JP2015000968A - インクジェットインキ、その製造方法及びその使用方法 - Google Patents

インクジェットインキ、その製造方法及びその使用方法 Download PDF

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Abstract

【課題】経口摂取が可能な材料でインキが構成され、かつ、十分な視認性、鮮明性、耐水性の要求にも応えることができるインキ、その製造方法及びその使用方法を提供する。【解決手段】本発明のインキは、酸化鉄と、分子量1万〜15万のヒドロキシプロピルセルロース(以下、「HPC」と略記)と、エタノールを主体としかつ水を含む溶剤とを必須成分とする。本発明の製造方法は、水及び/又はエタノールを必須とする第1溶剤に分子量1万〜15万のHPCを溶解させた第1樹脂溶液に、酸化鉄を分散させて分散体を得る第1工程と、エタノールを溶剤全体の50重量%以上含有する第2溶剤に分子量1万〜15万のHPC又は該HPCと導電剤の両方を溶解させた第2樹脂溶液と、前記の分散体とを混合する第2工程とを備える。本発明の使用方法は、エタノール、水及び導電剤を含んでなる希釈溶剤で前記インクジェットインキを希釈して用いる。【選択図】なし

Description

本発明は、食品(食品には薬用の錠剤を含む。以下同じ。)の表面、食品を包む包装材料、食品と接触する機会のある材料などに、インクジェットプリンタで印刷記録するために好適に使用されるインキに係り、特にエタノールによる乾燥性を向上させたインクジェットインキ、その製造方法及びその使用方法に関する。
近年、食品及び食品用包装材料には生産地、生産者、生産履歴などの表示が必要に、また品質に関しては賞味期限や製造日などの表示が必要になってきている。そして、これらの情報を表示することは、安全性の確認が行え、商品への安心感や信頼性が得られる。また、このような観点での対応から、品質の向上も図られる。
一方で、食品類ないし関連の包装材料に、文字、図形、デザインなどの加工を施すことも、購買意欲をそそる商品とするための重要な要素である。食品に直接記録する場合は、当然可食性の材料からなるインキを用いることが必要であるが、包装などの食品に関連した材料に記録する場合においても、可食性のインキ材料を使用すると、より安心感が得られる。このような観点から、食品素材ないし食品添加物からなる材料で構成されるインキが望まれている。
そこで、従来、食品関連への対応として、食品添加物からなるインキも知られているが、経口摂取が可能な材料からインキを調製することは、インキ材料に制約がある。また、このようなインキ材料は種類が少ないことから、一般のインクジェットインキと同様に調製することは困難であった。
すなわち、まず、水を主体とするインキがいくつか知られているが、耐水性が劣り、水に接触する対象物には使用できなかったり、濃色の記録対象物に対しては、透明性がありすぎて濃度も十分にでなかったりといった問題があった。
例えば、セラック樹脂をバインダーとし、エタノールと水を溶剤とし、鉄クロロフィリンナトリウムまたは(および)銅クロロフィリンナトリウムを着色剤として含む緑色インク組成物が知られている(特許文献1参照)。
このインキでは、使用されている銅クロロフィリンなどの着色剤が、アルコールに対して十分な溶解性を有するものでなく水溶性の色素であるから、インキの濃度を上げるためには多量の水の使用が不可欠である。そのため、このインキは本質的に水を主体とするもので、これに少量のエタノールを混合して用いるものであった。また、食品添加物で許可されていない材料をも一部に用いていた。
従って、このインキは、耐水性に優れ、食品表面への印字に適したインクジェットインキとされるものの、水を主体とする以上、上述の問題点が未だ解消されたものとはいえない。
また、ヤマモモ抽出物などを可食性の安定剤として含有するインキも知られている(特許文献2参照)。
このインキは、色素の耐光性を安定化させることを目的とするものであり、インキの組成は、水をインキ全体の70重量%以上も用いるインキであり、色素及び安定剤は、専ら水に対する溶解性を有するもので、エタノールはインキ全体の約20重量%程度しか使用されていない。
従って、このインキも、水を主体としたインキであって、水によって容易に色素、樹脂などが溶解されやすいものである。
また、印刷記録される対象物が透明なものであったり、あるいは逆に黒や濃度の濃い褐色系などである場合に、溶剤に溶解する有色の天然色素などで印刷を行なうと、インキが透明性を持ちすぎるため、必要とする印刷部分の不透明性が得られなかったり、下地の色により印字の効果が確認できないなどの問題が生じやすい。
さらに、水溶性樹脂をバインダーとして含有する水系ビヒクルに着色剤成分を配合し、さらに湿潤剤を添加してなる経口投与製品の印刷インキも知られている(特許文献3参照)。
このインキによれば、印刷時に印刷機器部品のクリーンアップインターバルを延長させ、印刷効率の向上を図ることができ、かつ印字性能を向上させて、より鮮明な印字が確実に得られるものであるとされるが、やはり、水を主体とするインキである。
以上の水系インキとは異なり、非水溶性溶媒を用いたインキ組成物も提案されている(特許文献4参照)。
このインキ組成物は、具体的には、ベンガラを非水溶性溶媒に分散させたものであり、滲みが小さく、印字濃度の高いものであるとされる。
しかし、非水溶性溶媒として食品への添加が認められているものは少なく、例えば、特許文献4の実施例で用いられているオクタンも着香の目的以外は食品への添加が認められていない。また、非水溶性溶媒を溶剤とするため、導電性の付与も困難である。
従って、インキの用途上の制約が十分に解消されていない。
そこで、以上の問題点を解決するものとして、本願出願人は、先に、色材として炭末色素を用いた食品用途の可食性インクジェットインキを提案している(特許文献5参照)。
特開昭53−127010号公報 特開平09−302294号公報 特開2001−31898号公報 特開2007−106913号公報 特開2010−248313号公報
本願出願人の先に出願した上記インキによれば、確かに、経口摂取が可能な材料でインキを構成し、かつ、十分な視認性、耐水性等の要求にも応えることができるが、色材が炭末色素であり、黒色ないし灰色のインキに限定されてしまう。
そこで、経口摂取が可能な材料でインキが構成され、かつ、十分な視認性、耐水性等の要求にも応えることができるインキを、炭末色素を用いた上記インキとは異なるインキ配合で別途新たに提供することを課題とした。
詳細には、本発明は、種々の食品、食品と接する材料、食品包装材料などに記録した場合においても十分な視認性を有するインクジェットインキの提供を目的とする。また、記録対象物が濃色の場合においても、染料のように透明なために視認性が低下するということがなく、不透明の明瞭な印刷記録を形成することを目的とする。また、種々の食品、食品に接する材料、食品包装材料などに記録した場合に水に濡れても、色素の溶出がなく、見た目に嫌悪感を生じさせないようなインキ及び記録された食品ないし包装材料などの提供を目的とする。また、食品や薬用の錠剤等への添加が許容される材料のみにより構成させたインキ、このインキにより記録された包装材料の提供を目的とし、特に、直接食品に接することがあって、また飲食に際して、食品が接する、あるいは、記録部分が、直接口に接触するような場合においても、衛生面に関する懸念を払拭することを目的とする。さらに、記録後のインキが耐光性や耐摩擦性に優れるインキとすることを目的とする。
本発明者らは、上記した従来の問題点を解決するために鋭意研究を重ねた結果、乾燥性向上のためにエタノールを含むことを前提に、いずれも経口摂取が可能な、酸化鉄、分子量1万〜15万のヒドロキシプロピルセルロース及び水を用いることにより、酸化鉄がヒドロキシプロピルセルロース及び水エタノール系溶剤に分散されたインクジェットインキを実現できたのである。
また、上記インキを製造するにあたり、酸化鉄の分散性安定性が優れたものを得るためには、後述する特定の2工程を採用することが有効であることも見出した。
さらに、上記インキを使用する最適な使用方法をも見出した。
すなわち、本発明にかかるインクジェットインキは、酸化鉄と、分子量1万〜15万のヒドロキシプロピルセルロースと、エタノールを主体としかつ水を含む溶剤とを必須成分とすることを特徴とする。
本発明にかかるインクジェットインキの製造方法は、水及び/又はエタノールを必須とする第1溶剤に分子量1万〜15万のヒドロキシプロピルセルロースを溶解させた第1樹脂溶液に、酸化鉄を分散させて分散体を得る第1工程と、エタノールを溶剤全体の50重量%以上含有する第2溶剤に分子量1万〜15万のヒドロキシプロピルセルロース又は該ヒドロキシプロピルセルロースと導電剤の両方を溶解させた第2樹脂溶液と、前記第1工程で得られた分散体とを混合する第2工程とを備えることを特徴とする。
本発明にかかるインクジェットの使用方法は、上記インクジェットインキをインクジェットプリンタで使用するにあたり、エタノール、水及び導電剤を含んでなる希釈溶剤で前記インクジェットインキを希釈して用いることを特徴とする。
なお、以下では、本発明に関し、「インクジェットインキ」を単に「インキ」と略記することがある。また、「ヒドロキシプロピルセルロース」を単に「HPC」と略記することがある。
本発明にかかるインキは、必須成分である酸化鉄、HPC、エタノール及び水がいずれも経口摂取可能であるため、食品関連用途に広く利用することができる。
具体的には、例えば、食品包装材料に安心して使用することができ、このインキにより記録された食品ないし包装材料は、記録の過程での食品への混入や接触があっても問題のない包装を実施することができる。特に、直接食品に接することがあって、または飲食に際して、食品が接する、あるいは記録部分が、直接口に接触するような場合においても、衛生面に関する懸念を払拭することができる。
本発明にかかるインキは、また、溶剤がエタノールを主体とするものであることにより、視認性のよい、鮮明な印刷が可能となり、耐水性にも優れている。
具体的には、例えば、種々の食品、食品と接する材料、食品包装材料などに記録した場合、その記録部分に十分な視認性をもたらすことができる。また、記録対象物が濃色の場合であっても、透明な染料を用いた場合のように視認性の低下を招くことがなく、不透明で明瞭な印刷記録を形成することができる。そして、種々の食品、食品に接する材料、食品包装材料などに記録した場合に、水に濡れても色素の溶出がなく、見た目に嫌悪感を与えないという利点がある。
本発明にかかるインキは、さらに、溶剤として水をも必須に含むため、導電性を有するインキとしても有用である。
また、本発明にかかるインキの製造方法によれば、酸化鉄の分散安定性が非常に優れたインキを製造することができる。
具体的には、本発明にかかるインキの製造方法では、まず、水及びエタノールに溶けやすいHPCが、水及び/又はエタノールを必須とする第1溶剤に溶解されて第1樹脂溶液とされ、この第1樹脂溶液に酸化鉄が容易に分散されて分散体となる。一方、粘度調整のためのHPCとエタノール可溶性の導電剤がエタノールを主体とする第2溶剤に溶解されて第2樹脂溶液とされ、この第2樹脂溶液に前記の分散体が混合される。これにより分散体中の酸化鉄が安定に分散されたインキを得ることができるのである。因みに、本発明の課題を解決する際の鋭意検討の際、分散体中に導電剤を添加すると酸化鉄の分散性の低下を招くとの知見を得たが、本発明にかかるインキの製造方法によれば、導電剤による酸化鉄の分散性低下をも有効に抑制できるのである。
なお、HPCとして分子量の低いものを使用することで、添加量を増やせるため、酸化鉄の分散安定性を向上させることができ、インクジェットプリンタで安定吐出が可能な粘度のインキを調製することができる。
そして、本発明にかかるインキの使用方法によれば、エタノール、水及び導電剤を含んでなる希釈溶剤で、適宜インキを希釈しながらインクジェットプリンタで使用するので、インクジェットプリンタで過酷な連続印字を行なう場合でも、プリンタ内でのインキの濃縮を防ぐことができ、適度な導電率を保持できる。これにより、インキの導電性が低下することなく、長期の連続印字性能を安定に継続することができる。
以下、本発明にかかるインキ、その製造方法及びその使用方法について詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更実施し得る。
〔インキ〕
本発明のインキは、酸化鉄と、HPCと、エタノールを主体としかつ水を含む溶剤とを必須成分とする。
本発明のインキにおける上記必須成分は、後述するように、いずれも、経口摂取可能なものとして一般に認知されているものである。
このように、本発明のインキは、必須成分が経口摂取可能な材料のみからなることに利点を有するものであるから、かかる利点を維持するべく、上記必須成分以外の成分を含有する場合にも、経口摂取可能な材料であることが望ましい。
従って、以下に例示する材料は全て、経口摂取可能であることを選定の基礎に置いている。もっとも、経口摂取可能な材料として認識されていないものが使用された場合に直ちに本発明の対象から除外されると解するべきではない。
なお、経口摂取可能か否かは、食品衛生法により定められている食品添加物、日本薬局方及び医薬品添加物規格に収載されているものであるかを一応の目安とすることができる。
<酸化鉄>
本発明にかかるインキは、酸化鉄を可食性の色素及び不透明性の材料として用いている。
前記酸化鉄としては、例えば、赤色を示す三二酸化鉄、黄色を示す黄色三二酸化鉄、黒色を示す黒酸化鉄などが好ましく挙げられる。これらはいずれも食品または医薬品への添加が許可されている。特に、赤色を示す三二酸化鉄が好ましい。
前記三二酸化鉄はベンガラとも呼ばれ、古来より化粧品や食品への着色に用いられてきた材料であるため、食品類での使用に対しての安心感が得られる貴重な材料でもある。三二酸化鉄は微細化すると鮮明な赤色または茶色を示すため、インキを調製した際、濃度感及び不透明性が得られやすい。また、三二酸化鉄は常温では磁性を示さないため、インクジェット用として要求される微細化が比較的容易に達成でき、インキ調製時に器具、機器に酸化鉄粒子が吸着せず、取り扱いやすい材料である。
前記酸化鉄としては、平均粒子径が0.01〜10μmのものが好ましい。酸化鉄の平均粒子径が10μmよりも大きいと、インキに十分に分散させるのに時間がかかりすぎるおそれがあり、また、過剰に熱の影響を受けて、HPCの特性を変えてしまうおそれもある。酸化鉄の平均粒子径が0.01μmよりも小さいと、印字濃度の低下という不具合を生じるおそれがある。
平均粒子径が0.05〜3μmのものがより好ましい。このような平均粒子径0.05〜3μmの範囲内の酸化鉄を含むインキにより、特に良好な不透明性及び鮮明な色再現が可能となる。逆に、酸化鉄の平均粒子径が3μmよりも大きい場合は、インキの保存中の沈降が発生し、プリンタの配管系でのインキの沈降や詰りが発生するおそれがある。また、平均粒子径を0.05μmよりも微細にすることは、著しい分散エネルギーを無用に要するため得策でなく、透明性を誘発する点でも好ましいといえない。
中でも、平均粒子径1μm以下のものが特に好ましい。
このような平均粒子径の調整は横型サンドミルにより行なうことができる。
なお、本発明において、酸化鉄の平均粒子径は、レーザー光を用いた光散乱方式の粒度分布計で測定した値をいうこととする。
<HPC>
本発明に用いるHPCは、天然に広く存在するパルプなどのセルロースを原料とし、これを水酸化ナトリウムで処理した後、プロピレンオキサイドなどのエーテル化剤と反応して得られる非イオン性の水溶性ポリマー(セルロースエーテル)である。
HPCは経口摂取可能な材料として認識されている。例えば、欧米では食品添加物として使用されており、近年、我が国でも製造用剤として食品衛生法第10条の規定に基づく食品添加物及び日本薬局方により医薬品への添加が可能な材料として認可されている。
HPCは、本発明のインキにおいて、酸化鉄粒子の分散安定化及びインキのバインダー成分として作用するものであり、水に対する発泡性も小さい。
また、HPCは水及びエタノールの両者に可溶であり、特に、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)などの他の水溶性かつ可食性のセルロース誘導体と比べて、エタノールへの溶解度が高い。さらに、その化学構造と溶解度の高さから、酸化鉄粒子を溶媒中に安定に分散させることに適していることが分かった。
前記HPCとしては、分子量が1万〜15万のものを用いる。かかる範囲であれば、色素である酸化鉄を安定に分散させることができ、かつインクジェットプリンタでの適正粘度を得やすい。逆に、前記の分子量が1万を下回るHPCを用いると、酸化鉄粒子を安定に分散させて安定なインキを調製することが困難となる。一方、分子量が15万を越えるHPCを用いると、HPC自身の粘性が高すぎるため、インキの粘度が過剰に高くなり、インクジェットプリンタでの吐出が困難となる。また、分散体の粘度が高くなるため、分散処理を行う際、分散の負荷がかかりすぎるため(長時間分散機に供する必要があるため)、作業効率の低下を招く。
ちなみに、上記分子量分布のHPCは、2重量%濃度にしたHPC水溶液の粘度が2〜10mPa.s(20℃)となるものに相当する。
なお、本発明でいう分子量は、下記するMark−Houwink−桜田(マーク・フウィンク・桜田)の式(1)を用いて、極限粘度(測定値)から算出したものである。
[η]=KMα ・・・(1)
式(1)中、[η]:極限粘度、M:分子量、K:被測定物質固有の定数、α:被測定物質固有の定数である。定数K及び定数αは被測定物質ごとに予め知られている。極限粘度[η]は、溶媒の粘度と、被測定物質の濃度の異なる複数の溶液の粘度を測定し、複数の粘度測定値から外挿して得られる。
<溶剤>
本発明のインキにおいて、溶剤はエタノールを主体としかつ水を含むものである。
前記エタノールとしては、食品用の発酵エタノールまたは変性エタノールが知られており、本発明において好適に用いることができる。
本発明の効果を害しない範囲において、エタノール及び水以外の溶剤をさらに含んでもよい。
<その他の添加剤>
本発明のインキは、本発明の効果を害しない範囲において、湿潤剤、乳化剤、導電剤などのその他の添加剤を含んでも良い。
(湿潤剤)
前記湿潤剤としては、例えば、プロピレングリコールやグリセリンなどが挙げられる。
前記湿潤剤は、インキの乾燥性の調整、インキ粘度の調整などの役目をなす。また、被記録物の下地によっては、浸透性を調整する効果も使用目的として適している。
湿潤剤は、上述した溶剤の一部として用いても良い。
(乳化剤)
前記乳化剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、レシチンなどが挙げられる。これらの乳化剤は可食性で水系での安定性に優れるものであり、インキ中における酸化鉄の分散安定性に寄与する。
これらの乳化剤のうち、非イオン界面活性剤は記録対象物の種類に応じてインキのHLBの適性があるため、記録対象物が包装用のフィルムである場合は、HLB8〜16が、また、油脂分の多い食材に対しては、HLB1〜2のようなインキ調整とすることが、記録の適性を有する。
(導電剤)
本発明のインキは、コンティニュアスタイプのインクジェットプリンタとオンデマンドタイプのインクジェットプリンタのいずれにも使用できるが、コンティニュアスタイプのインクジェットプリンタに用いるインキの場合は、使用するプリンタに応じた導電率の調整が行われる。導電剤は、かかる導電率の調整に使用されるものである。
前記導電剤としては、例えば、乳酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、パントテン酸ナトリウムなどが挙げられる。これらはいずれも経口摂取可能である。なかでも、酢酸ナトリウムは、アルコール含有溶剤によく溶解し、プリンタにおけるインキの液滴の導電率を適度に保つ役割を少量にて達成することができるため、導電剤によるインキ中の酸化鉄の分散安定性低下を極力抑制する上でも有効である。
また、印刷対象物が吸湿性を有するような打錠品等では、インキの剥離や転写が生じやすくなるが、酢酸ナトリウムにおいては、他の導電剤よりも、これらの症状が生じにくい特徴を有している。
また、酸化鉄の分散安定性についても、他の導電剤の添加よりも安定性をより発揮する。添加直後の安定性はもとより、添加後の経時における安定性も酸化鉄と酢酸ナトリウムの組み合わせが良好である。
<インキの配合>
酸化鉄は、本発明における他の成分の含有量と関連するが、インキ全体の0.3〜20重量%の範囲でインキに含まれることが好ましい。さらに、好ましくは、0.5〜5重量%である。
酸化鉄の含有量が0.3重量%より少ないと、印字濃度が不十分となる。
他方、酸化鉄の含有量が20重量%を越えると、分散の不良及び連続印字適性の低下を生じる。特に、連続した記録において、安定性が悪くなる傾向にある。また、プリンタ内のインキ配管系での流動性が不足し、酸化鉄粒子の沈降により吐出するインキ中の酸化鉄の含有量濃度が低下し、印刷物の濃度低下を招く。さらに起こり得る問題としては、インキ流路が遮られ、ノズルからの吐出自体が困難となる。
本発明においてHPCは、インキ全体の0.1〜10重量%の範囲で含まれることが好ましく、1〜8重量%の範囲で含まれることがより好ましい。HPCの含有量が0.1重量%より少ないと、インクジェットプリンタにて安定吐出が可能な粘度のインキが得ることが困難となるおそれがあり、また、記録対象物に対する十分な密着も得られにくくなるおそれがある。また、10重量%を超えると、インキの粘度が高くなりすぎて低温での流動性が不足し、インクジェットプリンタの記録時の安定性も低下するおそれがある。
溶剤は、例えば、インキ全体の50〜97重量%の範囲で用いることができる。
そして、本発明では、溶剤はエタノールを主体としかつ水を含有させるものであるが、これらの含有割合は、求めるインキの乾燥性や耐水性などを考慮して適宜決定することができる。
溶剤がエタノールを主体とするとの意味は、基本的には溶剤全体の50重量%以上を目安とするが、本発明の効果を発揮できる限り、多少50重量%を下回っても構わない。
そして、エタノールのインキ全体に対する含有割合としては、例えば、インキ全体の40〜90重量%が好ましい。
また、水の含有割合は、他の成分の含有量と関連するが、例えば、インキ全体の3〜20重量%の範囲が好ましい。水の含有量が3重量%よりも少ないと、酸化鉄の分散の安定性、インキ調製時の導電性を得ることが困難となるおそれがある。また、水の含有量が20重量%よりも多いと、乾燥性の低下を招き、エタノールインキとする目的の「速い乾燥性」の特性が得られなくなるおそれがある。
任意成分である前記湿潤剤は、インキ全体の0〜10重量%の範囲で用いると、記録対象物への適度な浸透、乾燥の調整が可能となる。湿潤剤の含有量が10重量%を超えると、目的とする乾燥性の向上が果たせなくなるおそれがある。
また、前記乳化剤は、アルコール溶剤への溶解性から、インキ全体の5重量%以下で使用することが好ましく、その範囲内の使用により十分な効果が得られる。
さらに、前記導電剤の添加量は、他の成分の含有量と関連するが、インキ全体の0.2〜2.0重量%であることが好ましい。この範囲内の使用により、インキの導電率を適正な0.3m〜5mS/cm程度にすることができる。前記の範囲内であっても少量使用での調整が好ましい。導電剤の添加量が2.0重量%を超えると、色素の凝集を招くおそれがある。
〔インキの製造〕
本発明のインキは、上記必須成分及びその他の任意成分を任意に混合して調製することができ、その製造方法は、特に限定されるものではない。
ただし、酸化鉄の分散安定性に優れたものを得るためには、下記第1工程と下記第2工程とを備える製造方法が好ましい。
特に、導電剤は酸化鉄の分散安定性を低下させる傾向があるが、下記の製造方法は、導電剤による酸化鉄の分散安定性低下を有効に抑制することができる。これは、先に安定な分散体を調製した後に、導電剤を含む溶液と混合するようにしたためであると推測される。
<第1工程>
第1工程では、水及び/又はエタノールを必須とする第1溶剤にHPCを溶解させた第1樹脂溶液に、酸化鉄を分散させて分散体を得る。
HPCは水及びエタノールに良好に溶解するとともに、酸化鉄の分散性を安定化させる。
まず、第1樹脂溶液の調製について説明する。
第1溶剤の組成は、最終的に得ようとするインキの組成を考慮し、後述の第2溶剤の組成や第2溶剤との混合割合との関連で適宜決定すればよい。具体的には、水もしくはエタノールのいずれかだけでも良いが、水及びエタノールの混合溶剤が好ましく、このような混合溶剤の場合、水とエタノールの相互比率は、例えば、重量基準で、90:0〜30:50が好ましい。
前記第1樹脂溶液におけるHPCの含有量も、最終的に得ようとするインキの組成、後述の第2工程で使用するHPCの量や、HPCの溶解性などを考慮して適宜決定すればよく、例えば、後述する分散体全量に対してHPC1〜20重量%となるように選定することが好ましい。HPCが1重量%未満だと、十分な濃度の酸化鉄を分散させることができなくなるおそれがある。また、HPCが20重量%を超えると、第1樹脂溶液の粘度が過剰となり、分散機の配管詰まりを引き起こし、十分な分散処理を行うことができなくなるおそれがある。
次に、上記第1樹脂溶液に酸化鉄を分散させて分散体を得る点について説明する。
酸化鉄の添加量としては、例えば、分散体全量に対して、酸化鉄5〜30重量%の範囲が好ましい。酸化鉄が5重量%未満だと、十分な顔料濃度のインキを得るためにインキ調製工程で、多量の分散体を添加する必要があるが、こうするとインキの粘度が過剰となり、インクジェットプリンタへの適正粘度への調整が制限されたり、場合によっては、ノズル孔の目詰まりを引き起こすおそれがある。また、30重量%を超えると、分散体の粘度が過剰となり、分散機の配管詰まりを引き起こすおそれがあり、分散時の循環が不十分で、十分な分散処理を行うことができないことがある。
また、第1樹脂溶液中のHPCとの関係では、例えば、酸化鉄10重量部に対して2〜6重量部のHPCを用いると、優れた分散性が得られる。HPCの酸化鉄に対する前記含有量が2重量部よりも少ないと、酸化鉄の分散を十分に行なうことが困難となるおそれがある。また、HPCの酸化鉄に対する前記含有量が6重量部を超えると、分散時の粘度が高くなりすぎ、分散効率が低下するなどの問題を生じるおそれがある。
第1樹脂溶液への分散に際しては、酸化鉄と第1樹脂溶液を高速アジテーターミルで分散させる方法、溶剤分を少なくした状態で酸化鉄と第1樹脂溶液とをボールミルによる衝撃を加える方法などを適宜選択して用いることができる。但し、分散における第1樹脂溶液との混合態様から、ジルコニアビーズなどを分散メディアとする横型サンドミルを用いた分散が好ましい。また、分散メディアを使用しないメディアレスの分散機もコンタミ(異物の混入や汚染)の少ない分散体を製造するために有効な方法である。このようなメディアレスの分散機としては、ナノマイザー(ナノマイザー社)、スターバースト((株)スギノマシン)、マイクロフルイダイザー((株)パウレック)などの使用ができる。
<第2工程>
第2工程では、エタノールを溶剤全体の50重量%以上含有する第2溶剤にHPC又はHPCと導電剤の両方を溶解させた第2樹脂溶液と前記第1工程で得られた分散体を混合する。
第2溶剤の組成は、エタノールを溶剤全体の50重量%以上含有するものであれば良く、最終的に得ようとするインキの組成、上述の第1溶剤の組成や第1溶剤との混合割合などを考慮して適宜決定すればよい。溶剤の残部としては水が好ましく挙げられる他、プロピレングリコールなどの他の溶剤を用いても良い。
前記第2樹脂溶液におけるHPCや導電剤の含有量も、最終的に得ようとするインキの組成、上述の第1工程で使用するHPCの量や、HPCや導電剤の溶解性などを考慮して適宜決定すればよい。
例えば、HPCは、第2樹脂溶液全量に対して1〜10重量%の割合が好ましい。また、導電剤は、第2樹脂溶液全量に対して0.2〜2重量%の割合が好ましい。0.2%重量未満では十分な導電性を付与することができず、特に、連続式インクジェットプリンタでインキ滴の帯電不足が生じ、インキ滴を偏向させることができず、印字不良を引き起こすおそれがある。2重量%を超えると、インキ全体のイオン濃度が過剰となる。イオン濃度が過剰となると、分散粒子間の斥力が弱まり、酸化鉄粒子の凝集を招くおそれがある。
第2樹脂溶液と分散体の混合比率は、例えば、重量基準で、95:5〜70:30が好ましい。
〔インキの使用〕
本発明のインキは、従来のインクジェットインキと同様に使用することができる。
インクジェットプリンタで使用するにあたり、エタノール、水及び導電剤を含んでなる希釈溶剤で前記インクジェットインキを希釈して用いることもできる。
希釈溶剤で、適宜インキを希釈しながらインクジェットプリンタで使用することで、インクジェットプリンタで過酷な連続印字を行なう場合でも、プリンタ内でのインキの濃縮を防ぐことができ、適度な導電率を保持できる。これにより、インキの導電性が低下することなく、長期の連続印字性能を安定に継続することができる。
本発明のインキは、エタノールを溶剤主体として含むので、水を主体とするインキに比べて乾燥性が優れている。また、非浸透性の材料においても良好な耐水性を有する記録部分を形成することができ、記録システムによっては高速の可変情報の印字も可能となる。
本発明の対象は、口にいれて食しても問題のないものを食品として対象とするが、健康食品や薬事法で制約されるような錠剤なども口にいれるものであるため、食品と同様の記録対象物として取り扱う。
本発明のインキは、食品に直に、食品に接触する材料、または食品用包装材料に対して、特に好ましく使用することができる。このような包装材料は、必要に応じて表面処理を施したポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレートなどのプラスチック材料、または不織布、紙などが例示される。
更に、本発明のインキは、経口摂取が食品衛生法、薬事法などの法令により認められたもので全体を構成することができるものであるため、食品のデザイン、装飾、高品位のデータの表示、品質のトレーサビリティーなどにも有効となる。前記のデザイン及びそのデータとして、製品名、生産地、収穫日時、生産者、日付、特殊記号、キャラクタ画像などを記録できる。これらの表記は、経路の確実な表示方法として商品の流通形態への信頼性も付与することができる。
本発明のインキが記録される食品類としては、例えば、ガム、キャンディー、ビスケット、クッキー、饅頭、チョコレートなどが挙げられる。また、例えば、みかん、りんご、スイカ、メロン、マンゴー、柿、桃などの果物や、野菜、加工肉類などにも記録できる。また、タブレット状の経口摂取品への記録も可能である。また、これら食品類を包装する包装材料も記録の対象となる。あるいは、パンの包装、食品のトレイ、弁当容器、パックなど、または割り箸、楊枝、串などといった食品との接触材料にも記録することができる。
以下、実施例を用いて、本発明について詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。以下では、便宜上、「重量部」を「部」、「重量%」を「%」と表記する。
〔分散体の調製〕
表1、表2に示す処方で、調製例1〜10にかかる各分散体1〜10、比較用調製例1〜9にかかる各分散体1A〜9Aを調製した。
なお、表1,2において、HPC(*1)は、分子量が4万で、2%水溶液の粘度が2.5mPa.s(20℃)であるヒドロキシプロピルセルロース、HPC(*2)は、分子量が10万で、2%水溶液の粘度が4.0mPa.s(20℃)であるヒドロキシプロピルセルロース、HPC(*3)は、分子量が30万で、2%水溶液の粘度が400mPa.s(20℃)であるヒドロキシプロピルセルロース、CMCはカルボキシメチルセルロースナトリウムを示す。
Figure 2015000968
Figure 2015000968
具体的な調製方法は、以下に詳述するとおりである。
<調製例1>
分子量が4万のHPC3部を精製水87部にて溶解し、これに、三二酸化鉄を10部加えて攪拌し、三二酸化鉄のプレミックスを調製した。
このプレミックスをビーズミルにて2時間分散処理し、三二酸化鉄の10%分散体を調製した。
<調製例2>
同様に、分子量が4万のHPC6部を精製水74部にて溶解し、これに、三二酸化鉄を20部加えて攪拌し、三二酸化鉄のプレミックスを調製した。
このプレミックスをビーズミルにて2時間分散処理し、三二酸化鉄の20%分散体を調製した。
<調製例3>
同様に、分子量が10万のHPC7部を精製水73部にて溶解し、これに、三二酸化鉄を20部加えて攪拌し、三二酸化鉄のプレミックスを調製した。
このプレミックスをビーズミルにて2時間分散処理し、三二酸化鉄の20%分散体を調製した。
<調製例4>
同様に、分子量が4万のHPC6部を精製水74部にて溶解し、これに、黄色三二酸化鉄を20部加えて攪拌し、黄色三二酸化鉄のプレミックスを調製した。
このプレミックスをビーズミルにて2時間分散処理し、黄色三二酸化鉄の20%分散体を調製した。
<調製例5>
同様に、分子量が10万のHPC6部を精製水74部にて溶解し、これに、三二酸化鉄を20部加えて攪拌し、三二酸化鉄のプレミックスを調製した。
このプレミックスをビーズミルにて2時間分散処理し、三二酸化鉄の20%分散体を調製した。
<調製例6>
同様に、分子量が4万のHPC6.4部を精製水72.1部にて溶解し、これに、三二酸化鉄を21.3部及びショ糖脂肪酸エステル0.2部を加えて攪拌し、三二酸化鉄のプレミックスを調製した。
このプレミックスをビーズミルにて2時間分散処理し、三二酸化鉄の21.3%分散体を調製した。
<調製例7>
同様に、分子量が10万のHPC5部を精製水74.8部にて溶解し、これに、三二酸化鉄を20部及びショ糖脂肪酸エステル0.2部を加えて攪拌し、三二酸化鉄のプレミックスを調製した。
このプレミックスをビーズミルにて2時間分散処理し、三二酸化鉄の20%分散体を調製した。
<調製例8>
同様に、分子量が4万のHPC8部を精製水52部及びエタノール20部の混合溶液にて溶解し、これに、三二酸化鉄20部を加えて攪拌し、三二酸化鉄のプレミックスを調製した。
このプレミックスをビーズミルにて2時間分散処理し、三二酸化鉄の20%分散体を調製した。
<調製例9>
同様に、分子量が4万のHPC6部を精製水44部及びエタノール30部の混合溶液にて溶解し、これに、三二酸化鉄20部を加えて攪拌し、三二酸化鉄のプレミックスを調製した。
このプレミックスをビーズミルにて2時間分散処理し、三二酸化鉄の20%分散体を調製した。
<調製例10>
分子量が4万のHPC3部を精製水87部にて溶解し、これに、黒酸化鉄を10部加えて攪拌し、黒酸化鉄のプレミックスを調製した。
このプレミックスをビーズミルにて2時間分散処理し、黒酸化鉄の10%分散体を調製した。
<比較用調製例1>
分子量が4万のHPC3部を精製水87部にて溶解し、これに、三二酸化鉄を10部加えて攪拌し、三二酸化鉄のプレミックスを調製した。
このプレミックスをビーズミルにて2時間分散処理し、三二酸化鉄の10%分散体を調製した。
<比較用調製例2>
カルボキシメチルセルロース(以下、CMCと記載する)3部を精製水57部とエタノール30部にて溶解し、これに、三二酸化鉄を10部加えて攪拌し、三二酸化鉄のプレミックスを調製した。
このプレミックスをビーズミルにて2時間分散処理し、三二酸化鉄の10%分散体を調製した。
<比較用調製例3>
分子量が30万のHPC8部を精製水67部にて溶解し、これに、グリセリン脂肪酸エステル5部を混合する。これに、三二酸化鉄を20部加えて攪拌し、三二酸化鉄のプレミックスを調製した。
このプレミックスをビーズミルにて2時間分散処理し、三二酸化鉄の20%分散体を調製した。
<比較用調製例4>
分子量が30万のHPC3部を精製水82部にて溶解し、これに、グリセリン脂肪酸エステル5部を混合する。これに、黄色三二酸化鉄を10部加えて攪拌し、黄色三二酸化鉄のプレミックスを調製した。
このプレミックスをビーズミルにて2時間分散処理し、黄色三二酸化鉄の10%分散体を調製した。
<比較用調製例5>
分子量が4万のHPC3部をエタノール87部にて溶解し、これに、三二酸化鉄を10部加えて攪拌し、三二酸化鉄のプレミックスを調製した。
このプレミックスをビーズミルにて2時間分散処理し、三二酸化鉄の10%分散体を調製した。
<比較用調製例6>
分子量が4万のHPC3部を精製水87部にて溶解し、これに、食用赤色3号アルミニウムレーキ10部加えて攪拌し、食用赤色3号アルミニウムレーキのプレミックスを調製した。
このプレミックスをビーズミルにて2時間分散処理し、食用赤色3号アルミニウムレーキの10%分散体を調製した。
<比較用調製例7>
精製水85.5部、グリセリン脂肪酸エステル3部、ショ糖脂肪酸エステル1部、ソルビタン脂肪酸エステル0.5部の混合液を調製した。三二酸化鉄10部に、この混合液を加えてプレミックスを調製した。
このプレミックスをビーズミルにて2時間分散処理し、三二酸化鉄の10%分散体を調製した。
<比較用調製例8>
分子量が4万のHPC1部を精製水89部にて溶解し、これに、三二酸化鉄10部加えて攪拌し、三二酸化鉄のプレミックスを調製した。
このプレミックスをビーズミルにて2時間分散処理し、三二酸化鉄の10%分散体を調製した。
<比較用調製例9>
分子量が4万のHPC7.8部を精製水82.4部にて溶解し、これに、三二酸化鉄9.8部加えて攪拌し、三二酸化鉄のプレミックスを調製した。
このプレミックスをビーズミルにて2時間分散処理し、三二酸化鉄の9.8%分散体を調製した。
〔実施例:インクジェットインキの製造〕
<実施例1>
分子量が4万のHPC2部を77部のエタノールにて溶解したHPC溶液を調製した。20部の分散体1を攪拌しながら、そこに前記HPC溶液を加えて、分散体1とHPC溶液を十分混合分散させた。この混合分散液に、酢酸ナトリウム1部を添加してインキに調製した。この調製液を孔径1μのフィルターにて濾過し、赤茶色のインクジェットインキを得た。
<実施例2>
分子量が4万のHPC2部を87部のエタノールにて溶解したHPC溶液を調製した。10部の分散体2を攪拌しながら、そこに前記HPC溶液を加えて、分散体2とHPC溶液を十分混合分散させた。この混合分散液に、乳酸ナトリウム1部を添加してインキに調製した。この調製液を孔径1μのフィルターにて濾過し、赤茶色のインクジェットインキを得た。
<実施例3>
分子量が10万のHPC2部を87部のエタノールにて溶解したHPC溶液を調製した。10部の分散体3を攪拌しながら、そこに前記HPC溶液を加えて、分散体3とHPC溶液を十分混合分散させた。この混合分散液に、酢酸ナトリウム1部を添加してインキに調製した。この調製液を孔径1μのフィルターにて濾過し、赤茶色のインクジェットインキを得た。
<実施例4>
分子量が4万のHPC3部を86部のエタノールにて溶解したHPC溶液を調製した。10部の分散体4を攪拌しながら、そこに前記HPC溶液を加えて、分散体4とHPC溶液を十分混合分散させた。この混合分散液に、酢酸ナトリウム1部を添加してインキに調製した。この調製液を孔径1μのフィルターにて濾過し、黄色のインクジェットインキを得た。
<実施例5>
分子量が10万のHPC2部を82部のエタノールにて溶解したHPC溶液を調製した。10部の分散体5を攪拌しながら、そこに前記HPC溶液及びプロピレングリコール5部を加えて、分散体5とHPC溶液及びプロピレングリコールを十分混合分散させた。この混合分散液に、酢酸ナトリウム1部を添加してインキに調製した。この調製液を孔径1μのフィルターにて濾過し、赤茶色のインクジェットインキを得た。
<実施例6>
分子量が4万のHPC2部を86.7部のエタノールにて溶解したHPC溶液を調製した。10部の分散体6を攪拌しながら、そこに前記HPC溶液を加えて、分散体6とHPC溶液を十分混合分散させた。この混合分散液に、酢酸ナトリウム1.3部を添加してインキに調製した。この調製液を孔径1μのフィルターにて濾過し、赤茶色のインクジェットインキを得た。
<実施例7>
分子量が10万のHPC2部を86.2部のエタノールにて溶解したHPC溶液を調製した。10部の分散体7を攪拌しながら、そこに前記HPC溶液及びグリセリン脂肪酸エステル0.5部を加えて、分散体7とHPC溶液及びグリセリン脂肪酸エステルを十分混合分散させた。この混合分散液に、酢酸ナトリウム1.3部を添加してインキに調製した。この調製液を孔径1μのフィルターにて濾過し、赤茶色のインクジェットインキを得た。
<実施例8>
分子量が4万のHPC2部を85.5部のエタノールにて溶解したHPC溶液を調製した。10部の分散体8を攪拌しながら、そこに前記HPC溶液及びグリセリン脂肪酸エステル0.5部、さらにソルビタン脂肪酸エステル0.5部を加えて、分散体8とHPC溶液及びグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルを十分混合分散させた。この混合分散液に、酢酸ナトリウム1.5部を添加してインキに調製した。この調製液を孔径1μのフィルターにて濾過し、赤茶色のインクジェットインキを得た。
<実施例9>
分子量が4万のHPC2部を78.5部のエタノールにて溶解したHPC溶液を調製した。このHPC溶液に、プロピレングリコール3部、さらに酢酸ナトリウム1.5部を添加して溶解させた。15部の分散体9を攪拌しながら、そこに、HPC溶液にプロピレングリコール3部、酢酸ナトリウム1.5部を添加して調製した前記溶解液を加えて、分散体9とHPC溶液、プロピレングリコール、酢酸ナトリウムの溶解液を十分混合分散してインキに調製した。この調製液を孔径1μのフィルターにて濾過し、赤茶色のインクジェットインキを得た。
<実施例10>
実施例1の分散体1を分散体10に代えたこと以外は実施例1と同様にして、黒色のインクジェットインキを得た。
<実施例11>
実施例1の分散体1の調製を省略し、実施例1と実質的に同様の処方の混合溶解液のプレミックスを調製し、このプレミックスのビーズミル分散を行ってインキの分散液を調製した。この分散液を孔径1μのフィルターにて濾過し、インクジェットインキとした。
<比較例1>
実施例1と同様に、後述する表4の配合によるインキを調製した。
具体的には、分子量4万のHPC4部を精製水74.5部に溶解し、これに、グリセリン脂肪酸エステル0.5部と酢酸ナトリウム1部を混合溶解した。20部の分散体1Aを攪拌させながら、そこに前記の混合溶解液を添加して、混合分散させた。
この混合分散液を孔径1μのフィルターにて濾過し、インクジェットインキとした。
<比較例2〜9>
後述する表4の配合による混合溶解液を調製し、この混合溶解液を分散体2Aから9Aまでそれぞれに添加混合して、比較例2〜9にかかる各インクジェットインキを得た。
<比較例10>
後述する表4の配合による混合溶解液を調製し、この混合溶解液を分散体1Aに添加混合して、比較例10にかかるインクジェットインキを得た。
〔性能評価〕
上記各実施例1〜11、比較例1〜10の各インキについて、下記に詳述するインキの物性測定及び性能評価を行った。
その結果を、各実施例、比較例の処方とともに、表3、表4に示す。
なお、表3,4において、HPC(*1)は、分子量が4万で、2%水溶液の粘度が2.5mPa.s(20℃)であるヒドロキシプロピルセルロース、HPC(*2)は、分子量が10万で、2%水溶液の粘度が4.0mPa.s(20℃)であるヒドロキシプロピルセルロース、HPC(*3)は、分子量が30万で、2%水溶液の粘度が400mPa.s(20℃)であるヒドロキシプロピルセルロース、CMCはカルボキシメチルセルロースナトリウムを示す。
また、表4中の「−」は、評価に値しないか、評価不可であることを意味する。
Figure 2015000968
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<インキの物性>
インキ中の酸化鉄の平均粒子径は日機装株式会社製の粒度分布計(UPA型)を用いてメジアン径(d50)で測定した。
インキの粘度(20℃、mPa・s)は東機産業社製の粘度計(EHコーン型 RE−80L)を用いて測定した。
導電率(mS/cm)は堀場製作所社製の導電率計(ES−51)を用いて測定した。
<再分散性>
約1グラムの放置して乾燥したインキ面に、元のインキを振り掛けて20回振とうさせたのちの再溶解性と濾過での凝集物の有無の状態で以下の基準で評価した。
○:再分散性が良好。
×:粒子径が増大し、完全な凝集状態にある。
<耐水性>
連続式インクジェットプリンタ(紀州技研工業社製の型式KGK JET CCS−3000)にて天ぷら油の濾過用の紙に印字した記録対象物の印字面を水で湿らせたときのインキの溶け出しの有無、水の着色及び印字面を拭ったティッシュペーパーへの着色により確認し、以下の基準で評価した。また、打錠機により圧縮成形したとうもろこしでんぷんの加工品にも印字し、そのニジミ程度も確認した。
◎:水及びティッシュペーパーが全く着色しない。
○:若干、水及びティッシュペーパーが着色するが、印字の判読が可能である。
×:印字が完全に消失し、判読不可能である。
<定着性>
打錠機により圧縮成形した加工品に連続式インクジェットプリンタ(紀州技研工業社製の型式KGK JET CCS−3000)にて印字し、10秒経過したとき、ティッシュペーパーにて擦り、印字塗膜の剥離の有無を以下の基準で評価した。
◎:全く剥離無し。
○:若干剥離するが、印字の判読が可能である。
×:印字が完全に剥離し、判読不可能である。
<視認性>
上記の定着性の評価と同様に印字し、目視により判読可能か確認し、以下の基準で評価した。
◎:印字直後と全く変化がない。
○:若干印字が欠けるが、判読可能である。
×:判読不可能である。
<高温環境での印字性能>
室温を45℃に保持した環境室内でインクジェットプリンタで印字テストを行なったときの印字結果の状態を以下の基準で評価した。
○:印字状態良好。インクジェットプリンタのトラブルも無い。
×:酸化鉄粒子が高温で劣化・凝集し、配管詰まりを引き起こす。
<低温環境での印字性能>
室温を5℃に保持した環境室内でインクジェットプリンタで印字テストを行なったときの印字結果の状態を以下の基準で評価した。
○:印字状態良好。インクジェットプリンタのトラブルも無い。
×:低温になることで、インキの流動性が増し、配管、ノズル詰まりを引き起こす。
<連続吐出性>
上記のように調製したインキを、連続式インクジェットプリンタ(紀州技研工業社製の型式KGK JET CCS−3000)に装填し、連続して印字テストを行なったときのトラブル(ノズル詰り、印字不良、インキ滴の着弾位置異常、噴出圧力異常など)の有無で以下の基準で判定した。
○:各印字ドットが正確に着弾できている。
×:ドットの欠損が生じたり、所定の位置に着弾しない。
〔結果の考察〕
<実施例についての考察>
実施例1は、三二酸化鉄を2%含有するインクジェットインキで、安定な分散性を維持できており、プリンタでの吐出も安定している。視認性もよく、打錠剤への印字による定着性、その後の転着等も生じない良好な結果を示した。
実施例2も、実施例1と同様の良好な結果を示している。導電剤として使用した乳酸ナトリウムは、打錠剤への印字による定着性、その後の転着等でも良好な結果を示している。しかしながら、酢酸ナトリウムを使用したものに較べると、微妙な品質のマイナス面が見受けられる。
実施例3は、HPCの分子量が10万になっているが、インキの粘度が適性値に維持できており、良好な結果を示している。
実施例4は、三二酸化鉄の代わりに黄色三二酸化鉄を用いたものであるが、三二酸化鉄と同様の良好な結果を得ている。
実施例5は、プロピレングリコールを用いたもので、再分散性、特に、再溶解性がよくプリンタでのノズル乾燥に対する対応が良好となるものである。その反面、耐水性においては、問題のない範囲ではあるが、微妙なマイナス面が見受けられる。
実施例6,7においては、分散体の調製において、ショ糖脂肪酸エステルを加えて分散の促進をはかったもので、粒子径が微妙ではあるが、小さくすることを狙ったものである。
実施例7では、さらにグリセリン脂肪酸エステルも第二工程にて添加し、インキの安定化を図っている。
実施例8及び9は、分散溶媒にエタノールを混合して用いるものであり、分散機の冷却効率が十分でないような条件の場合において、分散時の温度上昇が比較的高いような場合への対応を意図した分散体を用いるものである。
実施例8は、グリセリン脂肪酸、ソルビタン脂肪酸エステルを適量に添加し、酸化鉄の安定性をさらに良好とさせている。
実施例9は、プロピレングリコールを用いたもので、再分散性、特に、再溶解性がよくプリンタでのノズル乾燥に対する対応が良好となるものである。その反面、耐水性においては、問題のない範囲ではあるが、微妙なマイナス面が見受けられる。
実施例10は、酸化鉄として黒酸化鉄を用いたものであるが、実施例1と同様に優れた物性を備え、かつ、黒色の良好な印字物を形成できるものであった。
実施例11は、予め分散体を得ることなくインキを調製したものであるが、分散体1を分散するときの分散時間よりも倍以上の分散時間をかけたにもかかわらず、粒度分布では、粒子径が大きめにあらわれた。
<比較例1〜6の結果に基づくインキ組成についての考察>
比較例1は、水を主体としたインキであり、耐水性、乾燥の遅さも起因する定着性の不良を発生した。
比較例2は、HPCではなくCMCを用いたものであり、エタノールへの溶解性不足で分散不良を発生するものであった。
比較例3は、HPCの分子量が大きいため、プリンタ適性にあわせることが難しい。インキの粘度が高くなってしまった。
比較例4は、比較例3と同様HPCの分子量が大きいので含有量を減らしているが、それでも、粘度が低くできずプリンタでの安定吐出が困難であった。
比較例5は、HPCのアルコール溶液での分散体を用いるものであり、分散が十分なされていない。また、導電剤を2部以上添加させたもので、過剰に加えたための顔料の凝集をも発生させたものである。分散時に水の介在がなく、また、インキにおいても、水の介在がないので乾燥性が良好であるが、凝集しており、十分なインキの形態をなさない。
比較例6は、食用のレーキ顔料を用いたものであるが、耐水性やにじみの問題を発生した。また、酸化鉄の耐光性に較べると、著しい耐光性の劣化(変色、褪色)が認められた。
<比較例7〜10の結果に基づくインキの製造条件についての考察>
比較例7は、HPCを用いずに、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルにて三二酸化鉄の分散体を調製したものであり、この分散体をHPCの溶液にてインキ化調製したものでは、分散体との混合時に顔料の凝集を発生させるものであった。
比較例8は、三二酸化鉄に対するHPCの量が10分の1であり、十分な分散が保持できていない。従って、経時にて凝集物を発生し、また、連続の安定吐出も得られなかった。
比較例9は、三二酸化鉄に対するHPCの量が10分の8も用いられているため、分散体の調製で粘度が高くなってしまう問題があった。この分散体を使用するための濃度調整を行ってインキ調製すると、粘度がプリンタの最適値よりも高くなり、連続の安定吐出ができない。分散不良も当然発生した。
比較例10は、第2樹脂溶液全量に対して、HPCの量が10重量%を超えたもので、粘度が20mPa.sを超えるインキとなってしまい、プリンタでの吐出が十分できず、印字サンプルの評価も十分できないものとなった。
本発明のインキは、例えば、種々の食品、食品と接する材料、食品包装材料への記録などの食品関連用途において好適に利用することができる。本発明のインキの製造方法は、前記インキを製造する方法として、また、本発明のインキの使用方法は、前記インキを使用する方法として、好適に利用することができる。

Claims (8)

  1. 酸化鉄と、分子量1万〜15万のヒドロキシプロピルセルロースと、エタノールを主体としかつ水を含む溶剤とを必須成分とする、インクジェットインキ。
  2. 前記酸化鉄が三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄及び黒酸化鉄から選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載のインクジェットインキ。
  3. さらに導電剤を含む、請求項1又は2に記載のインクジェットインキ。
  4. 前記導電剤が酢酸ナトリウムである、請求項3に記載のインクジェットインキ。
  5. 前記酸化鉄の含有割合が0.3〜20重量%であり、前記ヒドロキシプロピルセルロースの含有割合が0.1〜10重量%であり、前記エタノールの含有割合が40〜90重量%であり、前記水の含有割合が3〜20重量%であり、前記導電剤の含有割合が0.1〜2重量%である、請求項3又は4に記載のインクジェットインキ。
  6. 水及び/又はエタノールを必須とする第1溶剤に分子量1万〜15万のヒドロキシプロピルセルロースを溶解させた第1樹脂溶液に、酸化鉄を分散させて分散体を得る第1工程と、
    エタノールを溶剤全体の50重量%以上含有する第2溶剤に分子量1万〜15万のヒドロキシプロピルセルロース又は該ヒドロキシプロピルセルロースと導電剤の両方を溶解させた第2樹脂溶液と、前記第1工程で得られた分散体とを混合する第2工程と
    を備える、インクジェットインキの製造方法。
  7. 前記第1工程では、前記酸化鉄10重量部に対して前記ヒドロキシプロピルセルロース2〜6重量部を用いる、請求項6に記載のインクジェットインキの製造方法。
  8. 請求項1から5までのいずれかに記載のインクジェットインキをインクジェットプリンタで使用するにあたり、エタノール、水及び導電剤を含んでなる希釈溶剤で前記インクジェットインキを希釈して用いる、インクジェットインキの使用方法。
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