JP2009024065A - 可食性インキ - Google Patents

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正明 松尾
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Abstract

【課題】食品の近傍で使用される印刷物、もしくは食品へ直に印刷を行うのに用いられる、減法混色の基本色(黄/紅/藍)および墨色を使用する4色のカラー印刷に適した色相の可食性インキを提供すること。
【解決手段】食用色素としてクチナシ色素を用いることを特徴とする可食性インキ。クチナシ色素としては、クチナシ黄色素、クチナシ青色素またはこれらの混合物が用いられる。さらに黒色色素としてイカ墨を用いることを特徴とする上記可食性インキ。
【選択図】図1

Description

本発明は、食用色素としてクチナシ色素を用いる可食性インキに関する。このインキは、食品類、未加工食品ないしは加工食品、これらの表面に直接、ないしは包装材等を介して、あるいは、食品に接触する機会のある材料、食品包装材料等に印刷するのに有用である。
食品の近傍で使用される印刷物のインキ、或いはまた、食品へ直に印刷を行い食品と共に一緒に食することができるインキとして若しくは究極的な安全性を標榜して使用する印刷インキとしては、可食性インキが使用されてきている。この可食性インキは、食品又は食品添加物としての使用が認められている原料のみからなり、食用としての安全性は優れている。
更にまた可食性インキは印刷インキとしても印刷機械上での安定性や印刷後に必要な耐光性等の各種の必要な特性も日常的に必要な特性を概ね満足していて、絵柄や文字を大量に複製するという印刷本来の基本的な機能を達成するには十分なレベルにある。しかし、インキとしては可食性ということに重点が置かれているため、絵柄を鮮やかに再現することや文字を綺麗に再現するといった機能については、これまでは、他の一般のインキに比較してみるとインキに必要な重点的な機能として取り扱われたことは極めて少なく、それゆえ、可食性インキを刷り重ねた時の発色や演色範囲の評価といったインキの基本的な機能を総合的に比較して評価する、或いはまた、インキを安定して作るために必要な合理的で且つ実用的な色相や色の純度を調整する方法の検討は、殆ど行われてきてはいない。
可食性インキにおいて最も大切で必須なことは、可食性にあるので、色相や色の純度を調整する方法は、一般のインキとは違って可食性を条件に選定されるために当然ながら材料の制約がされるが、このような条件において、可食性インキに必要とされる色の調整に適した色相を持つ且つ調整に適した印刷濃度になるクチナシ色素は可食性インキに使用するに適した素材である。
さて可食性インキで被印刷体に印刷した画像を通常のインキで印刷したものと比較すると、食用としての安全性をインキ組成の要件としているために、黄色と紅色と藍色および墨色を使うプロセス4色印刷で行うために、一般的なカラー製版の色再現方法によると、紅色で色再現する色域に大幅な色補正が必要となり、また色補正が難しい1次色は原稿とは違った色再現となる傾向が著しい。色再現が従来のプロセス4色印刷と違った結果になることは印刷方式には関係なく、使用される可食性インキに使用されている色素に由来している。
この色再現が違ってしまうことの補正として、第一の方法としては、他の食用色素を混合して色を補正、目指す色相へ調整する方法があるが、しかしながら可食性インキという条件を満たす色素の場合は、通常の印刷インキとは違って様々な色を自由に選択するということが出来ず、更に印刷機械上でのインキとしての安定性および印刷後の被印刷体上での密着性等から色の補正を行うことは、一般的なインキの調色作業の知識経験だけでは相当に面倒な作業となる。
一般的なインキの調色作業によらない、第二の方法としては、デスク・トップ・パブリュシング(DTP)の製版作業の工程において可食性インキ用の色を補正するためのルック・アップ・テーブル(LUT)を作成して色を補正する方法があり、この方法は簡便で且つ実用性が高く凡その色の補正が出来て自然な感じの4色印刷が可能とはなるが、しかしながらインキそのものの色で再現される1次色の色補正は難しく、この方法は広範な色域を持つ例えば風景や微妙な階調再現が重視される人物像等のカラー印刷には適していない。
そもそも4色のカラー印刷で使用されている製版工程での色補正は、主に、インキの紅色と藍色の不要な色の成分を使って他の色素で不足している色域を補完するという考え方に基づくところがあって、インキそのもので再現される1次色の色相を大幅に変更するということはあまり考慮されていない。
したがって可食性インキを用いて4色のカラー印刷を行うとなると、一般的なインキの調色作業の知識経験やDTPによる製版工程での色の補正に頼るということでは、一般的な印刷に求められる、実用的な作業時間内で綺麗な4色のカラー印刷の実現、或いは常識的な製作コストの範囲で綺麗な4色のカラー印刷の実現、という要求ニーズに対応するのは難しいという問題がある。
なし。
本発明は、印刷用の可食性インキの、特には減法混色の基本色(黄/紅/藍)および墨色を使用する4色のカラー印刷に適した色相の可食性インキを提供、食品の近傍で使用される印刷物、食品へ直に印刷を行う、若しくは究極の安全性を標榜する印刷物、これらの印刷を特別な手段を経ることなく、一般的な非可食性のインキを使用する場合の製版工程と印刷で使用可能とすること。或いは印刷機上の一般的なインキを可食性インキに換装するだけで良好な色再現を行う可食性インキの提供を行うことを目的とする。
即ち本発明は、食用色素としてクチナシ色素を用いることを特徴とする可食性インキに関する。
また本発明は、減法混色の基本色および墨色の4色印刷に用いることを特徴とする上記可食性インキに関する。
また本発明は、クチナシ色素がクチナシ黄色素、クチナシ青色素またはこれらの混合物であることを特徴とする上記可食性インキに関する。
また本発明は、さらに黒色色素としてイカ墨を用いることを特徴とする上記可食性インキに関する。
本発明が提供する可食性インキは、安全性に優れ、さらに減法混色の基本色および黒色を使用する4色印刷に用いた場合にも良好な色再現性を有する。
本発明は、食用色素としてクチナシ色素を用いることを特徴とする可食性インキである。クチナシ色素は、クチナシから抽出した色素を個別に使ったクチナシ黄色素や、その黄色素を酵素処理することで得られる青色素あるいは赤色素でもよく、これらを組み合わせてエタノール等に溶解したものであってもよいが、黄色素、青色素、またはこれらの混合物であることが好ましい。
クチナシ色素は、可食性インキの色相を調整する際に混合する色素として基本となる色相たとえば4色印刷用の紅インキならば赤色3号の発色を活かしつつ印刷で必要となる紅の色相に近似させるのに最適な色相(この場合は黄色と青色)が使用できるので補正に優れた効果を発揮できる材料である。クチナシ色素の場合は赤色も得られるので4色印刷の基本となる色相の藍、紅、黄、墨の色相の補正の際に多様な色数が使えて簡単迅速に作業ができるため日常的に色の補正を行うことに適している。
本発明の可食性インキには、クチナシ色素と共にクチナシ以外の食用色素を混合して使用することも可能である。クチナシ色素以外の食用色素としては合成着色料、天然着色料が用いられる。合成着色料としては、具体的には、有機合成着色料としてはアゾ系染料の黄色5号、赤色505号等、キサンテン系染料の赤色213号、赤色230号等、キノリン系染料の黄色204号等、トリフェニルメテン系染料の青色1号等、アンスラキノン系染料の緑色201号等、インジゴ系染料等があり、その他に有機性着色料(タール色素)のリソールルビンBCA、レーキレッドCBA、リソールレッド、リソールレッドCA、リソールレッドBA、リソールレッドSR、テトラクロルテトラブロムフルオレセイン、ブリリアントレーキレッドR、ディープマルーン、トルイジンレッド、テトラブロムフルオレセイン、スダンIII、ヘリンドンピンクCN、パーマトンレッド、ジブロムフルオレセイン、パーマネントオレンジ、ベンチジンオレンジG、ジヨードフルオレセイン、キノリンエローSS、ベンチジンエローG、キニザリングリーンSS、インジゴ、カルバンスレンブルー、アリズリンパープルSS、ブリリアントファストスカーレット、パーマネントレッドF5R、薬用スカーレット、オイルレッドXO、ハンサオレンジ、オレンジSS、ハンサエロー、エローAB、エローOB、スダンブルーB、フタロシアニンブルーなどが挙げられる。天然着色料としては、パプリカ色素、カロチン色素、ニンジンカロチン色素、シタン色素(サンダルウッド色素)、グアイアズレン、赤キャベツ色素,赤米色素,アナトー色素,イカスミ色素,ウコン色素,エンジュ色素,オキアミ色素,柿色素,カラメル色素、コーン色素,タマネギ色素,タマリンド色素,スピルリナ色素,紅花黄色素、紅花赤色素、ソバ全草色素,チェリー色素,海苔色素,ハイビスカス色素,ブドウ果汁色素,マリーゴールド色素,紫イモ色素,紫ヤマイモ色素,ラック色素,ルチン、蝶豆青色素、カルミン酸、ラッカイン酸、ブラジリン、クロシン、カロチン、コチニールなどがあげられる。
本発明の可食性インキは、減法混色の基本色(黄、紅、藍)および墨色の4色印刷用インキとして用いることが可能である。この場合、クチナシ色素が用いられるインキが1色以上あれば良い。
本発明の可食性インキを、減法混色の基本色(黄、紅、藍)の内、紅色のインキとして用いる場合、クチナシ色素としてクチナシ赤色素を用いても良いが、クチナシ赤色素またはクチナシ赤色素以外の赤色色素をベースとして、これにクチナシ黄色素またはクチナシ青色素、或はこれらを混合したクチナシ色素を添加して紅色とした色素を用いるのが好ましい。このクチナシ色素の添加により、紫外可視分光スペクトルにおける短波長側での光吸収を制御して綺麗な紅となるように補正することが出来る。この時、印刷濃度の2/3以上をベースとなる赤色色素が担うように色素を配合することがより好ましい。色素の混合はインキ化の前段階で行っても良く、インキ化中に行っても良い。また、それぞれの色素で調製したインキを後で混合しても良い。
本発明において、クチナシ赤色素またはクチナシ赤色素以外の赤色色素をベースとして、これにクチナシ黄色素またはクチナシ青色素、或はこれらを混合したクチナシ色素を添加して紅色とした色素を用いて可食性インキを調製する場合、ベースとなる赤色素の種類は特に限定されないが、色相の面から食用赤色3号が好ましい。
赤色3号とクチナシ色素を混合して色の補正を行い4色印刷用の紅インキとしたインキは他の食用に供する色素により補正を行った紅インキよりも一般の4色印刷用の紅インキに近似の色相となり、この紅のインキだけを印刷して比較してもその違いは色相で明らかであるが、黄インキや藍インキと重なる部分となる2次色の発色が更に違ってくるので紅インキの単独の色の補正のみならず、印刷される絵柄全体の印象に影響して、印刷物としての品質を色の補正をクチナシの色素によることで向上させることになる。
本発明の可食性インキを、墨色のインキとして用いる場合、イカスミ色素をベースとして、これにクチナシ黄色素またはクチナシ青色素、或はこれらを混合したクチナシ色素を添加して墨色とした色素を用いるのが黒色濃度、色相の両面で好ましい。この時、クチナシ色素は、イカスミ色素特有の、紫外可視分光スペクトルにおける高波長側での反射を抑制する働きを担う。色素の混合はインキ化の前段階で行っても良く、インキ化中に行っても良い。また、それぞれの色素で調製したインキを後で混合しても良い。
イカスミは可食性インキとして最も好ましい墨のインキであるが、一方で、墨インキは他のインキよりも文字の印刷に使われる頻度が高く、色が補正とすべき目標に合致しているということのみならず読みやすさということも実用では大切である。この点でイカスミにクチナシ色素を混合した可食性インキは、色の補正の必要程度に応じてクチナシの混合量を増減してもイカスミ単独で印刷したものと同等な品質が得られるので、印刷の実用で必要となる多様な濃度の墨インキを作るのに適している。
本発明のインキには食品または食品添加物としての使用が認められている溶剤が使用される。このような溶剤としては、水、エタノール、グリセリン、食用油脂などが挙げられ、単独、または2種以上を混合して用いられるが、エタノールまたはエタノールを含む溶剤を用いることが乾燥性、耐水性の両面から好ましく、エタノールが少なくとも50重量%以上含有されるアルコールインキとすることがより好ましい。
また、エタノールを用いる場合には、食品用の発酵エタノールまたは変性エタノールを単独、または混合して用いることが好ましい。
本発明のインキにおいて、食品添加の可能な樹脂を加えることが好ましい。これにより、水に浸漬したり、こすったりしても印刷したインキが溶出することの少ない耐水性、耐摩擦性を印刷物に備えさせることが可能である。食品添加の可能な樹脂としては、可食性の樹脂であり、シェラック樹脂、ダンマル樹脂、コーパル樹脂がアルコール系溶剤への溶解性から用いやすい。その他、水系の樹脂も用いることもあり、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、結晶セルロース、ゼラチン、カゼイン、大豆蛋白、アラビアゴムシクロデキストリン等を溶剤に応じて全部ないし一部用いることができる。これらの樹脂のなかでも、種々の適性から好ましい樹脂としては、シェラック樹脂である。
本発明において、食品添加の可能な樹脂を加える場合には、食品添加の可能な樹脂は、インキ全体中に、1〜50重量%の範囲で含まれることが好ましく、4〜40重量%の範囲で含まれることがより好ましい。含有量が1重量%好ましくは4重量%より少ないと、適度な粘度が得られない。また、十分な密着も得られにくい。又、50重量%以上好ましくは40重量%以上ではインキの粘度が高くなりすぎ、低温での流動性が不足し、印刷の安定性も低下する。
本発明において、色素の溶解性の向上、インキの乾燥の調整、インキ粘度の調整等の目的で、プロピレングリコールを添加することができる。プロピレングリコールの添加は、下地によっては、浸透の調整の効果も有する。
プロピレングリコールは、インキ中に0%〜30重量%の範囲にて用いられ、被印刷材への適度な浸透、乾燥の調整が可能となる。
本発明においては、食用色素の分散性を高める目的で、食用界面活性剤を混合、分散させておく事が出来る。食用界面活性剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル(PGエステル)、有機酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、レシチン、酵素処理レシチン、キラヤサポニンなどが、単独、或は混合して用いられる。
本発明においては、必要に応じて、呈味剤、香料、軟化剤、その他の食品添加物を添加し、混合しておく事が出来る。
呈味剤の例としては、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、エリスリトール、マルチトール、パラチノース、還元パラチノース、水飴、還元水飴、グルコース、ガラクトース、マンノース、リボース、アラビノース、キシロース、ラムノース、ソルビトール、マンニトール、マルトース、ラクトース、イソマルトース、セロビオース、ゲンチオビオース、パラチノース、アステルパーム(アスパルチルフェニルアラニンメチルエステル)、アセスルファムK、ステビオサイド、グリチルリチン又はその塩類、サッカリンナトリウム、スクラロース、ソーマチン、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、フマル酸、酢酸、乳酸、グルコン酸、炭酸ガス等の各種有機酸、アスコルビン酸、ナリンジン、テオブロミン、トリゴネン、イソフムロン、グルタミン酸ナトリウム、イノシン酸ナトリウム、グアニル酸ナトリウム、トリコロミン酸ナトリウム、テアニン、イボテン酸、リンゴ酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、マロン酸ナトリウム、各種有機酸塩類、乳清ミネラル類、例えば、タンニン、クロロゲン酸、カプサイシン、サンショオール、ピペリン、ジンゲロール、ショーガオール、などが挙げられ、これらは単独で用いても複数を混合で用いても構わない。
香料の例としては、ペパーミント油、スペアミント油、和種ハッカ油、オレンジ油、レモン油、グレープフルーツ油、ライム油、セージ油、ローズマリー油、シナモン油、ピメント油、ペパー油、ナツメグ油、フェンネル油、ディル油、クミン油、カモミール油、バジル油、クローブ油、タイム油、カシア油、コリアンダー油、アニス油、ウィンターグリーン油、ラベンダー油、ジャスミン油、ローズ油、アブソリュート類、l−メントール、l−カルボン、サリチル酸メチル、シネオール、メンチルアセテート、リモネン、シトラール、アネトール、シンナムアルデヒド、チモール、オイゲノール、ワニリン、脂肪族エステル、ストロベリーコンパウンド、テュッティーフルーツコンパウンド、ヨーグルトコンパウンド、アップルコンパウンド、パイナップルコンパウンド、などが挙げられ、これらは単独で用いても複数を混合で用いても構わない。
軟化剤の例としては、グリセリン、キシリット、ソルビトール液、アラビアガム液、ゼラチン液などが挙げられ。これらは単独で用いても複数を混合で用いても構わない。
前記の呈味剤、香料、軟化剤、その他の食品添加物を添加する場合には、これらの総重量がペーストの0.01重量%〜20重量%となるように添加するのが望ましい。
[実施例]
以下に、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、以下の実施例は本発明の権利範囲を何ら制限するものではない。なお、実施例における「部」は「重量部」を表す。
[実施例1]
表−1に示す配合の材料を準備、A液とB液をそれぞれ個別に調整、B液については十分に分散混合を行った。次いで、A液重量の3%相当のB液をA液に添加してからA液とB液の合計重量の2倍量のビーズを加えて分散混合を30分間行い、グラビア印刷用の紅の色相をもつ可食性インキを作成、グラビア印刷機で印刷を実施した。
表−1 A液 食用樹脂 25部
エタノール 60部
プロピレングリコール 4部
オレイン酸エステル 1部
カプリル酸エステル 1部
食用赤色3号(アルミニウムレーキ) 10部
B液 クチナシ黄色素 50部
クチナシ青色素 30部
エタノール 20部
実施例1で作成したグラビア印刷用の4色のカラー印刷向けの紅(マゼンタ)インキは、いずれも良好な画像品質の印刷結果を得た。
[比較例1]
表−2に示す配合の材料を準備、実施例1と同様にインキ重量の2倍量のビーズを加ええて十分に分散混合を30分間行った。次いでグラビア印刷機で印刷を実施した。
表−2 食用樹脂 25部
エタノール 60部
プロピレングリコール 4部
オレイン酸エステル 1部
カプリル酸エステル 1部
食用赤色3号(アルミニウムレーキ) 8部
食用赤色3号 2部
図1で示すように、食用赤色3号を加えたことによって分光波長の反射率が高い部分が長波長の方向へシフトするようになり一般のインキの紅に近似する好ましい傾向を示したものの、クチナシ色素の場合よりも短波長での変化が小さく、実施例1で使用しているクチナシ色素による色の補正が、一般のインキの紅に近似させるために有効であることが判る。
[実施例2]
表−3に示す配合の材料を準備、A液とB液をそれぞれ個別に調整、B液については実施例1と同様に十分に分散混合を行った。次いでA液重量の10%相当のB液をA液に添加して実施例−1と同様な分散混合を30分間行い、墨の可食性インキを作成した。
表−3 A液 食用樹脂 20部
エタノール 60部
プロピレングリコール 4部
オレイン酸エステル 2部
カプリル酸エステル 1部
イカスミ 10部
B液 クチナシ青色素 80部
エタノール 20部
作成した墨インキはグラビア印刷用のインキと比較して印刷機上での安定性や印刷の画像品質が同等、上質紙での反射濃度は1.04であった。
[比較例2]
表−4に示す配合の材料を準備、実施例1と同様に十分に分散混合を行い墨の可食性インキを作成してグラビア印刷を行った。表−4で食用樹脂を16部としているのは被印刷体で必要なインキの機能である固着性を確保しつつイカスミの含有率を高くして濃度を向上させるためである。
表−4 食用樹脂 16部
エタノール 60部
プロピレングリコール 3部
オレイン酸エステル 2部
カプリル酸エステル 1部
イカスミ 20部
作成した墨インキの印刷機上での安定性や印刷の画像品質はグラビア印刷用のインキと比較して同等であったが、上質紙での印刷濃度は0.76であった。
[参考例1]
実施例1のA液において、食用赤色3号(アルミニウムレーキ)の代わりに、食用黄色4号(アルミニウムレーキ)を用いて黄色の可食性インキを、また、食用青色1号(アルミニウムレーキ)を用いて藍色の可食性インキをそれぞれ作成した。
[実施例(および参考例)および比較例の結果]
実施例1で作成した紅インキ、実施例2で作成した墨インキ、参考例1で作成した黄インキ及び藍インキを用いて上質紙と塗工紙にカラーの4色のグラビア印刷を実施した。
印刷の結果、画像品質と色再現は極めて良好、特に実施例による紅の色の補正の結果が一般のインキの紅に近似したこと、墨のインキの濃度が高く色相も青味を増したことで良好な結果に至った。また、紅インキとして、実施例1で作成したものを用いて4色カラーグラビア印刷を実施した場合には、画質品質と色再現が更に向上される結果となったが、これは、赤系の色再現が実施例2と比較して若干弱めの印刷結果となったことによると考えられる。
比較例1による色の補正をしたインキを紅のインキとして4色印刷を実施した結果は、実施例2よりも赤の色再現に濁りが観察されて参考例よりも色の違いが目立つ結果であった。比較例2においては墨の濃度を向上させるために最低限度付近まで食用樹脂の含有率を下げてイカスミの増量による濃度の向上を図ってみたものの印刷の濃度は0.76と低く、クチナシ色素を混合して色の補正と濃度の向上を図った実施例2の1.04に及ばず、クチナシ色素の混合が実用に適う結果となった。
クチナシ色素を用いた可食性インキのスペクトル 墨の分光波長の図

Claims (4)

  1. 食用色素としてクチナシ色素を用いることを特徴とする可食性インキ。
  2. 減法混色の基本色および墨色の4色印刷に用いることを特徴とする請求項1記載の可食性インキ。
  3. クチナシ色素がクチナシ黄色素、クチナシ青色素またはこれらの混合物であることを特徴とする請求項1または2記載の可食性インキ。
  4. さらに黒色色素としてイカ墨を用いることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の可食インキ。
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