JP2017191708A - リチウムイオン電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】難燃性及びサイクル特性に優れるリチウムイオン電池を提供する。【解決手段】正極と、負極と、電解液と、を備え、前記電解液が、ヘキサフルオロリン酸リチウムと、環状ホスファゼン化合物と、非水溶媒と、を含み、前記非水溶媒が、35質量%以上の高沸点カーボネートと65質量%以下の低沸点溶媒であり、前記環状ホスファゼン化合物がアミノ基を置換基として含み、前記ホスファゼン化合物の含有量が、前記電解液の全量を基準として1〜3質量%である、リチウムイオン電池。【選択図】図1

Description

本発明はリチウムイオン電池に関するものである。
リチウムイオン電池は、高エネルギー密度の二次電池であり、その特性を活かして、ノートパソコンや携帯電話等のポータブル機器の電源に使用されている。
近年、リチウムイオン電池は、ポータブル機器用等の電子機器用途にとどまらず、太陽光又は風力発電といった自然エネルギー向け大規模蓄電システム用途への展開が期待されている。
例えば、下記特許文献1には、円筒型電池容器に正極、負極及びセパレータを捲回した電極捲回群を有する円筒形リチウムイオン電池が開示されている。このリチウムイオン電池は、放電容量30Ah以上であり、正極にはリチウム・マンガン複合酸化物を含む正極活物質合剤が用いられ、負極には非晶質炭素を含む負極活物質合剤が用いられている。
一方、リチウムイオン電池は、電解液として、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、γ−ブチロラクトン(GBL)、γ−バレロラクトン(GVL)等の環状エステル、及びジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)等の鎖状エステルからなる混合有機溶媒に、リチウム塩を溶解した溶液を使用されている。
しかしながら、このような有機溶媒は可燃性物質として引火又は発火の可能性が高いという課題がある。この課題を解決する目的で、前記電解液に環状ホスファゼン化合物等のリン系化合物を添加して、電解液を難燃化させる検討がされている(例えば、特許文献2等)。
国際公開第2013/128677号 特開2013−54888号
しかしながら、特許文献2に記載されているように、難燃剤として環状ホスファゼン化合物を電解液に用いたリチウムイオン電池は、難燃性には優れるものの、電池特性が十分でない。
また、特許文献2では、環状ホスファゼン化合物を用いた電解液に、イオン液体を混合することで難燃性を向上させているが、イオン液体を添加すると増粘による電池特性の低下が懸念される。よって難燃性と電池特性を高度に両立するためには、難燃剤として環状ホスファゼン化合物を電解液に用いるだけでは、困難である。
そこで本発明者らは鋭意検討した結果、非水溶媒に含まれる高沸点カーボネートの割合を増やし、低沸点カーボネートの割合を減らすことで、難燃剤添加量を減少させることで、難燃性及びサイクル特性を両立できることを見出した。また、置換基としてアミノ基を有する環状ホスファゼン化合物を用いることで、さらに難燃剤添加量を減少させることが可能であり、難燃性及びサイクル特性を高度に両立できることを見出した。具体的な手段は以下の通りである。
<1>電解液が、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)と、環状ホスファゼン化合物と、非水溶媒と、を含み、
前記非水溶媒が、35質量%以上の高沸点カーボネート及び65質量%以下の低沸点カーボネートであり、
前記環状ホスファゼン化合物がアミノ基を置換基として含み、
前記ホスファゼン化合物の含有量が、前記電解液の全量を基準として1質量%〜3質量%である、リチウムイオン電池。
<2>前記環状ホスファゼン化合物は下記式(I)に示す化合物である<1>記載のリチウムイオン電池。
Figure 2017191708
[式(I)中、R、R、R、R、Rは、それぞれ独立にハロゲン原子を表し、Rは、アミノ基を表す。]
<3>前記高沸点溶媒としてエチレンカーボネートを含み、前記低沸点溶媒としてジメチルカーボネートを含む<1>記載のリチウムイオン電池。
本発明によれば、難燃性及びサイクル特性に優れるリチウムイオン電池を提供することができる。
本発明が適用可能なリチウムイオン二次電池の断面図である。
内容の具体例を示すものであり、本発明がこれらの説明に限定されるものではなく、本明細書に開示される技術的思想の範囲内において当業者による様々な変更及び修正が可能である。以下の実施の形態においてA〜Bとして範囲を示す場合には、特に明示した場合を除き、A以上、B以下を示すものとする。
[電解液]
(非水溶媒)
非水溶媒は高沸点カーボネート及び低沸点カーボネートを含む。なお、沸点とは1気圧における実測値、または1気圧の沸点に換算した値を指す。
高沸点カーボネートとは、沸点が120℃以上の環状カーボネートを指す。具体的には例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート等が挙げられる。中でも、エチレンカーボネートが好ましい。
電解液中の高沸点カーボネートの含有量は、難燃性を向上させ、さらに環状ホスファゼン化合物の添加量を減らすことで電池特性を向上させる観点から、非水溶媒の全量を基準として、35質量%以上が好ましく、37.5質量%以上がより好ましく、40質量%以上が更に好ましい。実際の設計上の観点からは、60質量%以下であることが好ましい。
低沸点カーボネートとは、沸点が120℃未満のカーボネートを指す。具体的には例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−n−プロピルカーボネート等の対称鎖状カーボネート類;エチルメチルカーボネート、メチル−n−プロピルカーボネート、エチル−n−プロピルカーボネート等の非対称鎖状カーボネート類などが挙げられ、中でも、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネートが好ましい。
電解液中の低沸点カーボネートの含有量は、難燃性を向上させ、さらに環状ホスファゼン化合物の添加量を減らすことで電池特性を向上させる観点から、非水溶媒の全量を基準として、65質量%以下が好ましく、62.5質量%以下がより好ましく、60質量%以下が更に好ましい。実際の設計上の観点からは、40質量%以上であることが好ましい。
非水溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよいが、2種以上を併用することが好ましい。
また、リチウムイオン電池用電解液は、ビニレンカーボネート又はフルオロエチレンカーボネートを含んでいてもよい。特に、後述するリチウムイオン電池の負極板が、負極活物質層を設けた負極集電体であり、当該負極活物質層の負極活物質が炭素材料である場合、リチウムイオン電池用電解液は、サイクル特性に優れる観点から、ビニレンカーボネート又はフルオロエチレンカーボネートを含むことが好ましい。
(リチウム塩)
電解液は、リチウム塩としてヘキサフルオロリン酸リチウムを含む。ヘキサフルオロリン酸リチウムは化学式LiPFで表されるリチウム塩である。
更に、電解液は、リチウム塩として、テトラフルオロホウ酸リチウム及びリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド以外のリチウム塩を含んでいてもよい。
そのようなリチウム塩としては、例えば次のものが挙げられる。
無機リチウム塩:LiBF、LiAsF、LiSbF等の無機フッ化物塩;LiClO、LiBrO、LiIO等の過ハロゲン酸塩;LiAlCl等の無機塩化物塩などがある。
含フッ素有機リチウム塩:FSO等のパーフルオロアルカンスルホン酸塩;LiN(CFSO、LiN(CFCFSO、LiN(CFSO)(CSO)等のパーフルオロアルカンスルホニルイミド塩;LiC(CFSO等のパーフルオロアルカンスルホニルメチド塩;Li[PF(CFCFCF)]、Li[PF(CFCFCF]、Li[PF(CFCFCF]、Li[PF(CFCFCFCF)]、Li[PF(CFCFCFCF]、Li[PF(CFCFCFCF]等のフルオロアルキルフッ化リン酸塩などがある。
オキサラトボレート塩:リチウムビス(オキサラト)ボレート、リチウムジフルオロオキサラトボレート等がある。
これらは、1種以上を任意の割合でLiPFに加えて併用して用いてもよい。
リチウム塩の電解液中の濃度(電解液中に含まれる全てのリチウム塩の合計濃度)は、特に制限はないが、イオン伝導度の観点から、0.5mol/L以上が好ましく、0.8mol/L以上がより好ましく、1.0mol/L以上が更に好ましく、1.1mol/L以上が特に好ましい。また、その上限は、2.0mol/L以下が好ましく、1.8mol/L以下がより好ましく、1.6mol/L以下が更に好ましく、1.4mol/L以下が特に好ましい。
ヘキサフルオロリン酸リチウムの電解液中の濃度は、イオン伝導度の観点から、全リチウム塩濃度中の50mol%以上が好ましく、60mol%以上がより好ましく、65mol%以上が更に好ましい。また、その上限は、99mol%以下、好ましくは95mol%以下、より好ましくは90mol%以下である。
(環状ホスファゼン化合物)
電解液は、環状ホスファゼン化合物を含む。環状ホスファゼン化合物は難燃剤として作用し得る。環状ホスファゼン化合物としては、具体的には、上記式(I)で表される環状ホスファゼン化合物等が挙げられる。式(I)中、R、R、R、R、Rは、それぞれ独立にハロゲン原子を表し、Rは、アミノ基を表す。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。ハロゲン原子としては、臭素原子か塩素原子かフッ素原子が好ましく、難燃性に更に優れる観点から、フッ素原子が好ましい。
におけるアミノ基としては、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基などが挙げられる。アミノ基としては、難燃性に優れる観点から、ジメチルアミノ基もしくはメチルアミノ基が好ましく、更に難燃性に優れる観点から、ジメチルアミノ基が好ましい。
環状ホスファゼン化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の割合で併用してもよい。
電解液中の環状ホスファゼン化合物の含有量は、難燃性及びサイクル特性を更に高度に両立する観点から、電解液の全量を基準として、0.1〜10質量%が好ましく、0.3〜7質量%がより好ましく、0.5〜5質量%が更に好ましく、1〜3質量%が特に好ましい。
(他の成分)
電解液は、上述した成分以外の他の成分を含有していてもよい。このような成分としては、リチウムイオン電池用電解液に使用されるものであれば特に制限はないが、窒素及び/又は硫黄を含有する複素環化合物、環状カルボン酸エステル分子内に不飽和結合を有する化合物等が挙げられる。
窒素及び/又は硫黄を含有する複素環化合物としては、特に限定はないが、1−メチル−2−ピロリジノン、1,3−ジメチル−2−ピロリジノン、1−メチル−1,3−プロパンスルトン、3−メチル−1,3−プロパンスルトン、1,4−ブタンスルトン、1,3−プロペンスルトン、1,4−ブテンスルトン等のスルトン類などが挙げられる。
環状カルボン酸エステルとしては、特に限定はないが、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、等が挙げられる。
分子内に不飽和結合を有する化合物としては、特に限定はないが、ビニルエチレンカーボネート、ジビニルエチレンカーボネート、メチルビニルカーボネート、エチルビニルカーボネート、プロピルビニルカーボネート、ジビニルカーボネート、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アクリル酸ビニル、クロトン酸ビニル、メタクリル酸ビニル、酢酸アリル、プロピオン酸アリル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、などが挙げられる。
また、他の成分は、例えば、過充電防止剤、負極被膜形成剤、正極保護剤等の添加剤であってもよい。
過充電防止剤としては、ビフェニル、アルキルビフェニル、ターフェニル、ターフェニルの部分水素化物、シクロヘキシルベンゼン、t−ブチルベンゼン、t−アミルベンゼン、ジフェニルエーテル、ジベンゾフラン等の芳香族化合物;2−フルオロビフェニル、o−シクロヘキシルフルオロベンゼン、p−シクロヘキシルフルオロベンゼン等の前記芳香族化合物の部分フッ素化物;2,4−ジフルオロアニソール、2,5−ジフルオロアニソール、2,6−ジフルオロアニソール、3,5−ジフルオロアニソール等の含フッ素アニソール化合物などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
負極被膜形成剤としては、無水コハク酸、無水グルタル酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水グルタコン酸、無水イタコン酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物等が挙げられ、無水コハク酸、無水マレイン酸が好ましい。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
正極保護剤としては、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ジメチルサルファイト、ジエチルサルファイト、メタンスルホン酸メチル、ブスルファン、トルエンスルホン酸メチル、ジメチルサルフェート、ジエチルサルフェート、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン等が挙げられ、メタンスルホン酸メチル、ブスルファン、ジメチルスルホンが好ましい。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
リチウムイオン電池用電解液は、上述した成分を混合して調製される。
[リチウムイオン電池]
本実施形態のリチウムイオン電池は、上述したリチウムイオン電池用電解液と、正極板(正極)と、負極板(負極)と、前記正極板及び前記負極板の間に介在するセパレータと、を備える。電解液は、正極及び負極に接している。
正極板と負極板とをセパレータを介し積層してなる積層体を捲回した捲回型リチウムイオン二次電池について説明するが、本発明の実施形態はこれに制限されない。他の実施形態としては、例えば、正極板と負極板とをセパレータを介して積層した積層型リチウムイオン電池等を挙げることができる。
(1)リチウムイオン電池の構成
まず、リチウムイオン電池の概要について簡単に説明する。リチウムイオン電池は、電池容器内に、正極、負極、セパレータおよび電解液を有している。正極と負極との間にはセパレータが配置されている。
リチウムイオン電池を充電する際には、正極と負極との間に充電器を接続する。充電時においては、正極活物質内に挿入されているリチウムイオンが脱離し、電解液中に放出される。電解液中に放出されたリチウムイオンは、電解液中を移動し、微多孔質膜からなるセパレータを通過して、負極に到達する。この負極に到達したリチウムイオンは、負極を構成する負極活物質内に挿入される。
放電する際には、正極と負極の間に外部負荷を接続する。放電時においては、負極活物質内に挿入されていたリチウムイオンが脱離して電解液中に放出される。このとき、負極から電子が放出される。そして、電解液中に放出されたリチウムイオンは、電解液中を移動し、微多孔質膜からなるセパレータを通過して、正極に到達する。この正極に到達したリチウムイオンは、正極を構成する正極活物質内に挿入される。このとき、正極活物質にリチウムイオンが挿入することにより、正極に電子が流れ込む。このようにして、負極から正極に電子が移動することにより放電が行われる。
このように、リチウムイオンを正極活物質と負極活物質との間で挿入・脱離することにより、充放電することができる。なお、実際のリチウムイオン電池の構成例については、後述する(例えば、図1参照)。
次いで、本実施の形態のリチウムイオン電池の構成要素である正極、負極、電解液、セパレータおよびその他の構成部材に関し順次説明する。
(2)リチウムイオン電池用電解液
リチウムイオン電池の電池容器には、上述のリチウムイオン電池用電解液が収容されている。
(3)正極板
正極板は、通常、正極活物質層を設けた正極集電体である。
正極集電体の材料に制限はないが、正極集電体の材料としてはアルミニウムがより好ましい。
正極集電体は任意の形態のものでよいが、金属薄膜が好ましい。なお、薄膜はメッシュ状でもよい。薄膜の厚さは任意であるが、1μm以上が好ましく、3μm以上がより好ましく、5μm以上が更に好ましい。薄膜の厚さが1μm未満であると、正極集電体として必要な強度が不足する場合がある。薄膜の厚さは、1mm以下が好ましく、100μm以下がより好ましく、50μm以下が更に好ましい。薄膜の厚さが1mmを超えると、取り扱い性が損なわれる場合がある。
正極活物質層は、例えば、正極活物質及び結着材、並びに、必要に応じて正極用導電材等を含有する。
正極活物質としては、リチウムを挿入脱離、溶解析出可能なリチウムと遷移金属との複合酸化物を単独で又は2種以上混合して使用することができる。リチウムと遷移金属との複合酸化物としては、マンガン酸リチウム、ニッケル酸リチウム、コバルト酸リチウム、リチウムリン酸鉄等が挙げられる。これらの複合酸化物は、単相のもの、遷移金属の一部を異種元素で置換したもの、又は、表面を酸化物や炭素でコーティングしたものでもよい。
正極活物質としては、安全性を更に向上できる観点から、スピネル型リチウム・マンガン酸化物(sp−Mn)を用いることが好ましい。正極活物質としては、高容量化の観点から、層状型リチウム・ニッケル・マンガン・コバルト複合酸化物(NMC)を用いることが好ましい。正極活物質としては、安全性及び高容量化の観点から、スピネル型リチウム・マンガン酸化物(sp−Mn)と層状型リチウム・ニッケル・マンガン・コバルト複合酸化物(NMC)とを併用して用いることが好ましい。
スピネル型リチウム・マンガン酸化物(sp−Mn)と層状型リチウム・ニッケル・マンガン・コバルト複合酸化物(NMC)とを正極活物質として用いる場合、その質量比(混合比)であるNMC/sp−Mnは、10/90以上90/10以下が好ましく、30/70以上85/15以下がより好ましく、50/50以上80/20以下が更に好ましい。活物質の質量比(NMC/sp−Mn)が10/90以上であると、電池のエネルギー密度が向上する傾向がある。活物質の質量比(NMC/sp−Mn)が90/10以下であると、安全性が向上する傾向がある。
スピネル型リチウム・マンガン酸化物(sp−Mn)としては、以下の組成式(i)で表されるものを用いることが好ましい。
Li(1+η)Mn(2−λ)M’λ …(i)
上記組成式(i)において、(1+η)はLi(リチウム)の組成比、(2−λ)はMn(マンガン)の組成比、λは元素M’の組成比を示す。0≦η≦0.2、0≦λ≦0.1である。O(酸素)の組成比は4である。元素M’としては、例えば、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Al(アルミニウム)、Ga(ガリウム)、Zn(亜鉛)及びCu(銅)からなる群より選択される少なくとも1種の元素が挙げられる。
層状型リチウム・ニッケル・マンガン・コバルト複合酸化物(NMC)としては、以下の組成式(ii)で表されるものを用いることが好ましい。
Li(1+δ)MnNiCo(1−x−y−z) …(ii)
上記組成式(ii)において、(1+δ)はLi(リチウム)の組成比、xはMn(マンガン)の組成比、yはNi(ニッケル)の組成比、(1−x−y−z)はCo(コバルト)の組成比を示す。zは元素Mの組成比を示す。−0.15<δ<0.15、0.1<x≦0.5、0.6<x+y+z≦1.0、0≦z≦0.1である。O(酸素)の組成比は2である。元素Mとしては、例えば、Ti(チタン)、Zr(ジルコニウム)、Nb(ニオブ)、Mo(モリブデン)、W(タングステン)、Al(アルミニウム)、Si(シリコン)、Ga(ガリウム)、Ge(ゲルマニウム)及びSn(錫)からなる群より選択される少なくとも1種の元素が挙げられる。
このように、正極用の活物質(正極活物質)として、スピネル型リチウム・マンガン酸化物(sp−Mn)と層状型リチウム・ニッケル・マンガン・コバルト複合酸化物(NMC)との混合物を用いることで、高容量化しても、充電時の正極の安定性を高め、発熱を抑制することができる。その結果、安全性に優れた電池を提供することができる。また、サイクル特性や貯蔵特性も更に優れたものとすることができる。
上記組成式(i)における元素M’としては、Mg又はAlを用いることが好ましい。MgやAlを用いることにより、電池の長寿命化を図ることができる。また、電池の安全性の向上を図ることができる。
正極活物質としてスピネル型リチウム・マンガン酸化物(sp−Mn)を用いた場合、充電状態において化合物中のMnが安定であるため、充電反応による発熱を抑制できる。これにより、電池の安全性を向上させることができる。すなわち、正極における発熱を抑制でき、電池の安全性を高めることができる。
結着材としては、正極の安定性の観点から、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン・フッ化ビニリデン共重合体等のフッ素系高分子が好ましい。スチレンブタジエンゴムやアクリレート系重合体も好適に使用できる。
正極用導電材に制限はないが、正極用導電材としては、銅、ニッケル等の金属材料;天然黒鉛、人造黒鉛等の黒鉛(グラファイト);アセチレンブラック等のカーボンブラック;ニードルコークス等の無定形炭素等の炭素材料などが挙げられる。なお、これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の割合で併用してもよい。
正極板は、正極集電体に正極活物質層を設けて作製してもよいし、正極集電体となる材料上に正極活物質層を設けて正極合材とし、これを適当な手段(例えば切断)で任意の形態として作製してもよい。正極活物質層を設ける方法としては、正極活物質及び結着材、並びに、必要に応じて正極用導電材等を乾式で混合してシート状にしたものを正極集電体に圧着する方法、又は、これらの材料をN−メチル−2−ピロリドン等の溶媒に溶解、分散させてスラリーとし、正極集電体に塗布して乾燥する方法(塗布法)が挙げられる。塗布法の場合は、正極活物質の充填密度を上げるために、乾燥後、ハンドプレス、ローラープレス等により正極活物質層を圧密化することが好ましい。
(4)負極板
負極板は、通常、負極活物質層を設けた負極集電体である。
負極集電体の材料に制限はないが、加工し易さとコストの点から銅が負極集電体の材料として好ましい。
負極集電体は任意の形態のものでよいが、金属薄膜が好ましく、銅箔がより好ましく、圧延法による圧延銅箔又は電解法による電解銅箔が更に好ましい。銅箔の厚さが25μmよりも薄い場合は、純銅よりも強度の高い銅合金(リン青銅、チタン銅、コルソン合金、Cu−Cr−Zr合金等)を用いることができる。
負極活物質層は、例えば、電気化学的にリチウムイオンを吸蔵放出可能な負極活物質(リチウムの挿入脱離が可能な負極活物質)及び結着材、並びに、必要に応じて負極用導電材等を含有する。
負極活物質としては、炭素材料;金属複合酸化物;リチウムと化合物を形成し結晶間隙に挿入されることでリチウムを吸蔵放出できる14族元素(ケイ素、ゲルマニウム、スズ等)の酸化物若しくは窒化物;リチウム金属;リチウムアルミニウム合金等のリチウム合金;リチウムと合金形成可能な金属(スズやケイ素等)などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を任意の割合で併用してもよい。
金属複合酸化物は、リチウムを吸蔵放出可能であれば特に制限されないが、充放電特性(特に高電流密度充放電特性)に更に優れる観点から、金属成分としてチタン又はリチウムを含有していることが好ましい。
炭素材料としては、非晶質炭素、天然黒鉛、天然黒鉛に乾式のCVD(Chemical Vapor Deposition)法又は湿式のスプレイ法等で被膜を形成した複合炭素材料、エポキシ樹脂やフェノール樹脂等の樹脂材料又は石油・石炭由来のピッチ系材料を焼成して得られる人造黒鉛、非晶質炭素材料などが挙げられる。
負極活物質としては、安全性に優れる点からは、炭素材料又は金属複合酸化物を用いることが好ましい。
負極活物質を結着する結着材としては、電解液や電極製造時に用いる溶媒に対して安定な材料であれば、特に制限はないが、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン・フッ化ビニリデン共重合体等のフッ素系高分子、スチレンブタジエンゴム、アクリレート系重合体が好ましい。
負極用導電材としては、天然黒鉛、人造黒鉛等の黒鉛(グラファイト)、アセチレンブラック等のカーボンブラック、ニードルコークス等の無定形炭素等の炭素材料などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の割合で併用してもよい。
負極板は、負極集電体に負極活物質層を設けて作製してもよいし、負極集電体となる材料上に負極活物質層を設けて負極合材とし、これを適当な手段(例えば切断)で任意の形態として作製してもよい。負極活物質層を設ける方法としては、負極活物質及び結着材、並びに、必要に応じて負極用導電材等をN−メチル−2−ピロリドン等の溶媒に溶解、分散させてスラリーとし、負極集電体に塗布して乾燥する方法が挙げられる。負極活物質の充填密度を上げるために、乾燥後、ハンドプレス、ローラープレス等により負極活物質層を圧密化することが好ましい。
(5)セパレータ
セパレータには、両極間を電子的に絶縁する所定の機械的強度を有し、イオン透過度が大きく、且つ、正極に接する側における酸化性と負極側における還元性への耐性を兼ね備える材料が使用される。
セパレータの材料としては、通常樹脂材料が使用される。樹脂材料としては、オレフィン系ポリマー(例えば、ポリプロピレン及びポリエチレン)が挙げられる。
セパレータは、電解液に対して安定で且つ保液性に優れた材料の中から選ぶことが好ましい。例えば、セパレータとしては、薄膜形状の多孔性フィルム、具体的には、ポリプロピレン及びポリエチレンの少なくとも一つを材料とする多孔性シートが挙げられる。
薄膜形状の多孔性フィルムとしては、孔径0.01〜1μm且つ厚み15〜50μmのフィルムが好ましい。また、その空孔率は、30〜50%が好ましく、35〜45%がより好ましい。
なお、セパレータは、1枚のセパレータでもよく、2枚以上のセパレータを積層したものでもよい。
負極及び正極の容量比(負極容量/正極容量)は、安全性とエネルギー密度に優れる観点から1.03〜1.3が好ましく、1.05〜1.2がより好ましい。
前記負極容量とは、「負極の放電容量」を示し、前記正極容量とは、「正極の初回充電容量−負極又は正極のどちらか大きい方の不可逆容量」を示す。ここで、「負極の放電容量」とは、負極活物質に挿入されているリチウムイオンが脱離されるときに充放電装置で算出されるものと定義する。「正極の初回充電容量」とは、正極活物質からリチウムイオンが脱離されるときに充放電装置で算出されるものと定義する。
負極及び正極の容量比は、例えば、「リチウムイオン二次電池の放電容量/負極の放電容量」からも算出することができる。前記リチウムイオン二次電池の放電容量は、例えば、4.2V、0.1〜0.5C、終止時間を2〜5時間とする定電流定電圧(CCCV)充電を行った後、0.1〜0.5Cで2.7Vまで定電流(CC)放電したときの条件で測定できる。前記負極の放電容量は、前記リチウムイオン二次電池の放電容量を測定した負極を所定の面積に切断し、対極としてリチウム金属を用い、電解液を含浸させたセパレータを介して単極セルを作製し、0V、0.1C、終止電流0.01Cで定電流定電圧(CCCV)充電を行った後、0.1Cで1.5Vまで定電流(CC)放電したときの条件で所定面積当たりの放電容量を測定し、これを前記リチウムイオン電池の負極として用いた総面積に換算することで算出できる。この単極セルにおいて、負極活物質にリチウムイオンが挿入される方向を充電と定義し、負極活物質に挿入されているリチウムイオンが脱離する方向を放電と定義する。なお、「C」とは“電流値(A)/電池の放電容量(Ah)”を意味する。
以下、実施例に基づき本実施の形態をさらに詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。
[正極板の作製]
正極板の作製を以下のように行った。正極活物質である層状型リチウム・ニッケル・マンガン・コバルト複合酸化物(NMC)とスピネル型リチウム・マンガン酸化物(sp−Mn)とを、所定の活物質の重量比(NMC/sp−Mn)で混合した。この正極活物質の混合物に、導電材として鱗片状の黒鉛(平均粒径:20μm)及びアセチレンブラックと、結着材としてポリフッ化ビニリデンとを順次添加し、混合することにより正極材料の混合物を得た。重量比は、活物質:導電材:結着材=90:5:5とした。さらに上記混合物に対し、分散溶媒であるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を添加し、混練することによりスラリーを形成した。このスラリーを正極用の集電体である厚さ20μmのアルミニウム箔の両面に実質的に均等かつ均質に塗布した。その後、乾燥処理を施し、所定密度までプレスにより圧密化した。正極合材密度は2.7g/cmとし、正極合材の片面塗布量120g/mとした。
[負極板の作製]
負極板の作製を以下のように行った。負極活物質として易黒鉛化性炭素(d002=0.35nm、平均粒径(D50)=10μm、リチウム電位に対して0.1Vとなる電位におけるSOCは70%)を用いた。この負極活物質に結着材としてポリフッ化ビニリデンを添加した。これらの重量比は、負極活物質:結着材=92:8とした。これに分散溶媒であるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を添加し、混練することによりスラリーを形成した。このスラリーを負極用の集電体である厚さ10μmの圧延銅箔の両面に実質的に均等かつ均質に所定量塗布した。負極合材密度は1.15g/cm とした。
[電池の作製]
上記正極板と上記負極板とを、これらが直接接触しないように厚さ30μmのポリエチレン製のセパレータを挟んで捲回する。このとき、正極板のリード片と負極板のリード片とが、それぞれ捲回群の互いに反対側の両端面に位置するようにする。また、正極板、負極板、セパレータの長さを調整し、捲回群径は65±0.1mmとした。
次いで、図1に示すように、正極板から導出されているリード片9を変形させ、その全てを正極側の鍔部7の底部付近に集合し、接触させる。正極側の鍔部7は、捲回群6の軸芯のほぼ延長線上にある極柱(正極外部端子1)の周囲から張り出すよう一体成形されており、底部と側部とを有する。その後、超音波溶接によりリード片9を鍔部7の底部に接続し固定する。負極板から導出されているリード片9と負極側の鍔部7の底部も同様に接続し固定する。この負極側の鍔部7は、捲回群6の軸芯のほぼ延長線上にある極柱(負極外部端子1’)周囲から張り出すよう一体成形されており、底部と側部とを有する。
その後、粘着テープを用い、正極外部端子1側の鍔部7の側部および負極外部端子1’の鍔部7の側部を覆い、絶縁被覆8を形成した。同様に、捲回群6の外周にも絶縁被覆8を形成した。例えば、この粘着テープを、正極外部端子1側の鍔部7の側部から捲回群6の外周面に亘って、さらに、捲回群6の外周面から負極外部端子1’側の鍔部7の側部に亘って、何重にも巻くことにより絶縁被覆8を形成する。絶縁被覆(粘着テープ)8としては、基材がポリイミドで、その片面にヘキサメタアクリレートからなる粘着材を塗布した粘着テープを用いた。捲回群6の最大径部がステンレス製の電池容器5内径よりも僅かに小さくなるように絶縁被覆8の厚さ(粘着テープの巻き数)を調整し、捲回群6を電池容器5内に挿入した。なお、電池容器5の外径は67mm、内径は66mmのものを用いた。
次いで、図1に示すように、セラミックワッシャ3’を、先端が正極外部端子1を構成する極柱および先端が負極外部端子1’を構成する極柱にそれぞれ嵌め込む。セラミックワッシャ3’は、アルミナ製であり、電池蓋4の裏面と当接する部分の厚さが2mm、内径16mm、外径25mmである。次いで、セラミックワッシャ3を電池蓋4に載置した状態で、正極外部端子1をセラミックワッシャ3に通し、また、他のセラミックワッシャ3を他の電池蓋4に載置した状態で、負極外部端子1’を他のセラミックワッシャ3に通す。セラミックワッシャ3は、アルミナ製であり、厚さ2mm、内径16mm、外径28mmの平板状である。
その後、電池蓋4の周端面を電池容器5の開口部に嵌合し、双方の接触部の全域をレーザー溶接する。このとき、正極外部端子1および負極外部端子1’は、それぞれ電池蓋4の中心にある穴(孔)を貫通して電池蓋4の外部に突出している。電池蓋4には、電池の内圧上昇に応じて開裂する開裂弁10が設けられている。なお、開裂弁10の開裂圧は、13〜18kgf/cmとした。
次いで、図1に示すように、金属ワッシャ11を、正極外部端子1および負極外部端子1’にそれぞれ嵌め込む。これによりセラミックワッシャ3上に金属ワッシャ11が配置される。金属ワッシャ11は、ナット2の底面より平滑な材料よりなる。
次いで、金属製のナット2を正極外部端子1および負極外部端子1’にそれぞれ螺着し、セラミックワッシャ3、金属ワッシャ11、セラミックワッシャ3’を介して電池蓋4を鍔部7とナット2と間で締め付けることにより固定する。このときの締め付けトルク値は70kgf・cmとした。なお、締め付け作業が終了するまで金属ワッシャ11は回転しなかった。この状態では、電池蓋4の裏面と鍔部7との間に介在させたゴム(EPDM)製のOリング12の圧縮により電池容器5の内部の発電要素は外気から遮断されている。
その後、電池蓋4に設けられた注液口13から電解液を所定量電池容器5内に注入し、その後、注液口13を封止することにより円筒形リチウムイオン電池20を完成させた。
電解液としては、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とエチルメチルカーボネート(EMC)を表1に示した体積比で混合した混合溶媒中に、6フッ化リン酸リチウム(LiPF)を1.1mol/L溶解し、添加剤としてビニレンカーボネート(VC)を0.8wt%添加して、ジメチルアミノ基を有する環状ホスファゼン化合物を添加したものを用いた。
[電池特性の評価]
このように作製したリチウムイオン電池の電池特性を以下に示す方法で評価した。
(レート特性の評価)
まず、25℃の環境下において4.2〜2.7Vの電圧範囲で、0.5Cの電流値による充放電サイクルを2回繰り返した。さらに、0.5Cの電流値で4.2Vまで電池を充電後、0.2Cの電流値で終止電圧2.7Vの定電流放電による放電を行い、この放電時の容量を電池容量とした。
レート特性は、以下のようにして算出した。まず、電流値0.5Cにおける放電容量及び電流値3Cにおける放電容量を測定した。上記電池容量を測定後、0.5Cの電流値で4.2Vまで電池を充電し、0.5Cの電流値で終止電圧2.7Vの定電流放電を行い、この放電時の容量を電流値0.5Cにおける放電容量とした。次に、0.5Cの電流値で4.2Vまで電池を充電し、3Cの電流値で終止電圧2.7Vの定電流放電を行い、この放電時の容量を電流値3Cにおける放電容量とした。以下の式によりレート特性(出力特性)を算出した。レート特性は、0.75以上1.0以下を「A」、0.65以上0.75未満を「B」、0.65未満を「C」と三段階で評価した。
レート特性=電流値3Cにおける放電容量/電流値0.5Cにおける放電容量
(サイクル特性の評価)
サイクル特性は、以下のようにして算出した。まず、25℃の環境下において4.2〜2.7Vの電圧範囲で、0.5Cの電流値による充放電サイクルを1回行った。続いて、0.5Cの電流値で4.2Vまで電池を充電後、0.2Cの電流値で終止電圧2.7Vの定電流放電による放電を行い、この放電時の容量を1回目の放電容量とした。さらに4.2〜2.7Vの電圧範囲で、0.5Cの電流値による充放電サイクルを100回繰り返し、100回目の放電時の容量を100回目の放電容量とした。以下の式によりサイクル特性を算出した。サイクル特性は、0.97以上1.0以下を「A」、0.97以上0.95未満を「B」、0.95未満を「C」と三段階で評価した。A又はBを良好な結果として評価した。
サイクル特性=1回目の放電容量/100回目の放電容量
[難燃性の評価]
前記電解液の難燃性を以下に示す方法で評価した。
日本板硝子株式会社のガラスフィルターろ紙を切り出して、難燃性評価用の短冊試験片を作製した。作製した短冊試験片は、幅40mm、長さ20.5mm、厚さ3mmであった。
上述のようにして作製した試験片に10gの電解液を含浸させ、上端部をクランプした後、垂直状態で保持し、各試験片の下端部からバーナーで接炎(1回目)を10±1秒間行い、その後、バーナーを試験片から離す。燃焼が消えたら直ちにバーナーをサンプルの下端部に戻し、接炎(2回目)を10±1秒間行った。この接炎を合計5回行い、試験片の自己消火性を記録した。ここで、「自己消火性」とは、離炎後に10秒±1秒以内で、試験片において炎が消えていることを意味する。5回の接炎ですべて自己消火性を確認できた場合を「A」、3回の接炎で自己消火性を確認できた場合を「B」、自己消火性を確認できない場合を「C」と評価した。A又はBを良好な結果として評価した。
電解液の含有成分及び電池特性の評価結果を表1に示す。なお、含有成分の含有量(単位:体積%、質量%、mol/L)は、電解液の全量を基準とした含有量である。
Figure 2017191708
表1に示されるとおり、実施例1では、レート特性及びサイクル特性に優れると共に難燃性にも優れることが確認される。一方、比較例1では、低沸点溶媒の割合が大きいため難燃性が充分でなく、比較例2及び3では難燃剤量が多いためレート特性及びサイクル特性が充分でなく、比較例4、5、6では環状ホスファゼン化合物のRがアミノ基でないため、レート特性及びサイクル特性が不十分で、比較例7では環状ホスファゼン化合物がないために難燃性が不十分であることが確認される。
1:正極外部端子
1’:負極外部端子
2:ナット
3、3’:セラミックワッシャ
4、4’:電池蓋
5:電池容器
6:捲回群
7:鍔部
8:絶縁被覆
9、9’:リード片
10:開裂弁
11:金属ワッシャ
12:Oリング
13:注液口
20:リチウムイオン電池

Claims (3)

  1. 正極と、負極と、電解液と、を備え、
    前記電解液が、ヘキサフルオロリン酸リチウムと、環状ホスファゼン化合物と、非水溶媒と、を含み、
    前記非水溶媒が、35質量%以上の高沸点カーボネートと65質量%以下の低沸点溶媒であり、
    前記環状ホスファゼン化合物がアミノ基を置換基として有し、
    前記環状ホスファゼン化合物の含有量が、前記電解液の全量を基準として1〜3質量%である、リチウムイオン電池。
  2. 前記環状ホスファゼン化合物は下記式(I)に示す化合物である請求項1に記載のリチウムイオン電池。
    Figure 2017191708
    [式(I)中、R、R、R、R、Rは、それぞれ独立にハロゲン原子を表し、Rは、アミノ基を表す。]
  3. 前記高沸点溶媒としてエチレンカーボネートを含み、前記低沸点溶媒としてジメチルカーボネートを含む請求項1記載のリチウムイオン電池。
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