JPWO2017029866A1 - インクジェット用水性インク組成物 - Google Patents

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Abstract

吐出安定性に優れ、かつ、医薬品や食品等の錠剤等に対して、インクジェット方式で直接印刷することが可能な可食性のインクジェット用水性インク組成物を提供する。本発明に係るインクジェット用水性インク組成物は、インクジェット記録に用いるインクジェット用水性インク組成物であって、着色剤と、カプリル酸ポリグリセリルを主成分とする吐出安定剤とを少なくとも含み、前記吐出安定剤のHLBが15以上であり、全質量に対し1質量%〜5質量%の範囲で含み、25℃における表面張力が25mN/m〜40mN/mの範囲であることを特徴とする。

Description

本発明はインクジェット用水性インク組成物に関し、より詳細には、分散性に優れ、医薬品や食品等の錠剤等に対して、インクジェット方式で直接印刷することが可能な可食性のインクジェット用水性インク組成物に関する。
錠剤の医薬品やサプリメント等の食品に対しては、パッケージだけでなく錠剤本体にも製品情報を表示することによって、それらの識別性を向上させ、調剤ミスや誤飲防止などが図られている。表面がコーティングされた錠剤は、グラビア印刷などの接触方式で印刷できるため、識別性の高い情報表示が行われている半面、表面の平滑性が悪い素錠やOD(口腔内崩壊)錠では接触方式による印刷が困難となっている。そのため、これらの錠剤に対しては、簡単な文字しか表示できない刻印方式が主流となっている。その結果、特に製薬業界では、素錠やOD錠等に対しても識別性の高い情報表示が可能な、新たな印刷方法に対するニーズが高まっている。
そのような印刷方法としては、例えば、インクジェット用水性インク組成物(以下、「水性インク組成物」という。)を用いたインクジェット方式による直接印刷が挙げられる。しかしながら、錠剤に直接印刷するためには、従来の水性インク組成物を用いることは困難であり、薬事法で定める医薬品添加物、日本薬局方又は食品添加物公定書の基準に適合した材料からなる水性インク組成物を用いる必要である。また、インクジェット方式により錠剤に直接印刷するためには、吐出安定性に優れた水性インク組成物を用いる必要がある。
特開2011−236279号公報
本発明は前記問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、吐出安定性に優れ、かつ、医薬品や食品等の錠剤等に対して、インクジェット方式で直接印刷することが可能な可食性のインクジェット用水性インク組成物を提供することにある。
本願発明者等は、前記問題点を解決すべく、インクジェット用水性インク組成物について検討した。その結果、下記構成を採用することにより前記の問題点を解決できることを見出して、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明に係るインクジェット用水性インク組成物は、前記の課題を解決する為に、インクジェット記録に用いるインクジェット用水性インク組成物であって、着色剤と、カプリル酸ポリグリセリルを主成分とする吐出安定剤とを少なくとも含み、前記吐出安定剤のHLBが15以上であり、全質量に対し1質量%〜5質量%の範囲で含み、25℃における表面張力が25mN/m〜40mN/mの範囲であることを特徴とする。
前記の構成によれば、カプリル酸ポリグリセリルを主成分とし、HLBが15以上の吐出安定剤を、全質量に対し1質量%〜5質量%の範囲で含有させることにより、インクジェット方式で印刷を行った場合に、インクジェットヘッドからの吐出安定性を良好にすることができる。また、前記の構成によれば、カプリル酸ポリグリセリルは薬事法で定める医薬品添加物、日本薬局方又は食品添加物公定書の基準に適合するので、医薬品や食品等の固体製剤に対して直接印刷することを可能にしている。
さらに、25℃における表面張力を25mN/m以上にすることにより、インクジェットヘッドから水性インク組成物の液滴を吐出する際に、ノズルプレートへの付着により、印字不良となるのを防止することができる。また、水性インク組成物の液滴の真球性及び吐出速度が低下するのを防止し、液滴の吐出安定性を高めることができる。その一方、表面張力を40mN/m以下にすることにより、吐出安定性が低下するのを防止することができる。
尚、「インクジェット記録」とは、インクジェット用水性インク組成物を微細なインクジェットヘッドより液滴として吐出して、その液滴を記録媒体に定着させ、画像形成させる方式を意味し、記録媒体は紙等に限定されるものではなく、医薬品や食品等の固体製剤も含むものである。
前記の構成に於いては、前記着色剤が顔料としてのカーボンブラックであり、さらに、顔料分散剤として、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリソルベート、オレイン酸デカグリセリル及びポリアクリル酸ナトリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の界面活性剤を含であってもよい。
さらに、前記の構成に於いては、前記ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油のHLBが10以上であることが好ましい。これにより、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の分散媒に対する親和性が良好になり、顔料の分散安定性の向上が一層図れる。
また、本発明に係るインクジェット用水性インク組成物は可食性を有することが好ましい。可食性とは、医薬品若しくは医薬品添加物として経口投与が認められている物質、及び/又は食品若しくは食品添加物として認められている物質のみからなることを意味する。
本発明に係る固体製剤は、前記の課題を解決するために、インクジェット用水性インクの乾燥皮膜を表面に有する固体製剤であって、前記インクジェット用水性インクが、前記のインクジェット用水性インク組成物からなることを特徴とする。
前記の構成によれば、インクジェット用水性インクとして、カプリル酸ポリグリセリルを主成分とし、HLBが15以上の吐出安定剤を、全質量に対し1質量%〜5質量%の範囲で含むインクジェット用水性インク組成物を用いるので、当該インクジェット用水性インクでインクジェット記録方法により固体製剤表面に直接印刷しても、吐出不良や画像のかすれがなく、良好な印刷画像の形成が可能な乾燥皮膜を形成することができる。これにより、固体製剤本体にも製品情報を表示することが可能になり、識別性を向上させ、調剤ミスや誤飲防止を図ることが可能な固体製剤を提供することができる。尚、本発明の固体製剤は、食品製剤及び医薬製剤を含む意味である。
本発明によれば、カプリル酸ポリグリセリルを主成分とし、HLBが15以上の吐出安定剤を、全質量に対し1質量%〜5質量%の範囲内で含有させることにより、吐出安定性に優れたインクジェット用水性インク組成物を提供することができる。また、カプリル酸ポリグリセリルは、薬事法で定める医薬品添加物、日本薬局方又は食品添加物公定書の基準に適合しているので、医薬品や食品等の固体製剤に対して直接印刷することが可能である。その結果、固体製剤本体にも製品情報を表示することが可能になり、識別性を向上させ、調剤ミスや誤飲防止などを図ることができる。
すなわち、本発明によれば、吐出安定性に優れ、医薬品や食品等の固体製剤に対して、インクジェット方式で直接印刷することが可能な可食性のインクジェット用水性インク組成物、及び当該インクジェット用水性インク組成物により印刷された固体製剤を提供することができる。
(インクジェット用水性インク組成物)
本実施の形態に係るインクジェット用水性インク組成物(以下、「水性インク組成物」という。)について、着色剤として顔料を用いた場合を例にして、以下に説明する。
本実施の形態に係る水性インク組成物は、少なくとも顔料組成物と、カプリル酸ポリグリセリルを主成分とする吐出安定剤とを含み、主溶媒が水である水性インクである。また、本実施の形態の水性インク組成物は、薬事法等の基準に適合した材料を用いることにより、可食性を有するものにすることができ、かつ、インクジェット記録用として好適に用いられるものである。さらに、水性インク組成物は色材として顔料を用いることから、染料を用いた水性インク組成物と比較して発色性や耐光性、耐水性等の点で優れている。
前記顔料組成物は、少なくとも顔料と顔料分散剤を含む組成物である。
前記顔料としては、例えば、カーボンブラックなど、インクジェット用水性インク組成物に通常用いられているものを使用することができる。前記カーボンブラックとしては、例えば、チャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック等が挙げられる。また、本実施の形態のカーボンブラックとしては市販品を用いることも可能であり、そのような市販品としては、例えば、#900、#970、#100、#2200、#2300、#2350、#2600、MA−7、MA−8、MA−100、MA−11、MCF88、#45L、#50、#10、#33、#40、#4000、#52、CF9等(商品名、いずれも三菱化学株式会社製)、ニテロン、HTC(商品名、いずれも新日鉄住金化学社製)、旭#55、旭#51、旭#50U、旭#50、旭#35、旭#15、アサヒサーマル(商品名、いずれも旭カーボン社製)、Raven700、5750、5250、5000、3500、1255(商品名、いずれもコロンビア社製)、REGAL400R、330R、660R、MogulL、Monarch700、800、880、900、1000、1100、1300、Monarch1400(商品名、いずれもキャボット社製)、Color Black FW1、FW2、FW2V、FW18、FW200、S150、S160、S170(商品名、いずれもデグッサ社製)、PRINTEX35、U、V、140U、140V(商品名、いずれもデグッサ社製)、Special Black6、5、4A、4(商品名、いずれもデグッサ社製)、TOKABLACK #8500、#8300、#7550、#7400、#7350、#7240、#7100、#7050、#5500、#4500、#4400、#4300(商品名、いずれも東海カーボン社製)等を例示できる。これらの顔料は適宜必要に応じて、単独で又は二種以上を混合して用いることができる。但し、本実施の形態の顔料組成物を医薬品や食品等の固体製剤表面への印刷用として用いる場合、カーボンブラックは、薬事法で定める医薬添加物、日本薬局方又は食品添加物公定書の基準に適合するものを用いるのが好ましい。
前記カーボンブラックの平均一次粒子径は10nm〜40nmが好ましい。尚、平均一次粒子径とは、分散剤と共に溶媒に入れて分散させる前の当該カーボンブラック粒子をSEM(走査型電子顕微鏡)やTEM(透過型電子顕微鏡)で観察して求めた算術平均粒子径を意味する。
また、前記顔料としては、例えば、酸化鉄を用いることもできる。前記酸化鉄としては、例えば、黄酸化鉄、黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄、ベンガラ、黒色酸化鉄等が挙げられる。これらの顔料は適宜必要に応じて、単独で又は二種以上を混合して用いることができる。但し、本実施の形態の顔料組成物を医薬品やサプリメント等の固体製剤表面への印刷用として用いる場合、酸化鉄は、薬事法で定める医薬添加物、日本薬局方又は食品添加物公定書の基準に適合するものであることが好ましい。
前記顔料の含有量は画像濃度に直接影響するものであり、水性インク組成物の保存性や粘度、pH、固体製剤に印刷する場合はその印刷濃度等に影響を及ぼすものであることから、これらの点を考慮して適宜設定すればよい。例えば、顔料がカーボンブラックの場合、通常は、顔料組成物の全質量に対し0.5質量%〜40質量%の範囲が好ましく、1質量%〜25質量%の範囲内がより好ましい。カーボンブラックの含有量を0.5質量%以上にすることにより、画像濃度の低下を抑制することができる。その一方、カーボンブラックの含有量を40質量%以下にすることにより、光沢性の低下やノズルの目詰まり、吐出安定性の低下を防止することができる。また、顔料が酸化鉄の場合、通常は、顔料組成物の全質量に対し0.5質量%〜40質量%の範囲が好ましく、1質量%〜25質量%の範囲内がより好ましい。酸化鉄の含有量を0.5質量%以上にすることにより、画像濃度の低下を抑制することができる。その一方、酸化鉄の含有量を40質量%以下にすることにより、光沢性の低下やノズルの目詰まり、吐出安定性の低下を防止することができる。
分散状態にある顔料の平均分散粒子径D50は、例えば、顔料がカーボンブラックの場合、50nm〜200nmの範囲内が好ましく、85nm〜140nmの範囲内がより好ましい。また、顔料が酸化鉄である場合、前記D50は、25nm〜300nmの範囲内が好ましく、100nm〜300nmの範囲内がより好ましく、75nm〜250nmの範囲内が更に好ましく、75nm〜210nmの範囲内が特に好ましい。前記D50を、カーボンブラック及び酸化鉄の各々の下限値以上にすることにより、分散安定性、耐光性及び吐出安定性の悪化を防止し、印刷濃度の低下も防止することができる。その一方、前記D50を、カーボンブラック及び酸化鉄の各々の上限値以下にすることにより、前記顔料の分離や沈降を防止し、分散安定性の維持が図れる。また、前記カーボンブラックの粒度分布の累積99%の値(D99)は、100nm〜500nmの範囲内が好ましい。さらに、前記酸化鉄のD99は、100nm〜900nmの範囲内が好ましく、100nm〜600nmの範囲内がより好ましく、100nm〜500nmの範囲内が特に好ましい。尚、顔料の平均分散粒子径D50及びD99は、マイクロトラックUPA−EX150(商品名、日機装(株)製)を用いて動的光散乱法により測定した値である。
前記顔料分散剤としては、インクジェット用水性インク組成物に通常用いられるものを使用することができる。具体的には、例えば、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤等が挙げられる。前記ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリソルベート、オレイン酸デカグリセリル等が挙げられる。前記アニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム等が挙げられる。これらは、単独で又は二種以上を混合して用いることができる。但し、本実施の形態の顔料組成物を医薬品や食品等の固体製剤表面への印刷用として用いる場合、薬事法で定める医薬添加物、日本薬局方又は食品添加物公定書の基準に適合するものを用いるのが好ましい。
また、前記顔料分散剤としては、前記ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が、カーボンブラックからなる顔料の分散性の向上に好適である。ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油は、薬事法による医薬品添加物等の基準に適合するものである。従って、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油は、医薬品又は食品等の固体製剤への印刷用に好適に用いることができる。ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油としては特に限定されず、例えば、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(20E.O.)(ポリオキシエチレングリセリントリオキシステアリン酸20)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(40E.O.)(ポリオキシエチレングリセリントリオキシステアリン酸40)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(50E.O.)(ポリオキシエチレングリセリントリオキシステアリン酸50)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60E.O.)(ポリオキシエチレングリセリントリオキシステアリン酸60)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(100E.O.)(ポリオキシエチレングリセリントリオキシステアリン酸100)等が挙げられる。これらは一種単独で、又は二種以上を混合して用いてもよい。尚、E.O.は、オキシエチレンの平均付加モル数を示す。
前記ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(20E.O.)としては、例えば、ニッコールHCO−20(商品名、日光ケミカルズ(株)製)、エマレックス HC−20(商品名、日本エマルジョン(株)製)、ユニオックス HC−20(商品名、日油(株)製)等が挙げられる。
前記ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(40E.O.)としては、例えば、ニッコール HCO−40(商品名、日光ケミカルズ(株)製)、ユニオックス HC−40(日油(株)製)、エマノーン CH40 (花王(株)製)、クレモフォール(商品名、BASFジャパン(株)製)、オイルムギン HRE40(商品名、ヘンケルジャパン(株)製)、エマレックス HC−40(商品名、日本エマルジョン(株)製)等が挙げられる。
前記ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(50E.O.)としては、例えば、ニッコール HCO−50(商品名、日光ケミカルズ(株)製)、ユニオックスHC−50(商品名、日油(株)製)、エマレックス HC−50(商品名、日本エマルジョン(株)製)等が挙げられる。
前記ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60E.O.)としては、例えば、ニッコール HCO−60(商品名、日光ケミカルズ(株)製)、ユニオックス HC−60(商品名、日油(株)製)、エマノーン CH−60(商品名、花王(株)製)、クレモフォール (商品名、BASFジャパン(株)製)、オイルムギン HRE60(商品名、ヘンケルジャパン(株)製)、エマレックス HC−60(商品名、日本エマルジョン(株)製)等が挙げられる。
前記ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(100E.O.)としては、例えば、ニッコール HCO−100(商品名、日光ケミカルズ(株)製)、ユニオックス HC−100(商品名、日油(株)製)、エマレックス HC−100(商品名、日本エマルジョン(株)製)等が挙げられる。
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油のHLB(親水性親油性比)は10以上であることが好ましく、10〜18であることがより好ましい。前記HLBが10以上であると、当該ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の分散媒に対する親和性が良好になり、分散安定性が向上する。尚、前記HLBの上限値については特に限定されないが、18より大きいと、分散媒との親和性がよくなり過ぎ、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が顔料表面より脱離し易くなり、分散安定性が低下する場合がある。また、前記HLBの値は、グリフィン法によるHLB値であり、下記式によって得られる値を意味する。
HLB値=20×(親水基の式量の和/分子量)
HLB値は0〜20の範囲内の値となり、HLB値が大きいほど親水性が強くなり、HLB値が小さいほど疎水性が強くなる。
顔料と顔料分散剤との含有比は、質量基準で1:0.2〜1:4であることが好ましく、1:0.5〜1:1であることがより好ましい。前記含有比が1:0.2以上であると、顔料の分散性の低下を防止することができる。その一方、前記含有比が1:4以下であると、例えば、インクジェット用水性インク組成物に用いた場合に、ノズルプレートの付着に起因する吐出安定性の低下を防止することができる。
前記顔料組成物に於いては、顔料を分散させるための分散媒が含まれる。分散媒としては水が挙げられ、より詳細には、イオン交換水、限外ろ過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、又は超純水等のイオン性不純物を除去したものが挙げられる。特に、紫外線照射又は過酸化水素添加等により滅菌処理した水は、長期間にわたってカビやバクテリアの発生を防止することができるので好適である。また、分散媒の含有量としては特に限定されず、適宜必要に応じて設定することができる。
また、前記分散媒としては、前記水と水溶性有機溶剤の混合溶液を用いてもよい。前記水溶性有機溶剤としては特に限定されず、具体的には、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテル類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−へキサントリオール、チオジグリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリンなどの多価アルコール類;N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。これらは一種単独で、又は二種以上を混合して用いてもよい。また、これらの水溶性有機溶剤のうち、薬事法で定める医薬品添加物、日本薬局方又は食品添加物公定書の基準に該当するものとして、エチルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、アセトン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリンが好ましい。さらに、分散媒に水溶性有機溶剤を用いる場合の配合量としては特に限定されず、適宜必要に応じて設定することができる。
前記顔料組成物の含有量は、水性インク組成物の全質量に対し顔料分換算で0.5質量%〜20質量%の範囲が好ましく、1質量%〜15質量%の範囲がより好ましい。顔料組成物の含有量を0.5質量%以上にすることにより、着色力を向上させることができる。その一方、顔料組成物の含有量を20質量%以下にすることにより、分散性を向上させることができる。
前記顔料組成物の製造方法においては、顔料、顔料分散剤、分散媒及び必要に応じて配合するその他の添加剤の混合方法及び添加順序は特に限定されない。例えば、顔料、顔料分散剤及び分散媒としての水等を一度に混合し、この混合液に対し通常の分散機を用いて分散処理を施せばよい。このときの分散時間は特に限定されないが、顔料の平均分散粒子径が前記の数値範囲内となるように設定するのが好ましい。
顔料の分散処理の際に使用される前記分散機としては、一般に使用される分散機であれば特に限定されない。具体的には、例えば、ボールミル、ロールミル、サンドミル、ビーズミル、ペイントシェーカー、ナノマイザー等が挙げられる。
前記吐出安定剤に主成分として含まれるカプリル酸ポリグリセリルは、薬事法で定める医薬品添加物等の基準に適合するので、医薬品や食品等の固体製剤に対して直接印刷することを可能にしている。前記カプリル酸ポリグリセリルとしては、例えば、カプリル酸デカグリセリルが挙げられる。
前記吐出安定剤のHLB(親水性親油性比)は15以上であり、好ましくは15〜18の範囲である。当該吐出安定剤を含有することにより、インクジェット方式で印刷を行った場合に、インクジェットヘッドからの吐出安定性を良好にすることができる。尚、前記HLBの上限値については特に限定されないが、18以下であると、インクジェットヘッド内の流路の濡れ性を最適にすることができる。また、前記HLBの値は、前述と同様、グリフィン法によるHLB値である。
前記吐出安定剤の含有量は、水性インク組成物の全質量に対し、1質量%〜5質量%であり、1質量%〜3質量%の範囲が好ましい。吐出安定剤の含有量を1質量%以上にすることにより、吐出安定性の低下を防止することができる。その一方、吐出安定剤の含有量が5質量%より多いと、泡が発生しやすくなり、ノズル詰まりの原因となり得る。
本実施の形態の水性インク組成物の表面張力は、25℃において25mN/m〜40mN/mの範囲内であり、27mN/m〜36mN/mの範囲が好ましい。表面張力を25mN/m以上にすることにより、インクジェットヘッドから水性インク組成物の液滴を吐出する際に、ノズルプレートへの付着により、印字不良となるのを防止することができる。また、水性インク組成物の液滴の真球性及び吐出速度が低下するのを防止し、液滴の吐出安定性を高めることができる。その一方、表面張力を40mN/m以下にすることにより、吐出安定性が低下するのを防止することができる。
本実施の形態に係る水性インク組成物に於いては、水(主溶媒としての水)を含有する。前記水としては、イオン交換水、限外ろ過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、又は超純水等のイオン性不純物を除去したものを用いるのが好ましい。特に、紫外線照射又は過酸化水素添加等により滅菌処理した水は、長期間にわたってカビやバクテリアの発生を防止することができるので好適である。また、水の含有量としては特に限定されず、適宜必要に応じて設定することができる。
本実施の形態の水性インク組成物においては、その他の添加剤が配合されていてもよい。但し、医薬品等の固体製剤に対するインクジェット用インクとして用いる場合には、薬事法で定める医薬品添加物、日本薬局方又は食品添加物公定書の基準に適合するものであることが好ましい。前記添加剤としては、水溶性樹脂、有機アミン、界面活性剤、pH調整剤、キレート化剤、防腐剤、粘度調整剤、消泡剤等が挙げられる。これらの添加剤の含有量は特に限定されず、適宜必要に応じて設定することができる。
前記表面張力調整剤としては、薬事法等の基準に適合したものであって、水性インク組成物の表面張力を調整することが可能なものであれば、特に限定されない。具体的には、例えば、ラウリン酸デカグリセリンエステル、オレイン酸デカグリセリンエステル、ラウリン酸ヘキサグリセリンエステル、オレイン酸ヘキサグリセリンエステル、縮合リノレン酸テトラグリセリンエステル、脂肪酸エステルヤシパーム、ミリスチン酸デカグリセリンエステル、ステアリン酸デカグリセリンエステル、ミリスチン酸ヘキサグリセリンエステル、グリセリン脂肪酸エステル混合物、ステアリン酸グリセリンエステル(自己乳化型)、ピログルタミン酸POE、モノラウリン酸ポリエチレングリコール(10EO)、モノオレイン酸ポリエチレングリコール(6EO)、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸ソルビタン(20EO)、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20EO)、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20EO)、モノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20EO)、POE(4.2)ラウリルエーテル、POE(9)ラウリルエーテル等が挙げられる。これらは一種単独で、又は二種以上を混合して用いてもよい。
これらの表面張力調整剤のうち、良好な吐出性を維持する観点からは、ラウリン酸デカグリセリンエステル(商品名;SYグリスターML−750、阪本薬品工業(株)製)、オレイン酸デカグリセリンエステル(商品名;NIKKOL DECAGLYN 1−OV、日光ケミカルズ(株)製)、オレイン酸デカグリセリンエステル(商品名;SYグリスターMO−7S、阪本薬品工業(株)製)、ラウリン酸デカグリセリンエステル(商品名;NIKKOL DECAGLYN 1−L、日光ケミカルズ(株)製)、ラウリン酸ヘキサグリセリンエステル(商品名;NIKKOL HEXAGLYN 1−L、日光ケミカルズ(株)製)、ラウリン酸ヘキサグリセリンエステル(商品名;SYグリスターML−500、阪本薬品工業(株)製)、オレイン酸ヘキサグリセリンエステル(商品名;SYグリスターMO−5S、阪本薬品工業(株)製)、縮合リノレン酸テトラグリセリンエステル(商品名;SYグリスターCR−310、阪本薬品工業(株)製)、脂肪酸エステルヤシパーム(商品名;チラバゾール W−01、太陽化学(株)製)等の市販品を用いるのが好ましい。
前記表面張力調整剤の添加量は、水性インク組成物の表面張力を25〜40mN/mに調整できる範囲が好ましい。添加量が前記範囲内であると、インクジェット方式での印刷の際の吐出安定性の確保等が図れる。
前記湿潤剤としては、薬事法等の基準に適合するものであれば特に限定されず、具体的には、例えば、プロピレングリコール、グリセリン、ジプロピレングリコール等が挙げられる。
前記湿潤剤の添加量は、水性インク組成物の全質量に対し、3質量%〜50質量%が好ましく、10質量%〜40質量%がより好ましい。湿潤剤の含有量を3質量%以上にすることにより、インクジェットヘッドのノズル近傍での目詰まりを防止し、吐出性能の一層の向上が図れる。その一方、湿潤剤の含有量を50質量%以下にすることにより、水性インク組成物の粘度を適性に制御することができる。
本実施の形態の水性インク組成物は、前述の各成分を適宜な方法で混合することよって製造することができる。即ち、例えば、顔料組成物の分散液に、前記カプリル酸ポリグリセリルやその他の添加剤等を加え、更に水にて希釈する。その後、十分に撹拌し、必要に応じて目詰まりの原因となる粗大粒径及び異物を除去するための濾過を行う。これにより、本実施の形態に係る水性インク組成物を得ることができる。
各材料の混合方法としては特に限定されず、例えば、メカニカルスターラー、マグネチックスターラー等の撹拌装置を備えた容器に順次材料を添加して撹拌混合を行うことができる。また、濾過方法としては特に限定されず、例えば、遠心濾過、フィルター濾過等を採用することができる。
本実施の形態の水性インク組成物は、インク及び塗料に適用することができる。また、本実施の形態の水性インク組成物は、吐出安定性に優れているので、インクジェット用インクに好適に使用することができる。さらに、本実施の形態の水性インク組成物は、薬事法で定められている医薬品添加物、日本薬局方又は食品添加物公定書の基準に適合した材料を用いているので、可食性を有しており、医薬品又はサプリメント等の錠剤やカプセル剤からなる固体製剤の表面に直接印刷することが可能である。また、素錠及びOD錠など表面の平滑性が悪い錠剤等に対しても、インクジェット方式による非接触印刷を可能にする。さらに、顔料を用いた水性インク組成物は耐光性にも優れているので、医薬品又はサプリメント等の固体製剤の表面に直接印刷しても滲みの発生を防止することができる。
(固体製剤)
本実施の形態の固体製剤は、錠剤又はカプセル剤からなり、当該固体製剤の表面には、前記水性インク組成物からなるインクジェット用水性インクを用いて、インクジェット記録方法により、その表面に直接印刷されたものであり、これにより、水性インク組成物からなる乾燥皮膜を有する。上述の通り、水性インク組成物は吐出安定性に優れ、印刷画像にかすれなども発生しないので、固体製剤には、製品情報など使用者の識別性を向上させるための各種情報を印刷することでき、その結果、調剤ミスや誤飲の防止が可能になる。
錠剤は常温下において固体状であり、例えば、有効成分を含む錠剤材料を一定の形状に圧縮及び/又は成形により製造されたものが好ましい。また、カプセル剤は、粉末状、顆粒状、液状等の医薬品等を、ゼラチンやセルロース誘導体等からなるカプセルに充填され、又はカプセル基剤で被包成形して製造されたものが好ましい。錠剤及びカプセル剤の形状は特に限定されず、任意の形状を採用することできる。また、錠剤及びカプセル剤は、医薬品用途のものであってもよく、食品用途のものであってもよい。食品用途の錠剤の例としては、錠菓やサプリメント等の健康食品が挙げられる。
固体製剤の表面に対するインクジェット記録方法については、特に限定されない。具体的には、例えば、微細なノズルより前記水性インク組成物を液滴として吐出し、その液滴を固体製剤表面に付着させることにより行うことができる。吐出方法としては特に限定されず、例えば、連続噴射型(荷電制御型、スプレー型等)、オンデマンド型(ピエゾ方式、サーマル方式、静電吸引方式等)等の公知の方法を採用することができる。
(その他の事項)
本実施の形態に於いては、着色剤として顔料を用いる場合を例にして説明した。しかし、本発明はこれに限定されず、例えば、染料を用いることも可能である。この場合、必要に応じて、他の公知の添加剤を添加してもよい。
染料としては可食性のものであれば特に限定されず、例えば、従来公知の合成食用色素、天然色素誘導体、天然系合成色素、天然食用色素等から適宜選択することができる。合成食用色素としては特に限定されず、例えば、食用赤色2号、食用赤色3号、食用赤色40号、食用赤色102号、食用赤色104号、食用赤色105号、食用赤色106号、食用黄色4号、食用黄色5号、食用青色1号、食用青色2号、食用緑色3号等が挙げられる。天然色素誘導体としては特に限定されず、例えば、銅クロロフィリンナトリウム等が挙げられる。天然系合成色素としては特に限定されず、例えば、β−カロテン等が挙げられる。天然食用色素としては特に限定されず、例えば、アントシアニン系色素、カロチノイド系色素、キノン系色素、フラボノイド系色素等が挙げられる。これらは一種単独で、又は二種以上を混合して用いてもよい。
染料の含有量は特に限定されないが、通常は、水性インク組成物の全質量に対し、0.2質量%〜20質量%の範囲内であり、好ましくは1質量%〜10質量%である。
以下に、この発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但し、下記の実施例に記載されている材料や含有量等は、特に限定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定するものではない。
(実施例1、2)
下記表1に示す配合組成にて、実施例1及び2の顔料分散溶液を調製した。具体的には、表1に示す各材料及びジルコニアビーズを容器中に入れて混合し、分散機(ペイントシェーカー、浅田鉄工株式会社製)にて常温で16時間(分散時間)分散した。これにより、各実施例1及び2について、カーボンブラック顔料濃度が25質量%の顔料分散溶液をそれぞれ得た。
さらに、下記表2及び表3に示す配合組成にて、実施例1及び2の水性インク組成物を調製した。具体的には、顔料組成物からなる顔料分散溶液に、プロピレングリコール、水及びカプリル酸デカグリセリル(濃度10質量%に調製したもの)を添加して、水性インク組成物をそれぞれ作成した。
尚、下記表1中の数値は、顔料分散溶液の全質量に対する質量%の値であり、表2及び表3中の数値は、水性インク組成物の全質量に対する質量%の値である。また、各材料は何れも薬事法で定める医薬品添加物、日本薬局方又は食品添加物公定書の基準に適合するものである。
(比較例1〜3)
比較例1〜3においては、吐出安定剤として、表3に示すものに変更した。それ以外は、前記実施例1と同様にして、比較例1〜3の水性インク組成物をそれぞれ作成した。
Figure 2017029866
Figure 2017029866
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(ノズル抜け及びかすれ評価)
各実施例及び比較例の水性インク組成物の吐出安定性として、ノズル抜け及び印刷画像のかすれの評価を行った。すなわち、記録媒体としてマット紙(商品名:スーパーファイン紙、エプソン(株)製)を用意し、各実施例及び比較例で調製した水性インク組成物を用いてそれぞれ印刷を行った。印刷は、インクジェットプリンタ(KC 600dpiヘッド搭載印字治具)を用いて、シングルパス(ワンパス)方式にて行った。
ノズル抜け及びかすれの評価は、ヘッドから水性インク組成物を吐出させた後、インクジェットプリンタを停止させ、その後、再度印刷したときの印刷画像にノズル抜けやかすれが観察されるか否かにより行った。結果を前記表3に示す。表中の○は、ノズル抜け及びかすれの何れも観察されなかった場合を意味する。×は、印刷途中でノズル抜け又はかすれの少なくとも何れかが発生した場合を意味する。
尚、ノズル抜けとは、目詰まりが発生したノズルから水性インク組成物からなるインク滴(液滴)が吐出されないことを意味する。かすれとは、印刷の初期における画像のかすれを意味する。また、表3中における15minとは、最初にヘッドから水性インク組成物を吐出させた後に停止し、その後、再度印刷させるまでの時間間隔(オープンタイム)を表す。
(水性インク組成物の表面張力の測定)
各実施例及び比較例の水性インク組成物の表面張力は、表面張力計(商品名;DY−500、協和界面科学(株)製)を用いて、常温下(25℃)で測定した。結果を前記表3に示す。
(結果)
表3に示す実施例1、2の実験結果から分かる通り、HLBが15以上のカプリル酸デカグリセリルを、水性インク組成物の全質量に対し2質量%となる様に配合した場合、ノズル抜け及びかすれは何れも発生せず、良好な吐出安定性を示すことが確認された。
その一方、比較例1〜3では、ノズル抜け及びかすれが発生することが確認された。特に、表面張力は、各比較例の水性インク組成物と、各実施例の水性インク組成物とで同様の値であったにも関わらず、吐出安定性において差異がみられた。

Claims (5)

  1. インクジェット記録に用いるインクジェット用水性インク組成物であって、
    着色剤と、カプリル酸ポリグリセリルを主成分とする吐出安定剤とを少なくとも含み、
    前記吐出安定剤のHLBが15以上であり、全質量に対し1質量%〜5質量%の範囲で含み、
    25℃における表面張力が25mN/m〜40mN/mの範囲であるインクジェット用水性インク組成物。
  2. 前記着色剤が顔料としてのカーボンブラックであり、
    さらに、顔料分散剤として、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリソルベート、オレイン酸デカグリセリル及びポリアクリル酸ナトリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の界面活性剤を含む請求項1に記載のインクジェット用水性インク組成物。
  3. 前記ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油のHLBが10以上である請求項2に記載のインクジェット用水性インク組成物。
  4. 可食性を有する請求項1〜3の何れか1項に記載のインクジェット用水性インク組成物。
  5. インクジェット用水性インクの乾燥皮膜を表面に有する固体製剤であって、
    前記インクジェット用水性インクが、請求項1〜4の何れか1項に記載のインクジェット用水性インク組成物からなる固体製剤。
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