに、後身頃において、前記腰回り弾性部材群とは別に、前身頃と後身頃との一方側接合縁からほぼ脚回りカットラインに沿うように股下部に延び、股下部を迂回してほぼ脚回りカットラインに沿うように前身頃と後身頃との他方側接合縁に到達するとともに、互いに交差することなく間隔をおいて配置された複数本の臀部第1弾性部材群と、腰部サイド領域において前記腰回り弾性部材による水平方向の伸縮力と前記臀部第1弾性部材群による傾斜方向の伸縮力との中間的傾斜角度方向の伸縮力を与えるように配置され、かつ前身頃と後身頃との一方側接合縁から股下側に延び、股下側を迂回して前身頃と後身頃との他方側接合縁に到達するとともに、互いに交差することなく間隔をおいて配置された複数本の臀部第2弾性部材群とを備えることを特徴とするパンツ型使い捨ておむつ。 - 前記臀部第1弾性部材群による伸縮性付与は、前記臀部第2弾性部材群に隣接するその外側ゾーンとする請求項1記載のパンツ型使い捨ておむつ。
- 前記臀部第1弾性部材群及び臀部第2弾性部材群は、股下部又は股下側の迂回部において、ほぼ弧状曲線状に方向転換されている請求項1、2いずれかに記載のパンツ型使い捨ておむつ。
- 前記臀部第1弾性部材群および臀部第2弾性部材群は、前記吸収性本体上において、交差することなく、紙おむつの長手方向に間隔をおいて配置されている請求項1〜3いずれかに記載のパンツ型使い捨ておむつ。
- 前記臀部第1弾性部材群および臀部第2弾性部材群は、前記吸収性本体の側縁上において、交差することなく、紙おむつの長手方向に間隔をおいて配置されている請求項1〜4いずれかに記載のパンツ型使い捨ておむつ。
- 前記臀部第2弾性部材群の始終端は、前身頃と後身頃との接合縁のほぼ上部から下部の範囲に亘り、所定の間隔で接続されている請求項1〜5いずれかに記載のパンツ型使い捨ておむつ。
- 前記臀部第1弾性部材群の始終端は、前身頃と後身頃との接合縁の中間部から下部の範囲に亘り、所定の間隔で接続されている請求項1〜5いずれかに記載のパンツ型使い捨ておむつ。
- 前記使い捨ておむつの前身頃において、前記腰回り弾性部材群とは別に、前身頃と後身頃との一方側接合縁から股下側に延び、股下側を迂回して前身頃と後身頃との他方側接合縁に到達するとともに、交差することなく間隔をおいて配置された複数本の腹部弾性部材群を備える請求項1〜7いずれかに記載のパンツ型使い捨ておむつ。
- 前記腹側弾性部材群の始終端は、前身頃と後身頃との接合縁のほぼ上部から下部の範囲に亘り、所定の間隔で接続されている請求項8記載のパンツ型使い捨ておむつ。
- 前記吸収体上において、前記腰回り弾性部材、前記臀部第1弾性部材群および臀部第2弾性部材群を切断し、不連続としてある請求項1〜9いずれかに記載のパンツ型使い捨ておむつ。
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