JP2015002153A - 電解質 - Google Patents

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Abstract

【課題】低温でのイオン伝導度の低下を抑制することのできる電解質を提供する
【解決手段】本発明の電解質は、ホスホン酸系アルカリ金属塩、リン酸系アルカリ金属塩及びホスフィン酸系アルカリ金属塩のうちの1種以上であるP−O系アルカリ金属塩と、イミド構造を含むアニオンを有し上述したP−O系化合物とは異なる非P−O系アルカリ金属塩と、グライムとを備えている。P−O系アルカリ金属塩としては、例えば、フェニルホスホン酸リチウムなどが挙げられる。非P−O系アルカリ金属塩としては、例えば、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドなどが挙げられる。グライムとしては、トリグライムやテトラグライムなどが挙げられる。
【選択図】なし

Description

本発明は、電解質に関する。
従来、オキシエチレン基の酸素部位とイオンとの溶媒和により、イオン伝導を可能とする電解質が知られている。例えば、代表的なイオン伝導性高分子として、ポリエチレンオキシド(PEO)系のものが知られている。PEO系のものでは、オキシエチレンユニットの酸素部位とイオンとが擬似的に溶媒和することによって、イオン伝導が可能である。また、例えば、溶媒としてのグライムと、溶質としてのアルカリ金属塩とを含み、グライムとアルカリ金属塩との少なくとも一部が錯体形成しているグライム系の電解液が提案されている(特許文献1参照)。また、こうしたグライム系の電解液において、メチルトリグライムおよびメチルテトラグライムからなる混合物とリチウムイオンとからなるグライム錯体を含むものとすることが提案されている(特許文献2参照)。特許文献2のものでは、共晶効果によってグライム中に含まれる酸素原子のリチウムイオンへの配位能が向上することにより、リチウムイオンに配位していない酸素分子が減少し、オキシエチレン鎖の酸化分解が抑制できるとしている。
特開2010−73489号公報 特開2010−287481号公報
しかしながら、上述したPEO系のものでは、例えば−30℃などの低温環境において、イオン伝導度が大きく低下してしまうことがあった。また、グライム系のものでは、PEO系のものよりも低温でのイオン伝導度の低下が小さいものの、まだ十分ではなく、低温でのイオン伝導度の低下をさらに抑制することが望まれていた。
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、低温でのイオン伝導度の低下を抑制することのできる電解質を提供することを主目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明者らは、グライムとアルカリ金属イオンとを含むグライム系のものにおいて、ホスホン酸系のアルカリ金属塩やリン酸系のアルカリ金属塩、ホスフィン酸系のアルカリ金属塩を加えて電解質を作製したところ、低温でのイオン伝導度の低下を抑制することができることを見いだし、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の電解質は、
ホスホン酸系アルカリ金属塩、リン酸系アルカリ金属塩及びホスフィン酸系アルカリ金属塩のうちの1種以上であるP−O系アルカリ金属塩と、
イミド構造を含むアニオンを有し前記P−O系アルカリ金属塩とは異なる非P−O系アルカリ金属塩と、
グライムと、
を備えたものである。
この電解質では、低温でのイオン伝導度の低下を抑制することができる。こうした効果が得られる理由は、例えば、以下のように推察される。すなわち、グライム系のものにおいて、P−O系アルカリ金属塩を添加すると、そのアルカリ金属カチオンに対して、非P−O系アルカリ金属塩の対アニオンが配位などの相互作用を生じて、対アニオンの負電荷が低下される。その結果、非P−O系アルカリ金属塩のアルカリ金属イオンがグライムと形成する錯カチオンがそのまま解離することが促進される結果となるためと推察される。
グライムと非P−O系アルカリ金属塩との結合の様子を示す概念図。 グライムと非P−O系アルカリ金属塩とが形成する溶媒和化合物について説明する概略図。 グライムと非P−O系アルカリ金属塩とP−O系アルカリ金属塩とが形成する化合物について説明する概略図。 実験例5の中間生成物であるEO(3)POHの13C NMRスペクトル。 実験例5の中間生成物であるEO(3)POHの1H NMRスペクトル。 実験例7の中間生成物であるEO(8)POHの13C NMRスペクトル。 実験例7の中間生成物であるEO(8)POHの1H NMRスペクトル。 実験例1,2,14の温度とイオン伝導度との関係を表すグラフ。 実験例1,3,4の温度とイオン伝導度との関係を表すグラフ。 実験例1,5,7の温度とイオン伝導度との関係を表すグラフ。 実験例2,9の温度とイオン伝導度との関係を表すグラフ。 実験例1,3,5,10,14の温度とイオン伝導度との関係を表すグラフ。 実験例1,11〜14の温度とイオン伝導度との関係を表すグラフ。
本発明の電解質は、P−O系アルカリ金属塩と、非P−O系アルカリ金属塩と、グライムと、を備えている。
本発明の電解質において、P−O系アルカリ金属塩は、ホスホン酸系アルカリ金属塩、リン酸系アルカリ金属塩、ホスフィン酸系アルカリ金属塩のうちの1種以上である。
ホスホン酸系アルカリ金属塩としては、例えば、式(1)に示すものが好ましい。
式(1)において、Rは、水素、ハロゲン、アルキル基、アリール基、アルキルアリール基、アラルキル基及びオキシアルキレン基からなる群より選ばれる1種以上、又は、それを有する重合体である。アルキル基は、例えば、炭素数が1〜20程度の直鎖又は分岐鎖を有するものとしてもよい。こうしたものとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、テトラデカン基などが挙げられる。アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基などが挙げられる。アルキルアリール基としては、トリル基、キシリル基などが挙げられる。アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基などが挙げられる。オキシアルキレン基は、例えば、オキシアルキレンユニットを1〜20個程度有するものとしてもよい。オキシアルキレンユニットを2個以上有する場合、オキシアルキレンユニットは、1種でもよいし2種以上でもよい。オキシアルキレンユニットとしては、例えば、オキシメチレンユニットや、オキシエチレンユニット、オキシプロピレンユニットなどが挙げられる。重合体としては、上述したアルキル基、アリール基、オキシアルキレン基などの単量体の一部を重合性置換基とした重合性化合物(モノマー)を用い、必要に応じて、その他の重合性化合物(モノマー)を加え、重合して得られたものとしてもよい。こうした重合体は、2〜100個程度のモノマーが重合したオリゴマーとしてもよいし、100個以上のモノマーが重合したポリマーとしてもよい。また、上述したRにおいて、アルキル基、アリール基、アルキルアリール基、アラルキル基及びオキシアルキレン基や、それを有する重合体は、末端をハロゲン化したものとしてもよい。このとき、全ての末端をハロゲン化したものとしてもよいし、一部の末端をハロゲン化したものとしてもよい。ハロゲンとしては、フッ素が好ましい。末端をハロゲン化したものとしては、例えば、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、2−(トリデカフルオロヘキシル)エチル基のような、末端をフッ素化したアルキル基などが挙げられる。
式(1)において、M1及びM2はアルカリ金属であり、同種のものとしてもよいし異種のものとしてもよいが、同種のものであることが好ましい。これらは、アルカリ金属であればよいが、リチウム、ナトリウム、カリウムなどが好ましく、リチウムがより好ましい。
式(1)において、Rがアルキル基であるものとしては、式(2)に示すものなどを好適に用いることができる。式(2)では、n=0〜19程度とすることができる。Rが末端をフッ素化したアルキル基であるものとしては、式(3)に示すものなどを好適に用いることができる。式(3)では、n+m=0〜19程度とすることができる。このうち、n=0〜3,m=3〜10などが好ましい。Rがアリール基であるものとしては、式(4)に示すものなどを好適に用いることができる。なお、以下では、式(4)に示すもののうちM1及びM2がLiであるものをPhPOLiとも称する。Rがオキシアルキレン基のものとしては、式(5)に示すものなどを好適に用いることができる。式(5)では、例えば、n=1〜20程度とすることができ、比較的粘度の低いものとしたい場合にはn=1〜5程度が好ましく、比較的粘度の高いもの(半固体や固体を含む)としたい場合には、n=6〜20程度が好ましい。なお、以下では、式(5)に示すもののうちM1及びM2がLiであるものをEO(n)POLiとも称する。
式(1)において、Rが重合体であるものとしては、式(6)に示すように、ホスホン酸基を有するユニットの他に、ホスホン酸基を有さないEO(m)ユニットや、XEO(k)ユニットなどを有するものを好適に用いることができる。各ユニットの数や比率は特に限定されない。EO(m)ユニットにおけるmは、m=0〜19程度とすることができ、m=1〜9程度としてもよい。XEO(k)ユニットにおけるkは、k=0〜19程度とすることができ、k=9〜19程度としてもよい。なお、以下では、式(6)に示すもののうちM1及びM2がLiであるものについて、ホスホン酸基を有するユニットをPOLiユニットとも称する。また、POLiユニット:EO(m)ユニット:XEO(k)ユニットの数の比率がa:b:c(a+b+c=1)のものを、poly(aPOLi/bEO(m)/cXEO(k))とも称する。
リン酸系アルカリ金属塩としては、例えば、式(7)に示すものが好ましい。式(7)において、R、M1及びM2については、ホスホン酸系アルカリ金属塩の場合と同様である。
式(7)において、Rがアルキル基であるものとしては、式(8)に示すものなどを好適に用いることができる。式(8)では、n=0〜19程度とすることができ、n=9〜19などとしてもよい。なお、以下では、式(8)に示すもののうちM1及びM2がLiであるものをCn+1OPOLiとも称する。Rが末端をフッ素化したアルキル基であるものとしては、式(9)に示すものなどを好適に用いることができる。式(9)では、n+m=0〜19程度とすることができる。このうち、n=0〜3,m=3〜10などが好ましい。Rがアリール基であるものとしては、式(10)に示すものなどを好適に用いることができる。Rがオキシアルキレン基のものとしては、式(11)に示すものなどを好適に用いることができる。式(11)では、例えば、n=1〜20程度とすることができ、比較的粘度の低いものとしたい場合にはn=1〜5程度が好ましく、比較的粘度の高いもの(半固体や固体を含む)としたい場合には、n=6〜20程度が好ましい。
式(7)において、Rが重合体であるものとしては、式(12)に示すように、リン酸基を有するユニットの他に、リン酸基を有さないEO(m)ユニットや、XEO(k)ユニットなどを有するものを好適に用いることができる。各ユニットの数や比率は特に限定されない。リン酸基を有するユニットにおけるnは、n=0〜19程度とすることができ、n=1〜9程度としてもよい。EO(m)ユニットにおけるmは、m=0〜19程度とすることができ、m=1〜9程度としてもよい。XEO(k)ユニットにおけるkは、k=0〜19程度とすることができ、k=9〜19程度としてもよい。なお、以下では、式(12)に示すもののうちM1及びM2がLiであるものについて、リン酸基を有するユニットをEO(n)OPOLiユニットとも称する。また、EO(n)OPOLiユニット:EO(m)ユニット:XEO(k)ユニットの数の比率がa:b:c(a+b+c=1)のものを、poly(aEO(n)OPOLi/bEO(m)/cXEO(k))とも称する。
ホスフィン酸系アルカリ金属塩としては、例えば、式(13)に示すものが好ましい。式(13)において、R1及びR2としては、ホスホン酸系アルカリ金属塩のRとして例示したものなどが挙げられる。R1及びR2は、同種でもよいし異種でもよい。また、式(13)において、Mはアルカリ金属であり、リチウム、ナトリウム、カリウムなどが好ましく、リチウムがより好ましい。式(13)に示すものとして、より具体的には、例えば、ジエチルホスフィン酸のアルカリ金属塩や、ジメチルホスフィン酸のアルカリ金属塩、ジフェニルホスフィン酸のアルカリ金属塩、フェニルホスフィン酸のアルカリ金属塩などが挙げられる。なお、以下では、フェニルホスフィン酸のリチウム塩をPhPHOLiとも称する。
本発明の電解質において、非P−O系アルカリ金属塩は、イミド構造を含むアニオンを有し上述したP−O系アルカリ金属塩とは異なるものであればよい。ここで、イミド構造を含むアニオンとは、窒素にカルボニル基が2つ結合したイミドアニオンの他、窒素に2つのスルホニル基が結合したスルホニルイミドアニオンや、窒素に1つのスルホニル基と1つのカルボニル基が結合したスルホニルカルボニルイミドアニオンなどを含む趣旨である。イミド構造を含むアニオンとしては、スルホニルイミドアニオンやスルホニルカルボニルイミドアニオンが好ましく、スルホニルイミドアニオンがより好ましい。スルホニルイミドアニオンとしては、例えば、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオン(TFSI) やビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミドアニオン(BETI)、ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオン(FSI)、フルオロスルホニルトリフルオロメタンスルホニルイミドアニオン(FTA)、4,4,5,5,−テトラフルオロ−1,3,2−ジチアゾリン−1,1,3,3−テトラオキシドアニオン(CTFSI)等が挙げられる。スルホニルカルボニルイミドアニオンとしては、例えば、2,2,2−トリフルオロ−N−(トリフルオロメチルスルホニル)アセトアミドアニオン(TSAC)等が挙げられる。このうち、グライムに対する溶解性や、錯体形成しやすさなどの観点からは、TFSIやBETIが好ましい。イミド構造を含むアニオンは、有機アニオンであることが好ましい。非P−O系アルカリ金属塩は、上述したアニオンと対をなすカチオンとしてアルカリ金属イオンを有している。アルカリ金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウムなどが好ましく、リチウムがより好ましい。このアルカリ金属は、P−O系アルカリ金属塩に含まれるものと同種のものであることが好ましい。アニオンとカチオンの組み合わせとしては、例えば、LiTFSIが好ましい。
本発明の電解質において、グライムは、直鎖状の対称グリコールジエーテルの総称であり、例えば、R−O(CH2CH2O)n−Rで表されるものとしてもよい。式中、Rは、アルキル基又はアリール基であり、nは1以上の整数である。アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどが挙げられる。アリール基としては、フェニル、ナフチル、アントリルなどが挙げられる。nは、1以上の整数であればよいが、3又は4であることが好ましい。グライムは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明の電解質において、P−O系アルカリ金属塩、非P−O系アルカリ金属塩及びグライムの割合は、特に限定されるものではない。グライムに対して非P−O系アルカリ金属塩を0.2モル当量以上2モル当量以下含むものが好ましく、0.5モル当量以上1.5モル当量以下含むものがより好ましい。アルカリ金属イオンへの配位数は一般に4〜6であり、グライム分子中の酸素原子がそれに配位する。従って、グライムの分子量によるからである。また、非P−O系アルカリ金属塩に対してP−O系アルカリ金属塩を0.15モル当量以上1.7モル当量以下含むものが好ましく、0.3モル当量以上1.2モル当量以下含むものがより好ましい。P−O系アルカリ金属塩は非P−O系アルカリ金属塩と複合化して、グライムが配位した(非P−O系化合物由来の)アルカリ金属イオンの解離を促進するからである。
本発明の電解質は、液体でもよいし、固体でもよいし、液体と固体との中間の性質を有する半固体でもよいが、液体が好ましく、このうち比較的粘度の低い低粘性液体が好ましい。セパレータへの浸透性が高く、取扱いが容易だからである。しかし、半固体のものでもセパレータへ十分浸透する。本発明の電解質は、自立膜として存在するものとしてもよい。上述したP−O系アルカリ金属塩が重合体である場合(式(1)や式(7)におけるRや、式(13)におけるR1及びR2のうちの少なくとも一方が重合体である場合)には、自立膜となり得る。
本発明の電解質は、25℃でのイオン伝導度σ25に対する−30℃でのイオン伝導度σ-30の比である伝導度維持率(σ-30/σ25)が、3×10-3以上であることが好ましく、1×10-2以上であることがより好ましい。従来のグライム系のもの(P−O系アルカリ金属塩を添加しないもの)では、σ-30/σ25が3×10-3未満であるのに対して、P−O系アルカリ金属塩を添加することによって、低温におけるイオン伝導度の低下を抑制する効果が得られるからである。また、80℃でのイオン伝導度σ80に対する−30℃でのイオン伝導度σ-30の比である伝導度維持率(σ-30/σ80)が、3.9×10-4以上であることが好ましく、1×10-3以上であることがより好ましい。こうしたものでは、広い温度域においてイオン伝導度が安定しているからである。
本発明の電解質は、−30℃でのイオン伝導度σ-30が、3.7×10-4mS/cm以上であることが好ましく、1×10-3mS/cm以上であることがより好ましく、1×10-2mS/cm以上であることがさらに好ましい。特に、−30℃でのイオン伝導度σ-30が1×10-3mS/cm以上であれば、従来のグライム系のもの(P−O系アルカリ金属塩を添加しないもの)よりもイオン伝導度そのものが高く、好ましい。
本発明の電解質の製法としては、例えば、ホスホン酸系アルカリ金属塩やリン酸系アルカリ金属塩、ホスフィン酸系アルカリ金属塩などのP−O系アルカリ金属塩と、このP−O系アルカリ金属塩とは異なる非P−O系アルカリ金属塩と、グライムと、を含む原料を混合して得られたものとしてもよい。また、例えば、ホスホン酸系アルカリ金属塩やリン酸系アルカリ金属塩、ホスフィン酸系アルカリ金属塩に代えて、アルカリ金属が導入されていない、ホスホン酸系化合物やリン酸系化合物、ホスフィン酸系化合物などのP−O系化合物を用いてもよい。この場合、ホスホン酸系化合物やリン酸系化合物、ホスフィン酸系化合物にアルカリ金属を導入してホスホン酸系アルカリ金属塩やリン酸系アルカリ金属塩、ホスフィン酸系アルカリ金属塩とするため、アルカリ金属化合物を原料に追加することが好ましい。アルカリ金属化合物としては、例えば、n−ブチルリチウムなどを好適に用いることができる。こうしたものは、P−O系化合物と、非P−O系アルカリ金属塩と、グライムと、アルカリ金属化合物とを混合して得られたものとしてもよい。また、P−O系化合物と、非P−O系アルカリ金属塩と、グライムとを混合して得られたものに、アルカリ金属化合物を加えてアルカリ金属を導入して得られたものとしてもよい。原料を混合する際には、例えば、テトラヒドロフランなどの溶媒を用いてもよい。
本発明の電解質の用途としては、例えば、リチウムイオン電池等のアルカリ金属イオン電池や、コンデンサー、燃料電池、太陽電池などの構成材料などが挙げられる。
以上説明した本発明の電解質では、低温におけるイオン伝導度の低下を抑制できる。こうした効果が得られる理由は、以下のように推察される。ここでは、図面を用いて説明する。図1は、グライムと非P−O系アルカリ金属塩との結合の様子を示す概念図である。図1では、グライムはテトラグライムであり、非P−O系アルカリ金属塩はLiTFSIであり、P−O系アルカリ金属塩はホスホン酸系リチウム塩である場合を例として説明する。なお、その他の構成でも同様と考えられる。図1(a)は、テトラグライムとLiTFSIとホスホン酸系リチウム塩のモル比が1:1:0の場合、つまり、ホスホン酸系リチウム塩を添加していない場合である。図1(b)は、テトラグライムとLiTFSIとホスホン酸系リチウム塩のモル比が1:1:1の場合である。図1(c)は、テトラグライムとLiTFSIとホスホン酸系リチウム塩のモル比が2:1:1の場合である。図1(d)は、テトラグライムとLiTFSIとホスホン酸系リチウム塩のモル比が2:2:1の場合である。
図1(a)に示すように、テトラグライムとLiTFSIを混合したものでは、リチウムカチオンに対してテトラグライムにおけるオキシエチレン基の酸素部位とLiTFSIのTFSIとが結合して溶媒和化合物を形成していると考えられる。図2は、グライム(又はPEO)と非P−O系アルカリ金属塩とが形成する溶媒和化合物について説明する概略図である。図2では、オキシエチレンの酸素原子をSで表示して、グライム(又はPEO)と非P−O系Li塩(LiX)とが形成する溶媒和化合物の各種構造を図にまとめた。なお、グライムのように、1000以下の分子量を有するPEOの溶媒和化合物中ではLiカチオンへの配位数は4〜5である。図2にまとめた溶媒和化合物の特徴は、Li+に配位する対アニオンX-の数が0〜3個である多様な構成をとり、それらが共存することである。図2では、溶媒和化合物について、右から順に、対アニオンX-の数が0個のSSIP(溶媒分離イオン対)、対アニオンX-の数が1個のCIP(接触イオン対)、対アニオンX-の数が2個のAGG−I(I型会合イオン対)、対アニオンX-の数が3個のAGG−II(II型会合イオン対)を示した。ここで、同じ溶媒中では、(1)低温ほど、(2)低濃度ほど、(3)イオン会合が弱い非P−O系アルカリ金属塩ほど、右側の溶媒和化合物になりやすい。また、非極性溶媒中において、非P−O系アルカリ金属塩のイオン会合の強さは、BPh4 -<BETI-,TFSI-,SbF6 -,AsF6 -<PF6 -<ClO4 -,I-<SCN-<BF4 -<CF3SO3 -<Br-<NO3 -<CH3CO2 -である。図1(a)は、図2に示した溶媒和化合物のうち、接触イオン対(CIP)型の構造である。CIP型のものでは、グライムが配位したLi+の錯カチオンに対してTFSIアニオンがイオン結合と同時にそのスルホニル基をLi+に配位結合させることでその対構造が形成されると、横国大・渡辺らが言っている(J.Am.Chem.Soc.,2011,133,13121参照)。彼らの主張では、テトラグライムやトリグライムとLiTFSIとの1:1混合物を電位下に置くと、グライムが配位したLi+の錯カチオン全体が移動する。従って、電位下ではこれらの溶媒和化合物の構造が接触イオン対(CIP)型から溶媒和分離イオン対(SSIP)に変わり、その後高溶媒和フリーイオンとなることで、イオン伝導するメカニズム(Vehicle機構)が考えられる。これと同時に、溶媒和化合物の集合体中で形成される、グライムのトンネルの中をLi+カチオンがホッピング伝導する(Grotthus機構)メカニズムも作用すると考えられる。従って、こうしたものでは、−30℃などの低温になるとCIP→SSIP(→フリーイオン)への平衡移動が抑制されるため、グライム−Li錯カチオンの移動が制限されると考えられる。
これに対して、ホスホン酸系リチウム塩などのP−O系アルカリ金属塩を添加すると、図1(b)〜(d)に示すように、ホスホン酸系リチウムの存在によって、グライムやLiTFSIの電荷の状態が変化するなど、相互作用が働く。図3に、図2の溶媒和化合物に対するP−O系アルカリ金属塩添加の影響を示す。図3は、グライム(PEO)と非P−O系アルカリ金属塩とP−O系アルカリ金属塩とが形成する化合物について説明する概略図である。図1(a)の(接触イオン対)溶媒和化合物の構成は、グライムの配位で酸性が弱められた錯カチオンである弱酸と、弱塩基であるTFSIアニオンから成る塩である。そこへ、強酸であるLi+カチオンと強塩基である有機ホスホン酸アニオン(P−O系アルカリ金属塩のアニオン)から構成される、強固なイオン結合で形成された塩を加えると、図3に示すように、そのままの形で{グライム+LiTFSI}の塩と複合化した構造となると考えた。この複合物中では、TFSIアニオンのもう1つのスルホニル基が、有機ホスホン酸LiのLi+カチオンと相互作用(配位結合)することで、この複合塩構造が安定化されると考えた。この相互作用により、TFSIアニオンの負電荷密度が分散され低下する為に、グライム−Li+の錯カチオンの移動性(解離性)が向上するVehicle機構がより良好に作用すると考えられる。また安定な複合塩となることで会合体が大きくなり、グライムのトンネルの繋がりがよくなる為に、またTFSIアニオンの相互作用が弱まる為にグライムのトンネル内のLi+カチオンの動きがよくなるというGrotthus機構もより良好に作用すると考えられる。これらの作用により、イオン伝導度の低下を抑制できると考えられる。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
以下では、上述した電解質を具体的に作製した例について説明する。なお、実験例3〜13が本発明の実施例に相当し、実験例1,2,14が本発明の比較例に相当する。
1.試料の作製
[実験例1]
Tetraethyleneglycoldimethylether(東京化成工業製,分子量:222.3,略号:G4)及びLithium Bis(trifluoromethanesulfonyl)imide(キシダ化学(株)製,分子量:287.1,略号:LiTFSI)を用意した。そして、Arガスを充填したグローブボックス内で、20mLサンプル瓶に等モル量のG4(0.40g)とLiTFSI(0.52g)をとり、密封して取り出し、加熱により均一溶液を得た。これを実験例1の試料とした。実験例1の試料の理論組成は、{G4+LiTFSI}である。
[実験例2]
Triethyleneglycoldimethylether(東京化成工業製,分子量:178.2,略号:G3)及びLiTFSIを用意した。そして、Arガスを充填したグローブボックス内で、20mLサンプル瓶に等モル量のG3(1.00g)とLiTFSI(1.61g)をとり、密封して取り出し、加熱により均一溶液を得た。これを実験例2の試料とした。実験例2の試料の理論組成は、{G3+LiTFSI}である。
[実験例3,4]
Phenylphosphonic acid(東京化成工業製,分子量:158.1,略号:PhPOH)と、LiTFSIと、Tetrahydrofuran(脱水品,和光純薬工業製,略号:THF)と、G4と、n-Butyl Lithium(2.5M in hexane,Aldrich製,分子量:64.1,略号:n−BuLi)と、を準備した。そして、Arガスを充填したグローブボックス内で、予め十分に乾燥させたPhPOH(0.53g)とLiTFSI(0.96g)を25mLナスフラスコにとりTHF3mLとG4(1.48g)を加えて、密封後に取り出し、−30℃に冷却した低温恒温槽にナスフラスコを浸けて冷却した。Arガス気流下に、2.7mLのn−BuLi(2.5M溶液)をシリンジでゆっくりと添加して攪拌した。添加開始直後に白色沈殿が生じて分散液となった。添加終了後に、室温で攪拌を1.5時間続けて反応を行った。反応終了後に、50℃まで加熱しながら減圧処理することで脱溶媒を行い、黄色クリーム状の生成物(乳液状液体)を得た。これを実験例3,4の試料とした。実験例3,4の試料の理論組成は、{G4+LiTFSI}+PhPOLi+G4である。なお、PhPOLiとは、PhPOHの−OH基の水素がLiに置換されたものを示す。
[実験例5]
まず、特開2008−69093号公報の実施例1の手順にならい、3,6,9-Trioxadecylphosphonic acid(略号:EO(3)POH)を合成した。具体的には、まず、Diglyme(東京化成工業製,略号:Diglyme)と、1-Bromo-3,6,9-trioxadecane(東京化成工業製,分子量:271.2,略号:EO(3)−Br)、Triethylphosphite(Aldrich製,分子量:166.2,略号:P(OEt)3)と、Methylene Chloride(脱水品,和光純薬工業製,略号:CH2Cl2)と、Bromotrimethylsilane(東京化成工業製,略号:TMS−Br)と、Methanol(脱水品,和光純薬工業製,略号:MeOH)を用意した。そして、Diglymeに、EO(3)−Br及びP(OEt)3を加え、140℃に加熱した。反応終了後に、カラムクロマトグラフィーにより精製を行い、無色透明液体を得た。これはNMRより、3,6,9-Trioxadecylphosphonic acid diethyl ester (略号:EO(3)POEt)であると推測された。CH2Cl2にEO(3)POEtを加え、TMS−Brを滴下した。次にメタノールを加え、反応終了後、低沸分を減圧留去した。残分を水に溶解させ、CH2Cl2で洗浄、分液した。水層から低沸分を減圧留去し、薄黄色透明液体を得た。図4には、この液体の13C NMRスペクトルを示す。また、図5には、この液体の1H NMRスペクトルを示す。図4,5により、この液体は、EO(3)POHであると推察された。
そして、PhPOHに代えてEO(3)POHを用い、EO(3)POHの量を0.11g、LiTFSIの量を0.29g、G4の量を0.22g、THFの量を2mL、n−BuLi(2.5M溶液)の量を0.4mLとした以外は、実験例3と同様の操作を行い、乳液状の液体を得た。これを実験例5の試料とした。実験例5の試料の理論組成は、{G4+LiTFSI}+0.5EO(3)POLiである。
[実験例6]
EO(3)POHの量を0.23g、LiTFSIの量を0.29g、G4の量を0.22g、THFの量を2mL、n−BuLi(2.5M溶液)の量を0.8mLとした以外は、実験例5と同様の操作を行い、乳液状の液体を得た。これを実験例6の試料とした。実験例6の試料の理論組成は、{G4+LiTFSI}+1.0EO(3)POLiである。
[実験例7]
まず、特開2008−69093号公報の実施例1の手順にならい、3,6,9,12,15,18,21,24-Octaoxa-pentacosylphosphonic acid(略号:EO(8)POH)を合成した。具体的には、まず、EO(3)−Brに代えて、1-Bromo-3,6,9,12,15,18,21,24-octaoxapentacosane(東京化成工業製,分子量:447.4,略号:EO(8)−Br)を用いた以外は、実験例5と同様の手順で、無色透明液体を得た。これはNMRより、3,6,9,12,15,18,21,24-Octaoxa-pentacosylphosphonic acid diethyl ester(略号:EO(8)POEt)であると推測された。そして、EO(3)POEtに代えてこのEO(8)POEtを用いて、実験例6と同様の手順により加水分解反応を行い、薄黄色透明液体を得た。図6には、この液体の13C NMRスペクトルを示す。また、図7には、この液体の1H NMRスペクトルを示す。図6,7より、この液体は、EO(8)POHであると推察された。
そして、PhPOHに代えてEO(8)POHを用い、EO(8)POHの量を0.45g、LiTFSIの量を0.29g、G4の量を0.22g、THFの量を2mL、n−BuLi(2.5M溶液)の量を0.8mLとした以外は、実験例3と同様の操作を行い、蝋状固体を得た。これを実験例7の試料とした。実験例7の試料の理論組成は、{G4+LiTFSI}+1.0EO(8)POLi+G4である。
[実験例8]
PhPOHに代えてTetracosylacidphosphate(ジエステル25%含有,城北化学工業製,分子量:平均290,商品名:JP−524R,略号:C14OPOH)を用い、C14OPOHの量を0.29g、LiTFSIの量を0.29g、G4の量を0.22g、THFの量を2mL、n−BuLi(2.5M溶液)の量を0.8mLとした以外は、実験例3と同様の操作を行い、乳液状の液体を得た。これを、実験例8の試料とした。実験例8の試料の理論組成は、{G4+LiTFSI}+C14OPOLiである。
[実験例9]
EO(8)POHに代えてEO(3)POHを用い、G4に代えてG3を用い、EO(3)POHの量を0.11g、LiTFSIの量を0.29g、G3の量を0.18g、THFの量を2mL、n−BuLi(2.5M溶液)の量を4mLとした以外は、実験例7と同様の操作を行い、粘稠な糊状半固体を得た。これを、実験例9の試料とした。実験例9の試料の理論組成は、{G3+LiTFSI}+0.5EO(3)POLiである。
[実験例10]
Phenylphosphinic acid(東京化成工業製,分子量:142.09,略号:PhPHOH)と、THFと、n−BuLiと、実験例1の試料({G4+LiTFSI}の等モル混合物)とを用意した。そして、Arガスを充填したグローブボックス内で、25mLナスフラスコによく乾燥させたPhPHOH(0.65g)とTHF5mLをとり、密封後に取り出し、−30℃に冷却した低温恒温槽にナスフラスコを浸けて冷却した。Arガス気流下に、1.84mLのn−BuLi(2.5M溶液)をシリンジでゆっくりと添加して攪拌した。その後室温に戻してから、{G4+LiTFSI}の等モル混合物(2.34g)を加えて攪拌し、混合した。この混合物を50℃まで加熱しながら減圧処理して脱溶媒を行い、灰色半固体状の生成物を得た。これを実験例10の試料とした。実験例10の試料の理論組成は、{G4+LiTFSI}+PhPHOLiである。
[実験例11]
Polyethyleneglycolphosphate methacrylate(ユニケミカル製,分子量約360,商品名:ホスマーPE,略号:V−EO(4.5)OPOH)と、Methoxypolyethyleneglycol methacrylate(日油製,分子量:約280,商品名:ブレンマーPME200,略号:V−EO(4))と、Polyethyleneglycol dimethacrylate(日油製,分子量:約720,商品名:ブレンマーPDE600,略号:V−XEO(14))と、2-Hydroxy-1-[4-[4-(2-hydroxy-2-methylpropyonyl)benzyl]phenyl]-2-methylpropane-1-one(BASF製,分子量:約720,商品名:Irgacure127,略号:Irgacure127と称する)と、THFと、n−BuLiを用意した。そして、N2ガスを充填したグローブボックス内で、V−EO(4)(0.34g)、V−EO(4.5)OPOH(0.22g)、V−XEO(14)(0.44g)を石英製角形シャーレにとり、それらの3質量%相当量の光重合開始剤であるIrgacure127(30mg)を加えて攪拌することで均一溶液を得た。このままグローブボックス内で高圧水銀ランプによる紫外−可視光線を3分間照射して光重合を行い軟らかい膜状物を得た。この膜状物が入ったシャーレにTHF3mLを加えてから、n−BuLi(2.5M溶液)(0.49mL)を添加したところ、膜が膨らんだので、スパーテルで剥離させてから、そのシャーレ中に実験例1に記載の方法で得られた{G4+LiTFSI}を0.31g加えて均一に混合した。この混合物を密封容器に入れて取り出し、加熱・減圧処理することで、脱溶媒を行い、薄黄色で柔らかいフレーク状固体の生成物(蝋状固体)を得た。これを実験例11の試料とした。実験例11の試料の理論組成は、{G4+LiTFSI}+poly(0.25EO(4.5)OPOLi/0.5EO(4)/0.25XEO(14))である。なお、V−EO(4.5)OPOH、V−EO(4)、V−XEO(14)におけるV−は、メタクリレート基を示し、V−Xは、ジメタクリレート基を示し、これらを(共)重合したときには、V−を省いた略号を組成モノマーの表記に用いて、polyを付けた後のかっこ内に各組成のモル比と併せて記載することで、(共)重合体の略号とした(以下同様)。EO(4.5)OPOLiは、EO(4.5)OPOHの−OH基の水素がLiに置換されたものを示す。
[実験例12]
2ガスを充填したグローブボックス内で、V−EO(4.5)OPOH(1.41g)、V−XEO(14)(0.70g)、LiTFSI(1Mアセトニトリル溶液)(3.9mL)、Irgacure127(0.063g)、G4(1.72g)、THF(3mL)を25mLナスフラスコにとり、密封後に取り出し、−30℃に冷却した低温恒温槽にナスフラスコを浸けて冷却した。Arガス気流下に、3.1mLのn−BuLi(2.5M溶液)をシリンジでゆっくりと添加して、その後室温で攪拌した。得られた分散液を石英製角形シャーレに移し、50℃まで加熱しながら減圧処理することで脱溶媒を行った。このモノマー混合物を含む角形シャーレを、N2ガスを充填したグローブボックス内で高圧水銀ランプによる紫外−可視光線を3分間照射して光重合を行い、膜状の蝋状固体を得た。これを実験例12の試料とした。実験例12の試料の理論組成は、{G4+LiTFSI}+poly(0.75EO(4.5)OPOLi/0.25XEO(14))+G4である。
[実験例13]
実験例12のV−EO(4.5)OPOHに代えてVinylphosphonic acid(Aldrich製,分子量:108.0,略号:V−POH)を用いた。そして、V−POH(0.31g)、V−XEO(14)(0.52g)、G4(1.29g)、Irgacure127(0.025g)、LiTFSI(1M アセトニトリル溶液)(2.91mL)、THF(3mL)とn−BuLi(2.5M溶液)(2.37mL)を用いて、実験例12と同様の操作を行い、粘稠な糊状半固体を得た。これを実験例13の試料とした。実験例13の試料の理論組成は、{G4+LiTFSI}+poly(0.75POLi/0.25XEO(14))+G4である。なお、POLiは、POHの−OH基の水素がLiに置換されたものを示す。実験例13の試料は、糊状半固体の形状であるが、低沸分の留去の際に、重合前に観測された突沸が重合後には見られなくなったことから、光重合によりある程度の高分子量化が進んだものと見なした。
[実験例14]
Poly(ethyleneglycohol)dimethylether(Aldrich製,分子量:約2000,略号:PEO(2k))と、Lithium trifluorosulfonic acid(キシダ化学(株)製,分子量:156.02,略号:LiTf)を用意した。PEO(2k)(0.40g)と、LiTf(0.1Mアセトニトリル溶液)(6.4mL)とを、Arを充填したグローブボックス内で、20mLサンプル瓶にとり、密封して取り出した後、ドライヤーで加熱しながら攪拌することで均一に溶解させた。その後、加熱しながら減圧処理することで、脱溶媒を十分に行い、蝋状の固形物を得た。これを実験例14の試料とした。
2.イオン伝導度の測定
Arを充填したグローブボックス中で、各測定セルの内部(直径φ=10mm)に、実験例3,5〜13では各試料を入れ、実験例1,2,4,14では各試料とポリエチレン製の多孔質セパレータを入れた。そして、ステンレス製電極で挟み、気泡を抜き密封した。そのときの膜厚を測定後、測定セルを恒温槽内に置いて、25℃,10℃,−10℃,−30℃,−10℃,10℃,25℃,45℃,60℃,70℃,80℃,80℃,70℃,60℃,45℃,25℃となるようにした。インピーダンス測定は、各温度で1時間保持した後に行った。但し、氷点下の温度では1.5時間保持した。このインピーダンス測定は、振幅電圧を100mVにして、1MHz−0.1Hzの間で0.5pts/secで行った。得られたCole−ColeプロットのZ’の実軸切片の値もしくはBode線図でθが最小となる|Z|を抵抗値(R)として求めた。この値(R)と膜厚t(cm)及び電極面積S(cm2)から、次式に従いイオン伝導度σ(Scm-1)を算出した。その結果を図8〜13に示す。なお、図8〜13の横軸のTの単位はケルビン(K)である。
σ=1/R × t/S
3.実験結果
表1に、実験例1〜14について、80℃、25℃、−30℃におけるイオン伝導度(σ80,σ25,σ-30)や、−30℃におけるイオン伝導度を80℃や25℃におけるイオン伝導度で除した値である伝導度維持率(σ-30/σ80,σ-30/σ25)を示した。表1に示すように、実験例3〜13のいずれにおいても、伝導度維持率は、実験例1,2よりも高い値を示した。このことから、実施例(実験例3〜13)のものでは、いずれも、例えば−30℃などの低温におけるイオン伝導度の低下を抑制できることが分かった。なお、実験例1〜13のうち、実験例3〜6,8の試料は高粘性液体であり、実験例9,10,13の試料は半固体であり、実験例7,11,12の試料は固体である。
図8に、実験例1,2,14の温度とイオン伝導度との関係を表すグラフを示す。PEO系の実験例14では、低温でのイオン伝導度の低下が非常に大きいのに対して、グライム系の実験例1,2では、低温でのイオン伝導度の低下が小さかった。このうち、テトラグライムを用いた実験例1では、トリグライムを用いた実験例2に比して、イオン伝導度が全体的に高く、かつ、低温でのイオン伝導度の低下が小さかった。このことから、グライムとしては、トリグライムよりもテトラグライムが好適であると推察された。
図9に、実験例1,3,4の温度とイオン伝導度との関係を表すグラフを示す。図9では、{G4+LiTFSI}にPhPOLi+G4を添加したものについて、セパレータ有りと無しで比較した。これらは乳液状液体で、実験例1よりも粘性が高いにもかかわらず、イオン伝導度が向上した。このことから、PhPOLiを添加することによって、リチウムイオン伝導が促進されることがわかった。また、セパレータを挟んでもイオン伝導度の大きさはほぼ変わらなかった。このことから、実験例3,4のものはセパレータ細孔内への浸透性が十分に高いことがわかった。
図10に、実験例1,5,7の温度とイオン伝導度との関係を表すグラフを示す。図10では、PEO鎖を有するホスホン酸リチウム塩の添加効果について検討した。オキシエチレンユニットの繰返し数nが8であるEO(8)POLiと繰り返し数nが3であるEO(3)POLiの添加効果を比べると、EO(8)POLi添加系は、G4を共存させても蝋状固体であるが、EO(3)POLi添加系は、液状となった。なお、実験例5,7のいずれも、イオン伝導度が向上したことから、これらを添加することでリチウムイオン伝導が促進されることがわかった。また、両者のイオン伝導度の大きさは同等程度であることがわかった。
図11に、実験例2,9の温度とイオン伝導度との関係を表すグラフを示す。図11では、{G3+LiTFSI}に対するEO(3)POLiの添加効果について検討した。この場合には添加混合物の形状は粘稠な糊状半固体となり、特に低温において大きなイオン伝導度の増大が観測された。
図12に、実験例1,3,5,10,14の温度とイオン伝導度との関係を表すグラフを示す。図12では、ホスホン酸リチウム塩を添加した場合と、ホスフィン酸リチウム塩を添加した場合の添加効果の違いについて検討した。ホスフィン酸リチウム塩を添加した実験例10では、ホスホン酸リチウム塩を添加した実験例3,5よりもイオン伝導度が低いものの、添加していない実験例1や、実験例14よりもイオン伝導度が高かった。このことから、P−O系アルカリ金属塩は、ホスフィン酸系のアルカリ金属塩でもよいことがわかった。
図13に、実験例1,2,11〜14の温度とイオン伝導度との関係を表すグラフを示す。図13では、重合性のP−O系アルカリ金属塩を{G4+LiTFSI}に対して添加した場合の添加効果について検討した。重合性P−O系化合物のモノマーとして、一方の末端がリン酸基でPEO(4.5)鎖を介してメタクリル基を有する成分(V−EO(4.5)OPOH)またはビニルホスホン酸(VPOH)を用い、また架橋成分にPEO(14)鎖を介してメタクリル基を両末端に有する成分(V−XEO(14))を共存させた。これを光重合により高分子化させたP−O系化合物である。液状の実験例13では、全温度域のイオン伝導性に対して添加効果が見られた。フレーク状固体の実験例11では、圧粉成形によりディスクとして測定したが、低温でのイオン伝導性に向上が見られた。剥離可能な均一膜状の実験例12では、イオン伝導度そのものは、{G4+LiTFSI}よりも低かったものの、表1から分かるように伝導度維持率は高く、低温でのイオン伝導率の低下を抑制する効果があることがわかった。また、実験例14のようなイオン伝導度の急激な低下は観測されなかった。共重合組成を制御することで、自立膜作製とイオン伝導性の促進作用とを両立できるものと予測する。なお、これらは蝋状固体などの形状で得られたが、高分子化合物と液状電解質との混合物であり、ゲル電解質に分類される。
本発明の電解質は、例えばアルカリ金属イオン二次電池、コンデンサ、燃料電池、太陽電池などの構成材料として利用可能である。

Claims (10)

  1. ホスホン酸系アルカリ金属塩、リン酸系アルカリ金属塩及びホスフィン酸系アルカリ金属塩のうちの1種以上であるP−O系アルカリ金属塩と、
    イミド構造を含むアニオンを有し前記P−O系アルカリ金属塩とは異なる非P−O系アルカリ金属塩と、
    グライムと、
    を備えた電解質。
  2. 前記イミド構造を含むアニオンは、窒素に2つのスルホニル基が結合したスルホニルイミドアニオン又は窒素に1つのスルホニル基と1つのカルボニル基が結合したスルホニルカルボニルイミドアニオンである、請求項1に記載の電解質。
  3. 前記非P−O系アルカリ金属塩は、アルカリ金属としてリチウムを有している、請求項1又は2に記載の電解質。
  4. 前記グライムに対して前記非P−O系アルカリ金属塩を0.2モル当量以上2モル当量以下含み、前記非P−O系アルカリ金属塩に対して前記P−O系アルカリ金属塩を0.15モル当量以上1.7モル当量以下含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電解質。
  5. 25℃でのイオン伝導度σ25に対する、−30℃でのイオン伝導度σ-30の比が、3×10-3以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電解質。
  6. −30℃でのイオン伝導度σ-30が、3.7×10-4mS/cm以上である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電解質。
  7. 液体である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電解質。
  8. 前記P−O系化合物は、単量体である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の電解質。
  9. 前記P−O系化合物は、重合体である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の電解質。
  10. 自立膜として存在する、請求項9に記載の電解質。
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