JP2018170266A - 二次電池用電解質および二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】4.4V以上という高電圧下でのサイクル特性に優れる二次電池用電解質、およびそれを有するリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。【解決手段】本発明の一態様に係る二次電池用電解質は、リチウム塩と化学式(1)で表される化合物(A)とを含有することを特徴とする。[化1](式中、nは2〜10の整数であり、mは1〜10の整数であり、R1、R2は、それぞれ独立して置換又は無置換の炭素数1〜6のアルコキシ基であり、R3は水素原子又は置換もしくは無置換の炭素数1〜2のアルキル基である。)【選択図】図1

Description

本発明は、二次電池用電解質および二次電池に関する。
従来から知られているリチウムイオン電池の電解質は、可燃性の有機溶媒が主に用いられているため、例えば、過放電・過充電時、着火や発火の危険性がある。安全性の高い電解質として、グライム-リチウム塩錯体系を用いた電解質が提案されている。グライム-リチウム塩錯体は、グライムと呼ばれるオリゴーエーテルを有する化合物がリチウムイオンに対し、1:1で配位した錯体である。グライム-リチウム塩錯体は、非常に強い相互作用で錯体構造を形成しているために、熱化学的に非常に安定である。しかし、単体のグライム分子とリチウム塩で形成したグライム-リチウム塩錯体において、その中のグライム分子の電極表面での酸化分解が発生し、グライム-リチウム塩錯体系を電解質として用いたリチウム二次電池には、充放電を繰り返すサイクル特性が低下する問題があった。そのため、グライム分子の耐酸化性を向上させる手法が提案されている。具体的には、単体のグライム分子中の酸素原子付近に電子吸引性基を導入し、電子吸引性基を有するグライム化合物を用いることでグライム構造中の酸素原子の電子密度を低下させ、耐酸化性を向上させる手法である(特許文献1)。
特開2011−40311号公報
しかしながら、特許文献1に記載されている電解質は、4.4V下でのサイクル特性に課題がある。この原因は、電解質のイオン伝導度が低いためだと考えられる。導入された電子吸引性の効果が強く作用し、グライム分子の酸素原子の電子密度を大きく低下させ、結果、グライム分子のリチウムイオンに対する配位能力が低下し、イオン伝導度が低下していると考えられる。したがって、4.4V以上での良好なサイクル特性を有する二次電池用電解質が望まれている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、4.4V以上での良好なサイクル特性を有するグライム-リチウム塩錯体系を用いた二次電池用電解質を提供することを目的とする。
本発明者らは、グライム-リチウム塩錯体系において、電子吸引性基であるホスホン酸ジエステル構造とグライム構造間の結合鎖を適正な長さにする場合、得られた二次電池用電解質を用いる二次電池が4.4V以上での良好なサイクル特性を実現することができることを見出した。
すなわち、上記課題を解決するため、以下の手段を提供する。
[1] リチウム塩と化学式(1)で表される化合物(A)とを含有することを特徴とする二次電池用電解質。
Figure 2018170266
(式中、nは2〜10の整数であり、mは1〜10の整数であり、R、Rは、それぞれ独立して置換又は無置換の炭素数1〜6のアルコキシ基であり、Rは水素原子又は置換もしくは無置換の炭素数1〜2のアルキル基である。)
[2] 前記リチウム塩の含有量が、前記化合物(A)に対して0.5〜3倍モルであることを特徴とする[1]に記載の二次電池用電解質。
[3] [1]又は[2]に記載の二次電池用電解質を有するリチウムイオン二次電池。
電子吸引性効果によるグライム化合物の耐酸化性とグライム化合物のリチウムイオンの配位能力の両立により、4.4V以上という高電圧下でのサイクル特性に優れるグライム-リチウム塩錯体系を用いた二次電池用電解質を提供する。
本実施形態にかかるリチウム二次電池の断面模式図である。
以下、本実施形態について、図を適宜参照しながら詳細に説明する。以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などは実際とは異なっていることがある。以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
本発明にかかる「グライム分子」とは、直鎖状の対称グリコールジエーテルの総称であり、例えば、「R−O(CHCHO)m−R」で表されるものとしてもよい。ここで、Rは、炭素数1〜9のフッ素置換されていてもよいアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基、およびハロゲン原子で置換されていてもよいシクロヘキシル基のいずれかである。mは1〜10である。後述のグライム化合物と区別するために、「単体のグライム分子」ともいう場合がある。
本発明にかかる「グライム構造」とは、上記グライム分子に含まれている「−O(CHCHO)m−」の構造である。
本発明にかかる「グライム化合物」とは、単体のグライム分子中の酸素原子付近に電子吸引性基を導入し、電子吸引性基とグライム構造とを有する化合物である。
[二次電池]
図1は、本実施形態にかかるリチウム二次電池の断面模式図である。図1に示すリチウム二次電池100は、主として積層体40、積層体40を密閉した状態で収容するケース50、及び積層体40に接続された一対のリード60、62を備えている。また図示されていないが、積層体40とともに電解質が、ケース50内に収容されている。
積層体40は、正極20と負極30とが、セパレータ10を挟んで対向配置されたものである。正極20は、板状(膜状)の正極集電体22上に正極活物質層24が設けられたものである。負極30は、板状(膜状)の負極集電体32上に負極活物質層34が設けられたものである。
正極活物質層24及び負極活物質層34は、セパレータ10の両側にそれぞれ接触している。正極集電体22及び負極集電体32の端部には、それぞれリード62、60が接続されており、リード60、62の端部はケース50の外部にまで延びている。図1では、ケース50内に積層体40が一つの場合を例示したが、複数積層されていてもよい。
「二次電池用電解質」
本実施形態にかかる二次電池用電解質((以下、単に「電解質」という。)は、リチウム塩と化学式(1)で表される化合物(A)とを含有することを特徴とする。
Figure 2018170266
(式中、nは2〜10の整数であり、mは1〜10の整数であり、R、Rは、それぞれ独立して置換又は無置換の炭素数1〜6のアルコキシ基であり、Rは水素原子又は置換もしくは無置換の炭素数1〜2のアルキル基である。)
(リチウム塩)
本実施形態におけるリチウム塩は、電解質中で解離してリチウムイオンを供給する電解質である。
リチウム塩としては、LiPF、LiBF、LiClO、Li(C、Li(C)F、LiN(SO(CFF)(ただし、pは1〜5の整数を示す。)、FSON(Li)SOF、FSON(Li)SOCF、CFSOLiおよび下記化合物(2)(ただし、qは1〜5の整数を示す。)からなる群から選ばれる1種以上が挙げられる。これらのリチウム塩は、リチウムイオン二次電池用のリチウム塩として知られる化合物である。
リチウム塩は、LiN(SOCF(pが1である化合物)、LiN(SO(pが2である化合物)、FSON(Li)SOF、FSON(Li)SOCF、CFSOLi、LiPFおよび化合物(2)(ただし、qは1〜5の整数を示す。)からなる群から選ばれる1種以上であることが好ましい。
Figure 2018170266
化合物(2)としては、下記化合物(2−1)〜(2−5)が挙げられる。
Figure 2018170266
化合物(2)としては、電導度の高い電解質が得られやすい点から、qが2である化合物(2−2)が好ましい。
前記リチウム塩の含有量が、前記化合物(A)に対して0.5〜3倍モルであることが好ましく、0.5〜2.0倍モルであることがより好ましく、0.8〜1.5倍モルであることが更に好ましい。かかる構成によれば、選択された濃度により解離性が良好となり、サイクル特性が改善される。
(化合物(A))
本実施態様の化合物(A)は、下記化学式(1)で表される化合物である。
Figure 2018170266
nは2〜10の整数である。nは2〜6の整数であることが好ましく、2〜5の整数であることがより好ましく、2〜4の整数が特に好ましい。
mは1〜10の整数である。化合物(A)は電子吸引性基であるホスホン酸ジエステル構造を有し、かつ、この電子吸引性基とグライム構造間の結合鎖を適正な長さにすることにより、本発明の電解質を用いた二次電池における4.4V以上でのサイクル特性を向上させうる化合物である。本発明の電解質においては、化合物(A)は、その一部又は全部が、リチウム塩と錯体を形成し、本発明の作用を発現していると考えられ、該作用が発現されるためには、mは1〜7の整数であることがより好ましく、2〜4の整数が更に好ましい。
、Rは、それぞれ独立して置換又は無置換の炭素数1〜6のアルコキシ基である。
無置換の炭素数1〜6のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等が挙げられる。
置換炭素数1〜6のアルコキシ基とは、置換基を有する炭素数1〜6のアルコキシ基である。この置換基は、本発明の効果を損なわない範囲であれば特に限定されるものではなく、例えば、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数2〜4のアルキルアミノ基、炭素数6〜10のアリール基等が挙げられ、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、N,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、フェニル基、4−トリル基、4−エチルフェニル基、4−プロピルフェニル基、4−ブチルフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。中でも、炭素数1〜4のアルキル基が特に好ましい。
、Rとしては、無置換の炭素数1〜4のアルコキシ基であることが好ましい。例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基である。中でも、メトキシ基、エトキシ基が特に好ましい。
は水素原子又は置換もしくは無置換の炭素数1〜2のアルキル基である。無置換の炭素数1〜2のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基が挙げられる。置換炭素数1〜2のアルキル基とは、置換基を有する炭素数1〜2のアルキル基である。この置換基は、本発明の効果を損なわない範囲であれば特に限定されるものではなく、例えば、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基等が挙げられ、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等が挙げられる。中でも、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基が好ましい。
は水素原子、メチル基、又はエチル基であることが好ましく、水素原子もしくはメチル基であることがより好ましい。
本実施態様の化合物(A)としては、上記化学式(1)で表される化合物であって、式中、nは2〜10の整数であり;mは3〜7の整数であり;R、Rは、それぞれ独立してメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、もしくはイソプロポキシ基であり;Rは水素原子メチル基もしくはエチル基である化合物がより好ましい。
本実施態様の化合物(A)としては、上記化学式(1)で表される化合物であって、式中、nは2〜6の整数であり;mは3もしくは4の整数であり;R、Rは、それぞれ独立してメトキシ基もしくはエトキシ基であり;Rは水素原子もしくはメチル基である化合物が特に好ましい。
化合物(A)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記リチウム塩の含有量が、前記化合物(A)に対して0.5〜3倍モルであることが好ましく、0.5〜2.0倍モルであることがより好ましく、0.8〜1.5倍モルであることが更に好ましい。かかる構成によれば、選択された濃度により解離性が良好となり、サイクル特性が改善される。
(化合物(A)の含有効果)
従来、電解質にグライム系溶媒(グライム分子を含む溶媒)を用いたリチウムイオン二次電池(以下、単に「二次電池」という。)では、充電・放電を繰り返すとサイクル特性が低下することがあった。そこで、サイクル特性が低下する原因は、化学式(3)に示すように、単体のグライム分子とリチウム塩で形成したグライム-リチウム塩錯体において、グライム系溶媒が電極表面において電気的に酸化されて劣化することであると考えられる。式中の「X」は、リチウム塩(LiX)由来のアニオンを表す。
Figure 2018170266
また、前記電気的な酸化を抑制するために、電子吸引性基を有する化合物を用いることが提案されている。例えば、化学式(4)のようなグライム化合物を用いる場合、電子吸引性基であるホスホン酸エステル構造により、グライム構造の骨格内の酸素原子から電子が吸引されることで、該酸素原子のHOMO(最高被占準位)が低くなるため、酸化電位が高くなって耐酸化性がある程度向上する。
しかしながら、強い電子吸引性のため、電子密度低下により配位能力低下し、リチウム塩の解離能が下がり、イオン伝導度が低下することになる。その結果、電池のインピーダンスが増大し、過電圧が増大する。それに伴い、電池のサイクル特性が低下する。
Figure 2018170266
また、化学式(5)で示すグライム化合物のように、電子吸引性基であるホスホン酸ジエステル構造とグライム構造間の結合鎖が長すぎることより、ホスホン酸エステルによる電子吸引性効果が弱い。その結果、耐酸化性に劣ることになり、サイクル特性が低下する。
Figure 2018170266
一方、本発明にかかる前記式(1)に表す化合物(A)(式中、nは2〜10の整数であり、mは1〜10の整数であり、R、Rは、それぞれ独立して置換又は無置換の炭素数1〜6のアルコキシ基であり、Rは水素原子又は置換もしくは無置換の炭素数1〜2のアルキル基である。)は、例えば、化学式(6)で示す化合物(A)の一例のように、電子吸引性基であるホスホン酸ジエステル構造とグライム構造間の結合鎖を適正な長さにすることより、炭素鎖によりホスホン酸エステルによる電子吸引性効果を緩和し、配位能力の低下を防ぎ、イオン伝導度と耐酸化性を両立することができる。その結果、そのような化合物(A)を含有する電解質を用いる二次電池は、4.4V以上での良好なサイクル特性を実現することができる。
Figure 2018170266
(その他の溶媒)
本発明の電解質は、該電解質が相分離しない範囲内であれば、前記リチウム塩、前記化合物(A)、以外にその他の溶媒が含まれていてもよい。
その他の溶媒としては、たとえば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジ−n−プロピルカーボネート、メチル−n−プロピルカーボネート、エチル−n−プロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネート、エチル−n−プロピルカーボネート、エチルイソプロピルカーボネート、ジ−n−プロピルカーボネート、ジイソプロピルカーボネート、3−フルオロプロピルメチルカーボネート、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、4−クロロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−トリフルオロメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、ビニレンカーボネート、ジメチルビニレンカーボネート、ビニレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート等の炭酸エステル、プロピオン酸アルキルエステル、マロン酸ジアルキルエステル、酢酸アルキルエステル等のカルボン酸エステル、γ−ブチロラクトン等の環状エステル、プロパンサルトン等の環状スルホン酸エステル、スルホン酸アルキルエステル、リン酸アルキルエステル、ハイドロフルオロエーテル等が挙げられる。
前記その他の溶媒の含有量は、該電解質に用いる全溶媒量を100体積%としたとき、10体積%以下であることが好ましく、5体積%以下であることがより好ましい。
(その他の成分)
また、本発明の電解質は、機能を向上させるために、必要に応じて他の成分が含まれていてもよい。他の成分としては、たとえば、従来公知の過充電防止剤、脱水剤、脱酸剤、高温保存後の容量維持特性およびサイクル特性を改善するための特性改善助剤が挙げられる。
過充電防止剤としては、たとえば、ビフェニル、アルキルビフェニル、ターフェニル、ターフェニルの部分水素化体、シクロヘキシルベンゼン、t−ブチルベンゼン、t−アミルベンゼン、ジフェニルエーテル、ジベンゾフラン等の芳香族化合物;2−フルオロビフェニル、o−シクロヘキシルフルオロベンゼン、p−シクロヘキシルフルオロベンゼン等の前記芳香族化合物の部分フッ素化物;2,4−ジフルオロアニソール、2,5−ジフルオロアニソールおよび2,6−ジフルオロアニオール等の含フッ素アニソール化合物が挙げられる。過充電防止剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
電解質が過充電防止剤を含有する場合、電解質中の過充電防止剤の含有量は、0.1〜5質量%であることが好ましい。電解質に過充電防止剤を0.1質量%以上含有させることにより、過充電による二次電池の破裂・発火を抑制することがさらに容易になり、二次電池をより安定に使用できる。
脱水剤としては、たとえば、モレキュラーシーブス、芒硝、硫酸マグネシウム、水素化カルシウム、水素化カリウム、水素化ナトリウム、水素化リチウムアルミニウム、塩化カルシウム、金属ナトリウム等が挙げられる。本発明の電解質に用いる溶媒は、前記脱水剤で脱水を行った後に精留を行ったものを使用することが好ましい。また、精留を行わずに前記脱水剤による脱水のみを行った溶媒を使用してもよい。
特性改善助剤としては、たとえば、フルオロエチレンカーボネート、トリフルオロプロピレンカーボネート、フェニルエチレンカーボネート、エリスリタンカーボネート、スピロ−ビス−ジメチレンカーボネート等のカーボネート化合物;無水コハク酸、無水グルタル酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水グルタコン酸、無水イタコン酸、無水ジグリコール酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、フェニルコハク酸無水物等のカルボン酸無水物;エチレンサルファイト、1,3−プロパンスルトン、1,4−ブタンスルトン、メタンスルホン酸メチル、ブスルファン、スルホラン、スルホレン、ジメチルスルホン、ジフェニルスルホン、メチルフェニルスルホン、ジブチルジスルフィド、ジシクロヘキシルジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、N,N−ジメチルメタンスルホンアミド、N,N−ジエチルメタンスルホンアミド等の含硫黄化合物;1−メチル−2−ピロリジノン、1−メチル−2−ピペリドン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルスクシイミド等の含窒素化合物;ヘプタン、オクタン、シクロヘプタン等の炭化水素化合物、フルオロベンゼン、ジフルオロベンゼン、ヘキサフルオロベンゼン、ベンゾトリフルオライド等の含フッ素芳香族化合物が挙げられる。これら特性改善助剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
電解質が特性改善助剤を含有する場合、電解質中の特性改善助剤の含有量は、0.1〜5質量%であることが好ましい。
また、本発明の電解質は、実用上充分な電導度を得る点から、電導度が0.25S・m−1以上であることが好ましい。また、回転型粘度計により測定した粘度(20℃)は、0.1〜200cPであることが好ましい。
「正極」
(正極活物質層)
正極活物質層24は、正極活物質、正極用バインダー、及び、必要に応じた量の正極用導電助剤から主に構成されるものである。
(正極活物質)
正極活物質層24に用いる正極活物質26は、リチウムイオンの吸蔵及び放出、リチウムイオンの脱離及び挿入(インターカレーション)、又は、リチウムイオンとリチウムイオンのカウンターアニオン(例えば、PF )とのドープ及び脱ドープを可逆的に進行させることが可能な電極活物質を用いることができる。
例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、リチウムマンガンスピネル(LiMn)、及び、一般式:LiNiCoMn(x+y+z+a=1、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、0≦a≦1、MはAl、Mg、Nb、Ti、Cu、Zn、Crより選ばれる1種類以上の元素)で表される複合金属酸化物、リチウムバナジウム化合物(LiV)、オリビン型LiMPO(ただし、Mは、Co、Ni、Mn、Fe、Mg、Nb、Ti、Al、Zrより選ばれる1種類以上の元素又はVOを示す)、チタン酸リチウム(LiTi12)、LiNiCoAl(0.9<x+y+z<1.1)等の複合金属酸化物が挙げられる。
正極活物質層24における正極活物質26の構成比率は、質量比で80%以上90%以下であることが好ましい。また正極活物質層24における導電材28の構成比率は、質量比で0.5%以上10%以下であることが好ましく、正極活物質層24におけるバインダーの構成比率は、質量比で0.5%以上10%以下であることが好ましい。
(正極バインダー)
バインダーは、活物質同士を結合すると共に、活物質と正極集電体22とを結合する。バインダーは、上述の結合が可能なものであればよく、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリエーテルスルホン(PESU)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)等のフッ素樹脂が挙げられる。
また、上記の他に、バインダーとして、例えば、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−HFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−HFPTFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−PFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PFP−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PFMVE−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−クロロトリフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−CTFE系フッ素ゴム)等のビニリデンフルオライド系フッ素ゴムを用いてもよい。
また、バインダーとして電子伝導性の導電性高分子やイオン伝導性の導電性高分子を用いてもよい。電子伝導性の導電性高分子としては、例えば、ポリアセチレン等が挙げられる。この場合は、バインダーが導電材の機能も発揮するので導電材を添加しなくてもよい。イオン伝導性の導電性高分子としては、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等の高分子化合物にリチウム塩又はリチウムを主体とするアルカリ金属塩と、を複合化させたもの等が挙げられる。
(正極集電体)
正極集電体22は、導電性の板材であればよく、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル箔の金属薄板を用いることができる。
(正極用導電助剤)
正極用導電助剤は、正極活物質層24の導電性を良好にするものであれば特に限定されず、公知の導電助剤を使用できる。例えば、黒鉛、カーボンブラック等の炭素系材料や、銅、ニッケル、ステンレス、鉄等の金属微粉、ITO等の導電性酸化物が挙げられる。
「負極」
(負極活物質層)
負極は、負極活物質層を有する。負極活物質層は、負極活物質を有し、必要に応じて負極バインダーと負極用導電助剤とをさらに有する。
(負極活物質)
負極活物質はリチウムイオンを吸蔵・放出可能な化合物であればよく、公知のリチウム二次電池用の負極活物質を使用できる。負極活物質としては、例えば、金属リチウム、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な黒鉛(天然黒鉛、人造黒鉛)、カーボンナノチューブ、難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素、低温度焼成炭素等の炭素材料、アルミニウム、シリコン、スズ等のリチウムと化合することのできる金属、SiO(0<x<2)、二酸化スズ等の酸化物を主体とする非晶質の化合物、チタン酸リチウム(LiTi12)等を含む粒子が挙げられる。
(負極集電体)
負極集電体32は、導電性の板材であればよく、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル箔の金属薄板を用いることができる。
(負極用導電助剤)
負極用導電助剤としては、例えば、カーボンブラック類等のカーボン粉末、カーボンナノチューブ、炭素材料、銅、ニッケル、ステンレス、鉄等の金属微粉、炭素材料及び金属微粉の混合物、ITO等の導電性酸化物が挙げられる。
(負極バインダー)
負極に用いるバインダーは正極と同様のものを使用できる。またこの他に、バインダーとして、例えば、セルロース、スチレン・ブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、アクリル樹脂等を用いてもよい。
負極活物質層34中の負極活物質、導電材及びバインダーの含有量は特に限定されない。負極活物質層34における負極活物質26の構成比率は、質量比で70%以上98%以下であることが好ましい。また負極活物質層34における導電材の構成比率は、質量比で1%以上20%以下であることが好ましく、負極活物質層34におけるバインダーの構成比率は、質量比で1%以上10%以下であることが好ましい。
負極活物質とバインダーの含有量を上記範囲とすることにより、得られた負極活物質層34において、バインダーの量が少なすぎて強固な負極活物質層を形成できなくなる傾向を抑制できる。また、電気容量に寄与しないバインダーの量が多くなり、十分な体積エネルギー密度を得ることが困難となる傾向も抑制できる。
「セパレータ」
セパレータ10は、電気絶縁性の多孔質構造から形成されていればよく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン又はポリオレフィンからなるフィルムの単層体、積層体や上記樹脂の混合物の延伸膜、或いはセルロース、ポリエステル及びポリプロピレンからなる群より選択される少なくとも1種の構成材料からなる繊維不織布が挙げられる。
「ケース」
ケース50は、その内部に積層体40及び電解質を密封するものである。ケース50は、電解質の外部への漏出や、外部からのリチウム二次電池100内部への水分等の侵入等を抑止できる物であれば特に限定されない。
例えば、ケース50として、図1に示すように、金属箔52を高分子膜54で両側からコーティングした金属ラミネートフィルムを利用できる。金属箔52としては例えばアルミ箔を、高分子膜54としてはポリプロピレン等の膜を利用できる。例えば、外側の高分子膜54の材料としては融点の高い高分子、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド等が好ましく、内側の高分子膜54の材料としてはポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等が好ましい。
「リード」
リード60、62は、アルミ等の導電材料から形成されている。リード60、62を正極集電体22、負極集電体32にそれぞれ溶接し、正極20の正極活物質層24と負極30の負極活物質層34との間にセパレータ10を挟んだ状態で、電解質と共にケース50内に挿入し、ケース50の入り口をシールする。
[二次電池の製造方法]
本実施形態にかかるリチウム二次電池100の製造方法について説明する。
まず正極活物質26、バインダー及び溶媒を混合する。必要に応じ導電材28を更に加えても良い。溶媒としては例えば、水、N−メチル−2−ピロリドン等を用いることができる。正極活物質26、導電材28、バインダーの構成比率は、質量比で80wt%〜98wt%:0.1wt%〜10wt%:0.1wt%〜10wt%であることが好ましい。これらの質量比は、全体で100wt%となるように調整される。
塗料を構成する成分の混合方法は特に制限されず、混合順序もまた特に制限されない。上記塗料を、正極集電体22に塗布する。塗布方法としては、特に制限はなく、通常電極を作製する場合に採用される方法を用いることができる。例えば、スリットダイコート法、ドクターブレード法が挙げられる。負極についても、同様に負極集電体32上に塗料を塗布する。
続いて、正極集電体22及び負極集電体32上に塗布された塗料中の溶媒を除去する。除去方法は特に限定されない。例えば、塗料が塗布された正極集電体22及び負極集電体32を、80℃〜150℃の雰囲気下で乾燥させればよい。
そして、このようにして正極活物質層24、負極活物質層34が形成された電極を必要に応じ、ロールプレス装置等によりプレス処理を行う。ロールプレスの線圧は用いる材料によって異なるが、正極活物質層24の密度が所定の値となるように調整する。正極活物質層24の密度と線圧との関係は、正極活物質層24を構成する材料比率との関係を踏まえた事前検討により求めることができる。
次いで、正極活物質層24を有する正極20と、負極活物質層34を有する負極30と、正極と負極との間に介在するセパレータ10と、電解質と、をケース50内に封入する。
例えば、正極20と、負極30と、セパレータ10とを積層し、予め作製した袋状のケース50に、積層体40を入れる。
最後に本実施態様の電解質をケース50内に注入し、ケース50を真空封止することにより、リチウム二次電池が作製される。なお、ケースに電解質を注入するのではなく、積層体40を電解質に含浸させてもよい。正極活物質層24は所定の密度に調整されているため、電解質は正極活物質層24内に形成される空隙K内に充分含浸する。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。
以下に示す手順により、実施例1〜60および比較例1〜6の二次電池用電解質を作製し、その電解質を用いる二次電池を作製した。充電サイクルなどの評価を行った。
なお、実施例1〜60に用いた化合物について、表1〜3および5に示した。具体的には、化学式(1)で表される化合物(A)としては、化合物No.と、化学式(1)のn、m、R、R、Rにそれぞれ該当する構造式を記載した。
Figure 2018170266
(式中、nは2〜10の整数であり、mは1〜10の整数であり、R、Rは、それぞれ独立して炭素数1〜4のアルコキシ基であり、Rは水素原子、メチル基、エチル基である。)
また、比較例1〜3に用いた化合物について、表4に示した。具体的には、化学式(1)で表される化合物(A’)としては、化合物No.と、化学式(1)のn、m、R、R、Rにそれぞれ該当する構造式を記載した。
Figure 2018170266
(式中、nは1、15の整数であり、mは3の整数であり、R、Rは、それぞれ独立してメトキシ基、エトキシ基であり、Rはメチル基である。)
「化合物(A)の合成」
(合成例1)
化合物No.1の合成方法を以下に示す。
Figure 2018170266
(合成例2〜30、32〜45)
化合物No.1と同様の方法で化合物No.2〜30、32〜45を合成した。それぞれの構造は表1〜表4に示す。
(合成例31)
化合物No.31の合成方法を以下に示す。
Figure 2018170266
「二次電池のサイクル特性の評価方法」
二次電池のサイクル特性の評価を、以下に示す方法により行う。
LiCoO正極−リチウム金属箔からなる単極セルのシート状二次電池を、電極間の密着性を高めるためにガラス板で挟んだ状態で、25℃において、0.1Cに相当する定電流で4.4Vまで充電し、0.1Cに相当する定電流で3Vまで放電するサイクルを5サイクル行い、二次電池を安定させる。5サイクル目以降は、0.2Cの定電流で4.4Vまで充電し、さらに4.4Vの定電圧で電流値が0.02Cになるまで充電を行い、0.2Cの定電流で3Vまで放電するサイクルを繰り返し、一回目の放電容量に対する80サイクル目の放電容量の維持率を評価成績とする。
ただし、1Cとは電池の基準容量を1時間で放電する電流値を表し、0.2Cとはその1/5の電流値を表す。
また、充電電圧を4.4Vから4.5Vとする条件についても、前述と同様のサイクル特性の評価を行う。
「二次電池電解質と評価用二次電池の作製と評価」
(実施例1)
<電解質の作製>
化合物No.1とリチウム塩であるLiN(SOCFとをモル比1:1で混合して電解質を作成した。
<電極の作製>
正極活物質としてLiCoO(AGCセイミケミカル社製、商品名「セリオンC」)、正極導電助材としてカーボンブラック(電気化学工業社製、商品名「デンカブラック」)、およびバインダーとしてポリフッ化ビニリデンを準備した。これらを混合し、溶媒としてのN−メチル−2−ピロリドンを加えてスラリー状とし、該スラリーを厚さ20μmのアルミニウム箔からなる正極集電体上に均一に塗布した。正極活物質と導電材とバインダーの質量比は、95:2:3とした。塗布後に、溶媒は除去した。その後正極活物質層の密度が3.0g/cmになるようにプレスして正極シートを作製した。
負極活物質として金属リチウムを用い、厚さ100μmの金属リチウム箔を銅箔からなる負極集電体上へ貼り付け、負極シートを作製した。
<評価用リチウムイオン二次電池の作製>
上記で作製した正極および負極と、それらの間にポリエチレン微多孔膜からなるセパレータを挟んでケースに入れ、このケースに、上記で調整した電解質を注入した後、真空シールし、評価用のリチウムイオン二次電池を作製した。
<二次電池のサイクル特性の評価>
前述の評価方法を用いて、充電電圧を4.4V、4.5Vとする条件について、サイクル特性の評価を行った。それぞれの評価結果を表1に示す。
(実施例2〜42)
合成例2〜42で得られた化合物No.2〜42をそれぞれ用いる以外は、実施例1と同様に、実施例2〜42の電解質を作製し、評価用のリチウムイオン二次電池を作製した。
実施例1と同様の方法で、得られたリチウムイオン二次電池を評価した。それぞれの結果を表1〜表3に示す。
(実施例43)
合成例1で得られた化合物No.1を用い、化合物No.1とリチウム塩であるLiN(SOCFとの混合モル比は、化合物No.1に対してリチウム塩が0.45モル倍であること以外は、実施例1と同様に電解質を作製し、評価用のリチウムイオン二次電池を作製した。
実施例1と同様の方法で、得られたリチウムイオン二次電池を評価した。それぞれの結果を表3に示す。
(実施例44)
合成例1で得られた化合物No.1を用い、化合物No.1とリチウム塩であるLiN(SOCFとの混合モル比は、化合物No.1に対してリチウム塩が0.50モル倍であること以外は、実施例1と同様に電解質を作製し、評価用のリチウムイオン二次電池を作製した。
実施例1と同様の方法で、得られたリチウムイオン二次電池を評価した。それぞれの結果を表3に示す。
(実施例45)
合成例1で得られた化合物No.1を用い、化合物No.1とリチウム塩であるLiN(SOCFとの混合モル比は、化合物No.1に対してリチウム塩が2.00モル倍であること以外は、実施例1と同様に電解質を作製し、評価用のリチウムイオン二次電池を作製した。
実施例1と同様の方法で、得られたリチウムイオン二次電池を評価した。それぞれの結果を表3に示す。
(実施例46)
合成例1で得られた化合物No.1を用い、化合物No.1とリチウム塩であるLiN(SOCFとの混合モル比は、化合物No.1に対してリチウム塩が3.00モル倍であること以外は、実施例1と同様に電解質を作製し、評価用のリチウムイオン二次電池を作製した。
実施例1と同様の方法で、得られたリチウムイオン二次電池を評価した。それぞれの結果を表3に示す。
(実施例47)
合成例1で得られた化合物No.1を用い、化合物No.1とリチウム塩であるLiN(SOCFとの混合モル比は、化合物No.1に対してリチウム塩が3.50モル倍であること以外は、実施例1と同様に電解質を作製し、評価用のリチウムイオン二次電池を作製した。
実施例1と同様の方法で、得られたリチウムイオン二次電池を評価した。それぞれの結果を表3に示す。
(比較例1〜3)
化合物No.43〜45をそれぞれ用いる以外は、実施例1と同様に、電解質を作製し、評価用のリチウムイオン二次電池を作製した。
実施例1と同様の方法で、得られたリチウムイオン二次電池を評価した。それぞれの結果を表4に示す。
(比較例4〜6)
下記化学式(9)〜(11)でそれぞれ表す化合物No.46〜48をそれぞれ用いる以外は、実施例1と同様に、電解質を作製し、評価用のリチウムイオン二次電池を作製した。
実施例1と同様の方法で、得られたリチウムイオン二次電池を評価した。それぞれの結果を表4に示す。
Figure 2018170266
Figure 2018170266
Figure 2018170266
(実施例48〜55)
合成例1で得られた化合物No.1と混合するリチウム塩として、表5に示すリチウム塩を用いたこと以外は、実施例1と同様に電解質を作製し、評価用のリチウムイオン二次電池を作製した。
実施例1と同様の方法で、得られたリチウムイオン二次電池を評価した。それぞれの結果を表5に示す。
(実施例56〜60)
表5に示す正極活物質を用いたこと以外は、実施例1と同様に、評価用のリチウムイオン二次電池を作製した。
実施例1と同様の方法で、得られたリチウムイオン二次電池を評価した。それぞれの結果を表5に示す。
表1〜5に、実施例1〜60および比較例1〜6の二次電池のサイクル特性の評価結果をまとめた。
表1〜5に示すように、本発明の化合物(A)を含む電解質を備える実施例1〜60の二次電池は、充電電圧4.4V、4.5Vの全ての条件において、比較例1〜6の二次電池よりもサイクル特性に優れる。
Figure 2018170266
Figure 2018170266
Figure 2018170266
Figure 2018170266
Figure 2018170266
注1:上記化学式(9)で表す化合物No.46
注2:上記化学式(10)で表す化合物No.47
注3:上記化学式(11)で表す化合物No.48
10…セパレータ、20…正極、22…正極集電体、24…正極活物質層、30…負極、32…負極集電体、34…負極活物質層、40…積層体、50…ケース、60,62…リード、100…リチウム二次電池

Claims (3)

  1. リチウム塩と
    化学式(1)で表される化合物(A)と
    を含有することを特徴とする二次電池用電解質。
    Figure 2018170266
    (式中、nは2〜10の整数であり、mは1〜10の整数であり、R、Rは、それぞれ独立して置換又は無置換の炭素数1〜6のアルコキシ基であり、Rは水素原子又は置換もしくは無置換の炭素数1〜2のアルキル基である。)
  2. 前記リチウム塩の含有量が、前記化合物(A)に対して0.5〜3倍モルであることを特徴とする請求項1に記載の二次電池用電解質。
  3. 請求項1又は請求項2のいずれかに記載の二次電池用電解質を有する二次電池。
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