JP2015043596A - 電子装置におけるデジタル信号処理装置にオーディオパラメータを設定する方法、及び電子装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】少なくとも1つの補助装置を接続するための少なくとも1つの補助装置接続部を有する電子装置におけるデジタル信号処理装置にオーディオパラメータを設定する方法を提供する。【解決手段】電子装置1の動作中にオーディオパラメータのうちの少なくとも一部を補助装置11又は書き込み可能な大容量記憶装置からデジタル信号処理装置4にロードする。【選択図】図1
Description
本発明は、少なくとも1つの補助装置を接続するための少なくとも1つの補助装置接続部を有する電子装置におけるデジタル信号処理装置に各オーディオパラメータを設定する方法、及びオーディオ信号を処理するデジタル信号処理装置と該デジタル信号処理装置におけるオーディオ信号の処理を制御するオーディオパラメータを記憶するための手段と補助装置を電子装置に接続するための補助装置接続部とを有する電子装置に関する。
多くの電子装置には、例えば新しい機能を該電子装置に与えるいろいろな補助装置が該電子装置に接続される可能性がある。例えば、コンピュータの拡張スロットにモデムを接続すると、そのコンピュータを使って通信網でデータ伝送をすることができる。また、コンピュータでいろいろな音を作るためのオーディオカードも開発されている。オーディオカードを使うと、話し声によるコマンドでコンピュータを制御することさえ可能となる。モデムを使うのに必要なオーディオパラメータが、例えばオーディオカードによりコンピュータで音楽を演奏するために必要なパラメータとは異なることは明らかである。
例えば、最新の移動局に、特にハンドフリーのユニット、モデム、テレファックス、及びコンピュータを接続することができる。各補助装置に、オーディオ信号の充分な質を達成するために移動局のオーディオ信号を処理するための、独自の特別な要件がある。車内では、音響環境が室内の音響条件とは異なっていて、ハンドフリー装置のオーディオ信号の処理には、移動局自体のイヤホン及びマイクロホンを使うときとは異なる再生品質が必要となる。
初期の移動局では、この様な問題は起きなかった。その理由は、普通は移動局に接続できる補助装置は、特性の知られている唯一の補助装置に限られていて、その補助装置の特性に応じて移動局を最適化することができたからである。
最近の移動局では、移動局を設計するときに色々な種類の補助装置が考慮される。そして、問題の移動局に接続されようとする補助装置の全てで該移動局を最適に動作させることのできるあらゆる設定(settings)を見つけようとする試みがなされる。しかし、1つ1つの補助装置で最善の設定を達成することは不可能であり、移動局に記憶される各オーディオパラメータはしばしば種々の特徴同士の折衷の産物である。
従来技術の方法に伴う1つの問題は、装置に新しい各パラメータを導入するためには、特にデジタル信号処理装置の読み出し専用メモリーを含む新しい回路を設置する必要があるので、後で各パラメータを容易に変更することはできないことである。実際問題として、新しい補助装置とそれらの機能とは、次世代の装置で初めて考慮に入れられることになろう。それでも、各パラメータは一般的に使用されるように最適化されるので、折衷を避けることはできないという問題がある。更に、1つの問題は、新しい製品を市場に投入するための期限が非常に厳しいので、最終時期になって各パラメータを変更することは普通は不可能であり、変更は次のバージョンに持ち越されるということである。
更に、移動局に接続することのできる補助装置の全てを全てのユーザーが必要とするとは限らず、その様なユーザーにとっては各パラメータの最適化は必ずしも最高の選択肢とは限らない。
先に本出願人が出願した国際特許出願No.PCT/FI95/00005は、移動局における信号レベルを調節するための装置を紹介している。この刊行物に開示されている方法は、種々の補助装置について得られた最適の信号レベルを移動局に記憶させておき、補助装置を接続するときに移動局がその補助装置の種類を見分けて、該移動局が記憶されている情報の中から問題の補助装置に対応する値を検索し、それに応じてオーディオ信号レベルを調節するということを基礎としている。従って、この刊行物に開示されているシステムは、各補助装置のために、移動局に記憶されている、予め設定されている或る値を適用する。その結果として、移動局の製造者は、既に製造段階で、各補助装置についてオーディオ信号レベルの最も有利な設定値を知っているべきである。
信号レベルだけを変更しても最善の重畳が常に得られるとは限らなくて、移動局におけるオーディオ信号の移動に影響を及ぼすためには他の調節パラメータも必要である。現在の移動局では、オーディオ信号の処理は主として(一次的には)デジタル信号処理装置(DSP)で行われており、このDSPは中央処理装置(CPU)、読み出し専用メモリー(ROM)、ランダムアクセスメモリー(RAM)、及び、該デジタル信号処理装置を装置内の他の電子回路と接続するための手段とから成っている。デジタル信号処理装置の命令セットは、特に信号処理時に適応可能であるように設計される。デジタル信号処理装置のアプリケーションソフトウェアは、例えば低域フィルター、高域フィルター及び帯域(バンドパス)フィルター、信号カウント動作、エコー及びノイズの抑圧、グラフィック及び/又はパラメトリック・イコライゼータ(parametric equalizators)等の、特にオーディオ信号についての、非常に異なる種類の信号処理動作を必要に応じて実行することができる。例えば帯域通過濾波を実行するなどの所望の動作を実行するために必要なプログラム・コードはアプリケーションソフトウェアに記憶される。プログラム・コードの他に、各信号処理動作を実行する各パラメータもデジタル信号処理装置に与えられなければならない。例えば、帯域通過濾波では、当該分野の専門家に知られているように、例えば下限の周波数と上限の周波数などの、通過帯域を画定する周波数値が与えられなければならない。プログラム・コードと各パラメータとは通常は読み出し専用メモリーROMに記憶される。
本発明の目的は、従来技術の上記の欠点を大幅に解消することのできるような、電子装置に接続されるべき補助装置の種類に応じて該電子装置の信号処理装置に各オーディオパラメータをロードする方法を提供することである。
本発明は、補助装置から、又は例えばフラッシュメモリー等の書き込み可能な大容量記憶回路から、移動局等の電子装置のデジタル信号処理装置に各オーディオパラメータをロードするというアイデアに基づいている。より正確には、本発明の方法は、主として特許請求の範囲の請求項1の特徴部分に記載されている事項を特徴とする。更に、本発明の装置は、請求項5の特徴部分に記載されている事項を特徴とする。
本発明は顕著な利益を与えるものである。本発明の方法を利用すれば、既に使用されている電子装置のオーディオ特性も、各オーディオパラメータが各補助装置について最適となるように、設定することが可能となり、各オーディオパラメータを設定するにあたって折衷をする必要が無くなる。更に、製造段階で各オーディオパラメータを電子装置に記憶させる必要が最早無くなったので、電子装置の製造を高速化し製造効率を高めることができ、補助装置又は書き込み可能な大容量記憶装置を使って各オーディオパラメータを記憶させるのが最も有利であり、電子装置に接続される補助装置の各機能が最高に効率よく利用される。また、電子装置自体に関しては期限の問題が無くなり、更にパラメータを変更するために新しいプログラム記憶回路を変更する必要が無くなるので、各オーディオパラメータの整調(tuning)が顕著に有利となる。
次に、添付図面を参照して本発明を一層詳しく説明する。
次に、添付図面を参照して本発明を一層詳しく説明する。
図1の例では、電子装置1は、図1に略図示されている、移動局の最も重要な機能ブロックを構成するPCMCIA型のカードである。電子装置1の動作は、主として、マイクロコントローラ・ユニットMCU等のコントローラ2によって制御される。コントローラ2は、読み出し専用メモリー(ROM)及びランダムアクセスメモリー(RAM)等のメモリー3を備えている。電子装置の信号処理のために、該カードはデジタル信号処理装置4を有する。コントローラ2とデジタル信号処理装置4とは制御/データコネクタ5によって互いに接続されており、これによりコントローラ2は、特に、制御情報をデジタル信号処理装置4に転送することができるとともに、設定情報及びその他の情報をデジタル信号処理装置4のランダムアクセスメモリーにロードすることができる。制御/データコネクタ5は例えばデュアルポートRAMから成る。このデュアルポートRAMの1つのポート、即ち第1の制御/データバスはコントローラ2の制御/データバスに接続され、第2のポートはデジタル信号処理装置4の制御/データバスに接続されている。情報をコントローラ2からデュアルポートRAMを介してデジタル信号処理装置4に転送することができ、コントローラ2は転送されるべきデータ(バイト)を第1のポートの記憶領域に書き込む。次に、コントローラ2は1つのバイトを第1のポートの或るアドレスに書き込んで第2のポートの割り込みラインの状態を変更する。この割り込みラインはデジタル信号処理装置4の割り込みラインと接続されていて、デジタル信号処理装置4は対応する割り込みサービス・プログラムを作動させるようになる。この割り込みサービス・プログラムは命令を含んでいて、これによりデジタル信号処理装置4はデュアルポートRAMの対応する記憶領域を読み出して、読み出したデータを自分のランダムアクセスメモリーに転送する。データを読み出すと割り込みラインの状態が元に戻る。従って反対方向のデータ伝送が行われる。
デジタル信号処理装置4は、高周波コンポーネント6(RF)からの復調済み信号を処理する。
デジタル信号処理装置4は、特に、受信され復調された信号の中のノイズ及び外乱を抑圧し、受信され復調されたオーディオ信号をその時に使われているイヤホン17等に応じて修正し、マイクロホン信号などからの暗騒音を抑圧したりする。デジタル信号処理装置4において、アプリケーションソフトウェアでこれらの操作に対応するプログラムコマンドをプログラミングすることによって幾つかの信号処理アルゴリズムを実行することができる。従って、アナログ技術で実現するのが不可能であったり或いは得策でなかったりする各フィルターを含む数種類のフィルターを達成することができる。
デジタル信号処理装置においてはオーディオ信号はデジタル形であって、マイクロホン18によって形成された信号等のアナログ信号をデジタル形に変換するためのアナログ/デジタル変換器(A/D)と、デジタル信号を例えばヘッドホン17などに送られるアナログ信号に変換するためのデジタル/アナログ変換器(D/A)とが必要である。この実施例では、これらのA/D変換器及びD/A変換器は、図1のブロック図に示されている、それ自体としては公知のパルス符号変調(PCM)を行うオーディオ符復号回路(コーデック)7に含まれている。
その時に必要とされる特定の機能(features)にオーディオ信号処理動作を適応させ得るようにするための試みがなされている。アルゴリズムを少なくとも部分的に各パラメータに応じて実現し、あるパラメータの値を変更するとそのアルゴリズムの結果も変化するように構成することによって、これを有利に実現することができる。これは、例えばフィルターの通過ラインを変更する必要があるときなどに有益である。従来技術の電子装置では、各パラメータはデジタル信号処理装置の読み出し専用メモリー(ROM)に記憶され、補助装置11が取り替えられてもその各パラメータを変更することはできなかった。
電子装置1は更に、例えばPCMCIA規格に従って実現される1個或いは数個の補助装置接続部10を有するが、本発明はこの種のコネクタだけに限定されるものではない。補助装置接続部10は雌接点から成っており、補助装置11は雄接点を有する。コネクタ10の各接続ライン及び各接点は詳しくは示されていなくて、略図示されており、記述を理解するために最も重要な特徴だけをそなえている。
電子装置1と補助装置11との間で制御信号及びデータ信号を転送するための拡張バス12がコントローラ2から補助装置接続部10に延在している。拡張バス12は、どんな種類のデータバス或いは制御バスであってもよい。これは、赤外線データ伝送によるリンク(IRリンク)或いは無線周波データ伝送によるリンク(RFリンク)であってもよい。
補助装置は、例えば、パーソナル・デジタル・アシスタント(PDA)、図1に示されているような携帯型コンピュータ(PC)、電話のハンドセット、移動局用のハンドフリー型装置などである。
図1に示されているアプリケーション例では、補助装置11は、特に、主としてデータ処理装置11の動作を制御するマイクロプロセッサ13を有する携帯型コンピュータである。更に、データ処理装置11は、データ処理装置11の殆どの論理動作を実行してデータ処理装置11の個々の論理回路の数を少なくする特定アプリケーション向けの集積回路14(application-specific integrated circuit(ASIC))を有する。またデータ処理装置11は、データ処理装置11の基本ソフトウェアを記憶する読み出し専用メモリー等のメモリー15と、例えば処理時に必要な情報を記憶するランダムアクセスメモリーとを有する。更に、図1に示されているデータ処理装置11は、通話時に該電子装置のオーディオ符復号ブロックとしても使われるオーディオブロック16、スピーカー17、及びマイクロホン18も有し、該データ処理装置を使って、オーディオメッセージを作成することができるとともに、もしデータ処理装置のオペレーティングシステムが音声コマンドによる制御を可能にするものであるならば、例えばユーザーが与える制御コマンドを受け取ることができる。
データ処理装置11が必要とする電源電圧は、変電圧結合回路20を介して電池19から供給される。データ処理装置11の電池19は、必要に応じて例えば充電装置21を介して主電圧電源から再充電されることができる。
図1の実施例では、電子装置1は独自の電源電圧源を持っていなくて、補助装置として使用されるデータ処理装置11の変電圧結合回路20から補助装置接続部10を介してその電源電圧を受け取る。
データ処理装置のスピーカー17及びマイクロホン18は、データ処理装置11のハウジングに組み込まれてもよく、また外付けのスピーカー及びマイクロホンをワイヤでデータ処理装置11に接続して使用することもできる。
次に、図1に示されている結合回路の動作の、本発明を理解するために必要な点に関して、説明をする。
電源電圧をオンにすると、データ処理装置のマイクロプロセッサ13は、特に、例えば固定ディスク(図示せず)からオペレーティングシステムをランダムアクセスメモリーに読み込ませる(booting)ための初期ロードプログラムを作動させる。この初期動作後に、例えば、端末プログラム等のアプリケーションプログラムを立ち上がらせることによって、データ処理装置を使い始めることができる。同様に、電子装置のコントローラ2は、メモリー3に記憶されているプログラムコマンドに従って自分自身の初期設定動作を行う。この初期設定動作は、デジタル信号処理装置4の動作を開始させ、各パラメータをデジタル信号処理装置のランダムアクセスメモリー22にロードする動作を含む。電子装置1は高周波コンポーネント6も有し、このコンポーネントは、この実施例では、GSM移動局等の移動局の送受信装置であって、変調器及び復調器も有する。これらの点では、図1に示されている電子装置1の動作は、主として、GSM移動局を始動させて移動通信網に入らせるときに移動局と移動通信網との間で行われるシグナリング動作に対応している。
始動段階でデジタル信号処理装置4にロードされる各オーディオパラメータは、例えば通常オーディオモードなどの、或るデフォルト値モードに応じて定義されるデフォルト値の各オーディオパラメータであるのが有利である。それらの各オーディオパラメータは、電子装置1に接続された補助装置11が本発明による各オーディオパラメータのロード動作(ローディング)をサポートしない場合や、各オーディオパラメータを何らかの理由でロードできない場合に、使われる。従って、この動作モードは従来技術の動作と大部分は一致する。
図2及び図3のフローチャートで示されている本発明の第1の有利な実施例での各オーディオパラメータのローディングは、電子装置1のブーティング動作と関連して補助装置11から実行され、又は、例えばオーディオ通話をセットアップするときなどの、それが必要なときに実行される。各パラメータは、例えば補助装置の接続部10を介してロードされる。補助装置11は、新しい各オーディオパラメータを補助装置11から電子装置1のデジタル信号処理装置4にロードすることが可能かどうかを知るためにオーディオパラメータ問い合わせメッセージ AUDIO_PARAMETERS_SUPPORT (オーディオパラメータサポート)を電子装置1に送る(ブロック201)。この問い合わせメッセージは例えば8ビットのバイトであって、補助装置の接続部10を介して電子装置1にシリアル又はパラレルの形で転送される。その1例が表1に示されている。電子装置1は、受け取った問い合わせメッセージに気付いて、もし電子装置1が本発明の動作をサポートするならば、該電子装置は通常オーディオモードから本発明の拡張オーディオモード(extended audio mode)に転換して(ブロック202)、補助装置11に肯定応答メッセージ(acknowledgement message) AUDIO_PARAMETERS_SUPPORT を送るが、それは問い合わせメッセージと同じメッセージであってよい。この肯定応答メッセージに基づいて、補助装置11は、新しい各オーディオパラメータを電子装置1にロードすることができると推測する(ブロック203及び204)。肯定応答メッセージを受け取らないか、或いは受け取った肯定応答メッセージが正しくなければ、新しい各オーディオパラメータを電子装置1にロードしようとする試みは行われない。
正しい肯定応答メッセージの後に、電子装置1は、各オーディオパラメータをロードするように求める要求 AUDIO_PARAMETERS_REQUEST (オーディオパラメータ要求)を補助装置11に送る(ブロック205)。このメッセージも、表2の例に示されているように、1バイトのメッセージである。
補助装置11はこのメッセージを受け取ってそれを解釈し、その後に補助装置11から電子装置1へのローディング(loading)が開始される。これは、表3に例示されている1つのローディングメッセージ AUDIO_PARAMETERS_UPDATE(オーディオパラメータ更新)で有利に行われることができる。このローディングメッセージの第1バイトはメッセージコードであり、次の2バイトは、この場合には、デジタル信号処理装置4のランダムアクセスメモリーでの該各パラメータの初期アドレス、即ちそのメッセージで転送されるべき各パラメータが記憶される電子装置1におけるアドレス、を表示する。初期アドレスの後に(第4バイト)、パラメータの個数に関する情報が到来するが、それはこの場合には1バイトの長さを持っていて、合計256個のパラメータを1メッセージで転送することができ、これは実際上殆どのアプリケーションで充分である。個数情報の長さを大きくしたり、或いはパラメータを数個のローディングメッセージで送ったりすることによって、個数を増やすことができる。個数情報の後にオーディオパラメータが転送されるが、それは普通は各々2バイトから成る。該パラメータは通常は、最上位のバイトMSBが始めに到来し、それに続いて最下位のバイトLSBが到来するように転送される。個数で示されているパラメータが全て転送された後(ブロック206)、電子装置1は、本明細書においてコントローラ2のメモリー3からロードされるべきデフォルト値の各オーディオパラメータに関して上で説明したのと同様の方法で、デジタル信号処理装置のランダムアクセスメモリー22内の、該各パラメータのために留保されているメモリーアドレスに該各パラメータを格納する(ブロック207)。
各パラメータのローディングが成功した後、電子装置1は肯定応答メッセージ AUDIO_PARAMETERS_UPDATE_COMPLETE(オーディオパラメータ更新完了)(表4)を補助装置11に送り(ブロック208)、該補助装置は、これを受け取った後、パラメータをロードする動作を止めて自分の通常の動作を続ける。何らかの理由でローディングがうまくできなかったならば、電子装置1は、失敗したローディングに関する肯定応答メッセージ AUDIO_PARAMETERS_UPDATE_FAILED(オーディオパラメータ更新失敗)(表5)と失敗の理由についてのコードとを補助装置11に送る(ブロック209)。ローディングの失敗は、例えば、電子装置1がオーディオパラメータが使用されるようなオーディオ動作モードになっていなかったり、或いはローディングメッセージの中の初期アドレスが正しくないなどの事実の結果として起こり得る。ローディングアドレスは、デジタル信号処理装置4において各オーディオパラメータのために留保されている範囲の中にあるべきである。
ローディングが失敗した後、例えば補助装置11が新パラメータ・ローディングメッセージを作成して上記と同様の動作が行われるようにして、パラメータの再ローディングを試みることができる。ローディングが連続的に再試行されるのを阻止するためにローディング再試行の回数を制限することができ(ブロック210)、許容されるローディング試行回数内で各パラメータがロードできなかったならば、デジタル信号処理装置4はデフォルト値の各パラメータを使用する。
新しい補助装置11を電子装置1に接続(変更)するときにも各オーディオパラメータのローディングを行うことができる。例として、図4に示されている電子装置1が使用されるが、それはGSM局等の移動局である。補助装置11の接続を、電子装置1と補助装置11との間で転送されるべきメッセージによって検出することができる。電子装置のマイクロホン8及びヘッドホン9の代わりに、コントローラ2は、例えば、補助装置11と関連して使用されるべき各オーディオパラメータがデジタル信号処理装置4にロードされるとき同じ接続で使用されるべき補助装置11のマイクロホン18及びヘッドホン/スピーカー17を選択する。この選択は、添付図面の電子装置1においてはオーディオ符復号回路7に置かれている電気的に制御されるスイッチ(図示せず)によって行われる。2レベル電圧等の制御信号は、スイッチ制御ライン28によって伝送される。
電子装置1への補助装置11の接続を、コントローラ2に割り込み信号を供給することによって検出することもできる。コントローラ割り込みライン等(図示せず)は補助装置の接続部に接続され、コントローラ2への割り込み要求はコントローラ割り込みラインの状態を例えば論理1状態から論理0状態に変更することによって行われる。コントローラ2のアプリケーションソフトウェアは割り込みサービス・プログラムを有し、これをコントローラ2が作動開始させる。割り込みサービス・プログラムは、上記の動作に従って実行されることのできる各パラメータのローディングを開始する。割り込み操作の実用的実施方法は、特にコントローラ2の種類に依存し、当該分野の専門家にとっては従来技術に属するものである。
上記の解説は、補助装置が電子装置1に接続される場合の各オーディオパラメータのローディングを解説しているけれども、補助装置11が切り離される段階で各オーディオパラメータをデジタル信号処理装置4にロードすることも可能である。補助装置11の接続との関係で上で解説した原理を適用して、検出ライン23の電圧の変化で、或いは割り込みラインの状態の違いに関する割り込みメッセージをコントローラ2に送ることによって、それを検出することができる。
必要ならば、補助装置11がそのオーディオ・モードを変更するときにも各オーディオパラメータのローディングを行うことができる。例えば、拡張バス12を介して転送されるべきメッセージによって補助装置11が電子装置1に各オーディオパラメータをロードする必要のあることを知らせるようにして、上記のローディングを実行することができる。
次に、本発明の第2の有利な実施例に従って、各オーディオパラメータを書き込み可能な大容量記憶装置25からロードする方法を説明する。この関係で、図5を参照する。電子装置1のメモリー3は、1つの補助装置のための、或いは2つ以上の補助装置11のための、ロード可能なオーディオパラメータの少なくとも一部分を内蔵する例えばフラッシュ(FLASH)メモリー回路等の書き込み可能な大容量記憶装置25から成っている。補助装置11は、例えば、補助スピーカー26及び補助マイクロホン27を有する。各補助装置のために、各オーディオパラメータ用にデジタル信号処理装置のランダムアクセスメモリー22の中の同じ記憶領域が留保される、即ち、それらの各パラメータは、デジタル信号処理装置内のランダムアクセスメモリー22に、常に同じ記憶アドレスを先頭の記憶場所として、ロードされてゆく。従って、デジタル信号処理装置の読み出し専用メモリーに記憶されているアルゴリズムは、該アルゴリズムに関連する各パラメータをデジタル信号処理装置のランダムアクセスメモリー22内の、変動のないアドレスから検索することができる。
各パラメータは、例えば次のようにして書き込み可能な大容量記憶装置に格納される。各パラメータは、始めに各補助装置に合うように調整(tune)され、データ処理装置(図示せず)によりコンパイルされて、各補助装置の各パラメータのために変数が用意されているファイルの形にされる。種々のプログラム・モジュールをつなぎ合わせてデジタル信号処理装置のアプリケーションソフトウェアを作成する段階で、種々の補助装置の前記の各変数は重なり合うように、即ち、同じアドレスから始まるように、組み合わされる。その実行方法はプログラミングから知られている。従って、同じメモリーブロックが各パラメータのグループの個数に応じて数個のメモリー・ページから成り、各ページが1つの補助装置の各パラメータを内蔵する。組み合わせ後、それらのメモリー・ページはいわゆるツール・プログラムによってコンパイルされて定義ファイル(definition file)にされ(例えば、Cプログラミング言語を使うときには、名称パラメータhを有するファイル)、そのファイルでは、デジタル信号処理装置にロードされるべきプログラム・コードの全てが、例えばベース16(base sixteen)で数を表す記数法(16進法)の数などを含む種々の表(テーブル)で表示される。このファイルは、電子装置のコントローラ2のアプリケーションソフトウェアの一部分として添付される。このステップは普通はプログラムのコンパイル(compiling)と呼ばれていて、スターティングコード・ファイルは、更に機械語プログラムに変換されなければならない目的コードに変換され、又は機械語プログラム・コードに直接変換される。機械語プログラム・コードは、その時に使用されるべきコントローラがそれを使って動作することができる形となっている。機械語プログラム・コードはコントローラの読み出し専用メモリーに格納されるが、それは書き込み可能な大容量記憶装置25で有利に構成される。プログラム・コードは、この段階では、別々の表(テーブル)に格納された各パラメータも有する。
コントローラ2は、前記の表から、デジタル信号処理装置4に導入されるべき各パラメータを検索する。デジタル信号処理装置4への転送は、例えば、デュアルポート・メモリー5を介して行われる。この原理は、通常は、デジタル信号処理装置4の読み出し専用メモリーに記憶されていなくて必要なときだけデジタル信号処理装置4のランダムアクセスメモリー22にロードされるべき各プログラム・コードをロードするためにデジタル信号処理装置4で適用される。
各オーディオパラメータをロードすることが必要になることは電子装置1の作動中に何時でもあり得るのであり、そのとき各オーディオパラメータをロードするには、この目的のためにデュアルポート回路5の記憶領域に用意されている記憶領域であるいわゆるメッセージ・バッファーを使用するのが有利である。例えば補助装置を接続するので各パラメータをロードしなければならなくなったとき、そのことはコントローラ2によって検出され、該コントローラは必要な各パラメータを書き込み可能な大容量記憶装置25から検索する。一度にこれら全てのパラメータのために充分なスペースがメッセージ・バッファーの中にあるとは限らず、その場合には2つ以上の部分に分けてデジタル信号処理装置4への転送を行わなければならない。コントローラ2は、各パラメータを部分メッセージに分割し、転送されるべき各部分メッセージのタイトル情報にその部分メッセージの番号をラベルとして付け、それらの部分メッセージを一度に1つずつメッセージ・バッファーに転送する。メッセージ・バッファーに書き込みをすると、デュアルポート回路5の他方の側に結合されているデジタル信号処理装置4に割り込みがかけられる結果となって、メッセージを処理するための割り込みサービス・プログラムが作動し始める。メッセージはその割り込みサービス・プログラムで処理され、或いは割り込みサービス・プログラムはフラグをセットする、即ち、或る記憶装置アドレスの或るビットの状態が、受け取られたメッセージのしるしとして、変更される。デジタル信号処理装置4のアプリケーションソフトウェアにおいてこのビットの状態が継続的に監視され、その状態の変化を検出した後にデジタル信号処理装置4はメッセージ処理アプリケーションプログラムを作動させる。
メッセージのタイトル情報から、メッセージ処理装置はその部分メッセージの番号と、各パラメータをロードする最初のアドレスとを検出し、デジタル信号処理装置4のランダムアクセスメモリーに、タイトル情報で与えられているアドレスを出発点として、各パラメータをメッセージ・バッファーからコピーしてゆく。デジタル信号処理装置4は、各パラメータをコピーし終えた後、メッセージ・バッファーが空になったことを表示し、コントローラ2が次の部分メッセージを送り始め得ることになる。例えば、デジタル信号処理装置4がデュアルポート回路5内の所定の記憶アドレスに或る値を書き込むという方法で、メッセージ・バッファーからデータが削除されたこと(discharging)を知らせることができる。コントローラ2はこの記憶領域を継続的に読み、読んだ値から、該バッファーが空か否かを推測する。
必要な各パラメータを全て送った後、即ち、最後の部分メッセージがデジタル信号処理装置4のランダムアクセスメモリー22に転送されたとき、デジタル信号処理装置4はそれらの新しい値でアルゴリズムを初期設定してその通常の動作を継続する。コントローラ2はオーディオ信号を、即ちオーディオ符復号ブロック7を、沈黙させる(silence)。これは、主として新しい各パラメータを導入する時間を作り、クリック(click)やポン(pop)などの余分の雑音の発生を阻止するためである。
各パラメータをこの様にしてロードすることにより、上記のローディング機構によるアプリケーションソフトウェアをコントローラ2のアプリケーションソフトウェアにロードする限りは、電子装置1のコントローラ2のソフトウェア開発とは無関係に各パラメータを調節して、それらをコンパイルして別々に表(tables)にすることが可能になる。このアプリケーションソフトウェアを、例えば保守との関連で、既に市販されている電子装置にロードすることができ、更新によって新しい補助装置についての各オーディオパラメータをロードしたり古い補助装置についての各パラメータを変更したりすることが可能となる。
このアプリケーションでも上記の原理を利用して各オーディオパラメータをデジタル信号処理装置4にロードするべきときを推測することができる。電子装置1は、補助装置11の種類を識別して、その情報に基づいて、書き込み可能な大容量記憶装置25に記憶されているロードされるべきこれらの各オーディオパラメータを選択する。補助装置11は、例えば、補助スピーカー及び補助マイクロホンを有するハンドフリー装置であってよい。補助装置11が接続されたことを例えば検出ライン23の電圧の変化として検出することができる。この実施例では、検出ライン23は抵抗R1で定電圧Vに結合されており、補助装置11が接続されていないときには抵抗R1の一端の電圧は実質的に定電圧Vに相当する。抵抗R1の他端は、補助装置接続部10のピンに接続されるとともに、A/D変換器24を介してコントローラ2に接続されている。
補助装置11は抵抗R2を有し、このR2は、検出ラインに対応するピンに接続されていて、その一端はグランド電位GROUNDに接続されている。補助装置11が電子装置の補助装置接続部10に接続されたとき、抵抗R1及びR2は分圧スイッチを形成し、検出ライン23の電圧が変化する。コントローラ2はA/D変換器24の変換結果を、即ち検出ラインの電圧に対応する数値を、継続的に読みとる。この値が充分に変化すると、コントローラ2は補助装置11が補助装置接続部10に接続されたと推測して、電子装置のコントローラ2は拡張オーディオモード(expanded audio mode)に移行してオーディオパラメータ問い合わせメッセージ AUDIO_PARAMETERS_SUPPORT を補助装置11に送る。その動作は、この関係で本明細書で既に述べた各パラメータのローディングに対応する。
検出ライン23の電圧を利用して、補助装置11の種類と、各オーディオパラメータが必要か否か、及び、どの段階でローディングを実行するべきかを推測するように、補助装置接続部10と該検出とを実現することもできる。この場合、抵抗R2の抵抗値は補助装置11の種類に応じて変えられる。
このようにしてローディングを行うために上記のようにメッセージを伝送する必要はなくなり、コントローラ2が該コントローラのメモリー3にロードされるべき各パラメータを書き込み可能な大容量記憶装置25の記憶領域から検索することによってローディングが有利に行われることになる。その後、メモリー3に読み込まれた各オーディオパラメータは、本明細書で既に説明したように、デジタル信号処理装置4に転送される。
特にローディングメッセージを処理するためのマイクロプロセッサ等を持っていない補助装置11については、書き込み可能な大容量記憶装置25からローディングを行うのが有利である。
本発明は、上で説明した実施例のみに限定されるものではなくて、添付の図面の範囲内で変化し得るものである。中央処理装置2とデジタル信号処理装置4との接続を、デュアルポート回路を使用する方法以外の方法でも実現することができる。電子装置1は必ずしも独立のDSP回路を持っていなくてもよく、デジタル信号処理装置4を中央処理装置2のアプリケーションソフトウェアで実現することもできる。
1 電子装置
4 デジタル信号処理装置
10 補助装置接続部
11 補助装置
12 接続バス
23 検出ライン
25 書き込み可能な大容量記憶装置
4 デジタル信号処理装置
10 補助装置接続部
11 補助装置
12 接続バス
23 検出ライン
25 書き込み可能な大容量記憶装置
Claims (11)
- デジタル信号プロセッサ(4)における処理を制御する少なくとも一つのパラメータを設定する方法であって、
該デジタル信号プロセッサ(4)の動作中に、該少なくとも一つのパラメータを使用するように構成された該デジタル信号プロセッサ(4)に、電子装置のオーディオ特性を調整するために、該少なくとも一つのパラメータを、補助装置(11)からロードすることを特徴とし、
該少なくとも一つのパラメータは、前記補助装置の特性に依存する、方法。 - 該少なくとも一つのパラメータは該補助装置(11)から該補助装置の接続部(10)を介してロードされることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
- 該補助装置(11)が電子装置(1)に接続され又は該電子装置(1)から取り外されるときに、または該補助装置がそのオーディオ・モードを変更するときに、該少なくとも一つのパラメータがロードされることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
- 該電子装置(1)は検出ライン(23)と接続バス(12)とを更に有し、該補助装置(11)が接続されていることは、該検出ライン(23)の電圧の変化に基づいて、又は該接続バス(12)を介して該電子装置(1)と該補助装置(11)との間で転送されるメッセージに基づいて、検出されることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
- 音声信号を処理するように構成されたデジタル信号プロセッサ(4)であって、
該デジタル信号プロセッサ(1)は、電子装置の動作中に、パラメータを記憶するための手段(22)に、該デジタル信号プロセッサ(4)における音声信号処理を制御する少なくとも一つのパラメータを、補助装置(11)から、ロードするように構成され、
該デジタル信号プロセッサは、該デジタル信号プロセッサ(4)における音声信号処理を制御する前記少なくとも一つのパラメータを、前記電子装置のオーディオ特性を調節するために、使用するように構成されていることを特徴とし、
該少なくとも一つのパラメータは、前記補助装置の特性に依存する、デジタル信号プロセッサ(4)。 - 請求項5に記載のデジタル信号プロセッサを備える、電子装置。
- 検出ライン(23)と、接続バス(12)と、該検出ライン(23)の電圧の変化に基づいて、又は検出バス(12)を介して該電子装置(1)と該補助装置(11)との間で転送されるメッセージに基づいて、補助装置接続部(10)への該補助装置(11)の接続を検出するための手段(2,24)と、を更に有することを特徴とする、請求項6に記載の電子装置。
- 移動局の送受信装置(6)を更に有することを特徴とする、請求項6又は7に記載の電子装置。
- 該電子装置(1)は移動局であることを特徴とする、請求項6ないし8のいずれか1項に記載の電子装置。
- 該補助装置(11)は補助スピーカー(26)及び補助マイクロホン(27)を有することを特徴とする、請求項9に記載の電子装置。
- 該補助装置(11)を該電子装置(1)に接続するための補助装置接続部(10)を有することを特徴とする、請求項6に記載の電子装置。
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Legal Events
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A521 | Request for written amendment filed |
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A02 | Decision of refusal |
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