JP2010215687A - 可食インクジェット用インク、およびその製造方法 - Google Patents

可食インクジェット用インク、およびその製造方法 Download PDF

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充志 西田
Yosuke Hashizume
陽介 橋爪
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泰男 吉廣
Hiroyuki Furuno
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Abstract

【課題】
本発明が解決しようとする課題は、食品等へ直接高精細で美しい印刷を可能とするため、高解像度印刷が活かせるインクジェット用着色組成物を提供することにある。
また、本発明は、生産性、保存安定性が良好な可食性のインクジェット用インクの提供を目的とする。
【解決方法】
樹脂、水性溶媒、及びクチナシ青色素を含んでなる可食インクジェット用インクであって、
前記クチナシ青色素の色価が200以上、400以下であって、
前記クチナシ青色素の色価と、インク中の前記クチナシ青色素含有率(重量%)とを乗じた数を100で割った値が、7.0以上33.0以下であることを特徴とする可食インクジェット用インク。
【選択図】なし

Description

本発明は、可食インクジェット用インキに関する。
インクジェット印刷方式は、印刷基材にヘッドが接触しないため衛生的である事、他の印刷方式と違い版などがなくても印刷ができるため小ロット低コストでの印刷が可能である事から、情報印字や嗜好表現などを目的に食品への直接印刷が行われるようになってきた。
近年では、卵の殻やおせんべいに見られるような、曲面や凹凸があっても印刷可能な機器や、チョコレートやケーキなどへの絵やメッセージなどを、高精細で美しい印刷が可能な機器など、印刷機のイノベーションが起こっている。
印刷機のイノベーションにより、食品の生産や出荷追跡のための情報印字や、菓子類などに対する嗜好表現が商品価値を向上させる手法として着目されてきている。
そのため、インキに対する要求が、そもそも印字ができればよいニーズから、高解像度印刷に適したスペックのインキが求められてきている。
特許文献1に記載されている内容は、食用天然色素、可食性グリコール系化合物、可食性脂肪酸エステル、エチルアルコール、及び純水を含むことを特徴とする可食性インクジェット用インク組成物である。
特許文献2に記載されている内容は、食用色素としてクチナシ色素を用いることを特徴とする可食性インキである。
いずれの特許文献にも、単に「クチナシ色素」という記載があるが、食品添加物として一般的に用いられるクチナシ青色素の色価は低い。これは、色素成分以外のクチナシ由来成分や、色素製剤を製造する際に用いる賦形剤などに起因する。これらの色素以外の成分がインクジェット用インクとして用いる場合、高粘度化や濾過性低下の原因となり、結果として、特許文献に記載された材料は、満足出来る物ではなかった。
特開2008−285519号公報 特開2009−24065号公報
本発明が解決しようとする課題は、食品等へ直接高精細で美しい印刷を可能とするため、高解像度印刷が活かせるインクジェット用着色組成物を提供することにある。
また、本発明は、生産性、保存安定性が良好な可食性のインクジェット用インクの提供を目的とする。
また、本発明は、樹脂、水性溶媒、及びクチナシ青色素を含んでなる可食インクジェット用インクであって、
前記クチナシ青色素の色価が200以上、400以下であって、
前記クチナシ青色素の色価と、インク中の前記クチナシ青色素含有率(重量%)とを乗じた数を100で割った値が、7.0以上33.0以下であることを特徴とする可食インクジェット用インクに関する。
また、本発明は、水性溶媒のSP値が、19.0以上21.0以下であることを特徴とする、上記可食インクジェット用インクに関する。
また、本発明は、クチナシ青色素を精製して、色価を200以上400以下に調整する工程と、
前記調整されたクチナシ青色素、樹脂、及び水性溶媒を混合する工程とを含む、
可食インクジェット用インクの製造方法に関する。
また、本発明は、クチナシ青色素の色価と、インク中の前記クチナシ青色素含有率(重量%)とを乗じた数を100で割った値が、7.0以上33.0以下であることを特徴とする上記可食インクジェット用インクの製造方法に関する。
また、本発明は、樹脂が、グリセリン脂肪酸エステルを含む上記製造方法に関する。
また、本発明は、上記製造方法で製造されてなる可食インクジェット用インクに関する。
また、本発明は、上記可食インクジェット用インクを基材上にインクジェット方式で印刷してなる印刷物に関する
本発明の効果として、色再現領域の拡大と印刷適正を兼ね備えたインクジェット用着色組成物となり、高解像度印刷が活かせ、食品に直接高精細で美しい印刷が可能となり、商品価値を向上させることができる。
また、保存安定性が良好な可食性のインクジェット用インクの提供できた。
本発明の詳細について説明をする。
本発明のインクジェット用インク(以下、本発明のインクという。)は、少なくとも樹脂、水性溶媒、クチナシ青色素からなり、前記クチナシ青色素の色価が200以上、400以下であって、「(前記クチナシ青色素の色価)×(インク中の前記クチナシ青色素含有率(重量%))÷100」の値が7.0以上33.0以下であることを特徴としている。
色素の種類として、好ましくはクチナシ青色素のみでされていることが好ましい。理由として、色素を複数種類入れることでの手間とコストが必要となるためである。
しかし、色目調整などの目的で、クチナシ青色素のほかに例えば、スピルリナ色素を含有しても良い。
本発明に用いられる色素の色価は200以上、400以下でなければならない。
この範囲より小さい色価であると、本発明の着色組成物の色再現領域を広げるため色を濃くしなければならない。そのため、色素を多く添加しなければならなくなる。よって、粘度が高くなってしまう点と、コストが高くなってしまう点から適さない。また、この範囲を超えた色価であると、極少量の添加量となるためハンドリング面や生産性から色調整のリスクが高まり、適さない。
本発明に用いられる色素の色価を測定する方法は、吸光度を測定することにより着色料中の色素濃度(色価)を測定する。色価は、着色料溶液の可視部での極大吸収波長における吸光度を測定し、10w/v%溶液の吸光度に換算した数値(E10%)で表す。
別に規定するもののほか、次の方法による。ただし、吸光度の測定には、検液の吸光度が、0.3〜0.7の範囲に入るように調整したものを用いる。
別に規定するもののほか、表示された色価により、表に示される試料の量を精密に量り、メスフラスコに入れ、別に規定する溶媒約10mlを加えて溶かし、更に溶媒を加えて正確に100mlとし、必要があれば遠心分離又はろ過し、試料溶液とする。この試料溶液を吸光度測定用の検液とし、必要があれば表に示される希釈倍率に従って正確に希釈する。
別に規定するもののほか、検液を調製した溶媒を対照とし、別に規定する波長で液層の長さ1cmでの吸光度Aを測定し、次式により色価を求める。色価の測定は、調製後の退色による影響を避けるため、検液の調製後、速やかに行うものとする。
色価=((10×A×F)/試料の採取量(g))
「(前記クチナシ青色素の色価)×(インク中の前記クチナシ青色素含有率(重量%))÷100」の値が7.0以上33.0以下である理由として、この値が7.0より低いと色として薄く色再現領域が狭くなり、印刷物として美しくない。反面、この値が33.0を超えると濃度が濃すぎるため、色再現性が必要以上に広くなり、天然色素は高価であるため、コストが高くなってしまう。
好ましくは「(前記クチナシ青色素の色価)×(インク中の前記クチナシ青色素含有率(重量%))÷100」の値が14.0以上25.0以下、より好ましくは15.0以上21.0以下である。
好ましい範囲である理由として、色再現領域が効率的に広げられる濃度であることと、人の目で観たときの違いを認識できる限界から好ましいといえる。
クチナシ青色素の色価を200以上400以下に調整する手段として、例えば、カラムによる精製などがある。
特に手段は問わないが、不純物の除去等の点から考えて、カラムによる精製過程を経ることが好ましい。
カラムに用いられる樹脂としては、アンバーライトXAD−4、アンバーライトXAD−7(製品名;オルガノ(株))、ダイヤイオンHP−20、HP−21、HP−40(製品名;三菱化学(株))等の多孔性樹脂が挙げられる。カラム精製はクチナシ果実抽出液の段階で実施しても良いし、クチナシ青色素溶液の段階で実施しても良い。
リングの面でスプレードライ法が好ましい。スプレードライを実施する場合、賦形剤を用いて良く、賦形剤としてはデキストリンが好ましい。
色再現領域について説明をする。
色再現領域はインクが持つ吸光度、等色関数、光源により各色の色座標が決まる。
具体的には、D65光源の場合のCIE色度座標を用いて表す。
D65は自然光に近い光源として知られ、印刷物などの色再現領域を表すときに用いられる光源である。加えて、CIE色度座標で表す理由として、近年の印刷デザインや制御等がパソコン上で行われる。これにより、パソコン上で表される色と印刷物の色が同じように再現させるためには、近年発達した高演色のディスプレーの再現領域にインクを近づけなければならないため、ディスプレーと同じ色度座標をもちいている。
ベンチマークとなる規格としては例えば、NTSC、EBU、sRGBなどあるが、近年のトレンドとしてsRGBを用いるケースが多い。
色素の吸光度測定方法として、本発明のインクを1w/v%の水溶液となるように調整をする。次に、吸光光度計(島津製作所社製、UV-2550)を用いて、380nm〜700nmの範囲波長で5nm刻みの吸光度を測定する。その場合の595nm波長における吸光度(abs)を測定する。
本発明のインクに用いる樹脂の特徴として、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂である。インクの全重量を基準(100重量%)として、0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%の量で用いることができる。
上記添加量が0.1重量%未満である場合、インクを吐出性が悪くなり印刷物として好ましくない。また、10重量%を超えている場合、過量に入ることで樹脂成分が凝集を起こしインクジェットヘッドが詰まりやすくなる事から好ましくない。
本発明のインクに用いる樹脂の種類として、例えば、アラビアゴム、シェラック、グリセリン脂肪酸エステル、ビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合物、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステルなどがあげられる。好ましくは、グリセリン脂肪酸エステルである。
中でも、インクの保存安定性、インク吐出性からHLB値として、2.0以上9.0以下が好ましく、より好ましくは4.0以上7.0以下である。
好ましい範囲よりHLB値が低い場合、非水溶性が強くなるためインクに樹脂がなじみにくく、吐出性が悪くなる傾向にある。また、好ましい範囲よりHLB値が高い場合、分散剤としての効果が低下し、インクの保存安定性が悪くなる傾向にある。
本発明のインクに用いる水性溶媒のSP値が19.0以上21.0以下であることを特徴としている。これは、色素の溶解性に関わっている。
SP値は一般的に、溶解度パラメータまたは溶解パラメータと呼ばれているものである。
成分、例えば水性溶媒と色素のSP値の差が小さいほど溶解性が高い。
しかし、天然色素の特徴として化学構造が特定されていない、または、化学構造が特定されていても、純度等を安定して管理、生産できない等の問題点があり、色素のSP値がわかっていない。発明者らの実験により、水性溶媒のSP値が19.0以上21.0以下である場合において、粘度等の生産性の面から従来達成できなかった色再現領域拡大に大きく寄与するインクジェット用インクを得ることが可能となった。
インクに用いる溶媒のSP値が好ましい範囲から外れる場合、色素が十分溶解しないことによるインクの濾過性が悪くなりため作業面とコスト面から生産性が悪くなる。
水性溶媒の具体的な種類として、例えば、水(23.4)、エチルアルコール(12.7)、グリセリン(16.5)、プロピレングリコール(14.8)などがあげられ、カッコ内はSP値を示している。これが、全体として、好ましくは、SP値が、19.0以上21.0以下となるように調整される。
また、溶媒組成として、印刷方式により異なるが、沸点が100℃以上200℃以下となるような溶媒組成が好ましい。
表面張力の調整として、表面張力調整剤を用いることができる。
表面張力調整剤は、食品用途において使用することができるものであれば良く、例えば、シリコーン樹脂系調整剤が使用することが出来る。シリコーン樹脂系調整剤の市販品としては例えば、液状オイル型シリコーン樹脂系調整剤であるKF96ADF、オイルコンパウンド型シリコーン樹脂系調整剤であるKS66、KS69、エマルジョン型シリコーン樹脂系調整剤であるKM72、KM72F(以上、信越化学工業株式会社製)等が挙げられる。消泡剤は単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。
本発明のインク物性として、生産性と印字特性がありインクジェット印刷できなければならない。
具体的な物性項目として、色素のハンドリング、インク粘度、濾過性があげられる。
ハンドリングは生産性にかかわり、微量の計量誤差により色相や粘度物性が大きく変わってしまう事があると、生産性が悪くなり、品質管理面でのコスト増加になりビジネスとして成り立たない。
インク粘度は印字特性にかかわり、粘度が高くなると高精細な印刷時のインク吐出性が不安定なため印字特性が悪くなり、印刷物自体の商品価値を棄損傾向となりビジネスとして成り立たない。
濾過性は生産性にかかわり、濾過性が悪くなると生産にかかる時間や、濾過材料やインクの収率低下となり生産性が悪く、コスト増加になりビジネスとして成り立たない。
本発明の着色組成物を用いてインクジェット印刷される被印刷体は特に限定されないが、食品であることが好ましい。何故なら、インキの安全性をより謳うことの効果がより大きいからである。また、より好ましい食品の例としてクッキー、餅、饅頭、煎餅、マシュマロ、ドラ焼き、ゴーフレット、卵殻が挙げられる。
本発明に係るインクジェット印刷の理由として、印字ヘッドが食品と触れなくとも印刷でき衛生的である点、製版などのコストが掛からず小スケールの印刷においても安く仕上げられる点、さらに印刷基材の凹凸が激しい場合や曲面への印刷も容易である点からインキジェット方式が優れている。具体的なインキジェット方式として例えば、コンティニアス方式、ピエゾ方式などで印刷することができる。本発明の目的として高精細な印刷物を提供することであるため、ピエゾ方式であることが好ましく、360dpi以上の解像度であることが好ましい。
以下に、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、以下の実施例は本発明の権利範囲を何ら制限するものではない。なお、実施例における「部」は、「重量部」を表す。
(溶媒Aの調整)
蒸留水65.0部、エチルアルコール23.0部、グリセリン12.0部を室温で溶いた後、ディスパーで見かけ上均一となるまで攪拌し溶媒A(SP値、20.1)を得た。
(溶媒Bの調整)
蒸留水70.0部、エチルアルコール20.0部、グリセリン10.0部を室温で溶いた後、ディスパーで見かけ上均一となるまで攪拌し溶媒B(SP値、19.7)を得た。
(溶媒Cの調整)
蒸留水60.0部、エチルアルコール25.0部、グリセリン15.0部を室温で溶いた後、ディスパーで見かけ上均一となるまで攪拌し溶媒C(SP値、20.6)を得た。
(溶媒Dの調整)
蒸留水75.0部、エチルアルコール16.0部、グリセリン9.0部を室温で溶いた後、ディスパーで見かけ上均一となるまで攪拌し溶媒D(SP値、21.1)を得た。
(溶媒Eの調整)
蒸留水55.0部、エチルアルコール29.0部、グリセリン16.0部を室温で溶いた後、ディスパーで見かけ上均一となるまで攪拌し溶媒E(SP値、19.2)を得た。
(クチナシ青色素A)
周知の方法によりクチナシ果実を含水エタノールで抽出し、抽出液をアンバーライトXAD−7を充填したカラムで精製した。この精製液を周知の方法で酵素処理して青色素とした後、エバポレーターによりクチナシ色素が色価240となるように濃縮し、クチナシ青色素Aを得た。
(クチナシ青色素B)
周知の方法によりクチナシ色素を酵素処理し青色素とした後、ダイヤイオンHP−20を充填したカラムで精製し、エバポレーターによりクチナシ色素を色価380となるように濃縮し、クチナシ青色素Bを得た。
(クチナシ青色素C)
市販の日農化学工業社製ニチノーカラーBLUE-BPを用いた。
(クチナシ青色素D)
クチナシ色素Bと同様の所作を行い、色価500となるように濃縮してクチナシ青色素Dを得た。
(樹脂)
樹脂は、実施例15〜18を除き、グリセリン脂肪酸エステル(阪本薬品工業株式会社製SYグリスター PO−5S)、HLB値4.9を用いた。
実施例15は、グリセリン脂肪酸エステル(阪本薬品工業株式会社製SYグリスター PO−310)、HLB値3.0を用いた。
実施例16は、グリセリン脂肪酸エステル(阪本薬品工業株式会社製SYグリスター MO−310)、HLB値8.8を用いた。
実施例17は、グリセリン脂肪酸エステル(阪本薬品工業株式会社製SYグリスター CR−500)、HLB値2.0を用いた。
実施例18は、グリセリン脂肪酸エステル(阪本薬品工業株式会社製SYグリスター MCA−500)、HLB値16.0を用いた。
表1に表す組成にて各材料を計量し室温で溶いた後、ディスパーで見かけ上均一となるまで攪拌した。これを更に混合機(カワタ製スーパーミキサーSMV-20型)で1時間分散した。ポアサイズが1μmの濾紙でこれを濾過して、各種各色のインクジェット用着色組成物を得た。
(ハンドリングの評価基準)
吸光度0.1あたりの色素添加量を基準とする。
○は、0.30部以上の色素添加量である場合。
△は、0.29部以下、0.2部以上の色素添加量である場合。
×は、0.19部以下の色素添加量である場合。
結果を表1に示す。
(粘度測定)
得られたインクの初期粘度(E型粘度計、25℃、50rpm/分、5分間)を測定した。また、80℃3日間静置後の経時粘度を初期粘度と同様に測定をした。結果を表1に示す。
(吸光度測定)
本文記載の方法により、得られたインクの吸光度を測定した。595nm波長の吸光度結果を表1に示す。
(濾過性)
上記ポアサイズ1μm、面積30cmの濾紙を用いて、インク100gの減圧濾過を行う。そ
の際の濾過挙動を評価した。
◎は、インク全量の濾過ができ、初速と1分後の濾過速度が1.5倍以下であり生産性に問題がない。
○は、インク全量の濾過ができ、初速と1分後の濾過速度が2倍以下であり生産性に問題がない。
△は、インク全量の濾過ができたが、初速と1分後の濾過速度が2倍より大きく、生産性が悪い。
×は、インク全量の濾過が出来ず、濾過中に目詰まりを起こし、一部しか濾過ができない。
Figure 2010215687
実施例1〜3と比較例1〜2、実施例4〜6と比較例3〜4、比較例5〜9において、求めるインク吸光度を達成するためには、色価と色素量の両者が適切でなければ、ハンドリング、インク粘度、濾過性のすべてが満足できない。これらはインクジェット用インクとして必須の項目であるため、どの項目も欠くことは出来ないことから、色価が200以上400以下の範囲でなければならないといえる。
また、実施例2、実施例11〜14の比較において、溶媒SP値を好ましい範囲にコントロールすることで、インクの保存安定性と濾過性を良好傾向に出来るといえる。
さらに、実施例2、実施例15〜18の比較において、樹脂HLB値を好ましい範囲にコントロールすることで、インクの保存安定性と濾過性を良好傾向に出来るといえる。
表2に表すマゼンタインキとイエローインキ、ブランクインキを用いて、インクジェット用インクセットとし、印刷テストを行った。
Figure 2010215687
(印刷テスト)
実施例、及び比較例 で得られたインクセットを、インクジェットプリンタ(マスターマインド社製、MMP13100BT)によって直径5cmのクッキーに文字と絵を印刷し、印刷物としての適正を評価した。結果を表3に示す。
(色再現領域)
上記インクジェットプリンタによって、普通紙へシアン色、イエロー色、マゼンタ色、各色ベタ印刷をし、測色計(X-Rite社製528)を用いて、D65光源としてのx、yを測定した。測定結果をCIE色度座標に示し、色再現領域を評価した。評価手法はsRGB色再現領域の面積を100%として、印刷物の色再現領域がどれくらい占めているのかを求める。結果を表3に示す。
Figure 2010215687
実施例19〜22、比較例10〜12において、色再現領域が拡大し、良好な印刷適正を示した。
以上の結果から本発明の着色組成物を用いることで、食品等へ直接高精細で美しい印刷を可能となり、高付加価値な製品を創りだす事ができるようになるといえる。

Claims (7)

  1. 樹脂、水性溶媒、及びクチナシ青色素を含んでなる可食インクジェット用インクであって、
    前記クチナシ青色素の色価が200以上、400以下であって、
    前記クチナシ青色素の色価と、インク中の前記クチナシ青色素含有率(重量%)とを乗じた数を100で割った値が、7.0以上33.0以下であることを特徴とする可食インクジェット用インク。
  2. 水性溶媒のSP値が、19.0以上21.0以下であることを特徴とする、請求項1記載の可食インクジェット用インク。
  3. クチナシ青色素を精製して、色価を200以上400以下に調整する工程と、
    前記調整されたクチナシ青色素、樹脂、及び水性溶媒を混合する工程とを含む、
    可食インクジェット用インクの製造方法。
  4. クチナシ青色素の色価と、インク中の前記クチナシ青色素含有率(重量%)とを乗じた数を100で割った値が、7.0以上33.0以下であることを特徴とする請求項3記載の可食インクジェット用インクの製造方法。
  5. 樹脂が、グリセリン脂肪酸エステルを含む請求項3または4記載の製造方法。
  6. 請求項3〜5いずれか記載の製造方法で製造されてなる可食インクジェット用インク。
  7. 請求項1または6記載の可食インクジェット用インクを基材上にインクジェット方式で印刷してなる印刷物。
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