JP2017186449A - 顔料組成物 - Google Patents

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園子 相良
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聡一郎 森川
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義久 藤森
宏昭 西窪
Hiroaki Nishikubo
宏昭 西窪
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Abstract

【課題】顔料の平均分散粒子径が小さく、分散性に優れ、インクジェット用水性インク組成物への適用により、医薬品や食品等の錠剤等に対して、インクジェット方式で直接印刷することが可能な可食性の顔料組成物を提供する。
【解決手段】本発明に係る顔料組成物は、カーボンブラックと、顔料分散剤としてのポリグリセリン脂肪酸エステルとを含み、前記ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成する脂肪酸の炭素数が16〜20であり、前記カーボンブラックに対する前記ポリグリセリン脂肪酸エステルの含有比(ポリグリセリン脂肪酸エステル/カーボンブラック)が、質量基準で0.8以上、2以下であり、前記カーボンブラックの平均分散粒子径D50が50nm〜200nmであることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は顔料組成物に関し、より詳細には、分散性に優れ、医薬品や食品等の錠剤等に対して、インクジェット方式で直接印刷することが可能な可食性のインクジェット用水性インク組成物に適用し得る顔料組成物に関する。
錠剤の医薬品やサプリメント等の食品に対しては、パッケージだけでなく錠剤本体にも製品情報を表示することによって、それらの識別性を向上させ、調剤ミスや誤飲防止などが図られている。表面がコーティングされた錠剤は、グラビア印刷などの接触方式で印刷できるため、識別性の高い情報表示が行われている半面、表面の平滑性が悪い素錠やOD(口腔内崩壊)錠では接触方式による印刷が困難となっている。そのため、これらの錠剤に対しては、簡単な文字しか表示できない刻印方式が主流となっている。その結果、特に製薬業界では、素錠やOD錠等に対しても識別性の高い情報表示が可能な、新たな印刷方法に対するニーズが高まっている。
そのような印刷方法としては、例えば、染料を用いた水性インク組成物によるインクジェット方式の印刷が挙げられる(下記特許文献1参照)。しかしながら、前記水性インク組成物を用いて医薬品の錠剤等に印刷すると、印刷画像が滲み耐光性に劣るという問題がある。このような問題を解決する方法の一つとして、染料等に代えて顔料を用いたスタンプ印刷を行うことにより、耐光性を向上させて、滲みの問題を解消する方法が挙げられる。
しかし、顔料を用いたスタンプ印刷の場合、印刷版の作成が必要であり、小ロット生産では作業性が悪いという問題を有している。そのため、インクジェット方式により直接印刷する方法が考えられるが、スタンプ印刷に用いられる水性インク組成物の顔料は平均分散粒子径D50が400nm〜2000nm(D99では2000nm〜10000nm)程度と大きく、当該インクジェット方式での印刷には適さないという問題がある。
特開2011−236279号公報
本発明は前記問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、顔料の平均分散粒子径が小さく、分散性に優れ、インクジェット用水性インク組成物への適用により、医薬品や食品等の錠剤等に対して、インクジェット方式で直接印刷することが可能な可食性の顔料組成物を提供することにある。
本願発明者等は、前記問題点を解決すべく、顔料組成物について検討した結果、下記構成を採用することにより前記の問題点を解決できることを見出して、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明に係る顔料組成物は、前記の課題を解決する為に、カーボンブラックと、顔料分散剤としてのポリグリセリン脂肪酸エステルとを含み、前記ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成する脂肪酸の炭素数が16〜20であり、前記カーボンブラックに対する前記ポリグリセリン脂肪酸エステルの含有比(ポリグリセリン脂肪酸エステル/カーボンブラック)が、質量基準で0.8以上、2以下であり、前記カーボンブラックの平均分散粒子径D50が50nm〜200nmであることを特徴とする。
前記の構成によれば、染料の代わりにカーボンブラックからなる顔料を用いるので、本発明の顔料組成物を、例えば、インクジェット用水性インク組成物に用いた場合には、染料を用いたインク組成物と比較して、耐光性の向上が図れ、印刷画像の滲みの発生も防止することができる。
また、前記の構成によれば、カーボンブラックの顔料分散剤として、薬事法で定める医薬品添加物、日本薬局方又は食品添加物公定書の基準に適合したポリグリセリン脂肪酸エステルであって、脂肪酸の炭素数が16〜20の範囲のものを用いるので、例えば、医薬品等の錠剤に対してもインクジェット方式での印刷を可能にする。
また、前記の構成によれば、カーボンブラックとポリグリセリン脂肪酸エステルの含有比を、質量基準で0.8以上、2以下の範囲内にし、カーボンブラックの平均分散粒子径D50を50nm〜200nmの範囲内に制御しているので、分散性に優れ、医薬品や食品等の錠剤に対し、インクジェット方式で直接印刷することが可能な顔料組成物を提供することができる。
前記の構成に於いて、前記ポリグリセリン脂肪酸エステルが、パルミチン酸デカグリセリル、モノステアリン酸デカグリセリル、モノイソステアリン酸デカグリセリル、オレイン酸デカグリセリル及びアラキジン酸デカグリセリルからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であることが好ましい。
前記の構成に於いて、前記カーボンブラックの含有量は、顔料組成物の全質量に対し1質量%〜40質量%の範囲内であることが好ましい。カーボンブラックの含有量を1質量%以上にすることにより、例えば、インクジェット用水性インク組成物に適用してインクジェット方式により印刷した場合に、画像濃度の低下を抑制することができる。その一方、カーボンブラックの含有量を40質量%以下にすることにより、顔料組成物の粘度が過度に大きくなり過ぎるのを抑制する。これにより、例えば、分散機を用いたカーボンブラックの分散処理の際に、分散メディア(例えば、ジルコニアビーズ等)の動きが妨げられるのを回避することができる。また、相対的に水等の分散媒の割合が低下することにより、ポリグリセリン脂肪酸エステルの溶解不良が生じるのを防止することができる。
本発明によれば、顔料であるカーボンブラックと、顔料分散剤であるポリグリセリン脂肪酸エステルであって、脂肪酸の炭素数が16〜20の範囲のものを含み、かつ、当該カーボンブラックに対するポリグリセリン脂肪酸エステルの含有比を、質量基準で0.8以上2以下となる様に含有させ、さらにカーボンブラックの平均分散粒子径D50を50nm〜200nmの範囲内にしているので、分散性に優れた顔料組成物を提供することができる。これにより、本発明の顔料組成物を、例えば、インクジェット用水性インク組成物に適用すれば、医薬品や食品等の固体製剤に対しインクジェット方式での印刷を可能にする。
本実施の形態に係る顔料組成物について、以下に説明する。本実施の形態の顔料組成物は、顔料としてのカーボンブラックと、顔料分散剤としてのポリグリセリン脂肪酸エステルを少なくとも含む組成物である。
前記カーボンブラックとしては、例えば、チャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック等が挙げられる。また、本実施の形態のカーボンブラックとしては市販品を用いることも可能であり、そのような市販品としては、例えば、#900、#970、#100、#2200、#2300、#2350、#2600、MA−7、MA−8、MA−100、MA−11、MCF88、#45L、#50、#10、#33、#40、#4000、#52、CF9等(商品名、いずれも三菱化学株式会社製)、ニテロン、HTC(商品名、いずれも新日鉄住金化学社製)、旭#55、旭#51、旭#50U、旭#50、旭#35、旭#15、アサヒサーマル(商品名、いずれも旭カーボン社製)、Raven700、5750、5250、5000、3500、1255(商品名、いずれもコロンビア社製)、REGAL400R、330R、660R、MogulL、Monarch700、800、880、900、1000、1100、1300、Monarch1400(商品名、いずれもキャボット社製)、Color Black FW1、FW2、FW2V、FW18、FW200、S150、S160、S170(商品名、いずれもデグッサ社製)、PRINTEX35、U、V、140U、140V(商品名、いずれもデグッサ社製)、Special Black6、5、4A、4(商品名、いずれもデグッサ社製)、TOKABLACK #8500、#8300、#7550、#7400、#7350、#7240、#7100、#7050、#5500、#4500、#4400、#4300(商品名、いずれも東海カーボン社製)等を例示できる。これらの顔料は適宜必要に応じて、単独で又は二種以上を混合して用いることができる。但し、本実施の形態の顔料組成物を医薬品やサプリメント等の固体製剤表面への印刷用として用いる場合、カーボンブラックは、薬事法で定める医薬添加物又は食品衛生法で定める食品添加物であることが好ましい。
前記カーボンブラックの平均一次粒子径は10nm〜40nmが好ましい。尚、平均一次粒子径とは、分散剤と共に溶媒に入れて分散させる前の当該カーボンブラック粒子を電子顕微鏡で観察して求めた算術平均粒子径を意味する。
前記カーボンブラックの含有量は、例えば、インクジェット用水性インク組成物に適用する場合、画像濃度に直接影響するものである。また、保存性や粘度、pH、固体製剤に印刷する場合には印刷濃度等に影響を及ぼすものであることから、カーボンブラックの含有量はこれらの点を考慮して適宜設定すればよい。通常は、顔料組成物の全質量に対し1質量%〜40質量%の範囲が好ましく、1質量%〜25質量%の範囲内がより好ましい。カーボンブラックの含有量を1質量%以上にすることにより、画像濃度の低下を抑制することができる。その一方、カーボンブラックの含有量を40質量%以下にすることにより、顔料組成物の粘度が過度に大きくなり過ぎるのを抑制する。これにより、例えば、分散機を用いたカーボンブラックの分散処理の際に、分散メディア(例えば、ジルコニアビーズ等)の動きが妨げられるのを回避することができる。また、顔料組成物全体に対する水等の分散媒の割合が相対的に低下し、ポリグリセリン脂肪酸エステルの溶解不良が生じるのを防止することができる。
分散状態にある前記カーボンブラックの平均分散粒子径D50は、50nm〜200nmの範囲内が好ましく、100nm〜150nmの範囲内がより好ましい。また、前記カーボンブラックの粒度分布の累積99%の値(D99)は、100nm〜500nmの範囲内が好ましい。前記D50を50nm以上にすることにより、分散安定性、耐光性及び吐出安定性の悪化を防止し、印刷濃度の低下も防止することができる。その一方、前記D50を200nm以下にすることにより、前記カーボンブラックの分離や沈降を防止し、分散安定性の維持が図れる。尚、カーボンブラックの平均分散粒子径D50又はD99は、マイクロトラックUPA−EX150(商品名、日機装(株)製)を用いて動的光散乱法により測定した値である。
前記ポリグリセリン脂肪酸エステルは、顔料であるカーボンブラックの分散性の向上を図るものである。また、ポリグリセリン脂肪酸エステルは、食品添加物公定書の基準に適合したものである。従って、医薬品又は食品等の固体製剤への印刷用に好適に用いることができる。
また、ポリグリセリン脂肪酸エステルは、当該ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成する脂肪酸の炭素数が18〜20の範囲内のものである。そのようなポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、例えば、パルミチン酸デカグリセリル、モノステアリン酸デカグリセリル、モノイソステアリン酸デカグリセリル、オレイン酸デカグリセリル、アラキジン酸デカグリセリル等が挙げられる。これらは1種単独で、又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。また、例示したポリグリセリン脂肪酸エステルのうち、本実施の形態においては、モノステアリン酸デカグリセリル、モノイソステアリン酸デカグリセリル及びオレイン酸デカグリセリルがカーボンブラックの分散性と入手性の観点から好ましい。モノステアリン酸デカグリセリルとしては、例えば、NIKKOL MGS−150V(商品名、日光ケミカルズ(株)製)、NIKKOL DECAGLYN(登録商標)1−50SV(商品名、日光ケミカルズ(株)製)等が挙げられる。モノイソステアリン酸デカグリセリルとしては、例えば、NIKKOL DECAGLYN(登録商標)1−ISV(商品名、日光ケミカルズ(株)製)等が挙げられる。また、オレイン酸デカグリセリルとしては、例えば、DECAGLYN(登録商標)1−OV(商品名、日光ケミカルズ(株)製)等が挙げられる。
前記カーボンブラックと前記ポリグリセリン脂肪酸エステルとの含有比(ポリグリセリン脂肪酸エステル/カーボンブラック)は、質量基準で0.8以上、2以下であることが好ましく、0.9以上、1.8以下であることがより好ましく、1以上、1.5以下であることが特に好ましい。前記含有比が0.8以上であると、カーボンブラックの分散性の低下を防止することができる。その一方、前記含有比が2以下であると、ポリグリセリン脂肪酸エステルが顔料組成物中に溶解できず、析出するのを防止することができる。
本実施の形態に係る顔料組成物に於いては、カーボンブラックを分散させるための分散媒が含まれる。分散媒としては水が挙げられ、より詳細には、イオン交換水、限外ろ過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、又は超純水等のイオン性不純物を除去したものが挙げられる。特に、紫外線照射又は過酸化水素添加等により滅菌処理した水は、長期間にわたってカビやバクテリアの発生を防止することができるので好適である。また、分散媒の含有量としては特に限定されず、適宜必要に応じて設定することができる。
また、前記分散媒としては、前記水と水溶性有機溶剤の混合溶液を用いてもよい。前記水溶性有機溶剤としては特に限定されず、具体的には、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテル類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−へキサントリオール、チオジグリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリンなどの多価アルコール類;N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。これらは一種単独で、又は二種以上を混合して用いてもよい。また、前記に列挙した水溶性有機溶剤のうち、本実施の形態に於いては、エチルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、アセトン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリンが好ましい。さらに、分散媒に水溶性有機溶剤を用いる場合の配合量としては特に限定されず、適宜必要に応じて設定することができる。
本実施の形態の顔料組成物の製造方法において、カーボンブラック、ポリグリセリン脂肪酸エステル、分散媒及び必要に応じて配合するその他の添加剤の混合方法や添加順序は、特に限定されない。例えば、カーボンブラック、ポリグリセリン脂肪酸エステル及び分散媒としての水等を一度に混合し、この混合液に対し通常の分散機を用いて分散処理を施せばよい。このときの分散時間は特に限定されないが、顔料の平均分散粒子径が前記の数値範囲内となるように設定するのが好ましい。例えば、ペイントシェーカーを用いた場合には、顔料組成物の含有量にもよるが2時間〜48時間の範囲内が好ましく、6時間〜32時間の範囲内がより好ましい。分散時間を2時間以上にすることにより、カーボンブラックの粗大粒子が大量に残存するのを低減し、ポリグリセリン脂肪酸エステルのカーボンブラック表面への吸着が不十分となって分散安定性や保存安定性が悪くなるのを防止することができる。その一方、分散時間を48時間以下にすることにより、平均分散粒子径が前記数値範囲よりも小さい顔料微粒子が多く発生するのを低減し、分散安定性、保存安定性、更には吐出安定性の低下を防止することができる。また、印刷濃度の低下も抑制することができる。
顔料の分散処理の際に使用される分散機としては特に限定されず、一般に使用されるものを用いることができる。具体的には、例えば、ボールミル、ロールミル、サンドミル、ビーズミル、ペイントシェーカー、ナノマイザー等が挙げられる。
以上の通り、本実施の形態の顔料組成物は、食品添加物公定書の基準に適合したポリグリセリン脂肪酸エステルを顔料分散剤として使用するので、当該顔料組成物をインクジェット用水性インク組成物に適用した場合には、医薬品や食品等の錠剤に対し、インクジェット方式で直接印刷するインク材料に好適に用いることができる。また、カーボンブラックとポリグリセリン脂肪酸エステルの含有比を、質量基準で0.8以上2以下の範囲内にし、カーボンブラックの平均分散粒子径D50を50nm〜200nmの範囲内に制御しているので、分散性に優れ、医薬品や食品等の錠剤に対し、インクジェット方式での直接印刷を可能にする。さらに、前記顔料組成物においては、染料の代わりにカーボンブラックを用いているので、例えば、医薬品等の錠剤表面にインクジェット方式で印刷しても、印刷画像は耐光性に優れ、かつ、滲みの発生を防止することができる。尚、可食性とは、医薬品若しくは医薬品添加物として経口投与が認められている物質、及び/又は食品若しくは食品添加物として認められている物質のみからなることを意味する。また、本実施の形態の顔料組成物は、例えば、最終製品たるインクジェット用水性インク組成物の形態のほか、当該水性インク組成物を調製するための顔料分散液の形態をも包含するものである。
以下に、この発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但し、下記の実施例に記載されている材料や含有量等は、特に限定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定するものではない。
(実施例1)
下記表1に示す配合組成にて、実施例1の顔料組成物を調製した。顔料組成物の調製は、次の操作によって調製した。即ち、表1に示す各材料を容器中に入れて混合し、分散機(ペイントシェーカー、浅田鉄工株式会社製)にて常温で7時間(分散時間)分散させた。これにより、本実施例に係る顔料組成物を作製した。尚、下記表1中の数値は、特に記載がない限り全て質量%で表したものである。また、各材料は何れも薬事法で定める医薬品添加物、日本薬局方又は食品添加物公定書の基準に適合するものである。
(実施例2)
本実施例においては、顔料分散剤であるステアリン酸デカグリセリルとして、NIKKOL MGS−150V(商品名、日光ケミカルズ(株))をNIKKOL DECAGLYN YN1−50SV(商品名、日光ケミカルズ(株))に変更し、さらに、カーボンブラックに対するステアリン酸デカグリセリルの質量基準での含有比(ステアリン酸デカグリセリル/カーボンブラック)を1.2に変更した。それ以外は、前記実施例1と同様にして、本実施例に係る顔料組成物を作製した。
(実施例3)
本実施例においては、顔料分散剤として、ステアリン酸デカグリセリルをオレイン酸デカグリセリル(商品名;NIKKOL DECAGLYN YN1−OV、日光ケミカルズ(株))に変更し、さらに、カーボンブラックに対するオレイン酸デカグリセリルの質量基準での含有比(オレイン酸デカグリセリル/カーボンブラック)を0.89に変更した。それ以外は、前記実施例1と同様にして、本実施例に係る顔料組成物を作製した。
Figure 2017186449
(比較例1)
比較例1においては、カーボンブラックに対するステアリン酸デカグリセリルの質量基準での含有比(ステアリン酸デカグリセリル/カーボンブラック)を、前記表1に示すように0.3とした。それ以外は、前記実施例1と同様の方法にて、本比較例に係る顔料組成物を作製した。
(比較例2〜5)
比較例2〜5においては、顔料分散剤として下記表2に示すものを用いた。それ以外は、前記実施例3と同様にして、比較例2〜5に係る顔料組成物を作製した。
Figure 2017186449
(比較例6〜9)
比較例6〜9においては、顔料分散剤として下記表3に示すものを用いた。それ以外は、前記実施例1と同様にして、比較例6〜9に係る顔料組成物を作製した。
Figure 2017186449
(顔料の平均分散粒子径の測定)
各実施例及び比較例の顔料組成物における顔料の平均分散粒子径D50及びD99は、マイクロトラックUPA−EX150(商品名、日機装(株)製)を用いて動的光散乱法により測定した。
(結果)
表1に示す通り、実施例1〜3においては、各種のカーボンブラックからなる顔料に対し、ポリグリセリン脂肪酸エステルを顔料分散剤として配合し、さらにカーボンブラックに対する顔料分散剤の含有比を質量基準で0.89、1.2又は1.5とすることにより、カーボンブラックの平均分散粒子径D50を、粗大粒子もなく50nm〜200nmの範囲内にし、分散性を向上させることができた。
その一方、比較例1の様に、顔料分散剤としてステアリン酸デカグリセリルを用いた場合でも、前記含有比が0.3の場合では、カーボンブラックの平均分散粒子径D50が1956nmとなり、分散性を改善することはできなかった。また、比較例2〜9の様に、顔料と顔料分散剤の含有比を0.8〜2の範囲内した状態で、ポリグリセリン脂肪酸エステルを用いた場合でも、脂肪酸の炭素数が10〜14の範囲では、前記D50を200nm以下にすることはできず、分散性の向上を図ることはできなかった。

Claims (3)

  1. カーボンブラックと、顔料分散剤としてのポリグリセリン脂肪酸エステルとを含み、
    前記ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成する脂肪酸の炭素数が16〜20であり、
    前記カーボンブラックに対する前記ポリグリセリン脂肪酸エステルの含有比(ポリグリセリン脂肪酸エステル/カーボンブラック)が、質量基準で0.8以上、2以下であり、
    前記カーボンブラックの平均分散粒子径D50が50nm〜200nmである顔料組成物。
  2. 前記ポリグリセリン脂肪酸エステルが、パルミチン酸デカグリセリル、モノステアリン酸デカグリセリル、モノイソステアリン酸デカグリセリル、オレイン酸デカグリセリル及びアラキジン酸デカグリセリルからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項1に記載の顔料組成物。
  3. 前記カーボンブラックの含有量は、顔料組成物の全質量に対し1質量%〜40質量%の範囲内である請求項1又は2に記載の顔料組成物。
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