JP5631614B2 - 吸収性物品 - Google Patents
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このうちパンツ型紙おむつは、一般に、吸収体を含む吸収性本体と、この吸収性本体の外面側に一体的に設けられた外装シートと、を備え、製品状態で外装シートにおける腹側部と背側部とが、その両側端の接合部において接合されることによりウエスト開口部及び左右一対のレッグ開口部が形成されている。
パンツ型紙おむつにおいては、着用中の動作時(例えば、脚の開閉時、歩行時、立位と着座位との間の移行動作時など)に生じる人体の股間とパンツ型紙おむつとの隙間から漏れが生じることがある。
また、パンツ型紙おむつにおいては、人体の臀部の形状にフィットせず膨らんだ状態、いわゆる、だぼつきが発生しやすい。
そこで、例えば、吸収性物品において、主として長手方向に沿って収縮力を作用させるように配置された弾性体と、長手方向背側端部の幅方向中心部にスリットが設けられた吸収体とを備え、弾性体が収縮することで吸収体がスリットの形状に沿って変形して、使用者の身体の複雑な3次元形状に好適にフィットさせて漏れを防止する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、同様に、従来の技術のみでは、臀部のように凹凸が大きい部分に好適にフィットさせることは難しいという問題があった。
また、更なる課題は、臀部によりフィットして臀部のだぼつきの発生を好適に抑制することである。
また、第1吸収体の幅方向内側から背側部に向かって幅方向外側に傾斜する方向に沿って、第1吸収体と第2吸収体との離間領域を横断して、離間弾性部材が配置されている。そのため、脚の付け根の形状に沿った方向に離間弾性部材が伸縮し、吸収体の人体の股間へのフィット性をさらに向上させることができる。
従って、着用中の動作時における股間部からの漏れをより好適に防止することができる。
従って、臀部のだぼつきの発生を好適に抑制することができる。
また、本実施の形態においては、吸収性物品としてパンツ型使い捨て紙おむつ(以下、「紙おむつ」という。)を例示して説明する。
この紙おむつ1は、外装体20の腹側部Fと背側部Bとが、その両側端の接合部(21、22)において接合されることにより腰周り開口部W、左右一対の脚周り開口部Lが形成されるとともに、左右一対の脚周り開口部Lの間に股間部Mが形成されるようになっている。
ここで、特に断りが無い場合、「長手方向」とは、吸収性本体10の長手方向を意味し、「幅方向」とは、吸収性本体10の幅方向を意味するものとする。
吸収性本体10は、図4〜7に示すように、不織布などからなる透液性表面シート11と、ポリエチレン等からなる防水シート12との間に、綿やパルプ等の吸収性素材や、繊維或いはフィルム等のシート状基材と高吸水性樹脂とが組み合わされて形成された吸収体13を介在させた構造を有しており、体液としての尿等の水様成分を吸収保持するものである。
高吸水性樹脂としては、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸およびその塩類、アクリル酸塩重合体架橋物、澱粉−アクリル酸グラフト共重合体、澱粉−アクリロニトリルグラフト共重合体の加水分解物、ポリオキシエチレン架橋物、カルボキシメチルセルロース架橋物、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルアミド等の水膨欄性ポリマーを部分架橋したもの、あるいはイソブチレンとマレイン酸との共重合体等が好適に用いられる。
この吸収性本体10は、外装体20の腹側部Fから背側部Bに亘り、着用時に人体の股間に位置する股間部Mに備えられており、当該吸収性本体10の幅方向の両端部には、長手方向に延在する左右一対の立体ギャザーBSが備えられている。
より具体的には、腹側吸収体131は、吸収性本体10の腹側部F側の端部に位置して幅広で略矩形の腹側幅広部131aと、幅広部131aの背側端部に連続して設けられ、背側部Bに向かって漸次幅が狭くなるように突出した凸状部131bと、を備えている。
凸状部131bの先端は、外装体20の長手方向中央よりもやや背側部Bよりに位置している。
より具体的には、腹側吸収体131の凸状部131bの先端が収容される凹状部132aと、凹状部132aの背側端部に連続して背側部B側に延在する幅広の背側幅広部132bと、を備えている。
凸状部131bと凹状部132aとの間には、離間領域Sが形成されている。
凹状部132aの幅方向の長さは、凹状部132aの先端から背側幅広部132bに至るまで漸次長くなるようになっている。
背側吸収体132の凹状部132aには、腹側部F側の長手方向端部の幅方向中心から背側部Bに向かって設けられたスリット132cが設けられている。
なお、吸収体13は、形状保持と透液性表面シート11を透過した体液の拡散性の向上のためにクレープ紙(図示省略。)によって囲繞することとしても良い。
また、これらの繊維性素材から不織布を製造する方法としては、公知の方法を適宜用いることができ、例えば、ケミカルボンド、サーマルボンド、スパンレース等のいずれの方法を用いてもよく、また合成繊維等では、スパンボンド法、メルトブロー法、またこれらと上記の接着方法の組み合わせ等、いずれの方法を用いて製造しても良い。
これらの加工法のうち、スパンレース法による不織布は柔軟性、ドレープ性に富む点で優れ、サーマルボンド法による不織布は嵩高でソフトである点で優れている。
また、透液性表面シート11に多数の透孔を形成した場合には、尿などが速やかに吸収されるようになり、ドライタッチ性に優れたものとなる。
かかる防水シート12としては、排便や尿などの褐色が視認しにくいように不透明なものを用いることが好ましい。防水シート12の不透明化としては、オレフィン樹脂やプラスチック中に、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、ホワイトカーボン、クレイ、タルク、硫酸バリウムなどの顔料や充填材を添加してフィルム化したものが好適に使用される。
また、ギャザー不織布15は、吸収性本体10の長手方向中間部においては、立体ギャザーBSを形成する自由端部(起立端部)となっており、長手方向前後端部においては、吸収性本体10の上面側に内側に折り畳まれてホットメルト接着剤等により接着された固定部となっている。
外装体20は、図1から図7に示すように、当該外装体20を形造る外層シート20Aを備えている。外層シート20Aは、上層不織布20aと下層不織布20bとの2枚の不織布を貼着して構成され、上層不織布20a及び下層不織布20bの間には、後述する各種の糸状の弾性部材が配設されて、伸縮性が付与されるようになっている。
また、外層シート20Aの内側(肌当接面側)には、腹側部F及び背側部Bにおいて、上層不織布20aの上面に胴周りシート20B、20Bが備えられ、良好な着用感を実現するようになっている。
この外装体20は、その中間両側部にそれぞれ脚周り開口部Lを設けるための凹状の脚周りカットライン23が形成され、紙おむつ1の着用者の股間周囲を覆う股間部Mと、股間部Mの前端側に位置し着用者の腹部を覆う腹側部Fと、股間部Mの後端側に位置し着用者の背部を覆う背側部Bと、を有しており、その平面形状は全体として擬似砂時計形状を成している。
接合部21、22は、それぞれ腹側部Fと背側部Bにおいて、腰周り開口部Wの開口端部側から脚周りカットライン23を有する脚周り開口部Lに亘る上下方向に所定の幅を有している。
この接合部21と接合部22とは、左右同士でヒートシール又は超音波シールによって接合されている。
この複数の股間部弾性部材26・・・は、背側吸収体132におけるスリット132cの配置領域に、吸収性本体10の幅方向に沿って伸縮自在に設けられたスリット部弾性部材を構成している。
そして、図3に示すように、スリット132cの配置領域の股間部弾性部材26が収縮することによって、背側吸収体132の凹状部132aがスリット132cを頂点として人体側に凸となるように曲がって変形することができるようになっている。これにより、着用時に人体の臀部の割れ目部分に沿って吸収体13をフィットさせることができるようになっている。
具体的に、脚周り弾性部材27は、腹側部F及び背側部Bの一方の接合部21、22から、ほぼ脚周りカットライン23に沿うように股間部M側に延び、その股間部Mを迂回するようにして、他方側の脚周りカットライン23にほぼ沿いながら他方の接合部21、22に到達するように配設されている。
これにより、着用時の脚の付け根の形状に沿った方向に脚周り弾性部材27が伸縮することとなって、よりフィット性を向上させることができるようになっている。
図8(a)に示すように、脚周り弾性部材27の収縮により、腹側吸収体131の凸状部131bと背側吸収体132の凹状部132aとが近づいて離間領域Sを埋める。
また、股間部弾性部材26の収縮により、背側吸収体132の凹状部132aがスリット132cを頂点として人体側向けて凸となる。
また、図8(b)のX−X線の断面図に対応する位置においては、図10に示すように、腹側吸収体131の凸状部131bの人体当接面が人体Hの股間Kの底面と略平行となって密着するとともに、背側吸収体132の凹状部132aの先端部分が人体に向けて凸となるようにハ字状に曲がって、人体の股間Kの付け根に密着する。
また、図8(b)のXI−XI線の断面図に対応する位置においては、図11に示すように、凹状部132aのスリット132cに位置する股間部弾性部材26が収縮することにより、凹状部132aがスリット132cを頂点として人体に向けて凸となるように曲がることで、人体Hの臀部Dの割れ目部分に背側吸収体132を密着させることができる。
また、凸状部131bが人体の股間の底面にフィットし、凹状部132aが股間部Mの足の付け根にフィットすることとなって、より好適に人体の股間にフィットすることができる。
特に、脚周り弾性部材27が腹側吸収体131の幅方向内側から背側部Bに向かって幅方向外側に傾斜する方向に沿って配置されるので、脚の付け根の形状に沿った方向に脚周り弾性部材27が伸縮することとなって、よりフィット性を向上させることができる。
具体的には、第1吸収体と第2吸収体の形状は、実施形態の腹側吸収体131、背側吸収体132の形状に限るものではなく、第1吸収体と第2吸収体が長手方向に離間していれば、適宜変更してよい。
10 吸収性本体
11 透液性表面シート
12 防水シート
13 吸収体
131 腹側吸収体(第1吸収体)
131a 腹側幅広部
131b 凸状部
132 背側吸収体(第2吸収体)
132a 凹状部
132b 背側幅広部
132c スリット
15 ギャザー不織布
16 糸状弾性伸縮部材
20 外装体
20A 外層シート
20B 胴周りシート
20a 上層不織布
20b 下層不織布
21、22 接合部
23 カットライン
24 ウエスト弾性部材
25 腰周り弾性部材
26 股間部弾性部材(スリット部弾性部材)
27 脚周り弾性部材(離間領域弾性部材)
F 腹側部
B 背側部
M 股間部
BS 立体ギャザー
W 腰周り開口部
L 脚周り開口部
S 離間領域
Claims (2)
- 吸収体を含む吸収性本体と、
前記吸収性本体の外面側に設けられ、着用時に人体の腹側に位置する腹側部及び背側に位置する背側部を有する外装体と、
を備え、
前記外装体の前記腹側部と前記背側部とが、その両側端が接合されることにより腰周り開口部及び左右一対の脚周り開口部が形成される吸収性物品において、
前記吸収体は、前記腹側部と前記背側部との間であって着用時に人体の股間に位置する股間部において、前記吸収性本体の長手方向に離間して設けられた第1吸収体と第2吸収体とを備え、
前記第1吸収体は、前記股間部において前記背側部に向けて凸形状となるように設けられた凸状部を備え、
前記第2吸収体は、前記凸状部の外部に配置され、着用時に人体の臀部に位置する部分において前記腹側部に向けて凹形状となるように設けられた凹状部を備え、
前記外装体における前記第1吸収体と前記第2吸収体との離間領域に、前記第1吸収体に対して内側から前記背側部に向かって外側に傾斜する方向に沿って、当該離間領域を横断する伸縮自在な離間領域弾性部材が配置されることを特徴とする吸収性物品。 - 前記第2吸収体は、前記腹側部側の長手方向端部の幅方向中心から前記背側部に向かって設けられたスリットを備え、
前記外装体における前記スリットの配置領域に、前記吸収性本体の幅方向に沿って伸縮自在なスリット部弾性部材を備えることを特徴とする請求項1に記載の吸収性物品。
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